Showcase MICE NTT R&Dフォーラム · 2019-07-08 ·...

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NTT技術ジャーナル 2016.10 35 2020 Showcaseの取り組み MICEフィールド適用に向けた 取り組み NTTサービスエボリューション研 究所では先進的なブロードバンド ・ ユ ビキタスサービス技術の創出と,サー ビス提供プラットフォーム構成技術の 研究開発に取り組んでいます.特に, 2020年をめざして,国際会議や各種 イベントへの来場者をターゲットとし た,い わ ゆるMICE(Meeting, Incen- tive Travel, Convention, Exhibition) (1) フィールドを対象とした実証実験に取 り組んでいます. 本稿では,上記の取り組み例として, 2016年 2 月のNTT R&Dフォーラムに て展示した「R&DフォーラムShowcase」 について紹介します. R&DフォーラムShowcase展示 NTTサービスエボリューション研 究所では,これまでのデモシステムを 発展させ,MICEフィールドにおける 実証実験に取り組んでいます.2020 年までにはビジネス導入し,特定のイ ベントに利用されるだけでなく,その 後の継続的なビジネス展開もめざして います.そのために,最先端技術を使っ た革新的な「おもてなしUI/UX(User Interface/User Experience)」の提供 に向けた研究開発およびシステム化を 行っています. NTT R&Dフォーラムは毎年 2 月に 開催される研究所最先端技術を紹介 する展示会であり,ビジネスパート ナーに研究成果を紹介するための重 要なイベントとなっています.次に R&DフォーラムShowcaseの展示内容 を紹介します. (1) NTT R&Dフ ォ ー ラ ム2016公 式アプリ NTT R&Dフォーラム2016公式アプ リ(以下,公式アプリ)は,MICE支 援アプリとして来場者がR&Dフォー ラムを円滑に見学できるよう情報提示 し,さらに最新の研究所技術をアプリ ケーション上で体験可能とすることを 目的として開発しました(図1 ).詳 細については後述します. (2) デジタルサイネージ デジタルサイネージは,プロジェク ションマッピングやLEDパネルを用 いて各種案内情報や,後述する各展示 の混雑状況を示す「混雑マップ」を提 示することにより,来場者の効率的な Showcase MICE NTT R&Dフォーラム アプリのダウンロード Google Play および App Store ①展示パネル(約120枚) ②技術史料館展示物 (約150展示) ③ダウンロード紹介カード裏面 ④コンパニオンポシェット ⑤三鷹駅案内板 ⑥武蔵野R&Dセンタ本館 アングルフリー 物体検索技術 人流予測技術 電波環境見える化技術 おすすめ展示のみ, 1 分動画再生 付近地図表示 PDF表示 「Wi-Fi強度マップ 提示機能」 かざす対象 「かざして案内機能」 「混雑マップ提示機能」 展示内容の 表示 図 1  R&Dフォーラム2016公式アプリ 2020 MICE 展示会×ICTによる新たな おもてなし NTTサービスエボリューション研究所では,2020年に向け たフィールド実証に取り組んでいます.これに関するMICE (Meeting,Incentive Travel,Convention,Exhibition) フ ィ ー ルド適用例として,NTT R&Dフォーラム2016において「R&D フォーラムShowcase」を展示しました.本稿では,来場者に 各展示や公開アプリを通じて体感していただいた研究技術を 紹介します. まなぶ /橋 はしぐち きょうこ /片 かたおか くさぶか たかひろ /田 ゆうすけ /渋 しぶさわ うしお やまざき てつろう /小 ともあき NTTサービスエボリューション研究所 †1 NTTアクセスサービスシステム研究所 †2 †1 †1 †1 †1 †1 †1 †1 †2

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NTT技術ジャーナル 2016.10 35

特集

2020 Showcaseの取り組み

MICEフィールド適用に向けた 取り組み

NTTサービスエボリューション研究所では先進的なブロードバンド ・ ユビキタスサービス技術の創出と,サービス提供プラットフォーム構成技術の研究開発に取り組んでいます.特に,2020年をめざして,国際会議や各種イベントへの来場者をターゲットとした,いわゆるMICE(Meeting, In cen­tive Travel, Convention, Ex hi bi tion)(1)

フィールドを対象とした実証実験に取

り組んでいます.本稿では,上記の取り組み例として,

2016年 2 月のNTT R&Dフォーラムにて展示した「R&DフォーラムShowcase」について紹介します.

R&DフォーラムShowcase展示

NTTサービスエボリューション研究所では,これまでのデモシステムを発展させ,MICEフィールドにおける実証実験に取り組んでいます.2020年までにはビジネス導入し,特定のイベントに利用されるだけでなく,その

後の継続的なビジネス展開もめざしています.そのために,最先端技術を使った革新的な「おもてなしUI/UX(User Interface/User Experience)」の提供に向けた研究開発およびシステム化を行っています.

NTT R&Dフォーラムは毎年 2 月に開催される研究所最先端技術を紹介する展示会であり,ビジネスパートナーに研究成果を紹介するための重要なイベントとなっています.次にR&DフォーラムShowcaseの展示内容を紹介します.

(1) NTT R&Dフォーラム2016公式アプリ

NTT R&Dフォーラム2016公式アプリ(以下,公式アプリ)は,MICE支援アプリとして来場者がR&Dフォーラムを円滑に見学できるよう情報提示し,さらに最新の研究所技術をアプリケーション上で体験可能とすることを目的として開発しました(図 1 ).詳細については後述します.

(2) デジタルサイネージデジタルサイネージは,プロジェク

ションマッピングやLEDパネルを用いて各種案内情報や,後述する各展示の混雑状況を示す「混雑マップ」を提示することにより,来場者の効率的な

Showcase MICE NTT R&Dフォーラム

アプリのダウンロードGoogle Play および App Store

①展示パネル(約120枚)②技術史料館展示物 (約150展示)③ダウンロード紹介カード裏面④コンパニオンポシェット⑤三鷹駅案内板⑥武蔵野R&Dセンタ本館

アングルフリー物体検索技術

人流予測技術

電波環境見える化技術

おすすめ展示のみ,1分動画再生

付近地図表示 PDF表示

「Wi-Fi強度マップ提示機能」

かざす対象

「かざして案内機能」

「混雑マップ提示機能」

展示内容の表示

③ ④⑤ ⑥

図 1  R&Dフォーラム2016公式アプリ

2020 MICE—展示会×ICTによる新たなおもてなし

NTTサービスエボリューション研究所では,2020年に向けたフィールド実証に取り組んでいます.これに関するMICE

(Meeting,Incentive Travel,Convention,Exhibition) フ ィ ールド適用例として,NTT R&Dフォーラム2016において「R&DフォーラムShowcase」を展示しました.本稿では,来場者に各展示や公開アプリを通じて体感していただいた研究技術を紹介します.

茂も て ぎ

木  学まなぶ

/橋はしぐち

口 恭きょうこ

子 /片かたおか

岡 春は る の

草くさぶか

深 宇たかひろ

翔 /田た な か

中 悠ゆうすけ

介 /渋しぶさわ

沢  潮うしお

山やまざき

崎 哲てつろう

朗 /小お が わ

川 智ともあき

NTTサービスエボリューション研究所†1

NTTアクセスサービスシステム研究所†2

† 1 † 1 † 1

† 1 † 1 † 1

† 1 † 2

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2020 Showcaseの取り組み

見学支援を目的として構築したものです(図 2 ).従来の案内サインが「静的」に固定された情報提示であったのに比べ,混雑状況などに合わせて柔軟に内容を変更し,かつ動的なアニメーションを用いることで直感的に分かりやすく情報提示できます.

(3) ShowcaseコックピットShowcaseコックピットは,後述す

る各展示の混雑マップやWi­Fi強度マップなどの会場状況,およびネットワークや各種アプリケーションの利用状況をマルチコンソールでリアルタイム提示することにより,来場者がイベント運営におけるオペレーションイメージを体感可能とすることを目的として構築しました(図 3 ).Showcaseコックピットで提示される情報は,実際に公式アプリの利用状況をリアルタイムにモニタリングしたものです.例

えば,後述する「かざして案内」機能が会場のどこかで利用されると,マップ上にリアルタイムで利用状況が表示されます.これにより,「今このブースが注目されている」ことを把握可能です.これら実現背景には,研究所のクラウド基盤「クロスファーム」(2)の活用があります.これにより,今回の

R&DフォーラムShowcaseのようにサービス可視化からトライアルの開発 ・ 運用までスムーズに進めることが可能です.

NTT R&Dフォーラム2016公式アプリ

公式アプリは,MICE支援アプリと

コックピット:運用の見える化(システム環境側での対応不要・データ収集・分析可)として,       下記コンテンツをマルチコンソールでリアルタイムに表示

表示コンテンツ:運営者向け混雑マップ,Wi-Fi強度マップ等R&Dフォーラム2016会場の状況,        ネットワーク利用状況,アプリケーション(かざして案内)の利用状況

クロスファーム:Showcase公式アプリやサイネージを支えるシステム環境を提供

■Showcase コックピット全体 ■ネットワーク利用状況

かざしたランキング かざしたマップ

■運営者向け混雑マップ

■アプリケーション(かざして案内) 利用状況①

■アプリケーション(かざして案内) 利用状況②

2F 展示会場①クラウド 高精密映像・

音響

セキュリティ

高臨場感通信

ソフトウェア開発技術

図 3  R&Dフォーラム Showcaseコックピット

壁面に設置したLEDパネルエレベータタワーガラス面へのプロジェクションマッピング

図 2  R&Dフォーラムデジタルサイネージ

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特集

してAndroidおよびiPhoneを対象として開発しました.来場者が各自のスマートフォンで利用可能なように各アプリストア上に公開しました(2016年 ₈ 月で終了).過去に開催したR&Dフォーラムでは,MICE支援アプリが開発されたことはなく,今回が初めての試みでした.R&Dフォーラム開催期間中の ₄ 日間における来場者数は約 1 万人だったのに対し,公式アプリのダウンロード数は約₄600あり,来場者の ₄ 割程度がインストールしたことになります.通常のMICE支援アプリの来場者数に対するダウンロード数は 2 割程度といわれており,今回の公式アプリは非常に好評でした.公式アプリには通常のMICE支援アプリとして必要な機能(各展示内容表示機能,講演スケジュール表示機能,アクセス情報表示機能,Free Wi­Fi接続機能)に加え,研究所技術Showcaseとして

以下の機能を実装しました.① かざして案内機能② 混雑マップ提示機能③ Wi­Fi強度マップ提示機能また,来場者のUX向上をめざして,

上記機能を含めた公式アプリUIの設計段階において,人間中心サービスデザイン(6)を実践しました.実践した人間中心サービスデザインの一例を図 ₄に示します.具体的には,来場者の公式アプリ利用シナリオを検討し,そこからターゲットユーザ層の決定,さらにペルソナ(仮想の人物像)を設定しました.今回は,ペルソナを₄0~₅₅歳の管理職で社外とのビジネスコラボレーション判断に影響力がある人物に設定し,このペルソナに対して,公式アプリを提供する目的,要求仕様などをドキュメント化しました.そして,画面遷移およびビジュアル設計に関して,「技術をアピール」「シンプル」「ひ

と目で伝わる」ということを主眼とし,公式アプリUIとして全体的に一貫性をもたせました.例えば,公式アプリのトップ画面では,煩雑にならないよう 6 コンテンツ表示にしぼり,Show­caseとしてアピールする機能はメインコンテンツとして上方に大きなアイコンとして配置しました.また,アピールカラーとして紫を配し,全体的に落ち着いた雰囲気のUIとしました.

また,公式アプリ上では,各機能に関して簡潔な技術紹介ページを別途用意し,技術ポイントなどをアプリ操作しながら理解できるように工夫しました.■かざして案内機能

かざして案内機能は,NTTメディアインテリジェンス研究所の「アングルフリー物体検索技術」を活用した機能です.来場者が各展示パネルなどを撮影すると,その撮影対象物に関する詳細情報を提示する機能になります.本技術は,さまざまな角度から画像を撮影しても,写り込んだ対象の物体が何であるかを識別することができます.この技術を用いることで,「展示パネルなどをスマートフォンのカメラで撮影すれば,近づかなくても展示内容を確認できる」機能を実現しました.これにより,人が多すぎるブースでパネルの文字が判読できない場合であっても,来場者が手元で詳細を確認し,

「この展示は◯◯というのか,またあとでタイミングをみて回ろう」といった判断をすることが可能になります.

図 1 右下にかざして案内の撮影対象物を示しました.約120枚の各展示

キーワード:技術をアピール・シンプル・ひと目で伝わる

ペルソナを明確に設定し,ユーザ中心に判断することで「画面遷移」「ビジュアル設計」などに一貫性をもたせる

ペルソナ40~55歳,研究所技術を活用してくれる可能性のある層アプリの目的「技術アピールによる対外的な連携のキッカケ」など

技術をアピールメインのコンテンツは上に大きく配置(Wi-Fi強度マップはフリーWi-Fiに統合)→アクセス数増

シンプル色数を少なく( 3色)フォントを統ー→余計な情報がない

シンプル1画面には 6コンテンツ→ユーザが迷わない設計

図 ₄  人間中心デザイン

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2020 Showcaseの取り組み

パネルや会場に併設する史料館の約1₅0個の展示物を撮影すると,展示物の詳細情報を提示するようにしました.それから,会場内外で配布したダウンロード紹介カードや会場内ポスター,コンパニオンのポシェットなどに掲示した「かざしてマーク」を撮影すると特別コンテンツを表示するようにしました.また,三鷹駅にて案内板を撮影すると会場までのバス時刻表が,武蔵野本館の建物を撮影するとオリジナルコンテンツが提示されます.このように多種多様な対象物に対して来場者にかざして案内を体験していただきました.さらに,来場者がこれらを撮影した画像に対して認識結果を分析したところ,対象物との距離や角度が厳しい画像に対しても良好な結果であり,限定された撮影対象 ・ 環境下であればサービス利用可能なことを確認しました.

また,かざして案内機能に関しては,パナソニック社が開発した先進的な透過型ディスプレイ端末(₇)と組み合わせ,近未来的な情報ナビゲーションについてもデモ展示しました.この透過型ディスプレイ端末を用いれば,例えば「あの建物は東京タワーです」といったかたちで,対象物の上に重ねて情報を表示することが可能になります.これにより,今後増加が見込まれる訪日外国人の方々向けに, 1 人ひとりの属性や行動に合わせたより細やかな情報ナビゲーションを提供可能となります.■混雑マップ提示機能

混雑マップ提示機能は,NTTサー

ビスエボリューション研究所の「人流予測 ・ 誘導技術」を活用し,会場内のどのあたりが混雑しているかを来場者に提示する機能です.混雑マップ機能概要を図 ₅ に示します.

会場内にはあらかじめ1₅0個以上のBLE(Bluetooth Low Energy)ビーコンを配置し,公式アプリをインストールしたスマートフォンを持つ来場者が会場内に入ると,受信電力がもっとも大きいビーコンのIDがクラウド上に送信される仕組みになっています.クラウド上では,それらをビーコンごとにカウントし,ここから現在 ・10分後予測の混雑マップをヒートマップ形式で生成します.人流予測技術の特長は,その施設内での長期間にわたる計測データの蓄積がなくても,直近₃0分間のデータで10分後の予測が可能な点にあります.そのため本技術は,今回の「R&Dフォーラム」のように常設イベントではない会場でも適用できるというメリットがありま

す.公式アプリでは現在の混雑マップのみを提示しましたが,図 2 に示すデジタルサイネージでは直近₃0分間のデータのみから10分後の人流を予測 ・ 可視化して提示しました.このように,来場者に各展示エリアの混雑度合いを提示することにより,人流予測 ・ 誘導技術を体験していただきました.■Wi-Fi強度マップ提示機能

Wi­Fi強度マップ提示機能は,NTTアクセスサービスシステム研究所の

「電波環境見える化技術」を活用し,フリーWi­Fiの電波強度を表示するものです.Wi­Fi強度マップ機能概要を図 ₆ に示します.

電波強度の把握方法は,公式アプリ利用者のスマートフォン端末における電波強度を実測 ・ 集計する「ボトムアップ型」のアプローチを採用しています.これにより,特別な計測機器で会場内の電波強度を計測しなくても,現状の電波強度を把握可能となりま

アプリ

アプリ

BLEビーコンとスマホアプリを用いて人流データを収集・予測・可視化

混雑マップ

分析(予測)サーバ

イベント運営者・コックピット

データ収集サーバ

混雑マップを生成(現在・10分後予測)

現在の混雑マップをアプリに提供

現在・10分後予測の混雑マップを運営者に提供

BLEビーコン

ビーコン検知ログ

会場

図 ₅  混雑マップ機能概要

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特集

す.この電波強度情報と,上記混雑マップ提示機能で利用したBLEビーコンの位置情報を紐付けて,複数のユーザ端末からリアルタイムに集約 ・ 解析する仕組みになっています.今回は電波強度を計測する計測員を配置し,その計測値を基にヒートマップ形式で表示しました.フォーラム開催期間中,会場内にはフリーWi­Fiを設置し,公式アプリをインストールした端末は接続可能な設定としていました.このように,フリーWi­Fiが接続しやすいエリアを来場者に提示することで,「電波環境見える化技術」を体験していただきました.

今後の展開

MICEフィールドにおける実証実験の取り組みとして,NTT R&Dフォーラムにて展示した「R&DフォーラムShowcase」を紹介しました.特に,

「NTT R&Dフォーラム2016公式アプ

リ」において,来場者に体感していただいた研究所技術Showcaseとして,

「かざして案内」「混雑マップ」「Wi­Fi強度マップ」の各機能に関して紹介しました.NTTサービスエボリューション研究所では,2020年に向けた異業種との新たなコラボレーションを通じて,上記機能のさらなるブラッシュアップを図っていきます.そして,各種展示会,博物館 ・ 美術館,空港 ・ 駅などの多様なMICEフィールドへの展開に向けて研究開発を推進していきます.

■参考文献(1) h t t p : / / w w w . m e t r o . t o k y o . j p / I N E T /

KEIKAKU/201₃/0₅/DATA/₇0n₅m106.pdf(2) 大西 ・ 富田 ・ 舘 ・ 浦田 ・ 内田 ・ 増田 ・ 河野 ・

小宮:“サービス創造を加速するプラットフ ォ ー ム「 ク ロ ス フ ァ ー ム 」,” NTT技 術ジャーナル, Vol.2₅, No.₅, pp.2₉­₃1, 201₃.

(3) 金丸 ・ 手塚 ・ 深山 ・ 中村 ・ 山口 ・ 茂木:“2020における旅行者,観戦者向け「おもてなし」サ ー ビ ス の 創 出,” NTT技 術 ジ ャ ー ナ ル, Vol.2₇, No.₅, pp.2₇­₃0, 201₅.

(4) 堀 井 ・ 荒 井 ・ 永 田 ・ 柏 野 ・ 平 松 ・ 深 山 ・ 山口:“移動における” おもてなし” を実現するメディア処理技術,” NTT技術ジャーナル,

Vol.2₇, No.2, pp.16­1₉, 201₅.(5) 貞光 ・ 島村 ・ 入江 ・ 田良島 ・ 吉田 ・ 東中 ・ 西

川 ・ 宮崎 ・ 井島 ・ 中村:“情報検索における“おもてなし” を実現するメディア処理技

術,” NTT技 術 ジ ャ ー ナ ル, Vol.2₇, No.2, pp.20­2₅, 201₅.

(6) 浅 野 ・ 大 野 ・ 宮 原 ・ 渡 辺 ・ 中 茂 ・ 木 村 ・ 和合:“人間理解に基づいた魅力的なサービスの 創 出 に 向 け て,” NTT技 術 ジ ャ ー ナ ル, Vol.2₇, No.₅, pp.2₃­26, 201₅.

(7) Focus on the News:“透過型ディスプレイを搭載したシンプルなポータブル端末によるおもてなしサービス実現に向けた技術検証に着手,” NTT技 術 ジ ャ ー ナ ル, Vol.2₈, No.₅, pp.₅₇­₅₉, 2016.

(左から) 田中 悠介/ 茂木  学/ 渋沢  潮/ 山崎 哲朗/ 小川 智明/ 片岡 春乃/ 草深 宇翔/ 橋口 恭子(右上)

研究所技術のブラッシュアップにより,多様なフィールドでのさらなるUX向上が可能になります.この実現に向けて,他業種とのコラボレーションを通じ,研究所技術をフィールド実証する「2020 Showcase」の取り組みをさらに推進していきます.

◆問い合わせ先NTTサービスエボリューション研究所 2020エポックメイキングプロジェクト

TEL 0₄6-₈₅₉-2₅01E-mail eep-hosa lab.ntt.co.jp

傾向分類,パターン化皆で収集

クラウド上で解析

●複数のユーザ端末からWi-Fi等の無線に関する情報を収集・解析●無線利用環境の傾向をパターン化.特性に応じた無線設定に反映   �時々刻々と変化する無線利用環境のリアルタイム・マップとしての利用も可能

無線設定ポリシーに反映 変化する無線環境

をリアルタイムにマップ化

Wi-Fi強度マップバックグラウンドで自然に収集

ユーザ位置取得,各情報と紐付け

Wi-Fi アクセスポイント等

BLEビーコン位置取得に利用

普段使いのユーザ端末

・電界強度,制御パケット情報,トラフィック量・スマホ内センサ情報

総合受付

レストラン

クローク

ネットワーク

図 6  Wi-Fi強度マップ機能概要