PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会...

34
1 PFI事業参入に PFI事業参入に おける留意点 おける留意点 P F I P F I 2 0 0 4 PCKK =パシフィックコンサルタンツ作成 禁無断転載) 2 研修内容 .PFI参画のポイント .PFI参画のポイント .PFI事業計画の実際 .PFI事業計画の実際 .模擬提案書 .模擬提案書

Transcript of PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会...

Page 1: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

1

1

PFI事業参入にPFI事業参入における留意点おける留意点

秋 田 県秋 田 県 P F IP F I 研 修 会研 修 会( 2 0 0 4 年 1 1 月 1 5 日 )パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ 株 式 会 社マ ネ ジ メ ン ト 事 業 本 部 P F I 事 業 部

八 島 雄 一 郎

( P C K K = パ シ フ ィ ッ ク コ ン サ ル タ ン ツ 作 成 禁 無 断 転 載 )

2

研修内容

ⅠⅠ.PFI参画のポイント.PFI参画のポイント

ⅡⅡ.PFI事業計画の実際.PFI事業計画の実際

ⅢⅢ.模擬提案書.模擬提案書

Page 2: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

2

3

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント

1.PFI参画のスタンス1.PFI参画のスタンス

2.案件の判断2.案件の判断

3.提案書作成上のポイント3.提案書作成上のポイント

4

1-1.PFI事業の現況をどう見るか(1)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

「合併」、「三位一体」で様子見「合併」、「三位一体」で様子見

⇒⇒「指定管理者」引き金に第二波の様相「指定管理者」引き金に第二波の様相

大勢は決した大勢は決した

~PFIに前向きな自治体が~PFIに前向きな自治体が

4割弱から6割強へ4割弱から6割強へ

霞ヶ関の風向きも変化霞ヶ関の風向きも変化

(PCKK作成)

Page 3: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

3

5

・特定自治体での集中傾向(実施経験と定着化)・特定自治体での集中傾向(実施経験と定着化)

・周辺自治体での実施による触発・周辺自治体での実施による触発

1-2.PFI事業の現況をどう見るか(2)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

6

11--33.憶えておいていただきたいこと.憶えておいていただきたいこと

一体としての業務一体としての業務

総合評価総合評価

長期契約長期契約

性能発注性能発注

ファイナンスファイナンス

コンソーシアムコンソーシアム

(マネジメント的観点)

(延払効果=現在価値化)

(仲間づくり 銀行も)

(今まで:仕様発注)

(今まで:請負・単年度)

(入札額と提案内容で)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

Page 4: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

4

7

1-4.PFIでは「経営と資金調達」が求められる

サービスの提供

施設の整備

施設・サービスの管理

× ×

民間:事業全体を受託→経営

行政:必要なサービスの特定

【PFI】

サービスの提供

施設の整備

施設・サービスの管理

+ +

設計受託

建設請負個別作業受託

行政:段階ごとの計画・管理・運営

民間

【従来型】

個別作業受託

一番札 一番札 一番札 内容も含めた一番札

資 金 調 達

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

8

1000億円単位 ・・・ 病院等

100億円単位 ・・・ プラント等

10億円単位 ・・・ 箱物

10億円以下 ⇒ バンドル化

地域

PFI

(50億円)

11--55.事業規模のオーダー.事業規模のオーダーⅠ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

Page 5: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

5

9

公共施設整備公共施設整備 公共サービス調達公共サービス調達

建設事業建設事業マネジメント・マネジメント・メンテナンス事業メンテナンス事業

【【公共側公共側】】

【【事業者側事業者側】】

技 術

法 務

財 務

技術提案能力(見せ方)

リーガルコントロール(専門弁護士事務所活用)

プロジェクトファイナンス

事業計画策定能力(PCKK作成)

1-6.PFIでつける地域のソフト力Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

10

♦♦従来型従来型

((PSCPSC))

BOT(PFI)BOT(PFI)

BTO(PFI)BTO(PFI)維持管理・運営代金/金利維持管理・運営代金/金利

維持管理・運営代金維持管理・運営代金

整備代金

整備代金

賃貸料賃貸料

売却代金売却代金

割賦料割賦料

1-7. 支払いの受け方

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 1.PFI参画のスタンス

Page 6: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

6

11

♦ PFIは地味な話

⇒PFIはありきたりの事業の積み重ね(官民とも)

⇒PFIは安全なビジネスであるべき

♦ 面開発が出来るとの勘違い

(「土地はあるから何かできないか」)

♦ 地域としていずれ必ずやりたいものの早期着工(防災・教育・医療 等)

2-1. PFIを働きかける上での注意Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

(PCKK作成)

12

<参考>PFI事業の実施プロセス(1)

○VFM算定結果の公表Step3

特定事業の評価・選定、公表

3~

6ヶ月程度○審査委員会の設置

○実施方針の公表

○要求水準書(案)等の公表

○民間事業者からの質問・意見の招請、質問・意見への回答

Step2

実施方針の策定及び公表

6ヶ月程度○PFIアドバイザーの選定

○PFI導入可能性調査の実施

○実施に関する庁内協議・関係者の合意形成

Step1

事業の発案(民間事業者からの発案を含む)

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

Page 7: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

7

13

4~

6ヶ月程度○債務負担行為の設定・議決

○募集の公告、募集関係資料の公表

・募集要項(=入札説明書)、様式集・要求水準書・事業者選定基準(=落札者決定基準)・事業契約書(案)または条件規定書

・基本協定書(案)

○説明会、現地見学会等の開催

○民間事業者からの質問・意見の招請、質問・意見への回答

○事業契約書(修正案)の公表

○参加資格審査または簡易提案書審査

○入札、提案書審査、事業者選定結果の公表

Step4

民間事業者の募集、評価・選定、公表

(PCKK作成)

<参考>PFI事業の実施プロセス(2)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

14

―○施設の引渡し(BOTの場合)

○土地・施設の明渡し等

Step7

事業の終了

―○設計、建設工事状況の監視

○施設の引渡し(BTOの場合)

○維持管理・運営状況、経営状況等の監視

○サービス購入料の改定、減額

Step6事業の実施、監視等

3~6ヶ月程度

○基本協定の締結

○仮契約の締結

○PFI事業契約の議決

○PFI事業契約の締結

(○金融機関等との直接協定の締結)

Step5

協定等の締結等

(PCKK作成)

<参考>PFI事業の実施プロセス(3)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

Page 8: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

8

15

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

2-3. 案件の判断

事業者にとっての意義(新市場進出、経営資源活用等)

事業規模

リスク

先行メリット・シリーズ物

16(PCKK作成)

2-4. 案件判断のタイミング

○○リスクの見きわめリスクの見きわめ

○○コンソーシアムの相手コンソーシアムの相手

○○最終判断(収益性等)最終判断(収益性等) ◆◆入札直前入札直前

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

◆◆実施方針発表時実施方針発表時

◆◆可能性調査~可能性調査~

市場調査時市場調査時

Page 9: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

9

17

22--5.5. PFIにおけるリスクPFIにおけるリスク

☆需要リスク~軽々に移転するのは避ける(独立採算型・民間事業施設併設)が

⇒配分次第で応募者数(競争環境)、民間事業者のやる気に大きな影響

☆金利リスク~金融村の常識あるが

☆不可抗力~(一定限度以上)公共負担の方向だが

☆許認可リスク~二人の「首長」がいる場合も

☆議会リスク~将来の議会制約はできない

☆近隣リスク~用地がらみとともに根本的

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

18

(平成16年1月23日公表)

負担者 リスクの種類 リスクの内容

市 事業者 募集要項リスク 募集要項等の誤り,内容の変更に関するもの等 ○

市の事由により契約が結べない,契約締結が遅延する等 ○ 契約締結リスク

事業者の事由により契約が結べない,契約締結が遅延する等 ○

計画変更リスク 市による事業の業務範囲の縮小,拡充等 ○

用地確保リスク 事業用地の確保に関するもの ○ 本施設の設置に対する住民反対運動等に関するもの ○

近隣対応リスク 上記以外のもの ○

第三者賠償リスク

調査・建設・運営段階における騒音・振動・地盤沈下・臭気等に関するもの及び事業者の責めに帰すべき事由によるもの

本事業に直接関係する法令等の新設・変更に関するもの ○ 法令等の変更リスク 上記以外の法令の新設・変更に関するもの ○

本事業に直接関係する税制度の新設・変更に関するもの ○ 税制度変更リスク 上記以外の税制度の新設・変更に関するもの ○ 許認可遅延リス

ク 事業者が実施する許認可取得の遅延に関するもの ○

応募コスト 応募費用に関するもの ○

施設の供用開始前のインフレ・デフレ(施設整備費用に相当するもの) ○ 物価変更リスク 施設の供用開始後のインフレ・デフレ(維持管理,運営に相当する部

分) ○

事故の発生リス

ク 設計・建設・運営・維持管理業務における事故の発生 ○

市の指示,議会の不承認,市の債務不履行によるもの ○ 事業の中止・遅延

に関するリスク 事業者の債務不履行,事業放棄,破綻によるもの ○

共通

不可抗力リスク 天災・暴動等の不可抗力による費用の増大,計画遅延・中止等 ○ △

※負担者 ○主分担,△従分担

(仮称)浜松市新清掃工場・新水泳場整備運営事業のリスク分担表(案)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

2-6.リスク分担表の例

Page 10: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

10

19

(平成16年1月23日公表)

※負担者 ○主分担,△従分担

(仮称)浜松市新清掃工場・新水泳場整備運営事業のリスク分担表(案)

負担者 リスクの種類 リスクの内容 市 事業者

市の指示,提示条件の不備・変更による設計変更による費用の増大,計画遅延に関するもの

○ 設計変更

事業者の提案内容の不備・変更による設計変更による費用の増大,計

画遅延に関するもの ○

市が実施した測量・地質調査部分に関するもの ○ 測量・地質調査の誤りリスク 事業者が実施した測量・地質調査部分に関するもの ○

市の指示,提示条件の不備・変更によるもの ○

設計段階

建設着工遅延 上記以外の要因によるもの ○ 市の指示,提示条件の不備・変更による工事費の増大 ○ 工事費増大リス

ク 上記以外の要因による工事費の増大 ○ 工事遅延リスク 工事遅延・未完工による施設の供用開始の遅延 ○

一般的損害リスク 工事目的物・材料・他関連工事に関して生じた損害 ○

建設段階

性能リスク 要求水準の不適合(施工不良を含む) ○

受入廃棄物の品質リスク

受入れ廃棄物の質に起因する事故及び発熱量の減少 ○ △

受入廃棄物の量の変動リスク

受入廃棄物の量の変動による運営費用の増大 ○ △

水泳場需要変動

リスク 水泳場の利用者数の変動による収入及び費用の増減 △ ○

運営段階

性能リスク 要求水準の不適合 ○

事業終了時

施設の性能確保リスク

事業終了時における施設の性能確保に関するもの ○

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

2-6.リスク分担表の例

20

・サービス購入型 ・独立採算型

・複合型○パターン1

2-7.需要リスク(独立採算部分)

○パターン2 入れ込み型入れ込み型

別立て型=民間事業施設併設別立て型=民間事業施設併設

パフォーマンスフィー=パフォーマンスフィー=

(PCKK作成)

(ほとんどなし)(ほとんどなし)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

Page 11: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

11

21

②金利によるPFI支払の見直しあり

10年 20年

見直し見直し見直し見直し

15年

①金利によるPFI支払の見直しなし

管理徹底!

2-8.金利リスク

~第一回金利(ベースレート)確定時が問題

(提案時・契約時・供用時)(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

22

すべて公共 民

間へ移転

引続ぎ公共

【従来】 【PFI】

(民間における分担 )

建設会社

運営会社

金融機関 等

(リスク分担)

2-9.民間に移転されたリスクはコンソーシアムで対応Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 2.案件の判断

Page 12: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

12

23

3-1. PFIにおける「入札」は提案書事業予定者決定

現在価値入札額(定量的=価格点)

割引率

事業期間中の支払額合計

建設費維持管理・運営費

資金調達(金利・返済方法) 税金の負担

利益

設計・積算 銀行との折衝(関心表明) 維持管理・運営計画

事業収支計画事業収支計画

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

提案提案(定性的=性能点)

(PCKK作成)

24

仲間集め

運営事業者

リスク管理方針(バックアップ体制、保険)

施設のコンセプト

周辺地域調査

何種類もの事業収支計画

各社内決裁・SPC設立の段取り

付帯施設~公共の上位計画に抵触しない

銀行まわり(関心表明は必須)

【時間との戦い】

【予め準備できるもの】

3-2. 提案準備上の留意点

組織について

個人について特殊な業務では

「取り合い」に

実績実績

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 13: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

13

25

【基本は】

♦ 行政ニーズの理解(「熱意」)

♦ 具体性(esp、しっかりした体制、LCC削減策)

【事業収支計画のあり方】

♦♦ 安定性~配当政策(資金留保)、追加資金安定性~配当政策(資金留保)、追加資金

♦♦ 補助金の入り方に注意補助金の入り方に注意

【性能発注への対応】~オウム返しは避ける

♦♦ サービス内容サービス内容

♦♦ 提供方法提供方法

♦♦ 検証方法検証方法

具体的に答える具体的に答える

(特に維持管理では人員計画)(特に維持管理では人員計画)

3-3. 提案書上の留意点

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

26

3-5.重要な点は

1.コンソーシアム構成企業間の1.コンソーシアム構成企業間の調整過程の円滑化調整過程の円滑化

2.落札者決定基準の読みこみ2.落札者決定基準の読みこみ

3.なによりも「安心感」3.なによりも「安心感」

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 14: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

14

27

3-6.提案の評価のされ方(=総合評価)

(総 合 評 価 一 般 競 争 入 れ / 公 募 プ ロ ポ ー ザ ル 方 式) 概 要 効 果 事 例

除算方式 提案内容の総合点を価格で割る

(性能点/価格点) 価格重視

調布市(調和小学校) 千葉市(計量センター)

加算方式 提案内容の総合点に価格点を加える

(価格点+性能点) 質重視

神奈川県 (衛生研究所、近代美術館)

失 格

失 格

AA

BB

入札価格入札価格

基礎点基礎点++加点(加点(100100))

基礎点(基礎点(7575))

予定価格予定価格

(現在価値に割引いた価格)(現在価値に割引いた価格)

得点(価格以外の評価)

除算方式か加算方式か除算方式か加算方式か

〈〈除算方式の考え方除算方式の考え方〉〉

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

28

配点(性能点と価格点)配点(性能点と価格点)

3-6.提案の評価のされ方(=総合評価)

①バランス型 ②メリハリ型 ③安定重視型 ④価格重視型配点 評価 得点 評価 得点 評価 得点 評価 得点

1)施設の設計・建設に関する事項 15 7.5 13 5.5 2①施設計画 7 B 3.5 A 7 B 3.5 C 0②環境への配慮 4 B 2 A 4 C 0 C 0③施工計画 4 B 2 B 2 B 2 B 2

2)施設の維持管理計画に関する事項 15 7.5 7.5 7.5 7.5①保守管理計画 6 B 3 B 3 B 3 B 3②環境衛生管理計画 3 B 1.5 B 1.5 B 1.5 B 1.5③計画修繕 3 B 1.5 B 1.5 B 1.5 B 1.5④維持管理体制 3 B 1.5 B 1.5 B 1.5 B 1.5

3)運営計画に関する事項 15 7.5 11.5 0 7.5①運営体制、運営プログラム内容 8 B 4 A 8 C 0 B 4

7 B 3.5 B 3.5 C 0 B 3.54)事業計画に関する事項 15 7.5 7.5 15 7.5

①資金調達・返済計画の安定性 5 B 2.5 B 2.5 A 5 B 2.5②資金調達の確実性 5 B 2.5 B 2.5 A 5 B 2.5③リスク管理計画 5 B 2.5 B 2.5 A 5 B 2.5

小計 60 30.0 39.5 28.0 24.55)入札価格に関する事項 40 26.5 24.6 28.7 40.0

①入札価格 6500 7000 6000 4300合計 56.5 64.1 56.7 64.5

②需要計画

(PCKK作成)

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 15: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

15

29

3-7 .「安心感」:設計・建設業務(1)

①①工程計画工程計画・公共側が(完了を)確認できる・公共側が(完了を)確認できる・調整(各棟間、建築と土木等関連工事)に十分な配慮がある・調整(各棟間、建築と土木等関連工事)に十分な配慮がある

・技術品質のチェック体制、資機材調達の確実性に触れられてい・技術品質のチェック体制、資機材調達の確実性に触れられてい

るる→→特に工期に制約があったり、面的・複合的な施設整備の場合特に工期に制約があったり、面的・複合的な施設整備の場合

にに 「安心」「安心」

②②建築設備の性能建築設備の性能・省エネ・環境負荷など公共施設として当然の配慮だけでなく、耐・省エネ・環境負荷など公共施設として当然の配慮だけでなく、耐久久 性・メンテナンス性、施工性・安全性・衛生面での向上などに性・メンテナンス性、施工性・安全性・衛生面での向上などに触れら触れら れているれている

・・利用者サービスの向上につながることが(ややコジツケでも)示利用者サービスの向上につながることが(ややコジツケでも)示

されているされている→→外部からPFIのメリットを問われた時に「安心」外部からPFIのメリットを問われた時に「安心」

Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

30

③③周辺環境への配慮周辺環境への配慮・地盤、工事用ヤード、工事排水、建設副産物、近隣安全対・地盤、工事用ヤード、工事排水、建設副産物、近隣安全対策、騒音・策、騒音・ 振動対策への十分な配慮が示されている振動対策への十分な配慮が示されている

→→PFIであってもクレームは公共に持ち込まれるのであり、PFIであってもクレームは公共に持ち込まれるのであり、これを避けるために「安心」これを避けるために「安心」

・屋上緑化、雨水循環などもできれば提案する・屋上緑化、雨水循環などもできれば提案する

・ユニバーサルデザイン・ユニバーサルデザインワーキンググループ、トライアルモニターなどによる向上策、ワーキンググループ、トライアルモニターなどによる向上策、

チェック体制を示すとより望ましいチェック体制を示すとより望ましい

3-7 .「安心感」:設計・建設業務(2)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 16: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

16

31

①①体制体制・実施者を明確化し、応急措置等を具体的に示す・実施者を明確化し、応急措置等を具体的に示す

→→事業開始後、誰を相手にすればよいか分かるので「安心」事業開始後、誰を相手にすればよいか分かるので「安心」

②②修繕計画修繕計画・実施頻度、修繕基準(予防保全方針)を示す・実施頻度、修繕基準(予防保全方針)を示す

・・事業期間終了年度における一定の修繕計画を示すこと事業期間終了年度における一定の修繕計画を示すこと

→→耐用年数を残っている施設を事業期間終了時にボロボロ耐用年数を残っている施設を事業期間終了時にボロボロ

で受け取るという懸念がなくなり「安心」で受け取るという懸念がなくなり「安心」

3-7 .「安心感」:維持管理業務Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

32

①①配置職員の能力水準確保配置職員の能力水準確保効果的な方策(職員研修、マニュアル等)、能力水準(資格、効果的な方策(職員研修、マニュアル等)、能力水準(資格、

業務実績)を示す業務実績)を示す

→→アルバイトに毛の生えたような職員を配置される心配がなくアルバイトに毛の生えたような職員を配置される心配がなく

なり「安心」なり「安心」

②②職員の安定配置職員の安定配置緊急時代替要員(バックアップ、人材ネットワーク)、人員交替緊急時代替要員(バックアップ、人材ネットワーク)、人員交替時のサービス低下防止策(研修等)を示す時のサービス低下防止策(研修等)を示す

・継続的雇用(キャリアアップ)策もできれば示す・継続的雇用(キャリアアップ)策もできれば示す

→→頻繁に職員が入れ替わったり、これによる業務支障の心配頻繁に職員が入れ替わったり、これによる業務支障の心配

がなくなり「安心」がなくなり「安心」

3-7 .「安心感」:事業運営業務(1)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 17: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

17

33

③③職員の勤務体制職員の勤務体制・ローテーション、配置職員数、勤務シフト等明記・ローテーション、配置職員数、勤務シフト等明記

・職員の役割(責任)分担明記・職員の役割(責任)分担明記→→しっかりした実施体制が確認できるので「安心」しっかりした実施体制が確認できるので「安心」

④④利用プログラム開発利用プログラム開発・利用者の多様なニーズ、変化するニーズへの対応策を示す・利用者の多様なニーズ、変化するニーズへの対応策を示す

→→段階的・継続的なプログラムであり、単発、尻すぼみでは段階的・継続的なプログラムであり、単発、尻すぼみではなないいことが分かり「安心」ことが分かり「安心」

⑤⑤施設利用促進施設利用促進・稼働率向上(閑期対応、リピーター確保)の必要性と業務・稼働率向上(閑期対応、リピーター確保)の必要性と業務

内容明確化(施設情報提供、利用案内、利用者アンケート・内容明確化(施設情報提供、利用案内、利用者アンケート・相談、相談、 主催事業等)主催事業等)

→→「使われない」施設批判対応への民間側の協力の意思がわ「使われない」施設批判対応への民間側の協力の意思がわかり「安心」かり「安心」

3-7 . 「安心感」:事業運営業務(2)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

34

締めきりギリギリまで調整するのが常態だが最後のチェッ締めきりギリギリまで調整するのが常態だが最後のチェックは必要。(違算でも入札価格は変えられない。)クは必要。(違算でも入札価格は変えられない。)

①①資金調達・返済計画の安定性資金調達・返済計画の安定性・固定金利調達、プロジェクトファイナンス利用を示す(それ・固定金利調達、プロジェクトファイナンス利用を示す(それ以外の方法の場合は、SPCが金利変動リスクにさらされ以外の方法の場合は、SPCが金利変動リスクにさらされず、十分な期限の利益を確保していることについてかず、十分な期限の利益を確保していることについてかななりり詳細な説明が必要)詳細な説明が必要)

・各指標を上回ること・各指標を上回ること

3-7 . 「安心感」:事業計画(1)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

Page 18: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

18

35

②②資金調達の確実性資金調達の確実性・金融機関との協議度合を示す~融資確約は融資の現実・金融機関との協議度合を示す~融資確約は融資の現実からは無理だが、条件付き融資確約(関心表明とどう違からは無理だが、条件付き融資確約(関心表明とどう違

う?表現だけの問題?)なら有利な評価が得られる。ターう?表現だけの問題?)なら有利な評価が得られる。タームシート(融ムシート(融 資契約書概案)を要求する動きもあるので資契約書概案)を要求する動きもあるので

注意注意。。

③③リスク管理方針リスク管理方針・リスク管理の原則への認識(発生回避、分散・移転、被害・リスク管理の原則への認識(発生回避、分散・移転、被害抑制)を示す抑制)を示す

・事業者が負う潜在リスクを明確に把握していることを示す・事業者が負う潜在リスクを明確に把握していることを示す

・各リスクにつき具体的かつ包括的な管理方策(保険、資・各リスクにつき具体的かつ包括的な管理方策(保険、資

金リザーブ、事業マネジメント会社等)を構築していること金リザーブ、事業マネジメント会社等)を構築していることを示すを示す

3-7 . 「安心感」:事業運営業務(2)Ⅰ.PFI事業への参画のポイント 3.提案書作成上のポイント

36

Ⅱ.PFI事業計画の実際

1.PFI事業計画の基礎1.PFI事業計画の基礎

2.PFI事業計画の構成要素2.PFI事業計画の構成要素

3.PFI事業収支計画の考え方3.PFI事業収支計画の考え方

4.PFI事業収支計画の作成4.PFI事業収支計画の作成

Page 19: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

19

37

①①事業計画の目的事業計画の目的(1) 事業実施の基本的な考え方

・・・事業の基本的な理解、提案実現の基盤・・・事業リスク管理の方針

(2) 事業実施の体制・・・役割・責任の分担、各サービサーの実績

(3) 事業収支計画・・・資金調達の方法、収支の合理性・安定性

(公共に対して)これらをできる限り客観的・具体的に示して長期にわたる確実な事業実施が可能なことをアピールする「セールスツール」「合意形成ツール」

言いかえると・・・

『付き合う、付き合わないを決めてもらう材料』

「信用・信頼」 「うまみ」 「見栄え」

能力・実績、具体性、能力・実績、具体性、客観性、リスク客観性、リスク

付き合うメリット付き合うメリット 見やすさ・一貫性見やすさ・一貫性(ケアレスミスは減点)(ケアレスミスは減点)

1-1.PFI事業計画の基礎Ⅱ.PFI事業計画の実際

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

38

②②事業計画提示における留意点事業計画提示における留意点

『付き合う、付き合わないを決めてもらう材料』

「信用・信頼」 「うまみ」 「見栄え」

能力・実績、具体性、

客観性、リスク

付き合うメリット 見やすさ・一貫性

(ケアレスミスは減点)

・相手の立場を考える-公共(発注者)・・・信頼感、具体(実現)性、安定性-金融機関・・・客観性(数字)、リスク管理、「硬い」計画-構成員(出資者)・・・事業の魅力、意義、コンセプト、リスク-協力者・・・役割・リスクの分担、経済的メリット

・性悪説で考える-「言わなくても分かってくれるだろう・・・」-「これくらいのミスなら影響ないだろう・・・」

1-2.PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 20: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

20

39

③③事業実施の体制事業実施の体制

参加企業の役割と責任を明確に示すことがポイント!

-類似または関連業務の実績-各企業の重要な特徴、能力-コミットメント(事業への積極的関与)の証拠-想定しているサービスの具体的内容-分かりやすさ、見やすさ(コンパクトにまとめる)

1-3.PFI事業計画の基礎

(1) 誰が事業全体を統括するのか

(2) 誰が個別業務(設計、建設、維持管理、運営)を

実施するのか

(3) 誰が資金を提供するのか

(4) 各事業参加者はどのような資格・責任で参加するのか

(SPC構成員、出資者、融資者、下請業者、アドバイザー、

等々)

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

40

③③事業実施の体制(つづき)事業実施の体制(つづき)

(公

(SPC)

○○保険

□□建設

△△設計事務所

◇◇ビルサービス

××建設

◇◇商事

JV

○○コンサルタント

▽▽銀行

○×銀行

××ビル管理(バックアップサービサー)

◇◇商事 □□リース

(出資比率 70%) (出資比率 30% )

(出資)

(貸付契約)

(事業アドバイザー契約)(各種保険契約)

(設計・監理委託契約)

(建設請負契約・瑕疵保証)

(施設管理

委託契約)

(運営委託契約)

(ダイ レクト・

アグリーメ ント)

(PFI契約)

【事業実施体制の例】

(公

(SPC)

○○保険

□□建設

△△設計事務所

◇◇ビルサービス

××建設

◇◇商事

JV

○○コンサルタント

▽▽銀行

○×銀行

××ビル管理(バックアップサービサー)

◇◇商事 □□リース

(出資比率 70%) (出資比率 30% )

(出資)

(貸付契約)

(事業アドバイザー契約)(各種保険契約)

(設計・監理委託契約)

(建設請負契約・瑕疵保証)

(施設管理

委託契約)

(運営委託契約)

(ダイ レクト・

アグリーメ ント)

(PFI契約)

【事業実施体制の例】

1-4.PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 21: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

21

41

④④事業収支計画の基礎事業収支計画の基礎目的:キャッシュの流れから事業成立が明らか!

条件設定

長期収支計算長期収支計算・設計、建設、維持管理、運営のコスト

・資金調達条件(自己資本比率、借入条件、等)

・利益処分政策(内部留保率、配当政策、等)・(収入・費用等の変動の可能性)

・・・等・各年度の当期利益及び正味キャッ シュフロー・投資事業と しての収益性(指標 IRR:内部収益率)

・金融機関に対する債務履行の確実性(指標DS CR)

・・・等

客観性・透明性・包括性収益性・安定性・リスク耐性

1-5.PFI事業計画の基礎

(1)(1)事業全体の収入・費用の把握事業全体の収入・費用の把握

(2)(2)資金調達方法の決定資金調達方法の決定

(3)(3)事業期間中のキャッシュフローの増減予測事業期間中のキャッシュフローの増減予測

(4)(4)キャッシュフローの安定性・確実性キャッシュフローの安定性・確実性事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

42

④④事業収支計画の基礎(つづき)事業収支計画の基礎(つづき)

公共(発注者)

PFI事業者 金融機関

点線:ハードル・レート

(各主体の最低要求を結んだ線)

キャッシュフローから見れば・・・

事業成立! 【VFM】

【DSCR】【EIRR】

【PIRR】

①事業IRR(またはPIRR)=事業への資本投下総額(資本金+借入金)に対する元利償還前のキャッシュローの利回り。長期プロジェクトの採算性を表す代表的指標

②資本金IRR(またはEIRR)=事業への自己資本投下額に対する元利償還後のキャッシュフローの利回り。投資主体としてのプロジェクト事業者からみた利回りを示す指標

③DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)=各期の元利償還前キャッシュフローが、その期の支払予定元利金の何倍に相当するかを算出

1-6.PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 22: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

22

43

⑤⑤リスクマネジメントリスクマネジメント

○「リスク」とは 投資の目標達成を不安定にする要素

○事業リスクの総量は変わらない「ゼロにする」のではなく「コントロールする」まずは重要リスクの認識から(「見て見ぬふり」は最悪!)

○事業リスクの3タイプと対応策① ハザードリスク・・・従来考えられてきた「リスク」。発生すれば必ず事業

に負の影響を及ぼす事態。⇒4つの対応策を組合せて対応

② 不確実性リスク・・・事業の構成要素のうちで一定の振れ幅があるもの

について、将来予測が困難であることから生じるリスク。⇒計画段階で振れ幅を考慮に入れる(感度分析)+対応

③ 事業機会リスク・・・積極的にリスクを取ることで事業性を上げることが

できるリスク。⇒「質問回答」を通してリスク負担を提案/事業中の追加投資など

■計画におけるポイント ・重要リスクを把握しているか。

・リスクの重要度に応じた適切な資源配分はされているか。

・長期事業であることが意識されているか。

・リスク管理の監視・調整・報告のシステムは?

1-7.PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業計画の目的

事業実施の体制

収支計画の基礎

リスクマネジメント

事業計画の留意点

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

44

♦♦事業計画の8つの構成要素事業計画の8つの構成要素PFI事業計画の基礎

8つの構成要素

理念とビジョ ン

事業の責任者

客観的な数字

事業コンセプト

事業の協力者

フォロー可能な計画

事業の「種」

信用・信頼を得られる事業計画

①事業コンセプト

②理念とビジョン

③事業責任者

④客観的な数字

⑤事業の「種」

④事業の協力者

⑦フォロー可能な計画

⑧資金計画

※「できる・使える 事業計画書の書き方」(井口・家弓・長谷川著/日本能率協会マネ

ジメントセンター刊) 62頁の図を加筆して引用

2-1.事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 23: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

23

45

♦♦事業コンセプト事業コンセプトPFI事業計画の基礎

8つの構成要素

理念とビジョ ン

事業の責任者

客観的な数字

事業コンセプト

事業の協力者

フォロー可能な計画

事業の「種」

2-2.事業計画の構成要素

ニーズを把握し、特徴ある回答を立案(現状との対比で目指す質・量〔コスト〕の違いをアピールしてみる)

誰に対して? どんなサービスを? どうやって?

費用は? 価格は? 収益性は?

競争力は? 新しい点は? 継続性は?

♦♦事業理念と長期的ビジョン事業理念と長期的ビジョン【事業理念】

①事業の存在意義 ⇒ なぜ必要か(大げさすぎず、わかりやすく)② 経営姿勢 ⇒ どのような事業運営をしていきたいか(ポリシー)

③ 行動規範 ⇒ 経営者・従業員のサービス提供の基本姿【長期的ビジョン】

⇒ 長い目で見てどうしていきたいか

事業収支計画の考え方

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

46

♦♦事業の責任者事業の責任者PFI事業計画の基礎

8つの構成要素

理念とビジョ ン

事業の責任者

客観的な数字

事業コンセプト

事業の協力者

フォロー可能な計画

事業の「種」

2-3.事業計画の構成要素

♦♦客観的な数値データ客観的な数値データ

-信頼感・倫理感

-経験・専門性

-ネットワーク

-熱意・リーダーシップ

提案書では個人情報までは求められないが、事業計画では欠かせない。

-数値の根拠はできる限り明確に⇒「この金は何だ?」と思われないように

-特に平均的な値と異なる場合には説明が必要⇒「安くなるのは何故?」「高くなるのは何故?」

-数字の羅列は流し見られる⇒場合に応じてグラフや表で分かりやすい形に

提案書では根拠のない数字は評価されない場合がある。

金融機関も数値の客観性を第一に気にする。

事業収支計画の考え方

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 24: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

24

47

♦♦事業の「種」事業の「種」((4つの「P」4つの「P」))2-4.事業計画の構成要素

♦♦事業の協力者事業の協力者

- 「商品( Product)」⇒売り物(サービス)の特徴は?

- 「価格( Price)」⇒競争力のある価格か?価格の根拠は?

- 「チャンネル( Place)」⇒流通・調達経路は?

- 「プロモーショ ン( Promotion)」⇒販促策・販促能力は?

把握されたニーズに対応したサービスを実現させて

いく能力が備わっていることをアピール

- 「協力者」と「構成員」の違い⇒協力者はサービス提供者、構成員は経営者/出資者

- 「協力者」の価格競争が行き過ぎると・・・⇒万一入れ替えが必要となったときに再外注価格が増えるリ

スクに注意

♦♦フォロー可能な計画フォロー可能な計画- 「作って終わり」の事業計画には意味がない

-実行とのギャップを監視、計画を調整するメカニズム準備

PFI事業計画の基礎

8つの構成要素

理念とビジョ ン

事業の責任者

客観的な数字

事業コンセプト

事業の協力者

フォロー可能な計画

事業の「種」

事業収支計画の考え方

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

48

3-1.PFI事業収支計画の考え方♦♦収支計算のためのツール(財務諸表)収支計算のためのツール(財務諸表)

(1) 損益計算書(P/L表)

・・・各期の収入・費用及び課税額(法人税)か

ら当期利益を計算

(2) 貸借対照表(バランスシート、B/S)

・・・資金の運用状況と資金源(資本金+負債)

から財政状態を見る

(3) キャッシュフロー表(資金繰り表)

・・・(1)から得られた当期利益に(1)で「費用(損

金)」として計上された「非資金項目」等を加えて元

利償還前や後のキャッシュ(手持ち資金)を計算

PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

事業収支計画では特に(3)と(1)が重要!(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 25: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

25

49

♦♦収支計算のためのツール(つづき)収支計算のためのツール(つづき)目的:キャッシュの流れから事業が成立すること!

【損益計算書】

+営業収入( PFIサービスの対価等)

-営業費用( PFIサービスの原価)

+営業外収入(留保金の運用益など)

-営業外費用(利払いなど)

●税引前当期利益

-法人税

●税引後当期利益

【キャッシュフロ-表】

+税引後当期利益

+減価償却費

+利息支払

●元利償還前ネットキャッシュフロー

-元本・利息支払

●元利償還後フリーキャッシュフロー

⇒配当金、法定準備金、繰越利益等に配分

『事業が成立する』とは?

①初期資本投下に対する適切なリターンがある②SPCが適正水準の収益をあげられる

③金融機関が安定した融資回収が可能

④公共が期待した財政負担軽減が可能

対応する指標

事業IRR(PIRR)

資本金IRR(EIRR)

DSCR、LLCR

VFM

3-2.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

50

(1) 「割引率 (Discount Rate)」と「現在価(Present Value : PV)」

●現在手持ちの100円は将来手に入る100円よりも価値が高い(⇒手持ちの100円を預金すれば将来時点で100円+金利になる)。逆にいえば、将来の100円は現在の100円よりもいくらか「割引かれた」価値しかないことになる。

●例えば現在の100円が1年後には104円になると期待される場合、逆に1年後の100円は現在の96円(100×100/104=96.1)と同じ価値しかないと考えられる。この96円を、1年後の100円の「現在価値」といい、計算で用いた手持ち資金の価値の単年度あたりの上昇率((104-100)/100=4.0%))を「割引率」、金銭価値の下落率(上の例では100/104=0.961)を「割引係数」という。

●複数年度にわたる事業のキャッシュフローをそれぞれの年度の割引係数(1÷(1+0.04)n:ただしnは年度)で割引いた金額の合計を、事業キャッシュフローの「正味現在価値(NPV : Net Present Value)」という。

3-3.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

♦♦長期事業収支の評価指標長期事業収支の評価指標

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 26: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

26

51

♦♦長期事業収支の評価指標(つづき)長期事業収支の評価指標(つづき)

0

50

1 00

1 50

2 00

2 50

3 00

0

5 0

10 0

15 0

20 0

25 0

30 0

【各年キャッシュフロー実額(名目値)】 【各年キャッシュフローの現在価値】

合計2,000百万円が事業キャッシュフロー「正味現在価値」

事業年度 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 合計事業キャッシュフロー 0 300 250 250 200 230 220 270 300 280 260 2,560

割引率を4.7%としたときの割引係数⇒ 0.955 0.912 0.871 0. 832 0.794 0.758 0.724 0.692 0.660 0.631 -(参考)0年度の100円は・・・ ¥95 ¥91 ¥87 ¥83 ¥79 ¥76 ¥72 ¥69 ¥66 ¥63 -

割引係数をキャッシュフローにかけると・・・ 286 228 218 166 183 167 196 207 185 164 2,000

(単位:百万円)

3-4.PFI事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

52

(2) 「内部収益率(IRR:Internal Rate of Return)」

●投資に対して十分なリターンが得られるかどうかを表す代表的指標。

●事業キャッシュフローの「正味現在価値」が投資額と等しくなる割引率を逆算したもの。これが高いということは事業から得られる収益が高いことを意味する。

●代表的なもの

①事業IRR(またはPIRR)・・・事業への資本投下総額(資本金+借入金)に対する元利償還前のキャッシュフローの利回り。長期プロジェクトの採算性を表す代表的指標

②資本金IRR(またはEIRR)・・・事業への自己資本投下額に対する元利償還後のキャッシュフローの利回り。投資主体としてのプロジェクト事業者からみた利回りを示す指標 ※IRRはExcel関数の「IRR」を利用するとすばやく簡単に計算できる。

3-5.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

♦♦長期事業収支の評価指標(つづき)長期事業収支の評価指標(つづき)

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 27: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

27

53

(3) 「DSCR(デット・サービス・カバレッジ・レシオ)」

●金融機関からの借入れに対して、各年度でどれくらいの余裕をもって元利の返済ができるかを示す指標。

●各期の元利償還前キャッシュフローが、その期に支払を要する元利金の何倍に相当するかを算出したもの。

●この値が「1.0」を下回ると、当期のキャッシュフローが支払元利金よりも少ないということを意味する⇒繰越金等を充当しないと債務不履行に陥る。

●通常1.2~1.3程度が目安と言われているが、プロジェクトの内容や金融機関によって要求される水準は異なる。

元利支払前キャッシュフロー

当期の元利支払予定額

DSCR =

3-6.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

♦♦長期事業収支の評価指標(つづき)長期事業収支の評価指標(つづき)

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

54

〈〈参考参考〉〉ExcelExcelを使った評価指標の計算例を使った評価指標の計算例資本金 300借入金 1,700利息 3.0% (元金均等・10年償還)

事業年度 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10キャッシュフロー -2,000 300 250 250 200 230 220 270 300 280 260割引係数 -1,700 300 250 250 200 230 220 270 300 280 260

事業I RR= 4.7% (EXCEL関数「=IR R(C7:M7) 」を 入力すると計算される。関数の(  )の中は0~10年度のキャッシュフローのセルに対応。)

事業年度 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10① キャッシュフロー -300 300 250 250 200 230 220 270 300 280 260② 元本償還 0 170 170 170 170 170 170 170 170 170 170③ (元本残高) (1,700 ) (1 ,530) (1,360 ) (1,190) (1 ,020 ) (850) (680 ) (510) (340 ) (170) (0 )

④ 支払利息 0 45.9 40.8 35.7 30.6 25.5 20. 4 15.3 10. 2 5.1 0⑤ 元利合計 0 215.9 210.8 205.7 200.6 195.5 190. 4 185.3 180. 2 175.1 170⑥ 償還後CF -300 84.1 39.2 44.3 -0.6 34.5 29. 6 84.7 119. 8 104.9 90

※CF=Cash Flow

資本金IR R= 13.8%

①÷⑤ DSCR - 1.4 1.2 1.2 1.0 1.2 1. 2 1.5 1. 7 1.6 1.5

事業 年度 0 1 2 3 4 5 6 7 8① キャッシュフロー =-D 2 300 250 250 200 230 220 270 300② 元本 償還 0 =$D$3/10 =$D$3/10 =$D$3/10 =$D$3/10 =$D$3/10 =$D$3/10 =$D $3/10 =$D $3/10③ (元本 残高) =D3 =D20-E19 =E20-F19 =F20-G19 =G20-H19 =H20-I19 =I20-J19 =J20-K19 =K20-L19

④ 支払 利息 =-D 5 =E20*$D $4 =F20*$D $4 =G20*$D$4 =H 20*$D$4 =I20*$D $4 =J20*$D$4 =K20*$D$4 =L20*$D$4⑤ 元利 合計 =-D 6 =E19+E21 =F19+F21 =G19+G21 =H 19+H21 =I19+I21 =J19+J21 =K19+K21 =L19+L21⑥ 償還 後CF =D 18-D 22 =E18-E22 =F18-F22 =G18-G22 =H 18-H22 =I18-I22 =J18-J22 =K18-K22 =L18-L22

(参考)Excelスプレッドシートに入力した数式

3-6.PFI事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 28: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

28

55

〈〈参考参考〉〉簡単な計算表と事業収支評価指標の計算例簡単な計算表と事業収支評価指標の計算例

資本投下総額(資本金+借入金) 200 0 0 0 0 0 0当期利益(税引後) 0 37 38 38 24 24 25減価償却費戻 入 0 7 7 7 7 7 7支払利息戻入 0 6 5 4 3 1 0PIRR計算用デー タ -200 50 50 49 33 32 32PIRR #N UM! #N UM! -36.0% -13.5% - 3.9% 2.5% 6.9%

資本金 -50 0 0 0 0 0 0当期フリ ーキャッ シュフ ロー 0 19 20 20 6 6 7EIRR計算用データ -50 19 20 20 6 6 7EIRR #N UM! #N UM! -15% 8% 13% 16% 18%

(単 位:百万円)     事  業  年  度 0 1 2 3 4 5 6 合 計

収 入 0 1 10 110 110 9 0 90 9 0 600売上高 0 100 100 100 80 80 80 540その他収入 0 10 10 10 10 10 10 60

支 出 0 48 47 47 5 1 50 4 9 292人件費 0 25 25 25 30 30 30 165材料費 0 8 8 9 9 10 10 54減価償却費 0 7 7 7 7 7 7 42支払利息(5%) 0 6 5 4 3 1 0 19公租公課 0 2 2 2 2 2 2 12

税引前当期利益 0 6 2 63 63 4 0 40 41 308法人税(税率40%として計算) 0 25 25 25 16 16 16 123当期損益(税引後) 0 37 38 38 2 4 24 2 5 185

     事  業  年  度 0 1 2 3 4 5 6 合 計キャ ッシュ・イン 200 44 45 45 3 1 31 3 2 427

当期利益(税引後) 0 37 38 38 24 24 25 185減価償却費戻入 0 7 7 7 7 7 7 42資本金 50 0 0 0 0 0 0 50借入金 150 0 0 0 0 0 0 150

キャ ッシュ・アウト 200 25 25 25 2 5 25 2 5 350当期損失(税引後) 0 0 0 0 0 0 0 0設備投資額 200 0 0 0 0 0 0 200借入金元本償還 0 25 25 25 25 25 25 150(借入金残高) (150) ( 125) (100) (75) ( 50) (25) (0) -

当期フリーキャッシュ フロー 0 19 20 20 6 6 7 77

配当 0 11 12 12 3 4 4 46内部留保金(当期繰越利益) 0 8 8 8 2 2 3 31(内部留保金累計) (0) ( 8) (16) (24) ( 26) (28) ( 31) -

損 益 計 算 表

キャッシュフロー

益処

当期利益(税引後) 0 37 38 38 24 24 25減価償却 費戻入 0 7 7 7 7 7 7支払利息 戻入 0 6 5 4 3 1 0上記合計(※DSCRの分子) 0 50 50 49 33 32 32元本償還+支 払利息(同 分母) 0 31 30 29 28 26 25DSCR - 1 .6 1 .7 1.7 1 .2 1.2 1 .3

3-6.PFI事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

56

♦♦資金調達の具体性と確実性資金調達の具体性と確実性・「誰から、どれだけの額を、どんな条件で?」

・自己資本/負債比率、借入条件(金利、期間、償還方法)等

・金融機関からの「関心表明書」取得は事業計画の健全性をアピールする武器

・コンソーシアム構成企業の出資によるコミットメントの確保

♦♦バランスの取れたキャッシュの配分バランスの取れたキャッシュの配分(1)「DSCRは十分なのにEIRRが低い・・・」⇒負債償還に余裕が

あるので 借入れ比率を増して自己資本投資額を減らし、小さい資本投下に対 して大きな利益を得られるようにする(=「レバレッジを効かせる」)。

(2)「PIRR、EIRR、DSCRが全体的に低い・・・」⇒コスト削減の検討、資金 調達・支出のタイミングの変更、より有利な資金調達方法の検討

3-7.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分

どんなケースでも収支計画に戻って問題の原因をたどるのが基本!

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 29: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

29

57

【コーポレート・ファイナンス】・スポンサーの資力・信用力に依存・担保売却価値に依存・銀行の事業への関与は小さい

【プロジェクト・ファイナンス】・事業キャッシュフローに依存・原則としてスポンサーへの遡及なし・金融機関の事業への関与が大きい・金融機関による事業性のチェックが期待できる

♦♦プロジェクトファイナンスとはプロジェクトファイナンスとは

3-8.PFI事業収支計画の考え方PFI事業計画の基礎

事業収支計画の作成

事業計画の構成要素

事業収支計画の考え方

収支計算のツール

資金調達の具体性と確実性

プロジェクトファイナンス

事業収支の評価指標

キャッシュの配分スポンサー(親会社)

借入人(子会社)

プロジェ クト実施

銀行団(貸出人)

(キャッシュフロー)

■出資

■限定的支援(劣後ローン等)

借入人(子会社) 銀行団(貸出人)

(キャッシュフロー)

(キャッシュフロー)

■出資

■債務保証■担保提供

プロジェ クト実施

スポンサー(親会社)

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

58

4-1.PFI事業収支計画の作成

キャッシュフロー表の作成

結果のフィードバック

感度分析

・募集要項の読込み・支払条件の把握・計算上のルール把握

・初期投資

・ランニングコスト・はじめは概算値で・客観性・正確性を徐 に々アップ

・損益計算書・キャッシュフロー表・事業CF評価指標の算出

前提条件の設定

・事業性の評価・前提条件の修正・変更

与件の把握

♦♦PFI事業収支計画の流れPFI事業収支計画の流れPFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 30: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

30

59

4-2.PFI事業収支計画の作成

・事業方式とサービス対価支払条件の把握

⇒完全サービス購入型か、一部直接収入があるのか?⇒事業期間中の支払いは完全平準化か、凸凹があるか⇒補助金交付はあるか、その額と受け取り時期は?

…など

♦♦収支計画の与件の把握収支計画の与件の把握まずは募集要項(入札説明書)の読み込みから

・金利及び物価変動リスク並びに需要リスク

⇒金利・物価変動リスクは官民どちらが負うのか?⇒需要リスクがある場合官民どちらが負うのか?⇒直接収入がある場合、料金設定は自由か?

…など

・計算上のルールの把握 (※「様式集」に直接書き込まれていることもあるので注意)

⇒割引率の設定は?⇒計算で採用する税率は?⇒減価償却、消費税の扱いは?⇒求められている財務諸表・財務データの種類は?

…など

PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

60

4-3.PFI事業収支計画の作成

1.初期投資費用の前提①設計・建設費・・・設計・監理費,建設工事費等②その他施設整備費・・・備品整備費,調査費,近隣対策費等

③その他初期投資費・・・建中金利,建物取得課税(不動産取得税、登録免許税、事業所税)

…など

♦♦収支計画の前提条件設定収支計画の前提条件設定

2.初期投資資金調達の前提①自己資金/負債比率

②借入金の借入条件(償還方式、金利、期間、借入時期)③補助金(建設一時金)の有無

…など

3.ランニングコスト(運営費)の前提⇒売上原価は費目〔材料費,人件費,etc.〕で分けても業務〔保全

費,運営費,etc.〕で分けても可(※ただし指定がある場合は別)⇒減価償却費、公租公課(固定資産税・都市計画税)

…など

-要求水準書を反映して、まずは概算で回してみる

-ステージが進むにつれ正確・客観的・合理的に

Ⅲ.PFI事業計画の実際

PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Page 31: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

31

61

4-4.PFI事業収支計画の作成

1.損益計算書(例)1-1.営業収入(+)・PFIサービスの対価・利用者からの直接収入

1-2.営業支出(-)・設備保守管理費・施設修繕費・施設運営費・公租公課・減価償却費など

1-3.営業損益1-4.営業外収入(+)1-5.営業外支出(-)・支払利息など

1-6.税引前当期損益1-7.法人税1-8.税引後当期損益

♦♦キャッシュフロー(CF)表の作成キャッシュフロー(CF)表の作成

CF水準が設定したハードル・レートを越えるような

値を最後に逆算

不動産取得税、登録免許税、固定資産税、

都市計画税、事業所税

初めは「建物」と「設備」の二分類程度で

借入元本の償還は「損」ではないので利息支払だ

けが損益計算に入る

当期損益がマイ ナス(損)だった場合、最長5年間その損を繰延べられる

長期修繕計画表 借入金償還計算表

前提条件○提案の与件

○初期投資費用

○ランニングコスト

○資金調達

3.補助計算表・・・表の煩雑化を避けるため、必要に応じて作成

PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

62

4-5.PFI事業収支計画の作成

1.損益計算書

♦♦キャッシュフロー(CF)表の作成キャッシュフロー(CF)表の作成

長期修繕計画表 借入金償還計算表

3.補助計算表・・・表の煩雑化を避けるため、必要に応じて作成

前提条件○提案の与件

○初期投資費用

○ランニングコスト

○資金調達

2.キャッシュフロー表(例)

2-1.キャッシュ・イン(資金収入)

・税引後当期利益(+)・減価償却費戻入(+)・出資金(建設期間+)・劣後ローン( 〃 )・建設補助金( 〃 )・借入金( 〃 )2-2.キャッシュ・アウト(資金支出)・当期損失(-)・施設整備費(-)-建設工事費-設計・監理費など

・大規模修繕・更新費・借入金元本償還

「非資金損失」(減価償却費等)を加えるのを

忘れずに

建中金利や建物取得税を開業費として繰延べる

ときはこちらに含む

投資の効果が複数年度に及ぶ修繕・更新の場合

はこちらに含む

CF指標計算表

PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

Page 32: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

32

63

4-6.PFI事業収支計画の作成♦♦結果のフィードバックと条件調整結果のフィードバックと条件調整

♦♦感度分析感度分析・事業期間中に上下変動が予測される項目を抽出して「ベスト(最良)ケース」「ワースト(最悪)ケース」等の場合のキャッシュフローの変化を見る

⇒一見「硬い」計画でも、シナリオが少し変わっただけで見通しが狂う場合がある。特に初期段階では多くの数値を概算で見積もるため、注意が必要。⇒変動がCFに大きな影響を与える項目は重要リスクと判断し、対策を講じる必要がある。

・得られた結果が事業性の不足を示した場合には、コスト削減策、資金調達の再検討等の事業性向上対策を検討する必要がある

⇒事業構築過程でコントロール可能と考えられる要因を抽出し、上下に変動させて新しいシミュレーション結果を変動させる前と比べる。

⇒当初の概算値は検討が進むとともに精緻化し、新しい条件としてそれを反映させたシミュレーションを行うこと。

PFI事業計画の基礎

事業計画の構成要素

与件の把握

CF表の作成

結果のフィードバック

感度分析

前提条件の設定

収支計画の流れ

PFI事業収支計画の作成

事業収支計画の考え方

(PCKK作成)

Ⅱ.PFI事業計画の実際

64

Ⅲ.模擬提案書(配布資料)

1.維持管理計画提案書1.維持管理計画提案書

・運営計画提案書・運営計画提案書

2.施設計画提案書2.施設計画提案書

3.附帯事業計画提案書3.附帯事業計画提案書

4.事業計画提案書4.事業計画提案書

Page 33: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

33

65

付録 PFI用語集(1)1. 事業形態

・ BOT (Build Operate Transfer)

・ BTO (Build Transfer Operate)

・ BOO (Build Own Operate)

2. SPC (Special Purpose Company)

・ ある特別の事業をする目的のために設立された事業会社

3. コンセッション (Concession)

・ 事業権。欧米のPFI,BOT事業の契約に使われる。

4. コンソーシアム

・ 特定の事業を実施するために複数の企業などが結成した企業体

5. PSC (Public Sector Comparator)

・ 従来型公共事業で実施した場合の財政負担額

6. (正味)現在価値(Net Present Value)

・ 将来価値を一定の割引率で割引き,現在の価値に換算したもの。

7. 割引率 (Discount Rate)

・ 現在価値を算出する際に用いる利率。

66

8. IRR (Internal Rate of Ratio)

・ E-IRR (Equity-IRR:自己資本内部収益率)

・ 事業の出資に対する採算性(利回り)を示す指標

9. P-IRR (Project-IRR:事業内部収益率)

・ 投資額に対する採算性を示す指標。事業者が事業を実施するか否かの判断指標。

10. DSCR (Debt Service Coverage Ratio)

・ 事業が生み出す毎年のキャッシュフローが元利金返済に十分な水準であるかを見る指標。金融機関が融資をする際の判断指標。

11. LLCR(Loan Life Coverage Ratio)

・ 融資期間中のキャッシュフローの総額が借入金を返済するのに十分な水準であるかを見る指標。金融機関が融資をする際の判断指標。

12. アベイラビリティ・フィー (Availability Fee)

・ 施設が利用可能な状態になっていることに対して,公共から支払われる料金。

13. パフォーマンス・フィー(Performance Fee)

・ サービスの質(Performance)に対して,公共から支払われる料金。通常,ボーナスとペナルティからなる。

付録 PFI用語集(2)

Page 34: PFI事業参入に おける留意点1 1 PFI事業参入に おける留意点 秋田県PFI研修会 ( 2004年11月15日) パシフィックコンサルタンツ株式会社 マネジメント事業本部

34

67

14. ユーセージ・フィー (Usage Fee)

・ 施設の利用量に基づいて,公共から支払われる変動料金。

15. ステップインライト(Step-in Right:介入権)

・ 債務不履行発生など非常の場合に,プロジェクトに対して貸し手が介入できる権利。

16. ダイレクト・アグリーメント (Direct Agreement:直接協定)

・ 業績が悪化した場合に,貸し手は業績を修復し契約を継続させることによって返済原資を確保するため,金融機関と公共機関とが予め結ぶ契約。

17. ノンリコース・ファイナンス(Non-Recourse Finance)

・ 負債の返済方法を,プロジェクトが生み出す収入と資産のみとし,出資者には出資額を超えて弁済責任を遡及しないとする融資方法。

18. リミテッドリコースファイナンス (Limited Recourse Finance)

・ 負債の返済に関して,限定的な債務不履行の場合のみ親会社に責任を遡及することを約した融資方法

付録 PFI用語集(3)