Energy Monitoring- 電力監視・分析ソリューション …Energy Monitoring-電力監視・分析ソリューション エネルギーの効率化と、サイトの安定化に
SIや保守運用案件の管理ツールを刷新...
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お客様事例
www.servicenow.co.jp/
把握できるようになったほか、協力会社の契約状況も一元管理できるようになりました。
情報収集・集計作業の効率化で、PMOコスト削減にも
業務効率化は、プロジェクト管理にも大きな影響を与えています。篠原氏は、「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)では、プロジェクトの管理が業務の中心ですが、その作業の多くは情報収集や集計、分析などの手作業で発生する工数でした。この部分が効率化されると、プロジェクト全体に占める PMO コストが削減できます」と篠原氏は説明します。
こうして削減できたコストは、エンジニアを追加するコストに充てたり、その分野のプロフェッショナルを採用するコストに充てたりすることで「品質に還元することも可能になるでしょう」と篠原氏。ServiceNowは、海外を含め複数拠点のリソースを把握・管理できるため、全世界で人材が有効活用できます。
集計作業の大幅削減により、社内の働き方改革につながっただけでなく、コスト管理の効率化でその先の意志決定も迅速化され、サービスの品質向上にも結びつきます。ServiceNow の効果はさまざまな分野に及んでいます。
篠原氏は、今回の導入の効果を IT 部門の改善で見られるような、「見える化(Visibility)」、「ビジネスゴールとの一貫性(Alignment)」、「活動スピードの向上(Velocity)」の 3点に集約します。
「プロジェクト、リソースを、一元的なプラットフォームで見える化することにより、適切な投資配分や生産性の向上が実現します。また、ビジネスゴールと足並みを揃えた活動ができ、無駄な投資の抑制や投資判断軸の透明化にもつながります。さらに、サービス提供スピードが向上して利用者満足度の上昇も期待できるでしょう」(篠原氏)
<ServiceNow導入の効果>
● リソース管理ツールを単一プラットフォ
っており、その管理業務には限界が近づいていました。同社のテクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクターの篠原淳氏は次のように話します。
「プロジェクトにはさまざまな情報管理が必要ですが、スケジュールや人材、コストなどを含め、管理すべき情報が 1つのシステムにまとまっておらず、集計が大変でした。例えば勤怠管理でも、各プロジェクトメンバーから個別に送られてきた情報をマニュアル作業で集計する必要があるだけでなく、情報の提出を待ってから作業するため処理に時間がかかることもよくありました」
また、管理対象の人員が協力会社にまで拡大すると、セキュリティ基準に沿った入退室管理や契約処理が必要となるほか、社内外それぞれのコストやリソースを把握することが求められ、管理はさらに煩雑化します。同時にアクセンチュアでは、東京ソリューションセンターへの人員集約を進めており、その観点からもリソースの可視化や新たな効率化に向けた対策が急務でした。
<ServiceNow導入前の課題>
● デリバリー体制が拡大し、Excel ベースでの案件管理や要員管理、予実管理が高負荷に
● 要員情報が複数のシステムに分散し、参照・活用が煩雑化
● 協力会社も含めた体制の拡大に伴い、契約処理や要員管理の負荷が増大
導入要件をほぼ基本機能で満たしたServiceNow
アクセンチュアでは、新たな管理ツールの導入に向けた検討を開始し、さまざま
な要件を洗い出しました。
ツールの選定で重視したポイントは、案件が発生した時点から契約や各メンバーの予定と実績情報が一元管理できること、また特定のスキルを持った人の情報と社員および要員情報を紐づけて管理できることです。また、フルタイム当量(FTE)の削減に向け、タスクの変動に応じて人員配置が調整できることや、サービスを適正価格で提供すべく、複数プロジェクトでグローバルリソースやアーキテクトを活用するような管理が可能かどうかも考慮しました。
さらに、チームごとに毎月のヘッドカウントを把握し、実績工数、リソースの空き状況、高負荷リソースの状況などが可視化できること、そして協力会社の毎月の人数と契約の推移を把握することも重要でした。また、プロジェクト開始時に必要な契約情報と、プロジェクトの計画や実績情報など、さまざまな情報を管理するツールとの連携も必要と考えました。
こうした要件でツールを検討した結果、「筆頭に挙がったのが ServiceNow でした」と篠原氏は話します。ServiceNowの ITBM には、プロジェクト単体の進捗や問題を管理し、ポートフォリオ化して全体の状況を可視化する「プロジェクトポートフォリオ管理機能」や、人のスキルや時間、プロジェクトへの割り当て、工数、コストを管理する「リソース管理機能」などの機能が用意されています。また、同時に導入した「Performance Analytics」には、取得情報に対して分析軸を設定することで過去から現在までの傾向が表示できる「パフォーマンス分析機能」が備わっており、これらの基本機能でアクセンチュアの要件をほぼすべて満たすことが可能でした。
グを受け、2カ月という短期間で完了。こうしてITBMによって構築したシステムは2017年10月に稼働を開始しました。
基本的な機能として同システムでは、入力フォームを設け、協力会社、メンバーといった、コスト管理に必要な基礎情報を登録・管理できるようになりました。独自設定したダッシュボードでは、利用用途に応じて KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標 )を設定し、グラフから要員推移や内訳を確認して要員プールを計画したり、グラフをドリルダウンして会社ごとの契約種別を確認、調整したりといったことが可能になりました。
篠原氏によると、すべての機能を最初から導入するのではなく、機能を限定してアジャイル開発とパイロット運用を行い、改善や KPI追加を行ったといいます。
社内共通で利用している方法論をテンプレート化したほか、サービス提供側が単に情報管理するための KPIではなく、ビジネス視点でサービス品質を見定める評
価軸を設定しました。
こうしてシステムを構築したことで、これまで複数のツールに分断されていたリソース管理ツールが単一プラットフォームに集約され、活動状況が一元的にモニターできるようになっています。
「シンプルなダッシュボードで情報がリアルタイムに参照できるようになったことはもちろん、複数のシステムからそれぞれ参照したり集計したりしなくても必要な情報がすぐに入手できるようになりました。また、プロジェクトの実績管理によって PDCA サイクルをスムーズに回せるようになったほか、透明性の高いビューで契約管理にも役立っています」(篠原氏)
現場からも、「開発過程の中で発生する情報集計や数値のグラフ化など作業で特に効率化が実感できている」との声が上がっています。勤怠管理もServiceNow でリアルタイムに参照できるため、これまで個人でばらばらに提出していた勤怠表を待つ必要もなく状況が
また、ITBMが ITIL準拠だった点もポイントでした。篠原氏は、「ITBMは、ITILで定義されている『サービス戦略』部分をツールベースで実装しています。つまり、ITの財務管理、需要管理、サービスポートフォリオ管理、事業関係管理などが定義されており、ITBMが ITILの実行ツールになるのです」と話します。
<ServiceNowを評価したポイント>
● プロジェクトの進捗状況や問題が管理でき、全体の状況の可視化が可能
● 人材のスキルや工数、コストまで、リソースの多角的な管理を実現できる
● ITILに準拠した管理が可能
単一プラットフォームのメリットを享受
アクセンチュアでは、その後PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、実際に必要な要件が実現可能であることを確認したうえで、システム構築を開始しました。開発はすべて自社内で行われ、メインで導入を担当したエンジニアがトレーニン
世界最大級の規模を誇るコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社(以下、アクセンチュア)は、世界 53カ国 200都市以上で事業を展開し、従業員数はグローバルで約 46万人。日本国内の従業員は約 1万人を超えています。
アクセンチュアは提供するサービスごとに組織を細分化しており、「アクセンチュア・ストラテジー」、「アクセンチュア・デジタル」、「アクセンチュア・テクノロジー」「アクセンチュア・オペレーションズ」という分野別に、各業界の課題とテクノロジーに精通したプロフェッショナルがサービスを提供しています。従来のコンサルティングの枠にとらわれることなく、ITの構築・展開・運用から業務運営に至るまで、幅広いサービスを展開しています。
サービスの品質には定評があり、さまざまな手法やツールを活用して最先端のデリバリーを確実に実行することも同社の特徴です。人材活用の効率化にも努めており、数年前から東京ソリューションセンターに開発拠点を集約、リソースやナレッジを共有しやすい環境作りを推進しています。標準化や能力の可視化も進めることで、1 人が複数のプロジェクトを担当することも可能になりつつあり、リソースの効率化と同時にエンジニアの働き方改革にも取り組んでいます。
アクセンチュアにおける ServiceNow のコンサルタントおよび技術者数はグローバルで 2250人以上、認証取得者も 900人以上存在し、ServiceNowにとって同社は世界最大規模の重要なパートナー企業です。
それと同時に、ServiceNowのユーザーでもあり、2017年にはこれまでの ITサービスマネジメントツールを ServiceNow へと刷新。全世界のアクセンチュアにおけるユーザー数は 42万 5000人以上で、これは ServiceNowの顧客の中でも世界最大規模を誇ります。
Excel ベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
このように、すでに広くServiceNowの活用が行われていたアクセンチュアでは、新たに、同社が手がけるシステムインテグレーションやアプリケーションアウトソーシング(保守運用・追加開発)案件の管理に ServiceNow の IT Business Management(ITBM)を導入しています。その背景には何があったのでしょうか。
アクセンチュアでは、上記のプロジェクトの案件管理や要員管理、予実管理などがExcelベースで行われていました。しかし、プロジェクトの数や体制は拡大の一途を辿
このお客様事例は、アクセンチュア株式会社 テクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクター 篠原淳氏へのインタビューにより作成しました。
SIや保守運用案件の管理ツールを刷新情報の一元管理による作業の省力化とダッシュボードによる可視化で分析・判断を迅速化
世界最大級のコンサルティング会社。ServiceNowのユーザーとしても最大規模
ハイライト
システムインテグレーション、アプリケーションアウトソーシング事業の案件・要員・予実管理システムを刷新し、業務の効率化を実現
組織
アクセンチュア株式会社
業種
コンサルティング
本社
東京都、日本
対象地域
グローバル
ソリューション
ServiceNow IT Business Managementのプロジェクトポートフォリオ管理機能とPerformance Analyticsを中心にシステムを構築
導入期間
検討/PoC:2017年 5月~2017年7月構築:2017年8月~9月本番稼働:2017年10月
ームに集約し、案件や人員の状況の見える化に貢献
● 手作業で発生する分析・集計作業を省力化し、PMOの業務負荷を低減
● ビジネスゴールとの一貫性を保ち、投資判断に直結させることが可能に
進化を続ける ServiceNow のインテリジェント機能にも注目
導入から1年が経ち、ServiceNowを「かなり使えるツールだという手応えを得た」と評価する篠原氏。今後はこの知見をアクセンチュアの顧客にも還元していきたいと語ります。
「ServiceNow はシングルテナントで他社サービスの影響を受けることもなく、可用性も非常に高いと感じています。年2 回メジャーバージョンアップが行われ、プラットフォームとしての優位性を保っているだけでなく、SaaS 機能も継続して拡充されており、人工知能を活用したインテリジェントな機能も次々と登場しています。開発も容易でオープン性も高いことから、新規事業での活用にも期待できます」(篠原氏)
アクセンチュア社内でも、ServiceNow の進化をこれからも享受すべく、さらなる機能連携を検討中だといいます。中でも高精度の指標を用いた問題予防やパフォーマンス予測、 ServiceNow® virtual agent によるセルフサービスなど、AI関連の機能に高い関心を寄せ、社内での活用を目指していきたいとしています。
お客様事例
把握できるようになったほか、協力会社の契約状況も一元管理できるようになりました。
情報収集・集計作業の効率化で、PMOコスト削減にも
業務効率化は、プロジェクト管理にも大きな影響を与えています。篠原氏は、「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)では、プロジェクトの管理が業務の中心ですが、その作業の多くは情報収集や集計、分析などの手作業で発生する工数でした。この部分が効率化されると、プロジェクト全体に占める PMO コストが削減できます」と篠原氏は説明します。
こうして削減できたコストは、エンジニアを追加するコストに充てたり、その分野のプロフェッショナルを採用するコストに充てたりすることで「品質に還元することも可能になるでしょう」と篠原氏。ServiceNowは、海外を含め複数拠点のリソースを把握・管理できるため、全世界で人材が有効活用できます。
集計作業の大幅削減により、社内の働き方改革につながっただけでなく、コスト管理の効率化でその先の意志決定も迅速化され、サービスの品質向上にも結びつきます。ServiceNow の効果はさまざまな分野に及んでいます。
篠原氏は、今回の導入の効果を IT 部門の改善で見られるような、「見える化(Visibility)」、「ビジネスゴールとの一貫性(Alignment)」、「活動スピードの向上(Velocity)」の 3点に集約します。
「プロジェクト、リソースを、一元的なプラットフォームで見える化することにより、適切な投資配分や生産性の向上が実現します。また、ビジネスゴールと足並みを揃えた活動ができ、無駄な投資の抑制や投資判断軸の透明化にもつながります。さらに、サービス提供スピードが向上して利用者満足度の上昇も期待できるでしょう」(篠原氏)
<ServiceNow導入の効果>
● リソース管理ツールを単一プラットフォ
っており、その管理業務には限界が近づいていました。同社のテクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクターの篠原淳氏は次のように話します。
「プロジェクトにはさまざまな情報管理が必要ですが、スケジュールや人材、コストなどを含め、管理すべき情報が 1つのシステムにまとまっておらず、集計が大変でした。例えば勤怠管理でも、各プロジェクトメンバーから個別に送られてきた情報をマニュアル作業で集計する必要があるだけでなく、情報の提出を待ってから作業するため処理に時間がかかることもよくありました」
また、管理対象の人員が協力会社にまで拡大すると、セキュリティ基準に沿った入退室管理や契約処理が必要となるほか、社内外それぞれのコストやリソースを把握することが求められ、管理はさらに煩雑化します。同時にアクセンチュアでは、東京ソリューションセンターへの人員集約を進めており、その観点からもリソースの可視化や新たな効率化に向けた対策が急務でした。
<ServiceNow導入前の課題>
● デリバリー体制が拡大し、Excel ベースでの案件管理や要員管理、予実管理が高負荷に
● 要員情報が複数のシステムに分散し、参照・活用が煩雑化
● 協力会社も含めた体制の拡大に伴い、契約処理や要員管理の負荷が増大
導入要件をほぼ基本機能で満たしたServiceNow
アクセンチュアでは、新たな管理ツールの導入に向けた検討を開始し、さまざま
な要件を洗い出しました。
ツールの選定で重視したポイントは、案件が発生した時点から契約や各メンバーの予定と実績情報が一元管理できること、また特定のスキルを持った人の情報と社員および要員情報を紐づけて管理できることです。また、フルタイム当量(FTE)の削減に向け、タスクの変動に応じて人員配置が調整できることや、サービスを適正価格で提供すべく、複数プロジェクトでグローバルリソースやアーキテクトを活用するような管理が可能かどうかも考慮しました。
さらに、チームごとに毎月のヘッドカウントを把握し、実績工数、リソースの空き状況、高負荷リソースの状況などが可視化できること、そして協力会社の毎月の人数と契約の推移を把握することも重要でした。また、プロジェクト開始時に必要な契約情報と、プロジェクトの計画や実績情報など、さまざまな情報を管理するツールとの連携も必要と考えました。
こうした要件でツールを検討した結果、「筆頭に挙がったのが ServiceNow でした」と篠原氏は話します。ServiceNowの ITBM には、プロジェクト単体の進捗や問題を管理し、ポートフォリオ化して全体の状況を可視化する「プロジェクトポートフォリオ管理機能」や、人のスキルや時間、プロジェクトへの割り当て、工数、コストを管理する「リソース管理機能」などの機能が用意されています。また、同時に導入した「Performance Analytics」には、取得情報に対して分析軸を設定することで過去から現在までの傾向が表示できる「パフォーマンス分析機能」が備わっており、これらの基本機能でアクセンチュアの要件をほぼすべて満たすことが可能でした。
グを受け、2カ月という短期間で完了。こうしてITBMによって構築したシステムは2017年10月に稼働を開始しました。
基本的な機能として同システムでは、入力フォームを設け、協力会社、メンバーといった、コスト管理に必要な基礎情報を登録・管理できるようになりました。独自設定したダッシュボードでは、利用用途に応じて KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標 )を設定し、グラフから要員推移や内訳を確認して要員プールを計画したり、グラフをドリルダウンして会社ごとの契約種別を確認、調整したりといったことが可能になりました。
篠原氏によると、すべての機能を最初から導入するのではなく、機能を限定してアジャイル開発とパイロット運用を行い、改善や KPI追加を行ったといいます。
社内共通で利用している方法論をテンプレート化したほか、サービス提供側が単に情報管理するための KPIではなく、ビジネス視点でサービス品質を見定める評
価軸を設定しました。
こうしてシステムを構築したことで、これまで複数のツールに分断されていたリソース管理ツールが単一プラットフォームに集約され、活動状況が一元的にモニターできるようになっています。
「シンプルなダッシュボードで情報がリアルタイムに参照できるようになったことはもちろん、複数のシステムからそれぞれ参照したり集計したりしなくても必要な情報がすぐに入手できるようになりました。また、プロジェクトの実績管理によって PDCA サイクルをスムーズに回せるようになったほか、透明性の高いビューで契約管理にも役立っています」(篠原氏)
現場からも、「開発過程の中で発生する情報集計や数値のグラフ化など作業で特に効率化が実感できている」との声が上がっています。勤怠管理もServiceNow でリアルタイムに参照できるため、これまで個人でばらばらに提出していた勤怠表を待つ必要もなく状況が
また、ITBMが ITIL準拠だった点もポイントでした。篠原氏は、「ITBMは、ITILで定義されている『サービス戦略』部分をツールベースで実装しています。つまり、ITの財務管理、需要管理、サービスポートフォリオ管理、事業関係管理などが定義されており、ITBMが ITILの実行ツールになるのです」と話します。
<ServiceNowを評価したポイント>
● プロジェクトの進捗状況や問題が管理でき、全体の状況の可視化が可能
● 人材のスキルや工数、コストまで、リソースの多角的な管理を実現できる
● ITILに準拠した管理が可能
単一プラットフォームのメリットを享受
アクセンチュアでは、その後PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、実際に必要な要件が実現可能であることを確認したうえで、システム構築を開始しました。開発はすべて自社内で行われ、メインで導入を担当したエンジニアがトレーニン
世界最大級の規模を誇るコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社(以下、アクセンチュア)は、世界 53カ国 200都市以上で事業を展開し、従業員数はグローバルで約 46万人。日本国内の従業員は約 1万人を超えています。
アクセンチュアは提供するサービスごとに組織を細分化しており、「アクセンチュア・ストラテジー」、「アクセンチュア・デジタル」、「アクセンチュア・テクノロジー」「アクセンチュア・オペレーションズ」という分野別に、各業界の課題とテクノロジーに精通したプロフェッショナルがサービスを提供しています。従来のコンサルティングの枠にとらわれることなく、ITの構築・展開・運用から業務運営に至るまで、幅広いサービスを展開しています。
サービスの品質には定評があり、さまざまな手法やツールを活用して最先端のデリバリーを確実に実行することも同社の特徴です。人材活用の効率化にも努めており、数年前から東京ソリューションセンターに開発拠点を集約、リソースやナレッジを共有しやすい環境作りを推進しています。標準化や能力の可視化も進めることで、1 人が複数のプロジェクトを担当することも可能になりつつあり、リソースの効率化と同時にエンジニアの働き方改革にも取り組んでいます。
アクセンチュアにおける ServiceNow のコンサルタントおよび技術者数はグローバルで 2250人以上、認証取得者も 900人以上存在し、ServiceNowにとって同社は世界最大規模の重要なパートナー企業です。
それと同時に、ServiceNowのユーザーでもあり、2017年にはこれまでの ITサービスマネジメントツールを ServiceNow へと刷新。全世界のアクセンチュアにおけるユーザー数は 42万 5000人以上で、これは ServiceNowの顧客の中でも世界最大規模を誇ります。
Excel ベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
このように、すでに広くServiceNowの活用が行われていたアクセンチュアでは、新たに、同社が手がけるシステムインテグレーションやアプリケーションアウトソーシング(保守運用・追加開発)案件の管理に ServiceNow の IT Business Management(ITBM)を導入しています。その背景には何があったのでしょうか。
アクセンチュアでは、上記のプロジェクトの案件管理や要員管理、予実管理などがExcelベースで行われていました。しかし、プロジェクトの数や体制は拡大の一途を辿
Excelベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
「複数のシステムを参照せずに、単一のシステムからシンプルなダッシュボードを介して必要な情報をリアルタイムに入手できるようになりました」
アクセンチュア株式会社テクノロジーコンサルティング本部クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクター篠原 淳 氏
ームに集約し、案件や人員の状況の見える化に貢献
● 手作業で発生する分析・集計作業を省力化し、PMOの業務負荷を低減
● ビジネスゴールとの一貫性を保ち、投資判断に直結させることが可能に
進化を続ける ServiceNow のインテリジェント機能にも注目
導入から1年が経ち、ServiceNowを「かなり使えるツールだという手応えを得た」と評価する篠原氏。今後はこの知見をアクセンチュアの顧客にも還元していきたいと語ります。
「ServiceNow はシングルテナントで他社サービスの影響を受けることもなく、可用性も非常に高いと感じています。年2 回メジャーバージョンアップが行われ、プラットフォームとしての優位性を保っているだけでなく、SaaS 機能も継続して拡充されており、人工知能を活用したインテリジェントな機能も次々と登場しています。開発も容易でオープン性も高いことから、新規事業での活用にも期待できます」(篠原氏)
アクセンチュア社内でも、ServiceNow の進化をこれからも享受すべく、さらなる機能連携を検討中だといいます。中でも高精度の指標を用いた問題予防やパフォーマンス予測、 ServiceNow® virtual agent によるセルフサービスなど、AI関連の機能に高い関心を寄せ、社内での活用を目指していきたいとしています。
お客様事例
把握できるようになったほか、協力会社の契約状況も一元管理できるようになりました。
情報収集・集計作業の効率化で、PMOコスト削減にも
業務効率化は、プロジェクト管理にも大きな影響を与えています。篠原氏は、「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)では、プロジェクトの管理が業務の中心ですが、その作業の多くは情報収集や集計、分析などの手作業で発生する工数でした。この部分が効率化されると、プロジェクト全体に占める PMO コストが削減できます」と篠原氏は説明します。
こうして削減できたコストは、エンジニアを追加するコストに充てたり、その分野のプロフェッショナルを採用するコストに充てたりすることで「品質に還元することも可能になるでしょう」と篠原氏。ServiceNowは、海外を含め複数拠点のリソースを把握・管理できるため、全世界で人材が有効活用できます。
集計作業の大幅削減により、社内の働き方改革につながっただけでなく、コスト管理の効率化でその先の意志決定も迅速化され、サービスの品質向上にも結びつきます。ServiceNow の効果はさまざまな分野に及んでいます。
篠原氏は、今回の導入の効果を IT 部門の改善で見られるような、「見える化(Visibility)」、「ビジネスゴールとの一貫性(Alignment)」、「活動スピードの向上(Velocity)」の 3点に集約します。
「プロジェクト、リソースを、一元的なプラットフォームで見える化することにより、適切な投資配分や生産性の向上が実現します。また、ビジネスゴールと足並みを揃えた活動ができ、無駄な投資の抑制や投資判断軸の透明化にもつながります。さらに、サービス提供スピードが向上して利用者満足度の上昇も期待できるでしょう」(篠原氏)
<ServiceNow導入の効果>
● リソース管理ツールを単一プラットフォ
っており、その管理業務には限界が近づいていました。同社のテクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクターの篠原淳氏は次のように話します。
「プロジェクトにはさまざまな情報管理が必要ですが、スケジュールや人材、コストなどを含め、管理すべき情報が 1つのシステムにまとまっておらず、集計が大変でした。例えば勤怠管理でも、各プロジェクトメンバーから個別に送られてきた情報をマニュアル作業で集計する必要があるだけでなく、情報の提出を待ってから作業するため処理に時間がかかることもよくありました」
また、管理対象の人員が協力会社にまで拡大すると、セキュリティ基準に沿った入退室管理や契約処理が必要となるほか、社内外それぞれのコストやリソースを把握することが求められ、管理はさらに煩雑化します。同時にアクセンチュアでは、東京ソリューションセンターへの人員集約を進めており、その観点からもリソースの可視化や新たな効率化に向けた対策が急務でした。
<ServiceNow導入前の課題>
● デリバリー体制が拡大し、Excel ベースでの案件管理や要員管理、予実管理が高負荷に
● 要員情報が複数のシステムに分散し、参照・活用が煩雑化
● 協力会社も含めた体制の拡大に伴い、契約処理や要員管理の負荷が増大
導入要件をほぼ基本機能で満たしたServiceNow
アクセンチュアでは、新たな管理ツールの導入に向けた検討を開始し、さまざま
な要件を洗い出しました。
ツールの選定で重視したポイントは、案件が発生した時点から契約や各メンバーの予定と実績情報が一元管理できること、また特定のスキルを持った人の情報と社員および要員情報を紐づけて管理できることです。また、フルタイム当量(FTE)の削減に向け、タスクの変動に応じて人員配置が調整できることや、サービスを適正価格で提供すべく、複数プロジェクトでグローバルリソースやアーキテクトを活用するような管理が可能かどうかも考慮しました。
さらに、チームごとに毎月のヘッドカウントを把握し、実績工数、リソースの空き状況、高負荷リソースの状況などが可視化できること、そして協力会社の毎月の人数と契約の推移を把握することも重要でした。また、プロジェクト開始時に必要な契約情報と、プロジェクトの計画や実績情報など、さまざまな情報を管理するツールとの連携も必要と考えました。
こうした要件でツールを検討した結果、「筆頭に挙がったのが ServiceNow でした」と篠原氏は話します。ServiceNowの ITBM には、プロジェクト単体の進捗や問題を管理し、ポートフォリオ化して全体の状況を可視化する「プロジェクトポートフォリオ管理機能」や、人のスキルや時間、プロジェクトへの割り当て、工数、コストを管理する「リソース管理機能」などの機能が用意されています。また、同時に導入した「Performance Analytics」には、取得情報に対して分析軸を設定することで過去から現在までの傾向が表示できる「パフォーマンス分析機能」が備わっており、これらの基本機能でアクセンチュアの要件をほぼすべて満たすことが可能でした。
グを受け、2カ月という短期間で完了。こうしてITBMによって構築したシステムは2017年10月に稼働を開始しました。
基本的な機能として同システムでは、入力フォームを設け、協力会社、メンバーといった、コスト管理に必要な基礎情報を登録・管理できるようになりました。独自設定したダッシュボードでは、利用用途に応じて KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標 )を設定し、グラフから要員推移や内訳を確認して要員プールを計画したり、グラフをドリルダウンして会社ごとの契約種別を確認、調整したりといったことが可能になりました。
篠原氏によると、すべての機能を最初から導入するのではなく、機能を限定してアジャイル開発とパイロット運用を行い、改善や KPI追加を行ったといいます。
社内共通で利用している方法論をテンプレート化したほか、サービス提供側が単に情報管理するための KPIではなく、ビジネス視点でサービス品質を見定める評
価軸を設定しました。
こうしてシステムを構築したことで、これまで複数のツールに分断されていたリソース管理ツールが単一プラットフォームに集約され、活動状況が一元的にモニターできるようになっています。
「シンプルなダッシュボードで情報がリアルタイムに参照できるようになったことはもちろん、複数のシステムからそれぞれ参照したり集計したりしなくても必要な情報がすぐに入手できるようになりました。また、プロジェクトの実績管理によって PDCA サイクルをスムーズに回せるようになったほか、透明性の高いビューで契約管理にも役立っています」(篠原氏)
現場からも、「開発過程の中で発生する情報集計や数値のグラフ化など作業で特に効率化が実感できている」との声が上がっています。勤怠管理もServiceNow でリアルタイムに参照できるため、これまで個人でばらばらに提出していた勤怠表を待つ必要もなく状況が
また、ITBMが ITIL準拠だった点もポイントでした。篠原氏は、「ITBMは、ITILで定義されている『サービス戦略』部分をツールベースで実装しています。つまり、ITの財務管理、需要管理、サービスポートフォリオ管理、事業関係管理などが定義されており、ITBMが ITILの実行ツールになるのです」と話します。
<ServiceNowを評価したポイント>
● プロジェクトの進捗状況や問題が管理でき、全体の状況の可視化が可能
● 人材のスキルや工数、コストまで、リソースの多角的な管理を実現できる
● ITILに準拠した管理が可能
単一プラットフォームのメリットを享受
アクセンチュアでは、その後PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、実際に必要な要件が実現可能であることを確認したうえで、システム構築を開始しました。開発はすべて自社内で行われ、メインで導入を担当したエンジニアがトレーニン
世界最大級の規模を誇るコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社(以下、アクセンチュア)は、世界 53カ国 200都市以上で事業を展開し、従業員数はグローバルで約 46万人。日本国内の従業員は約 1万人を超えています。
アクセンチュアは提供するサービスごとに組織を細分化しており、「アクセンチュア・ストラテジー」、「アクセンチュア・デジタル」、「アクセンチュア・テクノロジー」「アクセンチュア・オペレーションズ」という分野別に、各業界の課題とテクノロジーに精通したプロフェッショナルがサービスを提供しています。従来のコンサルティングの枠にとらわれることなく、ITの構築・展開・運用から業務運営に至るまで、幅広いサービスを展開しています。
サービスの品質には定評があり、さまざまな手法やツールを活用して最先端のデリバリーを確実に実行することも同社の特徴です。人材活用の効率化にも努めており、数年前から東京ソリューションセンターに開発拠点を集約、リソースやナレッジを共有しやすい環境作りを推進しています。標準化や能力の可視化も進めることで、1 人が複数のプロジェクトを担当することも可能になりつつあり、リソースの効率化と同時にエンジニアの働き方改革にも取り組んでいます。
アクセンチュアにおける ServiceNow のコンサルタントおよび技術者数はグローバルで 2250人以上、認証取得者も 900人以上存在し、ServiceNowにとって同社は世界最大規模の重要なパートナー企業です。
それと同時に、ServiceNowのユーザーでもあり、2017年にはこれまでの ITサービスマネジメントツールを ServiceNow へと刷新。全世界のアクセンチュアにおけるユーザー数は 42万 5000人以上で、これは ServiceNowの顧客の中でも世界最大規模を誇ります。
Excel ベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
このように、すでに広くServiceNowの活用が行われていたアクセンチュアでは、新たに、同社が手がけるシステムインテグレーションやアプリケーションアウトソーシング(保守運用・追加開発)案件の管理に ServiceNow の IT Business Management(ITBM)を導入しています。その背景には何があったのでしょうか。
アクセンチュアでは、上記のプロジェクトの案件管理や要員管理、予実管理などがExcelベースで行われていました。しかし、プロジェクトの数や体制は拡大の一途を辿
Excelベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
ームに集約し、案件や人員の状況の見える化に貢献
● 手作業で発生する分析・集計作業を省力化し、PMOの業務負荷を低減
● ビジネスゴールとの一貫性を保ち、投資判断に直結させることが可能に
進化を続ける ServiceNow のインテリジェント機能にも注目
導入から1年が経ち、ServiceNowを「かなり使えるツールだという手応えを得た」と評価する篠原氏。今後はこの知見をアクセンチュアの顧客にも還元していきたいと語ります。
「ServiceNow はシングルテナントで他社サービスの影響を受けることもなく、可用性も非常に高いと感じています。年2 回メジャーバージョンアップが行われ、プラットフォームとしての優位性を保っているだけでなく、SaaS 機能も継続して拡充されており、人工知能を活用したインテリジェントな機能も次々と登場しています。開発も容易でオープン性も高いことから、新規事業での活用にも期待できます」(篠原氏)
アクセンチュア社内でも、ServiceNow の進化をこれからも享受すべく、さらなる機能連携を検討中だといいます。中でも高精度の指標を用いた問題予防やパフォーマンス予測、 ServiceNow® virtual agent によるセルフサービスなど、AI関連の機能に高い関心を寄せ、社内での活用を目指していきたいとしています。
ダッシュボードのKPI軸の設定以外は、ServiceNowの標準機能ベースで構築を実現
レポート/ダッシュボード
メンバー管理 デマンド・アサイン管理
マスタ管理
コスト管理
チーム別稼働状況
リソースレポート
ユーザー・スキル管理 チーム管理
協力会社管理
組織管理
サービスメニュー管理
クライアント管理
リソースプラン
プロジェクト管理
タスク管理フィードバック管理
デリバリー実績 スケジュール管理 賃金レート管理
メンバー別実績時間管理
工程別チーム構成比ピラミッド
チーム構成・プロジェクト予実レポート
プロジェクト/チーム別予実・コスト状況
外部システム・ツール ・社員情報・協力会社情報・スキル
・人別コスト・稼働実績
・スケジュール・単価
・契約更新
・リソース計画
・PJT 実績
・契約
事務局
各 PJT・チーム
・スキル・レベル・リソースプラン
・スキル・レベル・リソースプラン
・タスク実績・月別予定・タスク実績・月別予定
社員情報
PJT 管理
協力会社契約管理
標準機能ベースで実現した機能 カスタムで実現した機能
お客様事例
www.servicenow.co.jp/
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Excelベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
把握できるようになったほか、協力会社の契約状況も一元管理できるようになりました。
情報収集・集計作業の効率化で、PMOコスト削減にも
業務効率化は、プロジェクト管理にも大きな影響を与えています。篠原氏は、「プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)では、プロジェクトの管理が業務の中心ですが、その作業の多くは情報収集や集計、分析などの手作業で発生する工数でした。この部分が効率化されると、プロジェクト全体に占める PMO コストが削減できます」と篠原氏は説明します。
こうして削減できたコストは、エンジニアを追加するコストに充てたり、その分野のプロフェッショナルを採用するコストに充てたりすることで「品質に還元することも可能になるでしょう」と篠原氏。ServiceNowは、海外を含め複数拠点のリソースを把握・管理できるため、全世界で人材が有効活用できます。
集計作業の大幅削減により、社内の働き方改革につながっただけでなく、コスト管理の効率化でその先の意志決定も迅速化され、サービスの品質向上にも結びつきます。ServiceNow の効果はさまざまな分野に及んでいます。
篠原氏は、今回の導入の効果を IT 部門の改善で見られるような、「見える化(Visibility)」、「ビジネスゴールとの一貫性(Alignment)」、「活動スピードの向上(Velocity)」の 3点に集約します。
「プロジェクト、リソースを、一元的なプラットフォームで見える化することにより、適切な投資配分や生産性の向上が実現します。また、ビジネスゴールと足並みを揃えた活動ができ、無駄な投資の抑制や投資判断軸の透明化にもつながります。さらに、サービス提供スピードが向上して利用者満足度の上昇も期待できるでしょう」(篠原氏)
<ServiceNow導入の効果>
● リソース管理ツールを単一プラットフォ
っており、その管理業務には限界が近づいていました。同社のテクノロジーコンサルティング本部 クラウドファーストアプリケーション アジア太平洋・アフリカ・中東・トルコ地区統括 マネジング・ディレクターの篠原淳氏は次のように話します。
「プロジェクトにはさまざまな情報管理が必要ですが、スケジュールや人材、コストなどを含め、管理すべき情報が 1つのシステムにまとまっておらず、集計が大変でした。例えば勤怠管理でも、各プロジェクトメンバーから個別に送られてきた情報をマニュアル作業で集計する必要があるだけでなく、情報の提出を待ってから作業するため処理に時間がかかることもよくありました」
また、管理対象の人員が協力会社にまで拡大すると、セキュリティ基準に沿った入退室管理や契約処理が必要となるほか、社内外それぞれのコストやリソースを把握することが求められ、管理はさらに煩雑化します。同時にアクセンチュアでは、東京ソリューションセンターへの人員集約を進めており、その観点からもリソースの可視化や新たな効率化に向けた対策が急務でした。
<ServiceNow導入前の課題>
● デリバリー体制が拡大し、Excel ベースでの案件管理や要員管理、予実管理が高負荷に
● 要員情報が複数のシステムに分散し、参照・活用が煩雑化
● 協力会社も含めた体制の拡大に伴い、契約処理や要員管理の負荷が増大
導入要件をほぼ基本機能で満たしたServiceNow
アクセンチュアでは、新たな管理ツールの導入に向けた検討を開始し、さまざま
な要件を洗い出しました。
ツールの選定で重視したポイントは、案件が発生した時点から契約や各メンバーの予定と実績情報が一元管理できること、また特定のスキルを持った人の情報と社員および要員情報を紐づけて管理できることです。また、フルタイム当量(FTE)の削減に向け、タスクの変動に応じて人員配置が調整できることや、サービスを適正価格で提供すべく、複数プロジェクトでグローバルリソースやアーキテクトを活用するような管理が可能かどうかも考慮しました。
さらに、チームごとに毎月のヘッドカウントを把握し、実績工数、リソースの空き状況、高負荷リソースの状況などが可視化できること、そして協力会社の毎月の人数と契約の推移を把握することも重要でした。また、プロジェクト開始時に必要な契約情報と、プロジェクトの計画や実績情報など、さまざまな情報を管理するツールとの連携も必要と考えました。
こうした要件でツールを検討した結果、「筆頭に挙がったのが ServiceNow でした」と篠原氏は話します。ServiceNowの ITBM には、プロジェクト単体の進捗や問題を管理し、ポートフォリオ化して全体の状況を可視化する「プロジェクトポートフォリオ管理機能」や、人のスキルや時間、プロジェクトへの割り当て、工数、コストを管理する「リソース管理機能」などの機能が用意されています。また、同時に導入した「Performance Analytics」には、取得情報に対して分析軸を設定することで過去から現在までの傾向が表示できる「パフォーマンス分析機能」が備わっており、これらの基本機能でアクセンチュアの要件をほぼすべて満たすことが可能でした。
グを受け、2カ月という短期間で完了。こうしてITBMによって構築したシステムは2017年10月に稼働を開始しました。
基本的な機能として同システムでは、入力フォームを設け、協力会社、メンバーといった、コスト管理に必要な基礎情報を登録・管理できるようになりました。独自設定したダッシュボードでは、利用用途に応じて KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標 )を設定し、グラフから要員推移や内訳を確認して要員プールを計画したり、グラフをドリルダウンして会社ごとの契約種別を確認、調整したりといったことが可能になりました。
篠原氏によると、すべての機能を最初から導入するのではなく、機能を限定してアジャイル開発とパイロット運用を行い、改善や KPI追加を行ったといいます。
社内共通で利用している方法論をテンプレート化したほか、サービス提供側が単に情報管理するための KPIではなく、ビジネス視点でサービス品質を見定める評
価軸を設定しました。
こうしてシステムを構築したことで、これまで複数のツールに分断されていたリソース管理ツールが単一プラットフォームに集約され、活動状況が一元的にモニターできるようになっています。
「シンプルなダッシュボードで情報がリアルタイムに参照できるようになったことはもちろん、複数のシステムからそれぞれ参照したり集計したりしなくても必要な情報がすぐに入手できるようになりました。また、プロジェクトの実績管理によって PDCA サイクルをスムーズに回せるようになったほか、透明性の高いビューで契約管理にも役立っています」(篠原氏)
現場からも、「開発過程の中で発生する情報集計や数値のグラフ化など作業で特に効率化が実感できている」との声が上がっています。勤怠管理もServiceNow でリアルタイムに参照できるため、これまで個人でばらばらに提出していた勤怠表を待つ必要もなく状況が
また、ITBMが ITIL準拠だった点もポイントでした。篠原氏は、「ITBMは、ITILで定義されている『サービス戦略』部分をツールベースで実装しています。つまり、ITの財務管理、需要管理、サービスポートフォリオ管理、事業関係管理などが定義されており、ITBMが ITILの実行ツールになるのです」と話します。
<ServiceNowを評価したポイント>
● プロジェクトの進捗状況や問題が管理でき、全体の状況の可視化が可能
● 人材のスキルや工数、コストまで、リソースの多角的な管理を実現できる
● ITILに準拠した管理が可能
単一プラットフォームのメリットを享受
アクセンチュアでは、その後PoC(Proof of Concept:概念実証)を経て、実際に必要な要件が実現可能であることを確認したうえで、システム構築を開始しました。開発はすべて自社内で行われ、メインで導入を担当したエンジニアがトレーニン
世界最大級の規模を誇るコンサルティング会社であるアクセンチュア株式会社(以下、アクセンチュア)は、世界 53カ国 200都市以上で事業を展開し、従業員数はグローバルで約 46万人。日本国内の従業員は約 1万人を超えています。
アクセンチュアは提供するサービスごとに組織を細分化しており、「アクセンチュア・ストラテジー」、「アクセンチュア・デジタル」、「アクセンチュア・テクノロジー」「アクセンチュア・オペレーションズ」という分野別に、各業界の課題とテクノロジーに精通したプロフェッショナルがサービスを提供しています。従来のコンサルティングの枠にとらわれることなく、ITの構築・展開・運用から業務運営に至るまで、幅広いサービスを展開しています。
サービスの品質には定評があり、さまざまな手法やツールを活用して最先端のデリバリーを確実に実行することも同社の特徴です。人材活用の効率化にも努めており、数年前から東京ソリューションセンターに開発拠点を集約、リソースやナレッジを共有しやすい環境作りを推進しています。標準化や能力の可視化も進めることで、1 人が複数のプロジェクトを担当することも可能になりつつあり、リソースの効率化と同時にエンジニアの働き方改革にも取り組んでいます。
アクセンチュアにおける ServiceNow のコンサルタントおよび技術者数はグローバルで 2250人以上、認証取得者も 900人以上存在し、ServiceNowにとって同社は世界最大規模の重要なパートナー企業です。
それと同時に、ServiceNowのユーザーでもあり、2017年にはこれまでの ITサービスマネジメントツールを ServiceNow へと刷新。全世界のアクセンチュアにおけるユーザー数は 42万 5000人以上で、これは ServiceNowの顧客の中でも世界最大規模を誇ります。
Excel ベースでの案件・要員・予実管理の効率化が課題
このように、すでに広くServiceNowの活用が行われていたアクセンチュアでは、新たに、同社が手がけるシステムインテグレーションやアプリケーションアウトソーシング(保守運用・追加開発)案件の管理に ServiceNow の IT Business Management(ITBM)を導入しています。その背景には何があったのでしょうか。
アクセンチュアでは、上記のプロジェクトの案件管理や要員管理、予実管理などがExcelベースで行われていました。しかし、プロジェクトの数や体制は拡大の一途を辿
ームに集約し、案件や人員の状況の見える化に貢献
● 手作業で発生する分析・集計作業を省力化し、PMOの業務負荷を低減
● ビジネスゴールとの一貫性を保ち、投資判断に直結させることが可能に
進化を続ける ServiceNow のインテリジェント機能にも注目
導入から1年が経ち、ServiceNowを「かなり使えるツールだという手応えを得た」と評価する篠原氏。今後はこの知見をアクセンチュアの顧客にも還元していきたいと語ります。
「ServiceNow はシングルテナントで他社サービスの影響を受けることもなく、可用性も非常に高いと感じています。年2 回メジャーバージョンアップが行われ、プラットフォームとしての優位性を保っているだけでなく、SaaS 機能も継続して拡充されており、人工知能を活用したインテリジェントな機能も次々と登場しています。開発も容易でオープン性も高いことから、新規事業での活用にも期待できます」(篠原氏)
アクセンチュア社内でも、ServiceNow の進化をこれからも享受すべく、さらなる機能連携を検討中だといいます。中でも高精度の指標を用いた問題予防やパフォーマンス予測、 ServiceNow® virtual agent によるセルフサービスなど、AI関連の機能に高い関心を寄せ、社内での活用を目指していきたいとしています。利用用途に応じたKPIを設定し、情報の分析・判断・意思決定が容易になった