Pseudopotential法とVirial定理を用いたP-Vの計算Œ—海道大学地球物理学研究報告...

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Instructions for use Title Pseudopotential法とVirial定理を用いたP-Vの計算 Author(s) 前田, 亟 Citation 北海道大学地球物理学研究報告, 30: 69-81 Issue Date 1973-12-17 DOI 10.14943/gbhu.30.69 Doc URL http://hdl.handle.net/2115/14032 Type bulletin (article) File Information 30_p69-81.pdf Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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Instructions for use

Title Pseudopotential法とVirial定理を用いたP-Vの計算

Author(s) 前田, 亟

Citation 北海道大学地球物理学研究報告, 30: 69-81

Issue Date 1973-12-17

DOI 10.14943/gbhu.30.69

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/14032

Type bulletin (article)

File Information 30_p69-81.pdf

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

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北海道大学地球物理学研究報告

Geophysical Bul1etin of Hokkaido University Vol. 30, December, 1973, p. 69-82.

Pseudopotential法と Virial定理を

用いた P-Vの計算

前田亜

北海道大学理学部地球物理学教室

(昭和 48年 5月11日受理)

Pressure-Volume relations by making use of

the pseudopotential approximation and

the Virial theorem

By Itaru恥rIAEDA

Department of Geophysics, Faculty of Science, Hokkaido University

(Received May 11, 1973)

Using the Virial theorem and th巴 groundstate energy which is given by the local

pseudopotential approximation by Heine and Abarenkov, we obtain巴dP-V relation for

electronic part. We substituted the pressure thus obtained to the Mie-Gruneisen's

equation of state to obtained total pressure.

Sinc巴 thissubstitution is valid only in approximation, the maximum temperature

T M below which we can apply this equatin of state to real mat巴rials is estimated.

This estimation gives a relation T~TM= 1.7XI040K for a temperature T at which we

can use this equation.

羽Te applied this equation of state to metak..Al, Ca, Sr, Be, Mg, Li, Na, and K.

Calculation were made by three methods. First we claculated the energy with constant

parameters, and differentiated it with respect to the volume, then obtain巴dthe pressure.

Second we calculated the energy with constant parameters. Using the Virial theorem,

we obtained the pressure. Third we calculated the energy with variable parameters 1

which depend on the volume of the form (VjVo)", then obtained the pressuse from the Virial theorem.

A comparison of th巴secalculations with experiments shows that the first method

gives too high values, the second method gives too low values, while th巴 thirdmethod

gives fairly good agreement with experiment.

1. はじめに

地球内部に限らず回体が高圧下でいかなる状態になるかを知ることは興味深い.その一つの

方法として高圧実験が行なわれている.第 2の方法は系のポテンシャルエネルギーを査で展開

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70 前回琵

し適当な頂までとりその係数を比較的低圧下での実験により決定することである (BIRCH,

1947).また系全体のポテンシャルの代りに原子間ポテンシャルについて上の方法で展開係数を

決めて系全体の物性を論じることもできる (BORN,et al. 1945). この方法は仮定されるポテン

シャルが簡単で、ある程必要となる parametersの数が少くて済むので普通中心力場の仮定が用

いられる (THOMSEN,1970).

普通上に述べた方法で得られる状態方程式は当然のことながら基底状態におけるエネルギー

についての情報をほとんど含んでいない. このエネルギーは実験により決定されのであるが,

今回これをもう少し原理的な立場から計算することを試みた.

11では Mie-Griineisenの式の電子部分の圧力に対応する項を Virial定理を用いて計算する

場合の問題点を考える.

111では pseudopotential法を紹介する.

IVでは計算の結果及び実験値との比較を行なう.用いる単位系はこの論文を通して圧力以

外は原子単位系である.圧力については劫を用いる.原子単位はん=e=η7e=1で形式的に

与えられる. ただしh=h/2πで hは plankの定数 eは電子の電荷,及び meは電子の質量で

ある.

11.

Mie・Gruneisenの状態方程式。1-G)は次式で与えられる.

p dEEV E叫

dV" V ( 1 )

ここで Pは系の全圧力,右辺第一項は電子部分のエネルギ- Eによる圧力,第 2項はイオン

の振動によるエネルギ-Ev叫による圧力を示す.rは Gruneisenの定数である.

この論文では Eを基底状態に関する Hartree-Fockの式から導く. 絶対 OOKではこうして

得られた Eoを (1)式に代入することは厳密に正しい. しかし有限温度では (1)式の E の代り

に E。を用いることは近似的にのみ正しい. そこで近似的に Eの代りに Eoを用いることので

きる温度範囲を見積る必要がある.

E~E。であることは必ずしも温度 T がおよそ OOK であることを意味しない.電子の比熱

は非常に小さい. 電子が励起されるのはイオンの振動による,即ち電子-phononの相互作用

による.それ故イオンの振動が調和近似で表現される程度の温度範囲では電子はほとんど励起

されない.故に E~E。である為の条件は形式的に Born-Oppenheimer の断熱近似の条件と同

じである (Born,et al. 1954). この条件は次の様に書くことができる (PEIELS,1957).

子<<.dE (2 )

ただし U はイオンの運動速度 1はイオンの変位の大きさ L1Eは基底状態の準(立の中で最も

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Pseudopotential法と Virial定理を用いた P-Vの計算 71

高い準位とその一つ上にある準位の聞のエネルギー差である.

簡単の為に比熱に関する Einsteinモデルを用いて fとU を評価する. 1振動子(イオンの一

方向の振動)について振動数を νとすれば

2πν =kBT (3 )

なる振動エネルギーが割当てられる ただしんは Boltzman定数,Tは温度である. lをイ

オンの振幅 vを半周期間の平均の速さととれば (3)式を用いて

v kBT t π

なる関係が得られる. これを使って (2)式は温度の条件として書き換えられる.

rcL1E Tくと,-一三 TM

κB (4)

次に L1Eについて考える.誘電体は完全に飽和しているか又は完全に空であるパンドだけ

をもっている (HARRISON,1970). この物質では電子の励起はバンド聞の遷移によって行なわれ

る. 故に L1E=band gapエネルギーととることができる. しかし金属は Fermi面付近で部分

的にしか満されていないノくンドをもっ. この場合の L1Eは定義に従えば次の様である.

逆格子空間を考える.対称点から 1st・Bri110uinzone面までの電子の運動量 kの数は Nまの

程度である. ここで Nは 1st-Bri11ouin zoneの格子点数である Fermi面付近の電子の運動

量を kF とすると,この電子が次の準位(運動量的に励起されるには

一 (k')2 k'}.. (2πLfl~--'--1\2_~2l_ (2π)2n L1E 一一一一一一=一一一一一 Hn+1)2-n2};::::一一一一ー

2 2 2N九2 l".' ~I •• J Ni a2 (5 )

の程度のエネルギーを必要とする. ここで G は格子定数 nはんvが対称点から数えて n番目

まの運動量であることを示す. この nはせいぜい N の程度であるからの)式は

E=(ヲ)20(lvt) ( 6)

となる.0はランダウの記号である. (6)式を用いると (4)式の右辺 TM は

TM;::::O

ということになる.故に断熱近似は実用的な温度では成立しない. しかし電子が励起されるこ

により増大するエネルギ- E-E,。が Eoに比して無視できる程度であれば今の目的には十分

である.

熱的に励起される電子はほとんど Fermi面付近に存在する. 今問題にしているのは金属で

あるから,これ等の電子・はほぼ電子ガスと考えられる. 故に E-E,。は電子ガスの比熱の問題

に帰着する.統計物理学の教科書によると電子ガスの熱励起の大きさは 1電子あたり

2 (kHT)2 ki.

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72 前回 ~

の程度である. この励起エネルギーは T=20000K で 0(10-4)[au]の程度である. 1イオンあ

たりせいぜい 0(10-3)[au]の熱励起電子エネルギーが付加されることになる. これに対して

Eoは 1イオンあたり 0(1)[au]である.故に金属の場合断熱近似は成り立たないが,その結果

生ずる電子のエネルギーの変化は無視できる程度のものである.また励起エネルギーの徴分係

数も考えている条件の下では特異点をもたなし、から,このエネルギ一変化を全く無視すること

ができる.

金属の場合にも TMを見積る目易として Fermi面近付のノくンド間隔エネルギーを用いる.

知られている縮退していない Fermi面付近のバンド間隔は 0.01-0.1[au]の程度である.

L1E~0.018 [au]とすれば(の式から TM として

T,lf~ 1.7 X 104 oK

が得られる.

さて ModifiedHartree司 Fockの方程式を無次元座標で書き換えたものを体積で徴分するこ

とにより

2 ~ . 1 pHFV= ~ Te十一 U3 ~ ~, 3 (7 )

基底状態に対して厳密に成立することが証明されている (Ross,1969). ここで Teは電子の運

動エネルギー,U=E-Teである Rossによる証明には correlationの効果が考慮されてい

ない. 本来 correlation エネルギーはポテンシャルエネルギーの一部分であるから U~こ含ま

せるのが正しい (ex,AVERILL, 1972). しかし圧力への影響は無視できると考えられる (Ross,

1969, Ross et al. 1970). この論文では correlation エネルギーは U~こ加算されている. (7)の

成立条件は系が平衡状態にあることである.今問題となっている平衡関係は基底状態について

である.電子エネルギーが基底状態にあると見なせる温度 Tは T<<::TM を満足していること

であった ((4)式参照).故に T<<::TM なる温度範囲で

P=PHF付与ι (8)

が成立する.

III.

pseudopoten tial法はいろいろの方法で定式化される. OPW法によるもの (HARRISON,

1966)や散乱理論から得られるもの(例えば HEINE,1966)などがある. ここでは散乱理論に因

るものを簡単に総括する.

国体のエネルギー状態を左右するのは主に原子の“表面"に近い電子である.

実際の電子の波動函数が Fig.1の上図のごとくであるとする. その時のポテンシャルは

Fig.1の下図の実線で示した曲線で、ある.今核 (r=O)から適当な距離 rcを定める.rcの内部

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Pseudopotential法と Virial定還を用いた P-Vの計算 73

o r

dy

o

-------ーー・由一ーー・ー司・ー「

U

Fig. 1. Real and pseudo wave function, and potential.

の電子は強く核に結びつけられているものと考えられる. もし rc内の波動函数を Fig.1の破

線の様に変えても r>九の電子の状態は変らない. その時のポテンシャノレは r=九で 1Jf-1d1Jf/

drが連続ならばどんなものでも良い. 例えば図の一点鎖線で示した方形ポテンシャルで、も良

い. これを散乱の言葉で表現すれば phaseshift a =占。+却を与えるポテンシャルは phase

shift δ。を与えるポテンシャルと同じ散乱断面積をもっ (SCHIFF,1968).

そこで系の状態を正しく記述することができる適当な散乱ポテンシャノレを導入することがで

きる. このポテンシャルは実際の原子内部のポテシシャルとは異っておりモデルポテンシャル

と呼ばれる rくrcの領域は coreと呼ばれる. r>rcでは普通 Coulomb型のポテンシャルが

仮定されている. Heine-Abarenkov型ポテンシャルの中で散乱が角運動量に依存しない Lo-

calポテンシャルによる定式は極めて簡明である. その有効性と限界は SHAw (1972 a)により

示された.弾性定数等の計算に於いてもこの方法はかなり成功している様に見える (SUZUKI,

1971). しかし散乱ポテンシャはこの場合原理的に計算されるものでなく, 何等かの実験的情

報により決定されねばならないので,用いたパラメーターが目的とする物性に都合良く決めら

れる場合とそうでない場合とが起る‘例えば半導体のモデルポテンシャルのパラメーターをノく

ンドギッフ。から計算した場合,高圧下に於ける物性の計算に適さないと思われる. このことは

IVで議論される.

この論文で用いた local近似の pseudopotentialによる電子エネルギー Eの表現は次の様

に与えられる.

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74 前回盗

E= Te+Ee",+Ec+E肘 +Ee.+Eb'

上式右辺の各項は 1イオンあたり次の様に書かれる.

Teは電子の運動エネルギーで

T3hL --.--e -5 2

で与えられる.ただし Zはイオンの電荷,kF は Fermiベクトルである.

Ee", は exchangeエネルギーである.Qを原子の体積として r.を

f戸(長)まと定義すれば E凶は

E,. = -0.916 Z

一 一何一

2 r.

で与えられるなお乃は電子 l個が占めている体積に相当する.

Ecは correlationエネルギーで

Ec=す附lln(r.)-0.115) Z

である. これは Hartree-Fockの式の固有値と実際の系のエネルギーの差として定義される

(KITTEL, 1963). ただし上の表現は NozieresとPines(1958)によるものである.

Encは core内のポテンシャルエネルギーのうち Coulomb成分を除いた残りのエネルギー

である (HARRISON,1966). モデルポテンシャル Vbを

Z Vb=

r r>rc

= -Uc 1'<九

の型に与えると Encは

となる.

4π /1免 9¥=一一(~ Ucl~+τ Zr~l Q ¥3 ~c'c

2 ~'cJ

Eeaは静電エネルギーで次式で与えられる.

Z2α -----~e.

2ra

( 9)

ここで αは Madelung定数で金属については FUCKSの方法で計算される (FUCKS,1935)

la は

ra = (笠)ま4π で定義され,原子半径に相当する量である.

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Pseudopotentia!法と Viria!定理を用いた P-Vの計算 75

EO8はバンド構造エネルギーである.

EO8 = L; 1 S(q) 12 F(q)

S(q)は構造因子でブラベ格子がー原子より成る時は q=Gの時 1でありそれ以外ではゼロで

ある. ただし Gは逆格子ベクトノレ,q は逆格子空間のベクトルで、ある • F(q)は次式で定義さ

れ energywave number characteristicsと呼ばれる (HARRISON,1966).

。 2 E (q)-l F(q)=-1ι I<K+qlvoIK>1一一一一一ε(q)

Uoは (9)式で与えられるモデ、ルポテンシャル, ε(q)は誘電函数で今回は次式で定義される

Hartreeによるものを用いた.

1 (1-i72 7..11+可 1" ¥ ε(q) = 1+←一一----:::>( ~ ....:' ln 1一一一 1+1)

LπkFゲ¥ 2守 I 1一可 I' ~ J

ただし甲=q/2kFである.

Ee8とEO8が結晶構造に依存する量である coreポテンシャルと外側の Coulombポテンシ

ャルによる電子波動の不必要な振動を除く為に Uc'rc=Zなる関係を用いた (SHAW,1968).

IV. 1.結 果

計算は Al,Mg, Sr, Na, Ca, Li, B巴, Kについて行った. 特に Alについては Shock

waveによる実験 (AL'TsHULER,1960)と比較する為に (1)式と (9)式を用い各温度について計

算した.その結果を Fig.2に示す.

ただし 1イオンあたりの熱振動エネルギーは 3kBTとし Gruneisen定数については Slater

の近似式を用いた. 図中の数値は測定(+印で示す)が成された温度を示す. 0印はその温度

に於いてパラメーターを一定にして計算した値,破線はパラメーターが (V/Vo)まに比例すると

して計算した値で、ある. ただしこの場合には V/Voは等間隔のきざみ値のところで計算されて

いる. Al以外の金属については温度一定下での実験値と計算値を比較した. Fig.3 aから 3g

は各値をそれぞれの金属についてプロットしたものである.

実験は多くの場合常温下で行なわれており値は V/Vo=lで p=oとして示されている.そこ

で,計算値もこれにならって図示した故,図には温度の効果はほとんど現われていない.

Caと Liに関しては一定のパラメーターを用いた計算値が実験値と比較的良い一致を示す.

0_ 守ま vSr, Mg, Be, Alに関しては, ハフメーターか (V/VO)3VC..比例するとして計算した時の値の方

が実験値と適合する.KとNaについてはどちらの計算方法でも実験値と適合する値は得られ

なかった.

図中に示された a,Cはそれぞれ結晶の G 軸 C軸方向の格子定数である m,mは常圧下

での値であることを示す.圧力の単位は劫でそれ以外はすべて原子単位である.

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76 前回 墜

+ 1000 3440

800 1 、、

、、、

nu

+

¥,vt

ー‘、、

600 。

eo 7一、

uvQ

、1

4

・‘、‘、‘、、

o 、1097

200

au 'u『qJ

L叩AV、

¥ 、、

、ー、+O

、,勾

、¥8

KTn

目。

¥

4

¥

+一¥お

o

¥、

6

、、、auv

¥

、、、、、

。400

kb

0.6 0.7 0.8 0.9 V/V。

Fig. 2. p-V relation for Aluminium.

+ denotes experimental value by shock wave (AL'Tshuler. et al. 1960). o denotes calculated value with constant parameters. Broken line indicates the position of calculated values with variable parameters.

Temperature at which pressure is evaluated is indicated under cross.

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600

Pseudopoten tial法と Virial定理を用いた p-vの計算 77

lMAGNESIUMI

a= 6.0 5 c = 9.83

Rc =2.6 ul: =-0.77

• . . ..113 Rc= Rc'(vlv・)

113 Uc = Uc'(vlv・)

。DRICKAMER

(1965 ) 200 f¥ 、、、、、、

ノ¥、yk b I Rc = R長、、、

uc=Uと司、、、

0.6 0.7 0β0.9 1.0 v/vO

Fig. 3 a. P-V relation for Magnesium.

Symbols are given in the text.

。。

70. r 1SQDIUM| a=7!iJ8

60 f¥ A Rc= 3.30 UC= -0.3 0

50トl。VAIDYA.et.al.(lnl)

A RICE (1965)

ゐO十¥¥。¥113 ¥.ARc=Rc'(vlv・}

¥/ ¥. ..., , • ..113 ‘¥/ lUc=Uc'(v/v・)

30ト ¥¥J¥, Rc = Rc. Uc = ue

20ト ¥f。

¥、¥0

0.6070 B 09vfv・1.0

Fig. 3 c. P-V relation for Sodium Symbols are given in the t巴xt.

10 kb

-um--u-i

-Tt

---PD

N

一1

-nu-

,s

-DH

一=

一T-a

-q=

Rc = 4.0 ue =同0.5

100

.、113Rc=Rc.( v Jv')

¥13 Uc=ue(v/v')'

。0・.BRIDGMAN

50

kb

Rc司Rc

Uc札Je

0.6 0.7 08 0.9 vlv' 1.0

Fig. 3 b. P-V relation for strontium. Symbols are given in the text.

Experim巴ntalvalues by Bridgman are refered from the review by Bundy et

al. (1962).

300 「EEtdE3

M

一・一U一。:

ー一C一=

-L-a

一AU

【-FFLv-

-Rc = 4.0 Uc=-0.5

113 Rc = Rc '(v/v・)

113 Uc =Uc.( v/v・)

200

、三¥九、・.、.、.マ~、.、.一、・-、-・.一、・.昼、、・'・. . 、‘..~

、、丸、t~.『吋

0.6 0.7 0.8 0.9 vlv・

Rc= Rc

-Uc = Uc

...・ BRIDGMAN100

kb

1.D

Fig. 3 d. P-V relation for Calcium. Symbols are given in the text.

Experimental values by Bridgman are refered from the review by Bundy et al. (1962).

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78

200

100

kb

官ij 国産

3000 IBERYLLlUMI

ILlTHIUM I a=4.32

c = 6.77 a=6.58

Rc = 3.2

Uc =-0.31

。BRIDGMAN

R'C = 2.0

U~ =・1.0。BRIDGMAN( 193自)

口 一一一一ーー (194 B) 2000

a,, ー

)

-V

I

V

--c nn =

c

Dn

1/3 Rc=R-c'(v/v・)

1/3 Uc=Uc'(v/v・)

31

1 ) -v

l

v

(

-C

HU --

C

HU

‘ 、、、、、、、、、、、、、、、/、、

¥Rc = R~

¥〉¥/Uc=U~ ‘、¥.1"

、受

1000

kb

Rc=R~ Uc='U~\\ 、、、

、母

0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 v/v・ 0.6 0.7 0.8 0.9 ¥.0

v/v・Fig. 3 e. P-V relation for Lithium.

Symbols are given in the text.

Experimental values by Bridgman are

refered from the review by Bundy et

al. (1862).

ゐO

20

kb

Fig. 3 f. P-V relation for Beryllium Symbols are given in the text.

Experimental values by Bridgman are

refered from the review by Bundy et

al. (1962).

o

|POTASSIUMI

a = 9.87

Rc= 4.0 uも=ー0.25

。VAIDVA.et.al. (1971)

。内

d,,, ー

、‘,,•

uv ,, v

,,‘、・FLWHU --

F』'uu

J,,, ー

) -

V

I

M-,,.、FL

・-ロHZ

F匂DH

、、、、、-Uc= Uc

1.0 v/v・)0.9 0.6 0.8 0.7

Fig. 3 g. P-V relation for Potassium. Symbols are given in the text

2. 考察

IIIで述べた散乱理論の立場からすれば, “正しし、"phas巴shiftが得られるならば, ポテン

シャルの型は制限されない. 故に圧縮により cor巴外の状態が変化すれば,それに応じて散乱

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一上一一』

79 Pseudopotential法と Virial定理を用いた P-Vの計算

V

Fig. 4. Variation of real and pseudo wav巴 function.

Curve 1 represents real wave function at normal volume.

Curves 2 and 3 represent pseudo wave functions.

Curves 3' and 3" represent wave functions at compress巴dvolume‘

re is core radius.

の様子も変化し結局 coreを規定している量も変化すると考えられる.

常圧での波動函数 (Fig.4の曲線 1)は coreの外側では圧縮された時 3'又は 3"に変化する

このことは, Virial定理を導く時の手順 (Ross,1969)に従って波動函数を無次

元座標系で表現すれば体積依存性が explicitに現われることから容易に理解される.

波長は当然、 (V/VJに比例する.

と考えられる.

coreの表面で波動函数の対数微分 7Jf-ld7Jf /drが連続であ

るためには cor巴内での pseudowave functionもcoreの表面近くで高周波成分(波長が (V/

Vo?"倍)をもたねばならない

ポテンシャルの深さ Ucと量子数 nおよび波動函数 Aexp

Uccx:.n2であるから noc(波長]-loc(V/Vof3なる関係を用いれ

ところが実験値に合う計算は Ucoc(V/Vo)すを用いて行

井戸型ポテンシャルに於いて,

(inx)の聞の関係から類推して,

Ucoc(V/VoPとならねばならない.JA

t なわれている.

更に Virial定理を用いず (1)式の右辺第 1項を固定パラメーターを用いて計算した Eeから

直接微分して得られる Pは常に実験より高い値となる.

固定パラメーターを用いると shearconstantについてはおよそ弾性常数を計算した場合,

しかし体積弾性率実験と一致する (BERTONI,et al. 1971, KING, et al. 1970, COUSINS, 1970).

に関しては実験と合わない (BERTONI,et al. 1971).

パラメーターが体積に依存するだろうと思われるがその函数形は不明で、あ以上のことから,

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80 前 回亙

る.今回の計算に於ける (V/VJ依存性は,全く経験的な関係であると考えるが妥当である.

なお用いたパラメーターは経験的に求められた関係 (SHAW,1972, a, b)を利用した.

以上の結果から極めて簡単な構造をもっ物質についてさえ pseudopotential法は macroな

物性を正しく与えることはできないということがわかる. 勿論常に実験値に合せるべく pa・

rametersを決めることはできるが,それでは地球物理学の立場からすればあまり役に立つ計

算とは言えない.今回 Shawによる param巴tersを用いた理由は計算に多少とも汎用性を持た

せようと L、う意図からであった. 明らかなことはこの計算方式が地球的物質の macroな特性

を計算するには現在ではあまりに粗すぎる近似であるということである.将来他の計算方式と

組合せて使用できる様になるかもしれない.例えば液体金属の電気抵抗(地球のコアに応用)

の場合の APW法との組合せ (EvANS et al. 1972)等が考えられる.

計算には北大大型計算機センターの FACOM 230-60を用いた.

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