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悪性腫瘍類似の良性乳腺疾患 平成20年6月27日日本臨床細胞学会東京都支部会
川崎医科大学 森谷卓也1
悪性と鑑別が難しい良性乳腺疾患臨床病理学的特徴と細胞像
川崎医科大学 病理学2・現代医学教育博物館森谷 卓也
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・乳頭状病変、上皮過形成・上皮・間質混合腫瘍・硬化性病変・炎症性疾患・粘液性背景・アポクリン化生性病変・石灰化病変
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乳腺疾患の病理コンサルテーション(282例:2001年~2004年、報告書作成分)
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31?11@A
16?6@A 14?5@A
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癌と鑑別を要する良性疾患の特徴 1.乳管内病変
病変の特徴 良性疾患の種類 鑑別対象となる癌
乳管の内部に上皮細胞が増殖
乳管内乳頭腫乳管過形成乳頭部腺腫乳管腺腫 等
非浸潤性乳管癌乳頭腺管癌 等
乳頭状病変• 乳管内(内腔が拡張した場合嚢胞内)に増殖した上皮が毛細血管を有する結合織性の茎(線維血管性間質)を伴って乳頭状に突出する病変
• 良性病変 *乳管内乳頭腫 (嚢胞状:嚢胞内乳頭腫) *乳管内乳頭腫症 (=多発性乳管内乳頭腫) *乳頭部腺腫• 悪性病変 *非浸潤性乳管癌 嚢胞状:嚢胞内乳頭状癌
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悪性腫瘍類似の良性乳腺疾患 平成20年6月27日日本臨床細胞学会東京都支部会
川崎医科大学 森谷卓也2
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乳頭腫 乳頭状癌二種類の細胞 一種類の細胞核クロマチン正 核クロマチン増量アポクリン化生あり アポクリン化生なし複雑な腺管構造 篩状構造明瞭な間質結合織が介在 間質結合織は微量か欠如乳管周囲の線維化と、上皮取り込み像
上皮の間質内浸潤
周囲乳管に乳管過形成 周囲乳管に非浸潤性乳管癌ときに硬化性腺症が付随 通常硬化性腺症を伴わない
乳管内乳頭腫bcd-cd
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平滑筋アクチン
乳頭状癌 nopq?bcd$rsA 乳管乳頭腫症 Duct papillomatosis = 上皮増殖症 Epitheliosis, = 乳管過形成 Ductal hyperplasia
茎を持たない偽乳頭腫
いわゆる乳腺症の一型
顕微鏡レベル末梢乳腺に多発
乳頭腫との中間的病変もある
非浸潤性乳管癌 (DCIS):篩型/低乳頭型
非浸潤性乳管癌:αーSMA 陽性筋上皮の介在(線状)
乳管内乳頭腫:充実性の上皮巣には筋上皮なし
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良性:多彩な細胞群 悪性:均質な細胞群
良性~悪性乳管内病変の細胞構成(概念的模式図)
乳管過形成 低異型度 DCIS 高異型度 DCIS多彩な構成細胞 均質な構成細胞 均質な構成細胞腺上皮と筋上皮 の二相性あり基底細胞介在
多くは腺上皮由来(ER/PgR陽性)筋上皮ー/+
多くは腺上皮由来?
筋上皮ー/+
34!E12 (CK1,5,10,14)
乳頭腫・乳管過形成におけるサイトケラチン染色パターン
Cytokeratin 5/6
例外;アポクリン化生病巣、平坦型病巣→良性でも(-)
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豊富な筋上皮
筋上皮減少
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結合性低下
構成細胞多彩性
細胞構成均質
乳管内増殖性病変の細胞診断(東北公済病院、1999.1-9 )
不適 陰性 疑陽性 陽性乳管過形成
(中等度以上)29例
(1) 17(60.1%)
11 0
異型乳管過形成7例 0 1 6
(87.5%) 0
非浸潤性乳管癌40例 (2) 7 8 25
(62.5%)
非浸潤性乳管癌の細胞像一般的特徴
・細胞像の特徴1)採取細胞量が少ない(サンプリング)
2)核異型が弱い(非コメド型)3)筋上皮介在(二相性)を伴うことあり
• 浸潤の有無については判定できない (極めて難しい)
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癌と鑑別を要する良性疾患の特徴 2.硬化性病変
病変の特徴 良性疾患の種類
鑑別対象となる癌
間質線維成分の
増生が強い
硬化性腺症放射状瘢痕乳頭部腺腫乳管腺腫脂肪壊死 等
浸潤癌(硬癌、小葉癌)
等
乳腺症の病理顕微鏡で見られる、7つの主な変化
1.乳管過形成(乳管乳頭腫症)2.嚢 胞3.閉塞性腺症4.硬化性腺症5.アポクリン化生6.小葉増生症7.線維腺腫症
硬化性腺症二相性の保持(筋上皮細胞介在)
Radial Scar(放射状瘢痕)• 線維性結合織の芯から、乳管が放射状に配列• 画像上癌と鑑別を要す
• 大きな病巣 →Complex sclerosing lesion
• しばしば乳管過形成を伴う• 病理学的に診断に苦慮する場合あり (癌との鑑別点は乳管過形成や 硬化性腺症に準ずる)・まれに癌を合併 (>50歳、大きさ>6mmでrisk増大)
放射状瘢痕~CSL病巣
偽浸潤 Pseudoinvasion<良性疾患であるのに浸潤癌のように見える状態>
*硬化性腺症 *乳頭腫(硬化性乳管内乳頭腫=管状腺腫) *乳頭部腺腫 *放射状瘢痕 そのほかの良性疾患(同じ現象が癌にも認められる:非浸潤癌成分)
鑑別のポイント 1.腺管の配列(膠原線維の走向に沿う) 2.筋上皮の介在(二相性の存在)
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乳頭腫の辺縁に見られる偽浸潤像
膠原線維の 走向に沿う
筋上皮介在
クサビ状パターン
良性:硬化性腺症 乳頭状病変の偽浸潤部腺管 悪性:硬癌の管状腺管部
62歳女性 乳腺腫瘤
MMGーMLOカテゴリー3(粗大石灰化+陰影?)
62歳女性乳腺腫瘤D
【US】カテゴリー4(1.2cmの腫瘤)
乳管腺腫 Ductal adenoma
•良性上皮性腫瘍の一型•同義語:硬化性(乳管内)乳頭腫 sclerotic (intraductal) papilloma sclerosing papilloma (WHO, 2003)
•乳管内病変:上皮細胞の増殖•瘢痕状線維化(中心部)•偽浸潤像(辺縁部)•アポクリン化生(しばしば核異型を伴う)
規
間質の線維化を伴う充実性腫瘤・管腔構造を伴う
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間質の硬化と索状の上皮増殖、偽浸潤像(右図)を伴う 上皮細胞にアポクリン化生見られ、核腫大を伴う
アポクリン上皮は局所的・腺管配列の規則性と二相性(筋上皮)の保持
αー平滑筋アクチン 乳管腺腫の特徴病理組織像 偽浸潤像 アポクリン化生
乳管腺腫(10例) 90% 50%乳管内乳頭腫(84例) 24% 30%
(坂元:悪性と間違えやすい乳腺の良性疾患の病理 より)
偽陽性判定率 触診 MMG US乳管腺腫(10例) 20% 10% 60%乳管内乳頭腫(84例) 19% 23% 46%
アポクリン化生上皮混在:異型を伴うように見えるので注意!
乳管腺腫の細胞像:過剰判定に注意 乳管腺腫:過剰判定を防ぐコツは何か?
1.二相性の保持に注目2.異型アポクリン化生細胞が、 良性乳管上皮集塊に併存3.硝子様間質成分の介在4.本疾患の存在を認識すること5.細胞像と画像を対比して整合性が 得られない場合には特に注意
文献・堀井理絵:乳癌の臨床19:249-253、2004
・久木田妙子:乳癌の臨床19:391-395、2004
・山上千秋:日臨細胞会誌41:274-277,2002
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アポクリン化生を伴う乳腺病変良性・いわゆる乳腺症 (アポクリン嚢胞を含む)・乳管内乳頭腫 または乳管腺腫・硬化性腺症の一部悪性・アポクリン癌・アポクリン化生主体 の非浸潤性乳管癌・小葉癌の一部 良性アポクリン化生細胞
アポクリン癌
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【症例】46歳、女性【触診】表面平滑な腫瘤(FA推定)【MMG】腫瘤(良性?)+カテゴリー3の石灰化【US】 2.2cmの腫瘤(カテゴリー3)【細胞診】良悪性鑑別困難
多量の細胞採取、上皮の核腫大傾向? 管内型線維腺腫に相当する部(左)と細胞密在部(右)が同一腫瘍内に混在
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硬化性腺症(左)や乳管過形成(右)に相当する部が混在
線維腺腫・乳腺症型・線維腺腫の内部に アポクリン化生、閉塞性腺症、乳管過形成、 嚢胞、硬化性腺症、小葉増生症など
・臨床的にも癌と鑑別を要すことあり・乳管過形成(乳管乳頭腫症)成分を非浸潤性乳管癌と 過剰診断しないよう注意 →非浸潤癌を合併した線維腺腫:極めて稀 →乳癌発生のリスク増加なし →間質成分の介在に注目!
(参考)線維腺腫の亜型:管内型、管周囲型、類臓器型、 乳腺症型
規
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123�4�����#$����u� 左右とも線維腺腫(乳腺症型)、良性:組織診断のポイントは間質成分
粘液腫様間質がめだつ線維腺腫 葉状腫瘍(良性~境界悪性) 細胞像線維腺腫に比し: 上皮集塊が大型 間質成分優勢 裸核;紡錘形、不整形 間質細胞の核分裂像
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悪性と鑑別を要する良性乳腺疾患の病理所見
その他注意すべき疾患最近注目されている疾患
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腺筋上皮腫 Adenomyoepithelioma
腺上皮細胞と筋上皮細胞の両者が、ともに 増殖する腫瘍(特に、筋上皮の増殖が主体)
基本的には良性の腫瘍
まれに所属リンパ節転移・遠隔転移 腫瘍の一部が悪性化 周囲に癌を付随している症例
亜型:分葉型、管状型、紡錘細胞型
規
暗調の腺上皮と明調の筋上皮が明瞭に区別される(分葉型) -bcd|XXX¤�jq¥XXXXXXXX¦�§¨��¥
二相性の確認
EMA
アルファー平滑筋アクチン
p63
腺筋上皮腫の細胞像:過剰診断に注意
広い胞体を有する筋上皮を認める ライト緑好性の基質(基底膜物質A
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筋上皮細胞に核内偽封入体様構造を伴うことがある
(桝川睦子ほか:日臨細胞会誌 46:216-221,2007)
規 乳腺線維症 Fibrous disease• 線維化あるいは硝子化した間質内に萎縮した小葉、 乳管が散在性に存在する良性病変である。 間質増生に比較して極端に小葉、乳管密度が低い点が特徴とされ、小葉内および小葉、乳管周囲に成熟リンパ球の浸潤を伴うことが多い。 良性病変であるが、臨床的には浸潤癌の所見を呈することがある。
•注:本型の中にdiabetic mastopathyが含まれる。
生検標本:脂肪を巻き込む境界不鮮明な腫瘤
間質が豊富、実質は萎縮性(リンパ球集簇) 末梢乳管~小葉の萎縮 ケロイド様の成分を含む
厚い膠原線維
・乳腺線維症:閉経前発症が多い・境界不明瞭な腫瘤形成→臨床的に癌と鑑別を要す*細胞診・針生検:診断不適となる危険!
40歳、女性 乳腺の不規則な硬結 穿刺吸引細胞診2回:診断不適
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粘液瘤様腫瘍(Mucocele-like tumor:MLT)
・粘液を含む拡張乳管(嚢胞状)集族 ・一部が破綻し、粘液が乳腺間質内に露出
・当初は良性疾患として報告 ・異型上皮や癌の合併例がみられる ・画像診断の発達により遭遇頻度が増加?
→細胞診/針生検で診断確定可能か? →悪性度評価をどのように行うべきか?
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MLTの組織像
DDDDDDD拡張した乳管内に粘液が貯留し、間質内への露出も見られる良性MLT:上皮は平坦で異型を認めず、二相性も存在
AB-PAS重染色
MLT背景を伴うDCISの組織像
mDm
石灰化
MLT病巣内、または周囲実質に、明らかな低乳頭状または篩状の異型病変
MLTの細胞像
背景:希薄な粘液の中に 泡沫状組織球が見られる定型的には、上皮成分は乏しい
良性MLT:シート状の小型集塊
MLT+上皮異型またはDCIS:核重積、乳頭状構造核腫大傾向
森谷卓也ほか:日臨細胞会誌 46: 287-291, 2007
年 2003 2004 2005 2006 2007(1-9月) 計
穿刺吸引細胞診検体適正例数 1762 2367 2428 2557 1975 11089
臨床診断MLT疑い
(検体適正例中)13 37 49 77 58 234
細胞診MLT疑い 8 16 15 41 32 112
(適正例中の割合) 0.5% 0.7% 0.6% 1.6% 1.6% 1.0%
乳腺穿刺吸引細胞診施行例中のMLT症例の頻度(年次推移)
(東北公済病院 長嶋真紀ほか:第47回秋期総会、仙台 にて発表)
肉芽腫性乳腺炎Granulomatous mastitisnopqrs)tuv?@wx>yz{C
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悪性腫瘍類似の良性乳腺疾患 平成20年6月27日日本臨床細胞学会東京都支部会
川崎医科大学 森谷卓也12
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小葉構造破壊と、好中球や組織球の反応小葉中心性の炎症反応
肉芽腫性乳腺炎
臨床像と細胞所見
脂肪壊死 fat necrosis
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!授乳期乳腺
謝辞日本臨床細胞学会東京都支部
土屋眞一先生渡會泰彦先生
共同発表者(症例)・東北大学病院 三浦弘守先生 渡辺みか先生 安達友津先生・仙台徳洲会病院 今野かおり先生・東北公済病院 長嶋真紀先生 秋保信彦先生 平川 久先生・北福島医療センター 君島伊造先生・中国中央病院 羽原利幸先生 藤村紀行先生 森谷恭子先生 園部 宏先生・荘内地区健康管理センター 桝川睦子先生・鶴岡市立荘内病院 深瀬真之先生・一本杉外科胃腸科医院 一本杉 聡先生・川崎医科大学 畠 榮先生
小塚祐司先生 鹿股直樹先生 福屋美奈子先生 園尾博司先生 http://www.kawasaki-m.ac.jp/mm/
2F:一般公開フロア(健康教育博物館)入場無料
4F(系統別・教育用展示)
3F (病理標本>4000) 壁にCPC自習問題