「実証実験分野」について - RSJ · 2016-09-09 ·...
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日本ロボット学会
The Robotics Society of Japan
2014.9.5 日本ロボット学会学術講演会 オープンフォーラム
2016年9月9日(金)
一般社団法人 日本ロボット学会査読副委員長 永谷圭司
論文の通し方、教えます。~ロボット学会和文誌・欧文誌論文掲載までの道~
2016.9.9 日本ロボット学会学術講演会 オープンフォーラム
「実証実験分野」について
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実証実験分野について(論文査読方針と基準より)
• ロボット技術を実社会に導入するためには,実証実験が必要不可欠.実証実験により得られた Lessons Learned のロボティクスに対する貢
献は大きい.
• 実社会に実装されたロボット技術の実運用に関する報告も,今後のロボティクスを発展させる上で高い価値がある.
• ロボットの実証実験や実運用に関する論文の掲載を積極的に進め,これらを広く共有することで,ロボティクスの発展に繋げたい.
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査読状況報告
• 前回報告:実証実験の採録は1年間で, 2件.(Vol.33 #5までの報告)
• 今回:Vol.33 #6~Vol.34 #5(6月号) , 7件.
• Vol.33 #6~採録決定(Web Published) 5件.
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査読状況報告(これまで)
•投稿: 23件(以上)リジェクト: 8件(以上)不明: 1件採録: 14件(61%)要素技術へ: 数件
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実証実験分野に対する永谷の考え・・・
[通常の論文] [実証実験・実運用の論文]
問題に対する新規アイデア(一般化)
アイデアの有用性を検証→ 論文化
アイデアの新規性が認められてPublish
読者がIDEAを利用(新たに考える必要なし)
問題を解決するための技術を実装(一般化しない)
実証実験,実運用 → 論文化
Lessons Learnedの有用性が認められてPublish
読者の実装に参考となる(仮想体験で先に進める)
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他学会の論文について
鳥海火山北麓に分布するラハール堆積物の運搬・堆積過程と構成物質の時間変化
火山灰噴出を主体とする火山周辺域における埋没土壌層の認定:阿蘇火山での事例
現地映像資料にもとづくインドネシア・アンボン島天然ダム決壊洪水の発生過程
十勝岳山麓大正泥流の到達時間・被災度の情報を加えた災害実績図
日本砂防学会
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1.どのような目的で,
2.何が問題で,
3.どのような技術を使って解決を目指し,
4.何が上手くいって,
5.新たにどのような問題が分かったか?
技術の新規性を問わない
LESSONS
LEARNED
実証実験分野に対する永谷の考え・・・
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期待する内容
1) プロジェクト研究の成果
例: NEDO,ImPACT,SIP,国交省現場検証
2) フィールド試験の成果
(コントロールされていない環境)
不整地,山林,空中,水中,水上
3) コンペティションやチャレンジの試験結果
例:つくばチャレンジ
4) フィールド活動状況
災害とその対応状況のレポート
5) 長期間稼働しているシステム
清掃システム,あーるてぃの「ねこ店長」など
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関連記事
日本ロボット学会誌34巻8号・9号「次世代社会インフラ用ロボット現場検証」
http://www.infra-robotech.info/
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実証実験分野の査読について~査読方針
1)手法の新規性は問わない.実証実験または実運用に関する背景(社会的課題や実運用におけるハードルの要因),目的,条件,環境,方法,結果が過不足無く記述されていること.なお,実験や実運用の過程で生じた障害とその克服についても記述があると良い.
査読副委員長が査読者をコントロール
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2)実環境下での有用性を評価できる結果を入れること.(シミュレーションのみの論文や,コントロールされた研究室環境内で実施した実験に関する論文,「作りました.動きました.」だけの論文は実証実験分野には該当しない.)
上記の確認は査読副委員長が実施
実証実験分野の査読について~査読方針
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3)実証実験については,できる限り,他手法との比較がなされていること.類似環境における実験がすでに既報としてあれば,それらとの比較でも良い.また,実運用の報告については,その有効性と発展性が判断できるだけの,十分なデータが掲載されていること.
「できる限り」という文言がついています.場合によっては,世界初の実験の場合もあるかもしれません.ただし,モック試験との比較でも良いので,できる限り比較を行って下さい.
実証実験分野の査読について~査読方針
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4)実証実験または実運用により得られた LessonsLearnedが記述されていること.価値のあるLessonsLearnedが得られていれば実験の成否は問わない.
Lessons learned は成功経験,失敗経験から学んだことをしっかり記述し,(自分ならびに他研究者の)次に活かすためのものだと考えています.この記述により,少なくとも「作りました.動きました.」の論文ではなくなると考えています.
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論文を書いてから「これは実証実験分野かな?」という方針の論文は,別カテゴリに回させて頂きます.また,論文執筆が簡単になった訳でもありません.これまでRejectされてきたもの(または,Rejectされるから出さなかったもの)をしっかり拾って,研究開発者に還元できるカテゴリであると考えています.
おわりに