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クイックスタートマニュアル

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クイックスタートマニュアル

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II CINEMA 4D R9 クイックスタート

CINEMA 4D R9クイックスタートマニュアル

プログラミングチーム Christian Losch, Philip Losch, Richard Kurz, Tilo Kühn, Thomas Kunert, David O’ Reilly, Cathleen Poppe.プラグインプログラミング Sven Behne, Wilfried Behne, Michael Breitzke, Kiril Dinev, Per-Anders Edwards, David Farmer, Jamie Halmick, Richard Hintzenstern, Jan Eric Hoffmann, Eduardo Olivares, Nina Ivanova, Markus Jakubietz, Eric Sommerlade, Hendrik Steffen, Jens Uhlig, Michael Welter, Thomas Zeier.プロダクトマネージャ Marco Tillmann.品質管理 Björn Marl.マニュアル執筆 Paul Babb, Rick Barrett, Oliver Becker, Jens Bosse, Chris Broeske, Chris Debski, Glenn Frey, Michael Giebel, Jason Goldsmith, Jörn Gollob, Sven Hauth, Josiah Hultgren, Arndt von Königsmarck, David Link, Arno Löwecke, Aaron Matthew, Josh Miller, Matthew ‘Mash’ O’ Neill, Janine Pauke, Marcus Spranger, Luke Stacy, Perry Stacy, Marco Tillmann, Jeff Walker, Scot Wardlaw.SDK 執筆およびサポート David O’ Reilly, Mikael Sterner.レイアウト Oliver Becker, Harald Egel, Michael Giebel, David Link, Luke Stacy, Jeff Walker.翻訳 Oliver Becker, Michael Giebel, Arno Löwecke, Björn Marl, Janine Pauke, Luke Stacy, Marco Tillmann, Scot Wardlaw, 星野智穂

カバーアート Heike Bauer, Onur Pekdemir

Copyright © 1989-2004 by MAXON Computer GmbH. All rights reserved.

English Translation Copyright © 2004 by MAXON Computer GmbH / MAXON Computer Ltd. All rights reserved.

本書とこれに対応するソフトウェアの著作権は保護されています。MAXON Computer GmbHの書面による明確な許可なく、書類の一部もしくは全てを、翻訳、変更、複写すること、および形態や方法が電子的または機械的であるかを問わず、また目的を問わず、再配布することは禁じられています。

プログラムや本書の製作については万全を期していますが、MAXON Computer はその中に含まれるエラーや欠落に関して一切の責任を負いません。プログラムの使用によって発生した損害や、本書に記載されている情報に起因して生じた損害に関しても同様です。

このマニュアル、およびこれに対応するソフトウエアは、次に述べる使用許諾契約の元に供給され、この使用許諾契約の定めにしたがってコンピュータにインストールされ、使用されるものとします。またこのマニュアルに記載されている内容は、このソフトウエアを使うための単なる情報であり、予告なく変更される場合があり、これによってMAXON Computer が何かを約束するものではありません。MAXON Computer は、このマニュアルに含まれるいかなる間違いや不正確な記述についても、それを保証せず、責任を持ちません。

MAXON Computer、MAXON の ロ ゴ、CINEMA 4D、HyperNURBS、C.O.F.F.E.E. は、MAXON Computer GmbH お よび MAXON Computer Inc. の登録商標です。 BodyPaint 3D、CINEMA 4D、C.O.F.F.E.E.、HyperNURBS および RayBrush は、MAXON Computer GmbHまたは MAXON Computer Inc. の登録商標です。Acrobat、Acrobat のロゴ、PostScript、Acrobat Reader、 Photoshop、Illustrator は、米国とその他の国々で有効なアドビ社の登録商標です。Apple、Apple Script、Apple Talk、Color Sync、MacOS、Quick Time、Quick Timeのロゴは、米国とその他の国々で有効なAppleコンピュータの登録商標です。Microsoft、Windows、WindowsNT は、米国とその他の国々で有効なマイクロソフト社の登録商標です。UNIX は X/Open Company Ltd だけにライセンスされている登録商標です。また、このマニュアルに表示されているその他すべての商標や製品名も、それを所有する会社の商標または登録商標であることをここに明記します。

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IIICINEMA 4D R9 クイックスタート

マクソンコンピュータ エンドユーザ 使用許諾契約書本製品を購入された皆様へ 本製品 CINEMA 4D(以下ソフトウエアと略します)をインストールすると、お客様(以下ユーザと略します)とドイツ・フレードリヒスドルフ所在の法人 MAXON Computer GmbH(以下ライセンサと略します)との間に以下の契約が成立します。

このソフトウエアを使用するためにコンピュータにインストールした場合、ユーザはこの使用許諾契約書に記載されている全ての条項に同意したことになります。もしこの使用許諾契約書に同意できない場合、ユーザはこのソフトウエアをインストールできません。

もし、この使用許諾契約書に同意しない場合は、このソフトウエアとマニュアル一式を、MAXON Computer 、またはこの製品を購入された販売店にご返送ください。

1. 全般この使用許諾契約書にしたがって、ライセンサは、このソフトウェアおよびマニュアルを使用するための非独占的なライセンスを、ユーザに付与します。ソフトウェア自身、およびその複製、および本契約にしたがって認められているその他の全ての複製は、ライセンサの資産であり続けます。

2. ソフトウェアの使用(1)ユーザは、ソフトウェアを使うために必要とされる範囲内で、ソフトウェアをコピーすることが認められています。必要とされる範囲とは、プログラムをオリジナルの CD-ROM から、コンピュータに搭載されている大容量ストレージデバイス(ハードディスクなど)にインストールすること、およびプログラムを RAM に読み込むことです。

(2)また、ユーザは CD-ROM のバックアップコピーを作成できます。ただし、作成、保管が認められるバックアップコピーは1部だけです。そしてバックアップコピーには、これがライセンスされたソフトウェアのバックアップコピーであることを明示しておく必要があります。

(3)これ以上のコピーは一切認められません。この中には、プログラムコードをプリンタで印刷することや、あらゆる形態でのマニュアルのコピーも含まれます。

3. 複数台のマシン、およびネットワーク上での使用(1)ユーザはこのソフトウエアを任意のハードウェアにインストールして使用できます。ただしハードウェアを変更する場合、それまでに使用していたハードウェアの大容量ストレージデバイスからソフトウェアを削除する義務があります。複数のハードウェアに同時にインストールすること、およびそれを使用することは認められません。

(2)同時に複数の人間がこのソフトウェアを使用する可能性が生じる場合、ネットワーク経由、または一般的なクライアントサーバシステム上でこのソフトウェアを使用することはできません。ネットワーク経由、またはクライアントサーバシステム上でこのソフトウェアを使用する場合、一度に複数の人間が使用できないようなアクセス権を設定するか、あるいは特別なネットワークライセンス料金(金額は同時に使用可能な人数によって決まります)をライセンサに支払う必要があります。

(3)このネットワークライセンス料金は、同時使用を希望するユーザの人数を書面にて提示後、直ちにライセンサからユーザに通知されます。ライセンサの連絡先住所は、マニュアルおよび本契約書末尾に記載されています。ネットワーク上での使用は、このネットワークライセンス料金を支払った後に開始できます。

4. 譲渡(1)ソフトウェアおよびマニュアルに関して、貸与、賃貸、サブライセンス、借用を禁じます。ただし、ユーザがこの契約書、ソフトウエア、その全てのコピー、アップデートの権利、アップデート前の古いバージョンのパッケージ、マニュアルを含む

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全てを他の個人や法人に引き渡し、同時にユーザのコンピュータにインストールされた全てのコピーを破棄し、また引き継ぐ人間がこの使用許諾契約に同意し、その意志をライセンサに書面で通知するならば、このソフトウエアを使用するための全ての権利を新しいユーザに譲渡できます。

(2)ユーザには使用許諾契約書の条項を厳重に保管する義務があります。ソフトウェアの譲渡に先立って、ユーザは使用許諾契約書の条項を新しいユーザに知らせる必要があります。ソフトウェアを譲渡する時点で、新しいユーザが手元にこの使用許諾契約書を所持していなかった場合、新しいユーザはライセンサに契約書の再発行を要請する義務があり、その経費は新しいユーザが負担しなければなりません。

5. アップデートもしユーザの使用しているソフトウエアが、古いバージョンをアップデートしたものである場合、アップデートしたソフトウエアを使うためには、古いバージョンに関してもライセンスを所有し続けなければなりません。この古いバージョンは、新しいバージョンに移行する際の補助として、またアップデータをインストールする目的にのみ使うことが可能です。そしてアップデータを受け取ってから90 日後に、古いバージョンを使用するためのライセンスは失効し、それ以降アップデータをインストールする目的以外で古いバージョンを使用することはできません。

6. ソフトウェアの再コンパイルと変更 (1)ユーザが、供給されたプログラムのコードを再コンパイルしたり、ソフトウェアを改ざんしたり、ソフトウェア製作のさまざまな段階におけるリバースエンジニアリングを行うことは、その種類に関係なく一切認められていません。

(2)コピーに対するセキュリティを解除したり、同様の保護システムを削除することが許可されるのは、そのセキュリティがソフトウェアの動作不良の原因となっていたり、正常な動作を妨害している場合に限ります。ただしこの場合、ユーザにはそのセキュリティーがプログラムの動作不良の原因となっている、という事実を証明する義務があります。

(3)著作権告知情報、シリアル番号、その他のソフトウェア識別情報を削除したり変更することは禁じられています。 ソフトウェアの所有権はライセンサにあり、その構造、構成、コードはライセンサにとって価値のある企業秘密です。またソフトウェアは、米国著作権法および国際条約によって保護されています。前述したような事態を除き、この契約はユーザに対して、このソフトウエアに関するいかなる知的財産権も付与しません。

7. 保証の制限(1)両者は、現時点において、どのような環境でも問題なく動作するようソフトウェアを開発、製造することは不可能であることに同意するものとします。ライセンサは、このソフトウェアがマニュアルの記述に基づいて実用的に動作することを保証します。しかしライセンサは、このソフトウェアとマニュアルが、ある特定の条件、もしくは特定の使用目的に適合することや、ユーザが所有する他のソフトウェアを起動した状態で正常に動作することを保証しません。ユーザは、製品を受け取った後直ちにソフトウェアとマニュアルを確認する義務があり、明確な欠陥がある場合は、受け取った後14日以内にその旨を書面にてライセンサに報告する必要があります。潜在的な欠陥を発見した場合も、直ちに上記と同様の方法で連絡する必要があります。それ以外の場合、ソフトウェアとマニュアルは欠陥がないものとみなします。欠陥の内容、特に発生した現象はできる限り詳細に記述する必要があります。保証期間は、このソフトウェアがユーザの手元に配達された日(納品書に記載された日付を配達日とします)から 6 か月間です。ライセンサは、報告された欠陥を無償で修理するか、または欠陥のない製品と交換するか自由に選択できます。

(2)ライセンサおよび販売代理店は、このソフトウェアまたはマニュアルの使用によってユーザが得る成果とその品質を一切保証せず、また保証できません。ライセンサまたはその販売代理店による保証不履行に対する唯一の救済方法は、前述の限定保証を除き、前述の対処に限定されます。ライセンサおよびその販売代理店は、明示、暗示に関係なく、三者の権利の不可侵、商品性、特定目的に対する適合性を一切保証しません。いかなる場合においても、派生的、偶発的、特殊な損害に対して、収益または貯蓄資産の喪失も含め、かかる損害の可能性または第三者からの請求がライセンサの代表者に予告されていた場合でも、ライセンサおよびその販売代理店は一切責任を持ちません。

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(3)州または司法管轄区によっては、偶発的、派生的、特殊な損害を除外したり、暗黙の保証を除外したり、暗黙の保証が継続する期間を限定することを認めない場合もあるため、上記の限定事項がユーザに適用されない可能性があります。このような場合には、特殊な限定保証書が別紙として添付され、この契約書の一部となります。保証範囲が拡張された場合でも、暗黙の保証の有効期間は 6 か月間に限定されます。この保証は、ユーザに該当する法的権利を与えます。ユーザが居住する州または司法管轄区によっては、さらに他の権利が発生する可能性もあります。この場合、ユーザの使用許諾契約書に特殊な保証条項は添付されませんので、保証内容の詳細についてはライセンサまでお問い合わせください。

8. 運送中の損傷ライセンサは、ライセンサが出荷を手配した全ての輸送について保険を付けています。したがって、もしユーザが本製品に関して輸送中に生じたと思われる損傷を発見した場合、ユーザは書面にて輸送業者に速やかに報告し、その報告書のコピーをライセンサに提出しなければなりません。

9. 秘密ユーザには、プログラムやマニュアル、特にシリアル番号が第三者に渡ることのないように厳重に管理する義務があります。ユーザはプログラムまたはマニュアルを複製または貸与することはできません。これらの義務は、ユーザが雇用している従業員、およびユーザがプログラムを操作するために契約している他の人間にも同等に適用されます。ユーザはこれらの義務を従業員や契約者に通知しなければなりません。これらの義務が遂行されない状況下で生じた損害の責任は、いかなる場合においてもユーザが負うものとします。

10. 情報 ソフトウェアを新しいユーザに譲渡した場合、ユーザは、新しいユーザの氏名と住所をライセンサに書面で報告する義務があります。ライセンサの住所はマニュアルやこの契約書の末尾に記載されています。

11. データの保護ユーザを登録したり、プログラムが適正に使用されるようにコントロールするために、ライセンサはドイツのデータ保護法(Bundesdatenschutzgesetz) に基づいてユーザの個人情報を保管します。このデータは上記の目的にのみ使用され、第三者に利用されることはありません。ライセンサはユーザから要求があれば、いつでもそのユーザに関する個人情報を知らせるものとします。

12. その他(1)この使用許諾契約書には、両者の権利と義務が全て記述されています。他の契約書は存在しません。この契約書の内容の変更または修正は、この契約に関する書面にて行われ、双方の署名が必要となるものとします。これは、書面形態の廃止に関する同意についても適用されます。

(2)この使用許諾契約書の準拠法はドイツ国法です。管轄裁判所はドイツのフランクフルト市の所管裁判所になります。この契約は、国際商品販売に関する国連協定(United Nations Convention on Contracts for the International Sale of Goods)には準拠せず、協定の適用外であることを明記します。

(3)この使用許諾契約のいずれかの部分が無効または行使不能であるとみなされた場合、この契約の他の部分の有効性には影響せず、その条項に基づいて効果と効力を有し続けるものとします。

13. 失効この使用許諾契約は、ユーザが契約書の条項に違反した場合、たとえ有効期間が残っていても自動的に失効します。契約が失効した場合、前述の理由によりユーザはプログラムと全てのマニュアルをライセンサに返却しなければなりません。さらにライセンサから要求があった場合、ユーザはデータ記憶装置またはコンピュータ本体上にプログラムのコピーを一切

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VI CINEMA 4D R9 クイックスタート

保持していない旨を示す宣誓書を提出する必要があります。

14. 問い合わせと通知

この使用許諾契約書に関する質問、またはその他の問い合わせ、および契約書に基づくMAXON Computer 社への通知は、下記住所まで書面にてお願いします。

MAXON Computer GmbH, Max-Planck-Str. 20, D-61381, Friedrichsdorf, Germany

北米・南米地域:

MAXON Computer Inc., 2640 Lavery Court Suite A, Newbury Park, CA 91320, USA

英国 :

MAXON Computer Ltd., The Old School, Greenfield, Bedford, MK45 5DE, UK

日本 :

〒141-0021 東京都品川区上大崎 4-5-37 山京目黒ビル 409 号 マクソンコンピュータ東京オフィス

ご連絡いただければ、お客様に最寄りの販売代理店をご案内します。

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目次CINEMA 4Dについて . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

1. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . .� 12. 総合情報とインターフェイス . . . . .� 13. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . . � 124. クイックチュートリアルーオブジェクトの配列 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 145. クイックチュートリアルーモデリング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .216. クイックチュートリアル ー マテリアル. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .297. クイックチュートリアル ー ライト. . � 378. クイックチュートリアル ー アニメーション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 419. クイックチュートリアル ー レンダリング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4810. クイックチュートリアル ー マルチパスレンダリング. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .5511. クイックチュートリアル ‒ XPresso . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .6312. Tips と秘訣 . . . . . . . . . . . . . . � 67

Advanced Render について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .701. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . � 702. 総合情報とインターフェイス . . . . � 703. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . . � 724. クイックチュートリアル ‒ ラジオシティ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 745. クイックチュートリアル ‒ コースティクス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .776. クイックチュートリアル ‒ 被写界深度 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .807. Tips と秘訣 . . . . . . . . . . . . . . . � 82

Sketch and Toon について. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .831. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . � 832. 総合情報とインターフェイス . . . . � 833. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . . � 864. クイックチュートリアル ‒ アウトライン . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .875. クイックチュートリアル ‒ シェーダとタグ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .916. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . . � 95

PyroCluster について. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .961. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . � 962. 総合情報とインターフェイス . . . . � 973. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . . � 984. クイックチュートリアル ‒ 勝利に向けての10 段階 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .985. クイックチュートリアル ‒ 最適化とアニメーション . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1026. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . � 1047. 終わりに. . . . . . . . . . . . . . . . � 104

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NET Render について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1061. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . � 1062. 総合情報とインターフェイス . . . � 1063. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . � 1074. クイックチュートリアル ‒ インストールとインターフェイス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1085. クイックチュートリアル ‒ ジョブと管理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1096. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . � 110

Dynamics について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1111. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . � 1112. 総合情報とインターフェイス . . . � 1113. サンプル画像. . . . . . . . . . . . . � 1124. クイックチュートリアル ‒ 剛体 . . � 1135. クイックチュートリアル ‒ ソフトボディ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1166. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . � 118

BodyPaint 3D について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1201. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . � 1202. 総合情報とインターフェイス . . . � 1203. サンプル画像 . . . . . . . . . . . . � 1224. クイックチュートリアル ‒ ペイントセットアップウィザード . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1235. クイックチュートリアル ‒ 最初のペイントレッスン . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1266. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . � 130

MOCCAについて. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1331. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . � 1332. 総合情報とインターフェイス . . . � 1343. キネマティクス. . . . . . . . . . . . � 1384. クイックチュートリアル ‒ PoseMixer . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1415. クイックチュートリアル ‒ モーションブレンド . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1446. クイックチュートリアル ‒ FBX インポート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1497. クイックチュートリアル ‒ ドレッシング . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 151

Thinking Particles について . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1551. はじめに . . . . . . . . . . . . . . . � 1552. 総合情報とインターフェイス . . . � 1563. クイックチュートリアル ‒ パーティクルスノー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1584. クイックチュートリアル ‒ パーティクルとしてのオブジェクト . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1615. Tips と秘訣. . . . . . . . . . . . . . � 1666. 終わりに . . . . . . . . . . . . . . . � 166

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IXCINEMA 4D R9 クイックスタート

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X CINEMA 4D R9 クイックスタート

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1CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

CINEMA 4Dについてこれは CINEMA 4D のクイックチュートリアルです。私たちはこの短く簡単に理解していただけるチュートリアルがあなたの3D 世界へ突入する助けとなるようにと希望します。 このチュートリアルを終了された後には、未来のプロジェクトに適用できるユーザー基礎知識を身につけていただけることでしょう。

1. はじめにまだ残念ながらあなたが本を開いただけでオープニングメロディーを奏でるというものではありません。今回単に私たちがあなたの CINEMA 4D 購入でやデモバージョンの試用をお祝いすると想像してみて下さい。あなたが CINEMA 4D を試用しているだけかまたは通常版やスタジオバンドルパッケージを購入されているかに関らず、この CINEMA 4D が行える素晴らしい可能性についてもうご存知のことでしょう。私たちは皆様お客様のニーズとご要望に答えられるよう何年も密接に仕事をしてきました。この甲斐があって皆様のニーズと3D マーケットに従った、創造と新しい機能の紹介となりました。私たちのお客様や3D市場の要求を満たせるためのアイディアやコンセプトが創造的に実現されたのです。あなたがプリント、広告、デザイン、ビジュアルや映画といった分野でお仕事をされていても、CINEMA 4D はアイディアを実現させるに必要なツールを全てあなたに提供します。その直感的なインターフェイスと使い易さによって、CINEMA 4D で多方面の世界に通用するような3Dがすぐ習得できます。MOCCAモジュールでキャラクタのアニメーションが必要な場合やSketch and Toonでカトゥーン風のレンダリングが必要な場合でも、ニーズに合うようにCINEMA 4D のセットアップがカスタマイズできます。CINEMA 4D はあなたの仕事や趣味と掌中にある創造力をリンクづけ、想像力に応じたどんなものでも作成することができます。こうしてCINEMA 4D はあなたの頼りになるパートナーとなることでしょう。次はインターフェイスから何が期待できるかの印象を与えるために、第2章のクイックスタートチュートリアル ‒ インターフェイスに移ります。

2. 総合情報とインターフェイスCINEMA 4 を起動する最も重要なステップから始めましょう。CINEMA 4D を起動後、次頁のような画像が見えるでしょう。

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2 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

左上から右周りに、次のようにCINEMA 4D が異なった作業エリアで分割されています。

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3CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

エディタは、ポリゴンオブジェクト、カメラ、ライト、ボーンや他のデフォーマといったシーンに含まれた全てのオブジェクトを表示します。どのビューでも常時、作業を確認するためのレンダリングができます。

グループアイコンは、1つのグループにある属性を複数含んでおり、左マウスボタンでメインアイコン上をクリックしてアクセスできます。グループアイコンは、右下コーナーの小さな矢印上にある通常のアイコンとは異なります。

タブは、お互いに重なって層になった複数のウインドウやマネージャを表示します。各ウインドウやマネージャには複数の設定または属性があります。

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4 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

オブジェクトマネージャは、シーンにある全てのオプジェクトを含んでいます。オブジェクトマネージャを使うと階層を設定したり、オブジェクトを集合させたり、オブジェクトにタグを設定したり(オブジェクトマネージャ右にある小さなアイコンでオブジェクトに一定の属性が指定できます)またはオブジェクトに名前をつけたりできます。

属性マネージャは、各オブジェクトやツールの属性を管理します。ここでは HyperNURBS 分割(これについては後で詳しく説明します)の強度やエディタでのオブジェクトの視度が変更でき、オブジェクトの座標やライブ選択の半径と「可視エレメントのみ選択」のオプションといったツール設定が同じく表示されています。

座標マネージャは、あなたのオブジェクトを回転またはスケールさせます。与えられたフィールドに値を入力し、適用ボタンまたは単にリターンキーを押してこの入力を確認します。

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5CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

マテリアルマネージャは、シェーダ、テクスチャや他の属性を含んだマテリアルを全て含んでいます。マテリアルをクリックするだけでその属性が属性マネージャに表示されます。マテリアルをダブルクリックすると、マテリアル編集が開き各マテリアルチャンネルの変更ができます。ここでは照明の強度、ハイライトのタイプ、バンプの強度を始めとした調整ができます。これについては、後の章で詳しく説明します。

同時に4つのエディタビューまで開くことができ、あなたのシーンの外観を異なった観点から表示します。また、グーローシェーディング(シーンに配置したライトを全て含む)やワイヤーフレームといった複数のモードでシーンを見ることができます。これによって、エディタのレイアウトをあなたのニーズやコンピュータのプロセス速度に適応させることができます。

アイコンパレットは、左側に下がりエディタ上部を横切ります。どのモジュールを現在使用しているかにもよりますが、水平のパレットには最も良く使うことになるツールが含まれています。例えば MOCCA のレイアウトを使用中の際には、ボーンとSoft IK と共に作業をするのに必要なツールが表示されます。スタンダードレイアウトの1つを使うこともできるし、またはあなた独自のアイコンパレットを作成することも可能です。CINEMA 4Dはあなたが作業したいレイアウトを選択させます。

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6 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

次にCINEMA 4D のアイコンパレットにもっと集中して、より使いこなせるようにしましょう。下のスクリーンショットにある色付きアイコンについて説明します。

この画像は左側にあるアイコンパレットを表示しています。一番上には先程言及した既に定義されたレイアウトが表示されています。その下には「オブジェクトを編集可能にする 」のボタン(緑色)があり、この機能によってポイント、ポリゴンやエッジを使用しながらプリミティブを変換させることができます。プリミティブの編集可能性はこれを変換するまでに制限されています!セグメント数やサイズを指定することはできますが、ポリゴンの変換はできません。次には、選択したオブジェクトを移動、スケールや回転できる「モデルツールを使用 」と、オブジェクト軸の周りに回転させる「オブジェクト軸を使用 」のボタンがあります(赤色)。その下に位置する3つの青色アイコンは「ポイントツールを使用 」、「エッジツールを使用 」と「ポリゴンツールを使用 」を表わします。これらの3つのモードでオブジェクトのポイントやエッジまたはポリゴンを移動、スケールまたは回転させるか、或は CINEMA 4D に統合したツールでオブジェクトを編集します。

次の紫色部分のアイコンはポイント、エッジやポリゴン選択範囲の間が選択できます。

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7CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

「初期設定モード」でポイント、エッジやポリゴンを選択するには、これらの相当するポイント、エッジやポリゴンを単に有効にするだけです。「自動スイッチモード」では CINEMA4D があなたのカーソルがポイント、エッジまたはポリゴン上にあるかを認識します。左マウスボタンを一度クリックするとモードが自動的に訂正されます。「微調整モード」は移動、スケールならびに回転ツールを選択した場合と同じ働きをします。これでアイコンパレットの最も重要な機能が理解していただけたことでしょう。

次に上部パレットの最も使用するアイコンに注目しましょう。

左に「取り消し」ならびに「再実行」の矢印アイコン(オレンジ色)があり、これらは各ステップを取り消しまたは繰り返します。CINEMA4D ではメインメニューの「編集 -> 一般設定 -> 書類」から取り消し回数のプリセットが変更できます。

取り消しまたは再実行のアイコンの次は「ライブ選択」(ピンク色)ツールで、選択したポイント、エッジまたはポリゴンの編集ができます。次にある3つのアイコン(青緑色)は殆ど自明ですがこれらを使ってオブジェクトを移動やスケールまたは回転させたり、或はオブジェクトの選択したポイントやエッジまたはポリゴンを回転させます。いつも回転の中心が選択オブジェクト(またはカメラ)となることに注意してください。

次の3アイコン(赤色)で「X、Y、Z 軸のロック/ 解除」ができ、オブジェクトをどの方向に編集するかを指定します。これらのアイコンのうち1つが選択されていると、X、Y、Z 軸方向のロック/ 解除に依存するオブジェクト軸の矢印を使用しない限り、オブジェクトを特定の場所にしか動かせなくなります。

次(紫色)の機能は「ワールド/オブジェクト座標系を使用」のスイッチを切り替えます。例えば、素晴らしくモデリングされた頭のオブジェクト軸が傾斜していると推定してみましょう。Xと Z 軸をロックしてから頭を選択して移動させると、モデルがオブジェクト軸のX 方向に移動することに気付くでしょう。

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8 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

次は代わりにワールド座標系を選択し、オブジェクトがワールド座標系システムに平行な X 軸上をどのように移動するかを見て下さい。

この機能はシーンをモデリングまたはアニメーション化する際に非常に役立ちます。

次の3つのグループは、レンダリングアイコン(赤色)です。最初の花瓶がシンボルになっている機能(選択ビューをレンダリング)はエディタに画像をレンダリングし、レンダリングは目的の画像サイズや複数の特殊効果と共にあなたが指定した設定を使いながら行われます。2番目のアイコンは3番目のアイコン「レンダリング設定」で指定した設定を使用しながら、「画像表示」に画像をレンダリングします。また「選択したビューにレンダリング」の機能は選択ビューのシーンを確認するためだけにあるので、画像表示にアニメーションもレンダリングすることができます。

次のシンボルは、「立方体オブジェクトを追加」のグループウインドウです。ここには CINEMA4D で使用できるあらかじめ指定されたパラメトリックオブジェクトが全て含まれています。

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9CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

一度のクリックだけで世界で最も使用されている立方体オブジェクトが作成できました。クリックしたまま押さえながら全ての使用可能なパラメトリックオブジェクトをご覧下さい。ここでは必要とする最初の形状が選択できます。また、「既にポリゴンオブジェクトに変換されているパラメトリックなオブジェクトだけが、ポリゴンやポイントまたはエッジレベルで編集できる」ことを忘れないで下さい。

黄色のアイコンは、「スプラインオブジェクト」を表します。

「スプライン」の用語は造船に由来します。船体の形状に従うことができる充分に弾力性のある木の細い薄板が、スプラインと呼ばれました。3D の世界でスプラインは「ポイントを基本にしたカーブ」と定義することができます。スプラインはその曲がった形式を保持している間すでに指定された複数のポイントに「従い」ます。このグループウインドウには複数のスプライン描画ツールと同じく、選択可能な既定の形状が備わっています。またスプラインはカメラが移動するのに沿うパスとしての役割も果たします。スプラインを描画して単にカメラをそのパスに沿って移動させてみて下さい。モデルにもスプラインが使用できます。スプラインは例えば「ロフト NURBS」を使いながら引き伸されたスキンの上にワイヤーフレームの列として配置されます。

次のグループアイコン(濃オレンジ色)は、CINEMA4D オブジェクトで恐らく最も重要な「HyperNURBS オブジェクト」をホストしています。

ポリゴンオブジェクトが HyperNURBS オブジェクトの子オブジェクトである場合は、そのポリゴンワイヤーフレーム(メッシュ)がより高いレベルで分割されます。オリジナルのメッシュを失うことのない分割以前(オブジェクトは自動的によりソフトに丸く見えます)より視覚的にずっと小さなポリゴンで構成されるでしょう。次のスクリーンショットでご覧頂けるように、外側のメッシュ(青緑色)が立方体ポリゴンの実際の分割を表示しています。内側のメッシュはより微細であり、HyperNURBS オブジェクトの分割を表示しています。

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10 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

特にモデリングにおける優越点は顕著です。オブジェクトには複数のポイント(エッジやポリゴン)が含まれているので、これが編集できると非常に管理が良くできるようになります。オリジナルのワイヤーフレームの単に1ポイントをドラッグすれば、微細に分割した HyperNURBS のメッシュがドラッグされたポイントに従います(次のスクリーンショットを参照)。

微細に分割したモデリングでポリゴンオブジェクトが作成されていると、ずっと複雑になります。あなたが1つのポイントを引っぱると1ポイントだけが移動しますが、他の周囲にある全てのポイントは各々の位置を保持します。目的の形を達成するためにはポイントを1つごと手で動かさなければならないでしょう。はっきりとまだ理解できなくとも問題ありません。クイックチュートリアルの2部でこういったモデリングを試してみるとこの機能が手っ取り早く習得できることでしょう。グループウインドウには(ご存知かも知れませんが)ロフトや HyperNURBSといった複数の NURBS オブジェクトも勿論含まれています。次に「ファンクションオブジェクト」(緑色)の後ろにあるオブジェクトに注目してみましょう。

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11CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

ここには例えばヌルオブジェクト(ジオメトリのないオブジェクト)、ブーリアン操作用のブーリアンオブジェクト(パラメトリックやポリゴンオブジェクトがお互いにカット、スライスできます)、同様にキャラクタのモデリングに驚異的に役立つシンメトリーオブジェクトがあります。形の半分だけをモデリングしてシンメトリーオブジェクトの機能を使うと、他の形半分をミラーリングして作成します。

最後から2番目のアイコンは、これなしでは最良のモデルも地味で平らに見えるライト(白黒)オブジェクトを1つ以上含んでいます。

シーンの正しいライティングは、少なくともシーン自体と同程度に重要です。デフォルトのライトで素晴らしいモデルを照明するより、簡単なモデルで優れたライティングを使うとより良い印象が作成できます(これについては、後でもっと詳しく説明します)。カメラオブジェクト、太陽オブジェクトや環境オブジェクト(全体の色を追加やシーンの霧)等がここにあります。

「デフォーマ」は、最後のアイコン(ライトブルー色)のオブジェクトに適用できます。

デフォーマを使用するとモデリングやアニメーションのオブジェクトを曲げたり、変形したりつぶしたりします。このグループウインドウには役立つツールが色々とあります。このチュートリアルを終了した後に幾つか試してみることができるでしょう。個々の名前(各アイコン上にカーソルを動かすとモニター左下にその機能が表示されます)から、これらがどのような働きをするかが推定できます。

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12 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

3. サンプル画像ここはちょっとしたファンファーレが使える場所です。チュートリアルの実地部分に移動する前にこれらの画像を考察して、幾らかインスピレーションが与えられるようにして下さい。

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13CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ インターフェイス

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14 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

4. クイックチュートリアルーオブジェクトの配列CINEMA 4D がどのように働くかを感じ取って頂くために、複数の基本オブジェクトを簡単に作成することから始めます。

メインメニューから「オブジェクト->プリミティブ->立方体または球」またはグループアイコンの「立方体オブジェクトを追加」を使用して13の立方体と1つの球体を作成して下さい。「13の立方体」は巨大なプロジェクトを作成する準備といった印象を与えるかもしれませんが、これから立方体を1つの小さな形の中に配列するので心配ありません。立方体を作成すると、その配列が右側のオブジェクトマネージャに表示されています。

もっと良く照合できるように、各立方体にそれぞれユニークな名前をつけて下さい (オブジェクトマネージャの現在のオブジェクト名をダブルクリックすると、オブジェクト名を変更するための文脈ウインドウが開きます)。次のスクリーンショットをざっと参照して下さい。

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15CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

エディタでご覧頂けるように立方体が1つだけ見えます。これは全立方体が同じ座標に位置しており、中心にある球と同じサイズだからです。もちろんこの状態はこれから変更しますが、その前にまずエディタのナビゲーションを簡単に紹介しましょう。視点の移動や回転にはエディタウインドウの右上コーナーを一瞥して下さい。ここに視点(これはあくまでもエディタウインドウの視点という意味です)が変更できる4つの小さなシンボルがあります。

最初のシンボルをクリックして押さえながらマウスを動かしてビューを移動させます。2番目の三角形シンボルは画面のズーム(拡大、縮小)を行い、3番目の円形シンボルはシーンを回転させます。右にある小さな四角形を選択すると、全体のビューポートを3つのビューに分割してシーンの一望がより良く得られます。4つのビューにはそれぞれ小さな四角形がついており、これらをクリックすると各ウインドウが拡大できます。画面を少し縮小してオブジェクトマネージャにある「Head」のオブジェクトを選択して下さい。頭の軸がエディタで表示されるので、この緑色オブジェクト軸を立方体の上に少しドラッグします。

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16 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

各軸の矢印を選択すると個別の方向にドラッグできます。これによって、エディタで間違った方向にオブジェクトがドラッグされるのを防ぐことができます(オブジェクト自体をクリックしてこれを引っ張るのとは反対)。よく3Dビューではオブジェクトがどの方向にドラッグされるかを見分けるのが難しいことがあります。類似したオブジェクトを単一方向に移動する方法は、前に説明した特定の軸をコマンドパレットでロッキングすることです。このためオブジェクト自体の軸矢印の1つをクリック&ドラッグしない限りは、オブジェクトがロッキングした軸の方向に移動するのを防ぎます。どの軸もロックされてい場合は上のアイコンパレットで「スケール」ツールをクリックして下さい。

軸矢印の終端が矢印から箱に変わりました。これらのボックスをドラッグすると、オブジェクトが特定の軸に沿ってスケールされるでしょう。また、パラメトリックなオブジェクト(ポリゴンオブジェクトに変換されていない)は小さなオレンジ色のハンドルを表示するでしょう。

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17CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

これらは相当する軸上で、パラメトリックなオブジェクトを伸ばしたりつぶしたりすることを可能にさせます。

これからこのプロジェクトの核心に入ります。あなたはオブジェクトを次のスクリーンショットのように配列できる充分な基礎知識をもう身につけていることでしょう。

エディタの右上にある小さな四角形をクリックすると、お望みの4つのビューポートモードに切り替えることができます。オブジェクトがワイヤーフレームで表示されている場合は、エディタメニュー「表示」下にある「クイックシェーディング」または「グーローシェーディング」にも切り替えられます。これから作業にとりかかりましょう。次は参照として正面からの形のスクリーンショットです。

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18 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

立方体を配列しましたが、まだ「人間のキャラクタ」のようには全く見えません。少し形を回転して引き伸す必要があります。オブジェクトマネージャで形をクリックし、オレンジ色のハンドルをY 軸(緑色)上に選択して下さい。立方体の上エッジが腕と均一に並ぶようにハンドルをドラッグします。

オレンジ色のハンドルを使って腕を構成している立方体を選択し、次のスクリーンショットで示されているように腕のサイズと位置を調節して下さい。

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19CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ オブジェクトの配置

腕の立方体を全て一度にスケールしたい場合は、次のように行うことができます。シフトボタンを押しながらオブジェクトの「Lowerarm_L」、「Upperarm_L」、 「Lowerarm_R」と「Upperarm_R」を選択します。そしてキーボードの「C」を押さえて「スケール」機能をY 軸と X 軸に実行します。ご覧頂けるようにオレンジ色のハンドルが見えなくなっています。腕と足の形を下の画像のようになるまでつぶしたり動かしたりして下さい。

これまであなたが蓄積した知識でこれは充分に行えたはずです。足をつぶす場合には、個別につぶす代わりに(腕のケースのように)複数のオブジェクトを一度につぶすことができます。

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20 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

やり終えたら、「Upperleg_R」、「Lowerleg_R」と 「Foot_R」のオブジェクトを選択して下さい。これらのオブジェクトがオブジェクトマネージャで赤色にハイライトされたら、キーボードの「G」キーを押します。これで選択した全てのオブジェクトが1つのヌルオブジェクトの子オブジェクトとしてグループ化されます。「+」シンボルをクリックして階層を開くと、選択したばかりのオブジェクトが表示されています。ヌルオブジェクトを選択すると、ヌルオブジェクトの軸が全3つの足オブジェクトの軸として、その役目を果たします。形の足が外側に突き出るように、少しヌルオブジェクトを移動させたり回転させたりしてみて下さい。

「回転」の機能を選択した後、球体の回転軸リングを選択してオブジェクトを目的の位置へ回転させます。複数の「移動」機能を使って形の位置を変えてみて下さい。 必要であればオブジェクトをヌルオブジェクトの中にグループ化するか、または複数オブジェクトを一度に選択してこれらを目的の位置に移動させます。

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21CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

5. クイックチュートリアルーモデリングここは「どのようにモデルを組み立てるか」という、このチュートリアルで最も重要なパートです。

CINEMA 4D Release9 では、モデリングを簡単にしてあなたのワークフローを向上させる新しい複数のツールが追加されています。例えばナイフのツールは全体の分解修理を受けた後、オブジェクトの周りを円形に切り取ることができる「ループ」の機能を新しく提供しています。同じく新しい「ポリゴンの穴を閉じる」の機能は、ポイントを指定することなくメッシュの穴を自動的に認識してこれを埋めるという大変便利なものです。キーボードの「V」を押さえると、クイックナビゲーションの新しい追加機能「全体グループ」が選択できます。

円形のメニューでは複数のメニューが選択でき、これらの上にカーソルを動かすとサブメニューが表示します。このメニューをいろいろと試して、あなたのワークフローがどのように向上できるかご覧下さい。

基本的機能と最も一般的なモデラーの作業方法を紹介するために、コミックなキャラクタの目を作成してみましょう。

モデリングで最も使用されるプリミティブの立方体を作成することから始めましょう(「オブジェクト ->プリミティブ->立方体」)。キーボードの「C」キーを押して下さい。これによってパラメトリックをポリゴンオブジェクトに変換しました。殆どのコマンドは「ホットキー」で達成でき、これを使用し過ぎるとあなたの CINEMA 4D での作業を遅くすることがあります。左側のコマンドパレットで「ポリゴンモードを使用」に切り替え、コマンドパレット上部の「ライブ選択」ツールを選択して下さい。属性マネージャで「可視エレメントのみ選択」が選択されていることを確実にします。立方体上部のポリゴンにカーソルを置くと黄色に変わり、選択すると赤色にマークされます。表示されたメニュー(ホットキー「I」)から「面内に押し出し」を選択します。左マウスボタンで上部赤色のポリゴンをクリックしマウスボタンを押さえながらマウスを左にドラッグします。次のスクリーンショットでは2番目の四角形が作成されているはずです。

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22 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

このプロセスを繰り返し、立方体の上に別の四角形を作成します。

上のコマンドパレットを使用して1つの HyperNURBS を作成します。

そして立方体を HyperNURBS の子オブジェクトとします。これによってオリジナルのメッシュを細分化することなくポリゴンオブジェクトを分割します(オブジェクトマネージャで立方体を選択して HyperNURBS オブジェクトの上にドラッグし、小さな矢印が下を向いたらこれを離します)。これで立方体は次のスクリーンショットのようになります。

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23CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

エディタで青色のZ 軸をつかみ、かなり大きなへこみができるまで下にドラッグします。

立方体の下部がよく見えるまでビューを回転させ、「ポイントモードを使用」に切り替えます。それから「ライブ選択」ツールを使って下部にある4つのポイントを全て選択して下さい。

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24 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

ビューを側面に切り替え、緑色のY 軸を使ってこれら4ポイントをへこみの内側にある4ポイントが見えるまでドラッグします。

へこみを充分深く作成していれば、もうここで内側にある4ポイントが見えるかも知れません(次のスクーンショットのように、X線効果のビューで隠れたポイントをよく見ることができます。「X線効果」については、この章の終わりで詳しく説明します)。

形をもっと丸くしたいので内側のポイントを選択しますが、これらはたとえ見えていても「ライブ選択」ツールを使って選択することができないでしょう。なぜなら属性マネージャ上にある「ライブ選択」ツールのメニュー「オプション」の「可視エレメントのみを選択」が選択されているからです。このオプションを無効にして再び選択して下さい。これでポイントを選択することが可能になります。もしこのオプションを切り忘れると、オブジェクト前面にある全てのポイントを選択したり、間違ってオブジェクトの背面にある全ポイントを選択してしまったりすることがあるので注意して下さい。背後にある面は手直しされ、後でオブジェクトを回転させない限り気付くことがないでしょう。そのため属性マネージャにあるこのオプションには、いつも非常に注意して下さい。

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25CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

オブジェクトの下面にある全8ポイントを選択したら、これらを緑色のY 軸に沿って少し上にドラッグしてオブジェクトに丸みのある外観を与えます。

オブジェクトマネージャの HyperNURBS オブジェクトをクリックし、キーボードの「Ctrl」ボタンを押しながらこのオブジェクトを少し下にドラッグします。これで半球を複製しました。同じオブジェクトが2つ、オブジェクトマネージャに表示されています。

次に HyperNURBS オブジェクトの1つを選択し、「回転」ツールを選択します。

これで「回転ボール」上の「回転リング」を使用してオブジェクトの角度が調整できます。青色のZ 軸リングを150度に下げて下さい。

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26 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

このステップを他の HyperNURBS オブジェクトに繰り返しますが、ただ50度にして下さい。

「移動」の機能を使用して両半球を次図のように位置して下さい。

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27CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

ここでは前述した軸のロッキング機能が使用でき、ワールド/ オブジェクト座標系の使用を切り替えます。

次に球体を1つ作成し、両方の半球体を殆ど覆うような位置にまで移動させます。

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28 CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ モデリング

「スケール」の機能を使って球体を2つの半球体の内側にはまるようにリサイズします。

おめでとうございます!これで最初のモデリングしたオブジェクトが作成できました。

HyperNURBS の分割数を高くすると、モデルによりスムーズな外観を与えことができます。ズムーズにさせたいHyperNURBS オブジェクトをそれぞれ選択して、属性マネージャの「オブジェクト」メニューにある「エディタでの分割数」をより高い値に設定します。「レンダリングでの分割数」のパラメータは、画像表示のレンダリングにだけ作用します。

作成したばかりの目はまだ少し盲目のようです。次の章で瞳孔のテクスチャを追加することにしますが、その前に幾つか追加でモデリングのヒントを与えましょう。

HyperNURBS の影響度を調節するには、オブジェクトマネージャで両方の立方体と複数のポリゴンを選択します。キーボードの「V」キーを押してメニュー「構造」を選択し、「HyperNURBSウエイトを指定」をクリックします。ここでエディタウインドウのどこかを左マウスボタンでクリックしてマウスを右にドラッグすると、選択したポリゴンに HyperNURBS の強度が指定できます。この結果に満足できなかったりエッジがすっきりしない場合は、「エッジモードを使用」にあるこの機能を使ってみて下さい。もっと良い結果が得られることでしょう。

オブジェクト内に位置するポイントを選択したい場合や「可視エレメントのみ選択」が無効でありオブジェクト背面のポイントを間違って選択してしまうのを防ぐ場合には、単に「表示」から「X 線効果を使用」を選択します。これでポリゴンやエッジの各ポイントがオブジェクトを通して見ることができるので、隠れたポイントを間違って選択することは不可能です。通常外側から見えないオブジェクトの内側にあるポイントでも、その卓越した概略が得られます。

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29CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ マテリアル

6. クイックチュートリアル ー マテリアル

うまくモデリングされたオブジェクトでも、適切なテクスチャが使用されないと平凡な印象になってしまうことがあります。テクスチャは色、ハイライト、構造や他の重要なサーフェイスの属性をモデルに与えます。例えばバンプチャンネルに配置したテクスチャは、オブジェクトの表面に不均等なでこぼこの外観を与えます。この効果は肌のシワ、傷またはオレンジの表面などを模倣するのに使用できます。

発光チャンネルを使用すると、オブジェクト独自の表面を照らす属性や SSS 効果(sub-surface scattering)が与えられ、人間の肌あるいはキャンドルワックスといった半透明で反射的な外観を生成します。短くまとめると、テクスチャは目的の雰囲気、色や表面の構造を達成するために必要であり、オブジェクトの外形と同じぐらい重要です。

各マテリアルチャンネルの短い紹介から始めましょう。

カラー:マテリアルのカラーまたはテクスチャの基本カラーを指定します。

拡散:このチャンネルはテクスチャを不規則にさせます。ノイズシェーダやテクスチャを適用すると、オブジェクトに汚れや腐食などを表現させることができます。目的によっては、ハイライト鏡面反射や発光チャンネルにそれぞれ影響を与えることができます。

発光:マテリアルに発光の属性を与えることができ、ラジオシティの計算も取り入れます。

透過:マテリアルの透過度を指定します。

屈折:マテリアルに鏡面反射の性質を与えます。

環境:環境の鏡面反射を模倣するのに1つのマテリアルが使用されます。

霧:このチャンネルはマテリアルに霧または雲の属性を適用します。

バンプ:テクスチャの明暗エレメントを変更したり、シェーダーで不均等な表面の高さと深さを模倣します。

アルファ:テクスチャの透過度がマテリアルの光と陰の領域で限定されます。黒は透過度100%に等しく、白は不透明になります。

ハイライト:マテリアルのハイライトの属性を指定します。

ハイライト色:マテリアルのハイライトの色を指定します。テクスチャによっても影響を受けることができます。

グロー:オブジェクトに発生するグローの明るさを与えます。

変位 : 明るさと暗さの値を使って(高さの差を計算)オブジェクトを変形させます。不均等な表面だけを模倣するレリーフチャンネルと混同しないようにして下さい。

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30 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マテリアル

まだ私たちの目は少し青白く見えるので、テクスチャとシェーダを適用して少し活気づけましょう。あなたがモデリングの章をスキップしているなら、C4D_eye_Texture.c4d を開いて下さい。ここには前の章で作成した目があります。右側のオブジェクトマネージャでは、まだオブジェクトにテクスチャが適用されてません。そこで次のように行います。

左下のマテリアルマネージャで「ファイル -> 新規マテリアル」を選択します。

1つの標準マテリアルが作成されました。このマテリアルをクリックすると、その属性が右側の属性マネージャーに表示されます。メニュー「基本」で、このマテリアルにどのチャンネルを選択すべきか指定できます。先に進んでバンプチャンネルを選択します。するとすぐさま新しいメニューボタン「バンプ」が表示されます。次にメニューボタンの「カラー」をクリックした後「テクスチャ」の隣にある小さな矢印をクリックし、「画像を読み込む」を選択してマテリアルにテクスチャ「Iristexture.jpg」を読み込みます。 読み込まれたテクスチャはスクリーン左下のマテリアルマネージャに表示されます。このようにシーンで使用されているマテリアルの概略が効率良く得られます。

この手順を「バンプ」チャンネルに繰り返し、「Iristexture_bump.jpg」をチャンネルに読み込んで下さい。この JPEG は目の虹彩テクスチャのグレースケールバージョンであり、この表面にレリーフの効果を作成する必要があります。「テクスチャフィルタ」も選択でき、ここでカラーテクスチャを読み込みこのサチュレーションを100%に設定します。これで2番目の画像を読み込む手間が省けます。後にオブジェクト上で画像の明るい領域は一段高くなって現れ、画像の暗い領域は幾分でこぼことなって現れます。「変位」チャンネルだけでオブジェクトの正確な変形が行なわれます。「バンプ」チャンネルはポリゴンの表面を変化させず、表面に構造を与えるような視覚的錯覚を使います。

左マウスボタンでマテリアルマネージャのマテリアルをクリックし、これをオブジェクトマネージャにある eyeball( 眼球 ) オブジェクトの上にドラッグします(マテリアルをオブジェクトの上にドラッグした際、小さな黒矢印が左に向いたらこれを離します)。

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31CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ マテリアル

マテリアルを適用した後に眼球が幾分明るくなったことに気付いたことでしょう。しかし実際のテクスチャは目に見えません。そこで、オフセットの属性とマッピングサイズを変更してテクスチャが私たちのオブジェクトにきちんと揃うようにさせます。現在虹彩の実際の画像は眼球の左側に歪んで横たわっています。これをチェックするために両 eyelid( まぶた ) のHyperNURBSオブジェクトがエディタで見えるようにします。オブジェクトマネージャ上部でオブジェクトの右にある灰色ドットの一番上をクリックします。

ドットを再びクリックすると緑色に変わり、親オブジェクトの可視性設定から独立して再びオブジェクトが見えるようになります。その真下にあるドットはレンダリングに影響する以外同じような機能を持ちます。

まぶたが見えるようになったらビューを少し回転させ、次のように眼球が見えるようにします。

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32 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マテリアル

HyperNURBS オブジェクトの後ろ側が見えるように、オブジェクトマネージャでオブジェクトの隣にあるドットを再びクリックして灰色にします。オブジェクトマネージャでオブジェクトの右にある「テクスチャタグ」をクリックして下さい。これはeyeball に適用したマテリアルであり、オブジェクトマネージャに小さなプレビュがあります。

これを選択すると属性マネージャにそのパラメータが表示されるので、次のスクリーンショットの設定を採用して下さい。

「X オフセット」と「Y オフセット」のパラメータを変更してeyeball メッシュのテクスチャを揃えました。オフセットの設定はテクスチャを正確な位置に配置します。ビューを再び回転させると、虹彩のテクスチャが正確に位置しているのが見えるでしょう。

(ヒント: ビューを誤って変更した場合は、「コントロール、シフト、Z」のキーを押せば取り消せます)不注意にエディタビューの代わりに透視ビューを回転させた場合にこの機能が役立ちます。

これで目が私たちを見ることができるようになりましたが、依然としてまぶたが幾分灰色すぎます。そこで2-3の設定を変更して爬虫類 (reptile) の目のような外観を与えます。

マテリアルマネージャの「ファイル -> 新規マテリアル」で新規マテリアルを作成します。これをダブルクリックするとマテリアルのダイアログウインドウが開きこのマテリアルに必要な変更ができます。

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33CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ マテリアル

マテリアルチャンネルの「カラー」をクリックして次のスクリーンショットの設定をコピーして下さい。

マテリアルに緑の色調を与え、その明るさを50%に下げます。「バンプ」チャンネルの隣にあるボックスをクリックします。「テクスチャ」の隣にある小さな黒矢印をクリックして「ノイズ」を選択します。

「ノイズ」のボタンをクリックして、次のダイアログページで全体スケールと相対スケールをそれぞれ30%に設定して下さい。これでバンプノイズのマッピングサイズが減少し、バンプマップがより微細に描写される結果となります。

「変位」の隣にあるボックスを選択して前述のステップをバンプチャンネルに繰り返します。全体スケールと相対スケールはそれぞれ150%に設定して下さい。このチャンネルのサイズがこれによって増加します。次に「変位」をクリックして変位チャンネルのメインメニューに戻ります。

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34 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マテリアル

変位チャンネルは、画像の明るい領域と暗い領域に従ってポリゴンメッシュを変形します。テクスチャの明るい領域はポリゴンメッシュをより高くさせ、暗い領域はより低くさせます。このようにモデルなしで複雑な表面を持ちバラエティーに富んだ形を作成できるので、計算時間がかなり短縮できます。良い例として家の装飾的外観や刀の柄などが上げられます。このように可能性は無限です。

マテリアル編集ウインドウを閉じ、eyelid のエディタでの HyperNURBS 分割数を少なくとも4に設定します(HyperNURBSオブジェクトを個別にクリックして属性マネージャの設定を変更します)。それから新規マテリアルをこの eyelid オブジェクトに適用してビューをレンダリングして下さい (Ctrl+R)。この結果、爬虫類の目のように幾らかなったはずです。

ご覧頂いたように、複雑なテクスチャを作成することなく結果が素早く得られます。CINEMA 4Dに統合されたシェーダとチャンネルは非常に多くの可能なバリエーションを提供し、とても全てを試し尽くせないでしょう。パラメータをいろいろと試してチャンネルも複数追加し、どのようにあなたのレンダリングに影響するかを見て下さい。

ここにチャンネルで試してみる秘訣があります。

実世界にある殆どのオブジェクトは、CINEMA 4D で表示されるような、すっきりとした欠点のないオブジェクトではありません。実際の石の形には何年も経た風化やしわ、割れ目に残る汚れといった形跡があります。このような「汚れ」はCINEMA 4D の「汚しシェーダ」を使うと非常に簡単にシミュレーションできます。この用途には「拡散」チャンネルが適しており、選択したマテリアルの拡散チャンネルに単にシェーダを読み込みます(「特殊効果 ->汚し」)。画像をレンダリングしてから「汚し」をクリックして設定を適用します。「レイの数」を高くするほど粒がより微細になります。汚しシェーダをアニメーションに使用するとノイズがちらつく可能性があるので、アニメーションには適していません。レンダリングメニューで「レンダリング->汚しの効果をマップに固定」をアニメーションに使用して下さい。これで計算されたテクスチャマップ

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35CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ マテリアル

を使用しながら効果が適用されます(HyperNURBS オブジェクトのようなジェネレータは計算時間中オフに切り替わり、ポリゴンオブジェクトだけが計算に使用されます)。

「Advanced Render」のモジュールを購入された方は(或はCINEMA 4Dデモバージョンをご試用の方)内部拡散反射のシェーダを使うと、例えば人間の肌のような非常に写実的なレンダリングができます。このシェーダを発光チャンネル( 「特殊効果->内部拡散反射」)に配置すると、光線が透明なオブジェクトに当たるとその効果が作成されます。複数の光線がオブジェクトをさらに透過して浸透し、他の光線は直接吸収されるか或は跳ね落ちます。この特殊効果は他にプラスチック、ミルク、キャンドルワックスや翡翠の形などに使用できます。

バンプや変位チャンネルで行ったようにアルファチャンネルに白黒のテクスチャを読み込んで、テクスチャの明るさを基にしながらマテリアルに影響することができます。テクスチャの黒色部分は100%の透過度でレンダリングされます。テクスチャが明るくなるに従って透過度が減少し、白色では透過度が0%になります。

マテリアルマネージャの「ファイル」から「新規マテリアル」の代わりに「シェーダ」を選択すると、bhodiNUT 3D シェーダのプリセットのリストがあります。これらの3Dシェーダは3D空間で計算されるので、テクスチャのマッピングまたはテクスチャの継ぎ目を気にしなくても良いことがその優越点です。ここに幾つか詳細を記述します。

Cheen- 有機物は電子マイクロスコープの効果を生成し、バクテリアやダニの描写に適しています。

Danel- 金属は艶高い表面を表現するのに大変適しています。

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36 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マテリアル

Banzi- 木材は、様々な種類の木材を描写させます。

Banji-ガラスはガラスの複雑な照明の状態を計算し、米やキャンバスペーパーといった部分的に透明なマテリアルの背後からの投影(影を落とす)を可能にさせます。

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37CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ ライト

7. クイックチュートリアル ー ライト「実世界」のシーンでライティングに慣れている方にとっては、CINEMA 4D のライトオブジェクトは我が家のように親しみ深いものでしょう。実際のライトが行う全て以上のことがライトオブジェクトで模倣できます。このチュートリアルでは3つのライティングの配列を設定してみましょう。この種類の配列はポートレイト写真技術でよく使用される均等化した照明を達成する方法であり、オブジェクトを3D の世界で素早くプロフェッショナルに照明する優れた方法でもあります。

新規(空の)シーンを開いて下さい。「オブジェクト ->シーン -> 床」で1つの床オブジェクトを作成します。

下図で Zygote 人間のモデルがライティングの被写体となります。このモデルは「オブジェクト ->オブジェクトライブラリ->Zygote Man」にあります。モデルが床の上に立っているようにその位置を調節して下さい。

全体の形が見えるようにエディタのビューを調節します。

3 ポイントライティングの配列は、キーライトを設定することから始まります。これはその名前から想像がつくように、このライトはシーンの主要なライティングを放射し、そのメインシャドウを落とします。「オブジェクト ->シーン ->ライト」から1つのライトオブジェクトを作成し、オブジェクトマネージャで「Main_Light」という名前を付けます。

CINEMA 4D には異なったタイプの光源が複数用意されています。キーライトは常時デフォルトで作成されています。ポイントライトは中心からどの方向へも光線を発します。オブジェクト上を正確に狙える1つのスポットライトがキーライトとして必要になります。

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38 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ ライト

キーライトをスポットライトにするには、属性マネージャでライトをポイントから「スポット(丸)」に切り替えます。

私たちの光源がスポットライトに変換されました。スポットライトはフラッシュライトのように働きます。CINEMA 4D には四角と丸い円錐の光を持ったスポットライトがあります。この円錐はエディタ上で見ることができ、操作可能です。次にモデルにスポットライトを当てます。

属性マネージャでスポットライトの位置を次の座標、X=300、Y=580、Z=-300、アングル H=45 、゚P=-45 に゚設定して下さい。それからシーンをレンダリングします。

これでライトが私たちのオブジェクトに角度をつけて落ちています。もちろんライトの正確な位置はカメラの角度に強く依存しています。このライトは残念ながら影を落とさないので形が浮いて見えます。CINEMA 4D のライトは実際のライトより優れた点を持っており、影の種類が選択できるだけでなく必要に応じて影も落とすことができます。従ってどんなスタジオ写真家にも有利です。

影が完全に黒くならずに少し透過するようにさせるため、属性マネージャのメニュー「一般」でライトの影を「ソフト」に設定して下さい。

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39CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ ライト

「影」のメニューで影の濃度を 50% に設定します。シャドウマップを「1000 x 1000」に選択してからシーンをレンダリングして下さい。

CINEMA 4D には、次3つのような影タイプがあります。「ハード」はシャープなエッジを持った影を、「ソフト」はソフトなエッジの影を、そして「エリア」はオブジェクトから離れるほど影がソフトになるので、最も写実的な結果の影効果となります。他2つの影タイプを試してみて下さい。エリアの影を使うとよりレンダリング時間が長くなるので注意して下さい。また、シャドウマップが大きくなるほど影はより正確にレンダリングされます。

もう気付いたかも知れませんが、光の円錐は全体のオブジェクトを包んでいません。とりわけ右腕はまだ暗闇の中にあります。

属性マネージャのメニュー「詳細」に切り替え、「内側の角度」を30度に設定して「外側の角度」を100度に設定します。

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40 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ ライト

この結果はエディタ上にすぐ表示されます。オレンジ色のハンドルをドラッグしてライトの円錐を編集することも可能です。

これで私たちが満足できるようなキーライトになりました。次に他方向から形を照らして明るくしましょう。

シーンに新規の光源を1つ作成して「ブライトナー」と名前をつけて下さい。このライトを座標 X=0、Y=225、Z=-150 に位置させ、角度を H=-20 、゚P=-10 に゚して下さい。ライトの放射タイプは「エリア」を選択します。

明るさがシーンのライトに追加されたので、ブライトナーを少し薄暗くする必要があります。

「一般」メニューで「明るさ」を30% に減らして下さい。

このエリアライトは異なった角度から発光し、コントラストを幾分かソフトにします。影が交差するとオブジェクトがまずく見えるので、影は落としません。

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41CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

これでシーンがかなり均等に照明されましたが、 もう少し活気づけてみましょう。別の光源を作成してカラーと名前をつけ、属性マネージャで放射タイプを「無限遠」に設定して下さい。この光の色をロイヤルブルーに設定し、角度 H を ‒90 に゚します。

無限遠ライトの位置は常にシーンをZ 軸方向に照明しているので不適切です。しかし Zygote 人間のモデルに興味深いカラーエッジを与え背景に彼を少し引き立たせているので、ライトを作成した状態のままで残してきます。

これで典型的な3ポイントライティングの配列が完成しました。次に実際の作業を始めましょう。殆どの背景があるシーンでは、照明する必要があります。ポイントライトを適切に使用すると、シーンの詳細が非常に良く明るみになります。しかし、どうかやり過ぎないで下さい。頻繁に少ないライトで良いライティング効果をもたらします。ライトを追加するのは実際シーンを有利にできる場合や必要な場合だけにして下さい。おしまいにもう1つ秘訣があります。シーンに複数のライトがありどのライトがどれを照明するか確実でない場合は、オブジェクトマネージャで他のライト全てを不可視にします。するとエディタで見えるライトだけが残ります。

8. クイックチュートリアル ー アニメーション少数の例外として、CINEMA 4D ではオブジェクトの属性ごとにアニメートできます。これはオブジェクトのY 座標、ライトの色や爆発オブジェクトの強度にかかわらず、属性マネージャにあるどの属性も時間を超えて変更できるという意味です。異なった属性をアニメーションしながら複雑なアニメーション効果や視覚的な魅力が簡単にシーンに追加できます。

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42 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

アニメーションの基本原則を説明するために、素早く簡単な例を見てみましょう。

まず始めに新規(空の)シーンを開いて下さい。「オブジェクト ->プリミティブ->立方体」で1つの立方体を作成します。

エディタウインドウの下部にフレーム(時間)を表した青色の時間スライダが見えます。このスライダを動かすと、アニメーションの異なったポイント(時間)にジャンプでき、フィルムを早送りまたは逆再生できます。スライダ右にある緑色の矢印を使うと、あらかじめ指定された速度でフィルムを再生することができます。

右側に「記録」のボタン(赤色ボタンの一番左)があります。このボタンを使用すると一定オブジェクトの属性が記録できます。これらの属性を設定するには、記録ボタン右にあるボタンを使います。これらのボタンを使ってアニメーションの与えられた時間内でオブジェクトの位置、サイズ、回転、属性やポイントレベルアニメーションが記録できます。

時間スライダが左の0に位置していることを確認して下さい。赤色ボタン右にある最初のシンボル(位置)を除いた全シンボルの選択を外し、記録ボタンをクリックします。

これで立方体が 0/0/0 の位置にあり、時間 / フレームが0で始まるように指定しました。言い換えれば、時間 / フレーム0の位置にある立方体の情報を含んだキーを生成したことになります。正確にキーフレームがどういったものであるかは後で説明します。キーは CINEMA 4D の「タイムライン」に位置しています。タイムラインではキー位置の変更、含まれた値の変更、キーの削除、新規キーの設定やその他多くが行えます。

「ウインドウ ->レイアウト ->アニメーション」で CINEMA 4D のアニメーションレイアウトに切り替えて下さい。

スクリーン下部にあるタイムラインをご覧下さい。立方体が1つのトラックに沿って位置しています。このトラックには、時間 / フレーム0 の位置(キー)に灰色のボックスがついた3つのシーケンス(各記録された座標に1つ)があります。

タイムスライダーをフレーム 90 に移動させます。立方体を青色のZ 軸(後ろ)に少し動かし、記録ボタンをクリックして下さい。 タイムラインの時間 / フレーム 90 に3つのキーが現れます。

スライダを動かすと2つの記録したポイント間で立方体が移動するのが見えます。おめでとうございます!これで立方体のアニメーションができました。キーを生成する最も簡単で手っ取り早い方法は、赤色ボタンを使ってオブジェクトの変更する属性を記録ことです。しかしこれには不都合な点もあります。属性を全く変更していないにもかかわらず、頻繁に変更された属性が記録されることがあります。立方体のケースでは XとYの位置でした。アニメーションキーを設定するには他の方法もあります。どのように特定の属性を選択してアニメーションできるか見てみましょう。

空の新しいシーンを開いて下さい。「オブジェクト ->シーン -> 床」で1つの床オブジェクトと、「オブジェクト ->プリミティブ-> 円錐」で1つの円錐を作成します。円錐を緑色のY 軸に沿って少し動かし、床の上に立つようにさせます。

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43CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

円錐は属性マネージャで変更できる多くの属性を持っています。ここで2つの属性、円錐の分割数と上端の半径をアニメーションしてみましょう。

シーンがフレーム 0 に設定されていることを確認して下さい。Ctrl キーを押しながら「上端の半径」の手前にある小さな灰色の円をクリックして下さい。これが赤色に変わります。

CINEMA 4D にポイント0 にあるアニメーションで円錐の属性「上端の半径」の値が 0となるように指定しました。勿論アニメーションを作成したのではまだなく、アニメーションの開始点だけ設定しました。属性の名称手前にある赤色に塗りつぶされた円は、既に1つのキーがアニメーションでの時間やポイントに設定されていることを表します。これは属性がアニメーションされているかどうかを見る簡単な方法です。

フレーム 50 に進んで下さい。

赤色の円が塗りつぶされていません。これは属性がタイムラインのあるポイントではアニメートされていて、この特定のポイントではキーが存在していないことを意味します。

「上端の半径」の値を200 に変更し、前述した方法で2番目のキーを設定します。エディタでシーンを再生して、どのように円錐と属性マネージャの値が変化するか見て下さい。

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44 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

フレーム / 時間 50 で円錐「上端の半径」の値を200 になるように設定しました。フレーム0と 50 の間にある変更された属性は全て「補間」されます。補間とは、 自動的にCINEMA 4D が中間に必要な値を計算するということです。

すなわち時間の半分は変更した属性の値半分に相当するので、アニメーションのフレーム / 時間 25 では正確に100となります。アニメーションすると属性の値は時間を超えて変更されます。

フレーム 0 に戻って「下端の半径」の属性にキーを設定して下さい。次にフレーム / 時間 90 へ進み、回転方向の分割数を3に減少して他のキーを設定します。アニメーションを再生してみて下さい。

これで円錐の2つの属性がアニメーションされました。フレーム0と 50 の間とフレーム0と90 の間に各 1々つ変更があります。タイムラインにはキーが設定された概要があります。

タイムラインが見えない場合は、単に「ウィンドウ ->タイムライン」で開くか又は「ウィンドウ ->レイアウト ->アニメーション」で、あらかじめ定義されたアニメーションのレイアウトに切り替えます。タイムラインには、円錐とそのアニメーション化した属性と設定したキーが表示されています。

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45CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

アニメーションの終了時には円錐が全く違って見えます。このように素敵なアニメーションはドラマチックな照明に値するものなので、これ以上円錐にとりかからずに他のオブジェクトに移りましょう。

フレーム / 時間がゼロにあることを確認して下さい。「オブジェクト ->シーン ->ライト」から1つの光源を作成し、X=200, Y=250に位置させます。属性マネージャにある「一般」のメニューで、ライトの色を黄色に設定します。ctrlキーを押しながら「カラー」の手前にあるグレーの円をクリックし、カラーのキーを設定します。

フレーム / 時間 50 に進み、カラーをピンクに設定して同じようにキーを設定します。

次にフレーム / 時間 90 に進み、 カラーをフレンドリーなブルーに設定して3番目のキーを設定します。アニメーションを再生してみて下さい。

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46 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

アニメートしたライトが円錐の変形に取り入れられました。アニメーションを再生するとカラースライダが変化してCINEMA 4D が設定されたキー間の色を補間します。このアニメーションはもっともっと興味深いものになっていきます。それでは1つの観点から設定するだけでなく、この周囲にカメラを飛ばせてみましょう。

「オブジェクト ->シーン ->ターゲットカメラ」から1つのターゲットカメラを作成して下さい。オブジェクトマネージャでこのカメラを「アニメートしたカメラ」という名前にします。

ターゲットカメラは通常のカメラと異なり、特定のオブジェクトをフォーカスします。これはカメラがシーンでターゲットのオブジェクトを見失うことなく自由に移動できるという優越点があります。ターゲットカメラが作成されると、「カメラターゲット」と名前のついたヌルオブジェクトがシーンに追加されます。これはデフォルトでカメラのターゲットとなるオブジェクトです。カメラを円錐の上にターゲットさせたいので、このデフォルトは必要ありません。オブジェクトマネージャで「カメラターゲット」を削除し、カメラの横にあるクロスヘアをクリックして下さい。属性マネージャから円錐をドラッグし、「タグの属性」下にある「ターゲットオブジェクト」のフィールドにドラッグします。

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47CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ アニメーション

カメラの新しい観点からシーンを見るには、エディタメニューの「カメラ」でカメラを「アニメートしたカメラ」に切り替えます。カメラは上からシーンを眺めていますが、その名前の通りにはまだアニメートされていません。カメラをシーンの周囲にある円形パスに沿ってアニメートしてみましょう。これにはまず1つの円形が必要です。「オブジェクト->スプラインプリミティブ-> 円形」から円形を1つ作成して、その半径を1000 に平面を「XZ」に設定して下さい。円形が床の上にあるようにスプラインの座標をY=20 に設定し、P の角度を30 に゚設定してスプラインに少し角度をつけます。

これで円形がシーンを取り巻き、私たちのカメラトラックとなりました。特別な CINEMA 4D タグを使ってカメラがこの円形に従うように指定します。

右マウスボタンを使いながらオブジェクトマネージャにある「アニメートしたカメラ」をクリックし、表示するメニューから「CINEMA 4D タグ->スプラインに沿う」を選択します。カメラの隣に新たなタグが現れます。

このタグには、「パススプライン」と名前がついたテキストフィールドがあります。このテキストフィールドにオブジェクトマネージャから 円形をドラッグして下さい。

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48 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

カメラが円形パスの上に位置されました。アニメーションを通して再生すると、カメラが1ミリも動かないのでがっかりすることでしょう。なぜなら、まだカメラを円形パスに沿って動くように指定していないからです。

アニメーションが0に戻っていること、そして選択オブジェクトが円形であることを確認して下さい。属性マネージャにある「スプラインに沿う」には、「スプライン上の位置」という属性があり、これはデフォルトで 0% に設定されています。この属性のキーを設定して下さい。フレーム 90 に進んでこの属性の値を100% に設定します。他のキーを設定し、アニメーションを再生して下さい。

属性「スプライン上の位置」では、与えられた時間(フレーム)内でパスがどのくらいの比率(パーセント)で完了されるかを指定します。これはカメラがフレーム 0 ではパスに 0% 従い、フレーム 90 ではパスに100% 従うという意味です。カメラがパスの全体の長を一回従ったことになります。

アニメーションが 0に設定されているのを確認します。属性マネージャにあるメニュー「座標」で、Y位置のキーを設定します。

フレーム 90 へ行きます。エディタでカメラが円錐の鳥瞰図を持つまで、円形パスを緑色のY 軸に沿って移動します。この新しいY位置を記録して下さい。

9. クイックチュートリアル ー レンダリング

これまであなたは忙しい蜂のように、シーンの作成、ライティングの設定、オブジェクトのアニメーションとマテリアルの指定をこなしてきました。次はこれまでの全作業の結果を見ることにしましょう。まずやるべきことは、この3次元シーンを2次元の画像に変換することです(アニメーションの場合には、全一連の画像となります)。そこで画像を「レンダリング」してみましょう。 CINEMA 4D にはあなたの3D シーンをレンダリングする様々なオプションが提供されています。先程のアニメーションの章にあったシーンをソースとして使用し、シーンに透明な球と明るい背景を加えることにします。

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49CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

「ファイル -> 開く」で「rendering.c4d」のファイルを開いて下さい。タイムスライダをフレーム 20 に動かして、「レンダリング->ビューをレンダリング」をクリックします。

どのように最終シーンが見えるかさっと印象を与えるために、CINEMA 4D の標準設定を使ってフレーム 20 をレンダリングしましょう。これはシーンが「正しいパス上」にあるかを確認するために、恐らく最も広く使用されているレンダリング方法です。

タイムスライダをフレーム 0 にスライドし、キーボードの「Ctrl+R」を押して下さい。

ビューが再びレンダリングされました。選択したビューをレンダリングするには、次の3つの方法があります。

1. メインメニューを使う。

2. キーボードのショートカット「Ctrl+R」。

3. エディタウインドウのアイコンをクリックする。

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50 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

あなたが最もやりやすい方法を使用して下さい。

頻繁にエディタビューを完全にレンダリングする必要はなく、その小さな一部分だけで充分な場合があります。この場合には問題なく、「レンダリング-> 部分レンダリング」を選択します。

次の可能性は、単一オブジェクトだけレンダリングすることです。

オブジェクトマネージャで球体と円錐を選択します。「レンダリング-> 選択したオブジェクトをレンダリング」のコマンドを選択して下さい。

これで選択したオブジェクトのみがレンダリングされます。両方のコマンドは、相当するアイコンをクリックしても開くことができます。

エディタビューをレンダリングするとシーンの概要が素早く得られますが、この画像をハードドライブに保存するといった更なる処理を行う可能性はありません。最高のレンダリングであっても生成した画像が保存できなければ何が良いでしょう

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51CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

か?もちろん、これを可能にさせるコマンドが1つあります。

「レンダリング->レンダリング後に保存」のコマンドまたは「Shift+R」を押します。画像表示が別のウインドウで開き、そこにシーンがレンダリングされます。画像のレンダリングが完了したら、「ファイル -> 画像を別名で保存」を選択します。新たなウインドウが開くので保存場所を「OK」で確認します(この機能は CINEMA 4D のデモバージョンをご使用の場合には提供されていません)。

これでどの画像でもハードドライブに保存できるようになったので、画像を画像編集プログラムで編集したりお望みであれば電子メールで送信できます。画像表示にレンダリングするのは、画像をレンダリングするのに時間がかかってもその間シーンを続行して作業できるという追加の利点があります。もう気がつかれたことでしょうが、画像表示にレンダリングした画像は非常に小さいものです。なぜ 320 x 240 pixels のサイズでしょうか?より大きなサイズが必要な場合はどうすればよいでしょうか?そこでレンダリング設定を使用する時です。

画像表示を閉じ、「レンダリング->レンダリング設定」のコマンドでレンダリング設定を開いて下さい。

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52 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

レンダリング設定を使うと、最終の画像がどのように見えるかを指定できます。ここでサイズやクオリティー、単一画像やアニメーションなど全てが設定できます。最初のメニュー「一般」では、既にレンダリングのクオリティーに影響する設定が作成できます。シーンのエディタレンダリングをよくご覧下さい。球体の後ろに円錐のエッジが見え、少しピクセル化しています。同じような効果が球体エッジの周囲にも見られます。これは「アンチエイリアス」として知られています。この用語は、どのくらいスムーズにエッジがレンダリングされるかを意味します。

「レンダリング設定」の「アンチエイリアス」を「なし」に設定して下さい。

アンチエイリアスなしでは、効果がよりいっそう悪いものとなります。同じく円錐の左端に沿ったピクセル化まで明らかに見ることができます。

アンチエイリアスを 「ベスト」にして、再びシーンをレンダリングして下さい。エッジの全てがナイフのように鋭くレンダリングされています。

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53CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

シーンを手早くチェックするには、このアンチエイリアスを「なし」または「ジオメトリ」に設定できます。「なし」はエッジのアンチエイリアスなしで非常に速くレンダリングします。「ジオメトリ」は十分にスムーズな画像をレンダリングし、クオリティと速さの間でうまく妥協します。最終の画像をレンダリングする時には、「ベスト」のクオリティが選択できます。アンチエイリアスの追加タイプは「フィルタ」のメニューから選べます。レンダリング設定のメニューではさらなる微調整が可能です。

レンダリング設定の「透過」、「鏡面反射」と「影」は、必要性に応じて設定できます。透過を「なし」に切り替えてシーンをレンダリングして下さい。球体がもはや透明でなくなっているのが見えるでしょう。

「レンダリング->レンダリング設定を消去」を選択します。これでレンダリング設定がデフォルトの設定に戻りました。レンダリング設定にある「出力」に切り替えて下さい。

ここではなぜ画像表示で画像がそれほど小さくレンダリングされたかを見つけます。「解像度」は様々な画像解像度から選択させます。また、希望の画像サイズを単に入力もできます。タイムスライダを前後にスライドさせ、あなたがレンダリングしたいフレームを見つけて下さい。サイズを800 x 600 に設定し、画像を画像表示にレンダリングします。

これでもっとシーンが見えるようになりました。単一画像は充分やりましたので、アニメーションのシーンへ移って全ての運動を設定しましょう。レンダリングサイズを「320 x 240」に戻して「フレーム」を「全てのフレーム」に設定して下さい。

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54 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ レンダリング

これからCINEMA 4D がシーンの画像を全てレンダリングします。シーンの長さは一般設定(「編集 -> 一般設定」)メニューで指定されており、このシーンの場合はフレーム0から90です。次にどのファイルフォーマットで画像をレンダリングするか、そしてどこに画像を保存するかを指定しなければいけません。

レンダリング設定にある「保存」に切り替え、「パス」をクリックして名前とフィルムを保存する場所を選択して下さい。次にフォーマット(「Quicktime」または「AVI」が使用可能)を1つ選択します。

例えば TIFF のような単一画像のフォーマットも選択できます。次にこの指定したアニメーションの 90 画像を CINEMA 4Dが保存します。編集ソフトを使ってこれらの単一画像から1つのフィルムも作成できます。また、画像と一緒にアルファチャンネルを保存させるフォーマットも複数あります。画像編集プログラムでアルファチャンネルは、例えば背景を変更したり画像にあるオブジェクトを切り取る助けとなります。

「レンダリング->レンダリング後に保存」を選択し、 CINEMA 4D の動きを観察して下さい。

レンダリング設定の「オプション」メニューには、更にレンダリングに影響する設定があります。ここではテクスチャを無効にしたり、テキストファイルとしてプロトコルを生成したり、詳細レベルの調節ができます。

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55CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

アニメーションの素早いプレビュだけが必要な場合は「レンダリング->プレビュー作成」でプレビュ機能を選択すると、いつもレンダリング設定を開いて変更するトラブルが省けます。最小限の設定がここでは使用されます。

もちろん「出力」と「保存」の設定は、あなたのシーンの必要度に依存します。レンダリングした単一画像を解像度300dpi で 8.5x11サイズのページにプリントするような場合は、最低解像度が 2550 x 3300 必要です。画像を画像サイズ3x5 でプリントしたい場合は、レンダリング解像度 1000 x 1500 であれば充分でしょう。あなたのデジタル画像をプリントするサービスも多くあるので、最初の CINEMA 4D 芸術作品をホリデーカードとしてどうか私たちに送って下さい。

アニメーションの場合はまた状況が違います。フレームレートはアニメーションで最も重要な役割を果し、レンダリング設定のメニュー「出力」でも編集ができます。フレームレートとはアニメーションを再生する速度です。従ってフレームレートが 25ということは、一秒間に 25 の画像が再生されるということです。アニメーションをヨーロッパ市場に向けて制作する場合は、常に PAL スタンダードの出力サイズ 768 x 576ピクセルを選択し、フレームレートを25 にして下さい。フィルムを制作する場合はフレームレートを24 にしてテレビ用より高い解像度で設定しなければいけません。

10. クイックチュートリアル ー マルチパスレンダリング以前の章で述べたように、レンダリングはかなり長い時間がかかることがあります。間違った属性を誤って設定したまま長いアニメーションをレンダリングしまい、2度目にレンダリングをやり直す羽目になるのは実に避けたいことです。例えばあなたが翌日再びフィルムを見て球体に当たるハイライトが非常に明るすぎることに気付く場合があります。もっとひどい場合では、あなたが3D のプロフェッショナルでクライアントから肩越しに青鳩色のピンクパンサーの方が欲しい言われたり、この場合マルチパスレンダリングを選択していないと、新しいテクスチャをキャラクタに作成して再び全体のアニーションをレンダリングしなければなりません。マルチパスレンダリングの助けを使うと、実際の背景の手前に 3D オブジェクトを配置するか(キーワード:コンポジット)、またはポストプロダクションでフィルタを使用して画像をより魅力的にさせることができます。この章ではこうしたトラブルを回避して、クライアントによる思いがけないプロジェクトの変更にも直ぐ対応できるマルチパスレンダリングの使用法について紹介します。

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56 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

「multipass_j.c4d」のファイルを開いて下さい。タイムスライダが15に設定されています。このフレームをレンダリングした後、画像編集ソフトを使って変更したいとします。「レンダリング->レンダリング設定」からレンダリング設定を開き、マルチパスを選択して下さい。

マルチパスレンダリングは実際の画像だけでなく、画像を形成する個別のチャンネル(パス)も保存します。1つのチャンネルには例えば画像の環境ライト、ハイライト、透過や単一オブジェクトまでも含むことができます。この情報は個別の画像として出力され、画像編集ソフトを使用してこれらの画像を別々に編集したり、単一の画像として編集後一緒にすることができます。マルチパス設定の右角にある矢印をクリックすると、メニューが開いてレンダリング可能なチャンネルが表示されています。

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57CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

フォーマットを「JPG」に設定し、「パス」 のボタンをクリックして下さい。ハードドライブに画像を保存する場所を探し、画像を「Multipass_Scene」という名前にします(デモ版をご使用の場合は、この機能の結果が「scene_diffuse0015.jpg」、

「scene_specular0015.jpg」、「scene_trans0015.jpg」と「scene_refl0015.jpg」のファイルにあります)。「拡散」、「鏡面反射」、「ハイライト」、と「屈折」のチャンネルを追加して、シーンを「レンダリング->レンダリング後に保存」のコマンドを使ってレンダリングして下さい。

画像がレンダリングされている間に気付くことは特に何もないでしょう。画像表示のメニュー「チャンネル」で、レンダリングしたばかりの画像を各チャンネル別に見ることができます。ハードドライブの画像の保存場所には4つのファイルがあります。マルチパスウインドウの「レイヤ名を末尾に追加」が選択されているので、各画像にそのチャンネルに従った名前がついています。「diffuse」は拡散、「refl」は鏡面反射、「specular」はハイライト、そして「trans」は透過や屈折で、フレームの番号が各々につきます。各画像をよく見ると、個別チャンネルに相当する画像だけが情報として含まれています。「trans」の画像には、シーンで唯一透明なオブジェクトである球体だけが見えます。

レンダリングしたこれらの画像を使って、どのようにシーンを操作することができるでしょうか?このためには、Photoshopのような画像編集ソフトを使います。Photoshop は大変一般的なプログラムであり、画像編集ソフトのスタンダードとして独自を確立しました。Photoshopをお持ちでない皆様は、アドビのホームページwww.adobe.comからデモ版がダウンロードできます。

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58 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

Photoshopでは画像を複数のレイヤに分けることができます。これらのレイヤを様々な方法でミキシングできますが、Photoshopで各画像を開いてこれらを手動で合成すると膨大な作業となるでしょう。CINEMA 4D では全てのレイヤを統合して1つのファイルにまとめることが可能です。但しこの機能は JPEG のようなファイルフォーマットでは使えません。Photoshopで作業するので、Photoshop 独自のフォーマット「PSD」(Photoshop Document)を使うのが適切でしょう。

マルチパスウインドウでフォーマットを「Photoshop (PSD)」に設定して下さい。Photoshop 7.0 以降のバージョンをお使いの場合は、ウインドウ右下にある「オプション」下のチェックボックスを選択して下さい。次に画像をレンダリングします。

PSD をフォーマットに選択した直後、マルチパスウインドウにある「マルチレイヤファイル」が選択されます。これは4つの画像が全て複数のレイヤを持った1つの画像ファイルとして変換されるということです。次に「Multipass_scene0015J.psd」のファイルがあなたのハードドライブにあるかを確認して下さい。デモ版をお使いの場合は、 クイックスタートPDFドキュメントのかたわらにこのファイルがあります。このファイルを Photoshopで開くと、先程 CINEMA 4D でレンダリングした画像と同じ画像です。Photoshop のレイヤパレットをご覧になるとチャンネル、レイヤの正確な名称とお互いにリンクし合っているのが表示されているでしょう。

素晴らしいことには、 Photoshop のレイヤと同時に私たちのレンダリングのチャンネルを変更できることです。この章の始めで説明したハイライトの光について覚えていますか?次にハイライトを少し明るくしてみましょう。

Photoshopで「ハイライト」のレイヤを選択し、「画像調節レベル」からレベルの機能を呼び出します。

これで画像を再びレンダリングすることなく、より明るいハイライトが作成できました。

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59CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

もう気が付かれたかも知れませんが、 オリジナルのシーンには影があったのに Photoshop のファイルでは影が見えません。これは影が独自のチャンネルを持っており、単にマルチパスレンダリングのメニューで選択しなかったからです。

このチャンネルを CINEMA 4D に追加して画像をレンダリングし、これを Photoshopで開いて下さい(デモ版をお使いの皆さんにはこの結果が「MultipassShadow_Scene0015J.psd」にあります)。これで影が独自の Photoshopレイヤを持つことになります。影は大変暗く円錐の右エッジが殆ど見えません。そこでこれを変更するために Photoshopで影のレイヤを選択し、その不透明度を 50% に設定して下さい。

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60 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

画像がかなり明るく見えるようになりました。次に青鳩色のピンクパンサーが欲しいクライアントにはどうすれば良いでしょうか?私たちのシーンにはピンク色もパンサーも含まれていないという事実はさておいて、円錐の色を変えたい場合はどうしましょうか?どのようにシーンの単一オブジェクトのカラーを変えますか?これにはまず CINEMA 4D で幾らか準備する必要があります。

CINEMA 4D のオブジェクトマネージャで、「CINEMA 4D タグ->レンダリング」で球体にレンダリングタグを指定します。属性マネージャで「オブジェクトバッファ」のメニューに切り替え、「バッファ1」を選択して下さい。

レンダリングタグは、シーンにある1つまたはそれ以上のオブジェクトに画像バッファを指定させることができます。円錐にもレンダリングタグを指定して2番目のバッファを選択します。

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これで球体と円錐が別々の画像バッファ1と2になりました。次にこれらのバッファをレンダリング設定で選択します。

2つの「オブジェクトバッファ」をマルチパス設定ウインドウで追加して下さい。1番目の「ID」を「1」にし、2番目を「2」に設定します。シーンをレンダリングして、この新しいファイルを Photoshopで開きます。

まず見る限りPhotoshop のファイルでは何も変更がなくレイヤの数も依然として5つです。新しいオブジェクトがどこにあるかというと、チャンネルパレットで各オブジェクトにアルファチャンネルが1つ作成されています。アルファチャンネルはグレースケールの画像であり、画像からオブジェクトを切り取るのに使用します。

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62 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ マルチパスレンダリング

Photoshopで「屈折」レイヤを選択します。「選択範囲 -> 選択範囲を読み込む」を選択し、「チャンネル」を「オブジェクトバッファ1」に設定して下さい。

これでバッファチャンネルが選択範囲として読み込まれました。複数の画像編集オプションがこの選択範囲(球体)の箇所だけに制限されます。

「イメージ ->色調補正 ->色相、彩度」を呼び出します。「色彩の統一」をクリックし、「色相」を240 に「彩度」を100 に設定すると、

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63CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ XPresso

このように球体だけに色が着いていることでしょう。主として屈折から成り立っているので、私たちは前もって相当するレイヤを選択します。

アニメーションのシーンにマルチパスを使うと非常に効果的です。単一画像の作業には Photoshop を、アニメーションには After Effects や Combustionといったコンポジットプログラムを使用します。Final Cut のような編集ソフトウエアは、画像レイヤも編集できます。CINEMA 4D はこれら全てのプログラムと互換性があり、一部では莫大な数の設定を備えた特別なエクスポートプラグインも提供されています。15分のアニメーションのカラーの変更が数秒間で処理できます。

11. クイックチュートリアル ‒ XPresso エクスプレッションは、オブジェクトの属性に従属性を設定させます。言い換えればシーンを自動化する規則が使えるということです。「オブジェクトA が動作 B を行う時、オブジェクトC は動作 D を行う」。これらのエクスプレッションはMAXON が作成した XPressoでは手動で入力する必要がありません。XPresso はコードをタイピングする厄介さに終止符を打った、グラフィックインターフェイスです。 XPresso は簡単により楽しくドラッグ&ドロップを使ってエクスプレッションを作成させ、どの問題も解決できるに充分な機能を提供します。

それではこの問題解決がどのように働くか見てみましょう。このチュートリアルでは望遠鏡の腕のようなものをモデリングします。

新しいシーンを開き、「オブジェクト->プリミティブ->円柱」で3つの円柱を作成して下さい。これらを 「円柱 小」、「円柱 中」、「円柱 大」と名前を付けます。属性マネージャで 「円柱 中」の半径を45 に、「円柱 小」の半径を40 に設定します。

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64 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ XPresso

異なった半径を持つ3つの円柱がシーンに作成されました。最も小さな円柱が移動する間、円柱 中が中心を維持しながら円柱 小を引き上げるという望遠鏡の効果を作成するのが私たちの目標です。このケースには XPresso の登場です !

新規 XPresso タグを適用します。これを最も手っ取り早い方法で行うには、オブジェクトマネージャにある円柱の1つを右マウスボタンでクリックします。「CINEMA 4Dタグ-> XPresso」を選択して下さい(どの円柱にタグを適用するかは自由です)。XPresso 編集が開くので、この空間にオブジェクトマネージャから3つの円柱全てをドラッグします。するとオブジェクトが

「ノード」として知られる小さなボックスに変換します。

ノードは XPresso の基礎です。ノードはオブジェクトまたは機能を表わし、他のノードと情報を交換させる入力と出力を持っています。ノード左上角にある小さな青色ボックスをクリックするとノードの入力が見えます。ノードの出力は赤色ボックスをクリックすると見られます。現在ある円柱のノードを見てみましょう。既に属性マネージャでお馴染みのものが幾つかあるでしょう。

私たちの目標を考えてみましょう。円柱 小を引っ張るということは、Yの値を変更するということです。この移動では円柱 中 Yの値が円柱 大と円柱 小の位置 . Yの中心にきちんと留まっているように影響を与えます。円柱 中を他の2つの円柱の平均値に設定しましょう。

「円柱 大」の赤コーナをクリックし、「座標->位置->位置 . Y」を選択して下さい。これを円柱 小にも同じように行って下さい。

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65CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ XPresso

これで両方の円柱がそれぞれの位置 . Y をパスできるようになりました。これら2ポイント間の平均を計算するために、特別なノードを使います。

X-プールタブに切り替え、「System Operators->XPresso-> 計算 ->合成」から「合成」のオペレータを、他のノードがあるサーフェイスにドラッグします。属性マネージャで「合成」ノードの「バランス」を 50% に設定して下さい。

「円柱 小」の「位置 . Y」の出力と「合成」の入力1を連結し、「円柱 大」の「位置 . Y」の出力と「合成」の入力 2 を結びます。

これで両方の位置 . Yが「合成」ノードに伝わり、それぞれの平均値を計算します。50% の設定では合成が均等に行われます。結果は円柱 中の位置 . Yとなります。

「円柱 中」ノードの青コーナーをクリックして、「座標 -> 位置 -> 位置 . Y」から位置 . Yの入力を開きます。「合成」ノードの出力を「円柱 中」ノードの入力と連結します。

次にエディタウインドウでの結果に目を見張ります。円柱 小をその緑色のY 軸に沿って移動させて下さい。円柱の中心は自動的に整列します。

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66 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ XPresso

まだ問題が1つあります。望遠鏡がばらばらになるまで依然として円柱がドラッグできるので、移動を少し制限できれば良いでしょう。この問題は言うまでもなくXPressoで解決できます。 

X プールに戻って「限定」ノードをXPresso 編集にドラッグして下さい。属性マネージャでその「最大値」を300 に設定します。

「限定」ノードは様々な属性を制限し、「値」の入力が 0と 300 の範囲で伝達されます。次にノードを残りの設定に連結しなければいけません。

「円柱 小」ノードの青コーナーをクリックし、「座標->位置->位置 . Y」から位置. Yの出力を開きます。オブジェクトマネージャから「円柱 小」をXPresso エディタに再びドラッグして位置 . Yの出力を開きます。この出力を「限定」ノードの「値」入力に連結します。「限定」ノードの出力を、古い「円柱 小」ノードの「位置 . Y」の入力と連結させます。

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67CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Tipsと秘訣

これで円柱が実際の望遠鏡のように制限された距離だけ Y 方向に移動できます。

12. Tips と秘訣CINEMA 4D は喜んで新しいユーザを可能な限り助けようとする幅広いユーザコミュニティーを築きあげることができました。ここではホームメードのチュートリアルの使用やフォルム、無償のモデルやプラグイン、エクスプレッションやテクスチャが提供されています。

もちろんMAXON のホームページ www.maxon.net も情報のメインソースの1つです。

ここではニュースや CINEMA 4D で作成された興味深いプロジェクトや CINEMA 4D の広範囲に渡るリンクライブラリ。私たちのサポートチームへの質問フォームなどが用意されています。サードパーティのセミナーやトレーニングといった情報もここから入手できます。

プラグインカフェは、MAXON の姉妹ホームページ www.plugincafe.comでアクセスできます。

あなたのスキルの限界に近づいた時や特定のツールをお探しの場合には、恐らくこのサイトで必要なものを発見することができるでしょう。ここにはプラグイン、エクスプレッション、インターフェイスやBodyPaintブラシなど広範囲に渡るコレクションがあり、その多くは無償です。独自のプラグインをプログラミングしたいユーザは、CINEMA 4D のソフトウエアデベロッパキット(SDK)にアクセスできます。SDK にはどのようにCINEMA 4D が作動するか、そしてどのように拡張できるかなどが記録されています。

CINEMA 4D ライブラリを拡張したい皆さんには、基礎からキャラクタアニメーションのような専門的なレベルまで豊富な選択範囲の関連書籍が提供されています。単にお気に入りのオンラインブックストアでキーワードCINEMA 4D を入力してみて下さい。

本にざっと目を通すのはコンピュータグラフィックスと何の関連もないことのようですが、実際にはかなり役に立つことがあります。3D は伝統的なアートやテクニックの多くが組み合わされた複雑な分野です。どの真摯な3Dアーティストのライブラリにも写真、ライティング、方向、動作、画像作成やペイントに関する書籍が入っていることでしょう。これらのトピックスについての貴重な情報は全てオンラインから見つけることができます。

Eadweard Muybridge氏の写真集は特にキャラクタアニメーションに適しています。Muybridge 氏はその写実的な人間と動物の動作の描写で知られいます。彼の作品の例は http://web.inter.nl.net/users/anima/chronoph/muybridge/index.htmでご覧頂けます。

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Muybridge 氏の写真はキャラクタアニメーションを習得する際に必須です。彼の名前をサーチエンジンで検索するだけの価値はあります。

オンラインであらゆるクオリティーと価格帯の3D モデルが提供されており、最も良く知られているソースは「TurboSquid」と「ModelBank」の2つです。両ホームページから CINEMA 4D オブジェクトのデータベースにアクセスできます。これらのサイトではモデルだけでなくテクスチャ、プラグインやCINEMA 4Dにfbxフォーマットとしてインポートできるモーション・キャプチャのファイルでさえ見つけることができるでしょう。コマーシャルなサイトでも豊富な内容が提供されています。

アドバイスをお探しだが MAXON のサポートを介したくない場合は、CINEMA 4D のフォルムでヘルプを素早く見つけることができます。これらはインデペンデントのディスカッションフォルムであり、ユーザがお互いに問題を助け合ったり単に3D について語りあったりできる場所です。ここで答えを得るのにそう長く待つことはないでしょう。既に多くのテーマがディスカッションされているので、最初にアーカイブから検索することをお勧めします。あなたの抱えている問題の解決策はアーカイブで見つかる可能性があります。C4Dフォルムは CINEMA 4D についての情報を昼も夜も提供する、ポータルサイトとして知られる「C4Dmeet」の1部分です。これらのポータルサイトは最も完璧な情報の探し場所です。CGTalk (www.cgtalk.com) 、PostForum (www.postforum.com) や Renderosity (www.renderosity.com)といった複数の大きな英語ポータルサイトが3DとCINEMA 4D を扱っています。ここでは3D シーンで何が起っているかを発見できます。

他の英語ポータルサイトでアニメーションについて広範囲に渡った情報を持つのは、「Animation World Network」(www.awn.com)です。ここでは伝統的なアニメーションとコンピュータアニメーションに関わる全てを発見できます。

インターネットは常時変化するので「Google」(www.google.com) のようなサーチエンジンで CINEMA 4Dについて検索するのは良いアイデアでしょう。

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69CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Tipsと秘訣

Google はモデルを見つける良いソースでもあります。実質殆どのオブジェクトの写真やドローイングは特別な画像検索機能で見つけることができます。 「Corbis」 (www.corbis.com) も、アイディアの良いソースの1つです。

メールオーダーカタログでさえ、オブジェクトがどのように見えることができるかについての豊富な情報源です。インターネットのどこででもテクスチャテクスチャを見つけることができます。もっと良いのはカメラで独自の写真的テクスチャを撮ることでしょう。このようにインスピレーションはどこにでもあります。自分のテクスチャアーカイブがすぐ構築できます。

技術的な観点から遠ざかるように試みて下さい。ソフトウエアを習得するのは時間の問題です。良い3Dアーティストは、独自のアイディアを実現させる助けになるツールとしてソフトウエアを使う能力を持っています。ですから次のシーンを作成する場合も、完璧なオブジェクトを作成することを余り気にしないで下さい。どちらかというと、どのようにこのオブジェクトにテーマを合わせ、確実に照明して調和に満ちた構成を作成できるかに集中して下さい。同じく観察者にメッセージ性を与えるということも考慮して下さい。技術的に完璧なアニメーションは素晴らしい達成ですが、コンセプトが悪ければ観客を眠らせてしまうでしょう。少しがたついて不完全なアニメーションであっても、ストーリーが観客を引きつければ問題ありません。

このマニュアルが3D グラフィックの技術的な部分を習得するのに役立つことを願います。習得してあなたの掌中にあることをやって下さい。

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70 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Advanced Render

Advanced Render について( オプショナルモジュール )

ここは、Advanced Renderモジュールのクイックスタートチュートリアルです。モジュールの多くの典型的な適用法を紹介し、その効果の背後にある理論物理学についても幾らかカバーします。

1. はじめに

Advanced Render モジュールは、複数の魅惑的な機能を使ってCINEMA 4Dレンダラ領域の可能性を拡張します。これらの機能は、とりわけ写実的なレンダリングをお探しのユーザに興味深いことでしょう。このモジュールは既に存在するレンダリング設定に継ぎ目なく統合し、簡単に使用しながら習得することができます。このモジュールには標準のレンダラに追加して、ラジオシティ(とりわけ写実的なライティングのレンダリング方法)、コースティクス(鏡面反射と透過マテリアルにライティング効果を達成)、被写界深度、ハイライトライティング、グローとサブポリゴンの変位といった機能があります。

2. 総合情報とインターフェイスAdvanced Render をインストールした直後、あなたのレンダリング設定(レンダリング->レンダリング設定)に複数の新しいオプションがあるのに気付くでしょう。「ラジオシティ」のメニューで「ラジオシティを使う」を選択すると、ラジオシティにカスタム設定を作成させる他のオプションが表示されます。このフィールドはマテリアルの「発光」チャンネルと密接に関連します。これらの設定は、特定のマテリアルがラジオシティを使ってレンダリングされるべきかどうかを限定します。それぞれのオブジェクトに「レンダリングタグ」を使うと、さらなる設定が適用できます。

コースティクスは似通った方法で作動します。「レンダリング設定」の下にグローバルな設定があります。ここでサーフェイスとボリュームのコースティクスを別々に選択 / 非選択でき、発光チャンネルで指定したマテリアルに関連したオブションが設定できます。コースティクスには追加で3番目の設定も提供されており、これはライトオブジェクトで見つけられます。コースティクスの使用には少なくとも1つのライトオブジェクトが必要です。光源がサーフェイスまたはボリュームのコースティクスを生成すべきかどうかは、ライトのコースティクスメニュー内で指定できます。

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71CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ Advanced Render

特殊効果として知られる「被写界深度」 、 「ハイライト」 、 「グロー」 はレンダリング設定の「特殊効果」にあります。「被写界深度」のさらなる設定が各カメラごとの属性設定で行えます。1つの画像が完全にレンダリングされた後に初めて特殊効果が計算されます。これはレンダリングされた画像の上に配置されるレイヤと想像できます。

サブポリゴンの変位はマテリアルの「変位」チャンネルで選択できます。

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3. サンプル画像

ここでは Advanced Render の機能を使って行える可能性について紹介します。

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4. クイックチュートリアル ‒ ラジオシティ

私たちが実際の世界で知っているように、光は独自に広がってオブジェクトに当たると反射します。これはオブジェクトの表面の性質に依存します。1つの部屋の壁にウインドウが1つあると想像して下さい。ライトから放たれた光がウインドウを通して部屋の床に落ちています。そこで光は中断することなく、床から他のオブジェクトに反射します。言い換えれば、光独自が反射します。部屋は「拡散」(間接的)ライトで照明されています。

レイトレーシングの作業はこの拡散ライトを考慮します。例えば照明が1つだけ使用されていると、影の中に横たわる他の全ては見えなくなります。すでに壁の穴から光源が輝く仮想現実の部屋を作成した経験をお持ちかも知れませんが、仮想現実世界のライトはオブジェクトに当たってこれを照明するというだけであり、光はそれ以上広がりません。これとは異って、ラジオシティのレンダリングはシーンにある全オブジェクトを光源として扱います。ラジオシティのシーンではこのように単一ライトを使用することなく照明ができます。

空の新しいシーンを開いて下さい。「オブジェクト ->シーン -> 空」で空オブジェクトと、「オブジェクト ->シーン -> 床」で床オブジェクトを作成します。空オブジェクトは全体のシーンを大きな球体で包含するようなものです。床の表面は無限のサーフェスです。

「オブジェクト ->プリミティブ->トーラス」で1つのトーラスを作成し、その y 位置を100 に移動して床より少し上になるようにします。

次にラジオシティのレンダリングを使用してシーンを拡散ライトで照明します。空オブジェクトを光源として使いましょう。

マテリアルマネージャに切り替えて「ファイル -> 新規マテリアル」から新規マテリアルを1つ作成して下さい。属性マネージャの「基本」に切り替えて「カラー」と「ハイライト」の選択を外し、 「発光」を選択します。このマテリアルをマテリアルマネージャからオブジェクトマネージャの床オブジェクト上にドラッグします。

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75CINEMA 4D R9 クイックスタート‒ Advanced Render

他のマテリアルを作成し、お気に入りのカラーにして下さい。そしてこの色をトーラスの上にドラッグします。

発光チャンネルはマテリアルを光源に変えます。空オブジェクトが全体のシーンを球状に包含しているので、トーラスを全方面から照明する巨大なランプとして働きます。この効果はラジオシティをレンダリングモードとして使用する場合にだけ見ることができます。

「レンダリングレンダリング-> 設定」からレンダリング設定を開いて下さい。ラジオシティに切り替え、ラジオシティを使うを選択します。それからオブションのメニューに切り替え、「自動照明」の選択が外れていることを確認して下さい。

エディタビューでシーンを回転させ、床だけが背景で表示されるようなカメラの角度にします。これによってレンダリングが 「水平」にだけなされるのでレンダリング速度が速くなります。それからシーンをレンダリングして下さい。

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CINEMA 4Dはシーンにライトオブジェクトが存在していないと、自動照明を自動的に入れます。この自動機能はラジオシティを使用中はシーンを明るくし過ぎるのでオフにします。

通常ラジオシティのシーンはレイトレーシングのシーンより長い計算時間を要しますが、シーンが2つのパスにレンダリングされるのでより写実的な結果が提供されます。ソフトシャドウと赤色のトーラスが幾らか床の上に反射されているのに注目してください。更に下の床から反射された光で幾分トーラスが照明されています。もちろんより暗い影が必要な場合は、ラジオシティのライティングと通常の光源が組み合わせられます。

「オブジェクト ->プリミティブ-> 球体」で1つの球体を作成して下さい。この球体をX 軸に沿って少し右へリングの隣まで移動させます。床のマテリアルをコピーし、新規マテリアルの発光チャンネルに切り替えます。カラースライダを使って明るい青色を作成し、その明るさを100% に設定します。そしてこのマテリアルを球体の上にドラッグします。

次に青色の球体をライトとして使うことにします。この球体は可視である必要はなく、その青色だけ放射するようにさせます。「レンダリングタグ」を使用してこの目的を達成します。

オブジェクトマネージャで球体にレンダリングタグを適用します(「ファイル ->CINEMA 4D タグ->レンダリングタグ」)。属性マネージャに切り替え、「ラジオシティから見える」を除いたオプションの選択を全て外します。そしてシーンをレンダリングしてます。

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青色のライトがトーラスと床の上に影を落としているのが見えるでしょう。青い球体はカメラのレンダリングタグを使って不可視にしたのでレンダリングされていません。

5. クイックチュートリアル ‒ コースティクス水泳プールの底に当たるライティング効果を観察したことがありますか?光が透明なマテリアルを通過して放たれ、入り口と出口で反射や屈折する現象がコースティクスです。

新しいシーン(空の)を開いて下さい。「オブジェクト ->シーン -> 床」で床オブジェクトを作成します。「オブジェクト ->プリミティブ->正多面体」で正多面体オブジェクトを作成し、属性マネージャを使ってこのY位置を140 に設定します。

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マテリアルマネージャで新規マテリアルを作成します。属性マネージャで透過チャンネルを選択し、「透過」メニューに切り替えます。カラーを青色に、屈折率を1.4 に設定します。オブジェクトマネージャからマテリアルをドラッグして、オブジェクトマネージャの正多面体オブジェクト上にドラッグします。

設定を1のままにすればコースティクスの効果はなく、ライトがオブジェクトを透過してから反射や屈折しないでしょう。「オブジェクト ->シーン ->ライト」で1つのライトを作成します。属性マネージャを使ってライトをX=270、Y=300、Z=100 の位置に、角度を H=70°、P=25 °に設定します。これでライトがオブジェクトを通過して床の上に輝いています。シーンをレンダリングして下さい。

ライトが正多面体の上部分と床の上部分に落ちています。まだコースティクスの効果は目に見えません。これは最初に効果を選択しなければいけないからです。ライトを選択して属性マネージャのコースティクスのページに切り替えて下さい。ライトに「サーフェイスコースティクス」を選択します。

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「レンダリング->レンダリング設定」でレンダリング設定を開きます。ここでもコースティクスメニューの「サーフェイスコースティクス」を選択して下さい。

シーンをレンダリングします。これでコースティクスの効果が床の上に見えるはずです。

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6. クイックチュートリアル ‒ 被写界深度

被写界深度は、恐らく写真の分野でよく知られている効果でしょう。カメラ設定と使用レンズの組み合わせによって、限られた小さな箇所だけを一度にフォーカスしてこれ以外の箇所を全てピンぼけさせることができます。シーンにある特定エレメントにだけ観客の注意を引きつける効果は、映画の劇的なエレメントとして頻繁に使用されています。もちろん同じテクニックが、これから説明する CINEMA 4D の Advanced Render モジュールでも提供されています。

新しいシーン(空の)を開き、「オブジェクト ->オブジェクトライブラリ->zygote manまたは zygote woman」で男性また女性のモデルを3つ作成して下さい。これらのうち1つの形をZ 軸 -1000 に、他をZ=1000と移動させます。

「オブジェクト ->シーン ->カメラ」で1つのカメラオブジェクトを作成します。カメラを属性マネージャを使用して X=370、Y=200、Z=1500 に位置させ、角度は H=25° 、P=17°に設定します。エディタメニューで「カメラ ->シーンカメラ ->カメラ」を選択すると、エディタのビューがカメラのビューに切り替わります。3つの形が全て見えているはずです。

次に被写界深度の設定を行います。属性マネージャのカメラメニューにある「被写界深度」に切り替えます。ターゲット距離を1500 に、「手前をぼかす」と「後側をぼかす」の開始値を100、終了値を1000 にそれぞれ設定します。

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ターゲット距離はカメラのフォーカスポイントです。シーンの真ん中にある形のように、カメラから1500 単位離れて位置しているオブジェクトが最も鮮明に現れます。このオブジェクトの手前または後側にあるオブジェクトはピンぼけしてレンダリングされます。レンダリング設定でこの効果を選択して可視にします。

レンダリング設定を開いて「特殊効果」に切り替えて下さい。右上にある引き下ろしメニューで「被写界深度」を選択し、「ぼけの強度」を 5% にします。これによっていっそう効果が明らかになります。

シーンをレンダリングして下さい。中央にある形だけがフォーカスされているでしょう。レンダリング設定のパラメータを使って効果の強度がカスタマイズできます。

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82 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Advanced Render

7. Tipsと秘訣

速度とクオリティの間でレンダリングを選択をする必要が頻繁にあります。ラジオシティやコースティクス効果を使ったレンダリングは、特別長いレンダリング時間がかかります。このため、少し設定と遊んでみるように提案します。例えばラジオシティの「計算精度」を非常に低い値で設定すると、テストレンダリングが素早くできます。依然としてレンダリングのクオリティを改良する必要があれば(ピクセルが見えている場合など)、「計算精度」値を少しづつ上げて下さい。これらの設定をあなたのシーンと一緒に保存するのは良いアイデアです。

レンダリングタグは充分に使用して下さい。これによってレンダリングの正確さが減少でき、レンダリング時間が大幅に節約できます。

ご存知のようにCINEMA 4D で効果のパラメータをアニメートできるので、常時その変更が可能です。あなたの目的に合わせて変化するコースティクスや、或はカメラのフォーカスを想像してみて下さい。

ラジオシティのシーンで照明する、マテリアルの発光チャンネルのカラーにビットマップ画像を読み込みます。するとのオブジェクトが画像のカラーで照明されます。これはいわゆる HDRI を使用する場合にとりわけ良く見えます。HDRI は発光の情報を含む特別な画像フォーマットであり、この効果には最高の選択です。HDRI についての詳しい情報は、www.debevec.org のホームページをご覧下さい。

「ハイライト」や「グロー」といった特殊効果を使うと、よりいっそうシーンを活気づけることができます。「ハイライト」を使うと、どのような形にも(例えば星など)マテリアルのハイライトを与えることができます。「グロー」はその名前が示すように、マテリアルを発熱させます。お試し下さい。

マテリアルの変位チャンネルを使ったことのあるオブジェクトを変形させたい場合は、目的の効果を作成するため変位チャンネルでグレースケールの画像が扱える程度にオブジェクトを分割させる必要があります。これは頻繁にポリゴン数が非常に高い結果となりました。この問題に終止符を打ったのが「サブポリゴンの変位」です。レンダリング中にオブジェクトの分割がダイナミックに行われるので、目を見張るような効果ができあがります。

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83CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Sketch and Toon

Sketch and Toonについて( オプショナルモジュール )

これは CINEMA 4D の Sketch and Toon モジュールのクイックチュートリアルです。このレンダラの素晴らしい創造の可能性について幾つか紹介します。

1. はじめに

Sketch and Toon は NPR に属します。ノン・リアリスティックレンダラ(Non-Photorealistic Renderer)の頭字語であるNPR は、高度な写実的画像を生成するのとは全く正反対の働きをします。たとえばあたかも伝統的なアニメーションの技術を使用したかのように見える画像を生成します。シーンを技術設計図あるいは鉛筆のスケッチのように見せたい場合やアニメートしたキャラクタに伝統的なアニメーションの外観を与えたい場合は、Sketch and Toon を使えば全く問題ありません。

Sketch and Toon は非常に操作しやすく、装備されている多くのプリセットの1つを使えば、結果が瞬間で得られます。その他に Sketch and Toon の異なった設定のボールが持てます。Sketch and Toon がいかに強靭なツールであり、無限の可能性を提供しているかをすぐ理解して頂けるでしょう。どんな想像しうるパラメータにも事実上影響することができます。レンダリングスタイルに豊饒さを与えるので、あなたが決して Sketch and Toon の限界にぶち当たらないことをお約束します。画像がどのように変形できるかをご覧になりたい場合は、そのままギャラリーに進んで下さい。

2. 総合情報とインターフェイス

Sketch and Toon はレンダリング効果の1つです。「レンダリング->レンダリング設定」のレンダリング設定にある「特殊効果」メニューに Sketch and Toon の設定があります。「特殊効果を使う」メニューから「Sketch and Toon」を選択すると、幅広い配列の設定が自由に使えます。これらのパラメータは Sketch and Toonレンダリングの基礎的外観を指定します。

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84 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Sketch and Toon

まだあります。CINEMA 4D 内のどこにでも Sketch and Toon を見つけることができ、Sketch and Toon を選択した直後に1つの sketchマテリアルが作成されマテリアルマネージャに表示されます。このマテリアルは Sketch and Toonレンダリングで特に輪郭を描写します。

このマテリアルと関連性のある多くの設定がマテリアルマネージャでご覧になれます。これらの設定はグローバルで、全体のシーンに影響します。

次の一般規則を覚えていて下さい。レンダリング設定での sketch の属性は何が(輪郭、隠線など)レンダリングされるかを指定し、マテリアルの属性は何がどのように(線の幅やカラー)レンダリングされるかを指定します。もちろん全てのオブジェクトが同じスタイルでレンダリングされなくても良いのです。sketch マテリアルを任意の数に作成して異なったオブジェクト

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85CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Sketch and Toon

に指定できます。ペンのドローイングとカトゥーン風のオブジェクトの組み合わせも問題ありません。

最後に Sketch and Toonでは4つの「Sketch シェーダ」が使用できます。これらのシェーダは他のシェーダと全く同じように通常のマテリアルチャンネルの中に配置させることができますが、発光チャンネルに配置するようにお勧めします。これらのシェーダは独立して働くことができるので、Sketch and Toon が選択されなくとも構いません。「アート」シェーダは油絵やアクリルペイントに、「セル」シェーダはカトゥーン風のスタイルに、「斑点」シェーダはハーフトーンのプリント効果に、「ハッチング」シェーダはクロスハッチングの効果が作成できます。

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86 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Sketch and Toon

3. サンプル画像

Sketch and Toonで作成できる美しいイメージのサンプル画像です。

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4. クイックチュートリアル ‒ アウトライン

真実の時がやって来ました。このチュートリアルの作業を済ませたら、Sketch and Toonで行える最初の印象を持って頂けることでしょう。Sketch and Toon は、あなたが色々と実験してみたくなるように魅惑するモジュールです。

「schraubkopf_j.c4d」のファイルを開いて下さい。このシーンには複数のプリミティブのみでできた1つのヘッドが含まれています。

まず Sketch and Toonでレンダリングするとどのようになるのかを見てみましょう。

「レンダリング->レンダリング設定」からレンダリング設定を開いて下さい。「特殊効果」に切り替え、「特殊効果」メニューから「Sketch and Toon」を選択してシーンをレンダリングします。

最初のレンダリングからかなり異なった外観の結果となりました。全てのオブジェクトが黒い輪郭線を持ち、色のグラデーションが幾らか段階になっています。マテリアルマネージャに新規「Sketchマテリアル」が生成されていることを確認して下さい。このマテリアルが輪郭の外形に指定されます。

「レンダリング設定」内の「特殊効果」メニューに切り替え、「スタイルの読み込み」をクリックします。

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あなたのCINEMA 4Dディレクトリをナビゲートして下さい。「Library->Sketch->Styles」のディレクトリ下に数多くのプリセットがあるので、「technical.c4d」を選択します。このスタイルはテクニカルイラストレーションに適しています。次にシーンをレンダリングします。

再びレンダリングが違って見え、通常隠れている線が破線で表示されています。プリセットに沿って2つの追加マテリアル「Visible」と「Hidden」がマテリアルマネージャに配置されています。「Visible」は可視線の外観を指定し、「Hidden」は隠線の外観を指定します。もはや「Sketch マテリアル」は使用されていません。

幾らかカラーを入れてみましょう。sketch 設定で「シェーディング」に切り替えて下さい。カラースライダを使用して「背景」のカラーを控えめな青色またはあなたのお気に入りの色に設定して下さい。

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89CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Sketch and Toon

マテリアルマネージャの「Hidden」マテリアルを選択し、属性マネージャの「カラー」 に切り替えます。カラースライダを使ってカラーを濃い青色のトーンにします。シーンをレンダリングして下さい。

レンダリング設定を使用すると全体のシーンに影響したり、マテリアル設定を指定して隠れた輪郭に影響を与えることができます。「Visible」 マテリアルを選択して属性マネージャの「一般」 に切り替えて下さい。「プリセット」 のメニューに「Pen (Leaky)」 スタイルを選択します。そしてシーンをレンダリングします。

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既に可視線が漏れる万年筆で描画されたように見えますが、隠線は依然として破線になっています。先に進んでプリセットを色々と試してみて下さい。

これまで sketch 設定で行った変化はシーンの全オブジェクトに影響を与えているものですが、変化を1つの特定オブジェクトにだけ選択することも可能です。

マテリアルマネージャで「ファイル -> 新規マテリアル ->Sketchマテリアル」を選択します。このマテリアルをオブジェクトマネージャからドラッグして「鼻」のオブジェクト上にドラッグします。オブジェクトの隣に「スタイルタグ」 が表示されるので、このタグを選択します。

属性マネージャにある設定のは幾つかは、既にレンダリング設定でご存知のことでしょう。ここでの違いはタグのパラメータが「鼻」オブジェクトにだけ影響することです。属性マネージャの「シェーディング」に切り替え「有効にする」を選択し、その下にある「オブジェクト」のメニューを「カスタムカラー」に選択して下さい。赤色にカラーを設定してシーンをレンダリングします。

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これで鼻は赤色で黒い輪郭線を持っています。

5. クイックチュートリアル ‒ シェーダとタグ

このチュートリアルではスケッチモードでレンダリングしたオブジェクトと、「通常」のモードでレンダリングしたオブジェクトを同じシーンで組み合わせます。4つの特別な sketch シェーダの1つである「セル」シェーダを試してみましょう。ここでの目的は、3つのオブジェクトにそれぞれ違ったレンダリングスタイルを指定することです。第1番目のオブジェクトは輪郭線だけを持ってあたかも手描きされたように見えるはずです。第2番目のオブジェクトにはセルシェーダを試してカトゥーン風のカラーを与えます。第3番目のオブジェクトは標準設定でレンダリングした普通の CINEMA 4D オブジェクトのように見えます。これらのオブジェクトの全てがシーンで一緒に描画されます。

新規のシーン(空の)を開いて3つの「人形」オブジェクトを作成して下さい。人形を少し Z 軸の方向に移動させ、全オブジェクトが列で並ぶようにします。この人形をそれぞれ「前の人形」、「中央の人形」と「後ろの人形」と名前を変更します。

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マテリアルマネージャで「ファイル -> 新規マテリアル」で1つの新規マテリアルを作成して下さい。属性マネージャの「基本」メニューで「カラー」チャンネルと「ハイライト」チャンネルの選択を外します。「発光」を選択して「発光」メニューに切り替えます。「テクスチャ」の右にある小さな矢印をクリックし、「Sketch-> セル」を選択します。

セルシェーダはグラデーションシェーダの一種です。どのチャンネルにも読み込むことはできますが、カトゥーン風の外観を達成するには、常時フルトーンのカラーでレンダリングされシーンにあるライティングの影響を受けない「発光」チャンネルに読み込むべきでしょう。

「セル」をクリックすると、セルの設定が表示されます。3つの青色のシェーダはデフォルトではプリセットとなっていますが、私たちの人形にはあまり適合しません。カラースライダをダブルクリックして新しい茶色トーンのカラーを3つ作成して下さい。

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カラーの数は1つのオブジェクトが着色される色の段階数に相当します。カトゥーン風の外観には常に1つまたは2つのカラーが適切です。オブジェクトマネージャからこの新規マテリアルを「中央の人形」の上にドラッグします。シーンをレンダリングして下さい。

Sketch and Toon の人形が「通常」レンダリングした2つの形の間に立っています。sketch シェーダを使用するにはSketch and Toon のレンダラ効果を選択します。次に輪郭を持った形を美しくさせます。

レンダリング設定で Sketch and Toon の効果を選択して下さい。「シェーディング」メニューに切り替え、「オブジェクト」の隣にある「背景」を選択します。後ろの人形は輪郭線しか見えないので、「内側の色」を背景色と同じカラーに設定します。これでシーンをレンダリングすすると他の人形も白色に表示されるので、これらの設定を後ろの人形にだけ適用するようにsketchで指定します。

「全てのスケッチされたオブジェエクト」の選択を外して下さい。「モード」の隣にある「含む」を選択し、オブジェクトマネージャから「後ろの人形」をメニュー下のテキストフィールドにドラッグします。あとはシェーディング設定をこのオブジェクトに適用するだけです。

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新しく作成した sketch マテリアルを選択し、属性マネージャのプリセットを「Pencil (Soft Sketch)」 に設定して下さい。そしてシーンをレンダリングします。

全ての形はきちんと塗りつぶされていますが、前2つの人形はそれぞれ後ろの人形の輪郭線を想定しています。そのためこの2つのオブジェクトの輪郭線レンダリングを完全に無効にします。

オブジェクトマネージャで「前の人形」と「中央の人形」を選択して、「ファイル ->Sketch タグ->Sketchレンダリング」を選択して下さい。また属性マネージャで「線画させる」を無効にして下さい。

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できあがりました!全く異なった個別のレンダリングスタイルを持った3つのオブジェクトが、同じシーンで穏やかに共存しています。

6. Tipsと秘訣Sketch and Toon には複数のコントロールレベルがあります。あなたがこのモジュールで初歩の段階にあり、無数のボタンやスライダに少し圧倒された場合は、単にコントロールレベルを「初級」に設定して下さい(レンダリング設定またはsketchマテリアルの属性で)。すると複数の機能が隠されます。Sketch and Toon が使い易く感じられたら、次のレベルに進むことができます。

Sketch and Toon のシーンをレンダリングするのに要する時間はシーンのサイズや複雑さに依存します。レンダリング時間が長くかかり過ぎる場合は、シーンにあるオブジェクトでタグを使ってレンダリング計算から除外できるものはないかチェックして下さい。またアンチエイリアスのクオリティー(スムーズな輪郭)を低くすれば、レンダリングをスピードアップできます。

Sketch and Toon の柔軟性を使うようにして下さい。シーンのオブジェクトに異なったスタイルを個別に指定することができるように、可視線と隠線にも別々のスタイルが指定できます。特に標準レンダリングとSketch and Toon のレンダリングを組み合わせると、素晴らしい画像の結果が得られます。

とりわけ初めは数えきれない程のプリセットを使って Sketch and Toon の良い作業知識を身につけるように努力して下さい。実際に好きなプリセットが見つかったら注意深く調べて、独自の設定を適用した時にどんなことができるかをご覧下さい。これは Sketch and Toon の「秘訣」を発見する最も良い方法です。

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96 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

PyroCluster について( オプショナルモジュール )

ここは PyroClusterのクイックチュートリアルです。モジュールの最初の段階から導入して、この素晴らしい3Dシェーダを使ってどのような可能性があるかを紹介します。

1. はじめに「PyroCluster」は、ボリューム効果のある煙、爆発や火炎の画像効果を作成する強靭なツールです。この3D シェーダはパーティクルを基本とし、CINEMA 4D に互換したパーティクルやモジュール独自のパーティクルシステム「Thinking Particles」を使って生成できます。もちろんこのシェーダはアニメーションも可能であり、「PyroCluster」をインストールした後にマテリアルマネージャの「ファイル ->PyroCluster」からアクセスできます。この他については後で説明します。

このモジュールを使用すると映画のようにリアルな効果が作成できます。このチュートリアルを完了された頃には、思ったより簡単に複数の効果が作成できるでしょう。既に述べたように、PyroCluster は CINEMA 4D のパーティクルシステムを使用するのでアニーションも可能です。PyroCluster によって指定されるのは単に外観であり、目的の効果を達成するために風、重力、タービュランスといったモディファイアが全部使用できます。1つのシーンに複数のボリューム効果をミキシングやレンダリングして、効果の組み合わせをより多く作成させるのがこの技術です。あなたが幸運な「Thinking Particles」の所有者であれば、爆発等の効果を生成するのにより多くの可能性が用意されています。CINEMA 4Dは統合されたパーティクルシステムを使って、あなたに時間と空間を忘れさせるに充分な機会を提供します。

監督のかちんこの音が聞きたい方は、この機会にそのまま4章「クイックスタートチュートリアル パート1」へ進めば良いでしょう。ここでは知識欲旺盛なユーザのために PyroCluster のインターフェースの基礎的事実を幾つか説明しています。

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97CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

2. 総合情報とインターフェイス

実際の効果は基本的に、PyroCluster シェーダ、PyroCluster ボリュームトレーサ、エミッタと1つの環境オブジェクトから

成り立っています。これらが一緒になって、どんな花火技術効果も作成できる設定の属性に必要なエレメントを包含してい

ます。次はコンポーネントの詳細です。

PyroCluster シェーダはエミッタに指定されたマテリアルです。ここで、PyroCluste のマテリアルマネージャの「グローバル」メニューにある「設定」で幾つかプリセットを入力する作業をします。

PyroClusterマテリアルマネージャのメニューを使うと、火炎、火山、雲や水蒸気、火砂流や煙などクールな画像効果が最も迅速にそして自由に作成できます。グラデーションを設定したり、独自照明の属性やシャドウのパラメータが指定できます。

PyroCluster ボリュームトレーサはボリューム効果を作成し、環境オブジェクトに指定されます。レンダリングモード、ワールド分割サイズ(最も重要なパラメータの1つ。詳細は6章「Tips と秘訣」をご覧下さい)、レイトランスリミットなどの設定が可能です。

CINEMA 4D 独自のエミッタはパーティクルシステムの一部です。パーティクルを放射するオブジェクトであり、好きなように修正できます。また出現率の数、速度、寿命やパーティクルの回転などの設定が可能です。

最後になりましたが重要な環境オブジェクトは、シーンに霧や環境カラーを追加することができます。私たちのケースでは、PyroCluster ボリュームトレーサをマテリアルとして組み込んで、シーンの体積計算を推定できるように役立ちます。

「プレビュー作成」は、全体のシーンをレンダリングする前に画像効果を点検する機会を与えてくれる有用な機能です。ですから急ぐ場合は計算時間が大幅に節約できます。また PyroCluster にはあなたのニーズに従って微調整ができる複数のフラクタルタイプも用意されています。例えば積雲などはガス雲とは異なったタイプのフラクタルが必要です。他のフラクタルを使用すると珊瑚や石の変形をはじめとした多くの描写ができます。

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98 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

効果の実行や「展開」は球体、立方体や他のオブジェクトの形状で表示できます。これによって全体の効果をレンダリングせずに煙のたなびがどの位まで移動したかなど、効果の素晴らしい概要をあなたに与えます。もちろん全ての PyroCluster効果ではシーンの通常のライティングを使用しながら影を落とすことが希望できます。補足として例えば自己照明は火炎の効果に使用でき、ラジオシティの計算(Advanced Render モジュール「通常」の発光マテリアル)に取り入れられます。

ここで前置きは充分にしてクイックチュートリアルで実際の作業に取りかかりましょう。比較的小さなシーンを使ってどのように目的の結果を簡単に達成できるかを説明します。このチュートリアルを完了すれば、あなた独自の効果を作成できる能力が身に付いていることでしょう。

コーヒーでも入れて椅子の背にもたれて少しリラックスしながら、時間をかけて次のサンプル画像を観察して下さい。 PyroClusterで行える可能性の印象が良く与えられるでしょう。

3. サンプル画像

4. クイックチュートリアル ‒ 勝利に向けての10 段階

このチュートリアルでは PyroCluster 効果に必要な10の基本設定を説明します。この練習を一旦終えたら、サンプルシー

ンの設定で色々試してみたり、あなたが希望する効果や設定など独自の属性を設定してみて下さい。

1. CINEMA 4D のメインメニュー「ファイル -> 新規」で新しい(空の)シーンを開いて下さい。

2.マテリアルマネージャ下部で「ファイル ->PyroCluster->PyroCluster」 と、「ファイル ->PyroCluster->PyroCluster ボリュームトレーサ」 を選択して下さい。

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99CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

3. 「オブジェクト ->シーン -> 環境」で1つの環境オブジェクトを作成して下さい。

4. 「オブジェクト ->パーティクル ->エミッタ」で1つのエミッタを作成して下さい。

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100 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

5. PyroCluster マテリアルをエミッタに指定します。

6. Pyrocluster ボリュームトレーサを空オブジェクトに指定します。

7. オブジェクトマネージャの座標マネージャで、エミッタの「P」 角度を 90 に設定して下さい。

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101CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

8. マテリアルマネージャの「PyroCluster」をダブルクリックして「グローバル」 メニューの「水蒸気」を選択して下さい。

9. 「全てのパラメータを変換してもいいですか?」 の問いに「yes」 と答え、マテリアルマネージャのウインドウを閉じます。

10. タイムスライダをフレーム 40 にまでドラッグし、「レンダリング->ビューをレンダリング」を選択します。

ここで深く椅子に腰掛けてあなたのコーヒーを飲み終えて下さい。

できあがりました! このシーンは比較的速く計算されましたが、シーンで使用する設定の複雑さによって計算時間がより長くなることにやがて気付くでしょう。クオリティーを失わずにレンダリング時間を節約させるのに使う秘訣が幾つかあります。次のステップに進む前に設定を最適化させたい場合は、「Tipsと秘訣」の章に進んで下さい。

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102 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

5. クイックチュートリアル ‒ 最適化とアニメーション

このチュートリアルのパートでは、どのように水蒸気の効果をより現実的にさせるか、動きのなかでどのように見えるかを紹介しましょう。エミッタがビューのエッジ底下に沈むまでエディタビューを動かして下さい。最初のアニメーションを生成する前に PyroCluster ボリュームトレーサを少し修正する必要があります。マテリアルマネージャでボリュームトレーサをダブルクリックし、レンダリングモードを「ユーザ定義」に設定して「ワールド分割サイズ」を10 に上げます。

この設定を変更した理由は次の章で説明します。「レンダリングビュー ->プレビュー作成」を選択し、レンダリングモードをフルレンダリングにフレームレートを15 に設定して「OK」をクリックします。

僅かのクリックで最初の PyroClusterアニメーションを作成しました。ご覧のように空のシーンから(殆ど)完成したアニメーションへこんなに素早く移行できるのです。オブジェクトを2つ使用すればシーンをより活気づけることもできます。「オブジェクト ->パーティクル ->タービュランス」でタービュランスを1つ作成し、CINEMA 4D のパーティクルシステム「オブジェクト->パーティクル ->減速」で1つの減速オブジェクトを作成し、この両方をYサイズ1000とします。これでエディタビューが下の画像のように見えるはずです。

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103CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

エミッタのパーティクル値であるエディタでの出現率とレンダリングでの出現率を両方 20 に上げて下さい(オブジェクトマネージャのエミッタをクリックして「パーティクル」メニューを選択)。また寿命を 500 から100 に減らして速度のパラメータを300 にします。「パーティクル」に切り替えて水平噴射角度と垂直噴射角度を30 に設定します。減速オブジェクトの減速量は4 にします。

次にメインメニューで「レンダリング->プレビュー作成」で別のプレビューを作成して下さい。

これで水蒸気がもっと現実的にふるまうようになりました。パーティクルは速く放射されますが、より短い寿命を持ち広い角度 30 °で噴射します。タービュランスオブジェクトはその名の通りタービュランスを追加し、減速オブジェクトはパーティクルを減速させ、この値が充分に上がるとパーティクルを完全に停止させることさえ可能です。もちろんあなた独自の設定や追加設定も試すことができるでしょう。様々な設定を試してどれが一番あなたのシーンに働くかを見て下さい。私たちの新規設定でシーンが完了すると、ビューアがこの効果を水蒸気として認識することができます。

秘訣を紹介する前に、レンダリングをスピードアップさせるグラデーション(カラーグラデーション、「PyroClusterマテリアル」をダブルクリックして「時間変化」のメニュー)についての情報を入手するようにお勧めします。グラデーションによって多くのパラメータがコントロールされているので、カラーだけでなくアニメーション、外観、特別効果の年齢やサイズといった属性にも影響することができます。パーティクル寿命中のいわゆるボクセルに影響する非常にパワフルな機能がここで対処しています。例えば「古い半径」は生成と消滅間のボクセル拡張を変更します。同じく寿命期間にボリュームがどのカラーになるかも指定できます。あなたがトライできる信じられないほど多くの設定があります。

「Tips と秘訣」の章を見る機会がありましたか?この章を既にご覧になっていれば、チュートリアルのコースでレンダリング時間を大幅に節約できるようになっていることでしょう。

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104 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ PyroCluster

6. Tipsと秘訣

レンダリングを最適化するには複数の方法がありますが、最も効果的な方法は PyroCluster ボリュームの「ワールド分割サイズ」のパラメータを増加させることです。ここには同じく複数のレンダリングモードの設定があり、引き下ろしメニューをクリックすると「ユーザ定義」がリストにあります。この「ユーザ定義」を選択すると「ワールド分割サイズ」のパラメータ編集が有効になります。PyroCluster ボリュームトレーサをダブルクリックして、レンダリングモードを「ユーザ定義」に設定して下さい。そして「ワールド分割サイズ」の値を20 に上げ、マテリアルマネージャを閉じてシーンをレンダリングします。

ワールド分割サイズは3D 空間の分割を微妙に設定し、シーンにある PyroCluster のボリュームを検索します。低い値を設定すると画像の計算時間が増加し、高い値を設定すると計算時間を減少させます。あなたがすべきことは、受け入れられる値をみつけることです。クオリティに妥協することなくレンダリング時間を劇的に改善することが大体できるでしょう。信じられないことのようですが、この値を上げることによってレンダリング時間を100の因数(或はそれ以上)減少することができるのです。4章 PyroClusterマニュアルの「PyroCluster の作業」では、受け入れられる値を見つけるのに大変良い解決策があります。値をいろいろ試してみて何が一番良いかは自分で決めて下さい。同じく「レイトランスデプス」の値を上げると、レンダリングが高速化できます。

パーティクル数を減少させるのもレンダリング時間を最適化する方法です。より少なめのパーティクルを使用して、代わりにボクセルのサイズを増加させるようにお勧めします。速いアニメーション動作またはパーティクルシステムの広い配列を含んだ例外を除いた殆どのシーンで、同じ結果に気付くことでしょう。

ライトがより少ないほど良くなります!もちろんこれはシーンの実際の外観についての話ではありません。照明をきちんとしないと、幾らシーンにライトがあっても決して充分ではありません。シーンの PyroCluste 効果に複数のライティングなしで済ませるには、PyroCluster の「 発光させる」と「 影を落とす」のチェックボックスを全または複数ライトで非選択にしなければいけません。PyroCluster 効果により多くのライトが含まれるとシーンをレンダリングする時間が長くなり、時々堪え難い程になってしまうことがあります。

7. 終わりに PyroClusterを使用すると印象深い効果がどのように素早く生成できるかをご覧頂きました。これから限界を試してもらう時が来たと思います。実際には限界などありませんが、どの効果が何を行うかざっと見て下さい。PyroCluster について不明なことがあれば、PyroClusterマニュアルをチェックしていろいろと試して下さい。

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105CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ NET Render

ここで示したのは効果を生成する多くの方法の1つであり、チュートリアルを理解するプロセスを簡単にするために制限を適用しているだけだということを覚えていて下さい。もちろんこの効果をビッグスクリーンの映画に生成するのなら、水蒸気の行動特性についてのリサーチも含めた詳細によりこだわる必要があります。あなたが以前に飲んでいたコーヒーを見てみましょう。まだ湯気が立っていますか?どのように水蒸気が上がるか詳細に注意してよく観察してからPyroClusterでシミュレーションして下さい。現実が最も良い見本であり、目的の「ハリウッド」効果を達成するためには良い観察力が最も重要な要素のひとつです。このモジュールを使うことで、想像するいかなるものでも生成できるというのは恐るべきことではありませんか?

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106 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ NET Render

NET Render について( オプショナルモジュール )

「もし CINEMA 4D アニメーションのレンダリングが全医学の進歩にも関わらず私の平均寿命よりずっと長くなったらどうすればよいか?」このように自問したことはありませんか?その答えは「NET Render」です!このクイックチュートリアルは、レンダリング待ちの時間を減少させる助けとなります。まず最初にこのチュートリアルがどのように構築されているか見てみましょう。

1. はじめに

NET Render は、あなたのアニメーションを時間通りに配信させる助けとなります。大きく複雑なアニメ-ションをあなたの

コンピュータで必要な時間内で処理するのは恐らく殆ど不可能でしょう。NET Render はあなたが所有するTCP/IP に連結したどの追加コンピュータもレンダリング過程に使用できます。たとえあなたに今作業中のコンピュータ1台しかない場合でも、NET Renderを使用すればレンダリング時間が半分に削減できます。さらに良いのはレンダリングファーム全般やネッ

トワークで既に連結されている提供可能な企業コンピュータを使用することです。CINEMA 4D のスタジオ・バンドルでは、NET Renderを使用してプロジェクトがレンダリングできるコンピュータやネットワークが数えきれなほど用意されています。

2. 総合情報とインターフェイス

このソフトウエアパッケージは2つのコンポーネント、サーバーとクライアントから成り立っています。簡単にジョブをサーバに送信して作業するクライアントに配信し、クライアントが完了したジョブを再びサーバに送信します。サーバーはジョブを知的に効率的に分配し、全体のネットワークは最も遅いコンピュータによって減速されることはありません。さらにレンダリング過程中に個別のクライアントをネットワークで追加または削除できます。この新しい収容能力はレンダリング過程にあるものを含めてサーバーに直ぐ登録されます。クライアントプログラムでさえ知的に反応しているのでデュアルプロセッサーでなされたジョブも両方のプロセッサーに均等に配信します。

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107CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ NET Render

3. サンプル画像

ご存知のように画像は言葉より多くを意味します。ここにあるのは最初の印象です。

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108 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ NET Render

4. クイックチュートリアル ‒インストールとインターフェイスTCP/IPのネットワークに連結された自由に使える4台のコンピュータをあなたが所有していると仮定しましょう。コンピュータナンバー1は(後でコンピュータの名称を「コンピュータ1」、「コンピュータ2」と変更します)、作業を配信するメインコンピュータです。他の残りのコンピュータはレンダリングを行います。コンピュータの計算処理能力を失わないで作業を継続させるために、コンピュータ1では全くレンダリングを行ないません。あくまでもこれは多くの可能なコンフィギュレーションの1つです。次のステップで進行して下さい。

コンピュータ1に NET Serverをインストールします。(インストーラファイルを起動すると、どの2つの NETレンダリングコンポーネントをインストールしたいか質問されます。このケースでは、NET Server のインストールだけで充分でしょう。マニュアルの冒頭には正確なインストールの秘訣や注意点などインストール一般についての手引があります)。コンピュータ2から 4 に NET Client をインストールします。次に NET Server がインストールされたコンピュータの IP アドレスを見つける必要があります(Windows XP では「スタート -> 実行」でキーボードの「cmd」を入力し「Return」を使って確認します)。トップの IP アドレスは正確なものでなければいけません。Mac OS Xのユーザは、「システム環境設定 ->ネットワーク」で IP アドレスが見つけられます。

次にコンピュータ2から 4 の3つのクライアントを全て起動して下さい。この3つのコンピュータの「ネットワーク設定」で得たばかりの「サーバーアドレス」を入力します。それから全てのクライアントを再起動します。

NET Serverを開いて何が起るかご覧下さい。3つのクライアントが全て正確に設定されていれば、NET Server のメインウインドウに表示されているはずです。各クライアントが「New Client」として登録された後、サーバーと通信します。これで最も困難な部分が完了しました。もしサーバーとクライアントがお互いを確認できない場合は、NET Renderer の「問題を解決する」の章を参照して下さい。

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109CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ NET Render

ウエッブブラウザを開き、次のアドレス http://127.0.0.1:8080 を入力して下さい。

これはポートを含めたデフォルトの IP アドレスであり、ブラウザを使ってジョブを配信できるNET Server があなたのコンピュータにインストールされている場合に使用しなければなりません。もし作業中のコンピュータが「レンダリングスレーブ」にインストールされている場合は、単に相当するコンピュータの IP アドレスを入力して下さい。あなたの作業中のコンピュータに NET Serverをインストールするのは避けられないことではありません。サーバーはリソースをまれにしか使用しないので、ネットワークに接続されたどのコンピュータでも実行することができます。

5. クイックチュートリアル ‒ ジョブと管理これはこのチュートリアルのパート2でジョブとユーザ管理について習います。ブラウザウインドウの「入力」をクリックして下さい。ユーザ名とパスワードを促されたら、デフォルトのアクセスコードであるユーザー名「administrator」、パスワード「maxon」を使います。ユーザーデータが位置する CINEMA 4D NET Render のメインディレクトリで依然として「Server.ini」が開けない場合は、Windowでノートパッドを開き、Macではテキストエディタを開いて下さい。ここに重要なポイントが幾つかあります。誤ってこのファイルを修正したり、開いたりしないで下さい。権限のない人がこのファイルにアクセスできると、このユーザ名でなされた全てのレンダリングジョブにもアクセスできることになります。

次は「jobs」のページに進んでいるはずです。「client」と「users」のページは後で説明します。テキストフィールドにユニークなプロジェクト名を入力し、「Create New Job」を押して確認します。この新しいジョブは「Inactive Jobs」に記載されているはずです。あなたが作成したばかりのジョブをクリックして次ページに進むと、左側に1つの「Upload」ボタンが見えるでしょう。このボタンをクリックすると、あなたの CINEMA 4Dプロジェクトのファイルがアップロードできます。「Search」をクリックしてあなたの CINEMA 4Dファイル(もちろん該当するテクスチャと共に)を選択します。ここでは10ファイルまでが選択できますが、10以上のファイルがあなたのプロジェクトに含まれている場合はこの手順を繰り返すか、または Tips と秘訣をご覧下さい。次に「Upload」ボタンをクリックすると再び「Details」のページに戻り、アップロードしたばかりのプロジェクトのファイルがリストされています。あとすべきことは、「Jobs」ページであなたのジョブ名の隣にある「Start」を押すだけです。

レンダリングの進行状態はパーセンテージでジョブの欄と同じページに表示されます。これによってどのジョブが終了したか、どれがまだレンダリング中なのかといった継続的な概要が提供されます。

「Clients」ページに進むと、あなたが開始したクライアントでどれが動作中でどれが怠けて何もしていないかなどをチェックすることができます。レンダリングが完了したら、あなたのジョブ名を単にクリックしてレンダリング画像をご覧下さい

(「Result Files」の右下)。目的のファイルを選択して「ダウンロード」をクリックします。このチュートリアルを完了したら「Tipsと秘訣」の章をどうかお読み下さい。ここには「どのクライアントもアクセスできるように、どこに私のテクスチャを保存すべきか?」といった重要な情報があります。

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110 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

それだけです!最初は NET Render の名前が少し近付き難いものに見えましたが、これでどのようにこのモジュールが簡単に操作できるかご覧頂いただきました。あなたが複雑なプログラムの設定よりもっと重要なことに集中できるように、このモジュールを可能な限り使い易くしました。

次にモジュールのユーザー管理について軽く触れましょう。新しいユーザを追加または削除できるのは管理者(administrator)だけです。ブラウザの「Users」ページに行き、有効でないユーザー名を入力してみて下さい(ジョブ名は「A-Z」の文字と「0-9」までの数字と「_」を含んだ最大 32 記号まで含むことが許されます)。「Create New User」をクリックして次のウインドウでパスワードを設定して下さい(セキュリティーの理由から、ユーザにパスワードを直接または暗号化して伝えて下さい)。ユーザーに管理者の特権も与えることができます。もちろんいつ何時でもユーザの削除や彼 / 彼女のユーザ情報が編集できます。新しいユーザが作成され古いユーザが削除された場合にだけ、ユーザ名を内部で変更できます。

これで NET Render の基本的情報を理解頂き、どのように働くかを知っていただきました。

6. Tipsと秘訣

NET Render の主な優越点は、小企業と小予算でもネットワークでレンダリングが行えることです。コンピュータを2台所有している方にでも時間と神経が節約できます。

選択するのは動的 TCP/IP だけにして下さい!ダイアルアップモデムを使用したインターネット接続のコンピュータはとりわけ、この「ダイナミック」設定を使用することが非常に重要です。あなたが再びインターネットに接続したい時はこの設定は戻しておかなければいけません。良い解決策は、既に固定のTCP/IP アドレスを持つネットワークコンピュータに NET Serverをインストールすることでしょう。

不愉快な不意打ちを避けるために、全 NET Client が必要なファイル全てにアクセスしているか確認して下さい。「ファイル->プロジェクトを保存」のオプションを使用して、レンダリングされる CINEMA 4D シーンを保存して下さい。「レンダリング->レンダリング設定」で全ての設定が正確かどうかを確認します。あなたの作業を特定パスに保存する必要はありませんが、次の問題点「どこに私の完了した作業が見つかるか?」を見てみましょう。

あなたがレンダリングした画像やムービーは、NET Render ディレクトリの「User->(あなたのディレクトリ)」の相当するジョブディレクトリ下にあります。

管理者の権限を持っていれば、規定のファイルサーバー(NET Client がインストールされたコンピュータ)から完了したファイルをあなたのコンピュータにダウンロードできます。

例えばあなたがバハマに休暇中であなたのアニメーションをレンダリングしたいとすればどうしましょう?問題ありません。レンダリングサーバーを外部アクセスに切り替えると、インターネットを通じて全てコントロールすることができます。

さらなる秘訣については NET Renderマニュアルに目を通して下さい。ここには最も一般的な問題とその解決策が用意されています。

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111CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

Dynamics について( オプショナルモジュール )

ここは Dynamics のクイックチュートリアルであり、あなたに重力と物理的現象の世界について知って頂くための助けとなるでしょう。2つのチュートリアル部分でサンプル画像を使いながら、この強靭なツールで何ができるかの印象を与えましょう。 チュートリアルがどのように構成されているか、から始めます。

1. はじめに

あなたは「質量の統治者」になることができます!といってもあなたの次のダイエットについて言及しているのではなく、非常に多くの仮想現実の質量を実際に指揮できるようになるということです。 Dynamics は物理的な身体の振る舞いを模倣させるのに完璧な拡張モジュールです。過去に大変時間集約的であったタスクを Dynamics は子供の遊びのようにしました。衝突、粘性力場や重力場のシミュレーションが全て Dynamicsで行え、仮想現実的なボーリングレーンやゴムといった柔軟なボディの模倣でさえ問題なく含まれます。もちろん剛体とソフトボディの衝突や混合も可能です。あなたが CINEMA 4D に慣れていたら、このモジュールは同じように迅速で確実です(剛体とソフトボディのシミュレーションがリアルタイムにできます)。どのDynamicsもプロジェクトによって調整できます。簡単にシミュレーションを「焼成」して実際のキーフレームアニメーションに変換してみて下さい。また、どのフレームもあなたの目的に合わせて手動で自由に修正できます。有望ではありませんか?単に聞こえ良くさせるだけでなく、あなた自身で確信できるように次の章で基本的なインターフェイスについて紹介します。

2. 総合情報とインターフェイス

殆どの場合 Dynamics シミュレーションの前提必要条件は、個別の Dynamic タグ(目的に合わせて剛体タグ、スプリンググまたはソフトボディタグ)を持った1つの解析オブジェクトと2つのオブジェクト、そして最も重要な物理現象、重力場の原因である1つのイフェクタです。メインメニューの「プラグイン」下に全ての Dynamics オブジェクトがあります。Dynamicsツールを統合してクイックアクセスすることも可能です。

「プラグイン ->Dynamics->Dynamics パレットを作成」を選択して下さい。簡単に上の青色バーをダブルクリックしてパレットの1つ上にまたはタブ上にドラッグします。Dynamics 機能が必要なポリゴンオブジェクトの右をクリックするとDynamicsタグが見つかります。もちろんこのような機能には無限の組み合わせがあり、少なくともそのうちの2つを後章でご紹介します。まずシミュレーションを可能にするために、重力場を含んだ全てのオブジェクトを解析オブジェクトの子オブジェクトにします。この解析オブジェクトの外にあるオブジェクトはシミュレーションに含まれません。これで1つのシーン内でお互いに完全に独立した複数シミュレーションの最適化が可能になります。ポリゴンオブジェクトの Dynamicタグの属性を幾つか変更しただけで、初めての Dynamic シミュレーションが得られます。このクイックスタートの航路を変えたくないので、これらと各コンポーネントがどのように一緒に働くかについての事実を幾つかお教えします。

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112 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

解析オブジェクトは Dynamics モジュールのスターです。ダイナミックシミュレーションの子オブジェクトとボディの計算をすべて引き継ぎます。使用されるアルゴリズムを指定して、衝突するオブジェクト間の距離を決定します ( 衝突検知距離 )。

この基本オブジェクトは Dynamicsシミュレーションに必要なオブジェクトに関連します。ポリゴンオブジェクトに変換されているパラメトリックなオブジェクトやインポートしたポリゴンオブジェクトが使用できます。

Dynamicsタグはオブジェクトにその特性を与えます。このためポリゴンオブジェクトが硬いメタルで一方では木のボディだっだり、或はゴム輪やプディングだったり、後はあなたの幻想の限界まで!Dynamicsタグには次の3タイプがあります。剛体タグは硬いサーフェスを持ったボディに使用します。スプリングタグはポリゴンオブジェクトにスプリングを付着させ、オブジェクトの各ポイントが1つの「スプリング」として働きます。メタルスプリングにぶらさがっている形や伝統的なジャックインザボックス(びっくり箱)がこの一例です。ソフトボディタグはゴムのボールや犬の耳のような柔らかいボディに主として使用されます。

イフェクタでは重力場、粘性力場と風力場があります。生成した重力場をドラッグしてオブジェクトに適用すると、結局アニメーションを終了させるように強制します。例えば転がるボールをドラッグせずにおくと、ゴムボールの転がりは停止せずにバウンスするのを止めないでしょう。イサック・ニュートンの足跡に従うのを待ちきれない場合は、次の章に進んで下さい。

3. サンプル画像

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113CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

4. クイックチュートリアル ‒ 剛体

これから複数のプリミティブがお互いに衝突し合うシーンを僅かのマウスクリックで作成しましょう。まず必要なオブジェクトの設定から始めます。メインメニューで「プラグイン ->Dynamics-> 解析オブジェクト」をクリックして下さい。

同じメニューで重力場オブジェクトを作成し、これを解析オブジェクトにドラッグします。以前に述べたように、解析オブジェクトに影響されるべきオブジェクトは全て解析オブジェクトの子オブジェクトである必要があります。解析オブジェクトの子でないオブジェクトは、解析オブジェクトによって影響されることはありません。次にお互いに衝突し合うオブジェクトが必要なので、メインメニューから「オブジェクト ->プリミティブ-> 球体、立方体、平面」で球体、立方体と平面をそれぞれ1つずつ作成します。平面の幅を3000m 高さを1000m に球体の半径を 80m に設定し、立方体は作成したそのままのサイズにしておきます。立方体の各軸方向の分割数を7 に設定してます。他のオブジェクトの該当する「分割数」のフィールドはそれぞれ10 を入力して下さい。

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114 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

全体のシーンが見えるようにズームアウトして下さい。平面オブジェクトを「B」角度に15 °傾け、他のオブジェクトを次の画像の位置にほぼなるように配置します。

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115CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

立方体と球体はお互いにパスを交差しないように平面よりかなり上の、上面から各平面の半分上が見える位置に配置すべきです。球体、立方体と平面を解析オブジェクト上にドラッグして、これらをメインメニューの「ファンクション -> 編集可能にする」でポリゴンに変換するか、または下図のアイコンをクリックします。

次の段階では Dynamicsタグを使って Dynamics の属性を指定します。ソフトサーフェスの属性にはソフトボディタグが必要です。球体と立方体をバウンスさせないで表面上に落としたいので、剛体タグが必要です。各オブジェクトに右マウスボタンで「Dynamicsタグ-> 剛体」で剛体タグを適用して下さい。

これでアニメーションを再生すると、全てのオブジェクトが画面から消えてしまうことに気付くでしょう。この状態が起った理由は、全オブジェクトが質量を持っているからです。その位置から動かないオブジェクトが少なくとも1つ必要であり、他のオブジェクトが衝突できるようにします。これが平面の仕事です。ダイアログフィールドで平面の「総質量」を「0」にします。次にシーンを再生すると、平面オブジェクトは移動しませんが、総合の結果はまだ満足できるものではありません。オブジェクトが平面を通過して落ちてしまう理由は、衝突の属性を持ったオブジェクトがないからです。3つのオブジェクトにそれぞれ「衝突判定」の値を「ポリゴン」にします。あなたのワークフローを高速化するには、全てのタグを一度に選択し、全オブジェクトに変更を行います(「立方体」や「球体」の設定も使用できます。これらは「ポリゴン」よりずっと高速であり、よく単一オブジェクトに効果的です)。

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116 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

アニメーションを再生する前にアニメーションの長さを変更しましょう。「編集 ->プロジェクト設定」をクリックして「終了フレーム」のパラメータを300フレームに変更して下さい。こうして解析オブジェクトがアニメーションのフレーム 75 で停止しなくなったので、同じく右ダイアログフィールドの「基本」で「終了フレーム」のパラメータを300 にします。

まだアニメーションは退屈ですが、少なくともDynamicsで何が期待できるかをデモンストレーションできます。(2つのボディが落ちて衝突する!)オブジェクトを私たちの希望通りにふるまわせるには更に2つの設定をが必要です。解析オブジェクトをクリックし、「エネルギーの減衰」の値を 5% から2% に設定します。これによってオブジェクトを徹底的に遅くなるように保ちます。次に「場の性質」ダイアログボックスにある「強度」の値を3 に設定して下さい。

これでオーケーです。再生ボタンをクリックしてこの章を終了しましょう。もしオブジェクトが目的の通りにふるまわなければ、これは解析オブジェクトの積分法とそのオーバーサンプリングの設定による可能性があります。オーバーサンプリングの値が高いほど、解析オブジェクトのシミュレーションがより正確になります。もちろんこの場合はシミュレーションに要する計算時間も増加します。

重要な秘訣があります。オブジェクトの1つが正確に位置していない場合は、解析オブジェクトの選択が外れていない限りこの位置は変更することができません。オブジェクトの位置を変更した後は「プラグイン->Dynamics->全ての解析オブジェクトを初期化」を選択するか、全てのオブジェクトを初期化せねばなりません。それから解析オブジェクトが再び選択できます。

異なった属性の設定を試して、Dynamicタグ、重力場オブジェクトや解析オブジェクトに何が変化するかを見てください。変更や変化量は限りがないものであり、あなたの目的の結果に達成するためには多くの微調整が必要です。次にこのチュートリアルの2番目の部分、ソフトボディに移りましょう。

5. クイックチュートリアル ‒ ソフトボディ

この短い章では、 Dynamic のソフトボディについて紹介したいと思います。ソフトボディオブジェクトは任意の数のポリゴンボディで構成されることができます。私たちの目的に1つのプリミティブを使用します。

新しいシーン(空の)を「ファイル -> 新規」で開き、1つのトーラスを「オブジェクト ->プリミティブ->トーラス」で作成して下さい。オブジェクトの「P」角度を 90 °に回転してリングが垂直に座るようにし、「リングの分割数」と「パイプの分割数」をそれぞれ6に変更します。「オブジェクト ->NURBS->HyperNURBS」で1つの HyperNURBS オブジェクトを作成してトーラスをこの子オブジェクトにします。トーラスを「ファンクション -> 編集可能にする」でポリゴンオブジェクトに変換することを忘れないで下さい。

1つの解析オブジェクトと重力場オブジェクトを作成して下さい(「プラグイン ->Dynamics-> 解析オブジェクト、重力場オブジェクト」)。HyperNURBS とトーラスそして重力場オブジェクトを解析オブジェクトの中にドラッグします。

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117CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Dynamics

右マウスボタンを使って「Dynamicsタグ ->ソフトボディ」でソフトボディをトーラスに指定します。すると新しいウインドウが自動的に開くので、ここでソフトボディタグのパラメータが変更できます。このウインドウのメインメニューで「スプリング->ソフトスプリングを追加」を選択し、サブウインドウにある「方法」を「布」に設定して「OK」をクリックします。

「布」のメニューで「リラックス」(変形の分散)のボックスをチェックしてこのウインドウを閉じます。全て正確に行われたら、エディタビューは下の画像のようになるはずです。

アニメーションを再生すると、先程の章と同じような状況になっているでしょう。ポリゴンオブジェクトが画面から落ちてしまうので、質量をゼロの値に設定しなければいけません。でもどこにでしょうか?「プラグイン ->Dynamics」のメニューから「ポイントの質量を指定」を使用しましょう。トーラスのポイントの質量を「0」に設定してポイントの位置を保ち、トーラスの他ポイントは重力の法則に従うようにさせます。

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これにはポイントモードでトーラス上部のポイントを1つ或はそれ以上選択し、「プラグイン ->Dynamics->ポイントの質量を指定」を選択します。ポイントの質量の値を 0 に変更して「OK」をクリックします。

最後に解析オブジェクトの「積分法」を「最適」から「ソフトボディ」に変更して、再びアニメーションを開始して下さい。

これで完了です!トーラスが1つの仮想的なフックを持ち、あなたが押すと揺れます。

ポリゴンボディの物理学的状態について私たちが言えることは余りありませんが、その物理的現象の状態については少し述べることができます。トーラスはゴムのような質量の属性を持っていると仮定され、重力場と与えられた属性に従ってふるまいます。このチュートリアルの第2番目のパートでご紹介したのはソフトボディで行なえる多くの可能性の1例です。仮想的にバリエーションには際限がありません。次にあなたのワークフローを向上させる部分に移りましょう。

6. Tipsと秘訣

エディタのフレームレートは常時「全フレーム」(「アニメーション ->フレームレート -> 全フレーム」)に設定して下さい。CINEMA 4D は既に指定したフレーム数に粘着するので、この機能が Dynamics シミュレーションの画像を全て確実に可視にさせ、削除されることがないようにします。

Dynamics シミュレーションはその複雑性によって非常に長い計算時間がかかる可能性があり、高い CPU が必要になることがあります。エディタウインドウのスムーズな描写を断念することなく同じ結果を達成する方法が幾つかあります。スムーズな描写を行なうことによってテスト段階で大幅な時間が節約できます。

良い方法としては、より複雑さの少ないポリゴンオブジェクトを使用して、これらを1つの HyperNURBS オブジェクトの子オブジェクトとして指定することです。殆どのケースでは同じ結果に留まります。例えばソフトボディスプリングのシミュレーションでは、Dynamics シミュレーションで少しのスプリングしか使用されないので、シミュレーションがより流動的になります。

Dynamics シミュレーションを焼成して下さい。これによってシミュレーションがキーフレームに変換され、エディタウインドウでもっとスムーズな描写がされるようになります。キーフレームを干渉したり移動または削除でき、目的によってはシミュレーションの部分を完全に変更できます。

衝突の代わりに負の衝突の力場も使用できます。この方法はより高速で計算でき、殆どの場合同じ結果を配信します。「球体」または「立方体」といった設定も試してみて、これらがどのようにシミュレーションを変化させるかご覧下さい。

あなたのオブジェクトが未だ平面を通過しているようでしたら、単に解析オブジェクトのオーバーサンプリング数を増加して下さい。例えば値が4では、 Dynamic が各フレーム間で4つの追加画像を計算するという意味になります。オーバーサンプリング数が8であると、各フレーム間で計算される画像数は2倍の結果になります。この値が高くなるほど、正確に衝突

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119CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ BodyPaint 3D

が計算される見込みが高くなります。もちろんオーバーサンプリングの値が増加するごとに、フレームレートは抑えることになります。

他の手段として、解析オブジェクトの衝突検知距離の値を増加することができます。この値をより高くすると、衝突アルゴリズムが生じるポリゴンオブジェクト周辺のエリアを増加させます。これによってオブジェクトがより速く検知され、平面オブジェクトを通過するのも防ぐことができます。

さらなる秘訣は Dynamics のハンドブックをご覧下さい(シミュレーションを最適化する秘訣はこのハンドブックの「FAQ」章にあります)。

このパートのクイックチュートリアルはこれでおしまいです。最後に言い残したことがあります。あなたのシミュレーションが思ったようにうまくいかない場合は、気にし過ぎないで下さい。Dynamics の効力を習得するのに時間は必要ですが、短時間の調整でこの強靭なモジュールの物理的効力がマスターできるようになることでしょう。

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BodyPaint 3Dについて( オプショナルモジュール )

ここは BodyPaint のチュートリアルです。「ボディペインティング」の世界に入る助走スタートとして、最も重要な機能を説明します。最初は BodyPaint が難しく思えるかもしれませんが、BodyPaint 3D が実際どんなに直感的であるかをすぐ発見して頂けることでしょう。このチュートリアルでは、このモジュールの速いラーニングカーブと高度なユーザフレンドリーさを強調したいと思います。まず構造についてから始めましょう。

1. はじめに

BodyPaint 3D はテクスチャを使った作業手段に大革命をもたらし、今では欠かせることのできない存在にまでなりました。このモジュールでは3D でモデルに直接ペイントができます。 このように革命的な方法で BodyPaint 3D はオブジェクトをテクスチャ化します。追加として、BodyPaint 3D は複数のテクスチャチャンネルに一度にペイントでき、レンダリングした画像にさえ直接レイレイブラシできます。プロジェクション・ペイントは、複雑なオブジェクト上で歪みなしにペイントできるように統合されたツールです。

UV ツールを使用するとあなたの UVメッシュの複雑さにかかわらず、これをリラックさせて引き伸すことができます。簡単に言えば UVメッシュはポリゴンメッシュの第2番目の印象であり、ポリゴンオブジェクトの上にテクスチャを投影します。もはや2D テクスチャの時代は終わり、ついにテクスチャで重要な創造性に集中することができるのです。2次元テクスチャでかなり時間を要した作業でも今では BodyPaint 3D で全て処理することができるので投影がより速く調達できます。次はユーザインターフェイスに移りましょう。

2. 総合情報とインターフェイス

まず最初に次のページにあるスクリーンショットをご覧下さい。

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ご覧になっているのは2つのスタンダードレイアウトの1つ、「BP UV Edit」です。2番目のレイアウト「BP 3D Paint」は似たような型ですが、UVメッシュの編集ウインドウがないのでよりエディタでペイントする空間が与えられます。

1. エディタウインドウ (レイブラシウインドウ )

ここではペイントされるオブジェクトが表示されます。必要に応じてウインドウを回転、移動やズームすることができます。レイブラシモードは、レンダリングされたバージョンのビューで、オブジェクト上に直接ペイントさせます。これによってカラーが適用される総数のコントロールができ、どのように新しいカラーがオブジェクトに見えるかどうかが直ぐに判ります。

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2. テクスチャ表示 (UV-メッシュ編集ウインドウ )

UVメッシュを編集したり、リラックスさせたり修復させたりできます。UV マネージャの UV ツールを使用するとテクスチャがどの程度ゆるむかを見れます。カラー適用の過程もこのウインドウにすぐ表示されます。

3. ツール設定 /属性ウインドウ(UVマネージャを含む)

タブ間をスイッチして異なった種類のブラシの属性を作成し、UV マネージャの UV ツールを可視にします。

UV マネージャは、アルゴリズムを使って UVメッシュを修復させます。レイヤ化したポリゴンを認識し、UVメッシュを全表面に対して最適の配置にリラックスさせ、必要な場合は新しく配置します。残りのゆるみが全て手動で調整できます。

4. オブジェクトマネージャ

オブジェクトマネージャについて多くを語る必要はないでしょう。これはメインプログラムの CINEMA 4Dと同じマネージャであり、ここでは編集するオブジェクトを選択したりまたは階層の位置を変更したりできます。

5. マテリアルマネージャ

これも拡張機能を備えたCINEMA 4Dのマネージャと同じマネージャです。ここにはテクスチャとそのレイヤが表示されます。必要であれば複数レイヤが一度にペイントできます(例えばカラーやレリーフチャンネル)。これにはペイントされるべきテクスチャと相当するレイヤを選択してペイントを開始するだけです。

6. コマンドパレット

コマンドパレットにはペイントアシスタントのプロジェクション・ペイントや他多くのツールが含まれており、2D ペイントプログラムで既に使用したものがあるかも知れません。ペイントセットアップウィザードは UVメッシュを含んだテクスチャを手動で作成する手間を省きます。またこれはテクスチャサイズとチャンネルも計算します。このように面倒な準備なしですぐ描画ができるのです。

3. サンプル画像 このチュートリアルの部分で説明は必要ありません。どうか次の画像をご覧下さい。

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4. クイックチュートリアル ‒ ペイントセットアップウィザードペイントセットアップウィザードはあなたの掌中から多くの作業準備を取り除くので、数秒でテクスチャ化やペイントが始められます。オブジェクトを実際にペイントする前に、どのように素早く僅かな段階を経てペイントが開始できるかを紹介します。

「オブジェクト ->プリミティブ-> 円錐」で1つの円錐プリミティブを作成して下さい。既に定義されたスタンダードレイアウトの「BP 3D Paint」に切り替えます。

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「ペイントセットアップウィザード」のアイコンをクリックします。

そして「次 >>」のボタンを2回、「終了>>」のボタンを1回選択してから「閉じる」をクリックし、アシスタントを終了します。コマンドパレットの左側で「テクスチャを描画するためのペイントブラシ」を選択します。

それから左マウスボタンを押さえながら、カーソルを円錐上にドラッグします。できあがりです!

実際白いマークがついた円錐を必要とすることはないでしょう。これは単にどのように BodyPaint 3D が働くかのデモンストレーションです。

次はこのチュートリアルの核心に触れましょう。「Claude_BP_start_j.c4d」のファイルを開いて下さい。私たちのテンジクネズミの Claude を紹介します。このチュートリアルのコースでは、彼の右まぶたの色を少し変更してバンプレイヤに象のような皮膚を適用します。

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CINEMA 4Dメインエディタウインドウの左側にある、既に定義されたスタンダードレイアウト「BP UV Edit」を選択します。ペイントセットアップウィザードのアイコンをクリックして、テクスチャに必要な準備をさせます。

開いたウインドウで「全て選択を解除」をクリックし、緑色のチェックマークを「右まぶた」のオブジェクトにだけ適用します。

これで右まぶたのオブジェクトにだけテクスチャが作成されるように指定しました。「次 >>」をクリックし、次のウインドウでの設定はそのままにしておいて下さい。「単一マテリアルモード」を選択すると個別オブジェクトに各々のテクスチャを作成します。このボックスがチェックされていないと、全オブジェクトが1つのテクスチャ表面を分け合うことになります。再び「次 >>」をクリックし、次のウインドウではバンプチャンネルをチェックします。カラーチャンネルはデフォルトで選択されています。各テクスチャチャンネルの隣にある小さな灰色のボックスをダブルクリックすると、各チャンネルに基本カラーが指定できます。Claude は象のように灰色なのでこのボックスはこの状態にしておきます。残りの設定はそのままにしておき、「終了>>」をクリックし、それから次のウインドウで「閉じる」を押します。これで基本テクスチャが作成されたのでペイントが開始できます。以前にテクスチャ化を経験されたことがあるならば、BodyPaint 3D で作業を始めるのは祝福のようなものです。BodyPaint 3Dを使うと多くの時間が節約できます。それではチュートリアルの第2部であるUVメッシュと最初のブラシストロークに移動しましょう。

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5. クイックチュートリアル ‒ 最初のペイントレッスン

マテリアルマネージャの下部に、作成したばかりのテクスチャが「Mat」のすぐ隣に表示されています。

これは新規テクスチャのデフォルト名です。もちろんテクスチャの名前は好きなように変えられます。最初のマテリアルはカラーレイヤ、2番目はバンプレイヤです(ウインドウ上部にこれらのレイヤと参照した略語が見えます。「C」はカラー、「B」はバンプ)。次に「UV ポリゴン編集ツールを使用」のシンボルを選択して下さい。

カラーチャンネルに相当するテクスチャを一旦選択すると、右上のテクスチャ表示にUVメッシュが表示されるはずです。メッシュが不可視の場合は、テクスチャ表示のメニューで「UVメッシュ->UVメッシュを表示」をクリックして有効にして下さい。

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幸運なことにUVメッシュは良い状態のようです。ただ気になるのは、まぶたのふちが小さすぎることです(次の画像で赤色にハイライトされている部分)。

まぶたのふちのUVメッシュポリゴンは、他のポリゴン箇所と比べて少しのテクスチャ領域を必要とします。そのためバンプチャンネルに配置されたテクスチャが、この箇所にはより大きく表れます(例えば象の皮膚の写真など)。しかし私たちは表面上に皮膚構造のペイントをするので、既存のテクスチャは使用しません。「プロジェクション・ペイント」を使用しながら手動でペイント中の場合は、遭遇するかもしれない歪みを全て反撃することができます。ポリゴンがメッシュ上にどのように広がっても、ストロークの幅は維持されます。

エディタビューを移動し、Claudの右まぶたが視界を満たすまでズームして下さい。

左側のコマンドパレットでブラシを選択します。

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それから「選択チャンネルを表示」 を使用してすぐ下のピンクカラーを選択します。

右側に表示されるスライドを使います。次にカラーを適用するブラシを準備します。ブラシの属性マネージャでサイズを25にコントラストを40 に設定します。

必要であれば HyperNURBS の分割数を増加して下さい。コマンドパレットの「ビューをレイブラシ」を選択します。

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(このアイコンによってビューがレンダリングされ、カラーの適用とストローク、最終レンダリングの外観がコントロールできます)「プロジェクション・ペイントを選択 / 非選択」を選択します。

(この機能が何をするかはもうご存知でしょう) それからペイントを開始して下さい。もちろん BodyPaint 3D では WACOM Intuous のようなグラフィッタブレットをサポートしています。マウスを使ってペイントするよりも、グラフィックタブレットの筆圧に敏感なペンを使ってオブジェクトにペイントするほうがすっと簡単です。

まぶたのふちに沿ってペイントします。その結果まぶたが次図のようになります。

形を移動や回転するか、または「投影法を適用」をクリックします。

これでどのようにカラーがテクスチャに適用されたかご覧頂けるでしょう(右ウインドウに最近適用したストロークのカラーが表示されています)。

同じステップをバンプレイヤに行なうことができますが、一段階先に進んで重要な機能について説明しましょう。これから両まぶたを同時にペイントします。

マテリアルマネージャのカラーチャンネルのテクスチャを選択して下さい。次にマテリアルマネージャ左側の鉛筆アイコン下にある赤い「x」をクリックします。緑色のチェックマークはマルチブラシのモードが選択されたということです。同じくパンプチャンネルの「B」の隣にある鉛筆アイコンも選択します。

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これで BodyPaint 3D に両方のレイヤを同時にペイントさせるように指示しました。お好みでスタンダードレイアウト「BP UV Edit」から「BP 3D Paint」レイアウトに切り替えても良いです。このレイアウトはエディタにより多くの作業スペースを与えます。

上からまふたが見えるようにビューを回転させて下さい。「ビューをレイブラシ」と「プロジェクション・ペイントを選択 / 非選択」モードを選択し、ブラシのサイズを10、コントラストを 40 に設定します。描画色設定のメニュー「カラー」でまふたの基本カラーとなる中程度の灰色を設定します。次にバンプレイヤのカラープレビュに行き、カラーを黒色に設定します。オブジェクト上をペイントすると、基本カラーの灰色と黒色(へこみを表す)の両カラーがオブジェクトに適用されているのに気がつくでしょう(もしレリーフチャンネルのカラーが白色であれば、へこみを表す代わりにブラシストロークを上げることになるでしょう)。結果は次の画像のようになるはずです。

時間があれば、Claude_BP_final_j.c4d のファイルを読み込んで観察して下さい。次は、素早く簡単にすばらしい結果に到達できるための日常の秘訣です。

6. Tipsと秘訣

CINEMA 4D の一般設定 (Ctrl+E) にある「BodyPaint」のメニューに、「不可視部分にも投影」の機能があります。これを

選択するとあなたの作業をもっと簡単にできます。 形の腕に色を塗るかまたは全体の形の上にカラーをふりかけたいと想定

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131CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ BodyPaint 3D

しましょう。この機能の選択が外れていると、カラーを適用して腕を回転して、またカラーを適用してというように、残りの過程は想像がつくでしょう。この機能を選択してフロントビューにカラーを適用すると、この表面の裏側にあるサーフェス全てにも同時にカラーが適用されます。ですからこの機能を選択してオブジェクトに目的でないカラーを適用しないように注意して下さい。

大きなポリゴンと小さなポリゴンが出会うポイントにテクスチャマップが正確に適合しない場合は(HyperNURBS 従属の低ポリゴンオブジェクトのケース)、 「UV 座標の扱い」の機能を 「通常」から 「境界」または 「エッジ」に設定します。これによって UVメッシュが HyperNURBS のアルゴリズムを通して送られ、適合するようにポリゴンオブジェクトを分割します。

バンプレイヤに 「ノイズテクスチャ」を適用する際は、1つのポイントに合うUVメッシュを回避して下さい。3側面のポリゴンが狭くなるほど、よりきめの粗いバンプノイズチャンネルがレンダリングされます。もちろんこのようなポリゴンは中心よりもその先端にノイズ構造の箇所がより少なくなっており、結果としてノイズ効果の拡大効果となります。三角ポリゴンの両側を1つの2等辺として設定して試して下さい。これは不等辺四辺形に変換する際の「4ポイントポリゴン」にも通用します。ポリゴンがより角張るほど構造はより均等になります。

言うまでもなく、テクスチャの外観に応じて異なったブラシが必要です。CINEMA 4D には広範囲にわたるブラシの種類が用意されています。 「属性」タブを選択してブラシプレビュ上の小さな矢印をクリックしてみて下さい。

ここではあなたの心が弾むようなブラシを全て見つけることができるでしょう。お探しのブラシが見つからない場合は、独自のブラシを作成して保存するという可能性があります。これには単に目的の変更を作成し、 「プリセットに追加」のボタンを押すだけです。

このチュートリアルでどのように BodyPaint 3D が働くかを知って頂いたので、ご自分でオブジェクトに直接ペイントできる優越点を確信して下さい。ほんの僅かな練習で、次の画像 Claude の新しいテクスチャ一式に似通った結果を達成することができます。

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ここでも最善の結果を得るには、同じ規則「習得するだけでなくそれを試すこと!」があてはまります。

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133CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

MOCCAについて( オプショナルモジュール )

これは MOCCA モジュールのクイッックチュートリアルであり、 このモジュールは特にキャラクタアニメーション用ツールのコレクションです。

1. はじめに

3D キャラクタのアニメーションは複雑な分野です。単にソフトウエアだけでなく、アニメータの挑戦でもあります。誰にでも一方向に移動するキャラクタは素早く作成できますが、説得力のあるキャラクタアニメーションを作成するにはかなりの作業が必要です。アニメータはアニメーションの善し悪しを判定する前に、キャラクタアニメーションの背後にある理論を知る必要があります。

MOCCA パレットに進む前に、さっと「キャラクタアニメーションの12の原則」に行きましょう。これら12の原則は1930年代のディズニーアニメーションにさか登り、現代の3Dアニメーションにも殆ど1対1の比率で適用できます。これらはキャラクタだけでなく、あなたがアニメートするどんなものにも有用です。キャラクタアニメーションに真剣であれば、天井からベッドに至るまでこれらの規則に固執すべきです(それ以外のことは今は放っておいて;o)。そうすれば得心の行くようなアニメーションのキャラクタは、あと忍耐の問題だけです。

押しつぶし、引き伸ばす ‒ どんな有機体のオブジェクトも動くと何か変形します。押しつぶし、引き伸ばすはキャラクタが動く際の効果を誇張します。

演出 ‒ アニメーションの設定であり、ライティング、カメラ角度、効果やスローモーションなどを含みます。

予測させる ‒ 動作に反応する期待は予測として知られています。

ストレートなアクションとポーズツーポーズのアクション ‒ これらの用語は2つのアニメーション技術を描写します。ポーズツーポーズは2つの重要なキーポーズを設定し、このキーポーズ間がフレームで満たされます。ストレートなアクションは、直進する時間でキーを1つおきに設定します。

フォロースルーとアクションのオーバーラップ ‒ 原動力またはボディパーツの動作のオーバーラップ。

ゆっくり始まり、ゆっくり終わる ‒ 1つのオブジェクトがゆっくりと移動し始め、その最高速度に達して徐々に速度を落として停止することです。

弧を描く ‒ 腕の揺れでも頭の回転であっても、自然では殆どの運動がカーブで描写されます。

セカンダリモーション ‒ 他のオブジェクトの運動で作成された動きです。

タイミング ‒ 動作が実行される速度のことです。

誇張する ‒ キャラクターが崖からぶら下がっている際に腕が長すぎるほど伸びたり、驚きの表現を示唆する助けとして目の玉を飛び出せたり等多くの例で使用できます。

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134 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

アピールする ‒ キャラクタの印象、外観や性質。

個性を出す ‒ 良いアニメータは、キャラクターに俳優のような自己表現をさせることが可能なはずです。

これらの原則についてより詳しい説明は、オンラインや良いアニメーションの本で見つけられます。一目したところこれらの原則はかなり広範囲のようですが、アニメートを多くするほどあなた自身の血と肉になることでしょう。いつもアニメーションが少し奇妙に見える時は、これらの原則に従っていないことが幾つかあるからでしょう。次にこれらの原則を使用します。

2. 総合情報とインターフェイス

MOCCA は独自のレイアウトを所有しているので、これを次の章で使用します。

「ウインドウ ->レイアウト ->mocca」を選択します。これで MOCCA のツールがあなたのスクリーン上部に表示されます。

キャラクタアニメーションの主要エレメントは、ボーンです(そのために MOCCA があります)。ボーンはデフォーマの部類に属し、屈曲オブジェクトや FFD オブジェクトといった1つのオブジェクトのジオメトリを変形します。その長い形と終端の1つに軸があり、人間の骨のシミュレーションに完璧であるためその名前がついています。

キャラクタが完成したら、アニメーションのキャラクタを準備する段階の最初のシリーズが「ボーニング」だと言えるでしょう。ボーニングはボーンスケルトンの1つの完全な集合体であり、1つの階層の中にボーンが配置されます。例えば1つの腕スケルトンの手ボーンは順番として、上腕ボーンの子オブジェクトである下腕ボーンの子オブジェクトとなることです。この配列によって、キネマティクスを使用しながらよりうまく腕がアニメートできます。ボーンの階層的配列は「ボーンチェーン」としても知られています。キネマティクスについては次の章で詳しく説明します。MOCCAでの主要なボーニングツールは「ボーンツール」です。

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135CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

「claude_mesh_j.c4d」のファイルを開くと、Claude の名前がついたモデリングされたキャラクターの左腕がボーン化されています。ボーンツールを選択すると、このツールの機能が属性マネージャに表示されます。最初は「ボーンを追加」のボタンだけが選択可能なのでこれをクリックします。

1つのボーンオブジェクトがシーンの中心点に現れます。これは肩のボーンになります。

このボーンをキャラクターの肩にすわるまで移動させます。この際上面と前面からのビューを使うのが最適です。キーボードのショートカットを使ってボーンを移動させるので、ボーンツールの選択を外してはいけません。「4」を使って移動、「6」を使って回転させて下さい。ボーンの位置に満足したら、「子ボーンを追加」をクリックします。

シーンに第2番目のボーンが現れます。これは最初のボーンの子オブジェクトとしてオブジェクトマネージャに配置されており、その長さと位置を仮定します。このボーンは上腕ボーンのキャラクターとなります。

ボーンの先端を上腕に合致するまでドラッグして下さい。このステップを下腕のボーンにも繰り返します。

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136 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

オブジェクトマネージャで肩のボーンを選択し、「ヌルボーンを追加 / 更新」をクリックして下さい。これでヌルボーンがボーン階層の一番上のオブジェクトになりました。ボーンにそれが左腕に属することが判るような名前をつけて下さい(例えば「_左」で終わるような)。

ヌルボーンは1つのボーンチェーンの始まりを構成します。これらはジオメトリには影響しませんが、キネマティクスが運動を計算する助けとなるように第一番目のボーンのローカル座標が 0 に設定してあることを確認して下さい。CINEMA 4D はヌルボーンを円形で表示します。完成した腕は「armbones_j.c4d」のファイルにあります。

一旦キャラクタにスケルトンが与えられると、「スキニング」が始まります。スキニングはボーンにジオメトリを指定することです。ボーンはオブジェクトの任意に与えられたポイントを変形できます。この場合ボーンは単にどのポイントが移動され、どのように力強くかを知る必要があります。ポイントが「ウエイト」されていないと、一般の規則である「ボーンに近いポイントほどボーンにより大きい影響を及ぼす」が適用されます。MOCCA は「Claude Bonet」ツールを使ってジオメトリのウエイトを設定し、各ポイントの上に強度がペイントできます。

強度が100%では、ボーンが100%で行なう変形ごとにポイントが従うことを意味します。強度が 0%では、ポイントがボーンのふるまいに影響されないことを意味します。

「armbones_j.c4d」のファイルを開いて下さい。腕はジオメトリに影響があるため、階層の1レイヤ下にあるべきです。腕ヌルボーンの「腕 _ ヌル_ 左」をオブジェクトマネージャにある「Claude->ボディメッシュ」階層のポリゴンオブジェクト「ボディ」の上にドラッグします。オブジェクトマネージャで右マウスボタンを使ってヌルボーンをクリックし、コンテクストメニューで「ボーンを固定」を選択してボーンを固定します。子オブジェクトを含みたい場合には質問に「yes」で答えて下さい。これでボーンオブジェクト隣にある赤色のX が緑色のチェックマークに変わります。

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137CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

ボーンが一旦固定された場合にだけ形に影響を及ぼすことができます。ボーンの初期の位置を後で変更したい場合は、まずボーンが解除される必要があります。下腕のボーンを回転させ、どのようにジオメトリがボーンと移動するかを見て下さい。まだ少しコントロールが足りないようなので、ボーンの影響度を制限する必要があります。

肩のボーン、そしてClaude Bonet ツールを選択して下さい。ジオメトリが灰色に代わってこれらが強化されていないこと知らせています。 claude bonet を100% に設定し、「絶対値でペイント」を選択します。次に肩のボーンに影響させたいポイント上を「ペイント」します。

ジオメトリの色が緑色に、残りが黒色に変わります。緑色は100% の強度を表わすのでこのポイントはボーンの動きに100% 従います。黒色はこの部分のジオメトリがボーンで影響されないことを意味します。

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138 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

完全に腕が強度設定されるまで他のボーンにこのプロセスを繰り返します。適切な強化をするには時間を要します。最初は強度の値を 0% または100% に設定するようにお勧めします。この他の値はより精密な強度に使うことができます。

「arm_weighted_j.c4d」を開くとこの範例がご覧になれます。

次にリギングを開始する時間です。リギングはボーンスケルトンに様々な制限や強制を「設定」することです。「リギング」はキャラクターがどのようにふるまうかを限定します。良いリギングはアニメータが簡単にキャラクターを動かして彼のアイディアを実現させる柔軟性を与えます。IK タグと制限は MOCCA のリギングツールです。

3. キネマティクスキネマティクスは物理学で使用される用語であり、特に3Dアニメーションでボーンチェーンのアニメーション用に使用されます。キネマティクスにおける2つの基本は、フォワードキネマティクス (FK) とインバースキネマティクス (IK) です。両方の手段でキャラクターの腕を色々な方法にアニメートさせます。

FK を使用すると、階層内の上から下までにある、腕の全ボーンが目的の位置になるまで回転されます。腕を非常に正確に位置できることが実際の利点ですが、これには時間が必要なことがその不利点です。フォワードキネマティクスはリギングを必要としません。CINEMA 4D の全オブジェクトと同じようにボーンも直接変形できます。

IK はより簡単なアニメーションの方法であり、逆のやり方でアニメーションを生成します。アニメータが手のボーンを移動させると残りの腕も自動的に従います。これはあなたが最良の友と握手をして、彼の腕全体を動かせるようなものです。インバースキネマティクスはより直観的であり、ボーンチェーンの終端に付着できるという素晴らしい利点があります。脚のアニメーションには IK は不可欠です。他に、どのようにキャラクタの脚を動かすことなく腰をアニメーションさせることができますか?IK における1つの不利点は、ボーンチェーンの正確な位置を明示することが難しくなる可能性があることです。例えばキャラクターの手を動かすと肘は従いますが、あなたが期待する方向にとは限りません。ボーンチェーンの先端が単一の制限によってコントロールされていると、手に従う方向が複数選択できます。 これらのボーンチェーンを正確に操作するツールが MOCCA に用意されています。

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139CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

CINEMA 4D は2つのインバースキネマティクスの種類である、Hard IK と Soft IK を認識します。Hard IK は2つのボーン(脚など)を使ったボーンチェーンに使用するのが最適です。Soft IK は、複数のターゲットオブジェクトを使った長いチェーンのコントロールとDynamics(重力場の影響)により適しています。

「arm_weighted_j.c4d」のファイルを開いて下さい。腕のヌルボーンを選択し、「IKチェーンの設定」の MOCCA アイコンをクリックします。

複数のボーンが1つの IKタグを所有しています。これらのタグはどのようにボーンがチェーン内でふるまうかを定義します。他のヌルオブジェクト「下腕 _ 左 . ゴール - 先端」と共に、ヌルオブジェクト「下腕 _ 左 . 先端エフェクタ」がチェーンの終端に追加されています。これはゴールの制限です。ゴールはボーンチェーン内のボーンの位置をコントロールするように強制します。小さな調整可能なマグネットが先端を引っ張っている、またはボーンのオリジンのようだと考えて下さい。

エディタでゴールの制限を移動し、どのようにボーンチェーンが移動するか見て下さい。

まだボーンが充分にコントロールできないようなので、もっとコントロールさせるゴール制限のオブジェクトが必要です。

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140 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

下腕のボーンを選択し、MOCCA コマンド「ゴールルートの追加」を呼びます。追加のゴール制限とボーンのルートをコントロールできるキャラクタの肘が現れます。このオブジェクトに下腕のボーンが到達しようと試みます。

ターゲットオブジェクトから先端を引くのではなく、下腕ゴールの制限をひじで引っ張るように強度を低くしましょう。下腕の IKタグを選択し、属性マネージャのメニュー「制限範囲」で強度を30% に設定します。

エディタウインドウでヌルオブジェクト「下腕 _ 左 . ゴール - 先端」をキャラクタの少し後ろに移動して下さい。肘がこのオブジェクトの方向に位置されるはずです。

次に肩のボーンを少しきつくして、残りのボーンと共に動きすぎないようにさせます。肩のボーンを選択して属性マネージャメニューの「開始」に切り替えます。右側の「強度」を 80% にします。

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141CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

次に肩のボーンを最初の位置から移動させるのにより多くの強度が必要です。「arm_softik.c4d」ファイルにこの結果があります。少し時間をかけてこのシーンで作業を継続して下さい。この種の作業が使い易くなるまで、例えばゴール制限をもっと追加して腕のボーンをコントロールするように試みたりして下さい。

4. クイックチュートリアル ‒ PoseMixer

ご覧頂いたように、ボーンは形の「コントロールフレーム」を構築するのに適しています。ボーンを使って顔をアニメートすることも可能であり、ボーンが位置されているので自然な顔の動きを模倣することができます。第2の可能性は、複数の状態を使用して顔のジオメトリを「モーフ」することです。この MOCCA には PoseMixer が提供されており、この章で詳しく調べてみましょう。

「posemixer_start.c4d」のファイルを開いて下さい。前章のキャラクタに新しい「Head Poses」オブジェクトが含まれています。

この新しいオブジェクトには、頭自体とまぶたを含む形の頭ジオメトリの複製が入っています。「Head Standard Pose」はオリジナルの頭の正確なコピーです。「Head Standard Pose」には同じ頭でにこやかな表現が入っています。追加として、上がった耳と4つのヘッド(それぞれ1つの閉じたまぶた)がついた1つの頭があります。

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142 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

この新しい顔の表情は古い頭を基本にモデリングされています。複製がオリジナルと同数のポイントを持っていることが非常に重要です。これらの複製が必要な理由はすぐ判るようになります。

オブジェクトマネージャの階層でオリジナルの頭を見つけて下さい。オブジェクトマネージャで「オブジェクト ->ファンクション -> 検索」で検索ツール使用するとより早く見つけられます。単に「Head Mesh」の名前を入力すると、オブジェクトマネージャにオブジェクトが表示されます。このオブジェクトを右クリックし、「MOCCAタグ->PoseMixer」を選択します。頭のオブジェクトの隣に PoseMixer タグが現れます。

PoseMixer は階層と無関係に働くので、どのオブジェクトに指定しても構いません。モーフするオブジェクトに指定すると、管理しておくのに役立ちます。PoseMixer は属性マネージャにあります。

オプション「回転」と「スケール」の選択を外して下さい。

これで PoseMixer に何をモーフすべきかを指定しました。この顔のアニメーションではジオメトリのポイントだけが使用されます。オプションの「位置」を選択すると、頭全体がそのコピーがある場所に移動します。次に PoseMixer に変形していない状態のニュートラルな開始ポイントが必要になります。

オブジェクトマネージャのオブジェクト「Head Standard Pose」を PoseMixer の属性マネージャにあるテキストフィールド「デフォルトのポーズ」上にドラッグします。

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143CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

頭のオリジナルのコピーは唯一変形されるものとなるので使用できないため、この頭の正確なコピーを使用します。モーフされるべきオブジェクトは「方向」のフィールドに属しますが、タグを指定したのでこれを属性マネージャにドラッグする必要はありません。PoseMixer の属性マネージャにある最後のフィールドには空白のフィールドが1つあり、その隣にスライダがあります。当然ながらここにはモデル化されたポーズの1つが位置することになります。

「Head Happy」のオブジェクトをこのスライダの隣にあるフィールドの中にドラッグします。スライダをドラッグしてどのように頭がその表現を変化するかを見て下さい。他の頭も PoseMixer の中に配置されるでしょうが、最初に幾らかスペースを作らなければいけません。

「ポーズの追加」をクリックし、「Head Ears Happy Up」を新しいフィールドにドラッグして下さい。6つのポーズが全て属性マネージャに現れるまでこのプロセスを繰り返します。

ポーズがどの順番にでもミキシングされると良いのでお試し下さい。比較的小さな数の基本ポーズで種類に富んだ顔の表現が作成できます。

シーンがフレーム0になっていることを確認して下さい。PoseMixerの属性マネージャで「スライダを元に戻す」をクリックし、 「Upper_Eyelid_L_closed」(スライダに属す)と 「Lower_Eyelid_L_closed」(左の灰色の円ではなく!)の右にある小さな灰色の円をctrl- クリックします。これで位置が記録されました。フレーム 5に進み、同じ円を再びクリックします。フレーム 3 に行き両方のスライダを100% に設定し、再び両方の円を ctrl- クリックして下さい。

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これで1つの目のウインクをアニメートしました。この結果は「posemixer_end.c4d」のファイルでご覧頂けます。ところでPoseMixer はボーン階層の全体をモーフするのにも最高です。指をのばしたり曲げたりというように様々な状態が手のボーンに設定でき、PoseMixer「回転」のオプションを使用してミキシングします。これは個別のボーンをそれぞれに移動させなくても良いので、アニメータにとっては大幅な時間の節約となります。

5. クイックチュートリアル ‒ モーションブレンドPoseMixer がオブジェクトの異なった状態をミキシングさせるように、MOCCA のモーションブレンドは通常ノンリニアアニメーションとして知られる、全体のアニメーションをミキシングさせる役割を果します。特に先に述べたモーショキャプチャーを使用する際、個別に記録されたアニメーションを複数組み合わせると問題が生じることがあります。

モーションブレンドは別々に記録したアニメーションを「全体として」扱わせるので、個々のキーを使うという面倒さなしで済ませられます。

これによって例えば簡単な歩行のアニメーションのミキシングや、新しいキーをミキシングすることなくこれらを手動でキャラクターに指定したりできます。

「plasticman.c4d」を開いて下さい。PlasticMan のモデルが現れます。

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145CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

PlasticMan は1つの完全なボーンスケルトンを持った人間の形です。まだアニメートされていないのでかなり気力のないT位置の姿勢にあります。モーションプレンドを使用してすぐ彼を歩かせるようにします。

「ファイル ->マージ」で「plasticman_walk.c4d」のファイルを現在のシーンにマージして下さい。

今度はジオメトリのない1つのボーンスケルトンが現れます。このスケルトンは既にアニメートされています。このアニメーションを再生するとキャラクターが2歩前進するのが見られます。次にこのアニメーションを PlasticMan に指定します。

PlasticMan の一番上のオブジェクト「PlasticMan T-Pose」がタイムラインで既に表示されているはずです。もしまだでしたら、オブジェクトマネージャからこのオブジェクトをタイムライン上にドラッグして下さい。右マウスボタンでクリックし、「新規トラック-> モーション」を選択します。

オブジェクトの隣にモーショントラックが現れます。シーケンスは 32フレームかかり、この範囲はシーンに歩行を追加した際に自動的に作成されました。シーケンスにはまだアニメーションが指定されていないので、クエスチョンマークがついています。

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146 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

新しいシーンをクリックして属性マネージャの「モーションブレンドの属性」に切り替えます。ここには「モーション」の名前がついたメニューがあります。ここが歩行のアニメーション「PlasticMan wak(32) “」をドラッグする正確な位置です。

すぐに PlasticMan はアニメーションのデータを推定して、歩調の位置を取り入れるでしょう。アニメーションを再生するとPlasticMan が同じく歩調をとるのが見えます。このような歩調は素敵ですが、私たちのキャラクターはもっと動かせた方が良いでしょう。「編集 ->プロジェクト設定」からタイムラインの一般設定メニューで、シーンの長さを終了フレーム 300 に設定して下さい。

属性マネージャのシークエンスの属性でループの数を 5 に設定します。

これで PlasticMan が1ステップだけでなく5つのダブルステップを実行します。モーションブレンドのメニュー「加算ループ」のオプションが選択されているので、彼は常に直進して歩きます。このオプションの選択を外すと、各ステップがアニメーションの開始点から始めることになります。もちろんこのアニメーションはシークエンスの最初と最後のフレームが同一であることに従って準備されなければなりません。そうでないと、「ジャンプ」が幾らか起きる可能性があります。さらにもっと良いのは、PlasticMan がパスに沿って歩いて直進するだけではないことです。

上面からのビューに切り替え、「オブジェクト ->スプライン描画 ->フリーハンド」で「フリーハンド」スプラインツールを選択します。エディタでキャラクタが歩くべきパスを描画します。

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147CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

作成したパスに満足したら、再びモーションシーケンスをクリックしてオブジェクトマネージャから新しい「スプラインオブジェクト」を属性マネージャのフィールド「パス」にドラッグして下さい。

PlasticMan はスプラインの始まり(または終了、どのように描かれたかによる)でジャンプするでしょう。彼が後ろ向きに歩いていれば、軸を「-X」にして下さい。

これまで歩行の動作だけをやってきましたが、このツールの名前モーションブレンドのように何かを合成するには2つのアイテムが必要です。私たちには他のアニメーションがあるはずです。

「plasticman.c4d」のファイルを再び開いて下さい。「plasticman_walk.c4d」と「plasticman_run.c4d」のファイルをマージします。

これで私たちが親しんだ歩行のアニメーションに走る動作が追加されました。オブジェクトマネージャにあるこの階層の名前は24フレームから成り立っているので、「PlasticMan Run(24)」です。

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148 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

オブジェクトマネージャで PlasticMan「PlasticMan T-Pose」を選択し、「MoBlend セットアップ」アイコンをクリックします。

オブジェクトが2つのモーショントラックに指定され、タイムラインに1つのトランジショントラックがあります。「Motion A」を右マウスボタンでクリックし、「新規シーケンス」を選択して下さい。フレームを 0 から32 に設定し、「右へ影響」と「左へ影響」の選択を外します。

「Motion B」にも同じことを繰り返しますが、フレームを32 から56 に設定して下さい。これでアニメーションを指定できるシーケンスが2つあります。

先程説明した同じやり方を使って「PlasticMan Walk(32) 」オブジェクトを「Motion A」に、「PlasticMan Run(24) 」オブジェクトを「Motion B」に指定します。この2つのシーケンスをミキシングするには両方がオーバーラップしなければならないので、属性マネージャで歩行シーケンスのループの数を 0.2 に設定します。

これで2つのオーバーラップしたモーションのシーケンスができました。トランジションをコントロール可能にするために、トランジショントラックにもシーケンスが与えられなければいけません。

トランジショントラックをシーケンスのフレーム 32 からフレーム 40 にします。

エディタでアニメーションパスが見えるように「MoBlendGhost」の機能が選択されていることを確認して下さい。

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149CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

このトランジション内に全く新しいアニメーションが1つ作成されたので、両方のアニメーションをミキシングします。アニメーションを再生すると、PlasticMan がフレーム 32 でオリジナルの位置にジャンプして走り始めるでしょう。これは、走るアニメーションが正確に位置されていないからです。

走るアニメーションのボーン階層(「PlasticMan Run(24)」を選択し、エディタで Z=-175 に移動させます。これで歩行が停止たところから走りが開始して両方のアニメーションがスムーズにブレンドされます。

6. クイックチュートリアル ‒ FBX インポートFBX ファイルフォーマットは、殆どの3Dプログラムでファイルをインポートとエクスポートするのに使用されています。モーション・キャプチャの標準フォーマットであり、シーンとアニメーションのファイルを完全に交換するのにも使用できます。モーション・キャプチャは、特別なセンサーシステムを使用して人間(または動物)の動きを記録することです。このファイルはFBX ファイルフォーマットを使ったどのヴァーチャルキャラクタにも指定できます。あなたのキャラクタをあなたと同じようにふるまわせたいですか?もしそうであれば次の FBX についての情報に特に注意を払って下さい。

1つの完全なスケルトンとその正確な強度を持ったキャラクタがあり、あなたが手動でアニメートしたくないと想定してみましょう。あなたが既に作成されたアニメーションを(例えば歩行のように)使用したいとします。この目的のためにソフトウエア 「Motionbuilder」が考えられました。このプログラムは運動のデータをキャラクタに指定させます。このファイルフォーマットは CINEMA 4D では読めないので、キャラクタは FBX ファイルとしてエクスポートされなければなりません。

「編集 -> 一般設定 -> インポート/ エクスポート ->FBX エクスポート」を選択して下さい。ここではあなたが何をエクスポートしたいか指定できます。殆どのケースではデフォルトの設定を使用することができます。

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150 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

全設定が作成されるとエクスポートを開始できます。「ファイル ->エクスポート ->FBX」を選択し、ファイルを FBX ファイルとして保存して下さい。これで Motionbuilder のようなプログラムでも CINEMA 4D のキャラクタを開くことができます。

Motionbuilder は、モーション・キャプチャのデータをキャラクタに指定します。アニメーションが動きに変換され、直接ボーンに指定されます。最終のアニメーションを FBX ファイルとして保存すると、CINEMA 4D でも読み取ることができます。

「ファイル ->マージ」を選択し、FBX ファイルを読み込んで下さい。

完全なファイルを開く必要はありません。FBXインポートは充分に賢く、アニメーションだけ読み込こまなければいけないことを知っています。タイムラインを見て驚かないで下さい。1つのキーが各オブジェクトの各フレームごとに設定されています。

もちろん Motionbuilderを使用してファイルを交換する場合は更に考慮に入れなければならいことが幾つかあります。あなたのボーンに名前を付ける場合は名前付けの規則を使用するとMotionbuilderでキャラクタの作業がし易くなります。より詳しい情報は MAXONまたは Motionbuilder のメーカーから入手できます。

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151CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

7. クイックチュートリアル ‒ ドレッシングClothildeは MOCCAのクロスシミュレーションツールです。このツールを使うとそよ風に旗をはためかせたり、あなたのキャラクタにかっこいいT- シャツを着せたりできます。私たちは Claude にもT- シャツを着せることにします。

Clothilde が素晴らしいのは、T- シャツをモデリングするというトラブルを通り抜ける必要がないことです。あなたがすべきことは単に、シャツの前面と後面を作成するだけです。これを Clothilde が自動的に合致させます。

「shirt_start.c4d」のファイルを開いて下さい。このファイルには既に T- シャツの両半面が単一オブジェクトとして含まれています。

シャツが気に入らなければ、独自に作成したものとご自由に取り替えて下さい。ご覧のようにシャツは非常に少しのポリゴンで作成されています。

シャツを選択し、「構造 ->ブリッジ」でブリッジツールを適用します。ポイントモードに切り替えシャツの前面と後面を接続します(もちろんシャツが実際につながっている所だけです。袖口、頭やボディは接続されません)。

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152 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

シャツをもう少し細分化する必要があるので、後で良く変形することにしましょう。

「ポリゴンツールを使用」モードに切り替え、シャツの前面と後面のポリゴンを選択します「ファンクション -> 細分化」で値を2 に設定して下さい。

ブリッジツールで作成したサイドにあるポリゴンを細分化しないようにして下さい。まだ実際 T- シャツのようには見えずどちらかというと袖の付いた箱のようですが、これから直ぐに修正するので気にしないで下さい。Clothilde は非常に簡単に使用できます。殆どの機能は1つのタグ「クロスタグ」に含まれており、これは布に変わるであろうオブジェクトに指定されます。

シャツを右クリックして「Clothilde タグ->クロス」を選択します。属性マネージャにClothilde の属性が表示されます。

このT- シャツとボディのように、クロスオブジェクトに衝突している他のオブジェクトには衝突タグを指定しなければいけません。

オブジェクトマネージャでキャラクタのボディ(ポリゴンオブジェクト「ボディ」)を右マウスボタンで選択します。「Clothildeタグ-> 衝突」を選択して下さい。

これで T- シャツがキャラクタを通過しないように限定しました。次は T- シャツに完全な形状を与えます。クロスタグを選択し、「着付け」のメニューに切り替えて下さい。

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153CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ MOCCA

この着付けメニューでは、衣服を合致させる全てが備わっています。他のメニューはクロスのふるまいに関連します。「モデリング状態」の隣にある「記録」を選択します。これは安全対策のようなもので、例えばシャツの位置に満足しなかったり胸ポケットを追加したいような場合には、シャツのオリジナルの状態に再び戻ることができます。「ポリゴンツールを使用」モードに切り替え、ブリッジツールで作成したサイドにあるポリゴンを選択して下さい。

これらのポリゴンは T- シャツの継ぎ目となり、これも Clothilde を使います。「着付け」メニューで「ポリゴンの継ぎ目」を選択し、「設定」に設定して下さい。まだ継ぎ目が少し幅広いようなので、「服をオブジェクトに合わせる」をクリックしてT-シャツに何が起るかご覧下さい。

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154 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Thinking Particles

継ぎ目はその「幅」の値に従って「仕立て」直されますが、キャラクタのボディの形状にフィットするとは限りません。「フレーム数」の値はどのように正確に合致させるかを限定します。「服を自然な状態にする」をクリックします。

次は重力のような他の力が T- シャツに影響を与えて、キャラクタの肩にたるむようにしましょう。

T- シャツがフィットしましたか?そうであれば「着付けした状態」の隣の「記録」をクリックして下さい。こうしてこの初期の状態にいつでも戻ることができます。初期の状態は仕立てられたT- シャツの開始位置です。

「プラグイン ->Clothilde->クロス Nurbs」で1つの「クロス Nurbs」をシーンに配置し、T- シャツをこのオブジェクトの子にします。

クロス nurbs は HyperNURBS オブジェクトに似た動作をします。ジオメトリをスムーズにさせるように従属されましたが、少し異なったアルゴリズムを使うのでクロスオブジェクトにより適切です。

属性マネージャで「厚さ」を1にします。

これでキャラクタに服が着せられたはずです。もちろんアニメーションで T- シャツらしくさせるにはまだ幾らか微調整が必要ですが、最初のステップはご覧頂いたようにそれほど難しくありませんでした。

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155CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Thinking Particles

Thinking Particles について( オプショナルモジュール )

これは Thinking Particles のクイックチュートリアルです。この広範囲にわたるパーティクルシステムについて、簡単に楽しく紹介します。

1. はじめにThinking Particles は1つのパーティクルシステムです。3D の世界でパーティクルシステムは、鳥の群れや火煙の効果(特に PyroClusterと関連して)バクテリアの侵入など、多量のオブジェクトが衝突するような状況に使用されます。例えば大竜巻が砂漠を吹き抜くアニメーションを作成しなければならない場合は、大気中を飛ぶ何百万もの小粒子をアニメートする必要があります。この作業を手動で行なえば、恐らく一生涯の時間がかかることでしょう。CINEMA 4D のパーティクルシステムでお馴染みかもしれませんが、Thinking Particles は無限の可能性を持っているので目を見張らせるような効果が作成できます。

Thinking Particles はノードを基本にした操作を行ないます。ノードは1つの終端でデータを受け取とってそれを処理し、この処理したデータを別の終端に出力するかまたは他のノードに転送する小さな機械のようなものです。CINEMA 4DエクスプレッションのエディタXPresso をよくご存知であれば、ノードで作業した経験がすでにあることでしょう(XPresso をまだ作業したことがなければ、Thinking Particlesで必要な基礎知識と同じものが得られるのでCINEMA 4DのXPressoクイックスタートチュートリアルをご覧になるようにお勧めします)。Thinking Particles の複数エレメントはノードです。パーティクルジオメトリオブジェクトの例外は後で詳しく説明します。Thinking Particles は標準のパーティクルシステムで使用されるエミッタオブジェクトでなく、エミッタノードを使用します。XPresso のセットアップと同じように好きなパーティクルシステムを組み立て、ノードの広範囲にわたるプールから選択します(XPresso もその1つです)。

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156 CINEMA 4D R9 クイックスタート ‒ Thinking Particles

これらのノードは全て一定の属性を持ち、属性マネージャを使用して変更したり他ノードのポートに接続したりできます。このため様々な方法でパーティクルシステムに影響することができます。多数のグループが細分化でき、作成後もその外観やふるまいを修正することができるなどより多くの手段があります。

今より古いバージョンのパーティクルシステムで作業されてきた場合は、Thinking Particles を使い始めると最初は難しく思えるかもしれません。複雑さはあなたのアイディアを実現させる可能性の宝庫を開くという良い面を持っています。この自由に使えるクイックスタートチュートリアルによって、より簡単に Thinking Particles を習得することができます。あなたの袖からパーティクルシステムの効果をふるい払うようにすぐなることでしょう。

2. 総合情報とインターフェイスエミッタがないとパーティクルも存在しません。エミッタは全パーティクルのソースです。以前に述べたように、ノードはThinking Particlesでエミッタとして働きます。このノードにアクセスするためにはXPresso 編集で作業する必要があります。任意のオブジェクト(ヌルオブジェクトが最適です)を作成し、これに XPresso を指定して下さい。私たちの新しい遊び場であるXPresso 編集が開くので、ここでパーティクルを設定します。

XPresso編集の左欄にあるX-プールタブに複数のThinking Particleノードが表示されています。私たちが使うエミッタは「TP ジェネレータ」のカテゴリーにあり、その名前は「PStorm」となっています。エミッタを右のフィールドの中にドラッグして下さい。

これでパーティクルエミッタを作成したので最初のハードルは無事こなせました。気がついたかもしれませんが、エディタ上に1つの円が見えます。アニメーションを再生すると円がクロスのパーティクルを放出します。これらのクロスは単にエミッタの行動を可視にする目的のためだけにあるのでレンダラでは不可視です。次のチュートリアルでどのようにパーティクルを

「実際」のジオメトリに指定するかを調べてみましょう。

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XPresso 編集でエミッタのノードを選択して属性マネージャをご覧下さい。ここにはあなたがエミッタの行動を変更できる値が束になっています。どれぐらいパーティクルを生成すべきですか?どの位の長さ(寿命)でパーティクルが存在すべきですか?どの位の大きさでしょうか?皆同じサイズでしょうか?アニメーションの再生中にも複数の値が変更でき、どのようにパーティクルがこれらの変更に対応するかもすぐ見られます。

まだ少し問題があります。ご存知のようにエミッタは1つのノードであり、ノードは移動、回転やスケールされることができません。ではエミッタのサイズや位置を変えたい場合はどうすれば良いでしょうか?簡単に1つのオブジェクトの座標をエミッタに指定すれば良いだけです。XPresso タグに1つのヌルオブジェクトを作成してあるので、これを座標に「ドナー」として使います。ヌルオブジェクトを XPresso 編集にドラッグし、「位置」と「グローバルマトリックス」の2つの出力ポートを指定します。エミッタのノードには既にエミッタの位置用の入力がありますので、別の入力ポート「エミッタの配置」を指定します。両方のエミッタのポートを接続するとエミッタが1つのオブジェクトとして扱えるようになり、ヌルオブジェクトが作成する全ての運動と回転にエミッタが従います。

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1つのエミッタを作成するのに時間が長くかからなくとも、これらのステップを他のエミッタに繰り返すのは非常に退屈な場合があります。このエミッタには、XPresso 編集で各パラメータの変更にノードを選択することが必要であるという決定的な不利点はありますが、恐れることはありません!MAXON は CINEMA 4D オブジェクトライブラリに標準のエミッタセットアップを用意しましたので、ヌルオブジェクトのユーザデータ情報を通してエミッタの全属性に都合良くアクセスできます。ここでは簡単なドラッグ&ドロップで、パーティクルに接続されたジオメトリ(標準では立方体)の変更が行なえます。オブジェクトライブラリにはより多くのThinking Particles セットアップが含まれています。一見の価値があります。

3. クイックチュートリアル ‒ パーティクルスノーこのチュートリアルでは、雪片シーンのストーリブックを作成しましょう。勿論ここでも1つのエミッタが必要です。今度はエミッタをヌルオブジェクトにではなく、1つのポリゴンに適用します。このポリゴンを使ってエミッタのサイズをコントロールします。

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新しい空のファイルを開いて下さい。「オブジェクト->プリミティブ->ポリゴン」で1つの四角形ポリゴンを作成します。「ファンクション -> 編集可能にする」でパラメトリックなオブジェクトを1つの編集可能なポリゴンに変換します。オブジェクトを

「エミッタ_ 表面」という名前にし、Y=300 に位置させ(通常雪は上から降るので)、X=600と Z=1000 にスケールします。この表面から雪片が生成されます。

XPresso エクスプエッションをこの平面に指定し、タグをダブルクリックすると XPresso 編集が開きます。「エミッタ_ 表面」をXPresso 編集のウインドウ上にドラッグします。「Pstorm」ノードを1つ作成します。ポリゴンの座標がエミッタに転写されるので再びこれらのノードがお互いに接続されなければいけません。

これでエミッタが忙しく小さなクロスを放出しています。パーティクルのプレビュが常時クロスを描画する必要はありません。「プラグイン->Thinking Particles->Thinking Particles 設定」で Thinking Particles の設定をご覧下さい。ここではパーティクルの外観(例えばスターやポイント)を変更するのに使用するメニューがあります。

パーティクルはポリゴンの表面に作成されなければいけません。これにはセットアップを少し拡張する必要があります。

「Pstorm」ノードに「Particle Birth」の出力を与えます。この出力には「さらに処理される」エミッタで生成された様々なパーティクルが含まれています

次に「PSurfacePosition」ノード (「X プール ->System Operators->Thinking Particles->TP ヘルパー」) が必要です。このノードは与えられたポリゴンオブジェクトの上にランダムな位置を作成します。この属性マネージャに「オブジェクト」のテキストフィールドがあるので、ここにエミッタをドラッグします。属性マネージャにはパーティクルがポリゴンのフェィス、エッジまたは頂点から放出されるかどうかを指定するメニューがあります。パーティクルを隅だけから放出させるようにしたいので、この設定は「フェィス」のままにしておきます。

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このノードはポリゴンオブジェクトをエミッタとして任意に選択させます。パラメトリックなオブジェクトを最初に編集可能にするのが重要です。楽しみとして、球から放射される雪を生成するように試みて下さい。

「PSurfacePosition」ノードの位置に従ってパーティクル自身を位置させるように指定する他のノードが必要です。これは「PDataGet」ノードが行ないます(「X プール ->TPスタンダード」。

「PDataGet」ノードをXPresso 編集にドラッグし、位置の入力ポートを指定します。これが私たちがパーティクルに設定したい属性となります。このポートは「PsurfacePosition」ノードの出力位置に接続されます。

「PDataGet」のパーティクル入力ポートを「PStorm」ノードの「パーティクル生成」出力ポートと接続して下さい。「PDataGet」はどのパーティクルが位置にあるかを認識します。

これで最初のステップができあがりました!後ろにそって深呼吸してから、セットアップに一分間見惚れて下さい。美しいものではありませんか?

これまでの要約です。

エミッタはその生成されたパーティクルを「PsurfacePosition」ノードに回します。

「PsurfacePosition」ノードは次にポリゴン上のパーティクルの位置をランダムに計算してこの情報を「PDataGet」ノードに転写します。

「PDataGet」ノードはランダムな位置にあるパーティクルの実際の設定を想定します。

結果はすぐにエディタで見ることができます。パーティクルは全体のポリゴンから均等に生成されていますが、まだ間違った方向、エミッタのデフォルトZ 軸に沿って移動しています。雪は通常水平には降らないので(大嵐の場合を除く)、エミッタを 90 回゚転しなければなりません。エミッタは1つのオブジェクトであり、従って直接には変形できないので注意して下さい。またこの位置は「エミッタ_ 表面」の座標でコントロールされています。

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「エミッタ_ 表面」を選択し、「オブジェクト軸モードを使用」に切り替えます。

オブジェクトを赤色のX 軸の周りに 90 回゚転させ、青色 Z 軸が下を向くようにします。そーれ!これで雪が目的の通りに降り落ちています。

4. クイックチュートリアル ‒ パーティクルとしてのオブジェクト

これで雪が降る可憐な小さい設定ができましたが、まだ実際の雪が不明です。雪がどのように見えるかは完全にあなた次第です。単純な球体またはアルファチャンネルを持った雪の結晶はどうでしょうか?私たちは1つの軽いオブジェクトを使うことに決定します。正しい設定を使うと説得力のある雪片のように見せることができます。

「オブジェクト ->シーン ->ライト」で1つの光源をシーンに追加して下さい。「薄片のように」するためには、ライトの設定の幾つかを変更しなければならないでしょう。属性マネージャの「一般」メニューで「可視照明」を「可視光線」に、そして「ノイズ」を「可視照明」に設定します。ライトが不可視である場合やシーンを照明すべきでい場合には、「光を放射しない」を選択して下さい。

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「可視照明」のメニューに切り替えます。「内側の大きさ」を 6.5 に「外側の大きさ」を15 に設定して、「明るさ」を125%に上げて下さい。

「ノイズ」のメニューに切り替えます。「タイプ」を「ハードタービュランス」に、3つのスケールパラメータを全て 7.5 に設定します。

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「基本」メニューでライトを「エディタでの表示」と「レンダリングでの表示」をそれぞれ「隠す」にします。これは後にパーティクルだけが可視になります。

「薄片のライト」が準備できました。次は Thinking Particle にこのライトをパーティクルとして使わせるようにしなければなりません。

このためには特別の「PShape」ノードがあり、これは X-プールタブのカテゴリー「TPスタンダード」に位置しています。

「PShape」ノードを既存のXPresso 設定に追加して下さい。ノードの属性マネージャにあるオブジェクトのテキストフィールドにライトをドラッグします。「PShape」ノードの入力ポートを「PStorm」ノードの出力ポートに接続して下さい。

あと一歩です。レンダリングできるオブジェクトが表示できるように、Thinking Particles に1つの特別な「パーティクルジオメトリ」オブジェクトが必要です。

「プラグイン ->Thinking->パーティクルジオメトリ」で1つの「パーティクルジオメトリ」オブジェクトを作成し、オブジェクトマネージャからライトをドラッグすると、ライトがその子オブジェクトになります。

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このオブジェクトの目的を理解するには、Thinking Particles がパーティクルをグループに分割できることを知らなければいけません。ある一定の範囲で「パーティクルジオメトリ」オブジェクトは、様々なジオメトリのオブジェクトをこれらのグループに指定させます。私たちの例では「All」と名前のついた1つのグループがあるだけで、これは全ての生成されることになるパーティクルを含んでいますが常時1つの「パーティクルジオメトリ」オブジェクトが必要です。それが単一パーティクルグループに抗しがたく必要でなくとも、1つのパーティクルジオメトリに従属するオブジェクト(このケースではライト)を作成することを習慣にして下さい。シーンにある全てのパーティクルグループは、「プラグイン ->Thinking Particles->Thinking Particles 設定」に表示されています。

おしまいに小さな猛吹雪はどうでしょうか?エミッタノードの属性では、雪片のふるまいを変化させる広範囲にわたる可能性が提供されています。雪片の寿命を短くしたりより速く降らせたり、または回転させることができます。既に生成されたパーティクルにも影響を与えることが可能です。メインメニューのオブジェクトライブラリを開いて「TP Planar Wind」を探して下さい。その名前が示唆するように、このオプションは風のような力であり、私たちの降雪に少しタービュランスを追加するのに使用できます。

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シーンに 「TP Planar Wind」 を追加します。風はどのパーティクルグループを影響しなければならないかをまだ知らないので、「プラグイン ->Thinking Particles->Thinking Particles 設定」で Thinking Particles 設定を開いて下さい。「TP Planar Wind」の属性マネージャのメニュー 「ユーザデータ」にあるテキストフィールド 「パーティクルグループ」 に、グループ 「All」 をドラッグします。「強度」を300 に「タービュランス」を1000 に設定します。

私たちの冬の不思議の国が旋回する降雪に変化しています。おしまいに大吹雪になりましたが、あなたが Thinking Particlesでの作業を楽しまれたように希望します。このチュートリアルを開始点として、雪を使って新しいことを試してみて下さい。他のオブジェクト上に降らせたり或はこれを雨に変換させたりしてみましょう。

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5. Tipsと秘訣

あなたの人生を必要以上に難しくすることなく(これは Thinking Particlesでの作業だけに適用することではありません)、既にオブジェクトに指定された、最も重要なThinking Particles ノードを発見できるオブジェクトライブラリを使用して下さい。そして簡単なインターフェイスによって、殆どのケースであなたの時間を大幅に節約するでしょう。

あなたのセットアップをオーガナイズして下さい。XPresso及び Thinking Particles のセットアップは非常に複雑になることがあるので、セットアップが作成されたようにオーガナイズすると役立ちます。ノードはグループ化でき、良い注釈があれば三週間前に作成したシーンでも何をしたのかを思い出す助けとなります。

パーティクルがシーンのサイズを劇的に増加させることがあるので注意して下さい。各フレーム毎に10,000 オブジェクトと10,000 ポリゴンを作成するようなエミッタを作成しても、最も高速のコンピュータでさえ屈服してしまうことでしょう(もちろん比喩です)。パーティクルをジオメトリに指定する前に、より速いプレビュ機能を使ってプロジェクトの終了間際まで作業することを勧めします。

6. 終わりに

これで私たちのThinking Particles チュートリアルが終了しました。あなたが注意深く様子を見て最後までやり遂げられた

ように私たちは希望します。この小さなデモンストレーションがあなたをより大きな素晴らしいものに勇気づけたかも知れません。このまま前進して楽しみながらトライアウトしてください!最初に述べたように、Thinking Particles は非常に複雑なものになり得ますが、最も複雑な設定は既に単一ノードで開始します。段階ごとにやっていけば、あなたが予想した半分も難しくないと思うようになるでしょう!

この小さなチュートリアルがパーティクルの嵐の未来に突入する助けとなりますように。

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