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富士通における富士通における医療分野での医療分野でのICTICT利活用イメージについて利活用イメージについて
富士通株式会社富士通株式会社株式会社富士通研究所株式会社富士通研究所
20052005年年1122月月1515日日
資料2-5
富士通の医療情報化への取り組み富士通の医療情報化への取り組み
医療分野における医療分野におけるICTICT利活用策利活用策
①① 入入院患者の処方・与薬時のミス防止院患者の処方・与薬時のミス防止
②② セセンサーネットワークを活用した入院・退院患者ンサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供への最適な医療サービス提供
リスクマイニングリスクマイニング
ICTICTとマイニング技術による医療リスクマネジメントとマイニング技術による医療リスクマネジメント
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医療IT化の変遷と情報活用ステージ拡大医療IT化の変遷と情報活用ステージ拡大
・医療事務の効率化
・報告業務、統計業務
の効率化
・患者待ち時間の短縮
・間接事務作業削減
・請求漏れの減少
・診療行為と診療事務の一体化
・カルテ運搬コストと保管スペースの削減
・カルテ情報の共有と活用
・情報開示とインフォームドコンセント
・広域間診療情報ネットワーク
セクションシステムトータルシステム
病院運営システム
☆業務改善☆業務改善☆業務改革☆業務改革
☆構造改革☆構造改革
部門システム
(医事・検査・給食)
オーダリングシステムオーダリングシステム電子カルテシステム電子カルテシステム
Co-Medical Para-Medical Medical Customer事務・技師のためのシステムから医師・看護師・患者のためのシステムへ事務・技師のためのシステムから医師・看護師・患者のためのシステムへ
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電子カルテシステムオーダリングシステム
看護支援システム
医療情報システムの概要医療情報システムの概要
診療部門 病棟看護部門
医事会計システムレセプト電算処理システム経営支援システム
検体検査システム(病理・細菌システム)
臨床検査部門医事・経営部門
放射線部門放射線部門栄養部門薬剤・用度部門放射線部門健診・介護部門
院内ネットワーク
健康管理情報システム 物流管理システム輸血管理システム
病院食事管理システム 放射線情報システム(RIS) 医用画像情報システム(PACS)
富士通の医療情報化への取り組み富士通の医療情報化への取り組み
医療分野における医療分野におけるICTICT利活用策利活用策
①① 入入院患者の処方・与薬時のミス防止院患者の処方・与薬時のミス防止
②② セセンサーネットワークを活用した入院・退院患者ンサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供への最適な医療サービス提供
リスクマイニングリスクマイニング
ICTICTとマイニング技術による医療リスクマネジメントとマイニング技術による医療リスクマネジメント
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① 入院患者の処方・与薬時のミス防止①① 入院患者の処方・与薬入院患者の処方・与薬時のミス防止時のミス防止
概要患者取り違え、指示変更伝達ミスを防止するよう、ICTを活用
期待される効果患者取り違え、指示変更伝達ミス(薬品選択、制限数量、与薬時間等)、患者所在不明、有効期限切れ薬品、有効在庫不明、所在場所不明 等の防止
2.入院受付入力(ICタグ内蔵リストバンドを渡す)
3.ICタグ内蔵リストバンドを患者に装着
4.注射オーダ発行
5.注射箋発行&混注セット用ICタグ貼付 6.患者ごとに注射オーダと混注内容・投与時間を自動的にチェック
7.到着した混注セットと患者を自動チェック
電子カルテ・オーダサーバ
注射箋
ICタグ
ICタグICタグ
ICタグ内蔵
ICタグ血液型情報アレルギー情報24時間以内の与薬情報 等
混注セット
OK or NG
タグ同士通信してチェック
薬剤部
製薬会社or卸からICタグ付で納入・薬剤名/用量・有効期限 等→この情報を元
に在庫管理
- 禁忌・副作用情報 等も記録-
最新
オー
ダと付
合せ
病室
完了
or 破損
8.実施結果入力
1.入院予約入力
ナースステーション
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① 入院患者の処方・与薬時のミス防止①① 入院患者の処方・与薬入院患者の処方・与薬時のミス防止時のミス防止
導入するに当たっての負担ICタグ利用のためのシステムおよびインフラ構築コスト
製薬会社・卸において、薬剤名/用量/有効期限等の情報の入ったICタグを貼付
する手間およびコスト
混注セットにICタグを貼付する手間およびコスト
導入するに当たっての課題【前提条件】
医療機関においては、患者処置や薬剤保管の現状を勘案すると、環境適用性(血液、消毒液、水、温度、冷凍、高温 等)の考慮が必須
【システム上の課題】ICTによる自動チェック機能(オーダサーバとタグ間での最新オーダ内容との付合せ、混注セットと患者のタグ同士で取り違えチェック 等)
【制度上・運用上の課題】広く普及するためには、標準化が必要(標準化されないと、各医療機関毎に仕様を決めて開発する必要があるため、コストが高くなり、普及が進まない)
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② センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供②② センサーネットワークを活用した入院・センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供退院患者への最適な医療サービス提供
医師・看護士の状況把握
病院サーバ
常に情報交換 頻繁に情報交換
適度に情報交換
医療ミスの防止 術後ケア 健康維持
概要医療スタッフ・患者の行動や環境状況を確認
→ 医療ミスの防止や患者の回復状態に合わせた医療サービスの提供を実現
入院中・退院後の投薬状況・生活状態のモニタリングにセンサーネットワークを活用
期待される効果医療スタッフの医療ミス・投薬ミスの軽減
患者自身の摂取ミス検出、退院後の回復状況確認 → 医療の効率化(医療費削減)
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② センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供②② センサーネットワークを活用した入院・センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供退院患者への最適な医療サービス提供
センサー
患者の状況把握とセンサーの再配置・再設定患者の状況把握とセンサーの再配置・再設定
病院サーバ(個人の健康情報) カメラセンサー:
動線・行動監視
においセンサー:呼気の検査
・肺結核・糖尿病
バイオセンサー:尿の検査
・糖尿病・免疫性チェック
Wearable Device:(リストバンド型)
・脈拍測定
ICタグ・リーダ
分散化システム技術・部分的な故障に対して堅牢
移動型エージェント技術・プライバシー保護・パーソナライズ
マイニングに必要な情報を収集
ホームサーバ/PC
エージェントの判断基準(振る舞いポリシー)の設定
各センサーの振る舞いの変更
センサーセンサー
センサー
システム構築イメージ
エージェントポリシー
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② センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供②② センサーネットワークを活用した入院・センサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供退院患者への最適な医療サービス提供
導入するに当たっての課題【前提条件】
個別の医療センサー技術・システムは存在
ロケーションアウェアなセンサーネットワークインフラ技術(GPSの併用、UWBなど)
【技術的な課題】
医療スタッフ、患者毎の状況(医療行為、術後ケア、回復後の健康管理)に柔軟に適応可能な医療・健康管理向けのセンサー&アクチュエータ機能の最適化技術(センサー向けミドルウェア技術)の開発
• センサーの動作の自律的な再調整、再構成機能
• パーソナライズ(個人最適化)、プライバシー保護の保障、堅牢なシステムアーキテクチャ
実用性の検証(実証実験)
【制度上・運用上の課題】
相互接続のための標準化
プライバシー保護関連の法制度の整備及び運用技術
富士通の医療情報化への取り組み富士通の医療情報化への取り組み
医療分野における医療分野におけるICTICT利活用策利活用策
①① 入入院患者の処方・与薬時のミス防止院患者の処方・与薬時のミス防止
②② セセンサーネットワークを活用した入院・退院患者ンサーネットワークを活用した入院・退院患者への最適な医療サービス提供への最適な医療サービス提供
リスクマイニングリスクマイニング
ICTICTとマイニング技術による医療リスクマネジメントとマイニング技術による医療リスクマネジメント
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マイニングとは?マイニングとは?マイニングとは?
データマイニングとテキストマイニングデータマイニング: 大量の(数値、カテゴリ)データから有用な知識を発見
例) スーパーのPOSデータをマイニング
→ 紙オムツと缶ビールを同時に購入する男性客が多い
→ 紙オムツと缶ビールを近くに配置したら売上がさらに向上
テキストマイニング: 大量の文書・テキスト情報から有用な知識を発見
例) コールセンター(企業の顧客窓口)への問い合わせ情報をマイニング
→ 顧客のニーズ、クレームを分析
なぜテキスト情報?想定しているモデルに当てはまらない知識を発見したい
例) アンケート分析: 選択肢(→仮説検証)と自由記述(→仮説生成)
背景情報(理由、原因)を知りたい
例) スーパーのPOSデータ: 弁当の売上が異常に多い日が存在
→ 近くで運動会があったことが営業日報(テキスト情報)から判明
マイニング技術の連携データマイニングで傾向分析 → テキストマイニングで要因分析
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テキストマイニングの技術と応用テキストマイニングの技術と応用テキストマイニングの技術と応用
テキストマイニングの要素技術(1) 自然言語処理・情報抽出技術: テキストから単語・情報を抽出して定型化
(2) データ分析技術: 抽出された情報を集計・解析・分類
(3) 可視化技術: 分析結果をグラフ・図解として視覚化(→ 知識を発見するのは人間)
テキストマイニングの応用分野【背景】 データが大量に蓄積されるようになってきた → マイニングで活用したい
顧客からの問い合せ・クレーム情報の分析
→ 顧客満足度の向上、マーケティング
特許情報・技術情報の分析
→ 他社の技術開発動向の把握、知的財産の戦略的活用、MOT(技術経営)
事故・障害・トラブル情報の分析
→ 類似トラブル事例の検索(対策活用)、重大トラブルの未然防止
↓
リスクマイニング(マイニング技術の応用したリスクマネジメント)
(2) (3)はデータマイニングと共通(2) (3)はデータマイニングと共通
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リスクマイニングの基盤: 事故発生のモデルリスクマイニングの基盤:リスクマイニングの基盤: 事事故発生のモデル故発生のモデル
3C DAB
QT B L
JY
T A SB
YF D S
WHCO S
KAL D
GT C D
WYBG S
UL D O
ZH
F B EW
HK A R
WY
T C MW
QF A K
WY
T D FW
事故のモデル:Error Iceberg(ハインリッヒの法則)
複数の要因の組み合わせによりエラーが発生
エラーの組み合わせによりインシデントが発生
インシデントの組み合わせにより事故が発生↓
事故を防ぐには、インシデント・エラーへの対策が必要
事故の発生要因(航空関連では)安全技術の発展・普及により、ハードウェアに起因する事故は減少
→ ヒューマンエラーの占める割合が増大(ヒューマンエラーはなかなか減らない)
リースンによる失敗の部類
• エラー(ノーマンによる分類)
ミステイク: 誤った目標の選択(計画・手順のミス)
スリップ: 目標に合わない行為(遂行のミス)
• ルール違反 リスクマイニングによる背景要因の把握
リスクマイニングによる背景要因の把握
①の利活用策①の利活用策
事故事故:1:1
インシデントインシデント::29 29
エラーエラー::300 300
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Pro-ActiveなリスクマネジメントProPro--ActiveActiveななリスクマネジメントリスクマネジメント
リスクマネジメントの考え方Re-Activeなリスクマネジメント
(少数の)重大事故発生後に事故調査 → 事故の再発を防止
⇒ 人手による詳細調査が中心。IT支援の余地は少ない。
Pro-Activeなリスクマネジメント
(大量の)エラー/インシデント事例を分析 → 要因を特定し事故を未然に防止
⇒ 大量のデータを収集・解析。IT支援への期待が大きい。
Pro-ActiveなリスクマネジメントのIT支援 ⇒ リスクマイニング
Dataの収集
対策案の決定
Dataの解析
Riskの評価
対策案の実行
インシデントレポート(ヒヤリハット事例)+
状況記録データ(センサーネットワークのモニタリング情報)
傾向分析: 頻発するエラー/インシデントを特定
要因分析: エラー発生要因を特定
センサーネットワーク+テキストマイニング
②の利活用策②の利活用策
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リスクマイニングの狙いリスクマイニングの狙いリスクマイニングの狙い
期待される効果傾向分析、要因分析 → 実データに基づくリスク要因の客観化・定量化(未然防止)
類似事例の検索 → 問題解決知識の共有(事故発生時の対策効率化)
ターゲット分野(富士通研究所での取り組み状況)【ソフトウェア開発・運用】
ソフトウェアのバグレポート → ソフトウェア品質向上
プロジェクト管理情報の分析 → システム開発プロジェクトのリスク管理
システム運用情報の分析 → トラブル傾向分析、重大
【医療・看護】
医療記録の分析 → 医療過誤の未然防止 (東大病院との共同研究)
看護記録の分析 → 看護の質向上、事故の防止
【航空安全】
航空安全情報の分析 → 安全性向上 (航空会社との共同研究)
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リスクマイニングのアプローチリスクマイニングリスクマイニングのアプローチのアプローチ
非定型情報 (テキストで記述されたレポート類)• 航空安全: 航空安全レポート• 医療: 看護記録、電子カルテ
テキストマイニング技術
自然言語処理技術を用いてテキスト情報を解析→ トラブルの基本情報(条件、原因、現象、対策)を抽出(定型化)
例) ●●時に、▲▲により、■■が発生↓ ↓ ↓
発生条件 原因 現象
テキストマイニング技術
自然言語処理技術を用いてテキスト情報を解析→ トラブルの基本情報(条件、原因、現象、対策)を抽出(定型化)
例) ●●時に、▲▲により、■■が発生↓ ↓ ↓
発生条件 原因 現象
日付・ID情報などを用いてデータ統合日付・ID情報などを用いてデータ統合
データ分析・可視化技術• 非定型情報・定型情報を統合して分析• 傾向(変化)・関連性(因果関係)を可視化
↓類似事例検索、傾向分析、要因分析
データ分析・可視化技術• 非定型情報・定型情報を統合して分析• 傾向(変化)・関連性(因果関係)を可視化
↓類似事例検索、傾向分析、要因分析
トラブルの条件依存性分析 現象・原因の因果関係マップ
傾向分析 要因分析
定型情報 (RDBに蓄積される数値・カテゴリ情報)
• 航空安全: フライトレコード(センサー情報)• 医療: オーダー情報、センサー情報
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薬剤師による調合: 11%薬剤師による調合: 11%
看護師による与薬: 38%看護師による与薬: 38%
ICTとマイニング技術による医療リスクマネジメントICTICTとマイニング技術による医療リスクマネジメントとマイニング技術による医療リスクマネジメント
医師の指示: 39%医師の指示: 39%
投薬プロセスにおける事故要因 (山内ら「医療事故」p.116)
複写: 12%複写: 12%
事故原因となるエラー発生プロセス
事故回避の可能性(チェックシステム)
事故例:実際に事故になったケース
幸運例:運よく事故にならなかったケース
回避例:エラーを発見・訂正したケース
後プロセスがないため事前回避が困難↓
ICTによるチェックシステムが有効(①の利活用策)事故の事前回避(緑の領域)を拡大することが可能
後プロセスがないため事前回避が困難↓
ICTによるチェックシステムが有効(①の利活用策)事故の事前回避(緑の領域)を拡大することが可能
ICTの導入だけでは、
• 既存チェックシステム(緑の領域)が弱まる可能性あり(高度安全システムの導入により現場でのチェック機能が低下)
• 患者の名前や薬品名が指示と一致しているかどうかの表層的なチェック表層的照合しか行われない(事故防止には、指示内容そのものをチェックする構造的照合も必要)
ICTの導入だけでは、
• 既存チェックシステム(緑の領域)が弱まる可能性あり(高度安全システムの導入により現場でのチェック機能が低下)
• 患者の名前や薬品名が指示と一致しているかどうかの表層的なチェック表層的照合しか行われない(事故防止には、指示内容そのものをチェックする構造的照合も必要)
医療行為の現場をモニタリングするセンサーネットワーク(②の利活用策)と、計画・指示段階でのエラーをチェックするリスクマイニングの統合により解決
医療行為の現場をモニタリングするセンサーネットワーク(②の利活用策)と、計画・指示段階でのエラーをチェックするリスクマイニングの統合により解決
スリップ(遂行のミス)への対応
ミステイク(計画・手順のミス)への対応
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