日本の最大の資源が「人」であるのと同じく、厚生労働省の...

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主に入省3年目~幹部級の職員が、厚生労働省とは異なる施策を担 当する他省庁において、政策立案における多角的な視点、調整能力 等を養うため、様々な経験を積んでいます。 他府省庁 主に課長補佐~幹部級の職員が、全国各地の地方自治体(都 道府県庁、市町村等)で幹部・管理職等のポストに就き、課題 解決の最前線で現場の指揮官として活躍しています。 地方自治体 官民交流制度を活用した民間企業での勤 務、その他大学・研究機関等、多様な舞台 で、多くの職員が活躍しています。 民間企業、大学・研究機関 主に課長補佐~幹部級の職員が、大使館や国際機関において日本政府の代 表として活躍しています。また、留学制度を活用し、係長~課長補佐級の職 員が世界各地で多様な経験を積んでいます。 海外 日本の最大の資源が「人」であるのと同じく、厚生労働省の支柱はやはりその「人財」で す。ここでは、厚生労働省でのキャリアステップと、省外の舞台での多様なキャリアパ スを、厚生労働省の「人」を通して紹介します。あなたは、どんなキャリアを描きますか。 Career Stories Part2 キャリアステップ 4年目~ 1年目~ 9年目~ 18年目~ 多様なキャリアパス 係 員・係 長 級 課長補佐級 企画官・課室長級~幹部級 総合的視野で政策を立案・実施 高度の専門性 戦略的分析 ジェネラリスト・エキスパート 企 画 官・課 室 長 級 課題解決の最前線 総合調整を担う 地方出向の場合は幹部・ 管理職として勤務 省の中核的な役割 課長補佐級 係長級 省の中核を担うための基礎づくり OJTで基礎スキルを習得 幅広い分野を経験 係員級 部局長など 幹部クラス 課題解決の最前線で制度改 正等の中核を担い、組織の マネジメント役として、部局 や省全体の総合調整を行う 業務に携わります。 担当政策分野のリーダーとして、横断的な高い見地から日 本の将来も見通して、政策の方向性を決定します。 法令業務を中心に多様な業務に従事し、省の中核を担う職 員として必要な資質を身に付けられるよう、4~5ポスト の業務を経験します。 厚生労働省 総合職入省案内 2019 17 18

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主に入省3年目~幹部級の職員が、厚生労働省とは異なる施策を担当する他省庁において、政策立案における多角的な視点、調整能力等を養うため、様々な経験を積んでいます。

他府省庁

主に課長補佐~幹部級の職員が、全国各地の地方自治体(都道府県庁、市町村等)で幹部・管理職等のポストに就き、課題解決の最前線で現場の指揮官として活躍しています。

地方自治体

官民交流制度を活用した民間企業での勤務、その他大学・研究機関等、多様な舞台で、多くの職員が活躍しています。

民間企業、大学・研究機関

主に課長補佐~幹部級の職員が、大使館や国際機関において日本政府の代表として活躍しています。また、留学制度を活用し、係長~課長補佐級の職員が世界各地で多様な経験を積んでいます。

海外

日本の最大の資源が「人」であるのと同じく、厚生労働省の支柱はやはりその「人財」です。ここでは、厚生労働省でのキャリアステップと、省外の舞台での多様なキャリアパスを、厚生労働省の「人」を通して紹介します。あなたは、どんなキャリアを描きますか。

C a r e e r S t o r i e sPa r t 2

キャリアステップ

4年目~1年目~ 9年目~ 18年目~

多様なキャリアパス

係員・係長級 課長補佐級 企画官・課室長級~幹部級

総合的視野で政策を立案・実施高度の専門性戦略的分析

ジェネラリスト・エキスパート

企画官・課室長級

課題解決の最前線 総合調整を担う地方出向の場合は幹部・ 管理職として勤務

省の中核的な役割

課長補佐級係長級

省の中核を担うための基礎づくり

OJTで基礎スキルを習得 幅広い分野を経験

係員級

部局長など幹部クラス

課題解決の最前線で制度改 正等の中核を担い、組織のマネジメント役として、部局 や省全体の総合調整を行う業務に携わります。

担当政策分野のリーダーとして、横断的な高い見地から日本の将来も見通して、政策の方向性を決定します。

法令業務を中心に多様な業務に従事し、省の中核を担う職員として必要な資質を身に付けられるよう、4~5ポストの業務を経験します。

厚生労働省 総合職入省案内 201917 18

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Career Stories

P a r t 2 C a r e e r S t o r i e s 係員・係長級

当事者として法令を捉える

 「家に居ると一人でしょう。だから、こういう場所があって助かっているの。」介護を所管する老健局に配属されて初めての夏休み、職場体験に行った介護事業所で利用者から聞いた言葉です。ああ、こんな風に、ともすれば不自由に転びそうな日常を支え、当たり前を当たり前にする、そんな仕事がしたかったんだ。そう噛みしめながら思い出したのは、学生時代の民間企業でのインターンのこと。 高齢者の車移動を支える新規事業に携わっていた私は、利用者から同じように言われたのです。「こういう仕組みがあって、良かった」と。しかし、自動車運送を規制する法令に阻まれ、事業の継続は叶いませんでした。当たり前の日々を支える一方で、時には見えない壁のように立ちはだかる法令を、現場目線で捉えるとき、自分には何ができるのだろう。その思いで、厚労省の門を叩きました。 老健局では、次期制度改正を見据えた議論が進められています。予想以上に自分で考え動くことを求められる環境で、現場の課題を政策に昇華すべく、一歩を踏み出したところです。

多くの人にとってのベターを探る

 入省して5年目の夏から1年間、副業・兼業の促進を担当し、働く方と企業双方のためのガイドラインを策定しました。 働く方から、「今の会社で働きながら違う仕事に挑戦したい。上司に相談しようと思う。」という電話を受けたとき。企業の人事担当の方から、「副業・兼業を認めることはむしろ人材確保に有効。ガイドラインが早く欲しかった。」という声を聞いたとき-個人の能力を幅広く発揮することを認める社会に一歩近づけたことを肌で実感しました。 厚生労働省は、全ての人、かつ、人の一生が業務の対象であり、また、現実に起きている課題を解決していかなければいけません。だからこそ、特定の立場に偏らず、いろいろな声に耳を傾けることが必要です。誰かにとってのベストよりも、多くの人にとってのベターを探っていく姿勢を常に意識しています。 一人ひとりが自分の力を最大限に発揮できる社会を、私自身の手でつくりながら生きていきたい。入省前にやりたいと思っていたことをまさに突き詰めていくところが厚生労働省であると日々感じています。

世界を見据える政策のジェネラリストに

 「今の時代、厚生労働分野でも「純粋にドメスティックな政策」なんて無いし、ジェネラリストでなければ政策は作れないよ。」学生時代、留学先でお世話になった教授の一言です。その時は「大袈裟な人だなぁ」と思いましたが、この3年間を振り返ると、その意味が少し分かった気がします。 1年目は労働者派遣法の担当として、法令の制定や解釈を通して如何に政策が形作られるかを学びました。2年目は新たな外国人材の受入れに関する検討に携わり、公平と効率のバランスに思いを巡らす経験を得ました。3年目の今は、年金積立金を運用するGPIFに関する業務の中で、先輩方からの指導や海外の年金基金の現地調査等を通して、世界経済・金融について猛勉強中です。 「世界の中の福祉国家」であることを理解して、かつ、法律、経済そして公平と効率のバランスを考えながら政策形成に携わるには、まだまだ経験値が足りませんが、3年間の業務を通して確かな手応えを感じることができています。

この国の将来を考える

 誰もが普通に暮らせる社会を実現する。厚労省のシンプルかつ重大な使命ですが、これが極めて複雑で難解な課題であることを本当の意味で理解したのは、省の予算編成担当となったときでした。 今や厚労省は政府予算の半分を占めており、財源配分の判断は日本の将来を考えることに他なりません。厚労行政においては、今まさに困っている人をどうするか、という議論も当然必要である一方、これだけの予算規模を抱える以上、「今」の国民だけでなく「将来」の国民にまで責任を持たなければならないことを学びました。財政健全化と社会保障の継承を両立するため財政当局と連日深夜まで議論した日々は、私の行政官としての大きな財産です。 我が国は、情報通信技術の発展による社会経済の変容、急激な人口動態の変化などに伴い、人々の暮らしや価値観が多様化し、まさに変革期を迎えています。この激流の中心で「この国の将来を考えること」。それは常に計り知れない重責が伴う、地道で泥臭い作業です。しかし、その先にはその苦難をも凌駕するやりがいを得られることが保証されています。 この感覚、是非一緒に体験してみませんか?

係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長 係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長

Part2

医薬・生活衛生局生活衛生・

食品安全企画課 係長

(平成25年入省)

初鹿 知香Chika Hatsushika

保険局総務課 係長

(平成24年入省)森下 宏樹Hiroki Morishita

老健局高齢者支援課 係員

(平成30年入省)辰巳 奈緒Nao Tatsumi

年金局資金運用課 係員

(平成28年入省)吉澤 陽平Yohei Yoshizawa

厚生労働省 総合職入省案内 201919 20

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Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e s

生活保護のケースワーカーとして

 入省3年目、私は、生活保護の第一線にいました。仕事は、生活保護の申請を受け付け、要件該当性を調査し、自立に向けて支援をすること。言葉にすれば単純。だけど、現実は経済的な課題以外も複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない。いじめ、不慮の事故、家族からの暴力、勤務先の倒産そして社会的な孤立。リアルな生活に向き合う中で感じたことは、予期できない理不尽な不幸を乗り越え、「当たり前」の人生を送ることが如何に幸せなことか。そして、社会保障の仕組みが如何に「当たり前」の幸せを支えているのかということでした。

社会保障・税一体改革

 本省に戻った後は、年金制度改革の担当者として、社会保障・税一体改革に関わりました。今度の立場で求められるのは、マクロ・超長期の視点。巨大な年金制度の改革・消費税引上げという国家プロジェクトに関わることは精神的・肉体的にも正直キツかったけれど、それ以上の達成感がありました。

理想に向かう現実的な一歩

 現場を知り、制度改正を行う経験を経る中でよく思うことがあります。それは、独りよがりな制度では社会は変えられないということ。高邁な理念とともに執行可能性にも目を向けること、一方で、目の前の課題に埋没するのではなく、目指すべき将来像に向けて今踏み

出すべき一歩は何なのかを考えることの重要性。そして、人間の想像力には限界があるということ。現実社会には理屈では割り切れない何かがあり、そこに知恵を絞る余地があること。 社会全体の大きな動きにアンテナを張りつつ、実践の場に身を置く人たちとの対話を通じ、理想と現実のつなぎ目を一つずつ積み上げていくことが、学者や政治家ではなく、行政官としての我々に必要なことなのだと思っています。幸い、厚生労働省には、どの分野にも実践の場が存在し、その場を大切にする空気があります。このことが厚生労働省の最大の魅力であり、強みではないかとも思います。

最後に

 もう一つ、厚生労働省の良いところ。仕事の重要さとともに、親・家族としての役割の価値も職場全体で共有できているように思います。仕事と家庭の両立。これもまた言うは易く…ですが、上司・同僚の協力の下、2児の父親としても日々精進中です。

Career Stories

課長補佐級

社会を一歩でも前へ、少しでも改善を。

一歩でも前へ、少しでも改善を

 入省して10年、入省時から見ても、世の中は大きく変わりました。リーマンショックの発生から景気回復、IT技術の飛躍的発展、国際情勢の変化・・・。今この瞬間人々が必要としていることは何か、世の中がより良い方向に向かうために今何をすべきなのか。これを考えることが私にとっての最大のミッションです。例えば、今、私が携わっている母子保健分野も、昔は、妊産婦や乳幼児の死亡率の改善や、栄養改善、まさに、「健康に大人になる」ということが最重要課題でしたが、今は、児童虐待、産後のメンタルヘルス、不妊治療等、人々が抱える課題は大きく変化しています。社会の複雑化、家庭状況の多様化により、一律に「こうすればいい」というものはありませんが、常に変化を感じつつ、少しでも状況を改善し、社会を一歩でも良い方向へ変えていけるよう、日々仕事に取り組んでいます。

仕事は楽しく、人には優しく

 「仕事は楽しく、人には優しく。」私が仕事をする上でのモットーです。仕事はいつも課題山積ですし、緊張を強いられる場面も多くあります。調整が難航して、思い通りに進まないこともしょっちゅう。ただ、どんな場面でも、プラス思考で臨むように、大変な仕事だからこそ、自分も周りも楽しく気持ちよく仕事ができるように、日々心がけています。

留学先で考えた、女性として、母として、働くとは

 イギリス留学中、すばらしい二人の女性の先生に出会いました。その二人を見て感じたのは、何かを成し遂げるのに「女性だから」は関係ない、大事なのは自分の取り組んでいることへの情熱と、人間への興味(ゆえに人たらし)ということです。私自身も「女性」ということに捕らわれず、情熱をもって仕事に取り組めたらと強く思いました。 もうひとつ、留学中に友人から、あなたの子どもはなんてラッキーなの、という言葉をもらいました。確かに娘は留学中、保育園で異文化の友達と遊び、イギリスならではイベントを楽しみ、本当に貴重な経験をしました。これは普段、私が働いている間に保育園で得ている経験も同じです。自分にとっても娘にとっても、仕事をすることがプラスになる、そういう働き方をこれからもしていきたいなと思います。

「当たり前」のありがたさ

工藤 春華 子ども家庭局母子保健課課長補佐(平成20年入省)Haruka Kudo

平成20年厚生労働省入省。雇用均等・児童家庭局、職業安定局で勤務し内閣官房に出向。6か月間の産休・育休を経て、政策統括官付労政担当参事官室に復帰。その後、イギリス(オックスフォード大学、ロンドン大学)での2年間の留学を経て、平成29年7月より現職。

和田 雄次朗 子ども家庭局家庭福祉課虐待防止対策推進室 室長補佐(平成19年入省)Yujiro Wada

平成19年厚生労働省入省。職業安定局、相模原市役所、年金局、職業能力開発局で勤務し、内閣官房皇室典範改正準備室に出向。その後、老健局を経て、平成30年12月より現職。2児の父。

Part2

係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長 係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長

厚生労働省 総合職入省案内 201921 22

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Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e s

人生を諦めずに生きぬくことを支える社会保障

 現実の人生は、自分や家族の病気、障害、失業など、順風満帆な時ばかりではありません。そのような人生の荒波の時期も、一度きりの人生を諦めずに生きぬくことを支えるのが社会保障です。歴史に学べば、個々人を大切にし、社会の活力を向上させる社会保障は、いわば文化・文明の到達点です。

社会保障の存在感

 我が国に住んでいる1億2700万人は、程度の差こそあれ、社会保障と直接関わりながら暮らしています。社会保障がニュースに出ない日はありません。それが故に、国民の代表が集う国会をはじめ、マスコミ、関係者は、強い関心を寄せ、時に強い批判があります。国の予算の中で一般歳出の50%以上を占める社会保障の存在感は巨大です。

社会保障政策には「納得感」が重要

 その社会保障は、給付を受ける人・時期と負担する人・時期がずれることから、政策を進めるに当たっては、「そういうことならわかった」と国民に言ってもらえる「納得感」が重要です。 とりわけ、自分もいずれは社会保障を利用するから「お互い様」という感覚、医療・福祉サービス等の十分な質の確保、政策の優先順位や効率性が正しく

wise spendingになっていること、今を生きる人だけでなく将来世代への優しい眼差しなどが、国民に共有されることが大切なのです。

自分と他者の一度きりの人生を大切にする

 私は、厚生労働省の担当する行政分野はどれ一つとっても簡単ではないからこそ、自分の人生をかけるに値すると信じ、同僚とともに真剣に取り組んできました。 実際、政治という利害調整のプロセスの中で、多くの当事者、国会議員、現場関係者、マスコミと信頼関係を築いてきました。また、行政官として、様々な立場の人の意見を聴き、より広く合意が得られる「中庸」な政策を「想像力」と「創造力」をもって作り上げる能力が鍛えられました。それらは、自分の家族、友人とともに、かけがえのない人生の宝だと思っています。 自分の人生と他者の人生をともに大切にしたい人に、是非、厚生労働省の門をたたいてほしい、そう願っています。

河村 のり子 大臣官房人事課 調査官

(平成11年入省)Noriko Kawamura

平成11年旧厚生省入省。医政局、職業安定局、老健局、埼玉県飯能市(介護福祉課長)、雇用均等・児童家庭局、この間2回(計3年間)の育児休業等を経験。その後、派遣・有期労働対策部、東レ株式会社を経て現職。

間 隆一郎 大臣官房総務課長

(平成2年入省)Ryuichiro Hazama

平成2年旧厚生省入省。年金、医療、福祉関係の部局など社会保障全般を経験。さらに総理官邸など内閣官房2回、地方自治体2回(秋田市、和歌山県)、外郭団体2回、社会保障協定の外交交渉などを経験。課長級としては、年金制度改正、受動喫煙対策の改正法、造血幹細胞移植法などを担当。平成30年8月より現職。

仕事も、子育ても。

学生時代

 早いもので、入省20年が経ちました。学生時代、大変な境遇にある人の助けになる仕事をしたいと思い、「福祉施設の職員を目指そうか」「記者になろうか」等、いろいろと悩みました。そして、どうせなら、外から批判する立ち位置ではなく、向けられた批判を自分事として、解決に向けて頭を悩ませる立場に身を置きたいと思い、役所を選びました。良い選択をしたと、今も思っています。

働き方を変えた30代

 ただ正直、若い頃は、霞ヶ関の長時間労働にとても悩みました。自分の体力の限界まで働いて嫌になった時期もあります。でも、30代に入った頃から働き方を変えました。日中に詰め込めるだけ詰め込んで、夜は極力すぐ家に帰り、子どもに夕飯を食べさせて、お風呂に入れ、寝かしつける。たわいもない日々のこの時間は、我が子の心の安定にとても大切であり、よっぽどの事態でない限りは譲りたくないと今も思っています。 そういう働き方でも、出産後も、女性活躍推進法の制定や、マタハラ防止対策、非正規雇用対策など、まさに自分の志望動機であった「大変な境遇にある人の助けになる仕事」を沢山させてもらってきました。大量の仕事をさばく組織の中で、時間制約を持ちながら仕事をするのは、自分の工夫も要りますが、何より上司

や同僚の理解が不可欠です。出産後7年働いてきましたが、この点で行き詰まったことは私はありません。そこはさすが厚生労働省だなと思っています。

どちらも楽しい「仕事」「子育て」

 むしろ、子育てしながら仕事をすることは、良いことがいろいろあります。仕事で辛いことがあっても、帰宅して子どもの笑顔を見ながら、小学校・保育園の珍事件を聴いていると、あっという間に吹き飛ばされます。そして生活者として感じた課題を、いつか自分が担当したいと思うことも多くあります。 厚生労働行政は、人の一生をカバーし、とりわけ自力解決が難しい場面をサポートする制度の宝庫です。その分、批判は厳しいですが、誰かを支えるやり甲斐のある仕事ばかりです。そして「やりたい」という気持ちさえ強くあれば、大抵のことは後から付いてきます。志ある皆さんの入省を楽しみにしています。

1億2700万の人生を想う

Career Stories

企画官・課室長級

Part2

係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長 係 員 係 長 課長補佐 企画官 課室長

厚生労働省 総合職入省案内 201923 24

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内閣官房長官秘書官

(平成7年入省)

岡本 利久Toshihisa Okamoto

平成7年旧厚生省入省。省内で介護保険、医療保険、子ども・子育て支援、医薬品副作用被害対策等の施策に従事したほか、旧大蔵省、外務省(在フランス日本国大使館)等に出向。

森田 和仁Takahito Morita

平成26年厚生労働省入省。医政局で製薬産業の産業政策、医療経営に関する制度改正、健康局で受動喫煙対策法の企画立案や予防接種・ワクチン政策を担当。平成30年7月より官民人事交流制度を活用し現職。

富士フイルム株式会社ヘルスケア事業推進室(平成26年入省)

野中 麻央

財務省理財局計画官補佐(国土交通第一係、国土交通第二係担当)(平成20年入省)

Mao Nonaka

平成20年厚生労働省入省。年金局、職業安定局、保険局などを経て、平成29年夏から財務省に出向し、現職。

Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e s

「思無邪」(おもいよこしまなし)

 「思無邪」(おもいよこしまなし)という言葉があります。心に邪念がなく、偽り飾るところがない。私はこれまでの厚生労働省内外での二十年余の勤務を経て、現在は官房長官の秘書官をしています。官邸には日々内政から外交まで様々な案件が持ち込まれますが、政府全体での取組が必要なものも多いですし、私自身、厚生労働省に限らず他府省の案件も担当しています。他方、官房長官は一人ですから、その時間はやはり限られています。どの案件をいつ報告・説明すべきか、如何に短い時間の中でも要点を理解し、適確に判断して頂けるようにするか、指示の内容を担当者にどう的確に伝えるか、そうした官邸と各府省の適切なコミュニケーションのサポー

トは秘書官の業務の重要な柱です。全く新たな予想もしない案件を含め自分がよく知らない案件にどう対処すべきか。私の場合は、「国民が安心して働き暮らしていくためにはどうすべきか」、「国民の理解・納得はどうすれば得られるか」という原点に立ち返って判断することを心がけています。そうしたとき、これまでの厚生労働省内外の勤務で培った経験や視野が活きてきます。国民生活に身近で幅広い厚生労働行政だから得られた人との出会いや実感が支えとなります。「人のために役立ちたい」という素直な思いを持った人に是非この公務員という世界を目指して頂ければと思います。

様々な角度から、みんなで考える

 出向前、財務省では「財政再建」に重点を置いて考えるのだろうから、厚労省とは違う仕事の方法になるのかな、と思っていました。しかし、その印象は一変。政策の重要性や必要性も勘案しながら、限られた資金をどのように配分すればよりよい社会になるのか。各省庁や関係機関から話を聞き、現場に足を運び、一緒に考えていく。意外と厚労省での仕事に近いのではないか、というのが正直な感想でした。 「社会保障」は財務省にとっても大きな関心事項。みなさん、厚労省の職員と同じくらい熱心に考えており、財政面から考えるとどうかなど、様々な角度からの意見がありました。その中で、たびたび「実態はどうか。現場関

係者はどう考えているのか。」といった質問がありました。課題を直に把握できる、という厚労行政の魅力に改めて気づかされた瞬間でした。 人々の生活の中でどんな問題が起きているかという課題を直に把握し、対応することは重要ですが、限られた財源をどのように活用するかという視点も重要であり、様々な角度から、関係者が一体となって議論をしながらより良い政策を創り上げていく。出向を通じて、この重要性を改めて実感することができました。 今後も、課題に対して様々な角度から考えることを忘れず、いろんな人と議論しながら、よりよい仕事をしていきたいです。

 現在、富士フイルムでは、ヘルスケア分野の海外展開事業や新規事業開発を担当し、官学との共同によるアフリカにおける医療機器事業の事業開発などを行っています。近年アフリカは、欧米や中国、韓国政府・企業との競争が激しくなっている一方、日本の存在感は薄いというのが現状です。そういった現状を打破すべく、アフリカにおける医療分野での企業成長を目指すため、今後企業評価にも繋がり得るSDGs(持続可能な開発目標)の推進、特に保健分野の課題解決・市場獲得に向けた事業戦略を検討しています。 国際社会の優先課題(感染症や母子保健等)に対応するためには、企業(産)による技術だけでは限界があり、

アカデミア(学)の専門家によるアドバイスや大使館等(官)による現地政府との交渉・資金援助、すなわち産学官連携によるイノベーションが重要です。他国に比べ遅れをとっている日本が遠く離れたアフリカでどのようにイノベーションを起こすのか、正解のない未知の世界に日々挑んでいます。 厚生労働省のミッションについても同様です。社会保障分野は、その時点の社会・経済情勢等で新たな課題が生じ、それに適した政策を考えなければならず、その都度正解のない未知の世界に挑まなければなりません。生涯続く未知への挑戦、そんな刺激的な日々を過ごせることこそ、厚生労働省で働くことの意義だと思います。

未知への挑戦、日本の医療技術をアフリカへ

Career Stories

他府省庁・民間企業

Part2

富士フイルム製医療機器が導入されたセネガルの保健センター長と同機器の前で。富士フイルム製医療機器が導入されたセネガルの保健センター長と同機器の前で。

総理大臣官邸の前で総理大臣官邸の前で

一緒に予算編成を乗り越えたみんなと(筆者右端)一緒に予算編成を乗り越えたみんなと(筆者右端)

厚生労働省 総合職入省案内 201925 26

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活することを意味します。そのため、悩みを伺ったり、時には部屋の掃除のお手伝いをしたりする中で、利用者の方に寄りそうこともCWの大切な仕事となっています。 私は、元々、制度面で“地域活性化”を促進することを志して入省し、若手の内に自治体で福祉の先頭を見たいと希望していたため、三鷹では充実した毎日を過ごしています。一方で、仕事の中では、国の決定が自治体に与える影響の大きさを感じる機会も多く、現場へと想像力を働かせ、最適化した制度設計をする国の役割の大切さを再確認しました。国に戻るときには、地域に暮らす様々な方や自治体に還元できる仕事をしなければならないと気が引き締まる思いでいます。

 現在、市の生活保護担当課のケースワーカー(CW)として、保護費の算定、家庭訪問や面談、医療・介護・福祉等の関係機関との連携を通じて、利用者の方に必要な支援を行っています。一般に生活保護制度というと経済的な面が着目されがちですが、制度が目指す“自立”は、経済的な自立のみでなく、利用者の方が自分らしく社会の中で生

Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e sCareer Stories

地方自治体

村田 真吾 三鷹市健康福祉部生活福祉課福祉3係(平成29年入省)Shingo Murata

 「まちづくり」を考えるとき、地域の「ニーズ」と「リソース」を見極めることが重要です。530万人が住む北海道。人口減少と高齢化が進んでいます。 人口減少は、「患者数の減少」と「担い手の減少」を意味します。キャリア形成(症例経験)が重要な医師は、患者数の少ない病院での勤務は難しく、また、看護師等の確保もより困難になるため、病院の統合・再編など効率的な体制づくりを進める必要があ

ります。これは、医師が健康に働き続けられる環境整備の観点からも重要です。同

時に、ICTを活用して遠隔地でも専門医に相談できる取組を

進めるなど、患者の利

便性確保にも取り組まなければなりません。さらなる高齢化を見据え、高齢者に多い疾病への対応、病院ではなく住まいや介護施設での療養生活を可能とする体制づくりなども急務です。 問題を先送りするのではなく、厳しい現実を直視しつつ、医療の在り方をアップデートしていく。決して簡単ではありませんが、一歩でも半歩でも前に進むため、頭を悩ませながら走り回る毎日です。

小川 善之 北海道保健福祉部地域医療推進局地域医療課長(平成17年入省)Yoshiyuki Ogawa

「医療」から

「まちづくり」を考える

福祉の先頭で

厚労省の役割について考える

のか、どうしたら若者は地元に回帰してくれるのか、という問いに対する解決策を考え、実施しています。 一例では、地域の基幹産業で必要とされる人材を育成するため、IT技術も活用した地場産業密着型の職業訓練を実施し、その学んだ技術・技能を国家検定である「技能検定」や業界別の「職業能力評価基準」という「ものさし」で評価した上で、高い能力を持った人材を地元へ輩出するという取組をしています。これらはいずれも厚労省が創設した制度ですが、こうしたツールを現場の実態に沿った形で運用し、人材育成を通して愛媛経済の発展に貢献できているという点で日々非常にやりがいを感じています。

 愛媛と言えばみかんが有名ですが、今治地域における造船業やタオル業をはじめとした「ものづくり県」でもあります。現在、本県では経済が回復していく一方で、有効求人倍率の高止まりとともに、若者の流出等による働き手不足に悩んでいます。このため、本省での経験や地元関係者等との意見交換も踏まえて、どうしたら働き手が増える

新堀 徳明

愛媛県庁経済労働部産業雇用局労政雇用課長(平成20年入省)

Noriaki Ni ihori

多摩市健幸まちづくり政策監(平成16年入省)

倉吉 紘子Hiroko Kurayoshi

厚生労働省の制度を活用した

愛媛経済発展への貢献

 多摩ニュータウンという広大な団地群とともに高度成長期に発展、成熟を果たした多摩市。30年後どのような「まち」にしたいのか。地方での人口減少の波が落ち着いた後にやってくる東京郊外の未知なる高齢社会への挑戦は、まさに時代の最先端の課題です。 誰もが健康で幸せを実感できる「健幸都市」をめざす多摩市では、医療介護や福祉などの分野にとどまらず、公園やコミュニティセンターなど公共施設も生きがいづくりや健康の視点を重視して再編や大規模改修が進められ、暮らしの足とし

て、企業による自動運転バスの実証実験が始まるなど、まさに厚生労働行政の視点が全ての行政分野に求められます。 誰もが居場所を持ち、支え、支えられる社会にするために。地域の高齢世帯の全戸訪問を続ける地域包括支援センターのセンター長。地域に開かれた保育園を掲げる園長先生。地域には多彩なひとがあふれています。行政と地域が共に進める健幸まちづくり。ひとを第一に考え、ひとりひとりに心を配る厚生労働省の思想が私を支えています。

北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の前で北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)の前で

休日は子ども達とお出かけ休日は子ども達とお出かけ2019年9月、G20労働雇用大臣会合が愛媛・松山で開催!2019年9月、G20労働雇用大臣会合が愛媛・松山で開催!

利用者の方と日々お会いして関係を築くことが大切です。利用者の方と日々お会いして関係を築くことが大切です。

(写真はイメージ)(写真はイメージ)

まちづくりも

ひとが主役の時代

Part2

厚生労働省 総合職入省案内 201927 28

Page 7: 日本の最大の資源が「人」であるのと同じく、厚生労働省の …今や厚労省は政府予算の半分を占めており、財源配分の判断は 日本の将来を考えることに他なりません。厚労行政においては、今

Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e sCareer Stories

海外留学・海外勤務

います。人々の就労環境は、こうした社会全体の価値観に密接に関連していることを考えさせられます。 転じて日本に対する印象をドイツ人に聞くと、「配慮が細かく、サービスが高品質」だと一様に答えてくれます。 社会の変革期において、日本は働き方の改革に取り組んでいますが、これは単なる理屈の積み上げによって成し得るものではなく、社会全体の価値観をどう変えていくかという、壮大な取組であることに気づかされます。  当事者である国民と生活者の視点を持って向き合い、日本の良いところをどう残し、どこに向かっていくかについて、ここドイツには、多くのヒントがあるように感じます。

 「ルールに忠実な国民性」、「技術力を基礎とした経済大国」など、日本との共通性も多いとされるドイツですが、実際に住んで仕事をしてみると、価値観や慣習の違いに戸惑うことがあります。 ドイツ労働者の残業時間は少なく、休暇取得日数も多い一方、担当外のことをあまりカバーしないなど、客側が不便に感じることもあります。お店の営業時間も短く、宅配便の時間指定や再配達の依頼はほぼ不可能ですが、人々はそれを受け入れて生活して

松本 直樹 在ドイツ日本国大使館 一等書記官 

(平成17年入省)Naoki Matsumoto

 ‘Who is upstream pushing them all in?’ これは、ハーバード大学公衆衛生大学院の授業で紹介される文章の一節です。川で溺れている人を助けた医師が、また別に助けを呼ぶ声を聞き、溺れた人を助けますが、次から次へと溺れた人の声が聞こえてきます。この上流に何があるのか、どうしたら溺れる人を少なくすることができるのかを考えるのが、私が今学んでいるPublic Healthです。

 個人の健康の上流には、地域や社会があります。物理的な環境や、目に見えな

い人々の繋がりや、社会が作り上げたシステムなどが、複

雑に絡みあって、私

たちの健康に影響を与えています。 どうしたら一人でも溺れる人を少なくして、一人でも多くの人が健康で豊かに暮らせる社会を実現できるのか。世界中のリーダーが集まるこのハーバードで学ぶ中で、厚生労働省で働くということは、まさに誰もが求めるこの答えを見つけていくことであると再確認するとともに、その職員として、世界が注目する日本の未来をこの肩に背負って、一歩ずつ前に進んでいくことができることの幸せを、改めて感じています。

中川 敬介 ハーバード大学

(平成23年入省)Keisuke Nakagawa

未来を肩に背負うことが

できる幸せ

世界が注目する

日本の高齢化社会のゆくえ

ドイツから見る日本人の働き方

況などを理解することが不可欠です。その意味で、日本から海外を意識して情報発信をすることや、より多くの日本人が国際機関で働くことも重要だと感じます。 高齢化社会が抱える問題は、程度の差はあれ、今や各国共通の最優先課題であり、それをどのように乗り越えていくかに各国が頭を悩ませています。そのトップを走る日本の社会保障制度や労働政策への世界の関心は極めて高いと感じます。この問題に対して日本がどんな手を打っていくのか、すなわち厚生労働省がどのような策を講じていくのか、同じ問題を抱える各国が注目しています。

 OECDでの主な仕事は、論文やホームページから最新の情報を集め、データをもとに現状分析をし、そこから導き出される課題を見つけて各国に政策提言を行うことです。OECDの提言は往々にしてデータに基づくものですが、的確な政策提言のためには、データからはわからない、制度の背景にあるその国の社会通念や慣行、社会状

小野田 知子

OECD雇用労働社会問題局 社会政策エコノミスト(平成12年入省)

Tomoko Onoda

在中国日本国大使館 一等書記官 (平成16年入省)

羽野 嘉朗Yoshiro Hano

 1億6658万人。日本の人口より多いこの数字は、中国の現在の65歳以上人口です(もちろん世界最多)。 急速に高齢化が進む中国では、高齢化対策で日本と協力していきたいという希望が非常に大きく、平成30年の安倍総理訪中時にも、日中協力の重要な柱の1つとして、医療介護分野での両国間の協力強化が決まりました。 厚生労働省は現在、世界で類を見ない少子高齢化社会への対応に頭を悩ませていますが、その経験は、世界では我々が想像する以上の価値を持って評価されています。

 また、医療介護分野は、人の命に直結するからこそ、どの国でも多くの規制がある分野です。このため、日本の経験・制度を伝えつつ、中国で活躍する日系ヘルスケア業界(病院、医薬品、医療機器、化粧品、介護サービスなど)のビジネス環境を改善するための取組を、産業界の皆さんと一緒になって進めています。 厚生労働省の経験をどう活かして、日本として世界を引っ張っていくか、14億人いる中国の中で日々駆け回っています。

厚生労働省の経験で

世界を引っ張る

大学の図書館にて大学の図書館にてドイツの労働組合関係者と日独の働き方の違いについて意見交換ドイツの労働組合関係者と日独の働き方の違いについて意見交換

平成30年10月の安倍総理訪中時に人民大会堂にて平成30年10月の安倍総理訪中時に人民大会堂にて

フランス人の同僚とオフィスにてフランス人の同僚とオフィスにて

Part2

厚生労働省 総合職入省案内 201929 30

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Pa r t 2 C a r e e r S t o r i e sCareer Stories

田島 瑞保 保険局総務課 係員

(平成30年入省)Mizuho Tajima

保険局総務課企画調査係として、日本の公的医療保険制度全般に係る局内調整を行っています。2019年に国会に提出した健康保険法等の一部改正法案に携わる中で、医療保険制度が「誰もが、いつでもどこでも安心して医療を受けられる社会」を実現する重要な施策の1つであり、それだけ国民の皆様からの注目度も高いことを実感しています。課内では、給付と負担のあり方に関する骨太の議論からデータヘルス等最新の施策まで幅広い話題が日々飛び交っています。

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登庁して本日の紙面をチェック。省全体に関する話題がメディアでどのように取り上げられているのかをざっと確認します。局内の出来事が新聞の1面に載ることも。

9:00 登庁、新聞チェック

明日の会議に使う資料をセットし、メールの整理を終わらせて退庁! 業務後は総務課のメンバーで飲み会に。課の飲み会はいつも笑いが絶えません。

20:30 退庁→飲み会

省内のあらゆる部局から来る依頼を局内の担当課に説明し、作業をお願いします。総務課の仕事は局内の交通整理。案件によってはメールだけでなく直接説明に行き、担当課での作業が円滑に進むよう工夫します。

10:00 作業依頼

局長からの宿題で、2019年の保険局の課題やスケジュールをまとめたペーパーを作成中。総務課として局全体の大きな動きを把握するのも大事な役割です。

15:30 資料作成

お昼は、大臣官房人事課が開催する勉強会に参加。お弁当を食べながら国会業務や法令業務のいろはを学びます。同期全員が集まる貴重な場でもあります。

12:00 1年生勉強会

2019年4月から始まる高度プロフェッショナル制度関係の省令改正案について、公労使代表の審議会委員に説明。改正内容について了承いただき、あとは施行に向けた準備へ。

10:30 審議会に出席

作成した資料を補佐にご覧いただき見落としがないかチェック。補佐の視点から見た局内の課題を知り気が引き締まります。

17:30 課長補佐に相談

ブルネイ保健省幹部の方々に日本の医療保険制度の仕組みをご説明。日本の制度に対する海外からの注目度は非常に高く、様々な国の方とやりとりをする機会があります。海外の方から質問を受けることで自分自身も新たな気づきを得られます。

14:00 海外保健省の方々への講演

最低賃金がきちんと守られるためには、他省庁の協力も不可欠です。まずは、担当者レベルでの協力依頼に。大事な案件は、メールや電話よりも、直接会うのが一番!

17:00 他省庁で会議

最低賃金重点監督の様子を視察するために、横浜南監督署へ。指導現場の視察後、署長や皆さんと、今年の状況や最賃遵守のための効果的な対策について意見交換。

13:15 現場視察へ出発

松本 篤人 労働基準局賃金課 課長補佐

(平成19年入省)Atsuto Matsumoto

この課では、毎年夏の審議会で、最低賃金をいくら引き上げるべきか、公労使代表と徹夜も辞さない覚悟で議論したり、最先端のフィンテック関係者と議論し、賃金支払のデジタルマネー化の是非を検討したりと、幅広く「賃金」政策を担当しています。突き詰めればきりが無い興味深い分野ですが、メリハリを忘れずに仕事をしています。

毎朝、子ども二人を保育園に送ってから登庁。その日の予定を班員全員で共有するための朝メールですが、メール中のプライベートなネタの方にも力が入ります。

9:30 登庁、朝メール

週1回は、まっすぐ帰宅せずに、キックボクシングのジムへ。ジムの仲間と過ごす時間は格別。パンチをもらって、すこーんと仕事のことを忘れるのも大事(笑)

19:30 退庁→ジムへ

フィンテック対応の件について課長以下で打合せ。ペーパーレス化のため、端末を持ち寄って集まり、打合せ資料は各々が画面上で確認します。

16:15 課内で打ち合わせ

学生の頃から所属している合唱団の練習に参加。社会人になっても部活並み!? 全国大会にも出場してきました。大好きなことはとことんやりつつ、休むときはしっかり休む。メリハリのついた生活をするよう心がけています。

週末の1コマ

現役プロとして試合も。仕事との両立はなかなか大変ですが、職場の方も多数応援に来ていただき、無事に勝利!戦法も、公務員っぽい(?)との評判です。

週末の1コマ

審議会の内容について、記者の方から追加質問の電話があり、自席で対応。間違いのない記事を書いてもらうためにも、丁寧な取材対応を心がけています。

11:45 電話取材対応

Part2

F e a t u r e 職 員の一日

係員の一日 課長補佐の一日

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