「アクティブラーニング」(AL)の紹介~Do you...
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地理の写真館
「アクティブラーニング」(AL)の紹介 ~Do you have!?♡ in your lesson?~
先が読めないといわれる今日、自ら答えを見つけ出し、自分で機
会をつくることが求められている。自分を見つめ幸せに生きるため
には育ってきた地域のことをよく知り、将来どこでどのように生き
ていきたいのかを生徒に考えさせたい。この視点に立つと「地理」
はキャリア教育ともつながってくる。インターンシップや職場見学
は、生き方を学ぶフィールドワークだ。
授業のなかも生きるためのヒントがふんだんにある。授業で能動
的に学ぶ姿勢も育てたい。
アクティブラーニング(AL)はその一つの答えではないだろうか。
アメリカ合衆国を中心に地理における取り組みも多い。
事例を一つあげたい。単元「都市・居住問題」での活用事例だ。
グーグルアースのバーチャルツアーでペキン、シカゴ、ワシントン
D.C.、ベロオリゾンテ、カールスルーエ、カイロ旧市街を訪ねる。
本日の課題は「住みやすい都市」の計画だ。まず自分で考えそれを
グループで話し合い(写真①)、平面図をホワイトボード上に描く。
条件として、平坦で立地の制約・規制はなし、土地は最大有効活用
させる。街路網はマーカーで描き、ボード上の1目盛りは1kmと
する。住宅H、オフィスO、学校S、ショッピングセンターA、駅
Bは磁石を使って配置し架空の都市名も考える。完成したらボード
を黒板に貼り比較する(写真②③)。
おのおのの都市で通勤・通学など実際に生活した場合の動線を空
想し移動距離を計らせてみる。さらに、環境、公害、安全、高齢化、
産業の活性化、効率、地価といった視点で見つめ直す。ひととおり
意見が出たところで都市形態や諸外国の取り組みについての講義を
加える。
各単元の流れとしては講義1時間・AL1時間・講義1時間で合
計3時間程度になる。定期テストでは自分の考えを指定字数でまと
めさせる。
授業のなかに実験や体験があってもよい。答えをインプットする
のでなくアウトプットする機会を増やしたい。未知の分野にいどむ
ときは1人で考えるのではなく集合智を結集させる。アウトプット
は自己の存在感・有用感を高め能動的な学びにつながる。環境が整
えば海外と直接交流しながら進めるということだってできるだろう。
このほか、統計から「幸せな国はどこか」を考えたり、貿易ゲー
ムをしたり、ALTとのティームティーチングで地誌の授業を進め
たりしている(写真④)。生徒は自分で出した答えでなければ本気
で動かない。「0から1」を生み出すことが求められる時代、答え
ありきのチョークトーク授業には限界を感じている。
写真・文 静岡県立韮山高等学校 鈴木映司 (日本キャリア教育学会認定 キャリアカウンセラー)
ボードを比較●②
altとのティームティーチング●④
グループワーク●①
ユニークなアイデア●③