RC一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査...島根大農研報(Buu Fac Agr...

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島根大農研報(Buu Fac Agr Shmane U蛆v)1880-87.1984 RC一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査 高橋 徹1田中 千秋・塩田 洋三 Ak1ra TAKAHAs剛Ch1ak1TANAKA and Yozo SHI0 Survey of工mpact N01se Iso1at1on Capab111ty of F1 Re1nforced.一Concrete Apar亡ment Bu11dmg 1、はじめに 大都市への人口集中は地価の高騰を促した.そこで, 土地の高度利用の観点から集合住宅が数多く建てられ, 国家公務員用アパートもその例外でない. 集合住宅の居住環境ではプライバシーを守る上からも 騒音に関するものがとくに重要であり,足音や排水音な どの騒音の苦惰も多い.そこで,これらについての調査 ・’研究は非常に重要と考えられ,とくにこの数年間,建 築物の床衝撃音とその防止構法に関する研究等が数多く なされた.またわが国でもこの関係の現場での測定法は JIS A14ユ7,A1418で制定されている。また床衝撃音に 関する実験的および理論的研究も多くみられる.一 Tab1e1. この調査では,各地に多数建てられ,現在もさらに建 築中の規格的な国家公務員用RC集合住宅の床衝撃音の 遮音性についての現場試験とその性能評価た試みた。 2.測定建物 建物は鉄筋コンクリート造階段式5階建集合住宅(公 務員宿舎7ポRレC-345N-W)である。建物は1977年に 5階建のコンクリート打ちを終り窓枠を取付けた状態で 約半年間放置し,その後内装に移り,1978年11月上旬に 完成した. 建物の名称:合同宿舎第2川津住宅第4号棟(松江市) アパートの特徴・材料:戸数は各階6戸,5階建で計 30戸,2戸分の間取りをFig.1に示した。また 建築内装材料(規準階)Inter1or F加1sh Mater1a1s(Standard F1o F1oor Base Board 腰、壁 Wan, Ce111ng 居間 台所 Llvmg Room aod Kエtchen 化粧合板フロア張り P1ywood-F1ooring ラワンOSV H=90 Lauan 色プラスター塗金鐘一部プリント合板張り Co1ored P1aster,in P1aces Printed P1ywood バーミキューライト吹付B工法 Ver=micu1ite 6帖間No.1No.24.5帖間 Tatam F1n1shed-Room (Six Mats Mats) 発泡プラスチック系パネル下地タタミ敷き Foam P1astic Pane1+Tata士ni タタミ寄せ Tatami 色プラスター塗金饅,外壁となる妻壁はフォーム ポリスチレン裏打,プリント合板張り木造間仕切 りはプリン’ト合板張り Co1ored P1aster,Outs-deWa11 Poヱystyrene Insuヱat1on Pr1nted バーミキューライト吹付B工法 Verm1cu11te 木材加工学研究室 Laborat0町0f W00d Sc1舳e and Engmeermg, Depertment of Fores桁y,S肘mane U1livers1ty, Matsue,690 Japan 一80一

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島根大農研報(Buu Fac Agr Shmane U蛆v)1880-87.1984

RC一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査

高橋  徹1田中 千秋・塩田 洋三

  Ak1ra TAKAHAs剛Ch1ak1TANAKA and Yozo SHI0TA

Survey of工mpact N01se Iso1at1on Capab111ty of F1oors1n a

     Re1nforced.一Concrete Apar亡ment Bu11dmg

 1、はじめに 大都市への人口集中は地価の高騰を促した.そこで,

土地の高度利用の観点から集合住宅が数多く建てられ,

国家公務員用アパートもその例外でない.

 集合住宅の居住環境ではプライバシーを守る上からも

騒音に関するものがとくに重要であり,足音や排水音な

どの騒音の苦惰も多い.そこで,これらについての調査

・’研究は非常に重要と考えられ,とくにこの数年間,建

築物の床衝撃音とその防止構法に関する研究等が数多く

なされた.またわが国でもこの関係の現場での測定法は

JIS A14ユ7,A1418で制定されている。また床衝撃音に

関する実験的および理論的研究も多くみられる.一

Tab1e1.

 この調査では,各地に多数建てられ,現在もさらに建

築中の規格的な国家公務員用RC集合住宅の床衝撃音の

遮音性についての現場試験とその性能評価た試みた。

 2.測定建物

 建物は鉄筋コンクリート造階段式5階建集合住宅(公

務員宿舎7ポRレC-345N-W)である。建物は1977年に

5階建のコンクリート打ちを終り窓枠を取付けた状態で

約半年間放置し,その後内装に移り,1978年11月上旬に

完成した.

建物の名称:合同宿舎第2川津住宅第4号棟(松江市)

 アパートの特徴・材料:戸数は各階6戸,5階建で計

   30戸,2戸分の間取りをFig.1に示した。また

建築内装材料(規準階)Inter1or F加1sh Mater1a1s(Standard F1oor)

F1oor

巾   木

Base Board

腰、壁

Wan,

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Ce111ng

居間 台所

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化粧合板フロア張り

P1ywood-F1ooring

ラワンOSV H=90Lauan

色プラスター塗金鐘一部プリント合板張り

Co1ored P1aster,in P1aces Printed P1ywood

バーミキューライト吹付B工法

Ver=micu1ite

6帖間No.1No.24.5帖間

Tatam F1n1shed-Room (Six Mats and.4.5

Mats)

発泡プラスチック系パネル下地タタミ敷き

Foam P1astic Pane1+Tata士ni

タタミ寄せ

Tatami

色プラスター塗金饅,外壁となる妻壁はフォーム

ポリスチレン裏打,プリント合板張り木造間仕切

りはプリン’ト合板張り

Co1ored P1aster,Outs-deWa11s w1thFomed

Poヱystyrene Insuヱat1on Pr1nted P1ywood.

バーミキューライト吹付B工法

Verm1cu11te

木材加工学研究室 Laborat0町0f W00d Sc1舳e and Engmeermg,

       Depertment of Fores桁y,S肘mane U1livers1ty,

       Matsue,690 Japan

一80一

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高橋・田中・千秋:RC一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査 一81一

    Photo APartmeηt Bu11dmg used for the ExPerment(Length56,200mm,W1dth        7,300mm,and Height14,750mm)

  30戸とも同じ間取り.主な測定室の構造について     無風快晴で建物完成後の入居直前であった.

  はFi&2およびTab1eユに示す.                           3.測定方法周辺環境:静かな住宅街にあり,測定の障害となる騒

  音はなかった.                測定方法は床衝撃音に関する遮音性の「建築物の現場

測定日:1978年n月6日,7日および20日の3日間.   における床衝撃音レベルの測定方法(JIS Aユ418一ユ974

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Fig.1. F1oor Pユan for Two Units.

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一82一 島根大学農学部研究報告

改正)」に準拠した.

 測定個所は ユ)全戸におよぼす影響についての音源

戸は戸番501とした.2)床表面材の影響については戸

番503で打撃し,戸番403で測定した.3桁番号の戸番の

位置はTab1e3の下部に示した.

Tab1e2.

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 4.床衝撃昔遮音性能について

 界床の床衝撃音に対する周波数特性をFig.3に示す.

同図にはJIS14ユ9に示された床衝撃音の評価基準線

(L-40よりレ65まで)を点線で記入した.集合住宅の

界床の遮音等級と生活実感の対応がTab1e2のように

示されているので,以下これにより評価を加えることに

する.

 測定戸番の6帖畳間(No.2)における遮音等級は,

軽量床衝撃源(タッピングマシン)で4号(L-55),重

量床衝撃源(タイヤ)では5号(L-60)となる.これは

Tab1e2より軽量床衝撃音源に対しては「ほぼ満足しう

る」グレー一ドであり,重量床衝撃音源に対しては「最低

限」である.木造根太で合板床の居問と台所(Fi&ユ)

はそれぞれL-70,L-65(6号)を示した.これらは

「最低限」と「それ以下」を意味し,生活の場で苦情が

出易いものと思われる.玄関はコンクリートスラブむき

出しであり,床面積も小さいので,比較のため No.2

(Fig.ユ)の6帖畳間のコンクリー一トスラブをとりあげて

床衝撃をおこなった.両者の測定結果を併せてFig3

に示した.これらはそれぞれの衝撃源に対してL-75

(タッピングマシン)を超え,またL-60(タイヤ)を示

した.玄関のコンクリートスラブは露出面積は小さく,

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高橋・田中・千秋:RC一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査

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しかも居住者の滞留時間も少ないので,生活の場では階

下にそれ程,影響しないだろう.したがって問題は居間

と台所の合板貼り木造根太床と界床コンクリートスラブ

厚さであろう.ここは特に居住者の生活の中心となる場1

であるから,今後の改善を要する.

 木材は弾力性に富み,音の放射減衰が著しく大きく,

損失減衰が小さい.しかも等寸等間隔の木造根太と合板

との一体構造によって面の大きい屈曲振動を生じ,固体

音としての床衝撃音は大きくなる(Fig.4).’しかしなが

ら木質の床板は保温,接触感覚,衛生,反発性などの総

合面から良好な性質であり,その意味で床衝撃音遮音性

能を増加する床工法を考えれば木材の床は住宅として,

さらに重要性を増す.

 この床の改善方法としては次の方法がある.根太とコ

ンクリートとの接触部分にグラスウールKを挿入した乾

式浮床工法によりタッピングでL-50,タイヤでL-55

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Effect of Frequency on V1bratory-Acce1erat1on LeYe1on F1oor

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高橋・田中・千秋.RC一集合住宅における味衝撃音遮音性能の調査 一85一

に減少させられる。しかも床のコンクリート厚さを少な

くとも160mm,出来れば200mmにすればタイヤに対

しL-55,L-50と構造上の遮音性が1号か2号向上す

る。最後に遮音天井を取付けることによって界床の遮音

性能は1ランク確実に格上げ出来ると言やれている1

 5。建物に対する固体音の伝搬特性

 重量床衝撃音源(タイヤ)および軽量床衝撃音源(タ

ッピングマシン)を用いて,固体音が建物全体に伝わる

性能について測定した結果をTab1e3.に示す.

 音源戸は501号(5階東端)で,(1)玄関のコンクリー

トスラブ仕上げ(2)居問の合板床版仕上げ(3)居間の合

板床版上に畳敷き仕上げ,以上の3個所で床に衝撃カを

加えた.床衝撃音の測定は各戸の6帖畳間No.1,No-

2,4.5帖の畳間および屠間でのそれぞれρ値(OA・dB-

A)の算術平均値を括孤内に4部屋の最大値と最小値の

範囲を示した.約30dB(A)以下は測定不能で棒線で

示した.また同表の下部に5階建30戸の戸番が付され,

戸番に対応した音源床仕上げ別’(5種類)の数値を表に

示している.

 騒音レベルに対して,騒音のうるささの評価法などに

よる補正もあるが,団地の昼間の騒音詐容値が35dB

(A)であり,広範囲な苦情がそれより5~10dB(A)高

いと発生することから40~45dBを団地でρ騒音の隈界

値とみると・音源戸直下の4~1階とその蹄戸付近に牢

衝撃音による騒音の影響が大きい.建物の水平方向への

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 ㎞pactlso1ati㎝賊e“.L-65(6号)

一’’’L-60(5号)

 ’L-55(4号)

一一L-50(3号) Plywood 糀oor

 L-45(2号)

 L-40(1号)

N・CL-CS・MC-CJ・M

2

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70

60

50

40

30

Flo01・C011s{i・octioo

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(C㎝㈹teS励

(灘塞敏

1’a{ami(脇鰍、、、

C08c1・ete

    63   125  250  500  1K昔 21K  4K

       Oct訓e・band Cel1ter肘eqoe■1Cy(Hz)

Fig.6. Frequency SPectlmm of ImPac亡N01se

    Leve1 on F1oor of Yanous F1n1sh    Materia1s.

影響は案外小さい.

 各住戸の床衝撃音レベルは音源戸から遠ざかる程小さ

くなる傾向があり,衝撃音源からの距離Xと床衝撃音レ

ベルYとの間はFig5gような傾向を示し比較的よい

専50

8匠640も…1

切3⑭星

.…

ち20ε

④ 10ξ

C㎝㈱拒S1ab+Wood帥Jo1sセ十PlWood            目00riOg三NOrmaI I一帥el

J-MC・CS・ML-CN-C

  1  2  46 10 20 40(m)     0is-ance from  Noise Source

Fig.5.A廿eunat1on of Impact N01se on F1oor    with Dist帥ce fro皿Noise Source

   一63   125  250  500  -K  2K  4に

         0c屹veo band Ce耐er肘equeIlcy(Hz)

Fig-7㌧ Attenuat1on of I血pact N01se on F1oors

    due to Fユnエsh Materエa1s on P1ywood

    F1oormLwmgRoo1m(Tappmg machme)

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一86一 島根大学農学部研究報告 第18号

相関をもち,回帰式は次のようになる.

床構造      衝撃準      回帰式

コンクリートスラブ タッピングマシン Y=93.3-33.91nX

コンクリートスラブ タッピングマシン Y=94.1-30.31nX

+木造根太十合板床

コンクリートスラブ タッピングマシン Y昌83.8-25.61nX

+木造根太十合板床

十たたみ

コンクリートスラブ タイヤ      Y畠g1.4-42.1hX

コンクリートスラブ タイヤ,    Y=97.5-31.61nX

+木造根太十合板床

 タッピングマシンよりタイヤによる方が固体音の距離

減衰がやや大きい.また床構造が(コンクリート十木造

根太十合板床)の場合,両音源とも他の構造に比して床

衝撃音が大きく全館におよんでいる.この原因は等寸の

根太組に合板を貼ると,合板床の適度の曲げ弾性により

衝撃力が床全面に大きな接…み振動させ,合板床木造根太

のウェイトが加わってコンクリートスラブを打ちつける

ため,他の住戸に大きい衝撃音レベルとして伝える。し

かも床下の空間た発生する音のエネルギーが非常に大き

くなるので,スラブを通して空気伝搬音までが問題にな

り,タッピングマシンによる床衝撃音レベルはボードの

共振する125~250Hzを中心にコンクリートのはだか床

よりも上昇し1),その振動加速度レベルも顕著に大きい

.(Fig4).

 6。床表面材料による床衝撃音の改善

 敷物等の表面仕上げ材料が変っても重量衝撃源として

のタイヤ落下による床衝撃音レベルは顕著な変化を示さ

ない.しかし軽量床衝撃源としてのタッピングマシンで

は床表面仕上げ材料の性質によって床衝撃音レベルが大.

きく変わる.またその理論的考察も進められている.

居問の合板床上にカーペットを3種,または畳を2種

についての床仕上げのときの床衝撃音レベルをそれぞれ

Fig.6に示した.同図によれば,二一ドルパンチカーペ

ットではL-65(6号)を示し,最低限以下にランクさ

れる.これでは殆んど改善にならない.したがって厚さ

6.5mmのループパイルカーペットを敷くとL-60(5

号)で性能的に最低限にランクされる.床衝撃音の遮音

性としてほぽ満足出来るL-50(3号)を示すカットパ

イルカーペットぐらいを生活のさい敷きたい。このカッ

トパイルカーペット,スタイ1コ畳や本畳は3号ないし2

号のグレードを示し非常によいことがわかる,

 発泡プラスチックプレート上に本畳を敷いたときレ

55(4号)であった(Fig.3)のと比べて,木造根太一

合板貼りに畳を敷くことによってレ45(2号)と顕著

に改善される.カ丁ペットは概して糸くずが室内に散り

易く,ダニの発生がしやすくて健康上からあまり推奨出

来ない.

 木造根太十合板床上に表面材料を敷くこξによる床衝

撃音改善効果をFig・7に示した.厚手のカットパイル

カーペットや畳は改善効果が大きく32~38dBにも達す

る.しかし,大切な低い周波数域での改善量はもう一つ

小さいと思われる.

 7.結   論

 調査によって次のことが明らかとなった.

 1)畳室の界床遮音性は軽量衝撃源(タッピングマシ

ン)でL-55(4号),重量衝撃源(タイヤ)でL-60(5

号)を示した.これらの格付けは床衝撃音に関し「ほ1ま

満足しうる」かまたは最低隈である.また居間の合板床

ではL-65以下とL-65を示し,「最低限」以下に格付

けされた.これらの改善方法として次の提案が出来る。

 畳室は木造根太と荒床にすればユ~2号に向上し,

「十分に満足しうる」か「好ましい状態」になる.さら

に屠間の木造根太十合板床には乾式浮床工法(根太と≒

ンクリートスラブの接触部分にグラスウール等のクッシ

.ヨン材を入れる)により,タッピングでレ5q(3号)

か,レ45(2号)になり,タイヤではL-55(4号)に

格付けされる。また界床のコソクリート厚さは現在の

120mmより厚くし,少くとも200mm厚さにすること,

および遮音天井を取付ける必要もある。

 2)床表面材料による床衝撃音レベルの改善は最低限

度以下に格付けされた木造根太十合板床の場合,厚さ13

mmのカットパイルカーペットか本畳を敷くことによっ

て,一挙に2号ないし3号にグレードァップする.しか

しカーペットは概して糸くずが散りやすく,ダニも発生

しやすく子供のいる家庭では健康上あまり推奨出来な

い.

 3)床衝撃音レベルは距離の対数に比例して減少す

る。回帰式のこう甲はタッピングマシンで一25.6~

一33.9,タイヤで一31.6~一42.ユとなり,タイヤの方が

若干音圧レヘルの距離減衰が大きい.

 国家公務員用集合住宅は低い建築単価の予算で各地に

数多く建設され,測定建物とほぼ同じ構造のものが現在

もなおどんどんと建てられている。

 調査結果からもわかるように界床の遮音性の面から,

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高橋・田中・千秋:Rc一集合住宅における床衝撃音遮音性能の調査 一87一

最もよい畳室で4号ないし5号で,「ほぽ満足しうる」

か「最低限」であり,他の部室は6号以下(「最低限」

以下)であるからこれらの住宅の界床は欠陥住宅といわ

ざるをえない.早急に改善した設計の建物になるよう国

に要望したい.

         謝   辞・

 今回の測定に関し各種の便宜と機会を与えていただい

た中国財務局松江財務部管財課石村精二宿舎係長に

深謝します.また測定に協力いただいた島根大学農学部

林学科木材加工学専攻生に謝意を表します.

         文   献’

1)木村:音響学会誌,28(ユ972)p.576.

2)飯田,金岡、池田:竹中技術研究報告,No.ユ9

   (ユ978)p.109.

3)安岡:音響技術,6(1977)P.267.

4)D.lM ONYsK0 Canada Eastern Forest Products

   Lab.Report OPXユ20E(ユ975).

5)目本音響材料協会:建築茸弩関係JIS解説(1979)・

6)塩田,田中,高橋:島根大学農学部研究報告13

  (1979)。

.7)木村,安岡:音響学会誌,32(ユ976)p.647.

8)安岡:音響学会誌,34(1978)p.79.

9)吉村他1目音講演論文集,(1977.4)p.269.

1O)中村:音響学会誌,35(ユ979)420-

11)木村:音響学会誌,32(1976)P.642.

12)渡辺:木材理学総論(農林出版)(ユ978)P.355.・

ユ3)木村:音響技術,No.23(197畠)P.27.

一14)前川:建築音響ナ(共立出版,ユ973)p.86.

ユ5)高橋,田中,浜野:島根大学農学部研究報告,10

  (ユ976)p.ユ18。

ユ6)飯田,村井,広永,金岡:竹中技術研究報告,18

  (1977)p.ユ25㌧

                      S固醐醐a町

  A survey of f1oor performance under1mpact n01se and the propagat1on of n01se w1th1n

a re1nforced-concrete apartment bu11d1ng(for nat1ona1government off1c1a1s and the1r

fam111es)was undertaken The apartment bu11d1ng has f1ye f1o0fs and30un1ts The

f1oor p1an for two un1ts1s shown1n F1g.1 The f1oor construct1on m the11v1ng room

wh1ch1s f1n1shed w1th wood f1oormg,and m one of the s1x-mat Tatam1rooms(No 2)1s

shown in Fig.2.

  In the experiment,the no1se source room is1n apartment No・501,and the1mpact

n01se on the f1oor was recorded usmg5m1crophones N01se sources used were as

fo11ows:

  TapPing mach1ne(IS0140and∬S A1418)  ....S1mu1at1ng footfa11s

  T1re       (JIS A1418) .. s1mu1at1ng ch11dren’s]umps

  The frequency spectrum of1mpact somd.1eve1m apartment No40ユare shown1n

F1g3 Attenuat1on of mpact n01se of fユoor us1ng soft fヱoorイm1sh mater1a1s are obta1ned

on1y w1th the tapP1ng machme and are shown1n F1gs6and7 Tatam1and th1ck carpet

on wood f1oor are better than p1ywood f1oor w1th respect t01mpact n01se The d1s-

tr1but1on of1mpact sound1eve11n the apartment bu1d1ng1s show1n Tab1e3 L1near re-

gress1on equat1ons for sound pressure1eve1s on the1ogar1thm of d1stance were computed,

as shown1n F1g5 The s1opes ranged froIn -256to-339(dB/m)for the tapP1ng

工nach1ne,and from-316to-421(dB/m)for t1re dropPing