Success STORIES 手ぶれ補正機能を搭載した シグマの最新レン … · 2020-02-09 ·...

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東芝抜粋版 株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社 / 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社 Volume.8 2014.3 www.aps-web.jp Success STORIES 手ぶれ補正機能を搭載した シグマの最新レンズに 東芝の M342 を採用

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東芝抜粋版

株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社 / 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社

Volume.8 2014.3

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Success STORIES

手ぶれ補正機能を搭載したシグマの最新レンズに東芝のM342を採用

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Success STORIES

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株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社 / 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社

創業当時から各メーカーのカメラに向けた交換レンズを用意

一眼レフ型カメラのブームから交換レンズの

需要も増えている。「カメラがデジタルになっ

たことから、一眼レフ型の買い替え需要にとも

ない交換レンズのマーケットも大きくなってい

ます。」(シグマ成田氏)。

交換レンズはカメラメーカー以外にも、サー

ドパーティベンダーからも提供されている。シ

グマもその一社で 1961 年の創業当時から、各

メーカーのカメラに向けた交換レンズの開発、

製造、販売を行ってきた。さらに、イメージ

センサまで自社開発したデジタルカメラとその

周辺機器も開発、製造、販売している。

シグマはオートフォーカス(AF)レンズとし

て、APS-C サイズ相当のイメージセンサに合わ

せて設計した高性能レンズである「DC シリー

ズ」、35mm 判フルサイズに対応した高性能レン

ズ「DG シリーズ」、ミラーレス一眼カメラ専用

高性能レンズ「DN シリーズ」など多くの製品を

ラインアップしている。

近年、カメラは著しい進化を遂げ、AF、絞り

の自動化、手ぶれ補正などの対応が当たり前と

なった。それらの機能は、ボディとレンズ間で

通信し、協調して実施している。

「ボディとレンズ間の通信も日々進化してお

り、通信速度の向上やデータ量は増大が図られ

ています。高性能な交換レンズやデジタルカメ

ラをユーザーに提供するためにも、ハイスペッ

一眼レフカメラの交換レンズのサードパーティベンダーとして長年業界をリードしてきたシグマ。手ぶれ補正機能を搭載した最新レンズである「SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」「SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM」、さらにレンズのカスタマイズに使用する「Sigma USB DOCK」に東芝セミコンダクター & ストレージ社(以下、東芝)の ARM® Cortex®-M3 搭載マイコン「TX03シリーズ」が採用された。ここでは、各レンズの特長などに加え、採用のメリットなどを聞いた。

手ぶれ補正機能を搭載したシグマの最新レンズに東芝のM342を採用

クなマイコンが必要となっています」(成田氏)

という。

ボディでのARMコア採用実績からM342をレンズに採用

シ グ マ の 交 換 レ ン ズ の 中 で も 手 ぶ れ 補 正

機能を搭載した最新機種である「Sigma 17-

70mm F2.8 - F4」および「Sigma 24-105mm

F4」に東芝の ARM Cortex-M3 搭載マイコン

「TMPM342FY」が 採 用 さ れ た。 レ ン ズ の カ ス

タマイズに使用する「Sigma USB DOCK」には、

「TMPM365FY」が採用されている(図 1)。

シグマと ARM コアの出会いは、カメラボディ

からだ。「ボディではすでに採用実績があった

のでレンズでも安心して採用を決めました」(シ

グマ高橋氏)。

「Sigma 17-70mm F2.8 - F4」は、 同一の焦点距

離の製品としては 3 世代目であり、手ぶれ補正

機能付の交換レンズとしては小型化を実現して

いる。

「Sigma 17-70mm F2.8 - F4 は、マクロ撮影に

も強くなっています。マクロレンズと合わせて

2 本持っていくゆとりがないときに重宝するの

ではないでしょうか」(高橋氏)。「最短撮影距離

が 22cm であり、70mm 時はレンズ先端から約

5.5cm まで被写体に寄ることができます。コン

パクト型を使っている方でも違和感なく使えま

す」(シグマ藤繁氏)。カメラにはじめから装備

されているレンズキットでは、少し物足りない

というユーザーに向けたものとなるという。

「Sigma 24-105mm F4」は、35mm 判フルサイ

ズで要望の多い高倍率と高性能を両立した製品

であり、近年のデジタルカメラの高画素化に耐

えうる画質を実現しているものだ。

「APS-C サイズ相当のレンズの場合、35mm

判フルサイズのイメージセンサでは、周りに

ケラレが出てしまいます。35mm 判に対応し

つつ、ズーム性能を出すのは困難なのですが、

「Sigma 24-105mm F4」は、当社の技術を駆使

して相反する性能を両立したものです」(藤繁

氏)。ハイアマチュアやプロに向けたレンズで

ある。

「Sigma USB DOCK」は、ピントの微調整など、

交換レンズの機能をユーザーの好みにカスタマ

イズできる。「基本的に出荷時がベストになっ

ていますが、あえて自分好みにカスタマイズし

たいというご要望に応えたものです」(高橋氏)。

レンズの各種制御に特化した機能を豊富に搭載

シ グ マ の 両 レ ン ズ に 採 用 さ れ た 東 芝 の

「TMPM342FY」は、ARM 搭載汎用マイコンであ

りながらカメラレンズの制御に特化した各種機

能が搭載されている ASSP(Application Specific

Standard Product)マイコンである。

CPU コアに ARM Cortex-M3/40MHz、周辺機

能としてサーボエンジン PSC(Programmable

Servo / Sequencer Controller)、アナログ制御

株式会社シグマ開発部 開発第2ユニット 第6課係長 工学博士

成田 大助 氏

株式会社シグマ開発部 開発第2ユニット 第6課

工学博士

高橋 岳志 氏

図1:交換レンズにTMPM342FY(左)、レンズ用USB DOCKにはTMPM365FYを採用(右)。

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インタフェース、高分解能 PPG(Programmable

Pulse Generator)出力、高速シリアル通信、2 相

パルス入力カウンタなどを搭載している。

サ ー ボ エ ン ジ ン PSC は、CPU コ ア と の 並 列

処理により、光学手ぶれ補正で用いられる PID

(Proportional Integral Derivative)制御の高速化

と低消費電力化を実現する。しかも、制御内容

をソフトウェアでフレキシブルに変更でき、シ

ステム開発期間の大幅な短縮を実現できる。

高分解能 PPG 出力は、高分解能 6nsec、± 90°

可変位相差出力対応可能な PWM(Pulse Width

Modulation)タイマの内蔵により、超音波モー

タなどの駆動も可能とする。

ボディがマスタでレンズがスレーブとなる

「Sigma 17-70mm F2.8 - F4」での処理を図 2 に

まとめる。「ボディがマスタでレンズがスレー

ブとなり、ボディの指示にレンズが従うのが基

本です」(成田氏)。

処理の流れとして、まず通信がある。「ボディ

からレンズに対して、撮影したファイルにも記

録される焦点距離や絞り値などの各種情報を聞

いてくるので、それに答える通信を行っていま

す」(成田氏)。絞り制御は、ボディのマイコン

からレンズ側のマイコンに対して絞りの駆動量

が送られるので、レンズはステッピングモータ

レンズを縦横無尽に動かしたいというニーズが

あります。しかし、レンズというひとつのパッ

ケージとしてまとめる場合、基板やアクチュエー

タ、センサなどと場所の取り合いになってしま

います。そのため、基板面積は小さいほど喜ば

れます(図 3)。また、ドライバやセンサ関連の

回路を MCD(Motor Control Driver)で補えたの

は大きいと思います」(藤繁氏)。

さらに、HSM や手ぶれ補正の性能も向上した。

「HSM は、35KHz から 70KHz 程度の信号を回路

に 流 し て 制 御 し て い ま す。「TMPM342FY」の

16bit タイマは、以前のマイコンと比べてデュー

ティ比を自由に調整できるなど、自由度が高い

制御ができます。結果として滑らかな制御がで

き、お客様にとって使い勝手の良い製品に仕上

げることができました」(藤繁氏)という。

さ ら に、Cortex-M3 の コ ア が 想 像 以 上 に 処

理能力が高く、特に FPU(浮動小数点演算)や

割り込みにかかる速度が速かったという。「浮

動小数点演算が手ぶれ補正の計算に必要です。

しかし、浮動小数点演算にしてしまうと処理

が遅くなりがちですが、「TMPM342FY」では

それが高速に処理されるので助かりました」

(高橋氏)。

東芝の持つペリフェラルやサポートを高く評価

RTOS(リアルタイムOS)は、機能ごとにタス

ク分割を行い、マルチタスク化を実現するため

μT-Kernelを採用した。言語は、一部アセンブリ

で指示された量だけ絞りを絞る。フォーカス制

御は、ボディからレンズに対してフォーカスの

駆動量が送られてくるので、HSM(Hyper Sonic

Motor:超音波駆動モータ)を駆動させ、指定分

だけ駆動させる。手ぶれ補正は、ボディから手

ぶれ補正の開始 / 停止の指令が送られてくるの

で、レンズ鏡筒に搭載しているジャイロセンサ

(角速度センサ)からぶれデータを取得する。そ

のデータから手ぶれ補正のためのレンズの移動

量を決め、VCM(Voice Coil Motor:電磁コイル)

で移動させる。

実際の撮影時には複数の処理を同時並行的に実施

実際の撮影時には、これらの処理を同時並行

的に行うことになる。「実際の絞りの状態でライ

ブビューしながら、フォーカスや手ぶれ補正を

行うというのがマイコンへの負荷が大きくなる

一例です。それら並列処理を破綻なく行うため

には、それなりのノウハウが必要です」(藤繁氏)。

「東芝としては、レンズの動作を意識して PSC

を作りました。CPU とは完全に独立し、処理の

分散が可能であるのと同時に、動かしたいとき

だけ動作し、不要な時は完全に止まる消費電流

削減の対策もしています」(東芝徳山氏)。

「手ぶれ補正はジャイロセンサや位置センサ

(ホールセンサ)からの信号で常に動作させてお

く必要があります。そこで低消費電力かつ非同

期での動作が可能な PSC にて動作できるように

しました」(東芝有賀氏)。

ア ナ ロ グ 関 連 の ペ リ

フェラルも充実させた。

「シグマ様と一緒にレン

ズ向けに必要なペリフェ

ラルを企画し充実させま

した。たとえば、シグマ

様からのご要望に合わせ

16 ビットの分解能を持

つ A/D コンバータを搭載

しました。さらに、セン

サアンプやステッピング

言語を含んでいるが、基本的にC言語を用いている。

成田氏は、東芝のサポートを高く評価してい

る。開発環境とデバッグツールは IAR システム

ズ社の Embedded Workbench for ARM を使用し

ている。「ツールについては、東芝さんと主に

やり取りしていました。デバイス以外の部分で

も、東芝さんには大変良くサポートしていただ

きました」(成田氏)という。

さらに、「PSC はアセンブラのため、初めは

戸惑いもあったのですが、東芝さんが効率的な

コーディングなども含めて一緒にやっていただ

きました」(成田氏)。

「PSC は単なるコプロセッサではなく、ハード

演算器の代わりとなるもので、高速処理を意識

してアセンブラを用いています。お客様が容易

にご利用できるように、お客様の欲しい機能を

リファレンスとして検証し、サンプルソースと

してご提供させていただきました」(徳山氏)。

さらに、「基板設計における回路構成、部品

の配置、配線の仕方等、電気的な設計手法に関

するアドバイスまで丁寧に教えていただき、最

初の試作時点でおおよそ問題なく動作する設計

ができました」(藤繁氏)。

レンズのカスタマイズに使用する「Sigma

USB DOCK」は電源を持っていない※ ので、フ

ラッシュメモリへのアクセスが失敗したら最悪

の場合、レンズが動作しなくなる恐れがある。

「フラッシュメモリの書込みや消去において、

書込み途中で失敗してもリトライできるような

機能が必要でした。その際、メモリの分割につ

いても的確なアドバイスをいただきました」(高

橋氏)。

必要な速度が得られるコアを探していた

今後の展開について成

田氏は、「レンズの各モ

ジュールで独立させ、ソ

フ ト ウ ェ ア の 再 利 用 性

を 高 め て い き た い と 考

モータドライバを内蔵することで、外付け部品

を減らし、基板面積の削減を図れるようにしま

した」(有賀氏)という。

「A/D コンバータは、ジャイロセンサからの信

号入力に使っています。手ぶれ補正の精度を上

げるには、手ぶれデータの大元となるジャイロ

センサからの信号の分解能を上げておくことが

必要となります」(藤繁氏)。

部品面積で約30%を削減

「TMPM342FY」の 採 用 に よ り、 部 品 面 積 で

30%ほど大幅に削減できた。「最近のレンズは小

型化が進んでいるため、基板サイズの小型化が

求められています。光学設計の立場からすると

えています。組込みマイコンは日々進化してお

り、それら機能向上に合わせて積極的に新しい

マイコンを採用していく必要があります。その

際、スムーズな立ち上げができるようにソフト

ウェアの資産化を行うことや、RTOS を使いこな

すことなどを重要視していきます」という。

「いままで多数のチップが必要だった処理

をシングルチップで実現できました。お客様

は 同 じ 性 能 な ら 軽 く て 持 ち や す い レ ン ズ を

選ぶ傾向にあります。そういったことからも

「TMPM342FY」の採用が市場ニーズに応えられ

るレンズ開発に大きく貢献したのではないで

しょうか」(高橋氏)。

「東芝は 2008 年から ARM アーキテクチャを

搭載したマイコンを開発、提供してきましたが、

当初からコアで勝負する時代ではないと思って

いました。我々には長年のマイコン開発の実績

があり、豊富なペリフェラルとサポートの実績

を持っています。今後もそれを惜しみなくご提

供することで、お客様の製品開発を支援してい

きます」(徳山氏)。

成 田 氏 は、「 レ ン ズ 制 御 に 必 要 な 速 度 が 得

ら れ る コ ア を 探 し て い た の で す が、 東 芝 製

Cortex-M3 搭載 TX03 が最適でした」という。

PSC を始めとするペリフェラルやサポートが大

きく評価されたということだろう。

ステッピングモータで指示された量だけ絞りを絞る

ボディマイコン レンズマイコン

データ通信

HSMを駆動させ、指定分だけ駆動

フォーカス制御

フォーカスの駆動量指示

レンズの移動量を決め、VCMで移動

手ぶれ補正制御

手ぶれ補正の開始 /停止指示

絞り制御

絞りの駆動量指示

焦点距離・絞り値

図2:カメラボディとレンズ間での処理の流れ。 図3:TMPM342FYの採用により基板サイズの小型化・コストダウンにも貢献。

東芝マイクロエレクトロニクス株式会社アナログシステムLSI統括部

ミックスシグナルコントローラ応用技術部ミックスシグナルコントローラ応用技術第一担当

主務

有賀 弘 氏

東芝マイクロエレクトロニクス株式会社アナログシステムLSI統括部

ミックスシグナルコントローラ応用技術部ミックスシグナルコントローラ応用技術第一担当

担当部長グループマネージャー

徳山 均 氏

株式会社シグマ開発部 開発第2ユニット 第6課

藤繁 望 氏

※ 動作に必要な電源はパソコンから USB バスパワーで供給される

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テクニカル・ノート

Technical NOTE 株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社 / 東芝マイクロエレクトロニクス株式会社

図1:M340グループ 製品ロードマップ 図2:PSCによる並列処理フロー例 図3:カメラボディ向けTMPM440FE/F10XBG 図4:東芝独自の高速Flashマクロで差異化を実現

M340グループ製品ロードマップ - カメラレンズ制御にフィットするM340グループ -

M340グループの基本機能◎高精度アナログ制御インタフェース内蔵 - 高精度12bit ADC、10bit DAC内蔵◎小スペース実装に最適な小型パッケージ - BGA(6 x 6mm、7 x 7mm、0.5mmピッチ)◎モータ制御等に最適な高分解能PPG出力 - 分解能6ns、最大±90°可変位相差出力対応◎2相パルスエンコーダ内蔵 - 容易に速度 /位置 /位相差検出が可能

計画中 量産中

TMPM341FDFlash 512KB

TMPM341FYFlash 256KB

FBGA113 6 x 6mm54MHz

TMPM342FYFlash 256KB

FBGA142 7 x 7mm40MHz PSC 1unit

サーボエンジン搭載

サーボエンジン強化

TMPM343F10Flash 1024KB

TMPM343FEFlash 768KB

TMPM343FDFlash 512KB

VFBGA162 7 x 7mm50MHz PSC 4unit

TMPM44aFVFBGA142 8 x 8mm50MHz PSC “N” unit

Cortex-M4F搭載サーボエンジン強化

TMPM440FE/F10XBG- Cortex-M4F Core / 100MHz Non Wait Access -

Cortex-M4F CPUコア● 動作電圧 2.7~ 3.6V(単一電源、DC-DCコンバータ内蔵) ● 最大動作周波数 100MHz(Non Wait Access) ● FPU(Floating Point number processing Unit):1unit

内蔵周辺機能 ● PSC(Programmable Servo/Sequence Controller):1unit● DMAコントローラ :3unit(6ch)● 12ビットADC:3unit(8ch+8ch+4ch)● 10ビットDAC:2unit(2ch)● タイマ(16ビット/32ビット/2相パルスカウンタ):20ch/1ch/3ch ● シリアルインタフェース(SIO/UART/I2C):9ch/2ch/1ch● リアルタイムクロック(RTC): 1ch● キーオンウェイクアップ/キースキャン:40ch/8x8● 入出力ポート/入力専用ポート:208端子/20端子

パッケージ● P-VFBGA289-1111-0.50

製品仕様

開発システム

パッケージ外観

TMPM440ユニバーサルボード TMPM440スタータキット

製品名

TMPM440FEXBG

TMPM440F10XBG

ROM(Flash)

768KB

1MB

RAM

80KB

80KB

32MHz

DMAC(6ch)

FULL UART(2ch)

SIO/UART4byte FIFO(3ch)

SIO/UART32byte FIFO(3ch)

12bit ADC3unit 20ch

10bit DAC2ch

I2C(1ch)

ESIO(3ch)

GPIO

KSCAN

KWUP

PSC

RAM

FLASH1MB/768KB

ARMCortex-M4F

PLL/CG

Debug

32bitTBT Timer

H-PPG(2ch+2ch)

Timer(20ch)

2phase(3ch)

WDT

RTC

MAC/FPU

10MHz

オリジナル差異化技術②-東芝独自の高速Flashマクロで差異化を実現 -

高速書込み

高速アクセス

大容量 低消費電力

NANO FLASH™-100 新登場

業界トップクラス*となる、100MHz時のランダムアクセスにおいてゼロウェイトを実現!そのほか、数々の高速化技術を駆使して、さらなるスピードアップを図ります。

● NANDフラッシュのセルデバイス技術      → 高速書き換えが可能

● NORフラッシュの回路技術      → 高速ランダムアクセスを実現

両方式を融合することにより、それぞれの特長を活かしたマイコンロジック混載向け超低消費電力フラッシュメモリ。

NANO FLASH™ とは

NANO FLASH™NANO FLASH™-100

*東芝調べ

東芝独自の差異化技術がカメラ業界に貢献

カメラ向け東芝マイコンラインアップカメラレンズ向け【M340グループ】とは?

【カメラレンズ制御にフィットするM340グループ】

■カメラレンズ向け製品特長

○PSC(Programmable Servo/Sequence Controller)

CPUの処理負担が大きい場合、実行処理の一部をPSCに分散させ

ることでCPUの処理負担を大きく軽減することが可能。結果、負

担軽減したCPUの動作周波数を下げて低消費電力化を実現。

○アナログ制御インタフェース内蔵

高速変換が可能な12bitADC、高精度16bitΔΣADC(TMPM342F

のみ)、10bitDACを内蔵しており、あらゆるアナログセンサ入出力

に対応

○多機能・高速シリアル通信

汎用性の高いSIO/UARTや高速UART、特殊I/Fに対応可能なVSIO

やTSPI(TMPM343Fのみ)など用途に適した制御が可能

○モータ制御に最適な高速・高分解能PPG出力

高分解能、±90°可変位相差出力が可能なPPG出力を内蔵しており、

複数のアクチュエータの高速・高精度な制御が可能

○高機能2相パルス入力カウンタ

パルス入力回路を内蔵し、容易に速度・位置・位相差検出、マニュ

アルフォーカス・Zoom等の各種センサ入力制御が可能

○小スペース実装に最適な小型BGAパッケージ

7x7mm 0.5mmピッチのBGAに封止することでレンズの小型化

に貢献

カメラボディ向け【M440グループ】とは?

高性能ARM® Cortex®-M4Fコアを搭載し、デジタル一眼レフカメラ制御に最適な【TMPM440FE/F10XBG】

■利点①高性能Cortex-M4Fコアと東芝オリジナルNANO FLASH™-100

メモリ搭載により動作周波数100MHz Non Waitにて実行可能②複数の演算器(MAC、FPU、PSC)搭載による処理能力向上③豊富なタイマと各種センサやICとの通信に最適なシリアルI/Fを内蔵④小型パッケージ(11x11mm 0.5mmピッチ)に豊富なI/O(228

端子)

■適用製品 TMPM440FEXBG、TMPM440F10XBG

■特長○高性能 Cortex-M4Fコア 最大100MHz動作

当社従来製品(※1)に比べ、最大約3倍の演算処理能力(※2)向上○低消費電力

高効率DC-DCコンバータの内蔵、周辺機能のクロックゲートにより消費電力を3分の2(※3)に低減

○豊富な周辺機能システム制御に適した各種タイマ(16bitタイマ、32bitタイマ、2相パルスカウンタ)、SoCや各種センサとのI/Fに最適なシリアルインタフェース(SIO/UART、高速UART、I2 C、ESIO)を豊富に搭載

○カメラボディ特有のキー操作制御キー操作制御を容易に実現可能なKWUP、KSCAN機能を搭載

※1 TMP19A44FEXBG(2009年8月発売)

※2 当社オリジナルベンチマークプログラム実行時 ※3 NORMAL動作時

■応用分野 ・カメラボディ ・デジタル家電 ・精密機器 ・産業機器  ・アミューズメント機器

【PSC】のメリットとは?

【プログラマブルサーボ/シーケンスコントローラ(PSC)】 

光、温度、速度変化等の各種センサが出力する信号処理、特定周波数

のフィルタ等、多様な専用動作を処理!

■利点

①コプロセッサシステムの分散処理で高速処理&低消費電力化

②光学手ぶれ補正,リニアAF、IRISのPID制御の高速化を実現

③制御内容をソフトウェアによりフレキシブルに変更可能

■PSCの特長

PSCは、CPUコアと完全独立したコプロセッサであり、独自の命令

アーキテクチャを持った演算器です。PSCの使い方として、CPU処理

に大きく負担が掛かっている場合や一定間隔での演算処理、不定期処

理など、本来CPUコアが処理しなければいけない演算やシーケンス処

理をPSCに分散処理することで、CPUコアの処理負担を大きく軽減す

ることが可能となります。その結果、負担軽減したCPUコアの動作周

波数を下げることで(クロックギア分周を利用)、MCUの低消費電力化

が可能になることや、負荷分散により得たCPUコアリソースを別の処

理に回したりすることで性能向上や機能追加が可能となります。

■適用製品

 TMPM342FYXBG

 TMPM343FDXBG、TMPM343FEXBG、TMPM343F10XBG

 TMPM440FEXBG、TMPM440F10XBG

■応用分野

①高い演算処理能力と低消費電力が求められる精密機器

②モータを制御する産業機器

③人や物の動きを感知するモバイル機器や家電機器

高速・予測可能動作の【NANO FLASH-100】とは?

【業界トップクラスのアクセスタイム100nsFLASH】

メモリ搭載で組込み装置の信頼性に寄与!

■利点

キャッシュを利用していないため、FLASHの高速動作で割り込み応答

時間も一律12サイクルで分岐時も追加Waitなし。これにより命令実

行がいつでも100MHz動作で、高性能かつ予測可能な安定動作を実現。

■特長 

○NANO FLASH-100は、NAND型フラッシュメモリのセルデバイ

ス技術をベースとした高速書き換えと、NOR型フラッシュメモリの

回路技術をベースとした高速ランダムアクセスの2つの特徴を融合

した同社独自のNANO FLASH技術をベースに開発

○100MHz動作クロック時のランダムアクセスにおいてゼロウェイ

ト(メモリウェイトが発生しない)を実現し、超低消費電力技術との

シナジーにより、高速かつ低消費電力なアプリケーションのニーズ

に貢献

※NANO FLASHは株式会社東芝の登録商標です。

※ARMおよびARM CortexはARM LimitedのEUおよびその他の国における登録商標です。

お問い合わせ先

株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社ミックスドシグナル IC 営業推進部ミックスドシグナル IC マーケティング担当

TEL:044-548-2821 FAX:044-548-8329Web:http://www.semicon.toshiba.co.jp/

CPUコア

処理が重い

処理A

処理B

処理C

CPUコア PSC

負担の重い処理をPSCにて処理

トータル処理時間の短縮を実現(パフォーマンスアップ)

処理A 処理B

処理C

オリジナル差異化技術①- PSCによるCPU処理負担軽減化と低消費電力化 -

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