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Oracle Enterprise Manager を使用した Oracle WebLogic Server の管理 Oracle ホワイト・ペーパー 2009 3 Oracle Enterprise Manager を使用した Oracle WebLogic Server の管理

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Oracle Enterprise Manager を使用した Oracle WebLogic Server の管理

Oracle ホワイト・ペーパー

2009 年 3 月

Oracle Enterprise Manager を使用した

Oracle WebLogic Server の管理

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Oracle ホワイト・ペーパー―Oracle Application Development Framework 概要

はじめに ....................................................................................................................1

管理者にとっての最大の課題 ..........................................................................................1

不可能な複数 WebLogic Server ドメインの管理 ......................................................1

アプリケーション・パフォーマンスの管理 ..............................................................1

IT インフラストラクチャ・ライブラリ・プラクティスへの準拠 .............................2

WebLogic Server ドメインの監視にかかるコストの Enterprise Manager による削減...2

サーバー・リソースの監視........................................................................................3

リアルタイムのパフォーマンスと傾向分析の履歴 ...................................................3

インフラストラクチャ全体の管理によるほかの層に対する可視性の向上......................3

システム・ダッシュボード........................................................................................3

トポロジ・ビューア ..................................................................................................3

事前監視の使用によるアプリケーション・パフォーマンスの向上 ..........................3

J2EE アプリケーションの監視..................................................................................4

Web サービスの管理 .................................................................................................4

サービス・レベルの監視 ...........................................................................................4

エンド・ツー・エンドのアプリケーション・パフォーマンス管理 ..........................4

ITIL プロセスへの準拠によるサービス品質の向上 ..........................................................7

堅牢なイベント監視システム ....................................................................................7

ジョブと修正アクション ...........................................................................................7

構成管理 ....................................................................................................................7

結論 ................................................................................................................................10

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Oracle ホワイト・ペーパー―Oracle Application Development Framework 概要

はじめに

企業は、グローバルな競争に要求される機動性を備え、テクノロジーの変化に対応していく必要があり

ます。ほとんどの企業は、多種多様なシステムとテクノロジーに基づいたミドルウェア・アプリケーショ

ンを実行しています。しかし、これらの多種多様なテクノロジーの使用は、多くの課題と複雑さを管理

者にもたらすことになります。つまり、管理コストが必要以上に高くなります。

Oracle Weblogic Server 10g は、ミッション・クリティカルなサービス指向アーキテクチャ(SOA)アプリケー

ションおよびミドルウェア・アプリケーション対応のランタイム・エンジンを提供する Oracle Fusion Middleware のコア・コンポーネントです。このホワイト・ペーパーでは、Oracle WebLogic Server 上に配置さ

れたエンタープライズ・アプリケーションを実行中の IT 管理者が直面するいくつかの一般的な問題について、

その概要を説明します。また、Oracle Enterprise Manager が提供する単一の管理コンソールでアプリケーショ

ン・インフラストラクチャ全体を管理することによって、管理コストがどのように削減されるかも説明します。

管理者にとっての最大の課題

現在の経済状況の中で競争に生き残るために、企業はコスト削減に取り組み続けています。これによっ

て、機動性を維持して企業のアプリケーションの高可用性を確保する必要がある IT インフラストラク

チャの負担は増大しています。IT 管理者は、インフラストラクチャでアプリケーションの動作を維持し

てそのサービス・レベルを保証するために、より少ないリソースでより大きな責任を果たさなければな

りません。とくに Oracle WebLogic Server の管理者は、複雑なアプリケーション・アーキテクチャの管理

に起因する数多くの課題に直面しています。

不可能な複数 WebLogic Server ドメインの管理

ほとんどの管理者は、非常に多くの WebLogic Server ドメインを管理しています。たとえば、WebLogic Server の典型的な管理者は、アプリケーション・ファミリーに対して、開発、品質保証(QA)、ユーザー

受け入れテスト(UAT)および本番サーバーをホストする各ドメインの管理を担当することがあります。ま

た、本番アプリケーションをホストする複数のドメイン管理を担当している管理者も多くいます。

WebLogic Server Console など、オラクルが提供する管理ツールのほとんどは、単一の WebLogic Server ドメインの管理に対しては有効ですが、複数のドメインの管理には使用できません。したがって、管理者

は、アプリケーションとその基盤になっているインフラストラクチャの状態を監視するために、個別の

ドメインのそれぞれで多くの手動タスクを実行するか、またはカスタム・スクリプトに依存するかのど

ちらかになっています。アプリケーションが膨大な数のクラスタとサーバー上に配置されている場合、

管理作業におけるエラーの発生頻度が非常に高くなり、また管理コストも上昇します。

アプリケーション・パフォーマンスの管理

管理者にとってもっとも困難な課題は、アプリケーションのパフォーマンスを管理して、そのアプリケー

ションに期待されているサービス・レベルを維持することです。アプリケーション・パフォーマンスの

問題によって、サービスの中断またはサービス・レベルの違反が発生することがあります。実際、管理

者はエンドユーザーからの苦情によってアプリケーション・パフォーマンスの問題に気づくことがよく

あります。

したがって、管理者としては、アプリケーション・パフォーマンスの問題を事前に監視することが重要

です。しかし、市販されているほとんどの監視ツールはサイロ型システムの中だけで機能するので、ほ

かの層に対する可視性を提供していません。そのため、サイロの外にある動作の遅いデータベースやホ

スト・マシンなどが原因でアプリケーション・パフォーマンスの問題が発生した場合は、管理者がその

問題に対処するのは困難です。

アプリケーション・パフォーマンスの問題のほとんどはテスト環境で再現することが難しく、またほと

んどのアプリケーション診断ツールは、パフォーマンス・オーバーヘッドや再起動の必要性といった制

限のため、本番環境には配置できません。

同様に、実際のエンドユーザーの視点からアプリケーション・パフォーマンスを管理するのは非常に困

難です。しかし、エンドユーザーの問題を認識することは、ユーザー・エクスペリエンスを大幅に向上

させ、より大きな利益をもたらす可能性があります。

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IT インフラストラクチャ・ライブラリ・プラクティスへの準拠

多くの IT 部門は、IT インフラストラクチャ・ライブラリ(ITIL)フレームワークに従うことを目標とし

ています。ITIL は、IT サービスを管理するための統合されたプロセス・ベースのベスト・プラクティス・

フレームワークを記述した一連のガイドラインです。IT 部門独自のビジネス・ニーズに合わせて調整さ

れたこのフレームワークによって、IT とビジネス・コミュニティの間にあるギャップを埋めることが可

能になります。ITIL プラクティスの採用は、IT 部門にとって次のような利点があります。

• サービス・レベルとサービス品質の向上

• IT サービスとプロセスにおける IT とビジネス連携の強化

• クローズド・ループの変更管理

• 管理全体にかかるコストと総所有コストの削減

• 企業の増益につながるサービスの可用性とパフォーマンスの向上

ただし、ITIL プロセス・ライフ・サイクルをサポートする統合ソリューションが欠如しているため、ア

プリケーション・サービスの管理者は、ITIL のガイドラインとアーキテクチャを導入することが難しく

なっています。

Enterprise Manager を利用した WebLogic Server ドメイン監視コストの削減

複数の Oracle WebLogic Server ドメインを管理するためには、管理者は数多くの課題に対処する必要があ

ります。Oracle Enterprise Manager を使用すると、管理者は、単一の管理コンソールから複数の Oracle WebLogic Server ドメインを管理および監視できます。この単一の管理コンソールで、アプリケーション

をサポートするスタック全体のパフォーマンスを関連づけることができるだけでなく、サービス障害の

根本原因を特定することもできます。

図 1:Oracle Enterprise Manager Grid Control により管理される複数のアプリケーション・サーバー 従来、大規模なシステムにおける管理コストは、新規のシステムが追加されるたびに直線的に増加して

いました。拡大し続ける環境の管理コストを、スケーラビリティの低い従来の管理ソリューションを使

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用して維持することは、単純に不可能です。Oracle Enterprise Manager の機能を使用すると、管理するシ

ステムの数が増加してもこれらの管理コストをほぼ定額料金で維持できます。管理コストの削減は、

Enterprise Manager の"複数をひとつにまとめて管理する"手法で実現されます。この手法では、Oracle WebLogic Server クラスタ・レベルで複数のインスタンスを監視できます。これらの機能を使用すると、

次のような管理機能を実行できます。

• クラスタ内にある複数の Oracle WebLogic Server を、個別の Oracle WebLogic Server サイロとしてでは

なく、1 つのエンティティとして監視できます。

• クラスタのメンバーになっている Oracle WebLogic Server に配置された J2EE アプリケーションのパ

フォーマンスおよびワークロードの分散を分析できます。

• Oracle WebLogic Server クラスタのシステム・ダッシュボードを表示できます。

サーバー・リソースの監視

Oracle Enterprise Manager では、JDBC データソース、JMS サーバー、作業マネージャなどのリソースの状

態とパフォーマンスを監視できます。また、トランザクション、データソース、JMS キュー、コネクタ、

JVM などのリソースのパフォーマンスを監視できるさまざまなメトリックが提供されます。

リアルタイムのパフォーマンスと傾向分析の履歴

Oracle Enterprise Manager は、Oracle WebLogic Server とその上で動作しているホストのパフォーマンス、

負荷、使用状況のメトリックを収集します。管理者は、メトリックのしきい値の設定、通知の受信、サー

バー間のメトリックの比較、傾向分析の履歴の表示、およびカスタム・レポートの作成をおこなうこと

ができます。

インフラストラクチャ全体の管理によるほかの層に対する可視性の向上

Oracle Enterprise Manager では、データベース、Web サーバー、基盤のホスト・マシン、メッセージング・

プロバイダといったほかのアプリケーション層の状態とパフォーマンスを監視できます。

システム・ダッシュボード

Enterprise Manager のダッシュボードは、機能が豊富で高度なカスタマイズが可能なレポート・フレーム

ワークを提供します。システム・ダッシュボードを使用すると、WebLogic Server インフラストラクチャ

に関連した重要なメトリック、アラート、ポリシー違反などをすばやく確認できます。また、さまざま

なシステム・コンポーネントにおける最新のアラートも確認できます。

ダッシュボード上のデータは自動的に更新されるので、リアルタイム監視の実施が可能です。ダッシュ

ボード上では、新しいメトリックの追加、または表示されているメトリックの削除が実行できます。管

理者は、問題の原因と考えられるターゲット、または注意する必要があるターゲットにすばやくドリル

ダウンできます。このように、ダッシュボードは強力なツールを管理者に提供し、事前対応型のアクショ

ンを取ることによって応答時間を短縮してサービス・レベルを向上させます。

トポロジ・ビューア

Enterprise Manager を使用すると、トポロジ・ビューア経由でサービスまたはシステムのコンポーネント

の透視図ビューにアクセスできます。このビューにはすべてのシステム・コンポーネントが表示され、

またステータス、アラート、ポリシー違反といった重要な情報は強調表示されます。管理者は、サービ

ス状態またはシステム状態の概要を簡単に表示でき、問題が発生した場合には、トポロジ・ビューから

さらにドリルダウンをおこなって詳細な情報を取得できます。トポロジ・ビューアでは、30 秒間隔の自

動更新によってビューを簡単に再構成できるので、ビューを常に最新の状態に保つことができます。

事前監視の使用によるアプリケーション・パフォーマンスの向上

Oracle Enterprise Managerでは、J2EEアプリケーションおよびWebサービス・アプリケーションのパフォー

マンスを監視することが可能です。この機能を使用することで、管理者は、事前に防止策を講じてアプ

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リケーションの可用性とパフォーマンスを保証できます。

J2EE アプリケーションの監視

Oracle Enterprise Manager は、サーブレット、Enterprise JavaBeans(EJB)、トランザクション、データソー

ス、JVM メモリに対応したさまざまなアプリケーション・メトリックとサーバー・メトリックを提供し

ています。これらのメトリックを使用すると、アプリケーションのパフォーマンスとリソース使用率を

監視できます。

Oracle Enterprise Manager では、最上位アプリケーション、最上位サーブレット、最上位 EJB などに関す

る柔軟性のある診断レポートに、管理者が簡単にアクセスできます。レポートは、現在のデータまたは

履歴データに基づいて作成されます。これらの"最上位レポート"は、アプリケーションのパフォーマン

ス・メトリックと基盤となっている中間層コンポーネントのパフォーマンス・メトリックの関係を把握

するのに役立ちます。また、大規模な環境では、すべての J2EE アプリケーションのパフォーマンスを最

適化するために管理者がリソースをさまざまな J2EE アプリケーションに分散する際にも、これらのレ

ポートが役立ちます。

Oracle WebLogic Server クラスタ・レベルの J2EE アプリケーション・ビューには、J2EE アプリケーショ

ンが配置されているすべての Oracle WebLogic Server にわたり、特定の瞬間におけるアプリケーション・

パフォーマンスが表示されます。

Web サービスの管理

Oracle Enterprise Manager では、WebLogic Server に配置された Web サービスの状態とパフォーマンスを監

視できます。また、呼出回数や障害発生回数など、さまざまなメトリックが提供されます。これらのメ

トリックを使用することで、管理者は、Web サービスを手動でテストするか、または、ビーコン・トラ

ンザクションによって呼び出される SOAP テストを追加することができます。これは、サービスのサー

ビス・レベルを維持するのに役立ちます。

Enterprise Manager では、アプリケーションまたはサーブレット内の最上位 Web サービスなどに関する柔

軟性のある診断レポートに、管理者が簡単にアクセスできます。このレポートは、現在のデータまたは

履歴データに基づいて作成されます。これらの"最上位レポート"は、SOA/Web サービス・アプリケーショ

ンのパフォーマンス・メトリックと基盤となっている中間層コンポーネントのパフォーマンス・メトリッ

クの関係を把握するのに役立ちます。

サービス・レベルの監視

Oracle Enterprise Manager の Service Level Management Pack を使用すると、アプリケーション所有者は、ア

プリケーション内で実行される各アクションでエンドユーザーが体感するパフォーマンスを監視して、

期待されているサービス・レベルを満たしているかどうかを確認できます。この機能により、アプリケー

ション所有者と IT 部門は、以下を実行できます。

• Web アプリケーションまたは Web サービスのサービス・レベル目標の定義

• 擬似トランザクションの定義、サービス・レベルの監視、およびサービス・レベル違反に対するアラー

トの生成

• レポート作成のためのサービス・ダッシュボードとシステム・ダッシュボード

エンド・ツー・エンドのアプリケーション・パフォーマンス管理

WebLogic 管理者は、Oracle Enterprise Manager を使用することで、アプリケーションのパフォーマンスを

エンド・ツー・エンドで管理できます。

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図 2:Oracle Enterprise Manager によるエンド・ツー・エンドのアプリケーション・パフォーマンス管理

Oracle Real User Experience Insight は、エンドユーザーがアプリケーションをどのように体感しているかを

示す実環境ビューを表示します。実際のユーザーの視点を追加することで、Oracle Real User Experience Insight は、独自の追加データを提供します。このデータによって、アプリケーション・インフラストラ

クチャ、サーバー、ネットワークに対する総合的なパフォーマンス分析の全体像の把握が可能になりま

す。管理者は、このデータを活用してアプリケーションのパフォーマンスの問題を診断し、エンドユ―

ザーの視点からアプリケーションのパフォーマンスを向上できます。

Composite Application Monitor and Modeler(CAMM)を使用すると、複雑な多層アプリケーションのパ

フォーマンスの問題をピンポイントで特定できます。また、企業取引のフローを把握することによって

Java アプリケーションまたは複合アプリケーションのモデルが自動的に作成されるので、アプリケーショ

ンの可視性も高くなります。

Oracle Applications Diagnostics for Java(Oracle AD4J)と JRockit Mission Control を使用すると、リソース

とアプリケーションの問題を分離して、JVM 内で発生した問題を診断できます。

エンドユーザーのパフォーマンスと挙動の監視

業界の専門家によると、現在も、ユーザーに関係する問題の 70%以上が、システム監視ツールではなく

エンドユーザーによって報告されています。Oracle Real User Experience Insight は、ユーザー・エクスペリ

エンスの問題と収益の問題が企業とユーザーに影響を与える前にそれらを認識して、問題の解決を支援

します。Oracle Real User Experience Insight では、最先端のネットワーク・プロトコル分析テクノロジーを

使用して、パフォーマンスと可用性およびユーザーの挙動が分析されます。アプリケーションのパフォー

マンスへの影響はなく、アプリケーションを変更する必要もありません。Oracle Real User Experience Insight は、Web ベースのアプリケーションだけでなく、SOA や AJAX 対応のアプリケーションにも使用

できます。Real User Experience Insight を使用すると、Oracle WebLogic Server をユーザーの視点から管理

できます。

モデル駆動型の診断による問題解決時間の短縮

J2EE アプリケーション内における"機能を実現するロジック"およびコンポーネントの関係を可視化する

ただ 1 つのツールとして、Oracle Enterprise Manager の Composite Application Monitor and Modeler(CAMM)は、測定のトランザクション・コンテキスト全体を監視してパフォーマンスの傾向を確認し、ユーザー

にとってわかりやすい根本原因分析を提供します。サーブレット、Web サービス、JSP などの最上位レベ

ルのコンポーネントから、その基盤となっている Java コードの実際に問題がある部分に至るまで、この

分析の対象となっています。この分析情報は、アプリケーション・インフラストラクチャ内で EJB のよ

うな共有コンポーネントを常に活用する最新の J2EE アプリケーションではとくに重要です。

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共通の J2EE コンポーネントは自動的にマッピングおよびモデル化され、パフォーマンス・メトリックを

調べてボトルネックをすばやく確認するモデル駆動型のインタフェースが提供されます。そして、常に

モデルが使用中の環境を表すことを保証する変更検出メカニズムによって、このモデルは自動的に最新

の状態に保たれます。このパックでは、ほとんどの J2EE アプリケーション・インフラストラクチャのコ

ンポーネントが自動的にモデル化されるだけでなく、監視を目的とした POJO クラス用のカスタム・メト

リックを使用して、それらの機能を補完する柔軟性も提供されます。定義されたカスタム・メトリック

により、管理者は、Spring、Oracle TopLink、または JBoss Hibernate などの POJO フレームワークを使用

してアプリケーションのパフォーマンスの問題を診断できます。

本番 Java アプリケーションの診断

Diagnostics Pack for Oracle Middleware には 2 つの製品があり、これらによって、Oracle WebLogic Server上で動作している本番 Java アプリケーションの診断ができます。

1 番目の製品である Oracle Application Diagnostics For Java(Oracle AD4J)は、オーバーヘッドが少ない監

視と診断のためのソリューションで、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを向上させます。こ

の診断は、管理者がアプリケーションのパフォーマンスを事前に監視して問題点を把握するのに役立ち

ます。問題が発生した場合、管理者は、次のようにアプリケーションの詳細な情報を取得して問題を診

断できます。

• メモリ・リークの検出

• スレッド・デッドロックの検出とスレッドの差分分析の実施

• データベースに対して待機している Java スレッドの表示による、複数の層にまたがるパフォーマンス

の問題の確認

Oracle AD4J は、リソースのオーバーヘッドがほとんどないので、サーバーまたはアプリケーションを再

起動しなくても配置できます。これらの特質によって、Oracle AD4J は本番アプリケーションの監視と診

断に最適なソリューションとなっています。

2 番目の製品である Oracle JRockit Mission Control は、Java アプリケーションについての運用情報を提供

します。この製品は Oracle JRockit JVM 環境に対応するもので、ほかへの影響が少ない独自の監視テクノ

ロジーと診断ツールが採用されています。JVM のより詳細な情報、開発者の生産性の向上、エンド・ツー・

エンドのアプリケーション待機時間の短縮によって、市場投入までの時間を短縮しながら、運用コスト

を削減します。Oracle JRockit Mission Control には、次の特徴があります。

• アプリケーション・コードの変更が不要なことによる、迅速な配置の実現

• ほぼゼロに近い、監視、診断、プロファイリングのオーバーヘッド

• JVM のリアルタイム監視

• メモリ・リークの検出と分析

• アプリケーションと JVM のプロファイリング

• 待機時間の分析

• EclipseIDE との統合

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ITIL プロセスへの準拠によるサービス品質の向上 多くの場合、ITILを採用しているIT部門では、ITILプロセスへの準拠を維持するためのツールも複数採用

しています。このような状況は、効果や費用効率が高いとは言えません。オラクルは、このジレンマを、

ITILプロセスをサポートする統合ソリューションの提供によって解決しました。実際、Oracle Enterprise Managerは、Oracle IT Service Management Suiteの一部として、ITILの 6 つの主要なプロセスであるインシ

デント、問題、変更、構成、リリース1、およびサービス・レベル管理に関して、ITILバージョン 2 の認

定をすでに取得しています。したがって、Orace Enterprise Managerを使用する企業は、ITIL準拠のプロセ

スをすばやく配置できます。これによって、IT効率の大幅な改善、簡単になったITとビジネスの統合によ

る企業価値の向上、およびコンプライアンスとガバナンス・プロセスのより強力な管理を実現できます。

次の項では、ITILのインシデント・プロセス、変更プロセス、構成管理プロセスをWebLogic管理者が順

守するのに役立つ、Oracle Enterprise Managerの特定の機能について説明します。そのほかのITILプロセス

に関連する機能については、このホワイト・ペーパーの前半にある項で説明しています。

堅牢なイベント監視システム 多くの場合、アプリケーションで浮上する可用性とパフォーマンスの問題は、基礎となるテクノロジー・

スタックの問題に端を発しています。したがって、アプリケーションの基礎となる IT インフラストラク

チャを継続して事前監視することは、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを保証するために重

要となります。Enterprise Manager が提供する Oracle WebLogic Server 用の堅牢なイベント監視システムに

は、次のような機能があります。

• アラートまたはイベントの応答を自動化する手段として修正処理を提供し、解決にかかる時間を短縮

するとともに、オペレータの介入の必要性を解消して人的エラーを最小限に抑えます。

• 管理されるグループとシステム全体にベスト・プラクティスの監視標準を容易に実装できるように、

監視プレートを提供します。管理者は、環境に応じてカスタマイズされた一連の監視設定(メトリッ

ク、しきい値、修正処理)をおこない、その設定を監視テンプレートに保存して、管理下のグループ

とシステム全体に伝播できます。

• 管理者は、アラートの通知ルールと通知方法をさらにカスタマイズして、関心のあるアラートをフィ

ルタリングできます。

ジョブと修正アクション 管理者には、アプリケーションのライフ・サイクルの途中で、Oracle WebLogic Server の起動、停止、ま

たは再起動が必要になることがよくあります。Enterprise Manager では、ノード・マネージャが実行され

ているマシンに対しては、管理者がこれらの操作をリモートでおこなうことができます。Enterprise Manager を使用すると、メトリック・アラートの修正アクションとして起動、停止、再起動を設定できま

す。この機能によって、管理者は、システムの重大なイベントに事前にすばやく対処することが可能に

なります。

構成管理 Oracle Enterprise Manager では、Oracle WebLogic Server 用の包括的な構成管理機能が提供されます。これ

らの機能によってエラーの発生しやすい手動タスクが削減されるので、手動タスクから解放された管理

者は、より事前予防的なメンテナンス作業に集中できるようになります。このことは、結果的により高

い安定性と効率をもった環境の実現につながります。

1 Oracle Enterprise Manager 10g Release 5 では、Oracle WebLogic Serverソフトウェアのインストール、パッ

チ適用、またはクローニングに、事前設定なしで対応する自動化機能は提供されていません。これらの

機能は、将来のリリースで搭載される予定です。

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検出と資産追跡の自動化

従来、IT 環境全体の資産および構成項目の追跡は、資産と構成を把握している鍵となる人物、時間のか

かる非定型処理、およびエラーが発生しやすい手動のスプレッドシートに依存してきました。一方、Oracle Enterprise Manager は、Oracle WebLogic Server に関する構成情報を自動的に収集します。Oracle WebLogic Server に関する次の情報が一定の間隔で収集され、Oracle Enterprise Manager Configuration Management Database(CMDB)に格納されます。これらの情報は中央コンソールを介して表示され、データセンター

にあるすべての異種コンポーネントの全体像が作成されます。

• 構成ファイル(例:config.xml、xIDS-0899-jdbc.xml、oim_jms_module-jms.xml)

• ポート、リソース使用率、チューニング設定

• 配置したアプリケーションおよび関連モジュール

• Java DataBase Connectivity(JDBC)データソースおよび接続プール

• 仮想ホストの Java Message Service(JMS)リソース

• startup/shutdown クラスの構成、JOLT 接続プール、Work Manager

図 3:Oracle WebLogic Server の JDBC リソースに関係する構成アイテムの自動収集

構成の比較

Oracle WebLogic Server の構成を標準のベースラインに保ち、発生した構成変更を認識することは、組織

が"構成のずれ"を減らし、計画した変更または計画外の変更の実施の有無および実施された場合の日時を

確認するのに役立ちます。Oracle Enterprise Manager が提供する機能を使用することで、管理者は、分散

している Oracle Weblogic Server の全体を通じた構成の差異をすばやく簡単に特定することが可能なりま

す。たとえば、管理者は、Oracle WebLogic Server の標準構成を作成し、その標準構成をほかのすべての

Oracle WebLogic Server と比較するベースラインとして使用できます。臨時または定期的に実施されるこ

のような比較(1 対 1 または 1 対多)は、構成のずれを解消するのに役立ちます。また、一致するはずの

システムの動作が異なる場合も、簡単に原因を調査できます。この機能の一般的なユースケースとして

は、アプリケーションのステージングから本番への移行が挙げられます。ステージング環境で徹底的に

テストされたアプリケーションでも、本番環境では期待通りに動作しないことがよくあります。比較機

能を使用すると、管理者は、2 つの環境の構成を迅速に比較して潜在的な原因を特定できます。

構成の比較は、変更管理における重要な機能です。変更の前後のベースラインを比較することによって、

管理者は計画または予想されていたすべての構成変更が実行されたことを確認できます。

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図 4: 2 つの Oracle WebLogic Server 間における構成の比較

構成の変更の検出

管理者は、それまで正常に機能していたシステムが、突然パフォーマンスの許容レベルを下回るという

状況に直面することがあります。設定パラメータが変更されたのでしょうか。オペレーティング・シス

テムにパッチを適用したのでしょうか。メモリが減らされたのでしょうか。可能性のあるそれぞれのシ

ナリオを、管理者が手作業で確認しなければならないとしたら、パフォーマンス低下の原因となった変

更を正確に突き止めるために、何時間も費やさなくてはいけません。Oracle Enterprise Manager は、Oracle WebLogic Server の構成およびその基盤になっているハードウェアとオペレーティング・システムに関す

るすべての変更を自動的に追跡することによって、この作業を単純にします。これによって、管理者は、

マシンとソフトウェアが最後に正しく機能していたときよりあとにおこなわれた変更を、すばやく簡単

に表示できます。また、許容レベルまでシステムを戻す適切なソリューションをすばやく簡単に適用で

きます。この機能は、"何を、いつ、何のために変更したか"を正確にとらえるため、コンプライアンス管

理には欠かせない機能となっています。

過去にどのような構成変更が発生したかを追跡するだけでなく、管理者は、Oracle WebLogic Server およ

びその基盤になっているホストとオペレーティング・システムに関する変更をリアルタイムで検出する

こともできます。これらの機能は、Configuration Change Console を介して公開されます。さらに、Oracle Enterprise Manager は Remedy などの一般的な変更管理システムと統合できるので、Configuration Change Console では、変更が、変更管理システム内における変更のオープン・リクエストを介して認可されたも

のかを判定することもできます。

分析とレポート

現在、企業全体にあるすべてのシステムの脆弱性を把握することが、これまでにも増して重要になって

います。Oracle Enterprise Manager では、構成項目の集中型インベントリが提供され、また、データセン

ター全体に対して特定の構成値の検索をおこなうためのさまざまな標準および非定型の検索機能も提供

されます。Oracle Enterprise Manager を使用すると、管理者は、Oracle WebLogic Server 全体の重要なアー

チファクト(J2EE アプリケーション、モジュール、JDBC リソースなど)を検索することが可能になり

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Oracle ホワイト・ペーパー―Oracle Application Development Framework 概要

ます。たとえば、管理者は次のことを簡単に実行できるようになります。

• Java Naming and Directory Interface(JNDI)名またはプール名によるデータソースの検索

• URL によるデータソースの検索

• サーバー内の Enterprise JavaBeans モジュールの検索

セキュリティとガバナンス・ポリシーへの容易な準拠

セキュリティや構成などの重要なコンプライアンス分野の事前評価は、脆弱性の識別やベスト・プラク

ティスに従っていない個所の指摘に役立ちます。Oracle Enterprise Manager には、Oracle WebLogic Server用の次のような標準ポリシーが付属しています。また、管理者は、独自のポリシーとグループを定義す

ることもできます。

• サーバー・ドメイン管理ポートの有効化

• サーバー・パフォーマンス・パックの有効化

• 管理対象サーバーの本番モードの有効化

また、Oracle Enterprise Manager では、パフォーマンス・メトリックと同様の方法でこれらのポリシーに

対する違反が追跡され、違反に対しては通知ルールを使用して修正処理を割り当てることができます。

この積極的なポリシー適用に加えて、ターゲットになっている Oracle WebLogic Server のコンプライアン

ス・スコアを示すコンプライアンス・レポートも提供されます。管理者は、時間経過に伴うこれらのコ

ンプライアンス・スコアの変化を表示することによって、各 Oracle WebLogic Server での違反やその影響

についてドリルダウンできます。また、Oracle Enterprise Manager を問題のチケッティング・ソリューショ

ンと統合すると、ポリシー違反の情報をチケッティング・システムに自動的に送信できます。これによっ

て、手動操作なしでインシデント・チケットを作成できます。

ポリシーは、ポリシー・グループでも適用できます。ポリシー・グループには事前定義済みまたはユー

ザー定義のポリシーが含まれ、加重平均に基づいて全体のスコアが決定されます。ポリシー・グループ

のスコアは、コンプライアンス・ダッシュボードに表示されるので、システムがベスト・プラクティス

にどれだけ適合しているのかを管理者は一目で確認できます。このダッシュボードには、詳細までドリ

ルダウンできる現在のスコアのサマリーに加え、時間経過に伴うコンプライアンスの進捗を追跡するた

めに、各ポリシー・グループの履歴傾向も表示されます。

Oracle Enterprise Manager のこれらの機能により、IT 部門は、米国サーベンス・オクスリー(SOX)法お

よびクレジットカード業界(PCI)などの規制と標準に準拠していることをすぐに実証できます。また、

Oracle Enterprise Manager を拡張して、IT 部門で使用される可能性があるほかの標準への準拠を保証する

こともできます。

結論 管理者は、IT 企業のミドルウェアを効率的かつ効果的に管理しようとする際に、多くの課題に直面しま

す。アプリケーション・パフォーマンスの監視や問題の診断、一般的な管理タスクの自動化、複数のア

プリケーション・サーバーの管理、またはインストール内容の確認と企業での実行など、どの領域に課

題があるかに関係なく、Oracle Enterprise Manager 10g が単一のソリューションを提供します。Oracle Enterprise Manager を使用することで、管理者は、アプリケーション・パフォーマンスを向上させ、ミド

ルウェアの管理と保守のコストを大幅に節約できます。管理リソースが非常に高価で企業が IT 予算を切

り詰めなければならない場合、Oracle Enterprise Manager は、Oracle Fusion Middleware を管理するための

必須ツールになります。

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Page 13: Oracle Enterprise Manager を使用した...ります。Oracle Enterprise Managerを使用すると、管理者は、単一の管理コンソールから複数のOracle WebLogic Serverドメインを管理および監視できます。この単一の管理コンソールで、アプリケーション

Oracle Enterprise Manager を使用した Oracle WebLogic Server の管理

Oracle Enterprise Manager を使用した Oracle WebLogic Server の管理 2009 年 3 月

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