SQuBOK v2 紹介(SQiPシンポジウム 20130912)
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Transcript of SQuBOK v2 紹介(SQiPシンポジウム 20130912)
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ソフトウェア品質知識体系ガイド-SQuBOK-V2のご紹介
2013年9月13日
SQiPシンポジウム2013
鷲崎 弘宜
我々のソフトウェア品質技術活動は、正当なエンジニアリングを成
しているか?
2
エンジニアリングとは
• 正統なエンジニアリング・ディシプリンかつ社会的に認められた専門職業の要件 [Starr] – (a) 知識・適格性の妥当性をコミュニティで判定できる環境
– (b) コミュニティで妥当と確認される知識が科学的な基盤に基づく
– (c) 職業人が果たす判断,行為,助言が,社会で実質的な価値を形成
3 松本吉弘, “エンジニアリング基礎知識体系とISO標準”, ITSCJ Newsletter, No.88, 2010.
Paul Star, “The Social Transformation of American Medicine,” Basic Books, 1982.
知識
科学的基盤
社会
コミュニティ
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ソフトウェア開発に関係するBOK
PMBOK プロジェクト マネジメント
BABOK ビジネス分析
REBOK 要求工学
ITBOK 情報技術全般 (IEEE CSによる 策定開始)
SEBOK システム工学
SQuBOK ソフトウェア品質
SWEBOK ソフトウェア工学
ビジネス
組織
•Body Of Knowledge (BOK): ある専門領域を形成する概念、用語、活動の完全な集合
•ただし世にある『xBOK』は大抵、「xBOKガイド」
[出典・参考] 町田欣史, SQuBOKガイドの概要と活用のポイント, 2011年度(第27年度)ソフトウェア品質管理研究会 第2回例会 特別講義
Guide to the Software Quality Body of Knowledge
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SQuBOKガイド
品質の 概念
マネジ メント
品質技術
[出典・参考] 町田欣史, SQuBOKガイドの概要と活用のポイント, 2011年度ソフトウェア品質管理研究会 第2回例会
• 背景(~2007年11月) – ソフトウェアの位置付け変化 、品質事故
– 『ソフトウェア品質向上技術は将来最も重要な技術』 METI調査 ‘06
• 目的 – 日本の暗黙知を形式知化
– 最新のテーマを整理し、体系化
– 品質技術の認知度向上
– ソフトウェア品質技術者資格制度 JCSQE、人材育成・組織支援
• 対象読者 – 品質保証に携わるエンジニア
– ソフトウェア技術者/管理者
知識領域
トピック トピック
・・・
推薦書籍
推薦論文
国際規格など
第2版に至る改訂経緯
• 2007年12月~現在: 業界変化に伴う品質技術拡充や概念変化への対応必要性 – スマートフォン、iPadなどの新デバイスの隆盛
– Twitter等の新たなコミュニケーション手段の流行
– クラウドコンピューティングによるビジネスモデル変化
• 2008年10月: アメンドメントをWebで公開 – 第1版未対応パブリックコメントへの対応
– 参考文献や論文の最新化
• 2008年11月~: 第2版に向けた改訂開始
• 2008年12月 JCSQE 初級、2010年11月 JCSQE 中級 開始 – SQuBOK へのフィードバック
• 2013年度: 第2版出版(予定)
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第2版 改訂ポイント
1. 最新化: 国際規格、IT業界変化への対応
2. 樹形図や品質用語の見直し: 一貫性、網羅性 – 不具合・欠陥: 文脈によるが基本的にFault, Failureを包括
– バグ: プログラム記述中のFault
3. 開発領域の拡充
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……
……
……
……
……
……障害
Fault テスト Testing
観察値 期待値
エラー
Error
故障
Failure 人的過誤 Mistake
ポイント3: 開発領域の拡充
• 「すべての人に品質の意識を!」
– 品質を切り口とした開発の概念と技術の紹介
– 鮮度を保ちつつ一時的流行に注意
• 要求、設計、実装における品質の組み入れ技術
– ISO/IEC 12207, 15288, 各種BOK等+日本発の技術
– 既存BOKとの住み分けに留意
• 開発のマネジメントの品質面知識・技術の強化
– 計画→実践→評価 の管理サイクル
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例: アーキテクチャ方法論(トピック)
(主にソフトウェアに関する)品質要求の獲得から、アーキテクチャを設計し、評価するまでの方法論の総称
• 【目的】 品質要求を満たしたアーキテクチャを獲得
• 【方法】 – 品質要求を明らかに: QAW(Quality Attribute Workshop)
– 品質要求に基づくアーキテクチャ設計: ADD(Attribute Driven Design)
– アーキテクチャの品質要求満足の分析: ATAM(Architecture Trade-off Analysis Method)
– アーキテクチャの経済的評価: CBAM(Cost Benefit Analysis Method)
• 【効果】 品質要求の不備を避けて・・・
• 【参考文献】 『実践ソフトウェアアーキテクチャ』
• 【関連トピック】 アーキテクチャパターン,・・・
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例: アーキテクチャ方法論(知識の実体 ) 『実践ソフトウェアアーキテクチャ』より
• 品質シナリオによる品質要求定義と設計、分析
マスター キャッシュ アプリケーション
ファイルサーバ アプリケーションサーバ
暗号化モジュール
データ記録待ち時間は200ミリ秒以内
クレジットカード取引は99.999%の確率で安全
暗号化 キャッシュ
SQuBOKガイドの使い方 全体や個所の見極めの上、詳細文献へとナビゲート • マネージャ
– プロジェクトレベル「品質マネジメント」から担当工程・領域を学び、関連領域、対応技術へ
• 品質保証担当、開発者 – 「品質技術」から担当工程・作業を学び、関係技術、対応マネジメントへ
• SEPG – 組織レベル「品質マネジメント」から組織としてすべきことを学び、品質の基本、必要マネジメント・技術へ
• ユーザ – 「品質の概念」から要求する品質を確認し技術・プロセスへ
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SQuBOKガイド
品質の 概念
マネジ メント
品質技術
SQuBOKガイドへの期待(SQiP2012他より)
• 「開発側における品質意識の向上に使える」
品質技術の全体像把握、辞書・ポータルとして
• 「開発、品質保証、経営、顧客の間における語彙と意識共有に使える」
歩み寄り、ゴールやリスクの共有
一方で・・・
• 「使い方がほしい!」
• 「品質問題からの逆引きがほしい!」
• 「他のBOKとの整合は?」
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発展: SQiPライブラリ http://www.juse.or.jp/sqip/library/
• SQiP研究会の過去9年間の成果報告 • SQuBOKガイド v2 に沿って分類(BOKそのもの!)
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分類
紹介文
発展: SQuBOKユーザ会 http://www.juse-sqip.jp/squbok/squbok.html
• 活用ノウハウの共有
• ユーザーの声をSQuBOKガイドへフィードバック
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SQuBOKコレクション 勉強会
BOK 不整合?
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知識項目 SWEBOK PMBOK SQuBOK
品質管理 全ソフトウェアエンジニアリングプロセスの品質表示など、マネジメントに対する一般的な情報を提示する
プロジェクト結果を監視し、不満足なパフォーマンスの原因を除去するための方法を特定する
組織を長期的・安定的に存続を実現させるための必要なモノである。
顧客の満足度を満たす。
品質 ユーザ要求に対する適合性が要求を満たす度合い
本来備わっている特性がまとまって、要求事項を満たす度合い
ユーザ要求、顧客満足度を満たす度合い
BOKsの横断・相互比較に向けて
• ISO/IEC JTC1/SC7/WG20を通じた国際標準化 – SWEBOK は ISO/IEC TR化済み、SEBOKも同様の方向
• ISO/IEC JTC1/SC7 オントロジー作成の動き • SEMAT (Software Engineering Methods and
Theory)カーネルの OMG標準化
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SWEBOK
SQuBOK PMBOK
品質
ソフトウェア品質 品質表
示
提示
品質管理
プロジェクト品質
プロジェクト品質管理
不満原因
結果満たす
特定監視
is-a
is-a
is-a
顧客満足度合い
満たす
is-a
is-a
要求
満たす
ソフトウェア品質管理
SQuBOKガイドの今後とまとめ
• 知識体系へのアクセスガイド – 全体把握用の解説書、分からないことがあったときの辞書
– より深く知りたくなったら参考文献へ
– 我々の品質活動が「正当な」エンジニアリングであること!
• 改訂作業中、第2版2013年度予定 – 「品質の作りこみ」知識拡充、規格や参考文献の最新化
– 皆さんからのコメント反映
• フィードバックをお願いします – 日本のソフトウェア産業の発展、日本から世界へ
– SQuBOK ユーザ会 http://www.juse-sqip.jp/squbok/squbok.html
– Twitter SQuBOK Bot https://twitter.com/SQuBOK_BOT
– SQiPライブラリ http://www.juse.or.jp/sqip/library/
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