Oracle DB パッケージの構築 - h50146. · HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3...
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HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31)+ Serviceguard 11.19
Oracle DB パッケージの構築
SMH/Serviceguard Manager (Web ブラウザー使用)版
2009/11 改訂版
はじめに ............................................................................................................................................. 2
改訂箇所 ............................................................................................................................................ 2
用語 ................................................................................................................................................... 2
1. 設計 ........................................................................................................................................... 4 1.1. Oracle DB パッケージの設計 .................................................................................................. 4
2. 基本パッケージの作成 ................................................................................................................... 5 2.1. ファイルシステムの作成 .......................................................................................................... 5 2.2. 基本パッケージの作成 .......................................................................................................... 17 2.3. 基本パッケージの操作 .......................................................................................................... 25
3. 事前セットアップ作業 ................................................................................................................... 30 3.1. Oracle インストール ............................................................................................................. 30 3.2. データベースの構築 ............................................................................................................. 31
4. Oracle DB のパッケージ化 ........................................................................................................... 32 4.1. リスナー、データベースの変更 ............................................................................................... 32 4.2. ツールキット(ECMT B.05.00)の設定 ..................................................................................... 35 4.3. Oracle DB を基本パッケージへ追加 ....................................................................................... 37
関連情報 .......................................................................................................................................... 49
HP-UX 11i Knowledge-on-Demand ....................................................................................................... 49
2
はじめに
この文書は、
HP Integrity サーバー
HP-UX 11i v3 (11.31)
Serviceguard A.11.19
Enterprise Cluster Master Toolkit B.05.00
Oracle Database 11g R1
を使用した環境で、Webブラウザーからクラスターを簡単に構築するための資料です。この文書に記載されている内
容はサンプルであり、本書に従って設計及び構築しなければならないというものではありません。
本書では、hp01 、hp02 というホスト名の 2 台のノードを使用して、Serviceguard クラスターを構築する手順を示して
います。特定のノードで作業を実施するときは、プロンプトに”hp01#” 、”hp02#” のようにホスト名を記述しています。
改訂箇所
2009年 7月 22日 最終ページの HP-UX 11i Knowledge-on-Demandの URLを修正
用語
SG : Serviceguard A.11.19
ツールキット(ECMT B.05.00) : Enterprise Cluster Master Toolkit B.05.00
SMH : System Management Homepage A.3.0.0
Oracle DB : Oracle Database 11g R1 (RAC ではありません)
3
作業の流れ
クラスターの構築
Oracle DB パッケージの構築
パッチの適用
クラスターの構築
カーネルパラメーターの変更
パッチの適用
Oracle ユーザー作成
Oracle のインストール
基本パッケージの構築 Oracle DB 作成
Oracle DB を
パッケージへ組み込み
共有ディスクの作成
・・・ 『Serviceguard クラスター構築』参照
・・・ Serviceguard 関連(本文書範囲)
・・・ 通常のOracle 構築作業とほぼ同等 『Oracle DB 11g R1 構築手順』参照
4
1. 設計
以下の設計表に設計値を記入します。太枠内の値を設計するだけで、他はデフォルト値で構成できます。
1.1. Oracle DB パッケージの設計
設計項目 設計値 設計例
パッケージ名 ORACLE_orcl
サービス名(DB 監視用) ORACLE_mon
サービス名(リスナー監視用) LISTENER_mon
他のパッケージと重複しない名前にします。
設計項目 設計値 設計例
共有ボリュームグループ(VG)名 /dev/vg_db1
論理ボリューム(LV)名 lovl1
マウントポイント /ora_data
複数のボリュームグループや、複数の論理ボリューム・マウントポイントを使用することも可能です。
この設計例では、クラスター構築時に作成したロックディスクのボリュームグループを兼用しています。
設計項目 設計値 設計例
リロケータブル IP アドレス(仮想 IP アドレス)と
サブネット(ネットワーク)名
172.168.1.151 /
172.168.0.0
リロケータブル IP アドレスは 1 クラスターで 200 個まで付けることが可能です。
設計項目 設計値 設計例
ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1
ORACLE_ADMIN oracle
SID_NAME orcl
LISTENER_NAME LISTENER
LISTENER_PASS (無し)
MONITOR_INTERVAL 5
ツールキット(ECMT B.05.00)の hamysql.conf ファイルに設定する項目です。
ORACLE_ADMIN は DB インスタンスを起動・停止する際の UNIX ユーザー名になります。
LISTENER_PASS はリスナーにパスワードを設定していない場合には設定する必要はありせん。
MONITOR_INTERVAL はデフォルト 30 秒です。この間隔が障害発見までの最大時間になります。
5
2. 基本パッケージの作成
この構築作業では設計例の情報を使用しています。
【作業チェックリスト】
ファイルシステムの作成
基本パッケージの作成
基本パッケージの操作
2.1. ファイルシステムの作成
<任意の 1 ノード(ここでは hp01)対象作業>
作業ノード(hp01)で、vg_db1 をアクティベイト
ファイルシステムを作成するには、使用するボリュームグループに論理ボリューム(論理パーティション)を先に作成す
る必要があります。既に Serviceguard によって排他制御されている共有ボリュームグループを操作するには、クラスタ
ーを起動して該当ボリュームグループをアクティベイトさせる必要があります。
hp01 の SMH(Syetem Management Homepage)へアクセスし、Serviceguard Manager を開きます。
Web ブラウザーから http:// クラスターのノード名または IP アドレス(任意の 1 ノード):2301 にアクセスします。SMH
のサインイン画面が表示されます
図 2.1.1 SMH サインイン
「User Name」に root 、「Password」に root ユーザーのパスワードを入力し、「Sign in」をクリックします。
6
「Cluster HPCL01」をクリックします。
図 2.1.2 SMH Home
クラスターが停止中であることを確認します。(起動中である場合は、「管理」プルダウンメニューから「クラスタの停止」
をクリックし停止させます。クラスター構築時、ボリュームグループをディアクティベイトしていない場合はクラスターの停
止に失敗します。『Serviceguard クラスターの構築』を参照します。)
「管理」プルダウンメニューから「クラスタの起動」をクリックします。
図 2.1.3 クラスタプロパティ(メイン)
7
ここで使用する vg_db1 はロックディスクとしても使用されています。論理ボリュームを作成する作業では、一旦作業ノ
ード以外からこのボリュームグループは自動的に切り離されます。作業中にロックディスクが必要となる状況にならない
ように、ノード 1台だけでクラスターを起動します。
(ロックディスク専用のボリュームグループを使用している場合は、通常通り全ノードでクラスターを起動し、SMH の
Volume Group 画面から、「クラスタ VG の作成」を選択することも可能で、操作が簡単になります。)
「hp01」だけを選択した状態に変更し、「OK」をクリックします。
図 2.1.4 クラスタの起動
hp02 にログインして、本当にクラスターが起動していないことを確認して、「OK」をクリックします。
図 2.1.5 確認ダイアログ
これで hp01 でクラスターが起動され、共有ボリュームグループ「vg_db1」をアクティベイトすることが可能になります。
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SMH の Tools 画面へ移動し、「Volume Groups」をクリックします。
図 2.1.6 Tools
「vg_db1」を選択し、「VG の使用開始」をクリックします。
図 2.1.7 HP-UX Disks and File Systems Tool (ボリュームグループ)
9
使用開始モードを「排他読み取り/ 書き込み」を選択し、「クラスタのメンバーとしてボリュームグループを作成します」を
選択して、「使用開始」をクリックします。ここでは、「共有可能性:」のボタンは選択しません。
図 2.1.8 ボリュームグループの使用開始
これで、vg_db1 のアクティベイト作業は完了です。
10
論理ボリュームの作成
続いて、論理ボリューム(論理パーティション)を作成します。「論理ボリューム」タブをクリックします。
図 2.1.9 HP-UX Disks and File Systems Tool (ボリュームグループ)
「LV の作成」をクリックします。
図 2.1.10 HP-UX Disks and File Systems Tool (論理ボリューム)
11
「vg_db1」を選択し、「LV名」と「サイズ(単位選択)」の入力を行います。全ての空き領域を使用する場合は、単位をエ
クステントに変更して、フリーエクステント(空き容量)の値を入力すると便利です。
図 2.1.11a 論理ボリュームの作成
画面をスクロールさせ、「作成」をクリックします。
図 2.1.11b 論理ボリュームの作成
12
このボリュームグループは既にクラスターに属しているので、Serviceguard 構成を検出します。「続行」をクリックします。
ここで作成した論理ボリュームのデバイスファイルは自動的に hp02 側でも作成されます。
図 2.1.12 Serviceguard 構成の検出
これで論理ボリュームの作成作業は完了です。
13
ファイルシステムの作成
「ファイルシステム」タブをクリックします。
図 2.1.13 HP-UX Disks and File Systems Tool (論理ボリューム)
「VxFS の追加」をクリックします。
図 2.1.14 HP-UX Disks and File Systems Tool (ファイルシステム)
14
「マウントポイント」を記入し、「未使用 LV の選択」をクリックします。
図 2.1.15 VxFS ファイルシステムの追加
作成した論理ボリュームを選択し、「選択」をクリックします。
図 2.1.16 未使用の論理ボリュームの選択
過去に使用されたディスクの場合、その構成情報が残り、「デバイス上に存在するデータが見つかりました」と言われる
場合があります。選択したディスクに間違いなければ、「続行」をクリックします。
15
指定した LV が選択されていることを確認し、「ラージファイルを使用する」と「Serviceguard のために VxFSを追加す
る」を選択します。
図 2.1.17a VxFS ファイルシステムの追加
「VxFS の追加」をクリックします。
図 2.1.17b VxFS ファイルシステムの追加
hp02 ではマウントポイントが作成されていないため、hp02 へログインして、コマンドで作成します。
hp02# mkdir /ora_data
hp02# chmod 755 /ora_data
まだこの時点ではマウントされていないため、hp01 、hp02 ともに、このファイルシステムは見えません。
16
ボリュームグループをディアクティベイトするために。ボリュームグループの画面を開きます。「vg_db1」を選択し、「VG
の使用停止」をクリックします。
図 2.1.18 HP-UX Disks and File Systems Tool (ボリュームグループ)
「使用停止」をクリックします。
図 2.1.19 ボリュームグループの使用停止
これでファイルシステム作成の作業は完了です。
17
2.2. 基本パッケージの作成
<任意の 1 ノード(ここでは hp01)対象作業>
Oracle DB をパッケージ化する前に、Oracle DB で使うボリュームグループやファイルシステム、リロケータブル IP アド
レス(仮想 IP アドレス)といった基本コンポーネントを先にパッケージ化しておきます。こうしておくと、パッケージ操作で
ディスクや IP アドレスの操作が可能になり、Oracle DB のセットアップが楽になります。また、問題の切り分けの点でも、
この時点で Serviceguard 単体の動作確認が行えます。
(Oracle DBの作成の後に、DB の起動と停止処理や監視処理をこのパッケージに組み込むことになります。)
SMH の「Tools」メニューの「Serviceguard Manager」から、Serviceguard Manager 画面を開きます。
「構成」プルダウンメニューから、「パッケージの作成」をクリックします。
(作業ノード以外のノードはクラスター稼動していても、していなくても構いません。)
図 2.2.1 クラスタプロパティ(メイン)
18
2009年 5月の時点では、SGMgr B.02.00 はツールキット(ECMT B.05.00)のモジュラーパッケージに対応していま
せん。したがって、従来のパッケージ方式を採用します。「ここを押します。」をクリックします。
図 2.2.2 モジュラーパッケージの作成
クラスター内で重複しない「パッケージ名」を記入し、タイプ、ノードの選択の「序列」の順位が正しいかを確認します。正
しくない場合は数値を変更します。
【重要】 安全のためにクラスター起動時の「初期自動起動」をやめる場合はチェックをはずします。
図 2.2.3 従来のパッケージの作成(パラメータ)
19
「モニター対象のリソース」タブをクリックします。モニターするサブネットの選択では、リロケータブル IP アドレスを設定
する「サブネット」を選択します。
図 2.2.4a 従来のパッケージの作成(モニター対象のリソース)
スクロールさせて画面の下の方を表示させ、「制御スクリプトの編集」をクリックします。
図 2.2.4b 従来のパッケージの作成(モニター対象のリソース)
20
「編集」をクリックします。
図 2.2.5 制御スクリプトの編集
新規作成の場合はファイルが存在しませんので、「デフォルトの生成」をクリックします。
図 2.2.6 制御スクリプトの編集
21
制御スクリプト編集エディタ画面になります。
VG の設定箇所に、VG[0]=vg_db1 と作成した VG を設定します。
図 2.2.7a 制御スクリプトの編集(VG 設定)
ファイルシステムの設定箇所に、作成した論理ボリュームに関する情報を追加します。
図 2.2.7b 制御スクリプトの編集(ファイルシステム)
LV[0]="/dev/vg_db1/lvol1"
FS[0]="/ora_data"
FS_MOUNT_OPT[0]="-o largefiles,nodatainlog"
FS_UMOUNT_OPT[0]=""
FS_FSCK_OPT[0]=""
FS_TYPE[0]="vxfs"
22
リロケータブル IP アドレスの設定箇所に、以下のように仮想 IP アドレスとサブネットを追加します。
サブネットマスクではありませんので、ご注意ください。
図 2.2.7c 制御スクリプトの編集(リロケータブル IP アドレス設定)
画面をスクロールさせ、画面の下にある「保存と配布」をクリックします。
図 2.2.8 制御スクリプトの編集(ファイルの配布)
配布ノードを確認して、「保存と配布」をクリックします。操作ログ画面の、制御スクリプトの配布の「完了」を確認し、
「OK」をクリックします。
IP[0]=172.168.1.151
SUBNET[0]=172.168.0.0
23
制御スクリプト編集エディタ画面に戻ります。「閉じる」をクリックし、従来のパッケージの作成画面に戻ります。
図 2.2.9 制御スクリプトの編集
画面の下にある「OK」をクリックします。
図 2.2.10 従来のパッケージの作成(モニター対象のリソース)
24
「構成の検証」で確認し、「構成の適用」をクリックします。
図 2.2.11 構成サマリー
操作ログの、パッケージ構成の適用の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
これで、基本パッケージの構成作業は完了です。
25
2.3. 基本パッケージの操作
<任意の 1 ノード(ここでは hp01)対象作業>
基本パッケージの動作確認のため、クラスターを再起動します。Serviceguard Manager を開きます。
「管理」プルダウンメニューから「クラスタの停止」をクリックします。
図 2.3.1 クラスタプロパティ(メイン)
「OK」をクリックします。
図 2.3.2 クラスタの停止
操作ログのクラスターの停止の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
26
「管理」プルダウンメニューから「クラスタの起動」をクリックします。
図 2.3.3 クラスタプロパティ(メイン)
全てのノードが選択されているのを確認し、「OK」をクリックします。
図 2.3.4 クラスタの起動
操作ログのクラスターの起動の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
27
ノードステータスとパッケージステータスが稼動中であることを確認します。
図 2.3.5 クラスタプロパティ(メイン)
【重要】 クラスターロック用のボリュームグループ情報のバックアップ(vgcfgbackup コマンドの実行)
ここで、クラスターロック用のボリュームグループの情報のバックアップを取得しておきます。hp01 で以下のコマンドを
実行します。(root ユーザー)
hp01# vgcfgbackup vg_db1
/etc/lvmconf ディレクトリに vg_db1 情報のバックアップファイル(vg_db1.conf)が作成されます。他のマシン等に複製を作成するなど大事に保存します。ディスク障害の修理などに必要になることがあります。この作業はこのボリュームグループの構成を変更した場合は再度行い、最新のバックアップを持つようにします。
28
ノード hp02 でパッケージの動作確認
パッケージ ORACLE_orcl を選択し、「管理」プルダウンメニューから「パッケージの移動」をクリックします。
図 2.3.6 クラスタプロパティ(メイン)
移動先のノード hp02 を選択し、「OK」をクリックします。
図 2.3.7 パッケージの移動
操作ログの、パッケージの移動の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
29
パッケージステータスが稼動中であること、稼動場所が hp02 であることを確認します。
図 2.3.8 クラスタプロパティ(メイン)
【重要】 クラスターロック用のボリュームグループ情報のバックアップ(vgcfgbackup コマンドの実行)
ここで、クラスターロック用のボリュームグループの情報のバックアップを取得しておきます。hp02 で以下のコマンドを
実行します。(root ユーザー)
hp02# vgcfgbackup vg_db1
/etc/lvmconf ディレクトリに vg_db1 情報のバックアップファイル(vg_db1.conf)が作成されます。他のマシン等に複製を作成するなど大事に保存します。ディスク障害の修理などに必要になることがあります。この作業はこのボリュームグループの構成を変更した場合は再度行い、最新のバックアップを持つようにします。
確認終了後、同様の方法で、パッケージを hp01 に戻します。
この後、Oracle 関連の作業で、必要なパッチの適用やカーネルパラメーターの変更などが行なわれますので、クラス
ターを停止しておきます。同じ理由で、Oracle 関連の作業が終わるまでは、HP-UX 起動時にクラスターを自動起動す
る設定にしている場合は解除しておくことをお奨めします。これらの操作や設定は、『HP Integrity サーバー + HP-UX
11i v3 (11.31) + Serviceguard 11.19 Serviceguard クラスターの構築』を参照します。
30
3. 事前セットアップ作業
この事前セットアップ作業では設計例の情報を使用しています。
【作業チェックリスト】
Oracle インストール
データベースの構築
3.1. Oracle インストール
<クラスター全ノード(hp01 、hp02)対象作業>
Oracle DB のインストール作業
『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) Oracle DB 11g R1 構築手順 1. Oracle インストール』
を参考に、すべてのノードに対して同じインストールを行います。
必要なパッチの適用やカーネルパラメーターの変更などが行なわれますので、クラスターを停止しておきます。同じ理
由で、Oracle 関連の作業が終わるまでは、HP-UX 起動時にクラスターを自動起動する設定にしている場合は解除し
ておくことをお奨めします。これらの操作や設定は、『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) + Serviceguard
11.19 Serviceguard クラスターの構築』を参照します。
31
3.2. データベースの構築
<クラスター任意の 1 ノード対象作業>
Oracle DB を作成する前の準備作業
Oracle DB を作成するすべてのノードで、必ずクラスターを起動し、ORACLE_orcl パッケージを起動しておきます。
クラスターの起動操作は、『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) + Serviceguard 11.19 Serviceguard ク
ラスターの構築』を参照します。
ORACLE_orcl パッケージ起動後、すべてのノードで共有ディスクの所有者と権限を変更します。
# chown oracle:oinstall /ora_data
# chmod 775 /ora_data
Oracle DB の作成
『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) Oracle DB 11g R1 構築手順 2. データベースの構築』
を参考にします。
リスナーの構築からデータベースの構築までの手順を記載しています。
データファイル、フラッシュリカバリー領域、アーカイブファイルの作成場所(ディレクトリ名)などは、手順書とは異なる場
合もありますので、システムに合わせて変更して入力します。
。
32
4. Oracle DB のパッケージ化
この構築作業では設計例の情報を使用しています。
【作業チェックリスト】
リスナー、データベースの変更
ツールキット(ECMT B.05.00)の設定
Oracle DB を基本パッケージへ追加
4.1. リスナー、データベースの変更
<リスナー、DB を作成したノード(ここでは、hp01)対象作業>
SPFILE の共有化
DBCA で DB を作成している場合、ORACLE_HOME の下の dbs の下に SPFILE が作成されています。このままでは、
他のノードから見えないので、共有ディスク上に移動させます。
この作業を行なうノードでは、必ずクラスターを起動し、ORACLE_orcl パッケージを起動しておきます。クラスターの
起動操作は、『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) + Serviceguard 11.19 Serviceguard クラスターの構
築』を参照します。
DB が起動されている場合は、停止させます。
$ echo “shutdown immediate” | sqlplus „/as sysdba‟
SPFILE を共有ディスクに移動させ、dbs ディレクトリに存在するようにシンボリック・リンクをはっておきます。
$ mv ${ORACLE_HOME}/dbs/spfileorcl.ora /ora_data/orcl
$ ln –s /ora_data/orcl/spfileorcl.ora ${ORACLE_HOME}/dbs
DB が起動することを確認します。
$ echo “startup” | sqlplus „/as sysdba‟
確認後、DB を停止させておきます。
$ echo “shutdown immediate” | sqlplus „/as sysdba‟
33
<他のノード(ここでは、hp02)対象作業>
リスナーの設定
他のノードでも、リスナーを作成します。『HP Integrity サーバー + HP-UX 11i v3 (11.31) Oracle DB 11g R1 構築
手順 2. データベースの構築』の「リスナー構成」と「ネット・サービス名の構成」の箇所を参考にするか、または、hp01
の listener.ora と tnsnames.ora をコピー(転送)します。これらのファイルは、${ORACLE_HOME}/network/admin デ
ィレクトリにあります。
パッケージORACLE_orclを hp02に移動します。
hp02# export ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1
hp02# cd ${ORACLE_HOME}/network/admin
hp02# cmcp hp01:`pwd`/listener.ora .
編集して、hp01 を hp02 に書き直します。
hp02# vi listener.ora
hp02# cmcp hp01:`pwd`/tnsnames.ora .
編集して、hp01 を hp02 に書き直します。
hp02# vi tnsnames.ora
パスワードファイル等のコピー
他のノードに hp01のパスワードファイルなどをコピー(転送)します。パスワードの変更など、これらのファイルを変更し
た場合は再度コピーを行います。
hp02# cd ${ORACLE_HOME}/dbs
hp02# cmcp hp01:`pwd`/orapworcl .
hp02# cd /etc
hp02# cmcp hp01:`pwd`/oratab .
hp02# cd /usr/local/bin (root.shで指定したディレクトリ)
hp02# cmcp hp01:`pwd`/coraenv .
hp02# cmcp hp01:`pwd`/dbhome .
hp02# cmcp hp01:`pwd`/oraenv .
SPFILE のシンボリック・リンクの作成
この作業を行なうノードでは、必ずクラスターを起動し、ORACLE_orcl パッケージを起動しておきます。
oracle ユーザーで、共有ディスク上の SPFILE を dbs ディレクトリに存在するようにシンボリック・リンクをはっておきます。
hp02$ ln –s /ora_data/orcl/spfileorcl.ora ${ORACLE_HOME}/dbs
adump 、dpdump ディレクトリの作成
hp02$ mkdir –p ${ORACLE_BASE}/admin/${ORACLE_SID}/adump
hp02$ mkdir –p ${ORACLE_BASE}/admin/${ORACLE_SID}/dpdump
リスナー、DB の起動確認
リスナー、DB が起動することを確認します。
hp02$ lsnrctl start
hp02$ echo “startup” | sqlplus „/as sysdba‟
接続を確認します。
hp02$ sqlplus system/パスワード@orcl
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確認後、DB を停止させておきます。
hp02$ echo “shutdown immediate” | sqlplus „/as sysdba‟
hp02$ lsnrctl stop
ここで起動や停止ができない場合は、Oracle DB の設定などに問題がある可能性があります。
Oracle DB 11g の Alert ログは、${ORACLE_BASE}/diag/rdbms/${ORACLE_SID}/${ORACLE_SID}/trace ディレク
トリにあります。
パッケージORACLE_orclを hp01に移動します。
35
4.2. ツールキット(ECMT B.05.00)の設定
<クラスター全ノード(hp01 、hp02)対象作業>
ツールキット(ECMT B.05.00)の展開
ツールキット(ECMT B.05.00)のファイルをパッケージディレクトリにコピーします。
# cd /etc/cmcluster/ORACLE_orcl
# cp –pr /opt/cmcluster/toolkit/oracle/* .
haoracle.conf ファイルの編集
# vi haoracle.conf
【製品不具合】
haoracle.conf ファイルに不明なコードが混じっている場合があります。290 行目あたりの、「登 racle.debug^t
in the package directory. 」のようにマルチバイトコードが混じった行を削除して、ファイルをセーブします。
以下、パラメーターの設定例を示します。
設計項目 設計例
ORACLE_HOME /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1
ORACLE_ADMIN oracle
SID_NAME orcl
LISTENER_NAME LISTENER
LISTENER_PASS (無し)
MONITOR_INTERVAL 5 (デフォルト 30秒です。必要に応じて短くします。)
CLEANUP_BEFORE_STARTUP yes (起動前に、一度 abort を実行してリソースを開放します。)
USER_SHUTDOWN_MODE immediate (障害以外の停止時には、immediate オプションを使
用させます。)
Oracle DB 11g 用の監視対象プロセスを追加します。
(どのプロセスを追加すべきかの検討には、日本オラクル社提供情報 KROWN#11898 を参考にします。)
#
# Additional processes that need to be monitored can be added to the
# array.
#
###############################################################################
set -A MONITOR_PROCESSES
MONITOR_PROCESSES[0]=ora_pmon_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[1]=ora_dbw0_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[2]=ora_ckpt_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[3]=ora_smon_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[4]=ora_lgwr_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[5]=ora_reco_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[6]=ora_mman_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[7]=ora_psp0_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[8]=ora_dbrm_${SID_NAME}
MONITOR_PROCESSES[9]=ora_vktm_${SID_NAME}
###############################################################################
# MAINTENANCE_FLAG:
# Maintenance flag is used to bring this toolkit into maintenance
36
起動および停止の確認
パッケージORACLE_orcl が稼動しているノードで、ツールキット(B.05.00)を使用して Oracle DB の起動と停止と監
視を確認します。
起動の確認
# ./toolkit.sh start
監視の確認
# ./toolkit.sh monitor
DB が稼動中は、このコマンドは返ってこなければ正常です。別のターミナルからログインし DB を止めて、このコマンド
が返ってくれば障害検知動作にも問題ありません。
停止の確認(DB が停止している場合は起動させた後に実行します。)
# ./toolkit.sh stop
ユーザー停止時(immediate)の動作確認も行ないます。
# ./toolkit.sh stop user
他のノードでもツールキット(ECMT B.05.00)の設定を行います。実行前にパッケージORACLE_orcl を作業ノードに
移動させる必要があります。
hp02# cd /etc/cmcluster/ORACLE_orcl
hp02# cp –pr /opt/cmcluster/toolkit/oracle/* .
hp02# cmcp hp01:`pwd`/haoracle.conf .
設定後、hp01 と同様に、動作テストを行います。
ここで起動や停止、または監視ができない場合は、ツールキット(ECMT B.05.00)の設定などに問題がある可能性が
あります。
Oracle DB 11g では、Alert ログは、${ORACLE_BASE}/diag/rdbms/${ORACLE_SID}/${ORACLE_SID}/trace ディ
レクトリにあります。
37
4.3. Oracle DB を基本パッケージへ追加
<任意の 1 ノード(ここでは、hp01)対象作業>
SMH から、Serviceguard Manager を起動し、Oracle DB を基本パッケージに追加します。
パッケージ「ORACLE_orcl」を選択して「管理」プルダウンメニューの「パッケージの停止」をクリックします。
図 4.3.1 クラスタプロパティ(メイン)
「OK」をクリックします。
図 4.3.2 パッケージの停止
操作ログの、パッケージの移動の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
38
パッケージ「ORACLE_orcl」を選択し、「構成」プルダウンメニューの「パッケージの編集」をクリックします。
図 4.3.3 クラスタプロパティ(メイン)
「モニター対象のリソース」タブをクリックします。
図 4.3.4 従来のパッケージの編集(パラメータ)
39
DB 監視用のサービスを作成します。「サービス名」として、orcl_monitor (クラスター内で一意の名前)を記入し、「停止
タイムアウト」を選択して、300 と記入します。「追加」をクリックします。
図 4.3.5a 従来のパッケージの編集(モニター対象のリソース)
リスナー監視用のサービスを作成します。「サービス名」として、lsnr_monitor (クラスター内で一意の名前)を記入し、
「停止タイムアウト」を選択して、300 と記入します。「追加」をクリックします。
図 4.3.5b 従来のパッケージの編集(モニター対象のリソース)
40
サービスが追加されたことを確認し、「制御スクリプトの編集」をクリックします。
図 4.3.5c 従来のパッケージの編集(モニター対象のリソース)
「編集」をクリックします。
図 4.3.6 制御スクリプトの編集
41
「既存の編集」をクリックします。
図 4.3.7 制御スクリプトの編集
DB 監視用サービスと、リスナー監視用サービスを登録するために、以下の行を追加します。
SERVICE_RESTART[*]は、障害検知時のサービスの再起動の回数を指定しています。指定がなければ再起動は0回と
なります。
図 4.3.8 制御スクリプトの編集
SERVICE_NAME[0]=”orcl_monitor”
SERVICE_CMD[0]=”/etc/cmcluster/ORACLE_orcl/toolkit.sh monitor”
SERVICE_RESTART[0]=””
SERVICE_NAME[1]=”lsnr_monitor”
SERVICE_CMD[1]=”/etc/cmcluster/ORACLE_orcl/toolkit.sh
monitor_listener”
SERVICE_RESTART[1]=”-r 2”
42
customer_defined_run_commands ファンクションに、ツールキット(ECMT B.05.00)の起動方法を記述します。
図 4.3.9 制御スクリプトの編集
# ADD customer defined run commands.
/etc/cmcluster/ORACLE_orcl/toolkit.sh start
test_return #1
43
customer_defined_halt_commands ファンクションに、ツールキット(ECMT B.05.00)の停止を記述します。
SG_HALT_REASON の値を、”reason” として停止処理の第二引数に渡すと、障害以外の停止は、shutdown
immediate で停止するようになります。(haoracle.conf ファイルの USER_SHUTDOWN_MODE を immediate にして
おく必要もあります。)
図 4.3.10 制御スクリプトの編集
、「保存と配布」をクリックします。
# ADD customer defined halt commands.
if [ $SG_HALT_REASON = "user halt" ]; then
reason="user"
else
reason="auto"
fi
/etc/cmcluster/ORACLE_orcl/toolkit.sh stop $reason
test_return #1
44
全てのノードが選択されていることを確認し、「保存と配布」をクリックします。
図 4.3.11 制御スクリプトの編集
「閉じる」をクリックします。
図 4.3.12 制御スクリプトの編集
45
「モニター対象のリソース」の画面に戻って、「OK」をクリックします。
図 4.3.13 従来のパッケージの編集(モニター対象のリソース)
「構成の検証」で確認し、「構成の適用」をクリックします。
図 4.3.14 構成サマリー
操作ログの、パッケージ構成の適用の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
46
パッケージ ORACLE_orcl を起動します。パッケージ 「ORACLE_orcl」を選択し、「管理」プルダウンメニューの「ノードで
のパッケージの起動」をクリックします。
図 4.3.15 クラスタプロパティ(メイン)
稼動させるノードを選択し、「OK」をクリックします。
図 4.3.16 パッケージの起動
操作ログの、パッケージの起動の「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
従来のパッケージを選択している場合、パッケージのログ(ORACLE_orcl.sh.log)はデフォルトでパッケージディレクトリ
(/etc/cmcluster/ORACLE_orcl)に作成されます。起動に失敗する場合は、このログを参照します。
パッケージが起動され、DB 、リスナーともに起動されます。
47
一旦パッケージを停止したため、「自動起動」は無効となりアラートが出ています(フェイルオーバーができないことを示
しています)。「自動起動」を有効にするため、パッケージ「ORACLE_orcl」を選択し、「管理」プルダウンメニューの「パッ
ケージ自動起動の有効化」をクリックします。
図 4.3.17 クラスタプロパティ(メイン)
「OK」をクリックします。
図 4.3.18 パッケージの自動起動の有効化
操作ログの「完了」を確認し、「OK」をクリックします。
48
アラートが消えているのが確認できます。
図 4.3.19 クラスタプロパティ(メイン)
これで、Oracle DB の基本パッケージへの追加は完了です。
49
関連情報
Serviceguard の管理
http://docs.hp.com/ja/B3936-90142/B3936-90142.pdf
HP Serviceguard バージョン A.11.19リリースノート
http://docs.hp.com/ja/T1905-90002/T1905-90002.pdf
Enterprise Cluster Master Toolkit バージョン B.05.00 リリースノート
http://docs.hp.com/ja/T1909-90067/T1909-90067.pdf
IT リソースセンター(ITRC)
http://www.itrc.hp.com
HP-UX 11i Knowledge-on-Demand
http://www.hp.com/jp/kod
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