在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診...

12
在宅医療の最近の動向 厚生労働省医政局指導課 在宅医療推進室 1

Transcript of 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診...

Page 1: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療の最近の動向

厚生労働省医政局指導課

在宅医療推進室

1

Page 2: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

1.背景

2

Page 3: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

※1994年までは老人ホームでの死亡は、自宅に含まれている 出典(厚生労働省 「人口動態統計」

死亡場所の推移

9.1%

78.4%'病院(

2.6%

0.1% 1.1%'老健( 1.5%

3.2%'老人ホーム(

82.5%

12.4%'自宅(

5.9% 2.4%'診療所(

0%

20%

40%

60%

80%

1951 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2009

病院 診療所 介護老人保健施設 老人ホーム 自宅 その他

2.4%'その他(

3

Page 4: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療の推進に関する各種制度の変遷

診療報酬

医療法・予算

その他

ゴールドプラン21

訪問介護倍増等

第4次医療法改正

病床機能分化

介護保険法施行

第3次医療法改正

地域医療支援病院

の創設

新ゴールドプラン

ゴールドプランの数値目標の

上方修正

高齢社会対策基本法の成立

適切な介護のサービスを受

けることができる基盤の整備

21世紀福祉ビジョン

21世紀に向けた新たな介護

システムの構築等

健康保健法等改正

在宅医療を「療養の給付」と

して位置づけ

指定訪問看護制度の創設

福祉人材確保法および

看護婦等人材確保法の制定

ゴールドプランの円滑な実施

を図るための福祉人材確保

第2次医療法改正

「居宅」が医療提供

の場として位置づ

けられる

老人保健法改正

老人訪問看護St

の創設

福祉8法改正

在宅福祉サービスの推進を

目的に8法を一括改正

ゴールドプラン

市町村における在宅福祉対

策の緊急整備

長寿社会対策大綱閣議決定

在宅サービスの拡充

老人保健法改正

老人保健施設の創設等

第1次医療法改正

地域医療計画の

創設

重症者・終末期患者に対する

在宅医療の充実

在宅終末期医療の評価の充実

重症者への複数回訪問看護の評価

24時間の在宅医療の提供体制の評価

24時間連携加算の創設

在宅終末期医療の評価の充実

在宅末期医療総合診療料の適用拡大

在宅患者末期訪問看護指導料新設等

各種指導料、管理料の創設

在宅時医学管理料、在宅末期

総合診療料、ターミナルケア加算

在宅医療の包括点数の原型が誕生

寝たきり老人在宅総合診療料

訪問診療の概念導入

寝たきり老人訪問診療料の新設

各種の指導管理料の新設

緊急往診の加算創設

在宅医療における指導管理料の新設

インスリン在宅自己注射指導管理

料の創設

介護保険の改正

介護予防の重視等

第5次医療法改正

・医療機能分化・連携

・在宅医療の確保に関する事

項 を医療計画に位置づけ

在宅で療養する患者のかかりつけ医

機能の確立と在宅療養の推進

在宅療養支援診療所の創設

高齢者医療制度の創設に併せた在宅

医療の充実と評価

在宅療養支援病院の創設

老人福祉法改正

老人医療費の無料化

老人保健法制定

疾病の予防・

治療・

機能訓練

の保健事業を総合的に実施

1973年

老人福祉法改正

老人医療費の有料化

1980年

1980年

1982年

1985年

1986年 1989年 1990年 1991年

1992年

1992年 1994年 1995年

1997年

2000年 2006年

2000年 2006年

1986年 1984年 1992年 1994年 1996年 2000年 2008年 2006年 2004年

・在宅医療連携拠点事業

(108百万円)

・訪問看護推進事業

(57百万円)

2004年~ 2011年 2012年

在宅医療の充実と評価

機能強化型在宅療養支援診療所・病

院の創設

2012年

・在宅医療連携拠点事業

(2100百万円)

・在宅医療に係る体制構

築の指針を発出)

4

Page 5: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

0 50 100 150 200 250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 50 100 150 200 250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 50 100 150 200 250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 50 100 150 200 250

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

5 '出所( 総務省「国勢調査」及び「人口推計」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口'平成24年1月推計(:出生中位・死亡中位推計」'各年10月1日現在人口(

1990年(実績) 2025年 2060年

○ 日本の人口構造の変化を見ると、現在1人の高齢者を2.6人で支えている社会構造になっており、 尐子高齢化が一層進行する2060年には1人の高齢者を1.2人で支える社会構造になると想定

2010年(実績)

65歳~人口

20~64歳人口

1人 5.1人

1人 1.8人

1人 1.2人

1人 2.6人

人口ピラミッドの変化'1990~2060年(

団塊ジュニア世代 '1971~74年

生まれ(

75歳~ 597( 5%)

65~74歳 892( 7%)

20~64歳 7,590(61%)

~19歳 3,249(26%)

総人口 1億2,361万人

75歳~ 1,407(11%)

65~74歳 1,517(12%)

20~64歳 7,497(59%)

~19歳 2,287(18%)

総人口 1億2,806万人

75歳~ 2,179(18%)

65~74歳 1,479(12%)

20~64歳 6,559(54%)

~19歳 1,849(15%)

総人口 1億2,066万人

75歳~ 2,336(27%)

65~74歳 1,128(13%)

20~64歳 4,105(47%)

~19歳 1,104(13%)

総人口 8,674万人

歳 歳 歳 歳

万人 万人 万人 万人

団塊世代 '1947~49年

生まれ(

Page 6: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

都道府県別65歳以上人口の推移予測

資料出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の都道府県別将来推計人口(平成19年5月推計) 」より作成 6

Page 7: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

3,000,000

3,500,000

4,000,000 東

京都

奈川

大阪

埼玉

愛知

千葉

北海

兵庫

福岡

静岡

茨城

広島

京都

新潟

宮城

長野

福島

岐阜

栃木

群馬

岡山

熊本

三重

鹿児

島県

口県

崎県

媛県

森県

良県

手県

賀県

分県

形県

縄県

崎県

田県

川県

山県

川県

歌山

山梨

佐賀

徳島

高知

福井

島根

鳥取

2025年までの増加数

2005年

都道府県別高齢者人口'65歳以上(の増加数 ' 2005年 → 2025年(

'人(

東京都、神奈川県、大阪府、埼玉県、愛知県、 千葉県、北海道、兵庫県 、福岡県で、

全体の増加数の約60%

出典:国勢調査(平成17年) 国立社会保障・人口問題研究所「都道府県の将来推計人口(平成19年5月推計)」

(平成19年5月推計)

7

Page 8: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療を受ける患者の人口比'訪問診療・往診(

在宅患者訪問診療料

0.01 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.02 0.03 0.05 0.08 0.06 0.11 0.16

0.65

1.42

4.17

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

00

~04

05

~09

10

~14

15

~19

20

~24

25

~29

30

~34

35

~39

40

~44

45

~49

50

~54歳

55

~59歳

60~64

65~69

70

~74

75

~79

80

~84

85

歳以上

往診料

0.005 0.000 0.000 0.000 0.000 0.005 0.000 0.000 0.001 0.001 0.003 0.003 0.013 0.044

0.083

0.209

0.436

1.206

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

00~

04歳

05~

09歳

10~

14歳

15~

19歳

20~

24歳

25~

29歳

30~

34歳

35~

39歳

40~

44歳

45~

49歳

50~

54歳

55~

59歳

60~

64歳

65~

69歳

70~

74歳

75~

79歳

80~

84歳

85歳

以上

%

平成22年社会医療診療行為別調査・平成22年人口動態調査 平成22年社会医療診療行為別調査・平成22年人口動態調査

8

Page 9: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療を受ける患者の人口比'訪問看護(

0.006 0.007

0.021

0.054

0.060

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

00

~04

10

~14

20

~24

30

~34

40

~44

50

~54

60

~64

70

~74

80

~84

%

訪問看護療養費算定件数

'医療保険(

在宅患者訪問看護 指導料算定件数

'病院・診療所('医療保険(

0.02

0.02 0.02 0.02

0.02 0.03

0.04 0.04

0.06 0.05

0.07

0.09

0.11

0.13

0.00

0.02

0.04

0.06

0.08

0.10

0.12

0.14

0

~4

10

~14

20

~24

30

~34

40

~44

50

~54

60

~64

70

~74

80

~84

%

平成22年社会医療診療行為別調査 平成22年人口動態調査

平成22年訪問看護療養費調査 平成22年人口動態調査

0.04

0.22

0.41

0.77

1.38

2.92

0.00

0.50

1.00

1.50

2.00

2.50

3.00

3.50

00

~19

20

~39

40

~64

65

~69

70

~74

75

~79

80

~84

85

歳以上

%

訪問看護費算定件数

'介護保険(

平成22年6月審査分介護給付費実態調査 平成22年人口動態調査 9

Page 10: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療に関する国民のニーズ

11.8

9.6

8.8

20.7

22.9

18.4

20.4

21.6

23

28.3

26.7

29.4

9

10.5

10.9

4.4

3.2

2.5

2.5

2.6

4.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平成10年

平成15年

平成20年

なるべく今まで通った'または現在入院中の(医療機関に入院したい なるべく早く緩和ケア病棟に入院したい

自宅で療養して、必要になればそれまでの医療機関に入院したい 自宅で療養して、必要になれば緩和ケア病棟に入院したい

自宅で最後まで療養したい 専門的医療機関(がんセンターなど(で積極的に治療が受けたい

老人ホームに入所したい その他

分からない 無回答

■終末期の療養場所に関する希望

○ 自宅で療養して、必要になれば医療機関等を利用したいと回答した者の割合を合わせると、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答した'上図(。

○ また要介護状態になっても、自宅や子供・親族の家での介護を希望する人が4割を超えた(下図(。 ○ 住み慣れた環境でできるだけ長く過ごせるよう、また望む人は自宅での看取りも選択肢になるよう、

在宅医療を推進していく必要がある。

高齢者の健康に関する意識調査'平成19年度内閣府(

41.7%

2.3% 0.5%

18.6% 11.5% 17.1%

2.2% 0.4%

5.8%

0% 20% 40% 60% 80% 100% 自宅で介護してほしい 子どもの家で介護してほしい 親族の家で介護してほしい 介護老人福祉施設に入所したい 介護老人保健施設を利用したい 病院などの医療機関に入院したい 民間有料老人ホーム等を利用したい その他 わからない

■療養に関する希望

出典:終末期医療に関する調査'各年(

○調査対象及び客体

・全国の市区町村に居住する満20歳

以上の男女から5,000人を層化二段

無作為抽出法により抽出

・150国勢調査区の住民基本台帳から

客体を無作為に抽出

○調査の方法

郵送法

○回収数

2,527人'回収率50.5%(

○調査対象

全国の55歳以上の男女5,000人

○調査の方法

調査員による面接聴取法

○標本抽出方法

層化二段無作為抽出法

○回収数

3,157人'回収率63.1%(

10

Page 11: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅医療推進にあたっての課題

■在宅医療推進にあたっての課題

0%

20%

40%

60%

80%

100%

往診してくれる医

師がいない

訪問看護体制が

整っていない

訪問介護体制が

整っていない

介護してくれる

家族がいない

介護してくれる家

族に負担がかかる

24時間相談にのっ

てくれるとこれが

ない

症状が急変したと

きの対応に不安

症状急変時すぐに

入院できるか不安

平成15年

平成20年

出典:終末期医療に関する調査'各年( ■在宅療養移行や継続の阻害要因

○ 在宅医療を必要とする者は2025年には29万人と推計され、約12万人増えることが 見込まれる。

○ 急性期治療を終えた慢性期・回復期患者の受け皿として、終末期ケアも含む生活の質を重視した 医療としての在宅医療のニーズは高まっている。

在宅医療・介護サービス供給量の拡充 医療/介護の連携によるサービスの質の向上及び効率化

24時間在宅医療提供体制の構築 家族支援

在宅療養者の後方ベッドの確保・整備

11

Page 12: 在宅医療の最近の動向 - mhlw...在宅医療の推進に関する各種制度の変遷 診 療 報 酬 料 医 療 法 ・予 算 そ の 他 ゴ ー ル ド プ ラ ン 2

在宅療養を行うことができた理由

42.4%

33.9%

32.9%

6.7%

6.7%

6.0%

1.8%

33.4%

2.7%

6.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50%

必要な在宅医療・介護サービスが確保できたため

病状等から、医療機関における医療が必要ないため

家族等の介護者が確保できたため

病状等から、介護施設における介護が必要ないため

住宅改修等の住環境の整備ができたため

介護施設への入院が望ましいが、適切な施設に空きがない

ため

医療機関への入院が望ましいが、適切な施設に空きがない

ため

上記以外で、本人、家族等が強く希望するため

その他

無回答

N=4,820

【在宅療養患者が在宅を選択した理由】

12

出典:「医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査」より ※在宅療養を行う患者について医療機関が確認したデータ