Streptococcus agalactiaeに よる感染性心内膜炎の1...

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544 Streptococcus agalactiaeに よ る感 染 性 心 内 膜 炎 の1例 川崎市立川崎病院内科 鵜野 麻弓 真家 伸一 有馬功一郎 鈴木 小花 光夫 秋月 哲史 松岡 康夫 入交昭一郎 (平 成5年10月20日 受 付) (平 成6年1月20日 受 理) Key words: Streptococcus agalactiae, infective endocarditis Streptococcus agalactiae(S.agalactiae)は,元 来 ウシ の 乳 腺 炎 の原 因 菌 と して 知 られ て い る.本 菌 に よ る病 原 性 は ヒ トで は低 い と され て い るが, 女 性 外 生 殖 器 に常 在 す る こ と よ り,出 産時におけ る 新 生 児 敗 血 症,髄 膜炎など乳児感染症の原因菌 とな る こ と は比 較 的 多 い.し かしながら本菌が成 人における感染症の原因菌となることは少なく S.agalactiaeに よ る 感 染 性 心 内 膜 炎(Infective endocarditis:IE)の 報 告 は稀 で あ る.今 回我々は 本 菌 に よ る成 人 男 子 のIEを 経験したので報告す る. 患 者:42歳,男 性. 主 訴:発 熱,左 肩 関 節 痛. 現 病 歴:生 来 健 康 で あ っ た.1992年9月26日 り39℃ 台 の 発 熱 が 出 現,近 医 を 受 診 し投 薬 を 受 け た が解 熱 し な か った.そ の後 左肩関節痛 も出現 し た た め,10月3日 当 院 内 科 を 受 診,diclofenac sodiumな どの 投 与 に て も 改 善 し な い た め,10月 6日 入院 とな った. 既 往 歴:特 記 す べ き こ とな し. 家 族 歴:父 親 が糖 尿 病. 入 院 時 現 症:身 長167.5cm,体 重74.5kg,体 39.0℃,血 圧110/50mmHg,脈 拍100/分,整,貧 血,黄 疸 は 認 め ず,肺 野 は 清 明,心 雑音は聴取し な か っ た.腹 部 は 平 坦 で肝 脾 は 触 知 せ ず,両 下肢 に浮 腫 を 認 め な か った.皮 膚 粘 膜 に 皮 疹 を認 め ず, 左 肩 関 節 に圧 痛,軽 度 の 腫 脹 を認 め た.眼 底には 異常所見を認めなかった. 入 院 時 検 査 所 見(Table1):赤 沈1時 間 値57 mmと 亢 進,検 尿 で は 蛋 白尿,軽 度 の血 尿,膿 尿 を 認 め た.末 梢 血 で は 白 血 球 数14,400/mm3と 値を示 し,好 中球の増加を認めた.血 小板 57,000/mm3と 減 少,医 化学検査では軽度の肝機 能 障 害 を 認 め た.免 疫 血 清 反 応 で はCRPが28.8 mg/dlと 高 値,ま たIgG,IgA,IgE,PAIgGの 加 を 認 め た.胸 部X線 写 真 で はCTR55%と 軽度 の 心 拡 大 を 認 め た. 入 院 後 経 過(Fig.1):高 熱,肩 関 節 炎 の存 在, 白 血 球 増 加,赤 沈 亢 進,CRP高 値などから感染性 関 節 炎 を 疑 いCefazolin 4gを 開 始 し た.入 院時 血 液 培 養 に てS.agalactiaeが 検 出 され,ま た 第2 病日には心基部に逆流性拡張期雑音が聴取された た め,IEを 疑 い,心 臓超音波検査を施行したとこ ろ,大 動 脈 弁 に疣 贅 を 認 め た(Fig.2).こ れらの 所 見 よ り,S.agalactiaeに よ るIEと 診 断 した Penicillin G 2,000万 単 位/日 の持続点滴 し,さ ら にImipenem/cilastatin 2g pamicin 400mg/日 を併用 して投与 した.し かし の 後 も高 熱 が 持 続 し,第8病 日に施行した心臓超 音 波 検 査 に て,大 動脈弁の疣贅の増大も認めたた め,外 科 療 法 の 適 応 と判 断 し,第16病 日,当 院心 臓 外 科 に て 大 動 脈 弁 置 換 術 を施 行 した.手 術所見 で は,大 動 脈 弁 の高 度 な 破 壊 と,左 右の半月弁に 約1cmの 疣 贅 を 認 め た(Fig.3).術 後 は一 時37℃ の微 が出没 し,喀 りXanthomonas 別 刷請 求 先:(〒210)川 崎市 川 崎 区新 川 通12-1 川崎市立川崎病院内科 鵜野 麻弓 感染症学雑誌 第68巻 第4号

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544

Streptococcus agalactiaeに よ る感 染 性 心 内 膜 炎 の1例

川崎市立川崎病院内科

鵜野 麻弓 真家 伸一 有馬功一郎 鈴木 厚

小花 光夫 秋月 哲史 松 岡 康夫 入交昭一郎

(平 成5年10月20日 受 付)

(平 成6年1月20日 受 理)

Key words: Streptococcus agalactiae, infective endocarditis

Streptococcus agalactiae(S.agalactiae)は,元

来 ウシ の 乳 腺 炎 の原 因 菌 と して 知 られ て い る.本

菌 に よ る病 原 性 は ヒ トで は低 い と され て い るが,

女 性 外 生 殖 器 に常 在 す る こ と よ り,出 産 時 に お け

る新 生 児 敗 血 症,髄 膜 炎 な ど乳 児 感 染 症 の 原 因 菌

とな る こ と は比 較 的 多 い.し か し な が ら本 菌 が 成

人 に お け る 感 染 症 の 原 因 菌 と な る こ と は 少 な く

S.agalactiaeに よ る 感 染 性 心 内 膜 炎(Infective

endocarditis:IE)の 報 告 は稀 で あ る.今 回 我 々 は

本 菌 に よ る成 人 男 子 のIEを 経 験 した の で 報 告 す

る.

症 例

患 者:42歳,男 性.

主 訴:発 熱,左 肩 関 節 痛.

現 病 歴:生 来 健 康 で あ った.1992年9月26日 よ

り39℃ 台 の 発 熱 が 出 現,近 医 を 受 診 し投 薬 を 受 け

た が解 熱 し な か った.そ の後 左 肩 関 節 痛 も出 現 し

た た め,10月3日 当 院 内 科 を 受 診,diclofenac

sodiumな どの 投 与 に て も 改 善 し な い た め,10月

6日 入 院 とな った.

既 往 歴:特 記 す べ き こ とな し.

家 族 歴:父 親 が糖 尿 病.

入 院 時 現 症:身 長167.5cm,体 重74.5kg,体 温

39.0℃,血 圧110/50mmHg,脈 拍100/分,整,貧

血,黄 疸 は 認 めず,肺 野 は 清 明,心 雑 音 は 聴 取 し

な か った.腹 部 は 平 坦 で肝 脾 は 触 知 せ ず,両 下 肢

に浮 腫 を 認 め な か った.皮 膚 粘 膜 に 皮 疹 を認 め ず,

左 肩 関 節 に圧 痛,軽 度 の 腫 脹 を認 め た.眼 底 に は

異 常 所 見 を 認 め な か った.

入 院 時 検 査 所 見(Table1):赤 沈1時 間 値57

mmと 亢 進,検 尿 で は 蛋 白尿,軽 度 の血 尿,膿 尿

を 認 め た.末 梢 血 で は 白血 球 数14,400/mm3と 高

値 を 示 し,好 中 球 の 増 加 を 認 め た.血 小 板 は

57,000/mm3と 減 少,医 化 学 検 査 で は 軽 度 の 肝 機

能 障 害 を 認 め た.免 疫 血 清 反 応 で はCRPが28.8

mg/dlと 高 値,ま たIgG,IgA,IgE,PAIgGの 増

加 を 認 め た.胸 部X線 写 真 で はCTR55%と 軽 度

の 心 拡 大 を 認 め た.

入 院 後 経 過(Fig.1):高 熱,肩 関 節 炎 の存 在,

白血 球 増 加,赤 沈 亢 進,CRP高 値 な ど か ら感 染 性

関 節 炎 を疑 いCefazolin 4gを 開 始 した.入 院 時 の

血 液 培 養 に てS.agalactiaeが 検 出 され,ま た 第2

病 日に は 心 基 部 に逆 流 性 拡 張 期 雑 音 が 聴 取 され た

た め,IEを 疑 い,心 臓 超 音 波 検 査 を 施 行 した と こ

ろ,大 動 脈 弁 に疣 贅 を 認 め た(Fig.2).こ れ ら の

所 見 よ り,S.agalactiaeに よ るIEと 診 断 した.

Penicillin G 2,000万 単 位/日 の 持 続 点 滴 を 開 始

し,さ ら にImipenem/cilastatin 2g/日,Ise-

pamicin 400mg/日 を 併 用 して 投 与 した.し か しそ

の 後 も高 熱 が 持 続 し,第8病 日に 施 行 した 心 臓 超

音 波 検 査 に て,大 動 脈 弁 の 疣 贅 の 増 大 も認 め た た

め,外 科 療 法 の 適 応 と判 断 し,第16病 日,当 院 心

臓 外 科 に て 大 動 脈 弁 置 換 術 を施 行 した.手 術 所 見

で は,大 動 脈 弁 の高 度 な 破 壊 と,左 右 の半 月 弁 に

約1cmの 疣 贅 を認 め た(Fig.3).術 後 は一 時37℃

台 の 微 熱 が 出 没 し,喀 痰 よ りXanthomonas

別刷請求先:(〒210)川 崎市川崎区新川通12-1

川崎市立川崎病院内科 鵜野 麻弓

感染症学雑誌 第68巻 第4号

S.agalactiaeに よ る感 染 性心 内 膜 炎 の1例 545

Table 1 Laboratory data on admission

Fig. 1 Clinical Course: N. M. 42y. o. Male, Infective endocarditis

平成6年4月20日

546 鵜野 麻弓 他

Fig. 2 Echocardiogram showing a vegetation

(VEG) at the aortic valve (Ao)

Fig. 3 Macroscopic findings of the aortic valve.

Destroied aortic valve (-) and vegetation(-)

are clearly shown.

Table 2 Cases of IE due to S. agalactiae in adults

MS: Mitral Stenosis

maltophiliaを 検 出 し た た め,Minocycline 200

mg/日 を投 与 した と ころ 解 熱 し,炎 症 所 見 も改 善

を示 した.結 局Penicillin G 2,000万 単 位/日 の36

日間 投 与,Isepamicin 400mg/日 の24日 間 投 与 に

てIEの 化 学 療 法 を 終 了 した.11月30日 退 院 し,現

在 外 来 に て 経 過 観 察 中 で あ る が 再 燃 を み て い な

い.

考 察

本 例 は 手 術 所 見 か らReynの 分 類 に よ るIEの

definite例 と診 断 され る1).IEの 原 因菌 と し て麻 薬

患 者2)3)の少 な い 本 邦 で は 相 変 わ らず 緑 色 連 鎖 球

菌 が 半 数 以 上 を 占 め て お り,そ の 他Staphylococ-

cus aureus,Staphylococcus epidermidis,グ ラム

陰 性 桿 菌 な どを原 因 菌 とす る例 が 比 較 的 多 い とさ

れ て い る4)5).

本 例 は,成 人 に お け る感 染 症 の 原 因菌 と な る こ

との 比 較 的 稀 なS.agalactiaeを 原 因 菌 と したIE

の症 例 で あ る.本 例 の 臨 床 的 特 徴 と して は,心 疾

患 な ど の基 礎 疾 患 の な い こ と,抜 歯 な どIEの 感

染 誘 発 因 子 を 認 め な か った こ と,症 状 出 現 後 比 較

的 早 期(約10日 後)に 確 定 診 断 を得 て,PCGを 中

心 と した 強 力 な化 学 療 法6)~8)を施 行 し た の に も拘

らず,弁 破 壊 が急 速 に進 行 し,弁 置 換 術 を 要 した

こ とが あ げ られ る.

S.agalactiaeを 原 因 菌 と したIEは,我 々 の検 索

し得 た範 囲 内 で は,自 験 例 も含 め 本 邦 で は 僅 か7

例 の報 告9)~14)があ る に す ぎ な か った(Table2).

これ らの 例 を ま とめ る と男性 が4例,女 性 が3例

で 性 差 は な い.基 礎 心 疾 患 を有 し て い た 例 は,1

例 の み で あ った.一 般 にIE患 者 の 既 往 歴 と し て

の 心 疾 患 は,60~70%と され て お り5)これ に比 べ

る と本 菌 に よ るIEで は,基 礎 心 疾 患 を 有 す る頻

度 が 極 め て 低 率 で あ った.す なわ ち 本 菌 はS.aur-

eusと 同 様,健 常 弁 に も着 床,増 殖 し う るviru-

感染症学雑誌 第68巻 第4号

S.agalactiaeに よ る感 染 性 心 内膜 炎 の1例 547

lenceを 有していることが示唆された.ま たIE発

症の誘因 として頻度の高い歯科処置を受けた例 も

みられなかった.罹 患弁については,大 動脈弁,

僧帽弁が中心であ り,一 般菌によるIEと 同様5)で

あった.予 後については,弁 置換術を要 した例が

6例 中5例 と多数を占めていたことが特筆され,

しかも弁置換術を施行 しなかった1例 では不幸な

転帰をとっている.

Pringleら15)も5例 のS.agalactiaeに よるIE

を集計 し,3例 において弁置換術を要 したと報告

している.S.viridansに よるIEに おいて弁置換

術を要する頻度は17%と 報告2)されてお り本菌 に

よる弁置換術を要す る頻度は極めて高いと考えら

れる.

以上 よりS.agalactiaeに よるIEの 特徴は,弁

破壊が急速に進行 し,亜 急性 とい うより,急 性心

内膜炎に類似 した経過をとることを示してお り,

本菌によるIEと 診断 した場合には,早 期の弁置

換術を検討すべきであると考えられた.

S.agalactiaeに よるIEの 感染経路 として女性

外生殖器か らの夫婦間感染を指摘 した報告9)があ

る.本 例の内縁の妻については残念なが ら婦人科

的検索は施行していないが,新 生児の本菌による

重症感染症が多数報告 されているのに対し,成 人

男子におけ る感染症においてS.agalactiaeが 原

因菌 となることはまれであ り,こ の可能性は少な

いものと思われる.ま た歯科処置が誘因となって

いる例 もなく,上 気道が感染源 となっているとも

いい難い.本 菌は直腸,肛 門にも常在することが

知 られてお り,下 部大腸が感染源3)となっている

可能性も考えられ,感 染経路の究明のため今後本

菌によるIEを 診た場合 には,婦 人科的検索 に加

え,便 培養や注腸X線 検査を施行すべ きと思われ

た.以 上,S.agakzctiaeに よるIEの 示唆に富む1

例を経験 したので,若 干の考察を加え報告した.

文 献

1) Reyn, C. F., Levy, B. S.& Arbeit, R. D.: IE-An

analysis based on strict case difinitions. Ann.

Intern. Med., 94: 505-518, 1981.

2) Dillon, H. C., Elia, M.& Ayoub, E. M.: Stre-

ptococcal diseases. Infectious diseases. Hoe-

prich, P. D.& Jordan, M. C., Ed. J. B. Lippincott

Company Philladelphia, p.300-317, 1989.

3) Durack, D. T.: Infective endocarditis. Cecil.

19th Wyngaarden, J. B., Smith, L. H., Bennett, J.

C., Ed., W. B. Saunders Company Philladelphia,

p.1638-1647, 1992.

4) 小 林 芳夫: レンサ球 菌 感 染 症-心 内 膜 炎. 臨 と微

生 物, 15: 47-52, 1988.

5) 勝 正孝: 感 染 性 心 内膜 炎 の 現状. 日医 会誌, 84:

869-884, 1980.

6) 小 林 芳 夫: 感 染 性 心 内 膜 炎. Medicina, 25 (増 刊

号): 2362, 1988.

7) 藤 森 一平: 感 染 性心 内 膜 炎. 感 染 症 学, 基 礎 と臨

床, Medical View社, p.505-510, 1982.

8) 勝 正 孝, 松 岡康 夫: 心 内膜 炎 の再 発 を防 止 す る

方 法. 感 染症 と抗 生物 質 の使 い 方, 文光 堂, p.234

-239, 1990.

9) 佐 藤友 英, 貝 瀬 昌昭, 宮 下英 夫, 浅 田芳 弘, 永 瀬

英 雄, 菅 原 忠 興, 馬場 茂 樹, 安 部 英, 紺 野 昌 俊,

目黒英 典: B群 溶 連 菌 に よる心 内 膜 炎 の1例. 内

科, 39 (3): 500-506, 1977.

10) 堤 清 次, 大 西典 好, 村上 義 史, 松 本修 一, 杉浦

充 彦, 今 村 文也, 高 沢 昭典: B群 溶連 菌 に よ る細

菌 性 心 内膜 炎 の1例. 日 内会 誌 (抄 録), 69: 73,

1980.

11) 山本 正 和, 潮 木 保 幸, 浅 山邦 夫, 杉 本 立 甫, 高 田

重 男, 土 屋和 弘, 藤 田信 一: B群 溶 連 菌 に よる細

菌 性 心 内 膜 炎 の1例. Jpn. Circ. J.(抄 録), 46: 623,

1982.

12) 宮 本 武, 吉 野 文 雄, 鵜 木 哲 秀, 深 川 和 英, 又 吉

康 俊, 亀 井敏 昭: Group B streptococcusに よ る

感 染 性 心 内 膜 炎 の1剖 検 例. 内 科, 60: 1015

-1019 , 1987.

13) 高 杉 知 明, 細 川 和 広, 丸 山 博, 片 岡邦 三, 小林

芳 夫: Streptococcus agalactiaeに よ る感 染 性心 内

膜 炎 の1例. 感 染 症誌, 63: 1038-1041, 1989.

14) 北 村 政 美, 村 田和 也, 大 本 恭 裕, 藤 本 裕 一, 白 山

究, 加藤 重 毅, 新 谷 宇一 郎, 紀 平泰 男, 岡 崎 通:

Streptococcus agalactiaeに よ る感 染 性 心 内膜 炎 の

1例. 医療 (抄 録), 44: 136, 1990.

15) Pringle, S. D., McCartney, A. C., Marshall, D. A.S.& Cobbe, S. M.: Infective endocarditis

caused by Stereptococcus agalactiae. Int. J. Car-diol., 24: 179-183, 1989.

平成6年4月20日

548 鵜野 麻弓 他

Case Report: Infective Endocarditis Caused by Streptococcus agalactiae

Mayumi UNO, Shin-ichi MAIE, Kouichiro ARIMA, Atsushi SUZUKI, Mitsuo OBANA,

Satoshi AKIZUKI, Yasuo MATSUOKA & Shoichiro IRIMAJIRI

Department of Internal Medicine, Kawasaki Municipal Hospital

A 42-year-old male was admitted to our hospital because of high grade fever on October 6, 1992. He

had no history of cardiac and underlying disease. For the past 10 days, he had complained of high grade

fever and noticed arthralgia on his left shoulder.

Physical examination on admission revealed that there was a body temperature of 39.0•Ž and

tenderness in the left shoulder. There were no abnormal findings for the chest or abdomen. On the

second hospital day, he developed a diastolic murmur which had not been present on admission. And

blood culture was positive for Streptococcus agalactiae.

Ultrasonic-cardiogram indicated the presence of vegetation. He was diagnosed as infective

endocarditis and treated with PCG 20 million units/day, IPM/CS 2 g/day and ISP 400 mg/day. But he

was not responding to the chemotherapy. Aortic valve replacement was done on 22nd, October. Valve

surgery succeeded and he became well after that time. Endocarditis caused by S. agalactiae is

extremely rare, and is an important condition which carries a high mortality. Only seven cases of S.

agalactiae endocarditis have been reported in Japan. It is difficult to treat these cases with antibiotic

therapy alone. Therefore, we suggest that early surgery should be considered in infective endocardiits

caused by S. agalactiae.

感染症学雑誌 第68巻 第4号