1

日本

傳

濠

病

學

會

雑

誌

第十

二巻第十

二號

昭和十三年九月二十日

原

著

及

綜

説

「ヂ

フテリア

」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統計學的研究

廣應義塾大學醫學部豫防醫學教室(主任

草間良男教授)

内

田

勇

四

郎

目

次

緒

言

第

一章

「ヂフテリア」年齢分布

ノ

一般的観察

第

二章

川上氏

ノ年齢的度數分布函數

ニ就イ

テ

第

三章

「ヂ

フテリア」年齢分布

ノ理論

的考察

第

一節

川上氏

ノ函數

ノ適用

セラ

ル可キ事象

ト

シ

テノ「ヂ

フテリア」年齢分布

第

一項

罹

患可能

ニナル

コト

第

二項

罹

患可能

ニナツクモノガ病

源

ニ接

觸

スル

コト

第三項

一度罹

患

スレバ免疫ガ得ラ

レル

第四項

接

觸

ノ機

會

ハ年齢

ニ關係ナ

ク

一定ト考

ヘラ

レル

第二節

正常抗毒素

ノ出現

ニ就イ

テ

第

一項

侵染読

第二項

成熟説

第三節

素質論的解釋ノ意義

第四出早

「ヂフテリア」年齢分布ノ比較血観察

第

一節

男女別観察

第二節

地方別観察

第三節

國別観察

第四節

季節別観察

第五節

年代別観察

要

約

統計材料竝

ニ文獻

表

内

田=「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

ニ關

ヌル數

理統

計學的

研究

一二二

一

2

内

田=「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二二二

一般

二疾

病

ニ侵

サ

レル

コト

ハ、年

齢

ト密

接

ナ關

係

チ有

ス

ル。

例

ヘバ

我國

ニ於

ケ

ル結

核死

亡

ハ二

十歳

前

後

ニ最

モ多

ク、老

人

ニナ

ルト勘

イ。

各

種

ノ疾

病

ル夫

々好

發

年

齢

チ有

ス

ル。

或

疫

病

ガ或

年齢

ニ好

發

ス

ル

ト云

フ

コト

ハ極

メ

テ興

味

ア

ル事

實

デ

ア

ルノ

ミ

ナ

ラズ、此

關

係

チ詳

シ

ク考

察

ス

ルナ

ラバ、

逆

ニ疾

病

ニ罹

患

ス

ルト云

フ機

轉

チ明

カ

ニス

ル上

ニ於

テ重

要

ナ

ル暗

示

ガ得

ラ

レル

ノデ

ハナ

イ

カ

ト思

フ。

「ヂ

フ

テリ

ァ」ノ年

齢

的

度

數

分布

チ「グ

ラ

フ」ニ叢

ク

ト、

規

則

正

シ

イ曲線

ガ

得

ラ

レ

ル。

叉

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」死

亡

ノ年

齢

的

度數

分布

モ同

様

ナ曲線

チ示

シ

テ

ヰ

ル。、我

國

二於

テ「ヂ

フ

テ

リ

ァ」罹

患

ハ、満

二-

三歳

ニ最

モ多

ク、死

亡

ハ、

一-

二歳

ガ最

モ多

イ。

本

研

究

ノ目

的

ト

ス

ル所

チ

一言

ニシ

テ云

ヘバ各

年齢

ニ對

ス

ル罹

患

數

.或

ハ死

亡

數

ノ分

布

状

態

チ精

密

ニ研

究

シ、

其

結

果

ヨリ

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」二罹

患

スル

コト、

或

ハ「ヂ

フ

テリ

ァ」ニテ

死

亡

ス

ル

コト

ノ機轉

チ明

カ

ニセ

ント

ス

ル

ニ在

ル。

年

齢

ト生物

現象

ト

ノ關

係

チ研

究

ス

ル

ニ當

ヅ

テ

ハ先

ヅ

、生物

自

體

ノ年齢

的

變

化

ガ如

何

ナ

ル

モ

ワデ

ア

ルカ

チ考

察

ス

ル必要

ガ

ア

ル。

物

品

ハ

時

間

ガ経

ツ

ニ從

ッ

テ變

ッ

テ行

ク、

併

シ、

自

身

デ變

ルノデ

ハ

ナ

ク、外

界

ノ作

用

ニ因

ッ

テ變

ルノデ

ア

ル。

然

ル

ニ生

物

ガ

年齢

ト共

ニ變

化

シテ

行

ク

ノ

ハ夫自

身

變

ッテ行

ク

ノデ

ア

ル。

勿

論

、

生物

ハ環

境

ニヨツ

テ養

ハ

レル

モ

ノデ

ア

ルガ

、

自

己

自身

デ

生長

ス

ル生

物

ノ變

化

ト、物

品

ガ古

ク

ナ

ル

コト

ト

ハ趣

チ異

ニス

ル

モノデ

ア

ル。

次

ニ生物

自

體

ノ年

齢

的變

化

チ観

ル

ニ、其

中

ニ、

一般

的

ナ年齢

酌變

化

ト外

界

ノ特

殊

作

用

ニヨ

ル

變

化

ト

チ魑

別

シ

テ認

メ

ル

コ

トガ出

來

ル。

第

一

ニ、

生

物自

體

ノ

一般

的

ナ年

齢

的變

化

ト

ハ如

何

ナ

ル

コトデ

ア

ルカ

ト云

フ

ニ、

年

齢

ト共

ニ、

大

サ、

形

態

竝

ニ血

液

、組

織

ノ域

分

ガ

生

理

的

ニ變

化

ス

ル

コトデ

ア

ル。

第

二

ニ、外

界

ノ時

殊

作

用

ニヨヅ

テ生

物

ガ

年齢

的

ニ變

化

ス

ルト

ハ如

何

ナ

ル

コトデ

ア

ルカ

ト云

フ

ニ、

例

ヘバ、本研

究

ノ問

題

ト

シ

テ

ハ、抗

原

ニ對

シ

テ産

生

セラ

レ

ル免

疫

物

質

ノ滑

長

デ

ア

ル。

次

ニ年齢

ト生物

現象

ト

ノ關

係

チ研

究

ス

ル

ニ當

ッテ考

慮

ス可

キ問

題

ハ環

境

ノ變

化デ

ア

ル。

即

チ、本

研

究

ノ場

合デ

云

ヘバ、

年

齢

ニヨッ

テ

感心染

ノ機

金日ガ

里ハルカスロカト云

フ問

頴箏アア

ル。

亀

然

ラ

バ、

斯

脚

ル立

場

ヨリ

、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ノ年齢

分

布

チ

如何

ニ説

明

ス可

キ

カ。

先ヅ

、決

定

セ

ラ

ル可

キ事

ハ上

託

三

因

子

中、何

レガ重

要

ナ

3

ル役

割

チ演

ズ

ルカ

ト云

フ

コトデ

ア

ル。

然

シ乍

ラ、統

計

成

績

ノ

ミ

ヨ

リ

シ

テ

ハ、此

事

ハ容

易

ニ決

定

シ難

イ。

竝

ニ於

テ、暫

定

的研

究

ト

シ

テ、

何

レカ

二因

子

チ否

定

シ、

他

ノ因

子

ノミ

ニヨッ

テ

説

明

チ企

テ、

若

シ成

功

セ

ルト

キ

ハ其

眞

理性

チ認

メ、

何

等

カ

ノ矛

盾

ニ遭

遇

セ

ル場

合

ニ、

始

メテ他

ノ因

子

チ考慮

ニ置

ク

コト

ト

シタ。

斯

ク

ノ如

キ方法

ハ未

ダ開

拓

セラ

レザ

ル本

問題

ノ

研

究

ニ

於

テ當

然

探

ラ

ル可

キ態

度

デ

ハナ

ィカ

ト思

フ。

既

ニ多

數

ノ學者

ニ依

ツ

テ唱

ヘラ

レタ所

デ

ハァ

ルガ、

第

一ノ因

子

、

帥

チ、

小見

ガ年

齢

ト共

ニ生

理

的

ニ變

化

シ、

其

レ

ニ因

ッ

テ

「ヂ

フテ

リ

ァ」ニ對

ス

ル感

受

性

ノ變

化

ス

ル

コト

ハ本

問

題

ニ於

テ大

ナ

ル役割

チ演

ズ

ル

ト

ハ思

ハ

レナ

イ。

次

ニ第

三

ノ因

子

、

年

齢

ト共

ニ感

染

ノ機

會

ノ變

化

ス

ル

コト

ハ第

三章

第

一節

第

四

項

ニ於

テ

モ述

ベ

ルガ先

ヅ

否

定

シ

テ差

支

ナ

イ

ト思

フ。

然

モ、第

ニ

ノ因

子

、

免

疫

物

質

ガ

年齢

的

ニ清

長

ス

ルコ

ト

ハ疫

學

上最

モ可

能

ナ

ル

コト

ト考

ヘラ

レ

ル。

茲

ニ於

テ、他

ノ多

ク

ノ學

者

ガ取

レ

ル如

ク、

免

疫

物

質

ノ消

長

ニヨツ

テ「ヂ

フ

テ

リ

ァ」ノ年

齢

分

布

チ説

明

セ

ント試

ミ

タ

ノデ

ア

ル。

本

研

究

ノ從

來

ノ

モ

ノト異

ル所

ハ、抗

毒素

保

有

率

ノ年

齢

的

變

化

ヲ以

テ、

「ヂ

フテ

リ

ア」

ノ年

齢

分布

チ説

明

セ

ント

セ

ル從

來

ノ研

究

ニ對

シ

雨

者

ノ間

ニ格

段

ノ差

別

ア

ル

コト

ヲ指摘

シ、其

差

異

ノ因

ヅ

テ來

ル所

以

チ素

質

ノ差

ニヨヅ

テ説

明

セ

ント

セ

ル點

ニ在

ル。

第

一章

「ヂ

フ

テ

リ

ア

」年

齢

分

布

ノ

一般

的

観

察

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ノ年

齢

分布

ニ就

イ

テ

ハ人種

的

、

地

理

的

、

年

代

的、

季

節

的其

他

凡

ユ

ル方

面

ヨリ精

密

ニ観

察

ス

ルチ要

ス

ルガ、其

レ

ニ關

ス

ル

詳

細

ハ後

ニ述

ブ

ル

コト

ト

シ、

先ヅ

我

國

ノ材

料

ニ就

えテ年

齢

分布

一般

チ精

密

ニ観

察

セ

ント

ス

ル。

観

察

ノ材

料

ト

シテ、

警

視廳

防

疫

年

鑑

、

東

京

市

防

疫

概

要

、日本

帝

國

死

因

統

計

等

ヨ

リ年齢

別

罹

患

竝

ニ死

亡

數

チ得

タ。

是

等

ノ數

値

ハ

一般

讐

師

ノ届

出

ニ基

ク

モ

ノデ

ア

ル故

、

一方

ニ

ハ届

出

不充

分

ノ爲

、他

方

ニハ誤

診

等

ノ爲

、

當

然誤

差

モ多

ク、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」發

生

ノ實

状

チ其

儘

示

ス

モノデ

ハ

ナイ

ガ、

大

數

観

察

ト

シ

テ各

年

齢

チ比

較

ス

ル如

キ場

合

ニハ、

殆

ド、其

誤差

チ顧

慮

ス

ル必

要

ガ

ナ

ク

ナ

ルモ

ノデ

ア

ル。

但

シ、罹

患

者

ノ統

計

ニ於

テ

ハ數

へ年

ニ

ヨ

ル度

數

分

布

デ

ア

ルタ

メ、第

一年

ノ階

級

ノ度

數

ハ不

當

ニ砂

クナ

ル。

且此

影

響

ハ其

後

ニモ及

ブ

コト

ニナ

ル。

ソ

レ

故

、

二、

三

ノ病

院

ヨ

リ報

告

セ

ラ

レタ

ル、満

年

齢

ニヨ

ル診

斷

確

實

ナ

ル「ヂ

フ

テリ

ァ」ノ度

數

分

布

チ

モ併

セ

テ親

察

シ、判

斷

ノ正鵠

チ期

シ

タ。

東

京

府

(警

視

廃

管

下)ノ「ヂ

フテ

リ

ア」罹

患

者

統

計

チ示

セバ第

一表

ノ如

クデ

ア

ル。

此中

豫防

注

射

ノ普

及

セザ

ル期

間

、六

ヶ年

間

ノ數

チ合

計

内

田=「ヂフテリ

ァ」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二二三

4

内

田=「ヂフテリ

ア」ノ年齢

分布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二二四

第 一圖 「ヂフテ リア」患者 ノ年齢分布

東京府1926-1931

第二 圖 「ヂフテ リア」患者 ノ年 齢分布

東京 府1926-1931

シ

テ

「グ

ラ

フ」ニ書

イ

タ

モ

ソガ第

一圖

デ

ア

ル。

之

チ對數

「グ

ラ

フ」ニ示

シタ

モ

ノガ第

二圖

デ

ア

ル。

昭

和

元年

(一九

二

六年

)ヨリ

昭

和

十年

く二

九

三

五

年

)ニ至

ル年

齢

分布

チ比較

シ

テ見

ルト、其

曲線

ガ類

似

シテ居

ル

(第

三圖)。

叉

一歳

ヨリ十

五歳

頃

迄

ノ部

分

ガ

甚

ダ規

則

正

シイ形

チ示

レテ居

ル。

印

チ、

何

レノ年

ニ就

イ

テ見

ル

モ、

大

體

數

へ年

三

歳

乃

至

四歳

ニ於

テ最

高

點

ニ達

シ、以後

下

降

シ

テ居

ル。

而

シテ興

味

ア

ル

コト

ハ

對

數

「グ

ラ

フ」ニ表

ハシ

タ場

合、

此

下降

部

分

ガ略

ゝ直

線

トナ

ルコ

トデ

ア

ル。併

シ、二

十歳

頃

ヨリ

ハ此直

線

ニ

一致

シナ

ク

ナ

ル。

第

二表

ハ余

ガ

東

京

市

内

ノ髓

役

所

ニ保

管

セラ

レタ傳

染

病患

者

皇

帳

ニヨツ

テ得

タ

ル「ヂ

フ

テ

リ

ア」罹

患

者

ノ年

齢

分布

デ

ア

ル。

之

チ對

數

「グ

ラ

フ」ニ表

ハ

シタ

モ

ノガ第

四

圖デ

ア

ル。

二

十歳

頃

ヨリ其

レ以

前

ノ宜線

ニ

一致

シ

ナク

ナ

ル

コトガ

認

メ

ラ

レ

ルデ

アラ

ウ。

五歳

區

問

ニ

ヨ

ル

東

京

市

ノ

統

計

ニヨ

ツ

テ

モ同

様

ノ

コト

ガ見

ラ

レ

ル(第

八圖)。

一方

、

諸

病

院

ヨリ報

告

セ

ラ

レタ

ル満

年

齢

ニヨ

ル年齢

階

級

別

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」罹

患

者數

ヲ示

セ

6

第三 圖 「ヂ フテ リア」患 者 ノ年 齢 分 布

東 京 府1926-1935

(註:年 々 ノ實 數 ニ1.5ヲ 乗

ジテ曲 線 ヲ下 ヨ リ上 ニ移 動)

バ

第

三表

ノ如

クデ

ア

ル。之

チ對數

「グ

ラ

フ」ニ表

ハ

シタ

モ

ノガ第

五圖

デ

ア

ルガ満

二-

三歳

。テ最

高

ニ達

騰

、

豫

想

ノ如

ク數

へ年

ノ場

合

二比

シ此

點

ノ位

置

チ

多

少

異

ニス

ルガ、

大

體

ニ於

テ同

様

ノ曲線

チ

ナ

ス。

次

二死

亡

統

計

チ示

セバ第

四

表

ノ如

クデ

ア

ル。

明

治

三

十

二

年

(一八

九九

年

)ヨ

リ

昭

和

十年

(一九

三五

年)ニ至

ル年

齢

分布

チ對

數

「グ

ラ

フ」ニ

表

ハ

シタ

モ

ノガ第

六

圖

デ

ア

ル。

此

場

合

モ亦,

曲

線

ハ類

似

シ且

零

歳

ヨリ

十

五歳

頃

迄

ノ部

分

ガ視

則正

シ

イ形

チ示

シ

テ居

ル。

即

チ、大

體

満

一ー

二歳

ニ於

テ最

高

ト

ナ

リ、

以後

直

線

的

ニ下降

シテ居

ル。

二

十歳

頃

ヨリ此

直

線

二

一致

シ

ナ

ク

ナ

ル

コト

ハ罹

患者

ノ場

合

ト同

様

デ

ア

ル

。

從

來

、

年

齢

ト共

ニ致命

率

ノ減

少

ス

ル

コト

ハ

一般

ノ認

ム

ル所

。テ

ァ

ル。

從

ッ

テ

死

亡者

ノ

年

齢

分

布

ハ罹

患

者

ノ其

レト異

ナ

ル筈

デ

ア

ル。

事

實

死

亡

者

年

齢

分布

ノ曲

線

チ見

レバ罹

患

者

ノ場

合

ニ比

シ、

年齢

ト共

ニ急

速

ニ下

降

シテ居

ル

コトガ

明

カデ

ア

ル。

更

ニ、

從

來

多

ク

ノ學

者

ニヨリ罹

患者

ノ年

齢

分布

ト略

支平

行

ス

ルト考

ヘラ

ソタ「シ

呉列陽

性

率

年

齢

的變

化

ノ曲線

ニ就

イ

テ

観

察

ス

ル必

要

ガ

ア

ル。第

五

表

ハ特

別

衛

生

地

隨

(京

橋

區

)ニ於

テ得

ラ

レタ

ル成績

デ

ア

ル。

第

六表

ハ

飯

村氏

ガ

全國

ノ成

績

チ集

メ

テ得

タ

ル

モ

ノデ

ア

ル。

第

七

表

ハ

Zingher

ノ検

査

ノ結果

デ

ア

ル。

是

等

チ對

數

「グ

ラ

フ」

ニ示

シタ

モ

ノガ

第

七

圖

デ

ア

ル。

此

曲線

モ

亦

規則

正

シイ

形

チ示

シテ居

ル。

満

一年

頃

ニ陽

性

率

ハ最

モ高

ク

ナリ、

以

後

漸

次

低

ク

ナ

ル。然

モ罹

患

者

、

死

亡

者

ノ年

齢

分布

ト同

様

、此

場

合

モ陽性

率

ノ低

下

ハ略

て直

線

的

デ

ア

ル。

但

シ、其

勾

配

ハ罹

患

者

ノ年齢

分布

ノ場合

ニ比

シテ緩

カデ

ァ

ル。

内

田=「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二二五

6

内田

=「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統

計學的

研究

一二

二

六

第四圖

「チフテ

リア」患者

ノ年齢分布

(東京市

ノ一部)

シ

ック陽性率曲線ト罹患者年齢分布竝

ニ死亡者年齢分布曲線

ラ比較

スレバ第八圖ノ如クデアル。三者ノ比較

チナス場合

ニハ同年代、

同

一地

區

ニ於

ケ

ル

モ

ノガ

ヨイ。

第

八

圖

ニ示

シテ

ア

ルノ

ハ、

昭

和

十年

東

京

市

ノ一部

(

京

橋

區

)ニテ得

タ

シ

ック陽

性

率

曲

線

ト

昭

和

九年

ヨリ

昭

和

十

一年

迄

ノ三

ヶ年間

ノ東

京

市

ノ「ヂ

フ

テリ

ア」罹患

竝

ニ死

亡

者

年

齢

分布(第

八

表)デ

ア

ル。

但

シ、

十

一歳

ヨリ

二十

歳

迄

ノ

シ

ック陽

性

率

ハ余

ノ得タル成績ガナイノデ、飯村氏

ノ統計、竝

ニ北濱氏等

ノ成績

(第十囘

日本聯合衛生學會發表)チ合計

シテ算出セルモノチ用ヒ

7

第五 圖 「ヂフテ リァ」患者 ノ年齢分布

(病院統計)

タガ大體

ニ於テ誤リガナイト

思フ。尚、

シック陽性率曲線

ト罹患者年齢分布曲線

チ比

較

ス

ル場

合

、考

慮

ス可

キ

コト

ハ、

若

シ年

齢

ト共

ニ人

口

ノ減

少

ス

ルコ

トガ著

明

デ

ア

レバ

、

両曲

線

ガ平

行

ス可

キ場合

モ平

行

シナ

ク

ナ

ルト云

フ

コトデ

ア

ル。

然

シ乍

ラ、

此

處

ニ取

扱

ツ

テ居

ル範

園

ノ年

齢

階

級

デ

ハ.

此

人

口

ノ變

化

ト云

フ

コト

ハ餘

り問

題

トナ

ラ

ナ

イ

(第

八圖

、

年

齢

階

級別

罹

患

率

、

及

ピ第

九

表

参

照)。

以

上"

「ヂ

フ

テ

リ

ア」罹

患

者

竝

ニ死

亡

者

ノ年齢

分布

及

ビ、

シ

ヅク陽

性

牽

ノ

年

齢

的

變

化

ノ曲線

チ觀

察

ス

ル

コト

ニ

ヨッ

テ曲線

ノ相

違

ス

ル點

テ明

カ

ニシ

得

タ

ト同

時

ニ、

三者

ガ何

レモ規則

的

ナ

且、

類

似

ノ性質

チ有

ス

ル

コ

トガ認

メ

ラ

レタ。

其

處

デ

先

ヅ

、

是等

ノ曲

線

チ數

式

チ以

テ精

密

二表

ハサ

ント企

テ

タ。

第 六 圖 「ヂ フ テ リア」死 亡 者 ノ年 齢 分 布

全 國1899-1935

(註 ・・年 々 ノ實 數 ニ1.5ヲ 乗 ジテ曲 線 ヲ下 ヨ リ上 ニ移 動

内

田=「ヂフ

テリア」ノ年齢分

布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二

二

七

8

内

田=「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統計學的

研究

一二二八

第七圖 ンヅ ク反應陽性拳 ノ年 齢的變化

既

ニ、傳

染

病

ノ年

齢

分布

ニ就

イ

テ

ピ

アー

ソン

函數

チ應

用

シ

タ

斑子者

モア

ル。

Goodall,Greenwood,Russellハ腸

「チ

フ

ス」

ノ

年

齢

分布

ニ此函

數

チ適

用

シタガ

、

固

ヨリ此函

數

ハ實

験

式

ト

シテ

作

ラ

レタ

モ

ノデ

ア

ツテ、

生

物

學

的

意

味

ヲ附

ス

ル釋

ニハ

ユカ

ヌ。

然

ル

ニ、

最近

,

川

上

氏

ハケ

ト

レー

ノ法

則

チ基

礎

トセ

ル年

齢

的

度

數

分布

函

數

チ考

へ、

之

チ初

婚

者年

齢

分布

ノ考

察

ニ適

用

シ

タ例

チ

示

シ

テ居

ル。

ケ

ト

レー

ノ法

則

ハ生

物

學

上

ニ於

テ、

重要

ナ

ル意

義

第八圖 ンッ ク陽性率 ノ年齢的變化 「ヂフテ リア」患者竝 ニ死亡者年 齢分布及

ビ ヂフテ リア」年齢別罹 患率

9

第九圖 「ヂフテ リア」死亡者 ノ年齢分布

全 國1926-1931

チ有

スルモノデアル。故

ニ川上氏

ノ如キ考チ以テ年齢的度數分布チ考

察

スルナラバ幾多

ノ意義アル結果ガ得ラレルノデ

ハナイカト考

ヘル。

斯カル立場

カラシテ「ヂ

フテリア」ノ年齢的度數分布

ト川上氏

ノ第二種

ノ函數トチ比較セル處、偶然

ニモ極メテヨイ

ー教チ認

メタ。第

一-五

圖、第九圖竝、第三表、第十表、第十

一表、第十二表

ハ此關係チ示

シ

テ居

ル。弦

ニ於テ、此函數ノ意味チ考察

シ、其

レニ依

ツテ本問題チ解

決

セント企テタノデアル。順序トシテ川上氏ノ年齢的度數分布函數

一

般

ニ就イテ租

ゝ詳細

ニ論ズ

ル必要

ガアルト思フ。

第

二章

川

上氏ノ年

齢

的度數

分

布

凾數

ニ就

イテ

川上氏

ハ次

ノ如キ場合ノ年齢分布

ニ就イテ考察

シタ。與

ヘラレタル

事象ガ二段

ノ機轉

ニヨツテ始メテ生起

スル。

二、第

一段

ノ機轉

ハヶトレー法則

ニ從フ。

二、

第

一段

ノ機

轉

ノ發

現

セ

ル

モ

ノ

ニ於

テ

ノ

ミ、第

二段

ノ機

轉

ガ生起

シ得

ル。

三、

第

二段

ノ機

轉

ガ

一度

起

リ

タ

ルト

キ

ハ、

同

ジ事

象

チ二

度

繰

返

サ

ナ

イ。

斯

カ

ル場

合

ガ

ア

ルト

ス

ルナ

ラバ

、其

事象

ノ年

齢

的

度

數

分布

念(ミ)

ハ次

ノ函

數

ニ

ヨツテ示

サ

レ

ル。

(1)

Noハ或

時

代

ニ於

テ第

二

段

ノ機

轉

チ起

セ

ル

モ

ノ

ノ總

數

。

想

ハ第

一段

ノ機

轉

チ起

セ

ル

モ

ノ

ノ總

數

。

但

シ、

No及

ビ

N

ハ數

十年

間

恒

數

ナ

リ

ト認

メ

ル。

内田=

「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統

計學的

研究

一二二九

10

内田

=「ヂフデリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二三○

第十圖 年齢的度數分布函數(川上)ノ圖解

積分内ノ第

一因子、

ハt年

前

、

(x-

t)歳

ニテ、

第

一段

ノ機

轉

チ

起

セ

ル

モ

ノノ總

數

デ

ア

ル

。第

三因

子

ハ成

熟

後

、t時

間

後

ニ

於

テ、

即

チ、

現

在

x歳

ニテ第

二段

ノ機

轉

チ起

サ

ズ

ニ生

残

セ

ルモ

ノ

ノ割

合

デ

ア

ル。

第

二因

子

、

息(a)ハ現

在

x歳

ニテ第

二段

ノ機

轉

チ起

ス

モノ

ノ

割

合

デ

ア

ル。

故

ニ以

上

ノ

三

因

子

ノ積

ハt年

前

、

(8-

t)歳

ニテ第

一段

ノ機

轉

チ起

シ、

現

在

、

瓢歳

ニテ

生

残

リ、

且、

第

二段

ノ

機

轉

チ起

サザ

リ

シ

モノガ

x歳

ニテ第

二段

ノ機

轉

チ起

ス

モ

ノ

ノ度

數

デ

ア

ル。

今

t

チ

o

ヨ

リ

x

マデ

變

エテ積

分

ス

レバ

現

在

x歳

ニテ第

二段

ノ機

轉

チ起

ス

モ

ノ全部

ノ度

數

ガ出

ル。

實

際

ニハ

φ(τ)

ガ殆

ンド恒

數

デ

且

、q(τ)

チ無

視出

來

ル場

合

モア

ル。

此

時

ハ、

(II)

ノ如

ク簡

單

ナ式

ト

ナ

ル。

此

函

數

チ假

リ

ニ指

數

的

確

率

積

分

ト名

附

ケ

ヤウ。

以

上

ノ説

明

ハ第

十圖

ノ圖

解

ニヨツ

テ

一層

明瞭

二理

解

セ

ラ

レル。

(II

)式

ハ次

ノ如

ク變

形

サ

レ

ル。

(III)

笠

第十一圖 φ(x)=恒 激 ナル 揚合誕歳 二於 ケノγ

罹 患者数 ハ蔭 付クタル 面積 二比例

シ、 且、xガ 大 トナル トキハ其面

積 ガ指数 函籔的 二減少 スル コ トヲ

示ス。

(III)

式

ニ於

テ

積

分

ノ値

ハx

>M

+

3σ

ナ

ル

ト

キ

殆

ド、

恒數

ト

ナ

ル

カ

ラN。φ(龍)=Ae-Kxナ

ル形

トナ

ル。

此

關

係

ハ第

十

一圖

ヲ見

レバ明

カデ

ア

ル。

指

数

的確

率

積

分

ト實

際

ノ度

數

分布

ト

ノ比較

。

以

上

ノ如

キ假

定

ノ下

二生起

ス

ル生物

現

象

ガ

ア

リ

ヤ否

ヤ。

川

上

氏

ハ最

初

、

婦

人

初

婚

年

齢度

數

分

布

ガ

此

函

藪三

一致

不

ル

コト

ヲ見

タ。

此

一致

二對

シ、

次

ノ如

キ説

明

ガ與

ヘラ

レル。

一、

成

熟

セ

ル婦

人

ノ

と結

婚

ス

ル

(成

熟

ガ第

一段

ノ機轉)。

二

、女

子

成

熟

ノ年

齢

分布

ハ正

規

分布

ノ法

則

(ケ

ト

レー法

則

)

ニ從

フ。

三、

成

熟

セ

ル後

、

t時

間

二於

ケ

ル結婚

(第

二段

ノ機轉

)

ノ機

會

(chance)

ハ

φ(t)デ

ア

ル。

但

シ、

φ(t)=K.

ナ

ル場

合

モ考

ヘラ

レル。

成

熟

セズ

シテ結

婚

ス

ル

モノ

モ多

數

ア

ルガ

、

多

數

者

ノ平

均

ト

シテ、假

定

一

ハ必

ズシモ不合理デナイ。成熟

ノ年齢分布ガ正規分布

ノ法則

二從フト云フ假定

ニ就

イテハ、月経初潮

ノ年齢分布ガ該法則

二從

フコトヲ思

ヒ

合

ハセレバ納得出來

ル。

指數的確率積分曲線ノ形。

既

ニ圖示

セル如ク、正

ノ非對稱度數分布曲線デアル。特

ニ興味

アルコトハ之ヲ對數「グラフ」ニ畫クト左側ガ拠物線

二類似シ、右側ガ

直線トナル。後

ノ事實

ハx>M+

3σ

ニ於テA

e-Kxトナルコトニヨツテ容易

二理解出來

ル。左側ガ拠物線ト類似スル事實

ハ次

ノ如

ク説明

セラレル。

先

ヅ

(III

)式

ノ兩邊

ヲ

e-Kxヲ以

テ割

ルト、

即

チe-Kx

ト

N。φ(x)ト

ノ比

ハ

ート確

率

積

分

ト

ノ比

二等

シク、

從

ッ

テ、x

ナ

ル時

點

ニ於

テe-KxトN。φ

(x)

ト

ノ

對

數

「グ

ラ

フ」

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統

計學的研究

一二三

一

12

第十二圖 指籔的確率積分ヲ圖示スノレ方法

丙

田H「ヂフ

テリ

ァ」ノ年齢分布

二關

スル籔理統

計學的研究

一二三

二

上

二於

ケ

ル距

離

ヲ

轟

ト

ス

レ沁

、

一ヨリ

翫

ノ距

離

ニア

ル點

ハ

確

率積

分

二等

シ

ク、

從

ツ

テ斯

ク

シテ得

タ

ル曲

線

ハ確

率積

分

ヲ對

藪

「グ

ラ

フ」上

二垂

キ

タ

ル

モ

ノデ

ァ

ル。抛

物

線

二類

似

ス

ル

ノ

ハ其

爲

デ

ア

ル。

第

十

二圖

ハ此

關係

ヲ示

シテ居

ル。

此

原

理

二從

ヘバ、

與

ヘラ

レタ

ルM、

σ、

K

ヲ有

ス

ル指

藪

的

確

卒

積

分

ノ函

數

ハ

容

易

二對

藪

「グ

ラ

フ」上

二蚕

ク

コ

トガ出

來

ル。

先ヅ

、

M、

σヲ有

ス

ル確

率

積

分

ヲ

對

数

「グ

ラ

フ」上

ニ叢

ク、

一ヨリ

ノ

距

離

ヲ

翫

ト

ス

ル。

次

二

『

昏

ナ

ル直線

ヲ引

キ各

點

ヨリ

轟ナ

ル距

離

ノ點

ヲ取

リ連

ネ

レバ

、

求

ム

ル

曲

線

ガ得

ラ

レル。

逆

二與

ヘラ

レタ

ル・度一歎分布

ヨリM、

σ、

K

ノ近

似

値

ヲ求

メ

ル

コト

モ容

易

デ

ア

ル。

先

ヅ

與

ヘラ

レタ

ル度

敷

分布

ヲ對

數

「グ

ラ

フ」上

二取

リ、

右

側

ガ直

線ニ一

致

ス

ルト見

做

シ、e-KxノK

ヲ定

メ

ル。

次

ニ此直

線

ト

ノ距

離

、

協

ヲ計

ル。

之

ヲ

一ヨ

リ引

キテ書

キ

タ

ル曲線

ヲ確

率

積

分

ト見

倣

シ、

之

二最

モ良

ク適

合

ス

ルM

ト

σト

ヲ

求

メ

ル。

第

三章

「ヂ7

テリア」年

齢

分布ノ

理論

的考察

第

一節

川

上

氏

ノ函歎

ノ適

用

セラ

ル可

キ事象

ト

シテ

ノ「ヂ

フテリ

ァ」年齢

分布

叙上

ノ如ク、「ヂ

フテリァ」ノ年齢的度藪分布ガ零歳乃至九歳ノ問

二於テ、皿上氏

ノ第二種函藪

二精密

一二

致セルコトヲ以テ、次ノ如

キ解繹ガ成

リ立ツ。

「ヂ

フテリァ」二罹患

スルタメニハ、

一、罹患可能

ニナルコト(第

一段

ノ機轄)

二、罹患可能

ニナツタモノガ病源

二接燭スルコト(第二段

ノ機轉)トガ必要デアル。

且、三

、

一度羅患

スレバ発疫ガ得

ラレ卿。勘チ、繰返サザルヤウ

孤ナル。

13

而

シテ、

四

、

接

燭

ノ機會

ハ年

齢

二關

係

ナ

ク

一定

ト考

ヘラ

レルひ

即

チ、

此

塵

二解

繹

セラ

レタ所

ハ、從

來

、

多

ク

ノ學

者

ニヨリ、

抗

毒素

保

有

率

ノ

年齢

的攣

化

二就

イ

テ熱

心

二唱

導

セ

ラ

レタ侵

染

説

(Uur-

chseuchungstheorie)ト全

ク類

似

ス

ルモ

ノデ

ア

ツ

テ、乳

兒

期

ノ罹

患

ガ尠

ク、満

ニー

三歳

二最

モ多

ク、

ソ

レ

ヨリ

年

齢

ノ増

加

ト共

二減

少

ス

ル事

實

ハ全

ク小

見

ノ

一般

的

ナ成

熟

二基

ク

モ

ノデ

ハナ

ク、

免疫

ノ消

長

二聾

セ

ラ

ル可

ク、

罹患

ニヨツ

テ冤

疫

ノ状

態

ト

ナリ、ソ

ノ爲

二年

齢

ノ

増

加

ト共

ユ罹

患

可能

ノ人

間

ガ減

少

シ、從

ッ

テ罹

患

者

ノ減

少

ヲ來

スト解

ス

ル

コトガ

出

來

ルノデ

ア

ル。

但

シ本

研

究ニ

ヨッ

テ得

タ

ル結

果

ハ從

來

、

正

常抗

毒

素

ノ出

現

二就

イ

テ

ノ侵

染

説

ヲ基

ニシ

テ考

ヘラ

レタ年

齢

分布

ノ解

繹

ト

モ根

本

ノ問

題

二於

テ相

違

ス

ル所

ガ

ア

ル(素

質

ヲ強調

ス

)。茲

デ先ヅ從來

ノ諸研究、諸學説

ヲ瞥見

シ、批判

シツ

、以上

ノ解繹

二就

イテ考察

シテ見タイト思フ。

第一

項

罹

患

可

能

ニナ

ルコ

ト

罹

患

可能

ニナ

ルト

ハ如

何

ナ

ルコ

トデ

ア

ルカ。

ソ

レ

ニ

ハ初

生見

ガ罹患

不

能

ナ

ル所

以

ヲ考

察

セネ

バ

ナ

ラ

ナ

イ

。一般

學

者

ノ信

ズ

ル所

ニヨ

レ

バ初

生児

ハ母

ヨリ冤疫

物質

ヲ受

ヶ、

生後

一定期

間

之

ヲ

保

持

ス

ル。

此

期間

ニァ

ル乳

児

ガ其

爲

二罹

患

不

能

デ

ア

ルト云

フ

コト

ハ異論

ノ無

イ

處

デ

ア

ル。

然

シ乍

ラ、

乳

見

期

二罹

患

ガ尠

ク、

満

二

ー

三

歳

デ

始

メ

テ最高

二達

ス

ルト云

フ

コト

ニ就

イ

テ從

來

多

ク

ノ學

者

二依

ツ

テ、免

疫

以

外

ノ要

約

ガ

重

要

視

セ

ラ

レ

タ。

例

ヘバ

Schurer. Rominger

等

ハ咽

頭淋

巴

環

ノ

發

育

不

完

全

ナ

ル

コト、感

染

ノ機

會

ガ尠

イ

コ

ト

ヲ、

又

Ssacharoffハ淋

巴

腺

ノ特

異

構

造

、

白

血球

多

キ

コト、

扁

桃

腺

ノ未

發

達

、菌

産

生

物

質

二對

ス

ル不感

性

、

「オプ

ソ

ニ

ン」含

量

多

キ

コ

ト、及

ビ

感

染

ノ機

會

ノ尠

イ

コ

ト

ヲ、Trumppハ乳見

ノ唾

液

ノ酸

性

ナ

ル點

ヲ、

又

二木

氏

ハ

乳兒

ガ自

然

的

體質

ヲ保

有

シ乍

ラ、

然

モ後

天

的

ノ體

質

分

化

ガ

未

ダ

明瞭

二開

展

セ

ラ

レザ

ル點

ヲ、Doull, F

ales, Aycock等

ハ感

染

ノ機

會

ノ尠

イ

コト

ヲ夫

々指摘

シ

テ上記

ノ原

因

ト考

ヘタ

ノデ

ア

ル

ガ

、

何故

斯

カ

ル冤

疫

以

外

ノ諸

要

約

ヲ考慮

ス

ル必

要

ガ

ア

ツ

タ

ノデ

ア

ラウ

カ。

其

レ

ハ圭

二、

從

來

、初

生見

ノ多

クガ有

シ

テ居

ル母

ヨリ

ノ発

疫

ガ

比較

的短

時

日

ノ間

二消

失

ス

ルト見

倣

サ

レ、從

ツ

テ親

ヨリ

ノ免疫

體

移行

ノと

二因

ツ

テ

ハ乳

兒

期

二罹

患

ノ尠

イ

コト

ヲ詮

明

シ得

ナ

イ

ト思

ハ

レタ

カ

ラデ

ア

ル。

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的

研究

一二三三

14

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

二關

スル数理統

計學的研究

一二三四

乳兒

ノ血液中抗毒素

二關

スル諸家

ノ研究。乳兒

ノ血液中

ノ抗毒素

ハ唐澤竝S

chick兩茂

ニョツテ初

メテ

測定

セラ

レタ(一九

一〇)。

氏等

ノ研究

ニョ

レバ、

五人

ノ乳兒

中

一例

ノミ、然

モ少量

ノ

抗毒素

ヲ

保有

シ、

抗毒素

ヲ保有

セザ

ル四例中

一例

ハ僅

二生後

六週

ノ乳見

デアツタカラ初生見

(十

一例總

テ

保有)ノ抗毒素

ハ六週後

二既

二消失

スル者

ガアル

コト

ニナル。併

シ、

一例

ハ○・〇七五軍位1

0・一五軍位

ノ

抗毒素

ヲ入

ケ月目

二於

テ保有

シテ居

ダ。爾

此研究

デ

ハ血清一

蛯中

○・〇

三輩位以上

ノ抗毒素

ヲ有

スル

モノヲ抗毒素

保有者ト

シタ。

其後、

v. Groer竝

Kasowitz

ノ研究

ニョッテ

抗毒素保有傘

ノ年齢的攣化

ガ

】層明瞭

トナツタ。此

研究

ニョレバ、被

檢者數、抗毒素保有者

ノ撒並

二總

數

二對

スル百分卒

ハ夫

々

初生見

一四三例中

一二〇例

(八四・

○%)、零歳乃至

三ケ月

ノ乳見、五七例中四

一例(七

一・九%)、

三ケ月

乃至六ケ月

ノ乳見、

三〇例中

一七例

(五

六・六%)、六ケ月乃

至九ケ月

ノ乳見、三

二例中

一四例

(四〇・六%)九ケ月乃至十七ケ月

ノ小見、

六入例中

二二例

(三

二・三%)、

一年半乃至二年半

ノ小見

五四例中

】七例

(三

一・四%)、

ご年半

乃

至三年半

ノ小見、

五〇例中

一四例(二八・○%)以下略

トナ

ッテ居

ル。

又最近、

眞柄竝

二小豆

畑兩氏

ニョリ同

一人

ニ就イテ

乳兒期

ノ血液中抗毒素

量ガ

測定

セラ

レタガ此

研究

ニョレバ生後入日乃

至十

日

ニシテ血液中

ノ抗毒素量

ガ出生時

ノ半分

二減少

セルモノアリテ、被檢見

ノ三四・二%

二當

リ、

其

他

ノ

モノ

ニ於

テ

モ總

テ、明

カ

ニ減少

スル

コトガ認

メラ

レタ。更

二引續

キ長時

二亙

ツテ駿シ

タル例ヲ見

ル

二、出

生時○

・○

八單位

ヲ有

セシ

乳見

一例

ハ生後約

二ク月

ニシテ○・〇

二軍位

二減

少

シ、

○・一六軍位

ヲ

有ゼ

シ

モノ一例

ハ

生後約.三ケ月

デ同ジク○

・○

ご輩位

マデ

低下

シ、○・三二單位ヲ有

セ

シモノ

一例

ハ生後

ニケ月乃至三

ケ月

ニジテ○・〇四軍位

二減少

シ、七

ケ月目

ニハ○

。○〇

五輩位

スラ

認

メラ

レナクナ

ツタ。此研究

二於テ

初

生見

ノ

正常抗毒素量

ハ

最

高二・五軍位

ニシテ、○・三一一軍位

以上

ナルモノ四

二例、

約○・〇二軍位乃至

○・三一一軍

位

ノモ

ノ

三三例、

約

○・○〇五乃至○・○二軍

位

ノモノ七例、

○

・○〇

五軍位以下

ナルモ之

二近キ

モノ三例、○・○〇

五軍位以下

ニジテ全然

抗毒素

ヲ缺除

スル

ト

見

ルペキモノ

一入例

デア

ル。

氏等

ハ血清

一竓中五十

分

ノ

一軍位以上

ノ抗毒素ヲ有

ス〃

モノヲ以

テ「ヂフ

テリァ」二免疫

ナリト考

へ、乳見

ノ血液中

ノ

抗毒素

ハ

生後

比較

的速

ご滅少

シ、

生後

七ケ月

二達

ス

レ

バ殆

ド總

テノ乳見

ガ免疫ヲ有

セザ

ル

ニ至

ルト考

ヘタ。

即

チ

以

上

ノ諸

研

究

ヲ見

レバ

、母

親

ヨリ得

タ

ル発疫

ハ大

體

生後

一ヶ年

以

内

二清

失

ス

ルト考

ヘラ

レ

ルデ

ア

ラ

ウ。

併

シ、

「ヂ

フ

テリ

ア」

ニ

對

シ

テ晃疫

ナ

リ

ト從

來

考

ヘラ

ソタ十

分

ノ

一軍

位

乃

至

百分

ノ

一輩位

ノ閾

債

(Schwelle

)ガ果

シ

テ適

當

ナ

ル

モ

ノデ

ア

ルカ否

カ

ト云

フ

コト

ハ

大

ニ考

慮

ヲ要

ス

ル。

罹患閾

ノ問題

Bieber

ハ動物實験

カラ、血清

一蛭中

二十分

ノ

一軍位以

上

ノ抗毒素

ヲ保有

セル場合

ヲ免疫

ト考

ヘタガ、三〇〇分

ノ

一單位

デモ尚

罹患

亀シメタル場合緩

慢ナ

ル輕過

ヲ取

ッタト述

べテ居リ、又

K-einschmidt竝

ニViereck二十分

ノ

一單位以上

ノ場合

ヲ免疫

ト

シタガ、其

レハ濃

厚ナル感染

二

15

對

シテ防禦

シ得

ル程度

ノモノデアリ、感

染

ノ機會

ニ遭遇

シ乍

ラ、

二十分

ノ

一軍位以下

ノ抗毒素ヲ

有

メル小見

モ罹患

シナカツタト云フ

(此場合

ハ素質

ノ關係

カ

モ知

レヌ)。Dudley

ハ○・〇四輩位ヲ有

スル小見

ガ

一ケ月後輕

ク罹患

シ、

○・二軍

位

ノ抗毒素

ヲ

有

スル

者

ガ一一ケ月後輕

〃罹

患

シタニ事

例ヲ得

タ。又

Leach u

nd Poch

ハ○・○〇

二五輩位

ノ抗毒素

ヲ有

シタ小見

ガ九ケ月後

二罹

患

シタ例、○・○

〇五四軍位

ヲ有

シタ

小見

ガ五

ケ月後

二罹

患

シタ例

ヲ経験

シ

タ。又横

井氏

ガ成人

(二十

二十

三歳)ノ「ヂフ

テリ

ア」患者

二就

イテ

其血清中抗毒素

量ヲ血清

注射施行前

二檢

シタ所、患者十

九人中十五人

ハ

百分

ノ

一軍位以下

ニシテ五十分

ノ

一-百分

ノ

一軍位

ノモノ、

五十分

ノ

一軍位

ノ

モノ、

十分

ノ

一乃至

一輩位

ノモノ、

一乃至二軍位

ノ

モノガ各

】名

ヅ

、

デアツタ。

從來百分

ノ

一乃至十分

ノ一軍位ヲ以テ、罹患閾

トジタノ

ハ、動物實験蛇

二少籔

ノ人體

二就

イテノ

経験

カラ生

レタ推測

デアリ、

特

二強力

ナル菌

ノ濃

厚ナル感染

二對

スル免疫ヲ目標

二置イ

タモノデアツテ、本

研究

二於

テ取扱

ハソル程度、即

チ平均

ノ毒力

ト濃度

トヲ

持

ツタ感染

二對

シ之ヲ防禦

ジ得

ル

ニ足

ル免疫

ノ程度

ト

ハ趣

ヲ異

ニスルモノト思

フ。

叙

上

ノ如

ク初

生見

ノ有

ス

ル発

疫

ガ

持

續

ス

ル期

間

ハ、

如

何

ナ

ル状態

迄

ヲ冤

疫

ト考

ヘルカ、即

チ、罹

患

二對

ス

ル閾

債

ヲ何

塵

二置

ク

カ

ニ依

ツ

テ甚

シ

ク異

ル。

此

問

題

ハ母體

ヨリ

ノ冤

疫

移行

ガ軍

二抗

毒

素

ノ

と

ノ問

題デ

ア

ルカ否

力、「ヂ

フ

テ

リ

ア」患

者

ガ嘗

テ乳見

期

二母

ヨリ得

タ

ル

発疫

ヲ如何

二保持

シ

テ居

タカ、叉其

罹患

ス

ル以前

如

何

ナ

ル程

度

ノ免

疫状

態

ニアツ

タ

カ

ト云

フ

.トガ

多数

ノ材

料

二就

イテ檢

討

セ

ラ

レテ始

メ

テ解

決

ス

ル

モノデ

ア

ル。ソ

レ故

、從

來

母

ヨリ

ノ発

疫

ガ早

ク失

バ

レ

ル

コト、從

ッ

テ乳見

期

二「ヂ

フ

テ

リ

ァ」ノ尠

イ原

因

ト

シテ特

殊

冤

疫

以

外

ノ諸

要

約

ヲ考

ヘネバ

ナ

ラ

ナ

イ

ト云

フ理由

ハ爾

薄

弱

デ

ア

ル。

寧

ロ、母

ヨリ得

タ

ル発

疫

ガ

一定

期

間

保

持

サ

レ

ルト云

フ明

カ

ナ點

二乳

見

期

二

「ヂ

フテ

リ

ァ」ノ尠

イ最

大

ノ原

因

ヲ求

メ

ル方

ガ現

在

ノ塵

デ

ハ要

當

デ

ア

ルヤ

ウ

ニ思

フ。

然

モ冤

疫

ヲ失

フ

コト

ニ

ハ個

體

ニ

ヨ

ツテ

遅

速

ガ

ア

リ

ソ

ノ時

期

ノ度

麟坦分

布

ガ

ケ

ト

ソー

ノ法

則

二從

フ

ト假

定

ス

ル

コ

ト

モ亦

極

メテ示女當

デ

ア

ル。

即

チ、第

一段

ノ機

轄

、

「罹

患

可

能

ニナ

ル

コト」ハ先

ヅ

母

體

カ

ラ得

タ発

疫

ノ喪

失

ト解

繹

シ

テ

ヨ

イ

ト思

フ。

緋弟二項

団椎患

可化肥

ニナ

ツタ

モ

ノガ

病

源

二接

加胸

ス

ル

コト

菌

ト

ノ接觸

、

罹

患

、

免

疫

ト云

フ

コ

トデ

年

齢

分布

ヲ説

明

ス

ル爲

ニ

ハ、

「ヂ

フ

テリ

ア」

菌

ガ普

遍

的

二存

在

シ、多

ク

ノ感

染

ノ機

會

ノ、ア

ル

コ

ト

ガ

必要

デ

ア

ルガ、

從

來

「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

ノ普

遍

的

存

在

ハ正

常

抗

毒素

出

現

二就

イ

テ

ノ侵染

説

ノ根

據

ト

シテ研

究

セ

ラ

レテ來

タ

(Dudley,

Degkwitz, de Rudder,Frost,Friedemann)。

弦

二「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

ノ普

遍

的

存

在

(Ubiquita

t)ト

ハ如

何

ナ

ル

コト

ヲ意

味

ス

ルカ

ト云

フ

内

田=

「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的研究

一二三五

16

内

田陸「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

二關

スル数理統計學的研究

一二三

六

ト「「ヂ

フテ

リ

ァ」菌

ガ或

程

度

二散

在

シ

テ

居

ツ

テ、

年

齢

ノ増

加

ト共

二抗

毒

素

保

有

率

ノ著

明

二増

加

ス

ル

コトガ

「ヂ

フ

テリ

ァ」菌

ノ感

染

ニ

ヨ

ツ

テ説

明

シ得

ラ

レ

ル」トイ

フ

コトデ

ア

ル。

「ヂフテリ

ァ」菌

ノ飽日遍的存在

二就イ

テノ諸

家

ノ研究。Frost ハ Hartley and Martin及

ビ

Weaverノ菌保有期間

二關

スル調査ヲ基

トシテ、住民中或

瞬間

二見出サ

レタ保菌者

ノ約三分

ノごガ其

レ以前

一ケ月以内

二保菌

者トナ

ツタモノデアルトノ計算

ヲ行

ツタ。更

ニ

一定期間

中

ノ保菌

者トナル率

ト患者

發生

ノ卒トヲ比較

ジテ、

五歳

乃至十四歳

デ

ハ約其比

ガ四

七對

一トナリ、之

ヲ以

テ考

ヘレバ、約人ロ

ノ七五%ガ少

ク

モ

五年

二一同、九五%

ハ十年

二

一同

九九%以上ガ十

五年間

二一同、感染

ノ機會

二遭遇

スル

コト

ニナリ、平均

一人

ニツキ十年問

二一一同半

ノ感

染

ノ機會

ガアル筈

ニナルト云

フ。又Friedemann

ハ次

ノ式

ニヨツテ

一年問

二人ロ

ノ約三分

一ガ保菌

者

ニナ

ルコトヲ示ジタ。

但

シ、

a=人口. p=保菌者率≒

1. t=平均保菌期間≒

10

此計算

カラ同氏

ハ患者

ノ九七.六%迄

ガ保菌者

ヨリノ感染

ニヨルモノト考

ヘタ。

此庭

二假定

シタ平均保菌期間

ノ

十日

ハ稍

々短

イヤウデアルガ、保菌傘

一%

ハ

Pieper

ニヨッテ「ヂ

フテリァ」菌

ガ善遍的

二存在

スル

コトノ反詮

ト

シテ示サ

レタ撒値

デアル。

更

二此問題

二關

スル仁

平茂

ノ詳細

ナル研究

ハ保菌者攣蓬

ノ有様

ヲ

】暦明

カ

ニシタ

モノデアル。氏

ノ推定

ニヨレバ

流行地

二於

テハニ・八年

間

ニ一同以

上、非

流行地

二於

テ

モ五年

二一同門總

ベテノ者ガ保菌

者トナル

コト

ニナル。

一方Ginsハ

Handbuch pathog.Mikroorg.中

ニRiemsdijkノ得

タル成績即チ、患者家族

、看護

二從事

スル

モノ、

患家

ノ同居

人、患

者ノ發生

シタ

學級

中臨脈的

二鼻咽喉疾患

ヲ有

セズ同時

二何等

力他

ノ疾患

ヲ有

ヌル者、蛇

二同級中

ノ健康

者

二於

テ夫

々、

六六%、三七%、二三%、一四%、七%ト云フ舌同

傘

二保菌者ヲ見出

シタノ

ニ對

シ、

入年乃至十年來

「ヂフテリア」患者

ノ發

生ナキ村

ノ住民デ

ハ

】例

ノ保菌者

ヲモ

見出サ

ナカツタト云フ事實

ヲ引用

シテ、

眞

ノ「ヂフテリァ」菌

ハ善遍

的

二存在

セズ

ト述

ベテ居

ルガ、善遍的

ト云フ意味

ガ既述

ノ如

ク、菌

ノ存在

スル率

ガ場所的

二異

ラナイト云フ

ノデ

ハナク、相

當數

ノ傳染源ガ相當數散在

スルト云フ

コトデアルカラG

ins

ノ引用

シタ事實

ハ菌

ノ善遍的存

在

ト云フ

コト

・矛盾

スルモノデ

ハナイ。

ノミナラズ實

際、

都市

二於

テ、「ヂ

フテリ

ア」患者

ノ發生

ガ全

〃散發的

デア〃

コト

ハ吾入

ノ日常経験

スル所

デアリ、保菌期間及ビ

同

一人ガ繰返

シ保菌状態

ニナル事情

二就

イテ多少

ノ修正

ヲ要

スルトシテモFrost、Friedemann

及

ビ仁平茂等

ノ推測

ハ大體

二於

テ誤

リナイヤウ

ニ思

フ。

以

上

ノ根

據

カ

ラ「ヂ

フ

テリ

ア」菌

ノ普

遍

的

存

在

ト云

フ

コトガ認

メ

ラ

レル

ト

ス

レバ、罹

患

可

能

ニナ

ツ

タ

モノガ病

源

二接

鯛

ス

ルト云

フ第

二

17

段

ノ機

轄

ハ充

分

了解

爵來

ル。第

三項

一度

罹

患

ス

レバ免

疫

ガ

得

ラ

レ

ル。

即

チ繰

返

サ

ザ

ルヤ

ウ

ニナ

ル。

v.Behring und Kitasato

兩

氏

ガ「ヂ

フ

テリ

ァ」抗

毒

素

二就

イテ最

初

ノ研

究

ヲ發

表

シ

テ以來

、多

ク

ノ學

者

ニ

ヨリ

「ヂ

フテ

リ

ア」ノ免

疫

問

題

ガ動

物

蚊

二人

間

二就

イ

テ研

究

セ

ラ

レ、今

日、

罹

患

ニヨ

ツテ或

程度

ノ発

疫

ガ得

ラ

レル

ト云

フ

コト

ニ

ハ議

論

ノ籐

地

ガ無

イ

ガ、

「ヂ

フテ

リ

ア」ニ於

ヶ

ル罹

患

後

ノ免

疫

ト

ハ如何

ナ

ル

モノデ

ア

ル

カ、

罹

患

ニ

ヨツ

テ簸

疹

二於

ケ

ル如

キ強

イ且

永續

的

ナ発

疫

ガ得

ラ

レルデ

アラ

ウ

カ。

以

下、

「ヂ

フ

テリ

ア」罹

患

後

ノ発

疫

二就

イ

テ

ノ諸

家

ノ研

究

ヲ

瞥

見

シテ

見

ヤウ。

「ヂ

フテリ

ア」罹患後

ノ免疫

二就イ

テノ諸家

ノ研究。

流血中

ノ抗毒素

二就

イテ

Abel及ビEscherich

ガ免疫持續

ノ

短

イ

コトヲ認

メテ以來、

此方面

ノ

研究

ハ尠

クナイガ、

}概

二「ヂフテリァ」患者ト云

ッテ

モ其個

々ヲ比較

スソ

バ

此問題

二就イ

テモ極

メ

テ

多種多檬

デ

アツテJohn und Kassowitz及

ビ

Rosling等

ノ研究

ニヨリ輕症

患者デ

ハ比較的

ヨク免疫體

ガ産生

セラ

レ、且、

長ル

保持

セラ

レルガ、重症患者

デハ罹患

後

ノ

抗盤産生

ハ極

メテ不

良

デアル

コトが解

ツタ。又Jensen

ハ活動性免疫

ヲ行

ッタル後、抗毒素

ノ消長ガ大體

次

ノ方.程式

二一致

スル

コトヲ示

シタ。

但

シ

a=免疫刺戟ガ與へラレテカラ後ノ最高抗毒素

量

x=抗毒素ガ最高

(a)=達シタ時カラ

t時間=於ケル抗毒素

量

K=重ネテ刺戟ガ與へラレナイ場合=ハt及ビ

a=關係ナク、個性ニノミ關スル恒

數

上

式

ノ關

係

二於

テ氏

ハ實

際

ノ測

定

成績

カ

ラ

aガ○

・〇

六

軍位

乃

至

一入

○

軍

位、

K

ガ

○

・三

六乃

至一二

九

(年

軍

位)

二在

ル

コト

ヲ認

メ、

個

性

ノ差

ソ大

ナ

ル

コト

ヲ

示

シ

タ。

從

ッ

テ、

罹

患

後

ノ抗

毒素

ノ消

長

ト

云

フ

コト

ハ他

ノ影

響

ヲ度

外

視

シ

テ

モ極

メ

テ

複

雑

ナ

現

象

デ

ア

ルガ、

更

二、

罹

患後

ノ

免疫

ト

云

フ

コト

ニ

就

イ

テ

ハ既

二、Glenny and Sudmersen

ガ

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」二就

イ

テ

モ謹

明

セ

ル如

ク、

一度

自

ラ

免疫

物

質

ヲ産

生

セ

ル個

體

ハ流

血

中

ノ抗

體

ガ消

失

セ

ル場

合

ニ

モ、

第

二

ノ刺

戟

二對

シ、

速

二且

多

量

ノ抗體

ヲ

産

生

ス

ル能

力

ガ賦

與

セラ

レ

ル

モ

ノ

デ

ア

リ、

自然

治

癒

二際

シ

テ、

必

ズ

ジ

モ

抗

毒

素

ノ出

現

ヲ

見

ナ

イ

コト

モ

Degkwitz

,Kleins

chmidt,Rosling,Park and Zinger,Zoelch, H

amburger,Haidvogl und Siegl等

ノ

研究

ニヨ

ツテ既

二明

カ

デ

ア

リ、

即

チ罹

患

後

ノ免疫

ハ抗

毒

素

ノ

ミ

ノ問題

デ

ハナ

ク、

抗

毒素

以

外

ノ諸

要約

殊

二組

纖

細胞

ト

モ深

イ關

係

ガ

ア

ル

ト思

バ

レ

ル。

從

ッテ我

國

二於

テ

モ高

橋

氏

等

ニ

ヨリ、罹

患

後

ニモ比

較

的

高

率

ニシ

ッ

ク反鷹

陽

性

ヲ

示

ス

モ

ノ

・ア

ル事

實

ガ得

ラ

レテ居

ルガ、流

血

中

ノ抗

毒

素

量

或

ハ,沼

「

刻反

應

ノ

ミデ罹

患

後

ノ冤

疫

歌

態

ヲ到

定

シ得

ナ

イ

ト

ス

レ

内

田判

門ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

二關

スル籔理統計學的研究

一二三七

18

内

田=

「ヂ

フテリアしノ年齢分

布

二關

スル数理続

計學的

研究

一二三八

バ、高橋茂等

ノ斯

カル事實

ヲ以

テ罹患後

ノ免疫

ヲ疑

フ根據ト

ナス課

ニハユヵザイ。

罹

患

後

ノ莞

疫

二就

イ

テ

ノ研

究

ハ未

ダ

本問

題

ヲ解

決

ス

ル域

二迄

進

ンデ

居

ラ

ナ

イガ

、然

ラバ、事

實

一度

罹

患

ス

レバ再

ビ罹

患

シナ

ク

ナ

ルデ

ア

ラ

ウ

カ。

諸

家

ノ再度

罹

患

ノ總

罹

患

二對

ス

ル百分

率

ヲ示

セバ

次

ノ如

クデ

ア

ル。

六

・七

%

(Reiche)、。六

・五

%

(久

松)、

六

・○

%

(井

上

}、五

。六

%

(山

口〉、四

。九

%

(Rosling)

、

四

.二%

(Zoelch)、

二

・七

%

(多

田)、

一・五%

(井

手)、○

・〇

七%

(仁

平

)等

、是

等

ノ数

ハ如

何

二解

セラ

レ

ルデ

ア

ラ

ウ

カ。

Beiche

等

ハ之

ヲ以

テ、

罹

患後

ノ

免

疫

ヲ

疑

ガ

ヅ

タ。

成

程是

等

ノ

數

ト、

成

人

デ

嘗

テ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」二罹

患

セ

シ

モ

ノ

ノ率

約

一〇

%

(Collins.Rosling等

)

ト

ヲ比較

ス

レバ、

Reiche

等

ノ疑

モ察

セ

ラ

レルガ、

弦

二重要

ナ

ル問

題

ハ何故

二

一部

ノ

モ

ノ

ノ

とガ罹

患

ス

ルカ

ト云

フ

コトデ

ア

ル。

此

點

二就

イ

テ

ハ

後

二第

四節

デ

述

ベ

ルガ、

本研

究

ノ根

本

二

於

テ從

來

ノ

モ

ノト異

ル點

ハ素

質

ノ差

ヲ極

端

二主

張

セ

ル所

ニァ

ル。

特

別

ナ素

質

ヲ有

ス

ル人

間

ノ

・てガ

「ヂ

フ

テリ

ア」

一一罹

患

ス

ル

ト假

定

シタ

所

二在

ル。

從

ッテ再

罹

患

ハ初

罹

患

二對

シ

テ

ノ、丸比

較

セ

ラ

ル可

キ

モノ

トナ

ル。

此

考

二基

イ

テ從

來

ノ再

罹

患

ノ率

ヲ見

ルト

キ

ハ、罹

患

後

相

當

強度

ノ発疫

ガ得

ラ

レ、

大

體

二於

テ繰

返

サ

ヅ

ル

ヤウ

ニナ

ルト思

バ

レ

ルノデ

ア

ル。

何

故

ナ

ラバ

、

「ヂ

フ

テリ

ア」

患

者

ハ素

質

的

二

「ヂ

フテ

リ

ア」

菌

ノ感

染

二遭

ツ

タ場

合

、

病

的症

歌

ヲ呈

ス

ル如

キ特

別

ナ

條件

ヲ持

ッタ人

間

デ

ア

ル。

從

ッ

テ若

シ発疫

ガ成

立

シナ

イ

ト假

定

ス

レバ、再

ビ

感

染

ノ機

會

ガ來

レバ繰

返

シ罹

患

ス

ル

コト

ニナ

ル。

然

モ「ヂ

フテ

リ

ア」菌

ハ普

遍

的

二存

在

ス

ルノデ感

染

ノ機會

モ亦

多

イ。

即

チ、再

罹

患

五

%

ノ如

キ率

ハ相當

強力

ナ}免疫

ノ成

立

ナ

シ

ニハ考

ヘラ

レナ

イ

コト

ニナ

ル。

第

四

項

接

鰯

ノ機會

ハ年

齢

二關係

ナ

ク

一定

ト考

ヘラ

レ

ル。

接

鰯

ノ機

會

ガ

年齢

ニヨツ

テ異

ル

カ或

ハ

一定

デ

ア

ルカ

ト云

フ

コト

ハ、花

柳

病

ノ如

キ揚

合

ト異

リ、

「ヂ

フ

テリ

ァ」ノ如

ク菌

ガ廣

ク散

在

シ、

飛

沫

ニ

ヨツ

テ傳染

ス

ル疾

患

デ

ハ、容

易

二解

決

シ得

ナ

オ,問

題デ

ア

ル。

然

シ乍

ラ、從

來

乳見

期

ニハ感

染

ノ機

會

ガ

尠

イデ

アラ

ウ

ト云

フヤ

ウ

ナ

コトガ

漠然

ト考

ヘラ

レ、

又

或

學

者

(Seligmann)

ハ學

校

へ入學

ス

ルト急

二感

染

ノ機

會

ガ

増

加

ス

ルト云

フ

ヤウ

ナ

コ

トヲ述

べテ居

ル。

又

最

近

、A

ycock

ハ保菌

者

ノ率

ガ年

瓢師的

二里ハル

コトヲ

以

テ、接

觸

ノ機

會

ガ年

齢

ニョ

ツテ異

ル

コト

ヲ一不

ス

モノデ

ア

ル

ト

ノ音心見

ヲ發へ表

シ

テ居

ル

先ヅA

ycock

ノ考

二就

イ

テ考察

シテ

見

ヤウ。

草

間竝Doull

兩

氏

ノ患家

二於

ヶ

ル保

菌

者

檢

索

成

績

ニ

ヨ

レバ、零

歳

乃

至

九

歳

デ

ハ保

菌率

ハ

一六

・四

%

、

十

歳

乃至

十

九

歳

デ

ハ九

・四

%

、

二

十

歳以

上

デ

ハ

一〇

.○%

デ

ア

ル。

又

Doull and Fales

兩氏

ノ研

究

ニヨ

レバ

、

四

歳

乃

至

九

工9

歳デ

ハ六・○七%(有毒性菌株デ

ハ二・・六%)、+歳乃至+六歳デ

ハ四・盗

%(脊毒性菌株レ一.互

%)デ

ァル・又數

ハ少イガH

. Meyer

ニヨ

レバ保

菌

者

ハ零

歳

乃至

二歳

(四

ケ月

乃

至

六

ケ月

)二多

ク、勅

使

河原

氏

ニヨ

レバ

七歳

乃

至

八歳

二多

イ

ト云

フ。

以

上

ノ保菌

者

檢

索成

續

カ

ラ見

テ保

菌

者

トナ

ル率

ハ多

少

小児

ノ方

二多

イ

ヤウデ

ア

ル。

然

シ乍

ラ此檢

出

率

ノ

年

齢

的

差

異

ヲ認

メ

ル

ト

シ

テ

モ直

二A

ycockノ如

ク結

論

ス

ル澤

ニ

ハユカ

ナ

イ。

夫

ハ此

問

題

ガ

人間

自

體

ノ年齢

的憂

化、

邸

チ罹

患

可能

性

ノ

年

齢

的

攣

化

二準

ズ

ルモ

ノ

ト考

ヘラ

レ

ルカラデ

ア

ル。

Aycock

ハ又

患

者

竝

二其

家

族

ノ年

齢

分

布

カ

ラ接

醐

(exposure)ノ機

會

ノ年

齢

的差

異

ヲ考

ヘタ

ガ之

ハ本

末纏

頭

ノ論

デ

アリ、又第

二次

患

者

ノ

年

齢

分

布

ト患

者

拉

二其

家

族

ノ年

齢

分

布

及

ビ

保菌

率

カラ感

染

率

(attack-rate)ノ年

齢

的

差

異

ヲ認

メ

テ居

ルガ之

モ事

實

ト

シ

テ

ハヨイ

ガ、

斯

カ

ル結

論

ヲナ

ス根

據

ト

ハ考

ヘラ

レナ

イ。

然

ラ

バ、事

實

年

齢

分布

ヲ見

テ接

燭

ノ機

會

二年

齢

的差

異

ノア

ル

コト

ヲ想

像

セ

シメ

ルヤウ

ナ點

ガ

ア

ルデ

ア

ラ

ウ

カ。

我

國

ノ材

料

二就

イ

テ見

テ

モ、亦他

ノ國

ノ材

料

二就

イ

テ見

テ

モ罹

患

ノ最

モ多

イ年

齢

以後

ノ曲

線

ハ對

數

「グ

ラ

フ」上略

々直線

デナ

シテ下

降

シテ居

リ、Seligmann

ノ云

フ如

ク、

學

齢

期

二増

加

ス

ル事

實

ハ

一般的

ニ

ハ認

メ

ラ

レズ、

感

染

ノ機

會

ガ年

齢

二關

係

ナ

ク

一定

デ

ア

ル

コ

ト

ヲ暗

示

シテ居

ル。

更

二學

校

ガ

「ヂ

フテ

リ

ァ」ノ傳

染

ノ點

カラ見

テ特

別

ナ場

所デ

ナ

ィ

コト

ニ就

イ

テ

ハ、夏

休

ト

「ヂ

フテ

リ

ァ」發

生

ト

ノ關

係

ヲ否定

シ

タ

Sobernheim

及

ビ

Bernhard

ノ研

究

、

各

學

級

二發

生

ス

ル患

者

ガ全

ク偶

發

的デ

ァ

ツテ、級

内

デ患

者

叉

ハ保

菌

者

ヨリ

傳

染

ス

ル危

險

ガ

一般

ノ危

險

ト異

ル

モ

ノデ

ナ

イ

コト

ヲ示

シ

タA

ngerer

ノ研

究

等

ガ

ア

ル。

.

以

上

述

ベ

タ

ル所

カ

ラ想

像

サ

レ

ル如

ク、

年

齢

ト共

二接

鯛

ノ機

會

ガ異

ルカ否

カ

ト云

フ問

題

ノ解

決

二役立

ツ、確

實

ナ根

據

ヲ求

メル

コト

ハ困

難

デ

ア

ルガ、

日常

生

活

ヲ見

レバ、

乳

見

デ

モ何

等差

別

ナク、母

ノ腕

二、

或

ハ姉

ノ背

ニヨ

ツテ、

小路

二、

公衆

浴

場

豪

族

外

ノ者

ト接

觸

シ、

又

家

二在

ツ

テ

ハ兩親

兄姉

ノ愛

育

興

味

ノ對

象

ト

シ

テ寧

ロ密

接

ナ

ル接

鯛

ヲ受

ヶ

ル。

「ヂ

フ

テリ

ア」ノ如

ク菌

ガ普

遍

的

二存

在

シ、飛

沫

ニヨツ

テ

容

易

二人

カ

ラ人

へ移

リ

行

ク

モ

ノデ

ハ、

家

庭

モ學

校

モ、

遊

ビ揚

モ互

二相連

關

シテ

「或集

團

二就

イテ

ハ年齢

ヲ問

ハズ感

染

ノ機

會

ガ略

ヒ

一定

デ

ア

ル」ト考

ヘル

コト

ハ極

メ

テ自

然

デ

ア

ラウ。

但

シ、

弦

二注

意

ス可

キ

コ

ト

ハ罹

患

傘

或

ハ死

亡

傘

ガ

全體

ト

シ

テ時

代

ト共

二攣

化

ス

ル

コトデ

ア

ル。又

後

二述

ベ

ル如

ク年

齢

分

布

自

體

ガ時

代

ノ推

移

ニヨッ

テ憂

化

ス

ル。

斯

ク

ノ如

キ事

ハ年

齢

ニ

ヨツ

テ機

會

一定

ナリ

ト

ス

ル假

定

ト矛

盾

ス

ルモ

ノデ

ア

ル。時

代

ト年

齢

ト

ハ相

件

フ

カ

ラ、

同

時

代

デ

ハ年

齢

的

二差

異

ガ

ナ

ク

テ

モ、

時

代

ニ

ヨツ

テ全

體

ノ罹

患

乃

至

ハ死

亡

率

二差

ガ有

ルト

ス

レバ、

結

局

、年

齢

ト共

二罹

患

或

ハ死

亡

セ

ル

内田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的

研究

一二三九

20

内

田=

「ヂフ

テリア」ノ年齢分布

二關

スル数理統計學的研究

一二四〇

頻

度

ガ軍

一二

様

ナ時間

ノ

とデ

決

メラ

レナ

ク

ナ

ル。然

シ乍

ラ.年

齢

ハ連

續

的

デ

アリ、

年

次

的攣

化

モ決

シ

テ突發

的デ

ハナ

ィ。

即

チ、

多

少

ノ

誤

差

ヲ生

ズ

ルト

シ

テ

モ、

大

ナ

ル支

障

ヲ來

タ

ス程

ノ

モ

ノト

ハ

思

ハ

レナ

イ。

以

上

述

ベ

タ

ル所

ニ

ヨツ

テ本解

釋

ハ

一先

ヅ

考

察

セラ

レタ。而

シ

テ、從

來

正

常

抗

毒素

ノ出

現

二就

イ

テ

ノ侵

染

説

ヲ基

ト

シテ考

ヘラ

レタ年

齢

分布

ノ解

澤

ト略々

同

様

ノ解

繹

二到

達

シタ

カ

ノ如

クデ

ア

ル。然

シ乍

ラ、本

研

究

ニ

ヨツ

テ得

タ

ル

モノ

ハ從

來

ノ解

繹

ト根

本

ノ問

題

二於

テ相

速

ス

ル所

ガ

ア

ル。

夫

レ

ハ如

何

ナ

ル點

デ

ア

ルカ。

先

ヅ順

序

ト

シ

テ正

常

抗

毒

素

ノ出

現

二就

イ

テ

ノ諸

研

究

ヲ檢

討

ス

ル必

要

ガ

ア

ラ

ウ。

第

三

節

・

正

常

抗

毒

素

ノ

出

現

二就

イ

テ

v.Behring und Kitasato

ノ「ヂ

フ

テリ

ア」抗

毒素

ノ治

療

虹

二豫

防

数

果

二關

ス

ル實

験

的

研

究

ガ發

表

セ

ラ

レテ

ヨリ、多

ク

ノ學

者

(Fsch-

erich.Klemensiewitz.Ahel.

W

assermann, Fischl.Wunschheim等

)

ニヨリ、

「ヂ

フテ

リ

ァ」ノ発疫

問題

ガ

入

體

二就

イ

テ研

究

セラ

ル

、二至

ツ

タ

ガ、

就

中

W

assermann(1895)

ガ

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」

二罹患

モ

シ

コト

ナ

キ者

二於

テ冤

疫

物

質

ヲ謹

明

シ、

其

成

因

二就

イ

テ侵

染

説

ヲ主張

シタ

ゴ

ト

ハ注

目

ス可

キデ

ア

ル。

此

読

ニ

ヨ

レバ

「ヂ

フテ

リ

ァ」菌

ハ健

康

者

ノ粘

膜

二於

テ何等

認

ム可

キ病

的症

状

ヲ人

體

二起

ス

コト

ナ

ク棲

息

シ、人

體

ハ之

二因

リ

「ヂ

フテ

リ

ァ」菌

二對

ス

ル免

疫

物質

ヲ形成

ス

ル

コ

トガ出

來

ルト云

フ

ノデ

ア

ル

。其

後

、

Karasaw

a

und schick,

v. Groer und Kassowitz,Park, Zingher

等

ニヨ

リ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」抗

毒素

ヲ保

有

ス

ル

モノ

ノ

割

合

ガ年

齢

ト共

三攣化

ス

ル事

實

ガ明

カ

ニ

セ

ラ

レタ。

從

ツ

テ

「ヂ

フテ

リ

ァ」罹

患

ノ年

齢

分

布

ハ

一

二抗

毒素

保

有

率

ノ年

齢

的

攣

化

ニ

ヨツ

テ

説

明

セ

ラ

レ

ル

モノ

ト

考

ヘラ

レル

ニ

至

ッ

タ

(Schick Degkwitz, W

ernicke und Schmidt

等

)。

此

抗

毒素

保

有

率

ノ年

齢

的

攣

化

ノ中、母

ヨリ得

タ

ル免疫

清

失

後

ノ抗

毒

素

ノ兩出

現

ガ

如

何

ナ

ル原

因

ニ

ヨ

ルカ

ニ就

イ

テ

ハニ

ヅ

テ説

ガ

ア

ル。其

一ハ既

述

ノ侵

染

論

(Durchseuchungstheorie)デ

アリ、第

二

ハ之

ト全

ク

立

場

ヲ異

ニ

ス

ル成

孰

説(Reifungstheorie)デ

ア

ル。

第

一項

侵

染

説

先

ヅ

此説

ノ主

張

者

及

ビ其

根

據

ヲ求

メ

ル

ト、

一、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

ノ普

遍

的存

在

之

の第

三

立早、

第

一節

、第

二項

ニ於

テ既

ニ述

,ベタ通

リデ

ア

ル。

21

二

、保

菌

状

態

ト抗

毒素

量

ト

ノ間

二密

接

ナ

ル關

係

ガ

ア

ル、

保

菌

者

ガ

一般

ノ者

二比

べ

テ、多

量

ノ抗

毒素

テ有

ス

ル

コト

ハ既

二多

ク

ノ研

究

成

績

カ

ラ見

テ議

論

ノ絵

地

ノ無

イ所

デ

プ

ル

(Loos,Kleinschmidt,

Otto,Kiszling,Opitz,

横

井

等

)、

然

シ乍

ラ多

量

ノ

抗

毒

素

テ

有

シテ居

ル

ガ爲

二罹

患セ

ズ

ニ保

菌

者

トナ

ツ

タ

ノデ

ハナ

イ

カ

ト

モ疑

バ

レ

ル。

此鮎

二就

イ

テ

ハDudleyガ興

味

ア

ル

五

例

ヲ記

載

シ

テ居

ル。

夫

ハ次

ノ如

キ例

デ

ア

ル。

第一

例

一九三二年十

二月十四日-

シック反應陽性竝

ニT

・C

・D.

(有毒性

「ヂフ

テリア」菌株)陽性

一九三二年十二月

二十

一日-

流血

一竓中○・〇四單位

一九三三年

一月十

一日-

ジック

陰性、

二・○單位

第

二例

一九三二年十

二月十

四日-

シッ

ク反應竝

ニT・C・D・陽性

一九三二年

十二月二十

一日-流血

一竓中

一・○單位

一九三三年

二

月

十

五

日-流血

一蛭中

二・○單

位

第

三例

一九三二年十

一月二十八日-

シック反應竝

ニT・C・D・陽性

一九三三

年

一月

十

一日-

シック陰性、流血

一耗中

一・○單位

第

四例

一九

三

ご年

十

ご月

七日-

シ

ック反

應

竝

二T・C・D陽

性

一九

三

ご年

十

ご月

十

四

日-

流

血

一竓

中

○

・○

○

一單

位

以

下

一九

三

一一年

十

ご月

十

七

日

シ

ッ

ク陽

性

、T.C.D.gravis

.陽

性

一九三

三

年

一月

十

一日-

シ

ッ

ク陰

性、

流

血

一竓

中

○

・一單

位

、T.C.D,

mitis陽

性

第

五例

「ト

キソ

イ

ド」

注射

後

ノ

一九

三

二年

十

二月

十

四

日

シ

ック陽

性

T.C.D.gravis陽

性

一九

三

三

年

一月

十

一日-

シ

ック陽

性

、

流

血

一耗

中

○

・○○

一單位

T.C.D.mitis陽

性

一九

三

三

年

三

月

八

日-

シ

ッ

ク陰

性、

流

血

一髭

中

○

・〇

四

單

位

T.C.D.陰

性

即

チ以

上

ノ例

テ見

レバ、

抗

毒素

ヲ保

有

セズ

シ

テ保

菌

者

トナ

リ、保

菌

者

トナ

ル

コ

ト

ニ

ヨツ

テ抗

毒素

ノ産

生

サ

レ

ル事

ガ想

像

出

來

ル。

更

ニ

Hamburger一派

ノ貴

重

ナ

ル人罷

實

驗

ニヨ

ツ

テ次

二示

ス如

キ事

例

ガ

得

ラ

レタ。

第

一例

一年半

ノ小兒

(白痴)、

シック陰性

ナ

ルモ抗毒素保有

セズ、一日及

ビ十

八

日

ノ間隔

デ前後

三同

「ヂ」生菌

ノ人

工感染試驗

ヲ行

ヒタル

ニ、試驗後數

分

乃至數

十時問

ニテ菌消失、約十

ケ月後、流血中

二〇・六單位

ノ抗毒素

ヲ證明。

第

二例

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢

分布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二

四

一

22

内

田=

「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二四二

一年

九ク月

ノ小兒

(肥胖

症)十

】月十

九日抗毒素

保有

セズ、同時

二生菌

ノ

人

工感染試驗ヲ行

フ。其後検査

セル

モ菌陰性、十

一月ご十入日

樹

抗毒

素

ナシ。人工感

染試驗ヲ再ビ行

フ。十

二月

一日

ヨリ十日迄菌陽性、十六

日

二測定

セル

ニ○・二五單

位以上

ノ抗毒素

ヲ證明。以下

略。

第三例

六年牛

ノ小兒

(凝愚)、

「ヂフテリア」

二罹患

シタ

コトナ

シ。十

一月十六

日、

○.○二單位

ノ抗毒素保有、同時

二人工感染試驗施行、

其後、菌

陰

性、

同月

二十入日

二抗毒素

ヲ測定

セル

ニ○・一單位

二上昇、

二十九日

二

再ビ感染試驗施行、三十日

ヨリ翌月

二十三日迄菌陽性

十七日

二測定

セル

ニ○

・七五單位以上

二上昇。

以

上

ノ三

例

二於

テ初

メニ例

ハ實

驗

ノ當初

、抗

毒

素

ヲ證

明

シ

ナ

カ

ツタ

ニモ拘

ラズ

、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」

生菌

テ人

工的

二感

染

セ

シ

メ

ル

コ

ト

ニ

ヨツ

テ發

病

セズ、

且

三例

共

、

一定

期

間

菌

ヲ保

有

シ、

其

後

血

液

中

ノ抗

毒素

量

ノ出

現、

或

ハ上

昇

ガ

認

メ

ラ

レタ。

三

、抗

毒素

保

有

率

二及

ボ

ス環

境

ノ影響

。

Wernicke und Schmidt,de Rudder

等

ハ生

活

程

度

、

人

口密

度

等

ノ環

境

ノ異

ル

ニ從

ヒ、抗

毒

素

保

有

率

ノ異

ル

コト

ヲ侵

染

説

ノ第

三

ノ

根

擴

ト

シテ擧

ゲ

テ居

ル。若

シ

モ正常

抗

毒

素

ガ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

ト

ノ接

觸

二基

ラ

モ

ノト

ス

レバ、接

觸

ノ機

會

ノ多

イ,多

人數

密

集

ス

ル環

境

ニ

置

カ

ソテ居

ル

モノ

ハ、麻

疹

二於

ケ

ルDurchseuchungspraezession

ノ如

ク

シテ、

早

ク免

疫

ヲ

獲

得

ス

ル

コト

ニナ

ルデ

アラ

ウ

ト云

フ

ノデ

ア

ル。

先ヅ

、

屡ゝ

引

用

セ

ラ

レ

ル、Zingherノ成

績

ヲ見

ヤウ。

ニューヨー

ク

市マンハッ

タン

區

ノpublic school

ヲ階

級

ノ上

下

二從

ツ

テ大

體

二種

類

二分

チ比較

シタ所

、

上

流

ノ學

校

ニ於

ケ

ルシ

ック陽

性

率

ハ検

査

人

員

一七

二

九

四

名

二於

テ

一二九

・七

八

%

(±

○

・三

七V、下流

ノ學

校

ニ

於

ケ

ル率

ハ検

査

人員

三

六六

九

五

名

二於

テニ

四

。一九

%

(±

○

・二

四)デ

ア

リ、

更

二比較

的

上流

階

級

ノ

住

ム郊

外

ノ

町デ

ハ検

査

人員

九

八

四名

二於テ七六.九%

(+二

.三四)ノ高率ヲ示シタ。此結果ヲ比較

う

バ三者ノ間

二明力一晃

異ガ認メラレルガZingherハ特

ニ陽性率

ノ高

イ學校ノ兒童ガ主

二土着

ノ米國人デアリ、陽性率ノ低イ學校ノ児童ガ主

二伊太利人ノ子女デアル貼、即チ人種的ノ因子モ同時

二加ツテ

ヰルコトヲ注意

シテヰル。其後我國

ニ於テモニ、三此種ノ研究ガ發表セラレタ。飯村氏ガ纏メタモノテ示

セバ、上流五六・八%(被検者

一九二二名)、中流四五.九%

(被検者

一一七九八名)、下流四六・五%

(被検者六八五五名)デ

アル。中流ト下流トノ間

ニハ差ガナイガ、

上流

ハ他

二比

シ高率デアル。併

シ、市街地

ト郡部トノ比較

(山口縣、兵庫縣、島根縣)デ

ハ豫想

セラル・如キ差ガ認メラレナイ。

更

二、寄宿生活、病人

ノ看護等特殊ナ環境

二在ルト、抗毒素保有率ノ多クナルコトモ認

メラソテ居

ル(Dudley, Zingher,

Hahn,

Otto,Lee-pattison,Butler,Lereboullet

等)。特

ニ、Dudleyハ

Greenwich Hospital School

デ詳細ナル觀察

ヲナシ・同年齢

ノモノ

23

ニ於

テ、

長

期

滞

在

兒

童

ハ新

入見

童

二比

シ、

三倍

モ,シッ

ク陰性

者

ノ多

イ

コト

ヲ認

メ、更

ニ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」

ノ流

行

ニヨツ

テ健

康

者

中

二抗

毒

素

保

有

者

ノ増

加

ス

ル

コト

ヲ

モ認

メテ居

ル。

又

、Dungal and Sigurjonsson

ハアイスランド

ニ於

テ、

一九

三

二

年

ト

一九

三五

年

ト

ニシック

「テ

スト」ヲ行

ヒ、

一九

三

二

年

ノ検

査

ノ

際、土

歳

ト十二歳トノ間

二著明ナ陽性率ノ差ヲ認メタニモ拘ラズ、

一九三五芒

ハ斯

カル差ヲ認メズ八歳

ヨリ

十三歳迄漸次陽性率

ガ

低

下

シテ

ヰ

ル

コト

デ指

摘

シ、十

一歳

ト十

二歳

ノ間

ノ

格

段

ノ差

ハ

一九

二〇

年

、一九

二

一年

二「ヂ

フ

テリ

ア」ノ流

行

ガ

ア

ツ

タ

タ

メデ

ア

ルト

解

シテ居

ル

(検

査

人員

ハ多

ク

ナ

イ)。

以

上

ノ如

ク侵

染

説

ハ甚

ダ

考

ヘラ

レ易

ク根

據

モ相當

暴

ゲ

ラ

レテ

ヰ

ル。併

シ、

之

二封

シテ成

熟

説

ヲ唱

ヘ

ル學

者

モ少

ク

ナ

イ。

第

二

項

成

熟

説

此説

ハ

一九一三

年

、v.Groerニヨ

ツ

テ唱

ヘラ

レ、

一部

ノ學

者

ノ支

持

テ得

タ

モ

ノデ

ア

ルガ

、其

根據

竝

二主

張

者

ヲ擧

ゲ

レバ

一、

罹

患

後

ノ免

疫

持續

ノ短

イ

コ

ト

(Schick,Reiche

等

)。

此

問

題

二就

イ

テ

ハ甑

二第

三章

、

第

一節第

三

項

二於

テ述

べ

タ通

リデ

ア

ル。

但

シ、

從來

ノ考

へ方

二從

ヘバ

一ツ

ノ根

據

ト

ナ

ルデ

ア

ラ

ウ。

二、

各

種

正

常

抗

體

出

現

ヨリ

ノ類

推

(Hirszfeld,Friedberger

等

)。

人體

内

二攝

取

セ

ラ

レ

ル可

能

性

ノ考

ヘラ

レナ

イ各

種

ノ物

質

(抗

原)二封

シ、

夫

々

ノ特

殊抗

體

即

チ凝

集

素

、

溶

血素

、

沈降

素

、「オプ

ソ

ニン」

等

ガ

生

理的

二出

現

ス

ル

コト

ハ、從

來

多

數

ノ研

究

ニ

ヨツ

テ明

カデ

ア

ル。

然

モ

ソ

ノ出

現

ス

ル年

齢

ガ夫

々異

ル

コト

モ知

ラ

レテ居

ル

(Serogen

-

ese:Hirszfeld

)。

ソ

レ故

「ヂ

フ

テリ

ア」抗

毒素

モ此

様

ニシ

テ産

生

セラ

レ

ル

ノデ

ハナ

イ

カ

ト云

フ

ノデ

ア

ル。

三、

シック

反

應

ノ家

族

的

關

係

(Hirszfeld

等

)。

Hirszfeld

一派

ノ研

究

ノ要

貼

ヲ述

べ

レバ次

ノ如

クデ

ア

ル。

兩親ガ共

ニシック陽性

ナ

ル場合、子供十

五.名中十四名陽性

デアツタノ

ニ比

シ、兩親共陰性

ナル場

合

ハご二入名中陽性者

ハ僅

二六十七名(二九%)ノミ

デアツタ。且、兩親

中何

レカ

一方

ガ陽性

ナル場合

デ

ハ親子

ノ反應

ハ夫

々ノ

血液型

ト密接

ナル關係ガ

アル。即

チ兩

親

ノ中

一方

ガA型或

ハB型

ニテジ

ック

陽性、

他ガO型

ニシテシッ

ク陰性

ナル家族

七例

二於

テ、其子供十入人中A型又

ハB型

ノモノ

ハ十三名

ニテ總

テ陽性

デアツ

タガ、O型

ノモノハ五名中四

名陰性

デアツタ。又兩

親

ノ中

一方ガA型又

ハB型

デ

シック陰性、他

ガO型デシック

陽

性ナ

ル家族

七例

二於

テ

ハ其子供十入人中、A型又

ハ、B型

ノ子供十

内田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統計學的

研究

一二四三

24

内田=

「ヂ

フテリ

ア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統

計學的

研究

一二四四

乙名

ハ九名陰性、

二名陽性、0型

ノ子供

デ

ハ七名中六名陽性

デアツタ。

以

上

ノ結

果

力

ラ

シ

ック反

應

ニ遺

傳

關

係

ノ關

與

ス

ル

コト

ハ想

像

升・レ

ルガ此

事

實

ハ必

ズ

シ

モ発疫

状

態

ノ遺

傳

ト

シテデ

才

ク、抗

毒素

産

生能

力

ノ遺

傳

ト

シ

テ充

分

解

釋

セ

ラ

レ

ルノ

ミ

ナ

ラズ

、

如

上

ノ關

係

ソ

ノ

モ

ノガ未

ダ數

ガ不

充

分

デ

ア

ル

タ

メ確

認

セ

ラ

レナ

イ。

ソ

レ故

、此第

三

ノ鮎

ハ成

熟

説

ノ根

據

ト

ハナ

ラ

ナ

イ

ト思

フ。

久保茂

ハ人類

二於

ケル「ヂフテリア」抗毒素生産能力

ガ遺傳性

デアルトノ假定

ニ立脚

シ、

シック反應

ガ成人

デ約

二十

五%陽性

ナル鮎ヲ以

テ、シック

應

ノ遺傳

的關係ガ

メンデル

ノ劣性遺傳

ノ型式

二從

フ

モノトノ説

ヲ公

ラ

タガ、之

ハ偶

々得ラ

レ至

十五%ノ値

カラ逆

メンデル

ノ實驗的遺傳型式

ヲ全

人

。

ノ問題

二其儘適用

シタ

モノデアツテ其許

ス可ラ

ザ

ル

コト

ハ此處

二指摘

スル迄

モナイ。-

假

リニ二

十五%陽性

ト七十五%陰性

ト

ノ間ニ

明確

ナル境

界

ヲ與

へ得

ルト

シテ

モ。

四、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」處

女地

二於

ケ

ル抗

毒

素

ノ出

現

若

シ「ヂ

フ

テリ

ア」菌

ガ存

在

セ

ズ、

且、

外

ト

ノ交

渉

ノ無

イ未

開

ノ地

ガ

ア

ルト

シ

テ、其

處

ノ住

民

二就

イ

テ抗

毒

素

ノ測

定

ガ行

ハ

レ得

ルド

ス

レバ、

ソ

レ

ハ此成

熟

説

、

侵

染

説

ノ問

題

ヲ解

ク鍵

ト

ナ

ル

ニ相

違

ナ

イ。

此

種

ノ企

テ

ト

シテ、Heinbecker and Irvine-Jones,Bay-Schmit

h

等

ノ。クリー

ンラ

ンド「エ

スキ

モー」二就

イ

テ

ノ研

究

ガ

ア

ル。

Heinbeckr等ニヨ

レバ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ノ發

生

ナ

キ

ニモ拘

ラズ此

地

ノ成

人血

液中ニ

抗毒

ヲ證

明シ

、

又Bay-Schmithニ

ヨ

レバ二

百

人

ヲ検査

シテ、菌ヲ證明セズ、然

モ,成人デ

ハ約五〇%

・ンック陰性デアルコトヲ認

メ、此五〇%ノ陰性

ハ成熟

ニヨルモノデアリ、此率ガ

一般

二比

シテ低イノハ菌

トノ接觸ガナカツタ爲デアルト解

シタ。

然

シ乍

ラ其後、Wells and

Heinbecker

ガ一二

四名ノ「エスキモ

ー」

二就イテ細菌検査ヲ行ツタ所、三株

ノ型態的竝

二培養上、定型的ナ

「ヂフテリア」菌ヲ検出

シタ。ソレ故以前得ラレタ結果

ハ成熟説

ノ

根據

トシテノ意味ヲ喪失

シタ。熱帯地

二於ケル研究

ニモ亦、此種

ノ根據ヲ求

メルコトハ出來ナイ。

第

四節

素質

論的解

釋

ノ意義

前節

二述ベタル所ハ正常抗毒素出現

二就イテノ侵染説ト成熟説

ノ大要デアルガ、其由來

ノ如何

二拘

ラズ、從來「ヂフテリア

」ノ年齢分

布ヲ説明

スル上

二、此抗毒素保有率

ノ年齢的變化

ハ最

モ重要ナル事實ト考

ヘラレテ來

タノデアル。而シテ、既

二述ベタル如ク侵染説

ノ

根據

ハ相當確實

ト思

バレルノデ、侵染説

二立脚シタ從來

ノ解釋、即チ満

一年頃

二殆ド總テノ人間

ハ(約九〇%〉抗毒素ヲ保有

セズ、從ツ

25

デ「ヂ

フ

テリ

ア」二封

ス

ル感

受

性

ヲ有ス

ル

ノデ

ア

ルガ其

後

「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

ト

ノ接

觸

ニヨリ、

或

ハ病

的

症

牀

ヲ呈

シ、或

ハ之

ヲ認

ム

ル

コトナ

ク、漸

次

免疫

ヲ獲

得

シテ行

ノ、從

ツ

テ抗

毒素

保

有

率

ハ年齢

ト共

一一高

率

ト

ナ

リ、斯

ク

シテ罹

患

可

能

ノ人間

ガ減

少

シ、

罹

患

者

ガ之

二應

ジ

テ

減

少

ス

ルト云

フ解

釋

ニヨツ

テ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」年

齢

分布

ノ問

題

ハ大

凡

解

決

セ

ラ

レタ

カ

ノ

観

ガ

ア

ツ

タ。

然

シ乍

ラ、

仔

細

二「ヂ

フ

テ

リ

ア」年

齢

分布

ノ有

様

ヲ見

ル

ト、此

説

テ以

テ

シテ

モ未

グ説

明

セ

ラ

レナ

イ貼

ガ

ア

ルト思

フ。

夫

ハシ

ック反應

陽

性

率

ノ年

齢

的

變

化

ト

「ヂ

フ

テリ

ァ」罹

患

率

ノ年

齢

的變

化

トガ著

シ

イ相

違

ヲ示

シ

テ居

ル

コトデ

ア

ル。若

シ抗

毒

素

産

生

ヲ侵

染

説

ニヨツ

テ説

明

シ、抗

毒

素

ノ有

無

ニヨ

ツテ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」罹

患

ガ説

明

セラ

レ

ル

ト

ス

ルナ

ラバ兩

者

ノ年

齢

分

布

ハ相

卒

行

シナ

ケ

レバ

ナ

ラナ

イ

。然

ル

ニ事

實

ハ

然

ラズ、

成

人

デ

モシッ

ク

反應

ハ術

.

約

二

〇

%乃

至

三

〇%

陽

性

デ

ア

ル

ニ拘

ラズ、

其

罹患

傘

ハ極

メ

テ低

イ

ノ

デ

ア

ツ

テ、

此

事

實

ハ抗

毒素

ノ

有

無

ノ

ミ

ヲ以

テ、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ノ年

齢

分布

テ説

明

ス

ル

コ

ト

ノ

困

難

デ

ア

ル

コト

ヲ

示

ス

モ

ノ

デ

ア

ル。

從

來

、

兩

者

ノ

一致

シナ

イ此

事實

ハ

Doull,Fales,Ayc

ock,Collins,Young,Bunney,Cr

ooks,Cummings,F

orsbeck等

ニヨツ

テ

指

摘

セ

ラ

レタ

ル

所

デ

ア

ルガ、

此

事實

ニ封

シ、

Doullハ乳

兒

期

ハ感

染

ノ機

會

ガ勘

イ爲

デ

ア

リ、

學齢

期頃

ノ不

一致

ハ

毒

素

二封

ス

ル以

外

、

菌

二封

ス

ル抵

抗

ガ高

マ

ル爲

デ

ハテ

イ

カ

ト述

べ、Fales,Aycock等

ハ單

ニ感

染

ノ機

會

ガ異

ル爲

デ

ア

ルト考

ヘタ。

又Y

oung等

ハ接觸

ノ機

會

ガ異

ル

ト

モ

考

ヘラ

レ

ナ

ィ

カ

ラ

何

カ他

ノ要

約

、抗

毒

素

産

生能

力

、

或

ハ毒素

二封

ス

ル組

織

ノ抵

抗

等

ガ

年齢

ト共

二變

化

ス

ル爲

デ

アラ

ウ

ト云

フ。以

上

ガ諸

家

ノ詮

明

ノ大

要

デ

ア

ルガ、

生

長

ト共

二感

染

ノ機

會

二斯

ク

ノ如

キ大

ナ

ル差

ヲ呈

ス

ルト

ハ思

ハ

レナ

イ。又發

育

ニヨ

ル特

殊

免疫

以外

ノ抵

抗

力

ノ變

化

テ想

像

ス

ル

ノ

ハ普

通

デ

ア

ルガ

、

本

研

究

二於

テ

ハ飽

迄

、

此

免疫

以外

ノ抵抗

力

ノ年

齢

的變

化

ヲ否

定

ス

ル立場

ニア

ル。

鉱

二於

テ當

然起

ル,可

キ問題

ハ「ヂ

フ

テ

リ

ア」二封

ス

ル個

人

的素

質

ノ相

違

ト云

フ假

定

デ

ア

ル。

既

二今

迄

ニモ、

何

故

二

一部

ノ人

間

ノ

ミガ罹

患

シ、

多

ク

ノ者

ガ罹

患

セズ

シ

テ免

疫

ノ

ミ

獲

得

ス

ル

カ

ノ問

題

二就

イ

テ素

質

ガ

考慮

セ

ラ

レタ

(Ullrich,B

okay,Otto,Friedemann,Burgers,Z

oeller,

稻

葉等

)。然

シ乍

ラ夫

ヲ第

一義

的

ナ

要

約

ト

ハ

考

ヘテ居

ナ

イ

ヤウ

ニ思

バ

レ

ル。

例

ヘバ、v.Bokay等

ニ據

レバ、罹

患

セザ

ル如

キ、弱

イ感

染

二封

シテ濳

伏

発

疫

ヲ獲

得

ス

ルカ否

カ

ノ鮎

二素質

ガ關

係

ス

ルト云

フ

ノデ

ア

ル

併

シ、

シ

ック陽

性、

或

ハ流

血

中

二抗

毒

素

ヲ證

明

セズ

シテ有

毒

性

「ヂ

フ

テリ

ア」

菌

株

ヲ

保

有

ス

ル

者

ノア

ル

事

實

(H

.Meyer,Dudley,

Schick,Kleinschmidt,

Holst,Mc.Cuire,und

Hitchens等

)、餅で一述

べ

タHamburger一派

ノ

人爲

的感

染

ノ成

續

等

二徴

シテ

モ何

内田=

「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

ニ關ス

ル數理統計學的

研究

一二四五

26

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統

計學的

研究

一二四六

カ抗

毒

素

以

外

ノ「ヂ

フ

テリ

ア」二封

ス

ル抵

抗

性

二就

イ

テ重

要

ナ個

人

差

ノ

ア

ル

コトガ想

像

セラ

レ

ルノデ

ア

ル(勿

論

、

特

殊

免

疫

ガ果

シテ眞

二

存

シナ

カツ

タ

カ否

カ、

再

考

テ要

ス

ル鮎

ガ

ア

ル)。又

動物

竝

二人

體

ノ活

動

性

発

疫

二際

シテ、抗

毒

素

産

生竝

二保

持

能

力

二著

明

ナ個

性

差

ノ存

ス

ル

コ

ト

ハ既

二明

カナ事

實

デ

アリ、

毒

素

耐

過

性

二著

明

ナ個

性差

ノ

ァ

ル

コト

モ知

ラ

レテ居

ル。

即

チ、何

故

二

一部

ノ

モ

ノ

ノミ罹

患

ス

ルカ

ノ問

題

二就

イ

テ

ハ、

從

來

考

ヘラ

レテ居

タ、菌

ノ量

的

竝

二質

的

關

係

以

上

二罹

患

素

質

ノ有

無

ガ

根本

的

要

約

ヲ

ナ

ス

モノ

ト思

バ

レ

ルノデ

ア

ル。

固

ヨリ、

總

ベテ

ガ斷

定

的

二解

決

セ

ラ

レタ

ト思

フ

モ

ノデ

ハナ

ク、斯

カ

ル立

場

ヨリ研

究

ヲ進

メテ論

明

困

難

ナ

ル事

象

ヲ發

見

シ、

夫

ニヨツ

テ

將

來

ノ研

究

ノ指

針

ラ得

ント

ス

ル

ニ過

ギ

ナ

イ。

然

ラバ、

其

解

釋

ト

ハ如

何

ナ

ルモ

ノ

カ、

即

チ、

假

令、

シ

ック陽性

或

ハ血

液中

二抗

毒

素

ヲ有

セザ

ル場

合デ

モ、他

二素

質

的

二「ヂ

ブ

テ

リ

ア」

二封

シ

テ張

イ抵

抗

ガ存

ス

ル

モノ

ハ、

一生涯

「ヂ

フ

テ

リ

ア」二罹

患

ス

ル

コト

ナ

ク經

過

シ得

ル。夫

故

成

人

中

ノニ

○

乃

至

三

〇

%

必

シ

ック陽

性

者

ノ多

ク

ハ強

イ抵

抗

性

ヲ有

ス

ルモ

ノ

ト認

メラ

レ

ルノデ

ア

ル。次

ニシ

ック陽

性

率

ガ年齢

的

二變

化

ス

ル

コト

ヲ観

察

シテ

見

ルノ

ニ封

數

「グ

ラ

フ」

ニ取

ツ

タ年

齢

分

布

ノ曲線

ハ其

傾

斜

ガ緩

デ

ア

ル。

此

事

實

ハ何

テ意

味

ス

ルカ

ト云

フ

ニ感

染

ニヨツ

テ免

疫

ノ

獲

得

セ

ラ

レ

ルモ

ノガ比

較

的少

キ

事

テ意

味

シテ居

ル。

之

二比

シ、罹

患

者

ノ年

齢

分

布

ノ曲

線

ヲ見

ルト其傾

斜

ガ急

デ

ア

ル。

若

シ、罹

患

及

ビ潜

伏

感

染

ニ

ヨツ

テ同率

二免疫

ガ獲

得

セ

ラ

レ、

其

爲

ニシ

ック陽

性

率

及

ビ罹

患

者

ノ數

ガ減

少

シテ行

ク

モ

ノト

ス

レバ、兩

曲

線

ノ直

線

的

下降

部

分

ハ卒

行

シナ

ケ

レバ

ナラ

ヌ。

事

實

二於

テ兩

曲

線

ノ此

部

分

ガ

李

行

シナ

イ課

ハ、

罹

患

ニ

ヨツ

テ発

疫

テ獲

得

ス

ル

モ

ノ

ト、

潜伏

感

染

ニヨ

ツ

テ免疫

ヲ獲

得

ス

ル

モ

ノト

ハ元

々、異

ル

群

テ作

り、各

々

二異

ル機

會

ヲ以

テ罹

患

、或

ハ感

染

ガ起

ル爲

デ

ア

ルト考

ヘラ

レ

ル

ノデ

ア

ル。

進

ンデ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」死

亡

ノ年

齢

分布

ヲ観

ル

ノ

ニ之

又

、其傾

斜

ガ甚

シク異

リ

、'罹患

二比

シ

テ

一層

急

デ

ア

ル。

此場

合

ニモ次

ノ如

ク考

ヘラ

レル

ノデ

ア

ル。

即

チ、「ヂ

フテ

リ

ア」ニヨ

ツテ死

亡

ス

ル

モ

ノ

ハ元

々別

種

ノ群

テ作

リ、其

群

二属

ス

ル

モ

ノ

ハ其

群

二特

有

ナ

ル機

會

ヲ以

テ罹

患

シ、死

亡

ス

ル

ト考

ヘラ

レ

ルノデ

ア

ル

(林

氏

ハ最近

悪

性

『ヂ

フ

テリ

ア」二關

ス

ル研

究

ヲ遂

ゲ

、

悪性

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ガ

圭

二個

體

ノ素

因

二因

ル

モ

ノデ

ア

ル

コト

ヲ示

シ

タ)。即

チ、「ヂ

フ

テ

リ

ア」菌

二

封

ス

ル抵抗

性

ヲ基

ニシテ度

數

分布

ヲ作

リ、第

十

三

圖

二示

スヤ

ウ

ナ曲線

テ得

タ

ト

ス

レバ、死

亡

ス

ルモ

ノ

ハ最

モ左

ノ端

ヲ占

メ、次

二罹

患

ス

ル

モ死

亡

セザ

ル

モノ、次

ガ罹

患

セザ

ル

モ

ノ

・順

二匿

分

セ

ラ

レルト考

ヘ

ル。

尤

、其

境

界

ハ明

確

ナ

ル

モ

ノデ

ハナ

イ。

例

ヘバ、血清

注射

ニヨ

ツ

テ

助

カ

ル

コト

モア

ラ

ウ

シ、又

季

飾

約

二著

明

ナ抵抗

力

ノ差

ノ起

ル

コト

ハ著

明

ナ季

節

的變

動

カ

ラ想

像

セ

ラ

レ

ルシ、尚

食

物

ノ種類

ニヨツ

テ抵

抗

27

第十三圖 「ヂフテ リア」菌 二封 スル抵抗力 ノ

度數分布(模 型圖)

カ

ノ變

化

ヲ來

タ

ス

コト

ハ長谷

川

、田

代、Lorenz,Chin Kuk Choun,

Torrance竝

ニ共

働

者、

紫

藤

、小林

等

ノ研

究

カ

ラ見

テ可能

デ

アリ、又

各

種

ノ機

械

的竝

二化

學

的

傷

害

ガ

局

所

ノ抵

抗

力

ヲ低

下

セ

シ

ム

ル

コト

(Scheller und

Stenger,Zingher,v.Bokay参照

)モ

事

實

デ

ア

ルカ

ラ、

一生

涯

ノ間

二境

界

ヲ越

エテ

一群

カラ他

群

二交

互

二移

行

ス

ルコ

トガ想

像

サ

レ、

又

、

移

行

シ

テ差

支

ナ

イ

ノデ

ア

ルガ

、

兎

モ角

免疫

以外

二「ヂ

フテ

リ

ア」菌

二封

ス

ル身

體

ノ抵

抗

性

、

反

應

性

ト云

フ

モ

ノ

ニ就

イ

テ斯

ク

ノ如

キ個

人

的差

異

テ假

定

ス

ル

コト

ハ變

異

統

計學

上當

然

ノ事

デ

ア

ルシ、

又余

ノ得

タ

ル成

績

ヲ説

明

ス

ル

ニ最

モ當

ヲ得

タ

ル

モノデ

ハナ

イ

カ

ト思

フ。

即

チ、

余

ハ從

來

ノ侵

染

説

二加

フ

ル

ニ素

質

ノ差

異

ヲ強調

ス

ルノデ

ア

ツ

テ、

夫

ニ

ヨツ

テ初

メ

テ

「ヂ

フ

テ

リ

ア」ノ疫

學

ガ解

決

セラ

レル

モ

ノ

ト信

ズ

ル

ノデ

ア

ル。

以

上

ノ考

ヘヲ約

言

ス

レバ、

特

別

ナ素

質

ヲ有

ス

ル人間

ノ

ミガ

「ヂ

フテ

リ

ア」二罹

患

ス

ル。

即

チ人

間

ヲ

「ヂ

フテ

リ

ア」二封

ス

ル素

質

ニヨリ三

種

類

二分

ツ

コトガ

出

來

ル。

一、

或質

的

竝

二量

的

二異

ル様

々

ノ感

染

ニヨツ

テ其

大

部

分

ガ

罹

患

シ、死

亡

ス

ル人

間

群

。

二

、

一ト同

ジ感

染

ニヨ

ツ

テ其

大

部

分

ガ罹

患

シ、

治癒

ス

ル人

間

群

。

三

、前

二者

ト同

ジ感

染

ニヨ

ツ

テ其

大部

分

ガ罹患

セザ

ル人

間

群

。

此素質

トシテ、粘膜

ノ抵抗、

「ヂフ

テリ

ア」菌毒素

二封

メル抵抗或

ハ反應性、等

ガ考

ヘラレ

ル、而

ジテ此素

質

ノ個

々ノ要約

二就

イテ

ハ他

ノ疾患

二共通

ナル

モノガ存

スルデアラウガ全髓

ト

シテ

ハ「ヂフテリア」ガ

一ツノ特殊

疾患デアル程度

二於

テ特殊

ナル素質

デアル。

以

上

ノ如

キ素

質

説

ニ

ヨツ

テ

「ヂ

フ

テリ

ア」年齢

分布

ノ總

ペ

テガ

一義

的

二解

釋

セ

ラ

レ

ルノデ

ア

ルガ.本態

不

明

ナ

ル素

質

二就

イ

テ斯

カ

ル詮

テ唱

導

ス

ル

コト

ニハ何

人

モ不

安

ヲ感

ズ

ル筈

デ

ア

ル。然

シ乍

ラ、素

質

ノ重要

性

ハ.動

物

或

ハ植

物

二於

テ、既

二多

年

ノ研

究

カ

ラ認

メラ

レテ居

ル。

即

チ植

物

二於

テ

ハ病

蟲

害

二封

ス

ル抵抗

性

ト遺

傳

因

子

下

ノ關

係

二就

イ

テ正確

ナ

ル研

究

ズ

行

ハ

レ、因

子

ノ組

合

セラ

人

工的

二行

ツ

テ育

種

内田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二四七

28

内田=

「ヂ

フテリ

ア」ノ年齢分布

三關

スル數

理統

計學的

研究

一二四八

事

業

上實

續

テ牧

メタ

例

モ尠

ク

ナ

イ。

動物

二於

テ

ハ

一般

二植

物

ニ比

ベ

ルト

研

究

ガ困

難デ

ア

ル

ノデ

病

害ニ

封

ス

ル抵抗

性

ニ就

イテ

ノ研

究

モ

非

常

二遅

レテ

ハ居

ルガ興

味

ア

ル研

究

モ勘

カ

ラ

ズ

行

ハ

レテ來

タ

ヤ

ウデ

ア

ル。

例

ヘバ最近

ノ

Gowen and

Schott/研究

ニヨ

レバ

B.

pili-

formis二封

ス

ル「マウ

ス」ノ抵抗

性

ガ系

統

ニヨ

ツ

テ異

リ、

然

モ交

雑

試

驗

ノ

結

果

カ

ラ、

此

抵抗

性

デ支

配

ス

ル因

子

ガ

Waltzing facto

r,

the dominrnt white factor

或

ハ性

ヲ支

配

ス

ル因

子

カ

ラ獨

立

ニ分

離

セラ

レ、

且

、

此抵

抗

性

ガ主

二

一個

ノ

優

性

因

子

ニヨ

ツ

テ支

配

サ

レル

コトガ

明

カ

ト

ナ

ツ

タ。

更

二同

氏等

ハ鼠

「チ

ア

ス」菌

二封

ス

ル抵抗

性

二從

ツテ

分ケ

ラ

レタ

「マウ

ス」ノ

系

統

二就

イテ是

等

ガ

夫

々

pseudora-

biesニ封

シ

テ如

何

ナ

ル抵抗

姓

ヲ示

スカ

ニ就

イ

テ研

究

シ.鼠

「チ

フ

ス」ト

pseudorabiesノ兩

者

二封

ス

ル抵

抗

性

即

チ素

質

ハ夫

々獨

立ニ

各

疾

患

ニ封

ス

ル抵

抗

性

ヲ支

配

ス

ル因

子

ノ組

合

セ

ニヨ

ツ

テ定

マル

モ

ノト

ノ推

定

ヲ

ナ

シタ。

又

、GinsハMullerガ

鼠

ノ脾

脱

疽

菌

感

染

試

驗

カ

ラ

得

タ成續

ヲ

引

用

シ、

黒

鼠

ノ抵抗

力

大

ナ

ル

ハ多

年

感

染

ノ機金三

一遭

遇

シデ自

然

淘

汰

ヲ受

ケ

テ來

タ爲

デ

ア

ラウ

ト述

べ

デ居

ル。

(Ginsノallm-

ahliche erblich

e Resistenzerhohung

ノ論

ニ

ハ承

服

シ難

イ鮎

ガ

ア

ル)。

叙

上

ノ如

ク種

ヲ同

ジ

ク

ス

ル植物

或

ハ動

物

二於

テ疾

病

二封

ス

ル抵

抗

性

ガ遺

樽

因

子

ニヨツ

テ左

右

セ

ラ

レ

ル

コ

ト

ハ明

カ

ナ事

實

トナ

ツテ來

テ居

ル

ノデ

ア

ル。

人

間

デ

ハ他

λ動

物

二比

ス

レバ其

研

究

ガ

一層

困

難

デ

ア

ル

ノデ

適

確

ナ

ル實

驗

的

根

據

ガ得

ラ

レナ

イガ最

近

、此

方

面

ヘノ關

心

ガ高

マリ、疾

病

二封

ス

ル素

質

ノ意

義

ヲ認

ム

ル研

究

モ勘

ク

ナイ。

例

ヘバ

Diehl und Verschuer

ハ結

核

ニ

關

ス

ル

研

究

二於

テ此鮎

ヲ強調

シ

テ居

ル。

殊

二「ヂ

フ

テリ

ア」二關

シテ遺

傳

因

子

ノ意

義

ガ

重要

視

セラ

ル

・ヤ

ウ

ナ

研

究

ガ最

近

發

表

セ

ラ

レタ

コト

ハ注

目

二價

ス

ル。即

チ、

Blackハア

メリ

カ各

地

二於

ク

ル「ヂ

フ

テリ

ア」罹

患

率

竝

二死

亡率

ヲ黒

人

ト白

人

ト

ニ就

ぞ

テ比較

シ、

一般

二

黒

人

ハ罹

患

モ死

亡

モ勘

ク、

且

年

齢

分布

ヲ

モ異

ニシ、零

歳

ニハ黒

人

二多

ク、一歳

乃

至

四

歳

デ

ハ著

明

二白

人

ノ方

二罹

患

或

ハ死

亡

ス

ル

モ

ノ

ノ多

ク

ナ

ル事實

ヲ認

メ、

之

ガ主

ナ

ル原

因

ハ人種

的

ナ素

質

ノ差

ニア

ルト

ノ考

ヘヲ述

べテ居

ル。

又

W

eitz等

ハ變

生

見

二就

イテ研

究

シ、

兩

者

共

罹

患

セ

ル例

ト

一方

ノミ罹

患

セ

ル例

ト

ノ比

、即

チ

一致

率

ガ

一卵

性

變

生

見

ノ方

二梢

ヤ高

イ

コト

ヲ認

メ

タ

(v.V

erschnerノ表

デ

ハ差

ガ

認

メ

ラ

レナ

イ。

W

eitz:Die

Vererbung inner Krankheiten

参

照)。更

二同

氏

一派

ハウ

ユ

ルッ

テ

ンベ

ル.列

ノ醫

師

ノ家

族

ヲ

調

査

シ、

「ヂ

フ

テ

リ

ア」二罹

患

セザ

ル親

ヨ

リ

生

レタ

ル子

供

ノ罹

患

率

ハ九

五四

人

中

八

一人

(八

・五

%)デ

ア

ルガ、片

親

ガ

「ヂ

フ

テリ

ア」二罹

患

セ

ル場

合

ハ五

八

六人

中

九

〇

人

(一五

・四

%

)

兩

親

共

二

「ヂ

フテ

リ

ア」

二罹

患

シタ

コト

ノ

ア

ル

場

合

ニハ

一四

八

人

中

二

九

人

(一九・六

%)ト云

フ結

果

ヲ得

タ.、氏

等

ハ此

場合

伺時

罹

患

ガ

29

内

田=

「ヂ

フテリ

アしノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二四九

僅カ

ニ三例

二過ギズ、且年齢構成

ニモ差ガ無

イノデ以上ノ結果

ハ抵抗力

ノ遺簿的差異テ物語

ルモノト推定シテ居

ル。

斯カル見地カラシテモ弦

二「ヂフテリァ」ノ疫學

二於テ素質論的解繹ヲナスコトノ意義ヲ認メザ

ルヲ得ナィ。

第四章

「ヂフテリア」年齢分布ノ比較親察

第

一笛

男女別観察

男女別罹患者拉

二死亡者ノ年齢分布

ハ第

一表、第二表、第四表ノ如クデ

アル。此中全國自

一九二六年至

六九三

六年

ノ男女別、年齢階

級別「ヂフテリァ」死亡敷

ヲ封藪「グラフ」三不シタモノガ第十四圖デ

アル8雨曲線

ハ何

レノ場合

モ大罷

二於テ

一致スルガ唯、僅カニ直線

部分ノ勾配ガ異リ、男

ノ方ガ梢気急デアル。全艦ノ藪

ハ略

ヒ同様デアルノデ満五歳乃至六歳

ノ邊リデ雨曲線

ハ交叉スル。罹患者

二就イ

第 十 四圏 「ヂフテ ソア」死亡者 ノ年齢分布 男女比較

(全國1926-1931)

テ

モ全

ク同

様

ノ

ゴト

ガ云

ヘ

ル。

男

ト女デ

年

齢

的

二「ヂ

フテ

リ

ァ」罹

患

虹

二死

亡

ノ割合

ヲ異

ニス

ル

コト

ハ既

二諸

學

者

ノ認

ム

ル所

デ

我國

二於

ヶ

ル傾向

ト

略

支同

様

デ

ア

ル(Kaiser,R

eiche,

Dom

er"Pener.G¢n-

ther"oQe一igmanP

Sc三融.Me器

r"Friedem碧

n"Behre亭

dt)。但

シ、

從

來

ノ観

察

ハ男

女罹

患

或

ハ死

亡

比

率

ノ年

齢

的憂

化

ノ観

察

デ

夫

々

ノ罹

患

虹

二死

亡

者曲

線

ノ比

較

デ

ナ

カ

ツ

タ黙

観

察

ト

シテ不

充

分

デ

ハア

ツ

タガ

、

此事

實

二就

イテ色

々

ノ見

解

ラ述

べ

テ居

ル。

.即

チ、

或

者

ハ之

ヲ感

染

ノ機

會

ガ異

ル爲

デ

ア

ル

ト

シ

(Kaiser.

Dom

er.Flugge,Seligmam

Friede-

mann

等

)他

ハ素

質

ノ差

二因

ルト

シ

タ

(Schiff,Guntheさ

Me℃er"Pe--er等

)。

併

シ、女

見

二

咽

頭

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」ガ、男

見

二喉

頭

「ヂ

フテ

リ

ァ」ガ男

女

相

互

ノ比較

二於

テ夫

々多

イ

コ

30

内田=「ヂ

フテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的

研究

一二五〇

ト(S.Meyer)、保菌者ノ率ガ男女デ異ル(西野)等

ノ事實ヲ見

ルト、何力姓

ニ關係

ズル素質

ノ差ガ存在スルト思

バレル。而シデ素質

ノ

差ガアルトスレバ又當然

、感染

ノ機會ノ差

モ起リ得

ル。

第

二節

地方

別観察

日本内地十地方ノ大正十四年

(一九二五年)ヨリ昭和九年

(一九三四年)二至

ル十ゲ年間合計ノ年齢別

「ヂフテリァ」死亡籔ヲ示

セバ第

十三表ノ如クデアル。之

ヲ封歎「グラフ」ノ上デ比較

セルモノガ第十五圖デアル。此圖

ハ全國合計ノ曲線テ中心トシテ、各地方別ノ年齢

分布

ヲ其勾配ノ緩急

ニヨツテ一定

ノ間隔テ以テ配列

シタモノデアル。圖中地方名

ノ次

二記シタLハ緯度テ、D

ハ人口密度、Mハ「ヂ

フテ

リァ」死亡率

ノ略號デアリ、是等

二附

シタル歎字

ハ其大ナルモノヨリ小ナルモノニ從ツテ與

ヘタル順位デ

アル(第十四表参照)。

此圖

ニョッテ地方別ノ年齢分布曲線

ヲ観察

スルニ、大燈

二於テ同様

ノ形ヲ示シテ居

ルガ、其勾配

ハ夫々多少異ヅテ居ル。然シ乍ラ、此傾斜

第十五圖 「ヂフテ リア↓死亡者 ノ年齢分布地 方麗

(1925-1934)

第十六圖 「ヂフテ リア」死亡者 ノ年齢分布

市部 ト郡部 ノ比較:1925-1934

31

ノ緩

急

ト人

口密度

、

緯

度

Y

「ヂ

フ

テ

リ

ア」総

死

亡

傘

ト

ノ間

ニハ認

ム可

キ關

係

ガ

ナ

イ。

尚犬

。十萬以上ノ市

ト全

國

言

合

十數

上

ノ市蔭

イタ部

ノ比較

ラモ行ッ多

差異テ認メ難

(第十

一表、第一十六圖

参昭恥).

第

三

節

國

別

観

察

國

ラ異

ニス

ル、

從

ッ

テ、

人種

、

氣

候

、

其

他

凡

ユ

ル條

件

ヲ異

ニ

ス

ル場

合

、

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」罹

患

或

ハ死

亡

者

ノ

年齢

分布

ハ如

何

二異

ルデ

ア

ラ

ウ

カ。

各年

代

二亙

リ、

各

國

ノ材

料

テ比

較

ス

ルト

ヨイガ、

此

慮

ニ

ハ不

充

分

乍

ラ得

ラ

レタ

ル材

料

ノζ

二就

イ

テ観

察

ス

ル。罹

患

者

ノ統

計

ラ

示

セバ第

十

五

表

ノ如

クデ

ア

ル。

之

テ封

数

「グ

ラ

フ」二圖

示

シ

タ

モ

ノガ

第

十

七圖

デ

ア

ル。

此

囲

ニヨツ

テ示

サ

レ

ル如

ク各

國

ノ年

齢

分布

曲

線

ハ大體

二於

テ類

似

ス

ル。

然

モ、我

國

ノ曲

線

二於

テ認

メ

ラ

ヴ

ル如

ク、

生

後

一定

年

限

ノ後

、最

高

二達

シ

テ

カ

}フ略

ζ封

敷

「グ

一フフ」上

直線

的

二

下

降

ス

ル

コト

ハ注

目

ス可

キ黙

デ

ア

ル。然

シ乍

ラ、好

登

年

齢

ハ夫

々異

リ、我

國

ノ材

料

トグ

ィ摂ー刊ノ

ソ

レガ満

二歳

頃

デ

ア

ルノ

ニ封

シ、

他

ハ

第十七・圖 「ヂフテ リア」患者 ノ年齢分布 各國比較

第十入 圖 工ヂフテ リア」患者 ノ年齢 分布

(Wien;Kinderklik)

内田＝

「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

二關

ヌル數理統計學的研究

一

一五

一

32気

内

田＝「ヂフテリ

ァ」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的研究

一二五二

二歳

フ

コこラニ垣

方

駐塁毒スル

ノ

。上主

翁

ノ演

刀ノブ

害

沿合

量

コト

ノ廣

二双

テ見

プ

ル

、通橿リ

デ

ァ

ル

,之

ガ

如

何

ナ

ル原

因

ニ

ヨ

ル

カ

バ斬日

ク欄キ、先ヅ日奪

ノ材料

二就イテ川上氏ノ第二種駿

テ矯

、ンテ理論値

テ算出シ、比較セル所、我國

ノ場合

蕗

商

ジク

ヨク

豪

スル

コト

テ認

メ

タ。

第

十

六表

、第

十

八圖

ハ之

テ示

ス

モ

ノデ

ア

ル。

次

二死

亡者

ノ年

齢

分布

テ比

較

ス

ル。

第

十

七表

二示シ

タ

ノ

ハ英國

、

及

ビ米

國

ノ年

齢

階

級

別

「ヂ

フテ

リ

ァ」死

亡數

デ

ア

ル・米

國

ノ材

料

ノ申

豫

防接

種

ノ影

響

ノ考

ヘ一フ

レナ

イ以前

、六

ヶ年間

ノ合

計

、我

國

ノ同

年

度

ノ合

計

、

及

ビ英

國

ノ

モ

ノヲ同

一ノ封數

「グ

ラ

フ」二比

較

シ

タ

モノガ

第

十

九圖

デ

ア

ル。

我國

ト米

國

ト

ハ好發

年

齢

テ同

ジ

ク

ス

ルガ、勾

配

ハ著

シ

ク異

ル。

又

英

國

ノ年齢

分布

ハ前

二者

ト著

シ

ク異

リ

、

満

三歳

頃

二

初

メテ最

高

二達

ス

ル。

然

、ン乍

ラ、

曲

線

ノ性質

ハ類

似

シ、川

上

氏

ノ函

敷

ト比

較

シタ所

、

米國

ノ材

料

デ

ハ極

メテ

ヨク、

又英

國

ノ材

料

二就

イ

テ

モ略ζ

一致

ス

ルコ

ト

テ認

メタ

〈第

十

八表

滲

照

〉。

第十九圖 「ヂフテ リア」死亡者 ノ年 齢分布 各 國比較

以

上

ノ如

ク、

他

國

ノ年

齢

分

布

ガ、罹

患

、

死

亡

共

二川

上氏

ノ第

二種

函數

鴫一一致

ス

ル

コト

テ坦

テ、他

國

ノ場

合

モ同

ジ解

繹

ガ成

リ立

ッ

ト思

バ

レ

ル。

然

シ乍

ラ,

各

國

問

二認

メ

ラ

レ

ル

著

明

ナ差

ハ如

何

一一説

明

サ

レ得

ルデ

ア

ラ

ゥ

カ。

好發

年

齢

ノ差

ハ罹

患

可

能

トナ

ル時

期

ノ遅

速

テ示

シ、勾

配

ノ差

ハ感

染

ノ機

會

ノ差

ヲ意

味

ス

ル。

但

シ、罹

患

可能

トナ

ル時

期

ガ國

ニ

ヨツ

テ訟駄リ

ニモ相

違

ス

ル

ゴト、殊■

ヴ旧痢Lジ.ノ病院

統計

ガ我

國

ノ夫

ト殆

ド

一致

シ、

他

ト格

段

ノ差

テ示

ス

コ

トニ

就

イ

テ

ハ更

風

二詳細ナル研究テ要

スルモノト思フ。

第

四節

季節

別観察

東京市内魑役所

ノ傳染病患者毫帳

二縁ッテ、月別、年齢

別、「ヂ

フテリア」罹患籔

ラ得タ。其結果

ハ」第十九表

―■示ス

33

第 二十圖 季 節別 二見 タノレ「ヂフテ リア」

罹患者 ノ年齢分布

通

リ

デ

ア

ル。

月

別

ト

ナ

ス

ニ

ハ数

ガ灘

イ

ノデ

一年

テ四

季

二分

チ、

夫

々

ノ

季

節二

於

ケ

ル年

齢

分

布

テ封

籔

「グ

ラ

フ」デ

比較

シ

タ

モノガ第

二

十圖

デ

ア

ル。

此

圖

テ見

ル

ト冬

ト春

、

夏

ト秋

ノ曲

線

ガ夫

々類

似

シ、

且、冬

ト夏

、春

ト秋

ト

ノ間

ニ

ハ夫

々著

明

ナ差

異

ガ

認

メ

ラ

レ

ル。

・即

チ、

夏

ト秋

ハ、

冬

ト

春

二比

シ

テ幼兒

ノ割

合

ガ勘

イ

コト

ヲ示

シ

テ居

ル。

此

事

ハ、

同

ジ

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」

二罹

患

ス

ルモ

ノデ

ア

ツ

テ

モ年

齢

ニヨ

ヅテ季

節

ノ影

響

ラ受

ヶ

ル

程

度

ガ異

ル

コト

ヲ意味

ス

ル。

其

レ

ハ本研

究

ノ解

繹

ト矛

盾

ス

ルカ

ノ如

ク

デ

ア

ルガ、

素

質

ノ差

ラ前

提

ト

ス

ル以

上、罹

患

スベ

キ人間

ノ中

二於

テ又

、

罹

患

ノ頻

度

ガ素

質

ノ大

小

二左

右

セラ

レ、從

ツ

テ年

齢

ト共

二

「ヂ

フ

テリ

ア」二罹

患

ス

ル

モノ

ノ性

暫ハガ異

ルト考

ヘラ

レ

ルカ

ラ、

斯

カ

ル、現

飢象

ノ現

ハ

ソ

ル

コト

ハ可

化肥デ

ア

ル。

此

問

題

ハ今

後

更

二幽悪晶ナ

ル材

料

二地泓イ

テ研

究

ス可

キデ

ア

ルト思

フ。

第

五

節

年

代

別

観

察

日

本

内地

ノ年

代

別

、年

齢

別

「ヂ

フ

テリ

ァ」死

亡數

テ示

セバ第

四

表

ノ

如

クデ

ア

ル。

之

テ封

数

「グ

ラ

フ」二取

ツ

テ

比較

シ

タ

モ

ノガ第

六

圖

デ

ア

ル。

此圖

ニヨツ

テ年齢

分布

ノ年

次

的

攣

化

ヲ観

察

シテ見

ル

ノ

ニ、

先ヅ

、直線

部

分

ノ勾

配

ガ最

近

、緩

カ

ニナ

ッ

テ來

テ居

ル

コト

ガ認

メ

ラ

レ

ル。

次

二零

歳

二封

ス

ル

■威階

級

ノ死

亡

ノ割

合

ガ

増

加

シ

テ來

テ居

ル

コトガ

見

ラ

レ

ル。而

シ

テ其

攣

化

ハ或

時

代

デ

ハ殆

ド

ナ

ク

(大

正

年間

)、

或

時

代

デ

ハ著

明デ

ア

ル

(昭

和

七

、

八年)。

次

二東

京

府

(警

視

聴

管

下)ノ「ヂ

フ

テリ

ァ」罹

患

者年

齢

分

布

、

最近

十

ヶ年

間

テ比

較

シタ

モノガ第

三圖

デ

ア

ル。此圖

二於

テ

モ明

カ

ニ年

齢

分

布

ノ年

次

的攣

化

ガ認

メ

ラ

レ

ル

(曲線

ノ形

ノ類

似

ハ既

述

ノ通

リデ

ア

ル〉。

殊

二最

近

敷

年

間

ノ攣

化

ハ顯

著

デ

ア

ル。

罹

患

ノ場

合

ハ傾斜

ノ差

ノ

ζ

ナ

ラズ好

登

年

齢

モ攣

化

シテ

ヰ

ル。

近

年

日本

各

地

二於

テ、殊

二東

京

市

二於

テ

ハ

昭

和

八年

以來

、

「ヂ

フ

テリ

ァ」二封

ス

ル豫

防

注射

ガ學

齢

前

ノ小見

ラ圭

二封

象

ト

シ

テ相

當

廣

ク施

行

サ

レ

ルヤ

ウ

一一ナ

ッ

タガ、如

上

ノ年

齢

分布

ノ攣

化

ハ人

工冤疫

ノ影

響

ガ考

ヘラ

レル以

前

ノ年

二銃

二

内

田＝

「ヂフテリア」ノ年齢分布

二關

ヌル籔

理統

計學的

研究

一

一五三

34

丙田＝

ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

二關

ス數

理続計學的研究

一

一五四

現

ハ

レテ來

テ居

ル。尚

、

此年

齢

分

布

ノ年次

的攣

化

二關

シ

テ注

目

ス可

キ

コ

ト

ハ、東

京

二於

テ

ハ最近

「ヂ

フテ

リ

ァ」ノ致命

率

ガ遍

減

シ

ツ、

ア

ルガ、

其

程

度

ガ

五歳

未

満

ノ

モ

ノ

ニ比

シ、

六歳

乃至

十歳

ノ

見

童

二於

テ

著

シ

イ

コトデ

ア

ル。

兎

モ角

、

我

國

二於

ケ

ル年

齢

分

布

ガ常

二

一定

ノ方向

二攣

化

シ

テ來

テ居

ル、印

チ、年

少

者

ノ割

合

ガ漸

減

シテ來

テ居

ルト云

フ

コ

ト

ハ注

目

ス

可

ギ

黙

デ

ア

ツ

テ、罹

患

率

或

ハ死

亡率

ノ年

次

的攣

化

ガ斯

カ

ル

一定

ノ方

向

ラ持

タ

ナ

イ

コト

ト比較

シ

テ興味

ア

ル所

デ

アル

。.

更

二米

國

ノ材

料

(第

十

七

表

)テ我

國

ノ場

合

ト同

檬

、年

々

ノ數

一二

定

ノ率

ヲ乗

ジ

テ、封數

「グ

ラ

フ」二比

較

シタ

モノガ第

二十

一圖

デ

ア

ル。

此圖

二見

プ

ル、

如

ク、

其

年

次

的攣

花

ハ我國

二認

メラ

レ

ル以

上

二顯著

デ

ア

ル。

米

國三

於

テ

ハ、既

二

一九

一八年頃

ヨリ豫

防

注

射

ガ

行

ハ

レテ

居

ルノデ

、

著

明

ナ攣

化

ノ

ァ

ル部

分

ハ人

工免

疫

ノ影

響

モ與

ツ

デ居

ルカ

モ知

レナ

イガ、此

材

料

ノ範

園

デ

ハ我

國

二於

ヶ

ル如

キ勾

配

ノ緩

ク

ナ

ル

傾

向

ハ認

メ

ラ

レズ、

反

ツ

テ、

最近

ノ方

ガ傾

斜

ガ強

イ位

デ

ア

ル。

但

シ、此

範

園

ノ年

代

ノ比較

ノ

・てカ

ラ斯

ク

ノ如

ク断

定

ス

ル課

ニ

ハユ

カナ

イ

第 二 十 一 圖 「ヂ フテ リア」死 亡 者 ノ年 齢 分 布「アメ リ カ」

・「ヂ

フテ

リ

ァ」ノ年

齢

分布

ガ

年

次

的

二攣

化

ス

ルコ

ト

ハ既

二、

多

ク

ノ學

者

ニヨヅ

テ指

摘

セラ

レテ居

ル。

其

中

ノ代

表

的

ナ

モノ

テ見

ルト

其

攣

化

ノ有

様

ハ我

國

ノ場

合

ト同

様

デ

ア

ル。

即

チ、Pickenノ英

國

二於

ケ

ル統

計

(第

二

十表

)、Seligmannノ掲

逸

二於

ケ

ル統

計

第

二十

一表

)

ハ何

レ

モ年

少

者

ノ比

率

ノ減

少

テ

示

シ

テ居

ル。

「ヂ

フ

テ

リ

ァ」ノ年

齢

分布

ノ年

次的

攣

化

ガ

如何

ナ

ル

原

因

ニヨ

ル

モ

ノデ

ア

ル

カト云

フ

コト

ハ極

メ

テ

難

カ

シイ問

題

デ

ア

ル。

年

齢

分

布

ノ

年

次

的攣

化

二就

イ

テ

ハ、

Picken Seligmann -.0 Gottstein,Murphy, Pfaundler, Kleinschmidt, de Rudder, Hertel, Rei-che, Forbes, Silberschmidt, Schmidt, Burgers, Hottingerand Lorenz, Sitt等多数ノ学者ニヨ研究セラレ

ガ、

未

ダ認

ム可

キ説

明

ハ與

ヘラ

レテ

居

ラ

ナ

イ

ヤウ

ニ思

フ。

弦

ニハ

35

年

次的

鍵

化

ノ事

實

ヲ示

ス

ニ止

メ

ル、

要

約

一、

「ヂ

フテ

リ

ァし患

者

拉

二死

亡

者

ノ年

齢

分布

曲

線

ハ川

上氏

ノ年

齢

的度數

分布

函

敷

二

一致

ス

ル。

二

、

此

一致

カ

ラ、

「ヂ

フテ

リ

ァ」疫

學

上新

シイ理

論

ラ建設

ス

ル

コトガ

出

來

タ。

夫

ハ從

來

ノ侵

染

説

二素

質

ノ意

義

テ附

加

シタ

モノデ

ア

ル。

即

チ、

「ヂ

フテ

リ

ァ」二罹

患

ス

ル

コト、

「ヂ

フ

テリ

ァ」二因

ツ

テ死

亡

ス

ル

コ

ト

ニ、素

質

ガ大

ナ

ル意

義

テ持

ッ

ト考

ヘ

ルナ

ラバ、

本

病

ノ疫

學

的

諸

事

實

テ

一義

的

二説

明

シ得

ル

コト

ヲ認

メ

タ。

三、

進

ンデ、

本

疾

患

ノ年

齢

分布

ラ男

女

別、

地

方

別

、

國

別

、

季

節

別、年

代

別

二観

察

シ、

夫

々新知

見

テ得

タ。

特

二注

目

ス可

キ

ハ、

民

族

蛇

二地

方

テ異

ニス

ル外

國

二於

ヶ

ル材

料

モ同

一型

ノ度數

分布

ヲ示

シ、同

一ノ理

論

テ以

テ律

シ得

ラ

レ

ル

コトデ

ア

ル。

稿

ヲ絡

ル

二臨

ミ、御指導蛇

二御校閲

ヲ賜

ツタ草間教授蛇

二川上助敢授

二謹

ンデ感

謝

ノ意

ヲ表

スル。

統

計

材

料

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内田＝

「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的

研究

一

一五五

36

府田＝

「ヂフテリァ」ノ年齢分布

二關

スル數理統計學的

研究

一

一五六

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)de Rudder, B., Dtsch. med. Wschr., 54, 1928. 121)

内

田＝

「ヂ

フテリァ」ノ年齢分布

二關

ヌル數理統

計學的

研究

一

一五七

38

内

田＝

「ヂフテリァ」ノ年齢分布

二關

スル数理統計學的研究

一一五八

39

第

一表年齢階級別

「ヂフテリ

」患者數舞

(東京府＝膿視

無下

)

第

二表

男女別

年齢別

「ヂフテリア」患者數

(自大正十

二年至昭和入年東京市

ノ

一部)

内田＝

「ヂフテリァ」ノ年齢分布

二關

スル數淋理統出訂學的研究

一

一五九

40

内

田11「ヂ

フテリ

ァ」ノ年齢分布

二關

スル数理続計學的研究

一一八○

第三表年齢別

「ヂフテリア

」患者數

(病院統出訂)

第四年齢階級別

「ヂフテリア」斜

細年

旨比蛾

(餅図)

葺

曄國

鉾＝東京府

皿1926至1931男女別年齢別

「ヂフテリア」死昏

41

内田=

「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

ニ關

ヌル數理統計學的研究

一

二六一

42

内

田=

「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

メル數理

統計學

的研究

一

一六二

第五表シック陽性率ノ年齢的變化(保健館

)

第六表 シッ ク陽性 傘 ノ年齢

的變 化(飯 村)

43

第七表ジック陽性卒ノ年齢的變

化

(Zingher)

第九表年齢階級別人口「ヂフテリア」死亡

數

「ヂフテリア」死亡率

(全國自1920至

1931)

第八表 年齢 階級別 「ヂフ

テ リア」・罹患竝 死

亡數

(東京市 自1934至1936)

じ

ち

内

田=

「ヂフ

テリア」ノ年齢

分布

ニ關

スル數理統計學的研究

一二六

一三

一

二

44

内

田11「ヂフ

テリ

ア」ノ年齢分布

ニ關

スル數

理統

計學

的研究

一二六四

第十表

年齢別「ヂフテリア」患者數(東京府)

第十一表表年齢階級別「ヂフテリア」死亡者數

羅5

第十二表 年齢別 「ヂフデ

リア」患者数

(第三表合計)

第十三表地方別・年齢階級別「ヂフテリア」死亡(自1925至1934

計)

内田=「ヂフテリァ」

年齢分布ニ關スル數理統計學的研究

一

一六五

46

内

田=「ヂフデリア」ズ年齢分布

ニ關

スル數理統計學的研

究

一

一六六

第十四表地方別、人口、人口密度、「ヂフテリア」死亡數「ヂフテリア」死亡率

第十五表年齢階級別「ヂフテリア」患者數(外図)

47

内

田=「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

ヌル數理統計學的研究

一

一六七

48

内

田=

「ヂフテリァ」ノ年齢分布

ニ關

スル數理統

計學的研究

一一六八

第十六表

年齢別「ヂフテリア」患者數(外國)

第十七表年齢階級別「ヂフテリア」死亡者數(外國)

49

第十八表年齢階級別「ヂフテリア」死亡者數

内田11

「ヂ

フテリア」ノ年齢分布

ニ蘭

スル數理統

計學的研究

一一六九

50

内

田"「ヂフテリア」ノ年齢分布

ニ關

スル数理統計學的研究

一

一七〇

第十九表 年齢別、 月別 「ヂフテ リア」患者敷(東 京市 ノー部)

第三十 表 イギ リヌ ニ於 ケノレ「ヂ フテ リア」死 亡者 年齢分布 ノ年次 的攣化

(5-10歳 ノ死亡數 二封 ヌル各年齢 階級別死亡 ノ百分率

Pickenニ ヨノレ)

第 二 十 一 表 ベル リソ ニ於 ケノレ「ヂ フテ リア」死 亡 者年 齢 分 布 ノ年 次 的 攣

化(総 「ヂ フテ リア」死亡 二封 スル 各 年 齢 階 級 別 死 亡 ノ百 分

率Seligmannニ ヨル)