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「経済・財政再生計画」の着実な実施...
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「経済・財政再生計画」の着実な実施
に向けた建議
平成 28 年5月 18 日
財政制度等審議会
「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議
平成28年5月18日
財務大臣 麻生 太郎 殿
財政制度等審議会会長
吉川 洋
財政制度等審議会・財政制度分科会は、財政健全化目標の達成に向け
て策定された「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた基本的考え
方を、ここに建議として取りまとめた。
政府においては、本建議の趣旨に沿い、今後の財政運営に当たるよう
強く要請する。
財政制度等審議会 財政制度分科会
名簿
平成 28年5月 18日現在
[財政制度等審議会会長
兼財政制度分科会長] 吉川 洋 立正大学経済学部教授
[財政制度分科会長代理] ○ 田近 栄治 成城大学経済学部特任教授
[委 員]
秋山 咲恵 (株)サキコーポレーション代表取締役社長
遠藤 典子 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授
大宮 英明 三菱重工業(株)取締役会長
倉重 篤郎 (株)毎日新聞社専門編集委員(論説室)
黒川 行治 慶應義塾大学商学部教授
神津里季生 日本労働組合総連合会会長
角 和夫 阪急電鉄(株)代表取締役会長
竹中 ナミ (社福)プロップ・ステーション理事長
田中 弥生 (独)大学改革支援・学位授与機構教授
○ 土居 丈朗 慶應義塾大学経済学部教授
○ 富田 俊基 中央大学法学部教授
○ 中空 麻奈 BNPパリバ証券(株)投資調査本部長
永易 克典 (株)三菱東京UFJ銀行相談役
[臨時委員]
赤井 伸郎 大阪大学大学院国際公共政策研究科教授
板垣 信幸 日本放送協会解説主幹
伊藤 一郎 旭化成(株)取締役会長
井堀 利宏 政策研究大学院大学教授
老川 祥一 読売新聞グループ本社取締役最高顧問・主筆代理
岡本 圀衞 日本生命保険相互会社代表取締役会長
葛西 敬之 東海旅客鉄道(株)代表取締役名誉会長
加藤 久和 明治大学政治経済学部教授
○ 小林 毅 (株)産経新聞東京本社取締役
佐藤 主光 一橋大学国際・公共政策大学院教授
末澤 豪謙 SMBC日興証券(株)金融経済調査部部長金融財政アナリスト
十河ひろ美 (株)ハースト婦人画報社ヴァンサンカン&リシェス編集部編集長
高原 豪久 ユニ・チャーム(株)代表取締役社長執行役員
武田 洋子 (株)三菱総合研究所政策・経済研究センター副センター長 チーフエコノミスト
冨山 和彦 (株)経営共創基盤代表取締役CEO
南場 智子 (株)ディー・エヌ・エー取締役会長
増田 寛也 東京大学公共政策大学院客員教授
宮武 剛 (一財)日本リハビリテーション振興会理事長
(注1)上記は五十音順。
(注2)○は起草委員。
財政制度等審議会 財政制度分科会
審議経過
2月5日(金)
○ 平成28年度予算等
○ 平成28年度予算を受けた財政試算
○ 復興財源確保法及び特例公債法の一部を改正する法律案
○ 財政制度分科会の今後の進め方
4月4日(月) ○ 「経済・財政再生計画」の着実な実施(社会保障)
○ 復興
4月7日(木)
○ 海外調査報告
(EU・イギリス・アイルランド、IMF・アメリカ・カナダ)
○ 「経済・財政再生計画」の着実な実施
(社会資本整備、文教・科学技術、地方財政)
4月 15 日(金)
○ 海外調査報告
(ドイツ・イタリア・ギリシャ、OECD・フランス・スペイン・ポルトガル)
○ 海外調査に関する論点整理
○ 財政・租税教育
4月 28 日(木) ○ 女性公聴会についての報告
○ 「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議(案)」について
5月 13 日(金) ○ 「「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議(案)」について
目 次
Ⅰ.財政健全化目標の達成に向けた取組
1.「経済・財政再生計画」の着実な実施・・・・・・・・・・・・ 1
2.海外の財政健全化の取組から得られる視点・・・・・・・・・・ 4
3.我が国における国民的コンセンサスに向けた取組・・・・・・・ 11
Ⅱ.主要分野において取り組むべき事項
1.社会保障・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13
2.文教・科学技術・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
3.社会資本整備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
4.地方財政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
Ⅲ.終わりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
(参 考)
1.「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議(概要)・・・ 33
2.参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37
目標を達成するためには計画が必要であり、計画を実行してこそ成功
につながる。
政府は、2020 年度(平成 32 年度)の国・地方の基礎的財政収支(プ
ライマリーバランス)の黒字化の実現に向け、昨年6月に経済・財政再
生計画1を閣議決定した。
当審議会は、今般、この計画の着実な実施に向け、政府が取り組むべ
き方針について審議を行い、以下、建議として示すこととした。
Ⅰ.財政健全化目標の達成に向けた取組
1.「経済・財政再生計画」の着実な実施
政府は、経済・財政再生計画において、2020 年度(平成 32 年度)ま
でに国・地方のプライマリーバランス2(以下 PB)を黒字化し、その後、
債務残高対 GDP 比を安定的に引き下げるという財政健全化目標を堅持
することを改めて示した。この方針は、2010 年6月のトロント・サミッ
ト以降、国際的にコミットメントを表明しているものであり、政府はそ
の後も累次にわたり、それを堅持することを表明してきた3。
経済・財政再生計画初年度である平成 28 年度予算は、計画で示された
一般歳出の水準等の目安を堅持して編成され、目標達成に向けた第一歩
1 「経済財政運営と改革の基本方針 2015」(平成 27 年6月 30 日 閣議決定)(以下「骨太 2015」)の
第3章。 2 プライマリーバランス(PB)とは、その年度の政策的経費(利払費を除いた歳出)を、その年度の
税収及び税外収入でどの程度賄うことが出来ているのかという財政状況を示す代表的な指標。債務残
高対 GDP 比を減少させるためには、PB を黒字にしなければならない。ただし、その場合であって
も、長期的に金利が経済成長率を上回るとすれば、PB を均衡させる(ゼロにする)だけでは債務残
高対 GDP 比は発散してしまうことに留意が必要である。 3 安倍総理大臣による施政方針演説(平成 28 年1月 22 日)では、「三年間のアベノミクスは、大きな
果実を生み出しました。…(中略)…来年度予算の税収は十五兆円増えています。社会保障を始めと
する歳出の伸びを抑制し、基礎的財政収支の赤字は、政権交代前の半分以下、十兆円余りにまで減り
ました。経済再生なくして財政再建なし。二〇二〇年度の財政健全化目標を堅持します。」とされて
いる。
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となった。また、目安の実現に向けた歳出改革の実行については、数字
ありきのものとならぬよう、社会保障をはじめ主要歳出分野における 80
の改革検討項目について、その実施・検討時期を明確化した改革工程表
(平成 27 年 12 月 24 日 経済財政諮問会議)を策定したところである。
このように、目標の達成に向けた枠組みはしっかりとしたものとなって
おり、これを着実に実施する段階にある。〔資料Ⅰ-1-1、2参照〕
他方、足元の状況に目を向けてみると、中国を含め世界経済にリスク
が見られる一方で、異次元の金融緩和政策により国債金利が極めて低水
準で推移している。こうした中で、計画スタート直後にもかかわらず、
財政健全化のペースを緩めるべきではないかという議論が見られる。特
に、本年2月のマイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入4が、こうし
た財政規律の弛緩につながる議論に拍車をかけている側面もある。
しかし、財政規律が緩むようなことは決して許されない。我が国の公
的債務は GDP の2倍を超えるなど、歴史的にも国際的にも類を見ない水
準まで累増している。また、フローで見ても、内閣府「中長期の経済財
政に関する試算」(平成 28 年1月 21 日)(以下中長期試算)では、名目
3%を大きく上回る高い成長率が継続することを想定した「経済再生ケ
ース」においてすら、なお 2020 年度(平成 32 年度)に▲6.5 兆円の PB
赤字が残る見通しである5。財政健全化の手綱を緩めるような状況には全
くない。
2020 年度(平成 32 年度)の PB 黒字化の実現に向けては、目安及び
改革工程表に則って、経済・財政再生計画を着実に実施しなければなら
ない。その際、2018 年度(平成 30 年度)に予定されている、PB 対 GDP
比▲1%程度の目安に照らした中間評価において、その進捗状況を評価
した上で、必要な追加的措置を講じていくべきである。〔資料Ⅰ-1-
3参照〕 4 マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入については、平成 28 年1月 29 日の日本銀行・金融政
策決定会合で決定された後、同年2月 16 日からの準備預金積み期間から適用された。 5 経済が足元の潜在成長率並みで将来にわたって推移することを想定した「ベースラインケース」で
は、2020 年度(平成 32 年度)に▲12.4 兆円の PB 赤字が残る見通し。なお、本試算では、平成 29
年4月に予定されている消費税率 10%への引上げに併せた軽減税率制度の導入に伴う減収(1.0 兆円
程度)に対応し確保する安定的な恒久財源については、総合合算制度の見送りにより確保する 0.4 兆
円程度を織り込んでいる。織り込まれていない残りの 0.6 兆円程度については、平成 28 年度末まで
に歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより、確保することとしている。
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また、当審議会では、東日本大震災から5年間の集中復興期間を終え
たことを受けて、これまでの取組を振り返った。この間の政府の取組は
今後の財政運営についての重要な視座を示している。すなわち、政府は、
「次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯し
負担を分かち合う」という考え方に基づき、資産売却収入を含む税外収
入の活用だけではなく、復興増税を実施することで財源を確保し、特例
公債を発行することなく、復旧・復興の取組を進めてきた。そのため、
政府は、一時的なつなぎとして復興債を発行し、復興増税等を財源とし
て、それを償還していくスキームを策定した。このことが、復旧・復興
の着実な実施に向けた安心感につながったと評価される。
今後、経済・財政再生計画を実施していくに当たっても、「今を生きる
世代全体で連帯し負担を分かち合う」といった原則に基づくことが重要
である。また、先般、熊本地震において甚大な被害が生じたが、経済・
財政再生計画を着実に実施し、財政余力を高めることこそが、大規模災
害や世界的な経済危機への今後の備えになることは言うまでもない。
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2.海外の財政健全化の取組から得られる視点
PB 黒字化に向け、経済・財政再生計画を着実に実施していくためには、
海外の経験から示唆を得ることが有益である。こうした問題意識の下、
今般、当審議会では、リーマン・ショック後にG20 等でのコミットメン
トの遂行に向けて取組を進めた先進国(G7諸国)、及び欧州債務危機か
らの回復に向けて取組を進めてきた GIIPS 諸国(ギリシャ、イタリア、
アイルランド、ポルトガル、スペイン)を対象に、諸外国の財政健全化
の取組についての海外調査を行った。〔資料Ⅰ-2-1参照〕
まず指摘すべきは、各国は、我が国よりも厳しい財政健全化目標を設
定し、短期間で大幅に改善してきたということである。また、EU 各国で
は、欧州債務危機後、財政収支対 GDP 比▲3%以内、債務残高対 GDP
比 60%以下等の従来の基準に加えて、財政協定6に基づいて、構造的財政
収支7対 GDP 比▲0.5%以内等のより厳しい財政健全化目標を設定し、そ
れを各国憲法等に規定するなど規律の強化を図っている。〔資料Ⅰ-2
-2~4参照〕
こうした対応により欧州債務危機後、多くの国において、財政状況は、
我が国よりも、早期に、しかも集中的に改善している。例えば、財政健
全化が順調に進んでいないと言われるイタリアにおいても、2011 年末に
は PB 黒字化を達成している。また、ドイツやイギリスなど、経済再生と
財政健全化を両立している国は、重要施策への対応に当たっても、財政
規律を堅持している。
他方、我が国は、各国よりも厳しい財政状況にあるにもかかわらず、
各国より緩い財政健全化目標を設定している状況にある。この状況を踏
まえれば、我が国が、各国以上に、計画に沿って財政健全化に向けた取
組を着実に進めていくことは当然である。
6 各国憲法等への財政収支均衡又は黒字化の導入等の規定の義務化(2012 年3月署名、2013 年1月発
効)。「均衡又は黒字化」は、総債務残高対 GDP 比 60%超の国は、構造的財政赤字対 GDP 比 0.5%
以下の範囲で中期財政目標を設定し、それに即していれば遵守されているものとみなされる。ただし、
総債務残高対 GDP 比が 60%を大きく下回る国で、長期的な財政リスクが低い国は、構造的財政赤字
対 GDP 比 1.0%以内の範囲まで可。 7 構造的財政収支とは、財政収支から景気変動によって変動する部分及び一時的要因を除いたものを
いう。
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今回の海外調査に基づくと、経済・財政再生計画の実施に向けては、
以下の4つの視点が特に重要であると結論付けられる。
・ 財政健全化の着実な実行
・ 将来に備えた堅実な財政運営
・ 構造改革などの成長戦略と財政健全化の両立
・ 財政健全化のコンセンサスの醸成
(1)財政健全化の着実な実行
財政健全化のための歳出・歳入改革に係る計画等を明確に示し、個別
の措置を着実に実行していくことが、市場の信認の維持・確保の観点か
ら重要であることが改めて確認された。〔資料Ⅰ-2-5参照〕
IMF(国際通貨基金)からは、計画を事前に公表された内容通りに実
施することの重要性や、財政健全化の先送りや長期化が取組の失敗や潜
在成長率の低下につながりかねない旨の指摘がなされた。
こうした指摘に沿った対応をしているのが、例えば、イギリスやアイ
ルランドである。特に、イギリスでは、欧州債務危機等を受けて、2011
年6月以降に財政健全化計画の変更を求める声が高まったものの、2010
年に策定した計画を放棄することなく断行することにより、経済再生と
財政健全化を両立させ、現在、財政収支の黒字化に向けて、着実に前進
している。安易に計画を変更しないというイギリスの姿勢は、まさに経
済・財政再生計画の初年度を迎えている我が国として教訓とすべきもの
である。
また、財政健全化の取組の先送りを防ぐ仕組みを導入している例もあ
る。例えば、フランスでは財政健全化の進捗が遅れた場合に政府が是正
措置を示すこと、イタリアでは予定していた財政健全化が達成できなか
った場合に付加価値税を引き上げることが、いずれも法律で定められて
いる。
他方で、ギリシャの例を見れば、改革の先送りがいかに大きなリスク
を孕んでいるかが分かるであろう。特に、年金制度については、危機以
前から、給付と負担の不均衡が問題視されていたにもかかわらず、必要
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な改革が実施されてこなかった。危機以降も、公的債権団と合意した改
革事項が十分に実施されておらず、先送りされてきた結果、更なる厳し
い改革を未だに求められている状況にある。こうしたギリシャの状況に
鑑みれば、改革の先送りは、更に大きな問題を生み出すものと心得るべ
きである8。
我が国のこれまでの財政健全化に向けた取組を見ると、特例公債から
の脱却については、当初の目標年度の後ろ倒しを繰り返し、目標達成ま
でに 15 年もの歳月を要した。平成9年の「財政構造改革法」はアジア通
貨危機や国内金融システム不安を前に、目標年度が先送りされた後、最
終的には法律は凍結された。さらに、平成 18 年の「骨太 2006」による
財政健全化はリーマン・ショックに端を発する世界金融危機を受け、目
標年度が 10 年も後ろ倒しされることとなった。これを単なる外的な要因
によるものと片付けてはならない。経済ショックは繰り返されるもので
あり、想定外の事象が発生したとしても取組を後退させることなく、計
画を着実に遂行していく必要がある。
(2)将来に備えた堅実な財政運営
客観的で堅実な経済前提を置くことが重要であること、そして、経済
が予想以上に好調に推移し、想定を上回る税収が得られる場合には、税
収増を歳出増に充てるのではなく、債務削減に充てることが原則である
ことも確認された。〔資料Ⅰ-2-6参照〕
このような対応により、財政面での「貯金」をすること、すなわち財
政収支の改善を前倒して実施することは、将来起こり得る経済ショック
等に対して、適切な経済対策を打つ余力を確保することにつながる。こ
れらによって、苦境を乗り越え、さらに、中長期的に財政健全化を進め
ることが可能となる。
8 ギリシャが進めてきた厳しい改革としては、以下のような例が挙げられる。
・ 年金給付額を累次にわたって削減。例えば、月 1,200 ユーロを超える年金給付を▲20%減額。
・ 年金支給開始年齢を原則、男性 65 歳・女性 60 歳から、一律 67 歳に引上げ。
・ 医療支出を大幅削減(対 GDP 比で 2010 年 6.8%⇒2014 年 4.7%)。
・ 付加価値税率を 19%から 23%に引上げ。加えて、レストラン・ホテル等の軽減税率を引上げ。
・ 公務員数を大幅削減(約 19%を削減)。
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こうした取組を着実に進めているのがドイツである。2012 年4月時点
では、ドイツは、堅実な経済前提を基に 2014 年以降に財政収支の黒字化
を達成すると見通していたが、想定を上回る税収が得られ、それを収支
の改善に充てることにより、目標年に先んじて、2012 年に財政収支の黒
字化を達成した。足元でも、移民・難民対策関連支出を増やしているが、
今後も収支均衡を堅持していく方針を掲げている。
他方、平時に堅実な財政運営を行わないことのコストがいかに高いも
のであるかは、ギリシャの例がよく物語っている。ギリシャは、景気の
良い時に必要な財政健全化を進めなかったために、いわばそのつけとし
て、リーマン・ショック後に財政危機に見舞われることになった。その
後、公的債権団からの支援を得るために、不況下で急激な緊縮財政を実
施せざるを得ず、国民生活は大混乱に陥った。
我が国は、こうした視点や経験を真摯に受け止める必要がある。近年、
経済は堅調に推移し、想定を上回る税収が得られている。しかし、これ
は異次元の金融緩和などにより下支えされている側面もあることを認識
しておく必要がある。このような状況下で、財政健全化の手綱を緩める
ようでは、国際社会や市場から疑念を抱かれかねない。
過去を振り返っても、バブル期の財政運営において、経済が好調で税
収が増加する中で、財政規律が緩み、拡張的な財政運営を行った9。この
時に、より一層の財政健全化を進めておけば、その後の経済変動の幅を
縮小し、財政運営における選択肢を広げることにつながったと考えられ
る。
現在の財政運営について考えれば、経済・財政再生計画に定められた
歳出水準等の目安に沿って歳出改革を進め、各年度の予算を規律あるも
のとしていくことが不可欠である。その上で、過去の安易な補正予算の
編成が財政悪化の一因となっている事実を重く受け止めつつ、仮に今後、
税収が想定を上回れば、経済ショック等に対して機動的に対応すること
はあっても、財政健全化目標の達成に向けて財政赤字の縮小に充てるこ
9 戦後経済の転換点であったバブル経済期の財政運営を見ると、昭和 62年度から平成2年度にかけて、
景気循環要因を除いた PB は悪化しており、景気刺激的な財政スタンスがとられていた。その背景に
は、国際協調の名の下に、内需主導型の経済成長を実現するため、積極的な財政・金融政策が求めら
れていたことがあった。
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とを基本とすべきである。そして、資産売却収入は原則として債務償還
に充当すべきであり、政府として取り組むべき重要課題に対する追加的
な財政需要については、歳出改革により財源を賄うことで対応すべきで
ある。先に述べたとおり、名目3%以上の高い成長率が継続することを
想定した中長期試算の「経済再生ケース」でさえ、なお 2020 年度(平成
32 年度)に▲6.5 兆円の PB 赤字が残ることを改めて強く認識する必要が
ある。
(3)構造改革などの成長戦略と財政健全化の両立
当審議会において、これまでにも繰り返し議論してきたが、経済成長
のみでは財政健全化は成就しない。同時に、財政健全化のためには、経
済成長も重要な要素であることは言うまでもない。今般、海外調査を行
った各国は、労働市場改革や規制緩和、成長分野への投資などの、歳出・
歳入改革と親和的な構造改革を進めている。〔資料Ⅰ-2-7参照〕
例えば、ドイツでは、シュレーダー政権における労働市場改革や社会
保障改革の取組が、今日の経済・財政両面での繁栄につながっている。
また、現在の財政運営においても「成長志向の財政健全化」との理念を
掲げ、財政の持続可能性を維持しつつ、教育・研究開発やインフラとい
った分野への投資によって長期的な成長を高める取組を重視している。
イギリスやアイルランドでは、厳しい財政健全化を実施する中でもい
ち早く経済が回復しているが、このような背景として、従来から労働市
場をはじめ柔軟な経済構造であったことや、現役世代向けの社会福祉の
削減など就労の促進を図る歳出改革を行ったことが考えられる。リーマ
ン・ショック後、長らく経済が低迷し、財政状況が悪化していたスペイ
ンにおいても、継続的に労働市場改革に取り組んだことが功を奏した。
単位労働コストの低減が輸出増につながり、2015 年の実質成長率は 3.2%
となっている。
また、財政健全化により国民や投資家の信認を強化していくことを通
じて、長期的な経済成長を促進することが、財政健全化と経済成長の好
循環につながる。EU では、欧州債務危機後の財政健全化の経験を踏まえ、
財政健全化は短期的には経済に負の影響があるものの、長期的にはそう
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した負の影響は弱まり、国債金利の安定やユーロへの信認向上を通じて、
経済成長を促進するものとされている。実際に、EU では、共通の成長戦
略を策定して成長力の強化に取り組んでいるが、ここでは「投資の促進」、
「構造改革」と並んで、「財政責任」が成長のための優先事項として明記
されている。
このように、構造改革などの成長戦略に果敢に取り組むことが財政健
全化にも寄与し、新たな成長の強化に向けた投資の余地を生み出すと考
えられ、「経済再生と財政健全化の両立」という政府の基本方針は、各国
の例に照らしても適切な方針と言える。G20 などの場面でも、金融・財
政・構造政策の全ての政策手段の必要性が掲げられており、これは国際
的な共通理解となっている。財政状況が厳しい我が国においては、経済
再生に向けて、財政出動のみに依存せずに、聖域を設けることのない構
造改革の取組を一段と加速していくべきである。さらには、この構造改
革の遅延は経済再生の足かせとなることを念頭に置いておく必要がある。
(4) 財政健全化のコンセンサスの醸成
海外の財政健全化の成功例に目を向けると、財政健全化への国民的な
コンセンサスが、その成功の根底にある。財政健全化への支持の強いこ
とでよく知られているドイツのみならず、カナダ、イギリス、アメリカ、
ポルトガルなど複数の国でこのことが確認できる。〔資料Ⅰ-2-8参
照〕
例えば、財政健全化が最も進んでいるドイツでは、広範に財政健全化
へのコンセンサスがあり、2013 年に発効した EU の財政協定に先立って、
2009年に憲法を改正し、超党派で、財政収支均衡等のルールを制定した。
また、今後の少子高齢化の進展を見据えて、長期的な財政の持続可能性
に取り組む方針は広くコンセンサスが得られている。
先進国の中でもドイツに次いで健全な財政状況であるカナダでは、
1990 年代の国債格下げ等により危機感が高まり、歳出削減に関する政治
的合意・国民的支持につながっている。実際、リーマン・ショック後に
財政状況が悪化した際も、このような経験から歳出削減に対する理解が
得られている。
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イギリスでは、2010 年の総選挙において最大の争点となったのは財政
健全化のペースであり、与野党とも財政健全化の必要性については一致
していた。実際に財政健全化を進めるに当たっては、政府が堅実な経済・
財政見通しを示していたことも、財政への危機感について国民の理解を
得ることにつながったと考えられる。
アメリカについても、財政をめぐって二大政党である民主党と共和党
が対立し政治的混乱が注目されるが、実際には、両党とも財政赤字を削
減する必要があるという点では一致している。両党の間に対立が見られ
るのは、基本的には赤字削減の手法だけである。現に、対立の中で Cap
を規定した予算管理法や Pay-As-You-Go 法に基づく歳出削減メカニズム
が成立し、財政健全化につながっている。
ポルトガルも、2011 年の選挙で政権が交代したが、その直前に策定さ
れた健全化策では、二大政党とも遵守することを表明し、実際に政権交
代した後も、財政健全化目標を堅持している。また、2015 年の選挙によ
り政権交代した後も、EU の財政規律は引き続き堅持するとの姿勢を示し
ている。
このように、国民的なコンセンサスに基づき、財政健全化を実施して
いくことが、その成功につながる鍵である。
我が国においても、社会保障という国民生活の根幹に関わる制度を、
将来世代にわたって持続可能なものとするという共通認識の下、平成 24
年には、社会保障と税の一体改革についてのいわゆる「三党合意」が超
党派で合意された。本合意に基づき、平成 29 年4月に予定されている消
費税率の 10%への引上げを含め一体改革を遅滞なく、かつ着実に実施し
ていくことを強く求めたい。
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3.我が国における国民的コンセンサスに向けた取組
(1)公聴会の開催
先述の海外の財政健全化のプロセスからすると、国民の間に財政健全
化への一層の理解を得ていくための取組が重要である。
去る4月 22 日には、当審議会において、「国の財政と未来を考える女
性の集い~次の世代への橋渡し~」という、女性を対象に財政の在り方
について議論する機会を 10 年ぶりに設けた。公聴会としても7年ぶりの
開催であった。〔資料Ⅰ-3-1、2参照〕
公聴会では、高校生から 70 歳代以上まで幅広い年齢層で、様々なバッ
クグラウンドを持つ 405 名の参加者に対して、国の財政の現状と課題に
ついて説明した。それに関連して、
・ 保育制度の充実は憲法で謳う勤労の権利と義務を保障する社会イン
フラであり、税金で整えるインフラと納税の義務は国を支える車の両
輪である。次の日本を担う子どもたちを育て、かつ自身の職業として
の社会貢献がしたい。
・ 未来への投資として、日本は何に対して前向きな将来投資をしてい
るのか明らかにして欲しい。現在の問題への対応を優先して 40 年、50
年先への投資が後回しになっている。
・ 自分たちの意見をどこで発信するのか、理想を政策に反映できる方
法として何があるのか知りたい。
などといった意見があり、有意義な意見交換の機会となった10。当審議会
としては、今後とも、こうした機会を通じ、広く国民の理解を得ていく
ことに取り組んでいきたい。〔資料Ⅰ-3-3参照〕
(2)財政・租税教育の充実
財政健全化に対する国民的コンセンサスが醸成されるためには、将来
を担う若年層に対する財政・租税教育の充実・強化を通じて、判断の基
10 公聴会で実施されたアンケート結果については、資料Ⅰ―3-4~9参照。
― 11 ―
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準となる情報を国民が広く共有していることが不可欠である。〔資料Ⅰ
-3-10 参照〕
特に、本年6月から選挙権年齢が 18 歳以上へと引き下げられるが、若
者が国家・社会の形成者としての自覚を持って主体的に社会参画を行っ
ていくために、現在の財政上の課題に関する基礎的な知識を学び、財政
を自身の問題として捉えていくことが、より一層重要となる。そのため、
少子高齢社会の進展に伴い、社会保障の受益と負担の不均衡や財政状況
の悪化、財政・社会保障制度の持続可能性が主要な財政上の課題となっ
ていることを、将来を担う若年層が共通の知識として学ぶことができる
環境が重要である。
また、中央教育審議会において、学習指導要領の改訂に併せて高校教
育の新しい科目として、「公共(仮称)」を設置するための議論が行われ
ている。財政・租税教育は、財政の課題に関する基礎的な知識を前提に、
社会の課題や持続可能な社会の形成、さらには限られた財源の中での適
切な配分の在り方について自ら考えさせることができるという点で、「公
共」の授業の充実に資するものと考える。
こうした点を踏まえ、教育現場へのサポート、民間の自主的な取組と
の連携や、「公共」の円滑な実施に向けた協力等に取り組むとともに、学
習指導要領等において、現在の財政上の課題が適切かつ速やかに反映さ
れることを求めたい。〔資料Ⅰ-3-11~13 参照〕
― 12 ―
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Ⅱ.主要分野において取り組むべき事項
経済・財政再生計画の着実な実施に向けては、各主要分野において歳
出水準等の目安、及びそれを堅持するために主に以下の分野で示された
改革工程表に沿って歳出改革を着実に進めなければならない。
1.社会保障
平成 28 年度予算における社会保障関係費の総額は 32.0 兆円と、既に
一般歳出の 55.3%を占めている中で11、2020 年代初頭には「団塊の世代」
が後期高齢者(75 歳以上)となり始める。後期高齢者は、前期高齢者(65
歳~74 歳)と比べて、1人当たりの医療費・介護費が高く、1人当たり
の国庫負担で見ると、医療で約4倍、介護で約9倍と大きく増加する。
こうしたことから、今後も高齢化の進行に伴い、医療・介護分野を中心
として、社会保障関係費が増加していくことが見込まれている。
また、高齢化のみならず、いわゆる「医療の高度化」12も、社会保障関
係費の伸びの要因となる。「医療の高度化」については、その恩恵を患者
が享受できるようにしていくことの重要性も踏まえつつ、費用対効果13を
考慮した上で適切に保険制度に取り込んでいくことが望ましい。
さらに、子ども・子育て分野については、「骨太 2015」において、「2020
年(平成 32 年)をめどに少子化のトレンドを変えるため、平成 27 年度
からの5年間を「少子化対策集中取組期間」と位置付け、子育て支援の
充実」等を図ることとされている。これまでも、消費税増収分等を活用
し、待機児童の解消に向けた量的拡充や質の向上等の充実を図ってきた
11 一般会計歳出における割合も、33.1%を占めている。
12 「医療の高度化」の一例として、画期的な新薬の創出が挙げられる。こうした「医療の高度化」に
関しては、日本赤十字社医療センター化学療法科部長の國頭英夫氏から、最新のがん治療についてコ
スト面を中心にヒアリングを行い、医学が進歩していく中で、医療保険制度の持続可能性を確保して
いくための課題等について、貴重な示唆を得た。 13 イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア等では、医薬品、医療機器等について、費用対効果
評価を実施し、その結果に基づき、保険償還の対象とすることの可否、保険償還額等を決定する枠組
みを設けている。我が国においても、平成 28 年度診療報酬改定において、費用対効果評価の試行的
導入が図られている。
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ところであるが、今後も、「希望出生率 1.8」に向けて、経済・財政再生
計画の枠組みの下、安定した恒久財源を確保しつつ、実効性ある施策を
講じていくことが求められる14。
このように、社会保障関係費については、様々な伸びの要因がある中
で、世代間・世代内の公平性を確保しつつ、受益と負担のバランスがと
れた持続可能な社会保障制度を構築していくため、今後とも、社会保障
の効率化や制度改革に不断に取り組んでいかなければならない。この点
に関しては、「特に若い世代が社会保障に対して不安感を抱いていること
が、個人消費の伸び悩みの要因の一つとなっていると考えられる。」との
指摘もあった。こうした不安感を取り除いていくためにも、国民に社会
保障制度の将来の姿を示しながら、改革に取り組む必要がある。
こうした中で、経済・財政再生計画において、社会保障関係費の伸び
について、「2018 年度(平成 30 年度)までの目安」や「2020 年度(平
成 32 年度)におさめることを目指す水準」が決定されるとともに15、同
計画に盛り込まれた社会保障分野における 44 の改革検討項目について、
昨年末に、当審議会の建議の内容を踏まえた形で改革工程表が取りまと
められた。
これらの進展は改革の前進として評価できるが、改革検討項目の具体
化については今後検討に着手するものも多く、改革工程表が真に実効的
なものとなるかどうかは、これからの関係者の取組に懸かっている。
経済・財政再生計画の初年度である平成 28 年度予算における社会保障
関係費の伸びは、診療報酬の適正化等により、対前年度 4,412 億円の増
と目安に沿ったものとなったが16、今後も、計画に示された3年間・5年
14 平成 28 年度予算においては、消費税増収分を活用した子ども・子育て支援に 6,006 億円(対前年度
817 億円の増)が計上されているところ、消費税率 10%への引上げ後は、更に 0.7 兆円程度に拡充す
ることが予定されている。また、社会保障と税の一体改革の議論の中で、0.3 兆円超の財源を確保し
て更なる質の向上を図るべきという旨の国会の附帯決議がある。 15 経済・財政再生計画においては、「安倍内閣のこれまで3年間の経済再生や改革の成果と合わせ、社
会保障関係費の実質的な増加が高齢化による増加分に相当する伸び(1.5 兆円程度)となっているこ
と、経済・物価動向等を踏まえ、その基調を 2018 年度(平成 30 年度)まで継続していくことを目
安とし、効率化、予防等や制度改革に取り組む。この点も含め、2020 年度(平成 32 年度)に向けて、
社会保障関係費の伸びを、高齢化による増加分と消費税率引上げとあわせ行う充実等に相当する水準
におさめることを目指す。」とされている。
16 経済・財政再生計画の目安との関係では、平成 28 年度予算における社会保障関係費の伸びは、平成
27 年度予算における一時的な歳出を平成 28 年度予算では計上しなかったことに伴う減少分の影響等
を考慮しない実質的な伸びが勘案され、その金額は対前年度 4,997 億円の増となる。
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間の目安を確実に達成しつつ、持続可能な制度を次世代に引き渡す責任
を果たしていくためには、改革工程表に沿った社会保障制度改革の着実
な実行が不可欠である。改革の実効性を高めるため、今後進められる改
革の具体的内容についての検討に当たっては、これまでの当審議会の建
議で示した改革の方向性や内容を十分に踏まえたものとすることを強く
求めたい。
今回の建議においては、こうした観点から、改革工程表の具体化に向
けた今後の対応について、7つの主要分野((1)医療・介護提供体制の
改革、(2)インセンティブ改革、(3)公的サービスの産業化、(4)負
担能力に応じた公平な負担、給付の適正化、(5)薬価、調剤等の診療報
酬及び医薬品等に係る改革、(6)年金、(7)生活保護)ごとに、これ
までの建議において述べてきた改革の方向性・内容の基本的考え方や主
なポイントを改めて指摘する。
(1)医療・介護提供体制の改革
改革に係る制度的枠組みがある程度構築されている分野であり、より
効率的かつ質の高い医療提供体制と地域包括ケアシステムを構築してい
く観点から、改革工程表に掲げられたKPI(Key Performance Indicators)
を踏まえつつ、改革の早期実現と実効性確保を図るための取組を進めて
いくべき分野である。
具体的には、改革の早期実現を図る観点から、地域医療構想や医療費
適正化計画の早期策定を引き続き促していく必要がある。その際、医療
費適正化計画に関しては、入院について、地域医療構想との整合性を確
保するとともに、外来について、データ分析に基づく重複投薬の是正等
に向けたきめ細かい行動目標を平成 28 年夏までに設定し、都道府県によ
る医療費適正化の取組を後押ししていくべきである。
また、改革の実効性確保の観点から、平成 29 年度末に廃止が予定され
ている介護療養病床から効率的なサービス提供体制への転換について、
療養病床の地域差の是正と併せ、患者・利用者の状態に即した効率的な
医療・介護サービスを提供できるものとする必要がある。加えて、都道
府県による病床再編や地域差是正に向けた努力を支援するための取組
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(診療報酬の特例(高齢者医療確保法第 14 条)の活用、都道府県の権限
の一層の強化等)について、改革工程表に沿って、着実に検討・実施し
ていくべきである。〔資料Ⅱ-1-1、2参照〕
この他、制度改革事項(医療・介護を通じた居住に係る負担の公平性
の確保の観点からの入院時の光熱水費相当額の原則患者負担化、かかり
つけ医普及の観点からの外来時の定額負担の導入等)について、改革工
程表に沿って検討を進め、平成 28 年末までに結論を得て、その結果に基
づいて必要な措置(法改正を要するものに係る平成 29 年通常国会への法
案提出を含む)を講じる必要がある。〔資料Ⅱ-1-3、4参照〕
(2)インセンティブ改革 / (3)公的サービスの産業化
改革工程表に掲げられた KPI に沿って具体的な取組が着実に推進され
るよう、進捗管理を行うとともに、実効性ある PDCA サイクルを構築し
ていくことが重要な分野である。
この分野における各般の取組の実効性を高めるためには、データ分析
を通じて医療費、介護費等に関する地域差等の「見える化」を一層進め、
効果的な施策を検討・実施していく必要がある。
また、国民が自ら生活習慣病を中心とした疾病の予防や重症化予防、
介護予防に取り組むことができるようにしていくことが重要である。こ
のため、改革工程表に沿って、ヘルスケアポイントの付与や保険者努力
を支援する仕組みの前倒し(特例調整交付金の一部の傾斜配分)など、
個人と保険者の双方の取組を促すインセンティブ改革に取り組んでいく
べきである。また、公的サービスの産業化17の観点からは、民間事業者も
活用した保険者によるデータヘルス(データ分析に基づく保健事業)の
取組の優良事例の全国展開の推進や民間事業者による参入の障壁となっ
ている規制の検証・改革などに取り組んでいくべきである。
(4)負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化
17 経済・財政再生計画において、「公共サービス(医療・介護、子育てなどの社会保障サービスを含む。
以下同じ。)及びそれと密接に関わる周辺サービスについて、民間企業等が公的主体と協力して担う
ことにより、選択肢を多様化するとともに、サービスを効率化する。」とされている。
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社会保障制度への国民の信頼性を高め、持続可能なものとするために
は、負担の公平性の確保と給付の適正化に向けた不断の改革が不可避で
ある。
まず、高額療養費制度及び高額介護サービス費制度の見直しについて、
改革工程表に沿って、世代間・世代内での負担の公平性の確保や負担能
力に応じた負担等の観点から、具体的内容を検討し、平成 28 年末までに
結論を得て、その結果に基づいて速やかに必要な措置を講じる必要があ
る。〔資料Ⅱ-1-5、6参照〕
その他、平成28年末まで結論を得ることとされている制度改革事項(介
護納付金の総報酬割18、介護保険における給付の適正化・負担の在り方、
一般用医薬品として市販可能となった医療用医薬品(スイッチ OTC 化さ
れた医療用医薬品)に係る保険償還率の在り方等)について、改革工程
表に沿って検討を進め、その結果に基づいて必要な措置(法改正を要す
るものに係る平成 29 年通常国会への法案提出を含む)を講じる必要があ
る。〔資料Ⅱ-1-6~12 参照〕
さらに、後期高齢者の窓口負担の在り方についても、改革工程表に沿
って、70 歳から 74 歳の窓口負担の段階的な引上げの実施状況等も踏ま
えつつ、集中改革期間中に検討し、結論を得るべきである。〔資料Ⅱ-
1-13 参照〕
また、冒頭に述べたような「医療の高度化」等を受け止めつつ、制度
の持続可能性を確保していくためには、個人では負担できないリスクを
カバーするという公的保険の原点に立ち返って給付の重点化を図ってい
く必要がある。こうした観点から、公的保険給付の範囲の適正化に向け
た項目(医薬品や医療機器等に係る費用対効果評価の本格導入、生活習
慣病治療薬の処方の在り方、市販品類似薬に係る保険給付の見直し等)
や、(1)で既述した医療・介護提供体制に係る制度改革事項(かかりつ
け医普及の観点からの外来時の定額負担の導入等)については、今後の
医学の進歩に伴い、改革のスピード・深度を高めていくことが特に求め
られる。
18 介護納付金の総報酬割に関しては、まずは、医療保険制度及び介護保険制度を通じて世代間の負担
の公平性の確保を図るための改革の全体像を描く必要があるとの意見があった。
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(5)薬価、調剤等の診療報酬及び医薬品等に係る改革
平成 28 年度診療報酬改定においては、国民負担軽減の観点からの後発
医薬品の価格の引下げや、大型門前薬局に対する調剤基本料の引下げが
図られるなど、一定の進展がみられたが、調剤報酬をはじめとして当審
議会が主張してきた改革はなお途上であり、更なる取組が必要である。
同改定の内容やその効果を検証した上で、今後の医療費の動向等を踏
まえながら、診療報酬・薬価等の更なる適正化に向けて、次期改定にお
いても引き続き改革を進めていくべきである。
(6)年金
年金分野では、制度の持続可能性を高め、将来の世代の給付水準を確
保するため、短時間労働者への被用者保険の適用拡大や年金額の改定ル
ールの見直しを含む改正法案の成立を図るとともに、平成 28 年 10 月の
適用拡大の施行や影響を勘案して、更なる適用拡大に向けた検討を行う
べきである。
また、社会保障改革プログラム法に示された検討事項について、改革
工程表に沿って、速やかに検討を進めていく必要がある。具体的には、
・ 高齢期における年金受給の在り方については、高齢者雇用の動向等
を踏まえつつ、年金受給開始年齢の在り方等を含め、次期の財政検証
に向けて、
・ 高所得者の年金給付の在り方等については、高所得者の老齢基礎年
金の支給停止など、年金制度内における再分配機能の強化に関し、
それぞれ速やかに検討を行い、その結果に基づき、必要な措置を講じる
べきである。
(7)生活保護
生活保護は、最後のセーフティネットとしての機能を有するものであ
るとともに、受給者の自立の助長を趣旨とするものでもあり、制度に対
する国民の理解と信頼を確保していかなければならない。
このため、生活保護制度の適正化に向けて、不断の見直しを行い、改
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革工程表に沿って、現行制度で実施可能な事項は、早期に検討・実施し
ていくべきである。また、平成 29 年度の次期生活扶助基準の検証に合わ
せ、自立支援の推進等の観点から、生活保護制度全般について検討し、
その結果に基づいて必要な措置(法改正を要するものに係る平成 30 年通
常国会への法案提出を含む)を講じるべきである。
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2.文教・科学技術
社会における教育の機会均等の確保が、教育関連施策を貫く最も重要
な課題の一つであることは論を俟たない。その上で、個別施策の在り方
を検討するに当たっては、様々な視点から見た公平性の問題や施策の費
用対効果などに十分留意すべきである。
文教・科学技術に係る改革工程表では、今まで当審議会において指摘
してきた真に効果的・効率的な文教・科学技術予算を確立すべく、確か
なエビデンスに基づく教職員定数の在り方、国立大学法人や科学技術分
野における民間資金の導入促進などの取組を進めることとされている。
こうした取組を着実に進めるための具体策を講じ、財政健全化への取組
を着実に実施していく必要がある。
(1)義務教育関係予算
改革工程表では、少子化の進展及び小規模化した学校の規模適正化の
動向、地方自治体の政策ニーズ、いじめ・不登校などの学校の課題に関
する客観的データ収集と実証研究などを踏まえて、「予算の裏付けのある
教職員定数の中長期的な見通し」を策定、公表し、各都道府県・指定都
市に提示をすることとなっている。〔資料Ⅱ-2-1参照〕
教職員定数については、近年、少子化の進展により、児童生徒数が減
少していくのに応じ、法律上の規定に則り機械的に配置される基礎定数
は減少する一方、加配定数19は増加し続け、定数全体の1割を占めている。
〔資料Ⅱ-2-2参照〕
こうした加配定数には、例えば過去に運用の問題点が会計検査院から
指摘されたもの20もあり、その適正性を改めて検証する必要がある。特に、
19 加配定数とは、習熟度別指導のための少人数指導の実施、いじめや不登校等への対応など、学校が
個々に抱える課題解決のために学級担任等の基本的な教職員定数(基礎定数)とは別に毎年度の予算
の範囲内で特例的に措置しているもの。 20 平成 14 年度に「初任者研修を実施するために行う教職員定数の加配事業、非常勤講師の配置事業」
について検査が実施され、決算検査報告において、以下の指摘がなされた。
① 教員の加配又は非常勤講師の配置を受けた学校において、初任者の免許教科と異なる免許教科の
教員を教科指導員に任命するなどしていた。
② 教員の加配又は非常勤講師の配置を受けた学校において、初任者に免許外の教科を担任させてい
て、研修に専念できる体制を採っていなかった。
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指導方法工夫や児童生徒支援については、平成 28 年度予算で新規に措置
した「教育政策形成に関する実証研究」の実施や、全国学力・学習状況
調査のデータの公開・活用などを通じ、費用対効果や、クラス・児童生
徒数当たりの適正数についての知見を積み重ねることが必要である。〔資
料Ⅱ-2-3参照〕
このように加配定数全体の適正性の再検証を踏まえた上で、加配定数
の内容をよりきめ細かく見ていくと、
① 学校数やクラス数、児童生徒数等に連動し、全国一律で実施する政
策に必要な定数
② 地域や学校ごとの個別事情に応じて政策的に措置すべき定数
といった性質に分類し得ると考えられる。このうち①に該当する定数に
ついては、真に必要性が高いものについて、公立義務教育諸学校の学級
編制及び教職員定数の標準に関する法律(昭和 33 年法律第 116 号)の改
正による基礎定数化を検討することが考えられる。それを「予算の裏付
けのある教職員定数」として位置付けることとする。こうした取組は、
地方公共団体が中長期的な見通しに基づく教職員の安定的・継続的な雇
用を行いやすい環境の整備につながると考えられる21。〔資料Ⅱ-2-4、
5参照〕
その際、特別支援、外国人児童・生徒へのきめ細かい対応や多様性の
教育の観点からの必要性、教師の多忙化を解消するための外部人材の登
用などについても、費用対効果を分析しながら、必要十分な定数を検証
する必要がある。
他方、新たな加配定数については、確かなエビデンスに基づく要求を
毎年度の予算編成プロセスの中で行い、事後的な検証も通じ、PDCA サ
イクルを徹底する必要がある。
こうした教職員定数の見直しを行う際には、主要先進国と比較しても
③ 初任者又は指導教員等の授業の代行や負担の軽減を行うため非常勤講師の配置を受けた学校に
おいて、初任者等の授業の代行や負担の軽減が行われていなかった。
これを受け、文部科学省では、都道府県等において初任者研修が円滑かつ効果的に実施されるよう、
平成 15 年9月に同省主催の会議を開催するとともに、同年 10 月に都道府県等に対し通知を発する
などの処置を講じた。 21 特別な支援を必要とする子どもや、日本語指導が必要な外国人の子どもが増えていることなどに対
応する観点も重要であるとの意見があった。
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遜色のない我が国の教員1人当たりの生徒数(PT 比)22,23や1人当たり
教育支出24、厳しい財政事情等25を十分に踏まえ、教育の質と教育予算の
質の双方を同時に向上させながら、財政健全化の取組と齟齬を来さない
よう取り組んでいくことが極めて重要である。〔資料Ⅱ-2-6参照〕
(2)国立大学法人
国立大学法人については、「国立大学経営力戦略26」のとおり、経営を
支える財務基盤について財源を多元化し、強化を図ることが重要との認
識の下、民間企業との共同研究の件数・受入額、寄附金の受入額の拡大
などを行うこととしている。成果目標の達成に向けて、各大学の特性・
背景を考慮しつつ、きめ細かい進捗管理を行う必要がある。その際、民
間からの獲得研究費収入などの産学連携に関する指標27を活用するなど、
大学の自主的な取組を評価する多面的な定量指標を採り入れることも有
効と考える。
(3)科学技術
科学技術投資については、経済成長につながるイノベーションの源泉
になる可能性がある中で、インプットありきの議論に拘泥するのではな
22 我が国の教員1人当たりの生徒数(PT 比)は、小学校で 17.4、中学校で 13.9 となっており、OECD
平均(小 15.2、中 13.4)より大きいが、G5平均(小 17.7、中 15.4)並みであり、主要先進国に比
べ遜色ないレベルになっている。 23 PT 比を考える際には、単に教師の数だけに着目するのではなく、授業や生徒指導に専念できる時間
の確保についても考慮する必要があり、「チーム学校」の取組などを推進し、教職員の事務負担の軽
減についても併せて進めていく必要がある、との意見もあった。 24 我が国は OECD 諸国と比べて教育への公財政支出(対 GDP 比)が低い国(日本 3.8%、OECD 平
均 5.3%)という指摘があるが、他国よりも急激に少子化が進展しているために子どもの数が少ない
ということを考慮しなければならない。実際には、我が国の小中学校向け公財政支出を在学者1人当
たり(対1人当たり GDP 比)で見ると 24.6%となっており、OECD 平均(23.2%)に比べて高い水
準となっている。(G5ではイギリス(29.2%)に次いで2位。アメリカ(21.1%)、フランス(20.8%)、
ドイツ(19.6%)) 25 我が国の国民負担率は 40.5%(うち租税負担率 27.3%)と、OECD 平均 50.2%(同 35.0%)に比
べて相当程度低い。 26 平成 27 年6月 16 日に公表。<国立大学の経営力の強化>(抜粋)「その経営を支える財務基盤に
ついては、国立大学運営費交付金などの公的資金のみに依るのではなく、各国立大学が教育研究活動
の成果を広く社会にアピールするアウトリーチを重視し、民間企業との共同研究や寄附金の拡大など
社会全体からの支援を受け、その期待に対し目に見える形で応える、という好循環を形作っていく中
で、財源を多元化し、強化を図ることが重要である。」 27 産学連携の成果を評価するに当たり、経済財政諮問会議が改革工程表の KPI として提示している世
界大学ランキングに加え、産学連携に関する詳細な指標を活用することも有効と考える。
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く、成果につながる「質の向上」に向けた本格的な検討を進めるべきで
ある。その観点からも、改革工程表や「第5期科学技術基本計画」にお
いて初めて導入された「成果目標」を達成することが重要であり、例え
ば、公的機関における研究についても、企業からの評価の活用等により
健全な競争原理を働かせる仕組み等の検討が必要である。
また、財政健全化目標の達成に向け、今後は、経済・財政再生計画に
おける 2020 年度(平成 32 年度)までの PB 黒字化目標及び 2018 年度
(平成 30 年度)までの歳出水準等の目安との整合性を確保する水準で措
置することが必要である。〔資料Ⅱ-2-7参照〕
(4)文化財
文化財に関する施策は、これまで主にその保存・修理の適切な実施と
いう観点で行われてきたが、今後は、「観光立国推進基本法」などを踏ま
え、文化財を観光資源等として活用する仕組みを積極的に取り入れるこ
とが必要である。これは、文化財所有者の収入増に直接結び付くことで
あり、所有者自身の取組を積極的に促すという視点が重要である。〔資料
Ⅱ-2-8参照〕
そのため、例えば、市町村が地域に存在する文化財を総合的に保存・
活用するために策定する「歴史文化基本構想」に基づく事業を優先的に
採択するといった仕組みを構築する。それにより、地域の文化財を面的・
一体的に総合活用し、その効果が最大限に発揮されることが期待される。
また、外国人を含む観光客に対し、文化財の魅力・歴史的背景等を十
分に伝えることが不可欠であり、例えば、所有者自身の負担で案内板や
パンフレット等を ICT(Information and Communication Technology:
情報通信技術)の活用等も視野に入れつつ整備する場合には、当該文化
財の保存・修理事業を優先して採択するといった仕組みを構築する。〔資
料Ⅱ-2-9参照〕
なお、文化財の保存・修理事業の執行に当たっては、事業の質(事業
実施者、実施方法等)を適切に担保することが不可欠である。
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3.社会資本整備
社会資本整備に係る改革工程表では、これまで当審議会としても取り
上げてきた公共施設等総合管理計画等の策定、公共施設等の選別・集約
化や、担い手確保や生産性の向上などの取組を進めることとされている。
こうした取組を着実に実施するとともに、PPP/PFI といった民間活力、
民間資金の導入など、更なる歳出改革に向けた取組を不断に進めていく
必要がある。
(1)計画的なメンテナンスや公共施設等の選別・集約化
今後の人口減少等を踏まえ、計画的なメンテナンスや公共施設等の選
別・集約化を進めるため、地方公共団体において、公共施設等総合管理
計画や立地適正化計画を策定する取組が徐々に進展してきている。その
際、策定する計画が選別・集約化などを進める上で実効性のあるものと
することが必要である。そのためには、各地方公共団体が、近隣の地方
公共団体や人口規模等が同程度の地方公共団体との比較も踏まえた計
画を策定するとともに、将来の維持管理コスト等の変化なども的確に把
握し、各インフラの所管省庁と連携しつつ、適切に公表していくことが
重要と考えられる。〔資料Ⅱ-3-1参照〕
一方で、インフラのメンテナンス業務等を担当する職員がほとんどい
ない市町村も多い。地方公共団体が策定した計画が画餅とならないよう、
国としても、交付金等によるハード面の支援だけではなく、技術的な支
援等を充実させ、実施体制を強化することが重要である。
(2)担い手確保と生産性の向上
高齢化が進んでいる建設業界では、今後、技能労働者が大量に退職す
ることが見込まれている。我が国の建設業を担う若年層の確保は大きな
課題であるが、今後、生産年齢人口が減少する上に、建設業の入職率や
定着率は他産業に比べて低いという現実がある。足元、建設業における
処遇改善や教育訓練の強化など、担い手の確保に向けた様々な取組や、
公共工事設計労務単価の引上げなどが行われているが、依然建設業の人
― 24 ―
― ―0123456789
手不足感は楽観できない状況にある。〔資料Ⅱ-3-2参照〕
こうした労働力の供給制約が顕在化すると、生産性の向上も十分に実
現しなければ、厳しい財政状況の下では、必要な事業を実施することが
困難になりかねない。今後は他産業に比べて低迷している労働生産性な
どの向上に特に重点を置いた取組を進めていく必要がある。〔資料Ⅱ-
3-3参照〕
(3)更なる歳出改革に向けて
昨年 11 月の当審議会の建議で指摘した社会資本整備総合交付金等の
見直しについては、一定の事業における費用便益分析の要件化や、地方
公共団体に対して配分された交付金の不用率・未契約繰越率の把握・公
表などが今年度から順次行われる。さらに、限りある財源を政策的に優
先すべき事業に重点化するため、交付金を重点的に充てるべき事業内容
に特化された整備計画に対して重点配分を行うこととしている。こうし
た取組を通じて、交付金により地方公共団体が行う公共事業について一
層の重点化が行われることが期待される。
さらに、社会資本ストックに係る今後の維持・更新需要の増加等を見
据え、上水道の施設の統廃合・再構築の推進や、人口 20 万人以上の地
方公共団体等において PPP/PFI 手法を優先的に検討する仕組みの構
築など、改革工程表に示されている歳出改革の取組も進めていくべきで
ある。
また、改革工程表に示されていないものであっても、例えば、下水道
については、上水道の仕組みや実態も踏まえ、施設の状況等の的確な把
握や、受益者負担の在り方の検討などを行うことが考えられる。
すなわち、地方公営企業法上、上水道については公営企業会計が当然
適用されている一方で、下水道については雨水対策など受益者負担の考
え方が馴染みにくい面も含まれていることから任意適用とされている。
しかしながら、施設の老朽化等の状況や損益などを的確に把握し、事業
を安定して運営する観点からは、下水道についても、今後、公営企業会
― 25 ―
― ―0123456789
計の適用を進めていくべきと考えられる28。〔資料Ⅱ-3-4参照〕
また、施設の更新費用について、上水道は基本的には水道料金で賄っ
ているのに対して、下水道は主要な施設の更新費用の約半分を国庫補助
金で賄っている。今後本格化する更新需要を見据えれば、利用者から徴
収する使用料の算定に当たって、上水道と同様に、将来施設を更新する
ために必要となる費用を適切に原価に含めるなど、受益者負担の在り方
を検討すべきである。〔資料Ⅱ-3-5参照〕
28 公営企業会計の適用事業は、複式簿記によって貸借対照表、損益計算書などの作成が義務付けられ、
非適用事業に比べて、事業の損益や資産・負債等の情報の的確な把握がしやすい。下水道についても、
事業を中長期的に安定して運営する観点から、近年、総務省が各地方公共団体に対して公営企業会計
の適用を要請しており、適用事業数は増加傾向にあるが、未だ全体の2割程度である。
― 26 ―
― ―0123456789
4.地方財政
平成 28 年度地方財政計画は、当審議会が繰り返し指摘してきた別枠
加算の廃止29等をはじめ、歳出・歳入両面にわたる取組により、経済・
財政再生計画に沿った内容となった。
引き続き、財政健全化の柱である国・地方の PB 黒字化の着実な達成
に向けて、地方財政分野においても、経済・財政再生計画を着実に実施
すべきである。同時に、今後見込まれている財政余剰分を活用した国・
地方の債務縮小など、歳出・歳入の両面において改革をしっかり進める
必要がある。
(1)折半対象財源不足解消後の対応等
平成 21 年度以降、地方財政においてはフローベースの財源不足が生
じていたが、今後、税収の増加を背景に、当該不足分が解消し、フロー
ベースの財源余剰が生じることが見込まれる。この余剰分の取扱いにつ
いては、国・地方の PB 黒字化目標の達成に向けて、適切な対応をとる
ことが大変重要である。
地方財政制度においては、全地方公共団体(マクロ)の標準的な歳出
の総額を見込んだ上で、地方税収等や地方交付税法定率分30では賄えな
い収支不足(フローベースの財源不足)について、地方交付税交付金の
特例加算(国)と臨時財政対策債(地方)の折半で負担し、さらに平成
21 年度以降は、国の全額負担による別枠加算も創設して対応してきた31。
〔資料Ⅱ-4-1参照〕
一方、中長期試算の「経済再生ケース」を踏まえれば、来年度以降、
税収の増加を背景に折半対象となる財源不足が解消し、年々、フローベ
ースの財源余剰の拡大が見込まれる。この財源余剰分については、2020
29 リーマン・ショック後の歳入面における危機対応措置として、地方の財源不足に対し、国の全額負
担による別枠加算を措置してきたが、危機対応モードから平時モードへの切替えを進める観点から、
平成 28 年度地方財政計画において廃止している。 30 地方交付税法において、地方交付税交付金は、国税収入額の一定割合(所得税及び法人税の収入額
の 33.1%、酒税の収入額の 50%、消費税の収入額の 22.3%、地方法人税の収入額(平成 28 年度))
とされている。 31 特例加算と別枠加算による国から地方への財政移転は、平成 21~28年度の累計で総額 30兆円規模。
― 27 ―
― ―0123456789
年度(平成 32 年度)の国・地方の PB 黒字化目標を着実に達成する観
点から、地方の PB 対象経費の積み増しに使うのではなく、国・地方の
PB 改善に着実につなげ、累積債務の縮減を図る必要がある。債務の縮
減に当たっては、これまで地方の財源不足が生じた場合、国も特例加算
や別枠加算の形で負担してきた経緯や、国は引き続き多額の特例国債を
発行せざるを得ないなど、地方以上に厳しい財政状況にあること等に鑑
みれば、フローベースの財源余剰が生じた場合には、これを地方の債務
縮減に充てるだけではなく、財源不足を折半して国も負担してきたこと
と同様に、財源余剰についても、国の債務縮減にもつなげていくべきで
ある32。〔資料Ⅱ-4-2参照〕
また、地方の債務縮減については、個々の地方公共団体(ミクロ)に
よる適切な債務管理も重要である。この点、臨時財政対策債の元利償還
金に相当する額は、基準財政需要額に算入されているが、現実には、そ
の額の全ては償還又は減債基金33への積立に使われず他の歳出に流用
されており34、減債基金への積立不足が生じている。こうした状況の要
因として、地方公共団体によっては、計画的に減債基金への積立等を行
わなければ、将来の実質的な負担につながりかねないとのリスクを十分
に共有できていない可能性が考えられる。このような認識のギャップは、
地方公共団体に想定外の負担をもたらす恐れもあり、引き続き、問題の
解消に取り組んでいかなければならない。また、地方財政計画上の公債
費を国が計上しても、地方公共団体が適切に積立等を行わなければ、決
算ベースの地方の PB 改善にはつながらない。したがって、国・地方の
PB 黒字化目標達成の観点からも、地方公共団体が確実に積立等を行う
ことが必要である。〔資料Ⅱ-4-3参照〕
(2)地方財政の健全化に向けた取組
32 折半対象財源不足解消後の対応の検討に際しては、国・地方の PB のみではなく、その歳出・歳入
構造の違いにも留意すべきであるとの意見があった。 33 地方債の償還を計画的に行うための資金を積み立てる目的で設けられる基金であり、積立金は、後
年度、地方債の元利償還金に充てられることとなる。 34 これまでに臨時財政対策債を発行した地方公共団体のうち実際の償還額(減債基金への積立を含む)
が基準財政需要額に算入された額を下回る都道府県及び政令指定都市の償還・積立不足額は、平成
25 年度までで累積約 4,400 億円。
― 28 ―
― ―0123456789
① 改革工程表に基づく改革の取組
今後、地方財政の健全化を進めていくため、改革工程表に基づいて改
革に着実に取り組んでいく必要がある。改革の取組を国・地方の PB 改善
に着実につなげていくためには、それぞれの地方公共団体による業務効
率化・財政収支改善の取組の成果を迅速に把握・検証し、それらの成果
を、事後的に地方財政計画に結び付けることが重要である。〔資料Ⅱ-
4-4~6参照〕
② 人口減少への対応
全国的に人口減少が進む中、地方財政分野においても、その減少動向
を踏まえた歳出の適正化を行う必要がある。地方財政については、地方
公共団体の基準財政需要の算定上、多くの算定項目において人口を測定
単位として設定しており35、財政需要の強さが人口に連動するものとし
てきた。今後は、人口の減少に伴って、必然的に地方公共団体における
財政需要の減少が見込まれるところであり、地方歳出の総額についても、
こうした要因による財政需要の減少を着実に反映したものとする必要
がある36。〔資料Ⅱ-4-7参照〕
一方で、人口減少への対応を含め、地方創生に向けた地方公共団体の
取組を支援するため、「まち・ひと・しごと創生事業費」を地方財政計
画に計上している。地方財政計画に計上された歳出経費は、国民負担に
よって財源保障されていることも踏まえれば、「まち・ひと・しごと創
生事業費」について、地方創生という政策目的に沿った使い方がなされ、
事業が効率的に実施されているか、事後的にフォローアップしていく必
要がある。このため、まずは、当該経費を活用して個々の地方公共団体
が行っている取組やその成果の把握・検証をしっかりと行っていく必要
がある。〔資料Ⅱ-4-8参照〕
35 基準財政需要額のうち、人口を直接測定単位とするもの及び人口に準ずると考えられる事項を測定
単位とするものの割合を踏まえれば、基準財政需要額全体の約7割弱に人口減少の影響があると推定
される(平成 27 年度)。 36 人口減少が地方交付税額に与える影響については、各地域に対する地方交付税配分額の割合を踏ま
え、地域ごとの人口減少率を、各地域への普通交付税配分額が全国の普通交付税総額に占めるシェア
で加重平均すると、全国平均の人口減少率を上回る影響を与えていくことも見込まれる。今後の地方
交付税所要額については、こうした状況とも整合的なものとする必要がある。
― 29 ―
― ―0123456789
また、人口減少下において、必要な行政サービスをより持続的かつ効
率的に提供する観点からは、地方公共団体間における連携中枢都市圏や
定住自立圏など、様々な広域連携等の取組を進めていくことが重要であ
る。
③ 地方税収等の決算増収
平成 22 年度以降、継続して発生している地方税収等の決算増収につ
いては、後年度の地方財政計画上で反映することは行われておらず、結
果として、財政調整基金37等の残高の増加や標準的な行政経費として当
初は予定されていなかった経費への支出等につながっており、いわば不
必要な国の借金によって地方の基金残高の増加等を作り出している状
況とも考えられる。このため、国民負担を可能な限り軽減する観点から
も、地方税収等の決算増収については、後年度に地方財政計画の歳入項
目として計上するなど、何らかの形で精算する仕組みを導入する必要が
ある38。〔資料Ⅱ-4-9参照〕
37 地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するための基金。 38 その際、地方法人二税(法人事業税、法人住民税)の税収が下振れると見込まれる場合には、減収
補填債が発行され、その元利償還費は国・地方折半で負担するとの片務的な取扱いとなっていること
にも留意すべきである。
― 30 ―
― ―0123456789
Ⅲ.終わりに
我が国における過去20年間にわたる財政健全化に向けた累次の取組は、
平成9年の「財政構造改革法」、平成 18 年の「骨太 2006」とも計画倒れ
に終わり、持続可能な財政構造の構築という成果は得られていない。
2020 年代初めには団塊の世代が後期高齢者となり、高齢化が財政に与
える影響は今後一層強まっていく。我が国は高齢社会へ対応するフロン
トランナーとして、先進国に対して成功例を示す必要がある。2018 年度
(平成 30 年度)の PB 対 GDP 比赤字▲1%程度という目安を達成した
上で、「2020 年度(平成 32 年度)の PB 黒字化」を実現することはその
ためのラストチャンスである。この目標の達成に向け、不退転の決意で、
その取組を進めることを強く要請する。
― 31 ―
― ―0123456789
概 要
(参考1)
― 33 ―
― ―0123456789
Ⅰ.財政健全化目標の達成に向けた取組
1.「経済・財政再生計画」の着実な実施
2020年度までの国地方のプライマリーバランス(PB)黒字化、その後の債務残高対GDP比の安定的な引下げという財政健全
化目
標を堅
持。計画で示された一般歳出の水準等の目安に沿って編成された28年
度予
算は
目標
達成
に向
けた第
一歩。
計画はスタートしたばかりであり、手
綱を緩
めるような状
況には
全くない。今後とも、目
安及
び改
革工
程表
に沿
って、経済財政再
生計画を着
実に実
施していくことが
不可
欠。
2.海外の財政健全化の取組から得られる視点
G7及びGIIPS諸国におけるリーマンショック後の財政健全化の取組を調査。
各国は、我が国よりも厳しい目標を設定し、短期間で大幅に改善している。現時点でフローストックともに各国以上に財政状況
が厳しい我が国が、計
画に沿
って財
政健
全化
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めていくことは当然。
経済再生と財政健全化を両立している国は、重
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(1)財
政健
全化
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実な実
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確に示
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別の
措置
を着
実に実
行していくことが、市場の信認の維持確保の観点から重要。
財政健全化の先送りや長期化は取組の失敗や潜在成長率の低下につながりかねない。
(2)将
来に備
えた堅
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政運
営
想
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上の
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れば
、収
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改善
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全化
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市場
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かね
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重要課題に対する追
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要には
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応すべ
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(3)構
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成長
戦略
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政健
全化
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財政健全化のためには、経済成長も重要。構
造改
革などの
成長
戦略
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政健
全化
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財
政健
全化
への
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的なコンセンサ
スが
、その成
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根底
にある。
3.我が国における国民的コンセンサスに向けた取組
公聴会の開催や、財政租税教育の充実などを通じて、国
民の
間に財
政健
全化
への
一層
の理
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ていくことが
必要
。
「経済・財
政再生計画」の
着実な実施に向けた建議(概
要)
「経済・財
政再生計画」の
着実な実施に向けた建議(概
要)
平成
28年
5月
18日
財政制度等審議会
― 35 ―
― ―0123456789
Ⅱ.主要分野において取り組むべき事項
経済財政再生計画の着実な実施に向けては、歳
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準等
の目
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持するために主
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分野
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され
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革工
程表
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実に進
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き。
1.社会保障
社
会保
障関
係費
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齢化
の進
行のほか、「医
療の高
度化
」等
の様
々な要
因により、今
後も増
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込み
。
「医
療の高
度化
」につ
いては、その恩
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慮した上
で適
切に保
険制
度に取
り込
んでいくことが望
ましい。
こうした中で、社会保障関係費の伸びについて、今後も経済財政再生計画に示された目安を確実に達成しつつ、持続可能な制度
を次
世代
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たしていくためには、改
革工
程表
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会保
障制
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行が
不可
欠。
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めるため、今
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当審
議会
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議で示
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方向
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き。
2.文教・科学技術
教育:教
職員
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数については、適正性を再検証した上で分類し、真
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、PDCAサ
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底した上
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すため、保存修理事業の優先採択の仕組みを構築する。
3.社会資本整備
人口減少などを踏まえた計画的なメンテナンスや公共施設等の選別集約化、担い手の確保、労働生産性の向上に重点を置いた取
組など、改
革工
程表
に沿った取
組を着
実に進
めることが必要。
さらに、例えば下水道について、公営企業会計の適用を拡大させるとともに、将来の更新費用も見据えた受益者負担の在り方を検討
するなど、社
会資
本ストックに係
る今
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新需
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増加
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据えた一
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き。
4.地方財政
折
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財源
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善に着
実につなげる必
要。財源余剰は国の債務縮減に
もつなげるべき。地方公共団体は、臨
時財
政対
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の元
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還金
相当
額について確
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債基
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き。
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き。
人
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う地方公共団体の財政需要の減少を、地方歳出の総額に着実に反映すべき。
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方財
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き。
― 36 ―
― ―0123456789
参 考 資 料
(参考2)
― 37 ―
― ―0123456789
「骨太2015」の「経済・財政再生計画」のポイント
財政
健全
化目
標等
財
政健
全化
目標
を堅
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」
「デフ
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き、
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減少
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向等
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2020年
度に
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て、
社会
保障
関係
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よる
増加
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消費
税率
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安
資料Ⅰ
-1
-1
― 39 ―
― ―0123456789
平成28年度予算のポイント
⼀
億総
活躍
社会
の実
現に
向け
て、
「希
望出
⽣率
1.8」
、「
介護
離職
ゼロ
」に
直結
する
、⼦
育て
⽀援
や介
護サ
ービ
ス等
の充
実を
図る
ほか
、教
育費
の負
担軽
減等
を進
める
。ま
た、
地方
創⽣
の本
格展
開を
図る
。
持続
可能
な社
会保
障制
度の
確⽴
に向
けて
、社
会保
障関
係費
の伸
びを
「経
済・
財政
再⽣
計画
」の
「目
安」
に沿
って
抑制
(+
4,40
0億円
*)
。診
療報
酬の
適正
化、
改⾰
⼯程
表の
策定
など
の改
⾰を
推進
。*
「経
済・財
政再
生計
画」に
おけ
る「目
安」と
の関
係で
は、
平成
27年
度予
算に
おけ
る一
時的
な歳
出の
影響
額等
を除
き、
実質
+5,0
00億
円。
事
前防
災・
減災
対策
の充
実や
⽼朽
化対
策な
ど国
⼟強
靭化
を推
進。
また
、「
攻め
の農
林⽔
産業
」に
向け
た施
策を
推進
。
伊勢
志摩
サミ
ット
の議
⻑国
とし
て、
充実
した
外交
予算
によ
り「
地球
儀を
俯瞰
する
外交
」を
推進
。ま
た、
防衛
予算
を充
実し
、防
衛⼒
を着
実に
整備
。
教育
の質
向上
に向
けた
取組
みや
科学
技術
の基
盤強
化を
推進
。
復興
ステ
ージ
に応
じた
課題
に対
応し
、復
興を
加速
化。
⼀
般歳
出の
伸び
を「
経済
・財
政再
⽣計
画」
の「
目安
」に
沿っ
て抑
制(
+4,
700億
円*
)。
*「経
済・財
政再
生計
画」に
おけ
る「目
安」と
の関
係で
は、
平成
27年
度予
算に
おけ
る一
時的
な歳
出の
影響
額等
を除
き、
実質
+5,3
00億
円。
国
債発
⾏額
(34
.4兆
円)
は前
年度
から
▲2.
4兆
円の
減額
。公
債依
存度
は35
.6%
とリ
ーマ
ン・
ショ
ック
以前
(平
成20
年度
当初
予算
以来
)の
⽔準
まで
回復
。*
国税
税収
(57.6
兆円
。消
費税
率8
%引
上げ
分6.3
兆円
を除
くと
51.3
兆円
)は
平成
19年
度決
算(51.0
兆円
)を
上回
る水
準ま
で回
復。
*地
方税
収等
(41.8
兆円
。平
成19年
度決
算40.2
兆円
)の
増を
反映
し、
平成
21年
度以
降措
置し
てき
た地
方交
付税
の別
枠加
算を
廃止
。
経済再⽣と財政健全化の両⽴する予算
財政健全化
資料Ⅰ
-1
-2
― 40 ―
― ―0123456789
▲3.3▲
2.9▲
2.2▲
1.7▲
1.4▲
1.1▲
0.7▲
0.4▲
0.10.
4
▲2.3▲
2.1▲
2.2 ▲
2.3 ▲
2.3 ▲
2.4 ▲
2.5 ▲
2.6
▲6
▲5
▲4
▲3
▲2
▲101
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
○経
済シ
ナリ
オ・
「①
経済
再生
ケー
ス」
:中
長期
的に
名目
3%
以上
、実
質2
%以
上の
成長
率(2017-24年
度平
均:名
目3.6
%、
実質
2.1
%)
・「②
ベー
スラ
イン
ケー
ス」:中
長期
的に
名目
1%
台半
ば、
実質
1%
弱の
成長
率(2017-24年
度平
均:名
目1.4
%、
実質
0.8
%)
○試
算前
提・
2017(平
成29)年
度以
降:社
会保
障歳
出は
高齢
化要
因等
で増
加、
それ
以外
の一
般歳
出は
物価
上昇
率並
に増
加す
るこ
とを
想定
。・
軽減
税率
制度
を導
入し
た上
での
消費
税率
10%
への
引上
げを
想定
。軽
減税
率制
度の
導入
に伴
う減
収(1
.0
兆円
程度
)に
対応
し確
保す
る安
定的
な恒
久財
源に
つい
ては
、総
合合
算制
度の
見送
りに
より
確保
する
0.
4兆
円程
度を
織り
込ん
でい
る。
織り
込ま
れて
いな
い残
りの
0.
6兆
円程
度に
つい
ては
、平
成28年
度末
まで
に歳
入及
び歳
出に
おけ
る法
制上
の措
置等
を講
ずる
こと
によ
り、
確保
する
こと
とし
てい
る。
経済
・財
政面
にお
ける
主要
な想
定
「中長期の経済財政に関する試算」(中長期試算)の概要
※ 平
成28年
1月
21日
経済
財政
諮問
会議
提出
(内
閣府
)
試算
結果
のポ
イン
ト
<国
・地
方の
基礎
的財
政収
支(対
GD
P比
)>
<名
目経
済成
長率
>
○2015(平
成27)年
度の
国・地
方P
B対
GD
P比
は、
▲3
.3
%の
赤字
であ
り、
半減
目標
(▲
3.
3%
)は
達成
見込
み。
○2018(平
成30)年
度の
国・地
方P
Bは
、①では▲
9.2
兆円
(対GDP比▲1.7%)の赤字
②では▲11.5兆円(対GDP比▲2.1%)の赤字
○2020(平
成32)年
度の
国・地
方P
Bは
、①では▲
6.5
兆円
(対GDP比▲1.1%)の赤字
②では▲12.4兆円(対GDP比▲2.3%)の赤字
「経
済再
生ケ
ース
」
「ベ
ース
ライ
ンケ
ース
」
● ●
赤字
対G
DP
比半
減目
標▲
3.3
%⇒
達成
見込
み
●
黒字
化目
標
●
赤字
対G
DP
比1
%程
度の
メル
クマ
ール
(%
)
(年
度)
▲6
.5
兆円
▲1
2.
4兆
円
●
(%
)
(年
度)
「経
済再
生ケ
ース
」
「ベ
ース
ライ
ンケ
ース
」
● ●
2.7
3.1
2.4
3.9
3.5
3.6
3.7
3.7
3.8
3.8
1.3
1.9 1.
31.3
1.3
1.3
1.3
1.3
▲1012345
2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024
2024
年度
名目
GDP6
86兆
円国
の税
収80
.2兆
円
資料Ⅰ
-1
-3
― 41 ―
― ―0123456789
出
張者
:佐
藤主
光委
員、
竹中
ナミ
委員
日
程:平
成2
8年
2月
28
日~
3月
5日
訪
問先
:イ
ギリ
ス、
アイ
ルラ
ンド
、E
U(ベ
ルギ
ー)
出
張者
:中
空麻
奈委
員、
宮武
剛委
員
日程
:平
成2
8年
3月
6日
~3
月1
2日
訪
問先
:ド
イツ
、イ
タリ
ア、
ギリ
シャ
出
張者
:赤
井伸
郎委
員、
遠藤
典子
委員
日
程:平
成2
8年
3月
13
日~
3月
19
日
訪問
先:フ
ラン
ス、
スペ
イン
、ポ
ルト
ガル
、O
EC
D
出
張者
:末
澤豪
謙委
員、
田中
弥生
委員
日
程:平
成2
8年
3月
6日
~3
月1
2日
訪
問先
:ア
メリ
カ、
カナ
ダ、
IMF
海外調査体制及び調査日程
1.
欧州
①
2.
欧州
②
3.
欧州
③
4.
北米
<ヨ
ーロ
ッパ
>
<北
アメ
リカ
大陸
>
資料Ⅰ
-2
-1
― 42 ―
― ―0123456789
各国のリーマンショック後の財政健全化の進捗状況(フロー)
○リ
ーマ
ンシ
ョッ
ク後
、各
国は
G20の
合意
やEU
の財
政規
律を
受け
て、
財政
健全
化に
取り
組ん
だ。
2015
年の
財政
収支
対GD
P比(一
般政
府)で
見る
と、
各国
とも
日本
より
も健
全な
水準
を達
成。
○20
09年
から
2015
年の
財政
収支
の改
善幅
を見
ると
、多
くの
国で
、日
本よ
りも
、早
い段
階で
、速
いペ
ース
で、
改善
。
2015
年の
財政
収支
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
日本
▲5.9
▲10.4
▲9.3
▲9.8
▲8.8
▲8.5
▲7.3
▲5.9
(+1.1
)(▲
0.5
)(+
1.1
)(+
0.2
)(+
1.2
)(+
1.4
)
スペ
イン
▲4.4
▲11.0
▲9.4
▲9.4
▲10.3
▲6.8
▲5.8
▲4.4
(+1.6
)(▲
0.0
)(▲
0.9
)(+
3.5
)(+
1.0
)(+
1.4
)
イギ
リス
▲4.2
▲10.8
▲9.7
▲7.6
▲7.8
▲5.7
▲5.7
▲4.2
(+1.1
)(+
2.0
)(▲
0.1
)(+
2.0
)(+
0.1
)(+
1.4
)
ギリ
シャ
▲4.2
▲15.3
▲11.1
▲10.2
▲6.4
▲2.9
▲3.9
▲4.2
(+4.2
)(+
0.9
)(+
3.8
)(+
3.5
)(▲
1.0
)(▲
0.3
)
アメ
リカ
▲3.8
▲13.2
▲10.9
▲9.6
▲7.9
▲4.7
▲4.1
▲3.8
(+2.2
)(+
1.3
)(+
1.7
)(+
3.2
)(+
0.6
)(+
0.3
)
フラ
ンス
▲3.8
▲7.2
▲6.8
▲5.1
▲4.8
▲4.1
▲4.0
▲3.8
(+0.4
)(+
1.7
)(+
0.3
)(+
0.7
)(+
0.1
)(+
0.2
)
ポル
トガ
ル▲
3.1
▲9.8
▲11.2
▲7.4
▲5.6
▲4.8
▲4.5
▲3.1
(▲1.4
)(+
3.8
)(+
1.7
)(+
0.8
)(+
0.4
)(+
1.3
)
イタ
リア
▲2.7
▲5.3
▲4.2
▲3.5
▲3.0
▲2.9
▲3.0
▲2.7
(+1.0
)(+
0.8
)(+
0.5
)(+
0.0
)(▲
0.1
)(+
0.3
)
アイ
ルラ
ンド
▲2.0
▲13.8
▲32.2
▲12.4
▲8.0
▲5.6
▲4.0
▲2.0
(▲18.4
)(+
19.8
)(+
4.5
)(+
2.4
)(+
1.5
)(+
2.1
)
カナ
ダ▲
1.7
▲4.5
▲4.9
▲3.7
▲3.1
▲2.7
▲1.6
▲1.7
(▲0.4
)(+
1.2
)(+
0.7
)(+
0.4
)(+
1.1
)(▲
0.0
)
ドイ
ツ0.5
▲3.0
▲4.1
▲0.9
0.1
0.1
0.3
0.5
(▲1.0
)(+
3.2
)(+
1.0
)(+
0.0
)(+
0.2
)(+
0.2
)
改善
幅(2009~
2015)
もペ
ース
が速
い年
の改
善幅
日本
4.5
1.4
スペ
イン
6.5
3.5
イギ
リス
6.6
2.0
ギリ
シャ
11.1
4.2
アメ
リカ
9.3
3.2
フラ
ンス
3.4
1.7
ポル
トガ
ル6.7
3.8
イタ
リア
2.6
1.0
アイ
ルラ
ンド
11.8
19.8
カナ
ダ2.9
1.2
ドイ
ツ3.5
3.2
(注
)括
弧内
は対
前年
比改
善幅
。も
ペー
スが
速い
年の
改善
幅を
太枠
で囲
って
いる
。(出
典)
IMF
WEO
(Oct
. 201
5)
<財
政収
支対GDP
比の
推移
>
資料Ⅰ
-2
-2
― 43 ―
― ―0123456789
2015
年の
債務
残高
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
日本
245.9
210.2
215.8
229.7
236.6
242.6
246.2
245.9
(+5.6
)(+
13.9
)(+
6.9
)(+
5.9
)(+
3.6
)(▲
0.3
)
ギリ
シャ
197.0
126.2
145.7
171.0
156.5
175.0
177.1
197.0
(+19.4
)(+
25.3
)(▲
14.5
)(+
18.5
)(+
2.1
)(+
19.9
)
イタ
リア
133.1
112.5
115.3
116.4
123.1
128.5
132.1
133.1
(+2.8
)(+
1.1
)(+
6.7
)(+
5.4
)(+
3.6
)(+
1.0
)
ポル
トガ
ル127.8
83.6
96.2
111.1
125.8
129.7
130.2
127.8
(+12.6
)(+
14.9
)(+
14.7
)(+
3.9
)(+
0.5
)(▲
2.4
)
アメ
リカ
104.9
86.0
94.7
99.0
102.5
104.8
104.8
104.9
(+8.7
)(+
4.3
)(+
3.5
)(+
2.3
)(+
0.0
)(+
0.1
)
アイ
ルラ
ンド
100.6
61.8
86.8
109.3
120.2
120.0
107.6
100.6
(+25.0
)(+
22.5
)(+
10.9
)(▲
0.2
)(▲
12.4
)(▲
6.9
)
スペ
イン
98.6
52.7
60.1
69.2
84.4
92.1
97.7
98.6
(+7.4
)(+
9.1
)(+
15.3
)(+
7.6
)(+
5.6
)(+
0.9
)
フラ
ンス
97.1
78.8
81.5
85.0
89.4
92.3
95.6
97.1
(+2.7
)(+
3.5
)(+
4.5
)(+
2.9
)(+
3.3
)(+
1.5
)
カナ
ダ90.4
83.0
84.6
85.3
87.9
87.7
87.9
90.4
(+1.6
)(+
0.8
)(+
2.6
)(▲
0.3
)(+
0.3
)(+
2.5
)
イギ
リス
88.9
65.8
76.4
81.8
85.8
87.3
89.4
88.9
(+10.6
)(+
5.4
)(+
4.0
)(+
1.5
)(+
2.1
)(▲
0.5
)
ドイ
ツ70.7
72.7
80.6
77.9
79.3
77.0
74.6
70.7
(+7.8
)(▲
2.6
)(+
1.4
)(▲
2.3
)(▲
2.4
)(▲
3.9
)
増減
幅(2009~
2015)
前年
比大
の改
善幅
日本
35.6
▲0.3
ギリ
シャ
70.7
▲14.5
※
イタ
リア
20.6
1.0
ポル
トガ
ル44.2
▲2.4
アメ
リカ
18.8
0.0
アイ
ルラ
ンド
38.9
▲12.4
スペ
イン
45.9
0.9
フラ
ンス
18.3
1.5
カナ
ダ7.4
▲0.3
イギ
リス
23.1
▲0.5
ドイ
ツ▲
2.0
▲3.9
(注
)括
弧内
は対
前年
比増
減幅
。前
年比
で大
の改
善幅
(伸
びが
一番
抑制
され
てい
る箇
所)を
太枠
で囲
って
いる
。(出
典)
IMF
WEO
(Oct
. 201
5)※
ギリ
シャ
政府
と民
間投
資家
等が
国債
を額
面の
約半
分の
価格
で交
換し
たこ
とが
影響
。
<債
務残
高対GDP
比の
推移
>
○20
09年
から
2015
年の
増減
幅を
見る
と、
EUや
IMFの
公的
支援
を受
けた
ギリ
シャ
、ポ
ルト
ガル
、ア
イル
ラン
ド、
スペ
イン
の増
加幅
が大
きく、
次い
で日
本と
なっ
てい
る。
○ド
イツ
とア
イル
ラン
ドで
は、
債務
残高
対GD
P比(一
般政
府)が
安定
的に
減少
して
いる
。
各国のリーマンショック後の財政健全化の進捗状況(ストック)
資料Ⅰ
-2
-3
― 44 ―
― ―0123456789
国名
2015
年の
財政
収支
各国
の財
政健
全化
目標
(フ
ロー
)
日本
▲5.9
・20
20年
度ま
でに
PB黒
字化
(国
・地
方)
スペ
イン
▲4.4
・20
16年
まで
に財
政収
支対
GDP比
(一
般政
府)▲
2.8%
・20
19年
まで
に構
造的
財政
収支
(一
般政
府)均
衡化
イギ
リス
▲4.2
・20
19年
度末
まで
に財
政収
支黒
字(公
的部
門)を
達成
ギリ
シャ
▲4.2
・PB
対GD
P比(一
般政
府)を
、20
15年
▲0.
25%
、20
16年
0.5%
、20
17年
1.75
%、
2018
年3.
5%と
改善
アメ
リカ
▲3.8
・20
25年
度ま
でに
財政
赤字
対GD
P比(連
邦政
府)を
3%以
内
フラ
ンス
▲3.8
・20
17年
まで
に財
政収
支対
GDP比
(一
般政
府)▲
2.7%
・20
19年
まで
に構
造的
財政
収支
対GD
P比(一
般政
府)▲
0.4%
ポル
トガ
ル▲
3.1
・20
15年
に財
政収
支対
GDP比
(一
般政
府)▲
2.7%
・20
16年
まで
に構
造的
財政
収支
対GD
P比(一
般政
府)▲
0.5%
イタ
リア
▲2.7
・20
18年
に構
造的
財政
収支
(一
般政
府)均
衡化
アイ
ルラ
ンド
▲2.0
・20
19年
まで
に構
造的
財政
収支
対GD
P比(一
般政
府)を
黒字
化
カナ
ダ▲
1.7
・均
衡予
算(連
邦政
府)の
達成
(期
限は
明示
せず
)
ドイ
ツ0.5
・財
政収
支(連
邦・州
)を
原則
均衡
化・構
造的
財政
収支
対GD
P比に
つい
て、
連邦
政府
は20
16年
より
▲0.
35%
以内
、州
政府
は20
20年
より
均衡
化
(出
典)
2015
年の
財政
収支
はIM
F W
EO(O
ct. 2
015)
、財
政健
全化
目標
は各
国政
府資
料等
。
今後に向けた各国の財政健全化目標
○各
国で
は、
引き
続き
、具
体的
な財
政健
全化
目標
を設
定。
特に
EU
では
、財
政協
定に
基づ
き、
財政
収支
や構
造的
財政
収支
をベ
ース
とし
て高
い目
標を
設定
。
資料Ⅰ
-2
-4
― 45 ―
― ―0123456789
【IM
F】財
政健
全化
に当
たっ
ては
、事
前に
公表
され
た内
容通
りに
実施
する
こと
が、
信頼
性・予
測可
能性
の観
点か
らも
重要
。財
政健
全化
の先
送り
や長
期化
は、
財政
健全
化の
失敗
や潜
在成
長率
の低
下に
つな
がる
ため
、で
きる
だ
け早
期に
進め
てい
くこ
とが
重要
。
【イ
ギリ
ス】2010年
に過
去に
例の
ない
厳し
い財
政健
全化
計画
を策
定。
ユー
ロ圏
債務
危機
等を
受け
て、
財政
健全
化
計画
の変
更を
求め
る声
が高
まる
も、
計画
をし
っか
りと
堅持
。財
政赤
字は
2015年
度に
は2010年
度比
で半
減。
2015年
の総
選挙
での
勝利
後も
、新
たな
計画
を策
定し
、財
政収
支の
黒字
化等
にコ
ミッ
ト。
【ア
イル
ラン
ド】2008年
以降
一貫
して
財政
健全
化を
推進
し、
計画
を上
回る
ペー
スで
財政
赤字
を減
少さ
せ、
市場
の信
認を
早期
に回
復し
たこ
とに
より
、国
債金
利が
着実
に低
下。
【フ
ラン
ス】社
会保
障に
つい
ては
、目
標を
設け
た歳
出抑
制を
推進
。特
に、
医療
保険
支出
目標
(O
ND
AM
: O
bjectif
Nat
ional
des
Dépe
nse
s d'
Ass
ura
nce M
alad
ie)に
つい
ては
、支
出抑
制に
向け
た取
組を
背景
に6年
連続
で目
標を
達成
。2016年
度に
おけ
る目
標は
、自
然増
が3.6
%で
ある
とこ
ろ1.7
5%
に設
定。
【EU
】歳
出に
問題
がな
いか
を検
証し
てい
くこ
とが
重要
との
観点
から
、2011年
に共
通ル
ール
とし
て歳
出の
ベン
チマ
ー
クを
導入
。
各国調査から得られる視点①:財政健全化の着実な実行
○財
政健
全化
のた
めの
歳出
・歳
入改
革に
係る
計画
等を
明確
に示
し、
個別
の措
置を
着実
に実
行し
てい
くこ
とが
、市
場の
信認
の維
持・確
保の
観点
から
重要
。
○計
画等
を安
易に
変更
する
こと
や、
財政
健全
化を
先送
りす
るこ
とは
、財
政健
全化
の失
敗や
潜在
成長
率の
低下
につ
なが
りか
ねな
い。
資料Ⅰ
-2
-5
― 46 ―
― ―0123456789
【O
EC
D】財
政健
全化
につ
いて
は、
経済
成長
が期
待通
りに
いか
ない
こと
もあ
るこ
とを
踏ま
えた
堅実
な目
標を
置くこ
と
が重
要。
【IM
F】想
定し
てい
たよ
りも
税収
が上
振れ
た場
合は
、そ
の分
歳出
を増
額す
るの
では
なく、
「貯
金」す
なわ
ち債
務削
減
に充
て、
将来
、経
済危
機な
どの
場面
で財
政出
動す
る余
地を
つくる
こと
が必
要。
【E
U】財
政危
機に
陥れ
ば財
政健
全化
は不
可避
とな
るが
、危
機へ
の対
応力
を強
める
観点
から
、経
済が
好調
なと
きに
財政
面で
必要
なバ
ッフ
ァー
(財
政黒
字)を
作っ
てお
いて
、将
来の
不況
時に
カウ
ンタ
ーシ
クリ
カル
な政
策(景
気刺
激策
)を
打て
る余
地を
確保
して
おくこ
とが
高の
財政
戦略
とな
る。
【ド
イツ
】想
定を
上回
る税
収が
得ら
れた
とき
に、
財政
規律
を重
視し
、財
政収
支の
黒字
化を
前倒
しで
達成
。ま
た、
今後
の少
子高
齢化
に鑑
みて
、長
期的
な財
政の
持続
可能
性確
保に
取り
組む
方針
は広
いコ
ンセ
ンサ
ス。
【ギ
リシ
ャ】財
政危
機以
前か
ら、
海外
から
の借
入を
もと
に多
額の
支出
が続
けら
れて
おり
、景
気の
良い
時期
に必
要な
歳出
・歳
入改
革が
行わ
れて
こな
かっ
た。
財政
危機
後、
公的
債権
者か
らの
支援
を得
るた
めに
急激
な緊
縮財
政を
実施
せざ
るを
得ず
、経
済・社
会・政
治状
況に
大き
な混
乱。
各国調査から得られる視点②:将来に備えた堅実な財政運営
○財
政健
全化
に当
たっ
ては
、経
済成
長が
期待
通り
にい
かな
いこ
とが
ある
こと
も踏
まえ
、客
観的
で堅
実な
経済
前提
を置
くこ
とが
重要
。
○経
済が
予想
以上
に好
調に
推移
し、
想定
を上
回る
税収
が得
られ
る場
合に
は、
財政
面で
の「貯
金」を
作り
、余
力を
確保
する
こと
で、
将来
起こ
り得
る経
済の
危機
等を
乗り
越え
るこ
とが
可能
とな
り、
また
、中
長期
的に
財政
健全
化を
進め
るこ
とが
可能
とな
る。
資料Ⅰ
-2
-6
― 47 ―
― ―0123456789
【E
U】財
政健
全化
は短
期的
には
経済
に負
の影
響が
ある
もの
の、
長期
的に
は、
そう
した
負の
影響
が弱
まっ
てい
き、
国債
金利
の安
定や
ユー
ロへ
の信
認向
上を
通じ
て、
経済
成長
を促
進す
る。
また
、経
済の
成長
力を
強化
する
ため
、共
通の
成長
戦略
を策
定。
2016年
の報
告書
では
、「投
資の
促進
」、
「構
造改
革」、
「財
政責
任」を
3つ
の優
先事
項と
し、
経済
成長
と財
政健
全化
の両
立に
取り
組ん
でい
る。
【ド
イツ
】「成
長志
向の
財政
健全
化」を
掲げ
、投
資に
よっ
て長
期的
な成
長を
高め
る取
組を
重視
する
とと
もに
、安
定志
向の
財政
政策
を継
続す
るこ
とで
、国
内の
消費
者か
らの
信用
が一
層高
まり
、こ
れが
内需
の拡
大に
寄与
する
と考
えて
いる
。
【ス
ペイ
ン】リ
ーマ
ンシ
ョッ
ク以
後、
継続
的に
労働
市場
改革
を実
施し
てお
り、
単位
労働
コス
トは
低水
準で
推移
して
い
る。
2013年
以降
、輸
出は
増加
し、
2015年
の実
質成
長率
は3.1
%と
見込
まれ
てい
る。
【イ
タリ
ア】低
成長
を克
服す
るた
め各
種の
減税
策を
含む
成長
戦略
を表
明し
てい
る一
方で
、E
Uの
財政
規律
を守
ると
して
おり
、財
源確
保の
ため
の歳
出改
革に
加え
て、
労働
市場
改革
等の
構造
改革
も進
めて
いる
。
【イ
ギリ
ス、
アイ
ルラ
ンド
】厳
しい
財政
健全
化を
実施
する
中で
も経
済が
回復
した
背景
とし
て、
労働
市場
をは
じめ
柔軟
な経
済構
造が
挙げ
られ
る。
また
、現
役世
代向
けの
社会
福祉
の削
減な
ど就
労の
促進
を図
る歳
出改
革が
成長
に
も寄
与し
た。
各国調査から得られる視点③:構造改革などの成長戦略と財政健全化の両立
○財
政健
全化
のた
めに
は、
経済
成長
の寄
与も
重要
。各
国は
、労
働市
場改
革や
規制
緩和
、成
長分
野へ
の投
資な
どの
構造
改革
に取
り組
んで
おり
、こ
れと
整合
的な
歳出
・歳
入改
革を
進め
るこ
とも
重要
。
○財
政健
全化
によ
り国
民や
投資
家の
信認
を強
化を
して
いくこ
とを
通じ
て、
長期
的な
経済
成長
を促
進す
るこ
とが
、財
政再
建と
経済
成長
の好
循環
につ
なが
る。
資料Ⅰ
-2
-7
― 48 ―
― ―0123456789
【ア
メリ
カ】民
主党
は増
税を
含む
赤字
削減
を、
共和
党は
歳出
削減
を主
張し
、政
治的
混乱
も見
られ
たが
、両
党と
も財
政赤
字の
削減
をす
る必
要が
ある
とい
う点
では
一致
。政
治的
対立
の中
でC
AP
やP
AYG
Oな
どの
歳出
削減
メカ
ニ
ズム
が成
立し
、財
政健
全化
につ
なが
った
。
【イ
ギリ
ス】2010年
の総
選挙
では
、与
野党
とも
財政
健全
化の
必要
性で
は一
致し
つつ
、そ
のペ
ース
が大
の争
点で
あっ
た。
新政
権は
総選
挙後
の約
100日
間の
ハネ
ムー
ン期
間を
大限
活用
し、
厳し
い財
政健
全化
の必
要性
を訴
え、
国民
の支
持・理
解を
得た
。そ
の際
には
、国
債金
利の
上昇
や客
観的
な経
済・財
政見
通し
の存
在が
、財
政へ
の危
機感
共有
と健
全化
計画
への
信認
確保
につ
なが
った
。
【ド
イツ
】2009年
に憲
法を
改正
し、
EU
の財
政協
定に
先立
って
財政
収支
均衡
等の
ルー
ルを
策定
。社
会民
主党
には
一
時的
な歳
出増
を行
う代
わり
に賛
成す
るよ
う説
得。
長期
的な
財政
の健
全性
を確
保す
ると
の共
通認
識の
下、
憲法
改正
への
コン
セン
サス
が得
られ
た。
【カ
ナダ
】1990年
代の
国債
格付
け引
下げ
、海
外報
道等
によ
り、
「歳
入を
超え
る歳
出は
問題
」、
「国
債市
場で
の信
認を
重視
すべ
き」と
いう
意識
が高
まり
、歳
出削
減に
関す
る政
治的
合意
・国
民的
支持
につ
なが
った
。
【ポ
ルト
ガル
】ギ
リシ
ャと
異な
りE
Uの
プロ
グラ
ムを
進ん
で受
け入
れた
。2011年
の選
挙で
政権
が交
代し
たが
、そ
の直
前に
策定
され
たプ
ログ
ラム
につ
いて
は、
2大
政党
とも
に遵
守す
るこ
とを
表明
。2015年
の選
挙に
よる
政権
交代
後
も、
EU
の財
政規
律の
履行
は引
き続
き堅
持の
姿勢
。
各国調査から得られる視点④:財政健全化のコンセンサスの醸成
○各
国の
成功
例に
照ら
すと
、財
政健
全化
への
国民
的な
コン
セン
サス
が、
その
成功
の根
底に
ある
。資料Ⅰ
-2
-8
― 49 ―
― ―0123456789
開催
日時
:4月
22日
(金
)18
:00-
19:3
0(於
イイ
ノホ
ール
)
出席
委員
:遠
藤典
子委
員、
十河
ひろ
美委
員、
武田
洋子
委員
、竹
中ナ
ミ委
員、
田中
弥生
委員
、
中空
麻奈
委員
麻生
太郎
財務
大臣
、大
岡敏
孝大
臣政
務官
テー
マ:
「国
の財
政と
未来
を考
える
女性
の集
い~
次の
世代
への
橋渡
し~
」
※財
政の
現状
、社
会保
障の
課題
等に
つい
て議
論
議事
の内
容:
①大
臣開
会挨
拶、
②財
政審
委員
によ
る講
演、
③意
見発
表及
び意
見交
換、
④参
加者
との
意見
交換
、⑤
まと
め・閉
会
当日
参加
人数
:4
05
名(参
考:平
成1
8年
開催
時の
参加
者は
27
3名
)
※18歳
以上
の女
性を
対象
に一
般公
募。
女性
公聴
会開
催の
経緯
及び
概要
○女
性公
聴会
開催
につ
いて
は、
昨年
9月
、財
政制
度分
科会
にお
いて
、委
員か
らの
「女
性の
目線
で
財政
につ
いて
考え
る公
聴会
の機
会を
設け
ては
どう
か」と
の提
案を
受け
、開
催す
るこ
とと
なっ
たも
の。
○そ
の後
、昨
年よ
り分
科会
終了
後に
女性
委員
が7
回集
まり
、開
催の
テー
マや
募集
対象
等、
詳細
に
つい
て検
討を
行い
、こ
の度
女性
公聴
会を
開催
する
に至
った
。
○女
性公
聴会
の開
催は
、平
成1
8年
の開
催以
来1
0年
ぶり
、公
聴会
自体
の開
催は
7年
ぶり
。
開催
の経
緯
概要
資料Ⅰ
-3
-1
― 50 ―
― ―0123456789
10代
9.1%
(37
名)
20代
14.6
%(
59名
)
30代
21.7
%(
88名
)40
代23
.2%
(94
名)
50代
18.0
%(
73名
)
60代
7.7%
(31
名)
70代
以上
3.0%
(12
名)
不明
2.7%
(11
名)
当日
の参
加者
の状
況
<年
代別
><
職業
別>
当日
参加
者4
05
名【
「そ
の他
」の
内訳
】「自
営業
」、
「医
師」、
「パ
ート
・ア
ルバ
イト
」等
会社
員54
.8%
(22
2人)
学生
12.3
%(
50名
)
団体
職員
11.1
%(
45名
)
公務
員
4.0%
(16
名)
主婦
4.0%
(16
名)
その
他12
.8%
(52
名)
不明
1.0%
(4名
)
資料Ⅰ
-3
-2
― 51 ―
― ―0123456789
当日
の主
な意
見・公
聴会
の様
子
○日
本国
憲法
では
、す
べて
の国
民は
勤労
の権
利と
義務
を負
うと
し、
納税
の義
務も
課し
てい
る。
私は
、保
育制
度の
充実
は、
憲
法で
謳う
勤労
の権
利と
義務
を保
障す
る社
会イ
ンフ
ラと
考え
る。
そし
て税
金で
整え
るイ
ンフ
ラを
右の
車輪
に、
納税
の義
務を
左の
車輪
の両
輪で
国を
支え
るこ
とが
でき
る。
○異
なっ
た価
値観
や視
点を
持っ
た女
性が
社会
で働
き、
もっ
と能
力を
発揮
する
よう
にな
れば
、必
ず変
わる
こと
がで
きる
。
○未
来へ
の投
資と
して
、日
本は
何に
対し
て前
向き
な将
来投
資を
して
いる
のか
明ら
かに
して
ほし
い。
現在
の問
題へ
の対
応を
優先
して
40年
、50
年先
への
投資
が後
回し
にな
って
いる
。税
金を
投入
して
実現
でき
る理
想の
日本
が明
確に
なれ
ば、
もっ
と税
金を
負担
した
い。
○子
ども
・子
育て
支援
制度
につ
いて
、国
や地
方公
共団
体の
支援
を受
けに
くい
人々
に生
活の
しわ
寄せ
が集
まる
のは
避け
なけ
れば
いけ
ない
。こ
の問
題は
生活
格差
と共
に子
供の
教育
格差
をよ
り広
げる
こと
に繋
がる
。次
の日
本を
担う
子ど
もた
ちを
育て
、か
つ自
身の
職業
とし
ての
社会
貢献
がし
たい
。
○子
ども
・子
育て
支援
制度
を支
える
財政
につ
いて
もっ
と学
び、
皆で
意見
交換
がで
きる
よう
にな
ると
良い
。こ
れか
らの
日本
を考
える
ため
に、
積極
的に
学生
に考
えて
もら
う必
要が
ある
と思
う。
○保
育士
の給
料を
上げ
るた
めに
財源
が必
要と
いう
説明
があ
った
が、
消費
税が
財源
なの
でい
つで
きる
かわ
から
ない
。そ
うな
ると
、企
業の
パワ
ーが
大事
だと
思う
。
○子
育て
支援
がま
だ機
能し
てい
ない
。私
たち
の代
から
、18
歳選
挙権
が認
めら
れる
と思
うが
、自
分た
ちの
意見
をど
こで
発信
する
のか
、政
治家
にど
うす
れば
意見
が届
くの
か、
私た
ちに
も意
見を
交わ
す場
を与
えて
ほし
い。
当日
の主
な意
見
当日
の様
子
資料Ⅰ
-3
-3
― 52 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果①
今回
の公
聴会
を踏
まえ
て、
今の
日本
の財
政で
、重
要な
政策
課題
は何
であ
ると
思い
ます
か。
(複
数回
答可
)
70代
以上
60代
50代
40代
30代
20代
10代
回答
数:346名
(参
加者
405名
、回
収率
85.4
%)
将来
世代
への
負
担の
見直
し(財
政健
全化
の推
進)
26.9
%(187人
)
社会
保障
の
受益
と負
担の
ア
ンバ
ラン
スの
是
正
23.3
%(162人
)
社会
保障
の
充実
13.8
%(96人
)
教育
の充
実
12.4
%(86人
)
景気
対策
8.2
%(57人
)
地方
の活
性化
6.9
%(48人
)
社会
資本
の
充実
3.4
%(24人
)そ
の他
5.2
%
(36人
)
【「そ
の他
」の
主な
回答
】○
世代
間格
差、
所得
格差
の是
正。
○国
民と
政府
との
意見
交換
。財
政に
関す
る認
識の
共有
。
31%34%
27%
27%
24%
20%
11%
14%
27%
29%
24%
23%
19%
12%
7%16%
15%
13%
19%
33%
22%
16%10%
8%
11%
11%
22%
3%
6%4%
11%
10%
15%
11%
10%5%4%5%9%7%22
% 1%
2%4%6%4%
8%
4%
5%4%5%
9%
0%20
%40
%60
%80
%10
0%
将来
世代
への
負担
の見
直し
(財
政健
全化
の推
進)
社会
保障
の受
益と
負担
のア
ンバ
ラン
スの
是正
社会
保障
の充
実教
育の
充実
景気
対策
地方
の活
性化
社会
資本
の充
実そ
の他
資料Ⅰ
-3
-4
― 53 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果②
将来
世代
への
負担
の先
送り
であ
る財
政赤
字(借
金)を
減ら
すた
めに
はど
うす
べき
だと
思い
ます
か。
70代
以上
60代
50代
40代
30代
20代
10代
歳出
の削
減と
負担
増を
両
方進
める
こと
はや
むを
得な
い45
.5%
(15
2人)
経済
成長
によ
る税
収増
で財
政赤
字を
縮減
でき
る16
.5%
(55
人)
徹底
した
歳出
削減
はや
むを
得な
い15
.0%
(50
人)
大幅
な負
担増
はや
むを
得な
い
8.7%
(29
人)
その
他14
.4%
(48
人)
【「そ
の他
」の
主な
回答
】○
議員
定数
の削
減。
○増
税。
法人
負担
の増
加。
また
、適
切な
税の
徴収
。
52%
37%
49%
51%
41%
41%
40%
16%
19%
15%
10%
16%
31%
20%
19%
19%13
%
15%
14%
7%
20%
3%
11%
10%
10%
8%
3%
20% 10
%
14%
13%
13%
21%17
%
0%20
%40
%60
%80
%10
0%
歳出
の削
減と
負担
増を
両方
進め
るこ
とは
やむ
を得
ない
経済
成長
によ
る税
収増
で財
政赤
字を
縮減
でき
る
徹底
した
歳出
削減
はや
むを
得な
い
大幅
な負
担増
はや
むを
得な
い
その
他
資料Ⅰ
-3
-5
― 54 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果③
社会
保障
(年
金、
医療
等)の
受益
と負
担の
アン
バラ
ンス
につ
いて
、今
後ど
うあ
るべ
きと
お考
えで
すか
。
70代
以上
60代
50代
40代
30代
20代
10代
【「そ
の他
」の
主な
回答
】○
現在
の給
付水
準を
維持
しつ
つ、
負担
を増
加さ
せな
い政
策を
考え
るべ
き。
○年
金や
医療
等の
各分
野ご
とに
、受
益と
負担
のバ
ラン
スを
判断
する
必要
があ
る。
現在
の給
付
水準
を多
少
引下
げる
一方
で、
相当
程度
の負
担の
増加
はや
むを
得な
い。
42.8
%(
128人
)現
在の
給付
水準
を維
持
する
一方
で、
大
幅な
負担
の増
加は
やむ
を得
な
い。
23.4
%(
70人
)
現在
の給
付
水準
を相
当
程度
引下
げる
一
方で
、多
少の
負
担の
増加
はや
む
を得
ない
。
16.7
%(
50人
)
現在
の給
付
水準
を大
幅に
引
下げ
る一
方で
、現
在の
負担
水準
を
維持
する
。
6.4%
(19
人)
その
他10
.7%
(32
人)
56%
42%48
%
44%
33%
32%
33%
13%
22%
25%
22%
33%
20%
33%
22%
16%
14%
16%
14%
24%
33%
6%
12%6%
4%6%
4%
3%8%8%
14%
14%
20%
0%20
%40
%60
%80
%10
0%
現在
の給
付水
準を
多少
引下
げる
一方
で、
相当
程度
の負
担の
増加
はや
むを
得な
い。
現在
の給
付水
準を
維持
する
一方
で、
大幅
な負
担の
増加
はや
むを
得な
い。
現在
の給
付水
準を
相当
程度
引下
げる
一方
で、
多少
の負
担の
増加
はや
むを
得な
い。
現在
の給
付水
準を
大幅
に引
下げ
る一
方で
、現
在の
負担
水準
を維
持す
る。
その
他
資料Ⅰ
-3
-6
― 55 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果④
本公
聴会
は、
7年
ぶり
の開
催で
した
が、
財政
・社
会保
障を
理解
する
うえ
で、
有益
であ
った
と思
われ
ます
か。
70代
以上
60代
50代
40代
30代
20代
10代
そう
思う
43.7
%(
138人
)
非常
にそ
う思
う37
.3%
(11
8人)
普通
13.0
%(
41人
)
あま
りそ
う
思わ
ない
4.7%
(15
人)
そう
は
思わ
ない
1.3%
(4人
)
37%44
%50%
47%
37%43
%
25%
54%
31%30
%41%
33%
39%
75%
6%
15%14
%10%
21%
9%
3%
10%
5%
3%
5%4%
2%
4%4%
0%20
%40
%60
%80
%10
0%
そう
思う
非常
にそ
う思
う
普通
あま
りそ
う思
わな
い
そう
は思
わな
い
資料Ⅰ
-3
-7
― 56 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果⑤
(主
な意
見)
○定
期的
にこ
のよ
うな
機会
を開
催さ
れる
こと
を望
みま
す。
【同
旨意
見多
数】
○本
当に
財政
につ
いて
考え
、意
見交
換を
する
場で
あれ
ばも
う少
し議
論の
時間
を取
った
方が
有意
義だ
った
かと
思い
ます
。【同
旨意
見多
数】
○子
ども
を持
つこ
とに
不安
が無
い体
制を
作っ
てほ
しい
。
○ま
ずは
、国
民へ
の財
政に
対す
る理
解、
教育
を充
実さ
せる
こと
が必
要。
○2
名の
高校
生の
しっ
かり
した
考え
方を
聞き
、日
本の
女性
にも
明る
い未
来が
ある
と思
いま
した
。若
い世
代の
負担
にな
らな
いよ
うに
考え
てい
きた
い。
○財
政に
つい
て、
これ
まで
深く考
えた
こと
はあ
りま
せん
でし
たが
、こ
れか
らの
日本
の未
来を
考え
、日
本国
民と
して
は一
人ひ
とり
が真
剣に
考え
なけ
れば
なら
ない
問題
だと
強く感
じま
した
。
○参
加者
の方
の率
直な
意見
とと
もに
、政
治と
国民
が一
体と
なっ
て、
対話
をし
て考
えて
いくこ
との
大切
さを
感じ
まし
た。
○助
成金
等、
必要
ない
歳出
が多
すぎ
る。
もっ
と適
切な
歳出
を考
え、
無駄
を省
く政
治を
お願
いし
たい
。私
たち
国民
は知
恵は
いくら
でも
出し
ます
。地
に足
がつ
いて
いな
い歳
出が
多す
ぎる
。
資料Ⅰ
-3
-8
― 57 ―
― ―0123456789
アン
ケー
ト集
計結
果⑤
(主
な意
見)
○子
育て
支援
が多
かっ
たと
思う
。介
護問
題や
年金
、医
療の
話も
もう
少し
欲し
かっ
た。
○有
権者
がも
っと
国の
こと
を考
え、
発信
し、
行動
する
こと
がと
ても
大切
だと
思い
まし
た。
○税
・社
会保
障、
政治
など
につ
いて
、学
生の
頃か
ら学
ぶ機
会、
議論
をす
るも
のを
授け
る事
が大
切と
感じ
まし
た。
○こ
れか
らの
力を
強化
する
方向
に目
を向
ける
こと
が大
切だ
と思
いま
した
。貯
蓄も
ある
高齢
者へ
のケ
アよ
りも
“日
本”を
存続
させ
るた
めに
は次
世代
への
投資
が重
要。
○男
性に
も女
性の
声を
聞い
てほ
しい
。
○働
きや
すい
社会
を作
る事
がと
ても
大切
。表
面で
は女
性の
活躍
が必
要と
いわ
れて
いま
すが
、そ
う考
えて
いる
人は
まだ
少数
だと
思い
ます
。な
ぜ必
要な
のか
をも
っと
発信
して
頂き
たい
。
○必
要で
ある
税金
は払
いま
す。
無駄
なも
の不
要な
もの
を見
直せ
ばも
っと
借金
も減
るか
もし
れな
い。
環境
を整
えて
も、
この
日本
で子
供を
育て
たい
、子
供が
育ち
たい
と思
うよ
うで
ない
と少
子化
は解
消さ
れな
い。
○後
の大
臣の
言葉
は心
強か
った
。若
い人
達に
借金
、負
担を
残さ
ない
よう
に、
財政
健全
化を
しっ
かり
考え
て集
中と
選択
をし
てい
きた
い。
資料Ⅰ
-3
-9
― 58 ―
― ―0123456789
財政・租税教育の取組の現状
○広
報用
パン
フレ
ット
「日
本の
財政
関係
資料
」や
その
簡略
版の
作成
、配
布。
○財
務省
ホー
ムペ
ージ
「日
本の
財政
を考
える
」に
おい
て、
映像
資料
や予
算編
成を
体験
する
ツー
ルな
どの
学習
支援
ツー
ル(「財
務大
臣に
なっ
て財
政改
革を
進め
よう
」等
)を
提供
。
○地
方の
財務
局に
おい
て、
要請
を受
けて
、出
張授
業を
実施
した
例あ
り。
(参
考)
大学
生・院
生向
けに
は、
講演
の実
施や
、学
生政
策サ
ーク
ルへ
の協
力を
行っ
てい
る。
○国
税庁
、文
科省
、総
務省
等か
らな
る関
係省
庁等
協議
会を
設け
てい
るほ
か、
県単
位、
市区
町村
単位
等で
も協
議会
を設
け、
租税
教育
を体
系的
に推
進。
○「税
を考
える
週間
にお
ける
講演
会」や
「税
につ
いて
の作
文コ
ンク
ール
」を
実施
。
○税
務署
、税
理士
会等
を活
用し
て、
租税
教室
への
講師
派遣
や教
員等
への
意識
啓発
研修
を実
施。
○国
税庁
ホー
ムペ
ージ
「税
の学
習コ
ーナ
ー」に
おい
て、
映像
資料
や税
の授
業で
使用
する
副教
材、
その
他の
教育
用教
材な
どの
学習
支援
ツー
ルを
幅広
く提
供。
租税
教育
の取
組
財政
教育
の取
組
資料Ⅰ
-3
-10
― 59 ―
― ―0123456789
財政
・租
税教
育を
取り
巻く
近の
動き
○選
挙権
年齢
の満
18歳
以上
への
引下
げ公
職選
挙法
等改
正法
平成
27年
6月
17日
成立
(平
成28年
6月
19日
施行
)
(参
考)中
央教
育審
議会
初等
中等
教育
分科
会資
料高
校生
に対
する
政治
への
参加
意識
を高
める
ため
の指
導の
充実
等や
、高
校生
の政
治的
活動
に係
る考
え方
の整
理等
の対
応が
必要
。
○次
期学
習指
導要
領の
改訂
に向
けて
中教
審で
検討
中央
教育
審議
会に
おい
て、
「初
等中
等教
育に
おけ
る教
育課
程の
基準
等の
在り
方」に
つい
て、
子供
たち
に育
成す
べき
資
質・能
力を
明確
にす
る観
点か
ら審
議が
なさ
れて
おり
、平
成28年
に「審
議の
まと
め」、
平成
28年
度内
に答
申を
予定
。そ
の後
学習
指導
要領
の改
訂が
なさ
れ、
これ
まで
のス
ケジ
ュー
ルを
踏ま
える
と、
小学
校は
32年
度か
ら、
中学
校は
33年
度か
ら全
面的
に、
高校
は34年
度か
ら年
次進
行に
より
、そ
れぞ
れ新
しい
学習
指導
要領
が実
施さ
れる
見込
み。
(参
考)中
央教
育審
議会
教育
課程
企画
特別
部会
「論
点整
理」
選挙
権年
齢の
引下
げを
踏ま
え、
高等
学校
を卒
業す
る段
階で
共通
に身
に付
けて
おくべ
き力
は何
かを
明確
に示
すこ
と、
特に
、国
家・社
会の
形成
者と
して
主体
的な
社会
参画
を行
って
いくた
めに
必要
な力
の育
成が
求め
られ
てい
る。
○新
しい
科目
「公
共(仮
称)」の
新設
中央
教育
審議
会教
育課
程企
画特
別部
会「論
点整
理」
社会
的・職
業的
な自
立や
主体
的な
社会
参画
に必
要な
選択
・判
断の
基準
を形
成し
、課
題の
解決
に必
要な
力を
身に
付け
る新
科目
「公
共(仮
称)」を
、高
等学
校に
設置
する
。
(参
考)新
しい
「公
共(仮
称)」の
授業
は平
成34年
度に
開始
予定
。
資料Ⅰ
-3
-11
― 60 ―
― ―0123456789
14.1
%18.8
%16.6
%19.7
%
33.1
%
82.4
%68.5
%
62.8
%56.2
%
42.5
%
3.5
%
12.7
%
20.7
%24.0
%24.4
%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1970
1980
1990
2000
2016
(昭
45)
(昭
55)
(平
2)
(平
12)
(平
28)
0%
10%
20%
30%
40%
1970
(昭
45)
1980
(昭
55)
1990
(平
2)
2000
(平
12)
2010
(平
22)
2020
(平
32)
2030
(平
42)
2040
(平
52)
2050
(平
62)
財政
をめ
ぐる
状況
変化
と財
政教
育
7.1%
(昭和45年)
○現
在の
財政
を巡
る課
題に
関す
る基
礎的
な知
識を
基に
、自
立し
た主
体と
して
社会
への
参画
、必
要と
なる
選択
・判
断の
基準
の形
成、
諸課
題を
考察
し追
究す
る力
の育
成等
、国
家・社
会の
形成
者と
して
必要
とな
る力
を育
成す
るこ
とが
重要
であ
り、
これ
らを
財政
教育
に適
切に
反映
して
いくこ
とが
重要
と考
えら
れる
。
○少
子高
齢社
会の
進展
に伴
い、
社会
保障
の受
益と
負担
の在
り方
や財
政状
況の
悪化
、財
政・
社会
保障
制度
の持
続可
能性
が財
政を
巡る
主要
な課
題と
なっ
てい
る。
【高齢化の国際比較】
(年
)
12.1%
(平成2年)
27.5%
(平成28年)
【歳出構造の変化】
3兆
円
166
兆円
838
兆円
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
1970
(昭
45)
1975
(昭
50)
1980
(昭
55)
1985
(昭
60)
1990
(平
2)
1995
(平
7)
2000
(平
12)
2005
(平
17)
2010
(平
22)
2015
(平
27)
【国債残高の推移】
(兆
円)
(年
度)
その
他の
歳出
社会
保障
費
国債
費
(年
度)
資料Ⅰ
-3
-12
― 61 ―
― ―0123456789
当面
の取
組
○教
育現
場の
サポ
ート
財
政の
授業
に活
用で
きる
副教
材の
作成
既
存の
学習
支援
ツー
ルの
活用
提案
・充
実
財
務局
や税
務署
と連
携し
た特
別授
業の
促進
中
学・高
校に
おけ
る授
業の
優良
事例
の収
集・横
展開
○教
科書
策定
への
協力
教
科書
の基
礎材
料と
なる
情報
の提
供(副
教材
等の
活用
等)
新
たな
科目
「公
共(仮
称)」の
円滑
な実
施へ
向け
た実
践例
の提
供
<財
政副
教材
>
<予
算編
成体
験ツ
ール
>
各支
出項
目を
選択
して
、財
政改
革の
内容
を決
定し
て下
さい
。
資料Ⅰ
-3
-13
― 62 ―
― ―0123456789
医療提供体制の適正化(療養病床)
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・介
護療
養病
床等
の効
率的
なサ
ービ
ス提
供体
制へ
の転
換に
つい
て、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
検討
の結
果に
基づ
いて
必要
な措
置を
講ず
る(
法改
正を
要す
るも
のに
係る
2017
年通
常国
会へ
の法
案提
出を
含む
)
【論点】
○20
17年
度末
に介
護療
養病
床の
廃⽌
が予
定さ
れて
いる
こと
等を
踏ま
え、
2016
年1
⽉、
厚⽣
労働
省の
「療
養病
床の
在り
方等
に関
する
検討
会」
にお
いて
、サ
ービ
ス提
供体
制の
新た
な選
択肢
が提
示さ
れた
。○
今後
、社
会保
障審
議会
の部
会等
にお
いて
、新
たな
サー
ビス
提供
体制
の具
体化
に向
けた
議論
が進
めら
れて
いく
こと
にな
る。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○新
たな
サー
ビス
提供
体制
につ
いて
は、
療養
病床
の地
域差
の是
正と
あわ
せ、
患者
・利
⽤者
の状
態像
に即
した
効率
的な
医療
・介
護サ
ービ
スを
提供
でき
るも
のと
する
必要
があ
る。
現行
の医
療療
養病
床(20
対1)
案1
医療
内包
型案
2医
療外
付型
現行
の特
例施
設入
居者
生活
介護
案1
-1
案1
-2
イメ
ージ
利用
者像
医療
区分ⅡⅢ
を中
心医
療区
分Ⅰ
を中
心、
長期
の医
療・介
護が
必要
医療
の必
要性
が高
い医
療の
必要
性が
比較
的高
く、
容体
が急
変す
るリ
スク
医療
の必
要性
は多
様だ
が、
容体
は比
較的
安定
医療
機能
人口
呼吸
や中
心静
脈栄
養な
どの
医療
喀痰
吸引
や経
管栄
養を
中心
とし
た日
常的
・継
続的
な医
学管
理多
様な
ニー
ズに
対応
する
日常
的な
医学
管理
外部
の病
院・診
療所
から
提供
24時
間の
看取
り・
ター
ミナ
ルケ
アオ
ンコ
ール
体制
によ
る看
取り
・タ
ーミ
ナル
ケア
併設
する
病院
・診
療所
から
の
オン
コー
ル体
制に
よる
看取
り・
ター
ミナ
ルケ
ア当
直体
制(夜
間・休
日対
応)
当直
体制
(夜
間・休
日対
応)又
はオ
ンコ
ール
体制
介護
機能
介護
ニー
ズは
問わ
ない
高い
介護
ニー
ズに
対応
多様
な介
護ニ
ーズ
に対
応
+ 診療
所等
・医
療療
養病
床(20対
1)
・診
療所
(有
床又
は無
床)
居住
スペ
ース
訪問
診療
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「療
養病
床に
つい
ては
、病
床数
や平
均在
院⽇
数の
地域
差が
⼤き
いこ
とか
ら、
⼊院
受療
率の
地域
差縮
⼩を
⾏い
、地
域差
の是
正を
確実
に⾏
う。
この
ため
、慢
性期
の医
療・
介護
ニー
ズに
対応
する
サー
ビス
提供
体制
につ
いて
、医
療の
内容
に応
じた
制度
上の
⾒直
しを
速や
かに
検討
する
」
資料Ⅱ
-1
-1
― 63 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「改
⾰に
取り
組む
都道
府県
を重
点的
に⽀
援す
る観
点か
らの
(略
)医
療費
適正
化計
画の
進捗
状況
等を
踏ま
えた
⾼齢
者医
療確
保法
第14
条の
診療
報酬
の特
例の
活⽤
の在
り方
の検
討、
(略
)都
道府
県の
体制
・権
限の
整備
の検
討等
を通
じて
、都
道府
県の
⾏う
病床
再編
や地
域差
是正
の努
⼒を
⽀援
する
。こ
れら
の施
策に
つい
て可
能な
もの
から
速や
かに
実施
する
。」
医療
提供
体制
の適
正化
(診療報酬の特例の活用、都道府県の権限強化)
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○⾼
齢者
医療
確保
法第
14条
を必
要に
応じ
て活
⽤で
きる
よう
、実
施に
当た
って
の課
題を
分析
し、
国に
おい
て運
⽤に
係る
ガイ
ドラ
イン
を策
定す
べき
。○
⺠間
医療
機関
に対
する
他施
設へ
の転
換命
令等
を付
与す
るな
ど、
医療
保険
上の
指定
に係
る都
道府
県の
権限
を⼀
層強
化す
べき
。
(1)「協議の場」の設置
○都
道府
県は
、地
域医
療構
想の
実現
に向
け、
医療
関係
者、
保険
者等
の関
係者
との
協議
を⾏
う「
協議
の場
」を
設置
。協
議だ
けで
は進
まな
い場
合、
知事
が以
下の
措置
を講
ずる
こと
が可
能。
(2)都道府県知事が講ずることができる措置
①病院の新規開設・増床への対応
○知
事は
、開
設許
可の
際、
不⾜
して
いる
医療
機能
を担
うと
いう
条件
を付
ける
こと
がで
きる
。②
既存医療機関による医療機能の転換への対応
[医療機関が過剰な医療機能に転換しようとする場合]
○知
事は
、医
療機
関に
対し
て医
療審
議会
での
説明
等を
求め
るこ
とが
でき
るこ
とと
し、
やむ
を得
ない
事情
がな
いと
認め
る時
、医
療審
議会
の意
⾒を
聞い
て、
転換
の中
⽌を
要請
(公
的医
療機
関等
には
命令
)す
るこ
とが
でき
る。
[協議の場が整わず、自主的な取組だけでは機能分化・連携が進まない場合]
○知
事は
、医
療審
議会
の意
⾒を
聴い
て、
不⾜
して
いる
医療
機能
に係
る医
療を
提供
する
こと
等を
要請
(公
的医
療機
関等
には
指示
)す
るこ
とが
でき
る。
※ 厚
生労
働省
資料
を基
に作
成
【論点】
○⾼
齢者
医療
確保
法第
14条
にお
いて
、厚
⽣労
働⼤
⾂は
、医
療費
適正
化の
ため
に必
要な
場合
、都
道府
県と
の協
議を
経て
、他
の都
道府
県と
異な
る診
療報
酬を
設定
でき
ると
いう
特例
が定
めら
れて
いる
が、
実施
例は
ない
。○
地域
医療
構想
の実
現に
当た
り、
都道
府県
は、
公的
医療
機関
等(
公⽴
病院
、厚
⽣連
、⽇
⾚等
)に
対し
ては
、過
剰な
医療
機能
に転
換し
よう
とす
る病
院に
対す
る転
換中
⽌の
命令
や、
非稼
働病
床の
削減
の命
令等
を実
施で
きる
が、
⺠間
医療
機関
に対
して
は、
命令
はで
きな
い(
要請
等の
み)
。
③稼働していない病床の削減の要請
○医
療計
画の
達成
の推
進の
ため
に特
に必
要が
ある
場合
にお
いて
、知
事は
公的
医療
機関
等以
外の
医療
機関
に対
して
、医
療審
議会
の意
⾒を
聴い
て、
稼働
して
いな
い病
床の
削減
を要
請す
るこ
とが
でき
る。
※現
⾏法
上、
公的
医療
機関
等に
対し
ては
、知
事が
稼働
して
いな
い病
床の
削減
を命
令で
きる
。
⇒【医療機関が上記の要請又は命令・指⽰に従わない場合】
○知
事は
勧告
を⾏
う。
勧告
に従
わな
い場
合や
、公
的医
療機
関が
命令
・指
示に
従わ
ない
場合
、以
下の
措置
を講
ずる
こと
がで
きる
。イ
医療
機関
名の
公表
ロ地
域医
療⽀
援病
院・
特定
機能
病院
の不
承認
・承
認の
取消
し
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・⾼
齢者
医療
確保
法第
14条
の診
療報
酬の
特例
の活
⽤方
策に
つい
て、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
結論
。検
討の
結果
に基
づい
て必
要な
措置
を講
ずる
〔20
17年
度ま
で〕
・都
道府
県の
体制
・権
限の
在り
方に
つい
て、
2014
年の
法律
改正
で新
たに
設け
た権
限の
⾏使
状況
等を
勘案
した
上で
、関
係審
議会
等に
おい
て検
討し
、結
論。
検討
の結
果に
基づ
いて
2020
年央
まで
に必
要な
措置
を講
ずる
地域医療構想(ビジョン)を実現するための現⾏の仕組み
資料Ⅱ
-1
-2
― 64 ―
― ―0123456789
65歳以上医療区分Ⅰ
(⼀般所得)の療養病床
その他
介護保険施設
(⽼健・療養病床(多床室))
補⾜
給付
にお
ける
基準
費⽤
額
介護保険施設
(特養(多床室))
補⾜
給付
にお
ける
基準
費⽤
額
食費
調理
費食
材費
1,38
0円
居住
費(
光熱
⽔費
)37
0円
1⽇当
たり
居住費
0円
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「医
療・
介護
を通
じた
居住
に係
る費
⽤負
担の
公平
化に
つい
て検
討を
⾏う
。」
医療・介護を通じた居住に係る負担の公平化
【論点】
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○⼊
院時
⽣活
療養
費に
つい
て、
在宅
療養
等と
の公
平性
を確
保す
る観
点か
ら、
難病
患者
・⼩
児慢
性特
定疾
患患
者等
を除
く全
ての
病床
につ
いて
、居
住費
(光
熱⽔
費相
当)
の負
担を
求め
てい
くべ
き。
食費
調理
費食
材費
1,38
0円
居住
費(
光熱
⽔費
)32
0円
1⽇当
たり
食費
調理
費食
材費
1,38
0円
1⽇当
たり
○⼊
院時
の⽣
活療
養費
につ
いて
、療
養病
床の
うち
65歳
以上
の医
療区
分Ⅰ
に該
当す
る患
者(
⼀般
所得
)に
つい
ては
自己
負担
があ
るが
、そ
れ以
外に
つい
ては
自己
負担
がな
く、
在宅
療養
等と
の公
平性
が確
保さ
れて
いな
い。
(参
考)
27年
度医
療保
険制
度改
⾰に
おい
て、
在宅
療養
でも
負担
する
費⽤
とし
て、
食材
費相
当額
に加
え、
調理
費相
当額
の負
担を
求め
る⾒
直し
を実
施。
(※
)低
所得
者は
引上
げを
⾏わ
ない
(据
え置
き)
。難
病患
者、
⼩児
慢性
特定
疾患
患者
は負
担額
を据
え置
く。
食費
調理
費食
材費
1,38
0円
居住
費光
熱⽔
費室
料84
0円
1⽇当
たり
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・⼊
院時
の光
熱⽔
費相
当額
に係
る患
者負
担の
⾒直
しに
つい
て、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
検討
の結
果に
基づ
いて
必要
な措
置を
講ず
る(
法改
正を
要す
るも
のに
係る
2017
年通
常国
会へ
の法
案提
出を
含む
)
資料Ⅱ
-1
-3
― 65 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「か
かり
つけ
医の
普及
の観
点か
らの
診療
報酬
上の
対応
や外
来時
の定
額負
担に
つい
て検
討す
る。
」
かかりつけ医普及の観点からの外来時の定額負担
【論点】
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○外
来の
機能
分化
と医
療保
険制
度の
持続
可能
性の
観点
から
、か
かり
つけ
医以
外を
受診
した
場合
(地
域包
括診
療料
や認
知症
地域
包括
診療
料が
適⽤
され
ない
場合
)に
、現
⾏の
定率
負担
(⽉
額上
限あ
り)
に加
え、
個⼈
が⽇
常⽣
活で
通常
負担
でき
る少
額の
定額
負担
を導
⼊す
べき
。
○か
かり
つけ
医の
普及
に向
けて
、外
来の
機能
分化
を進
める
観点
から
、外
来時
の患
者負
担の
在り
方に
つい
ても
⾒直
すこ
とが
必要
。○
具体
的に
は、
限ら
れた
医療
資源
の中
で、
疾病
等に
伴う
⼤き
なリ
スク
をカ
バー
する
とい
う保
険の
基本
機能
を⼗
分に
発揮
しつ
つ、
国⺠
皆保
険制
度を
維持
して
いく
観点
も踏
まえ
、か
かり
つけ
医以
外を
受診
した
場合
の患
者負
担に
つい
て、
個⼈
が⽇
常⽣
活で
通常
負担
でき
る少
額の
定額
負担
を導
⼊す
べき
では
ない
か。
(参
考)
フラ
ンス
の外
来医
療か
かり
つけ
医を
利⽤
した
場合
の自
己負
担率
は30
%で
ある
のに
対し
、か
かり
つけ
医を
利⽤
しな
い場
合の
自己
負担
率は
原則
70%
とさ
れて
いる
。
[患者負担のイメージ(受診時定額負担の場合)]
定額負担導入後
外来
医療
費=
初診
料(
2,82
0円)
+検
査+
画像
診断
+ 処
置+
薬剤
(処
方費
、医
薬品
費)
・定
率負
担に
加え
、少
額の
定額
負担
・た
だし
、⽉
額⼀
定額
上限
(⾼
額医
療費
)の
適⽤
は維
持
負 担
外来
医療
費
⾼額
療養
費
患者
負担
公的
保険
から
の給
付
現⾏制度(定額負担導入前)
・定
率負
担(
70歳
未満
:3割
、70
〜74
歳:
原則
2割、
75歳
以上
:1割
)・
ただ
し、
⽉額
⼀定
額(
⾼額
療養
費)
を上
限(
所得
に応
じて
8,00
0円〜
44,0
00(7
0歳以
上)、
35,4
00円
〜25
2,60
0円+
医療
費の
1%(7
0歳未
満))
6,00
0円
14,0
00円
外来
医療
費20
,000
円の
場合
少額の定額負担
負 担
外来
医療
費
患者
負担
外来
医療
費20
,000
円の
場合
6,00
0円+
定額
14,0
00円
-定
額
公的
保険
から
の給
付
患者
負担
⾼額
療養
費
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・か
かり
つけ
医の
普及
の観
点か
ら、
かか
りつ
け医
以外
を受
診し
た場
合に
おけ
る定
額負
担を
導⼊
する
こと
につ
いて
、関
係審
議会
等に
おい
て検
討し
、20
16年
末ま
でに
結論
→検
討の
結果
に基
づい
て必
要な
措置
を講
ずる
(法
改正
を要
する
もの
に係
る20
17年
通常
国会
への
法案
提出
を含
む)
資料Ⅱ
-1
-4
― 66 ―
― ―0123456789
上記
は医
療費
が10
0万円
と仮
定し
た場
合の
金額
。(※
)は
後期
高齢
者に
占め
る割
合、
(注
1)4
か月
目以
降は
14.0
万円
、(注
2)4
か月
目以
降は
9.3万
円、
(注
3)4
か月
目以
降は
4.4万
円、
(注
4)4
か月
目以
降は
2.5万
円、
(注
5)年
金収
入の
みの
場合
、単
身世
帯で
年金
収入
155万
円以
下。
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「社
会保
障制
度の
持続
可能
性を
中⻑
期的
に⾼
める
とと
もに
、世
代間
・世
代内
での
負担
の公
平を
図り
、負
担能
⼒に
応じ
た負
担を
求め
る観
点か
ら、
医療
保険
にお
ける
⾼額
療養
費制
度や
後期
⾼齢
者の
窓⼝
負担
の在
り方
につ
いて
検討
する
」
高額
療養
費制
度の在
り方
【論点】
○70
歳以
上の
⾼齢
者に
つい
ては
、①
⽉単
位の
上限
額が
70歳
未満
に比
べて
低額
に設
定さ
れて
いる
、②
外来
につ
いて
70歳
未満
には
無い
更な
る特
例措
置が
講じ
られ
てい
るな
ど、
若年
者よ
りも
負担
が低
い状
況と
なっ
てい
る。
○負
担の
公平
の観
点か
ら、
年齢
のみ
を理
由に
負担
上限
につ
いて
異な
る取
扱い
がさ
れて
いる
⾼額
療養
費制
度の
⾒直
しは
最優
先の
課題
。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○負
担能
⼒に
応じ
た適
正な
負担
とす
るた
め、
①⾼
齢者
のみ
に設
けら
れて
いる
外来
の特
例措
置を
廃⽌
し、
②⼊
院・
外来
を通
じて
、⾼
齢者
の自
己負
担の
⽉額
上限
を所
得⽔
準に
応じ
て現
役世
代と
同じ
⽔準
へと
⾒直
すべ
き。
あわ
せて
、③
「現
役並
み所
得」
の基
準に
つい
て、
妥当
性の
検証
・⾒
直し
を⾏
うべ
き。
現役
高齢
者(現
状)
70歳
未満
70歳
~74歳
75歳
以上
医療
費の
自己
負担
3割
負担
(就
学前
2割
)
2割
負担
*26年
4月
以降
70歳
にな
る者
から
(現
役並
み所
得者
3割
)
1割
負担
(現
役並
み所
得者
3割
)
高 額 療 養 費 月 額 上 限
入 院
年収
約1,1
60万
円~
25.4
万円
(注
1)
現役
並所
得(年
収約
370万
円以
上)
(6.6
%※
)8.7
万円
(注
3)
年収
約770万
円~
約1,1
60万
円17.2
万円
(注
2)
年収
約370万
円~
約770万
円8.7
万円
(注
3)
~年
収約
370万
円5.8
万円
(注
3)
一般
所得
(~
年収
約370万
円)
(53.5
%※
)4.4
万円
住民
税非
課税
3.5
万円
(注
4)
住民
税非
課税
(注
5)
(21.4
%※
)2.5
万円
年金
収入
80万
円以
下等
(18.5
%※
)1.5
万円
外 来
年収
約370万
円以
上~
上記
(入
院の
場合
)と
同じ
現役
並所
得4.4
万円
~年
収約
370万
円一
般所
得1.2
万円
住民
税非
課税
住民
税非
課税
0.8
万円
同じ
所得
水準
の現
役よ
り軽
減
入院
の場
合の
約1/2
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・外
来上
限や
⾼齢
者の
負担
上限
額の
在り
方な
ど、
⾼額
療養
費制
度の
⾒直
しに
つい
て、
世代
間・
世代
内の
負担
の公
平や
負担
能⼒
に応
じた
負担
等の
観点
から
、関
係審
議会
等に
おい
て具
体的
内容
を検
討し
、20
16年
末ま
でに
結論
→検
討の
結果
に基
づい
て速
やか
に必
要な
措置
を講
ずる
資料Ⅱ
-1
-5
― 67 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「世
代間
・世
代内
での
負担
の公
平を
図り
、負
担能
⼒に
応じ
た負
担を
求め
る観
点か
ら、
医療
保険
にお
ける
⾼額
療養
費制
度や
後期
⾼齢
者の
窓⼝
負担
の在
り方
につ
いて
検討
する
とと
もに
、介
護保
険に
おけ
る⾼
額介
護サ
ービ
ス費
制度
や利
⽤者
負担
の在
り方
等に
つい
て、
制度
改正
の施
⾏状
況も
踏ま
えつ
つ、
検討
を⾏
う。
」
介護保険における利用者負担の見直し
【論点】
○⾼
額介
護サ
ービ
ス費
制度
によ
り、
介護
保険
給付
に係
る利
⽤者
負担
額が
限度
額を
超え
る場
合に
超え
た⾦
額が
⾼額
介護
サー
ビス
費と
して
⽀給
され
てい
るが
、そ
の限
度額
が医
療保
険制
度(
⾼額
療養
費)
より
も部
分的
に低
くな
って
おり
⾒直
しが
必要
。○
利⽤
者負
担割
合に
つい
ては
、制
度の
持続
性確
保の
観点
から
2割
負担
に移
⾏す
るこ
とが
必要
。平
成27
年8⽉
より
、住
⺠税
課税
世帯
のう
ち、
⼀定
以上
の所
得(
合計
所得
⾦額
160万
円以
上)
を有
する
者に
つい
ては
、介
護保
険給
付に
係る
利⽤
者負
担割
合が
1割
から
2割
に引
き上
げら
れた
が、
今後
、段
階的
に、
医療
保険
との
均衡
を踏
まえ
て、
65〜
74歳
につ
いて
原則
2割
負担
とし
、次
に75
歳以
上に
つい
ても
2割
負担
とす
べき
。
※1
対象となる世帯に課税所得145万
円以上の第1号被保険者がいる場合
※2
対象となる⾼齢者の年収が約1,160万
円以上
※3
対象となる⾼齢者の年収が約770万
円以上かつ約1160万円未満
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
<⾼
額介
護サ
ービ
ス費
制度
>○
⾼額
介護
サー
ビス
費制
度に
つい
て、
⾼額
療養
費と
同⽔
準ま
で利
⽤者
負担
限度
額を
引き
上げ
るべ
き。
<利
⽤者
負担
割合
(2
割負
担の
対象
者の
⾒直
し)
①65
歳以
上74
歳以
下の
⾼齢
者に
つい
て、
医療
制度
との
均衡
を踏
まえ
、原
則2
割負
担化
への
⾒直
しを
実施
すべ
き。
②そ
の上
で、
医療
保険
制度
にお
ける
窓⼝
負担
に係
る議
論の
状況
を踏
まえ
つつ
、75
歳以
上の
⾼齢
者に
つい
ても
、原
則2
割負
担の
導⼊
を検
討す
べき
。
<利⽤者負担限度額>
⾼額介護サービス費
⾼額療養費
70歳以上
65歳以上70歳未満
現役並み所得(上位所得)
44,400円(世帯)※1
44,400円(多数回該当)
140,100円
(多数回該当)※2
93,000円(多数回該当)※3
⼀般
37,200円(世帯)
44,400円
44,400円(多数回該当)
住⺠税非課税等
24,600円(世帯)
24,600円
24,600円(多数回該当)
年⾦収入80万円以下等
15,000円(個人)
15,000円
24,600円(多数回該当)
⼀定以上の所得
※4
それ以外
2割負担
1割負担
<介護:利⽤者負担割合>
<利⽤者負担限度額(介護、医療)>
現役並み所得
※5
それ以外
75歳以上
3割負担
1割負担
※6
70〜74歳
3割負担
2割負担
<医療:利⽤者負担割合>
※4
合計所得⾦額(年⾦収入+その他所得の合計額)が160万
円以上
※5
収入の合計額が、単身世帯で383万円以上、2人以上の世帯で520万
円以上
※6
平成26年4⽉
以降に70歳になる者から2割
負担を適⽤(26年3⽉
末までに70歳に達している者
は1割負担)
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・⾼
額介
護サ
ービ
ス費
制度
の⾒
直し
につ
いて
、制
度改
正の
施⾏
状況
や⾼
額療
養費
との
均衡
の観
点も
踏ま
えつ
つ、
関係
審議
会等
にお
いて
具体
的内
容を
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
検討
の結
果に
基づ
いて
速や
かに
必要
な措
置を
講ず
る・
介護
保険
にお
ける
利⽤
者負
担の
在り
方に
つい
て、
制度
改正
の施
⾏状
況や
医療
保険
制度
との
均衡
の観
点も
踏ま
えつ
つ、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
関係
審議
会等
にお
ける
検討
の結
果に
基づ
いて
必要
な措
置を
講ず
る(
法改
正を
要す
るも
のに
係る
2017
年通
常国
会へ
の法
案提
出を
含む
)
資料Ⅱ
-1
-6
― 68 ―
― ―0123456789
協会
けん
ぽ健
保組
合A
健保
組合
B
保険料
負担
保険料
負担
保険料
負担
協会
けん
ぽ健
保組
合A
健保
組合
B
総報酬割
保険料負担
保険料
負担
保険料
負担
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「ま
た、
現役
被⽤
者の
報酬
⽔準
に応
じた
保険
料負
担の
公平
を図
る。
この
ため
、社
会保
障改
⾰プ
ログ
ラム
法に
基づ
く検
討事
項で
ある
介護
納付
⾦の
総報
酬割
やそ
の他
の課
題に
つい
て検
討を
⾏う
。」
介護納付金の総報酬割への移行
【論点】
○第
2号
被保
険者
(40
〜64
歳)
の保
険料
は、
各医
療保
険者
が徴
収し
てい
るが
(介
護納
付⾦
)、
これ
を医
療保
険者
間で
按分
する
際、
加⼊
者数
割(
⼈頭
割)
とな
って
おり
、被
保険
者の
負担
能⼒
(総
報酬
)に
応じ
たも
のと
なっ
てい
ない
。こ
のた
め、
所得
⽔準
の低
い保
険者
の保
険料
負担
を軽
減す
るた
めに
公費
負担
が投
⼊さ
れて
いる
。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○後
期⾼
齢者
⽀援
⾦と
同様
、介
護納
付⾦
につ
いて
も所
得に
応じ
た公
平な
負担
とす
る観
点か
ら、
段階
的に
総報
酬割
へ移
⾏す
べき
。(
注)
後期
⾼齢
者⽀
援⾦
につ
いて
は、
平成
29年
度か
らの
全面
総報
酬割
導⼊
に向
けて
、総
報酬
割部
分が
段階
的に
引き
上げ
られ
てい
る。
健保組合等
(0.9兆
円)
協会けんぽ
(0.9兆
円)
国⺠健康保険
(0.8兆
円)
被 ⽤ 者 保 険
国費(0.15兆円)
公費(0.37兆円)
・国(0.31兆円)
・都道府県(0.06兆円)
介 護 納 付 ⾦
社 会 保 険 診 療 支 払 基 ⾦
第1
号保
険料
(65
歳以
上)
2.1兆
円【
22%
】
第2
号保
険料
(40
〜64
歳)
2.6兆
円【
28%
】
公費
4.7兆
円【
50%
】
国:
2.2兆
円地
方:
2.5兆
円
※負
担割
合は
原則
とし
て、
・国
25%
、・
都道
府県
12.5
%、
・市
町村
12.5
%。
ただ
し、
施設
等給
付の
場合
は、
・国
20%
、・
都道
府県
17.5
%・
市町
村12
.5%
介護給付費(9.4兆
円)
人頭割
(被
保険
者に
応じ
負担
)
総報酬割
(被
⽤者
保険
者間
では
報酬
額に
比例
して
負担
)
<人頭割から総報酬割への移⾏のイメージ>
※協
会け
んぽ
、健
保組
合A、
健保
組合
Bの加
⼊者
数は
同数
と仮
定
人頭割
総報
酬
国庫負担
総報
酬
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・社
会保
障改
⾰プ
ログ
ラム
法に
おけ
る検
討事
項で
ある
介護
納付
⾦の
総報
酬割
導⼊
につ
いて
、関
係審
議会
等に
おい
て検
討し
、20
16年
末ま
でに
結論 →検
討の
結果
に基
づい
て必
要な
措置
を講
ずる
(法
改正
を要
する
もの
に係
る20
17年
通常
国会
への
法案
提出
を含
む)
資料Ⅱ
-1
-7
― 69 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「次
期介
護保
険制
度改
⾰に
向け
て、
⾼齢
者の
有す
る能
⼒に
応じ
自⽴
した
⽣活
を目
指す
とい
う制
度の
趣旨
や制
度改
正の
施⾏
状況
を踏
まえ
つつ
、軽
度者
に対
する
⽣活
援助
サー
ビス
・福
祉⽤
具貸
与等
やそ
の他
の給
付に
つい
て、
給付
の⾒
直し
や地
域⽀
援事
業へ
の移
⾏を
含め
検討
を⾏
う。
」
軽度者への福祉用具貸与の在り方
【論点】
○福
祉⽤
具貸
与は
、利
⽤者
の希
望・
状況
等を
踏ま
えて
、貸
与の
要否
・機
種選
定を
ケア
プラ
ン策
定の
中で
決定
して
おり
、貸
与価
格は
貸与
業者
が提
示す
る利
⽤料
を保
険給
付の
基準
(原
則9
割を
保険
給付
・1
割自
己負
担)
とし
てい
る。
○福
祉⽤
具貸
与の
実態
を調
査し
たと
ころ
(次
ペー
ジ)
、⼀
⼈当
たり
貸与
額に
⼤き
な地
域差
があ
り(
図1
)、
その
要因
とし
て、
①貸
与価
格に
つい
て、
同⼀
商品
の中
で平
均貸
与価
格の
10
倍超
の⾼
価格
で取
引さ
れて
いる
例が
ある
など
、⼤
きな
ばら
つき
があ
るこ
と(
図2
)、
②機
種の
スペ
ック
と要
介護
度の
対応
関係
につ
いて
も⼤
きな
地域
差が
あり
(図
3)
、ま
た、
軽度
者に
むし
ろ⾼
機能
の商
品が
貸与
され
てい
るよ
うな
⽤具
があ
るこ
と(
図4
)、
など
が明
らか
にな
った
。○
利⽤
者の
状況
・AD
Lの維
持向
上の
必要
度等
に応
じた
機種
が適
正に
貸与
され
るよ
う、
また
、貸
与事
業者
のサ
ービ
ス競
争の
促進
と適
正な
価格
設定
が担
保さ
れる
よう
、現
在の
福祉
⽤具
貸与
の仕
組み
につ
いて
、抜
本的
な⾒
直し
が必
要で
はな
いか
。○
また
、軽
度者
に対
する
福祉
⽤具
貸与
は⽇
常⽣
活で
通常
負担
する
費⽤
の延
⻑と
考え
られ
るこ
と、
住宅
改修
(要
介護
2以
下の
軽度
者の
利⽤
が8
割弱
)は
個⼈
の資
産形
成で
もあ
るこ
とを
踏ま
える
と、
介護
保険
給付
を中
重度
者に
重点
化す
る観
点、
貸与
事業
者間
の適
正な
価格
・サ
ービ
ス競
争を
促す
観点
から
、軽
度者
を中
⼼に
、利
⽤者
負担
の在
り方
につ
いて
も⾒
直し
が必
要で
はな
いか
。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
①貸
与価
格の
⾒直
し:
福祉
⽤具
貸与
につ
いて
、対
象品
目の
希望
⼩売
価格
等か
ら減
価償
却期
間等
を考
慮し
て算
定し
た標
準的
な利
⽤料
を基
準貸
与価
格と
して
設定
する
(住
宅改
修に
つい
ても
、⼯
事実
勢価
格等
をベ
ース
に同
様の
仕組
みと
する
)。
真に
有効
・必
要な
附帯
サー
ビス
につ
いて
は、
厳格
な要
件の
下に
、貸
与価
格と
は分
けて
標準
的な
保守
管理
サー
ビス
等を
別途
評価
する
枠組
みを
検討
し、
事業
者間
の適
正な
競争
を促
進す
る。
また
、⾏
政や
利⽤
者に
とっ
て取
引価
格や
製品
性能
等が
比較
可能
とな
るよ
う情
報開
示(
⾒え
る化
)を
進め
る。
②貸
与機
種の
スペ
ック
の在
り方
の⾒
直し
:利
⽤者
の状
況・
ADLの
維持
向上
の必
要度
等に
⾒合
った
貸与
品の
選定
を推
進す
るた
め、
要介
護区
分ご
とに
標準
的な
貸与
対象
品目
を決
定し
、そ
の範
囲内
で貸
与品
を選
定す
る仕
組み
を導
⼊す
る。
③負
担の
あり
方の
⾒直
し:
介護
保険
給付
を中
重度
者に
重点
化す
る観
点、
⺠間
サー
ビス
事業
者の
価格
・サ
ービ
ス競
争を
促す
観点
から
、原
則自
己負
担(
⼀部
補助
)と
し、
軽度
者の
福祉
⽤具
貸与
に係
る保
険給
付の
割合
を⼤
幅に
引き
下げ
る。
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・軽
度者
に係
る⽣
活援
助、
福祉
⽤具
貸与
及び
住宅
改修
に係
る負
担の
在り
方に
つい
て、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
検討
の結
果に
基づ
いて
必要
な措
置を
講ず
る(
法改
正を
要す
るも
のに
係る
2017
年通
常国
会へ
の法
案提
出を
含む
)・
軽度
者に
係る
福祉
⽤具
貸与
及び
住宅
改修
に係
る給
付の
適正
化に
つい
て、
地域
差の
是正
の観
点も
踏ま
えつ
つ、
関係
審議
会等
にお
いて
具体
的内
容を
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論→
検討
の結
果に
基づ
いて
速や
かに
必要
な措
置を
講ず
る
資料Ⅱ
-1
-8
― 70 ―
― ―0123456789
〔参
考〕
福祉
用具
貸与
における地
域差
等のばらつき
(平成27年財務省調査結果)
3,112円
4,092円
2,00
0円
2,50
0円
3,00
0円
3,50
0円
4,00
0円
4,50
0円
北 海 道
青 森 県
岩 手 県
宮 城 県
秋 田 県
山 形 県
福 島 県
茨 城 県
栃 木 県
群 馬 県
埼 玉 県
千 葉 県
東 京 都
神 奈 川 県
新 潟 県
富 山 県
石 川 県
福 井 県
山 梨 県
⻑ 野 県
岐 阜 県
静 岡 県
愛 知 県
三 重 県
滋 賀 県
京 都 府
⼤ 阪 府
兵 庫 県
奈 良 県
和 歌 山 県
鳥 取 県
島 根 県
岡 山 県
広 島 県
山 ⼝ 県
徳 島 県
香 川 県
愛 媛 県
⾼ 知 県
福 岡 県
佐 賀 県
⻑ 崎 県
熊 本 県
⼤ 分 県
宮 崎 県
鹿 児 島 県
沖 縄 県
全国平均:3,611円
都道
府県
別の
⼀⼈
当た
り平
均実
質貸
与額
(平
均貸
与額
を消
費者
物価
指数
で実
質化
)の最⾼(沖縄県)
と最低(新
潟県)
には3割以上の地域差
が存
在す
る。
【出
典】
厚⽣
労働
省「
平成
26年
度介
護給
付費
実態
調査
報告
」、
総務
省「
消費
者物
価指
数」
<図1>都道府県別の⼀人当たり平均実質貸与額
<図2>個別貸与品の取引価格の分布
代表
的な
品目
につ
いて
、個
別品
目ご
との
貸与
価格
を詳
細に
調査
する
と、平均貸与価格の10倍超の価格
の取
引が
散⾒
され
、中
には1ヶ⽉の貸与価格が販売価格を上回る
事例
も存
在す
る。
597円
7,180円
12.0倍
<平均貸与価格>
<最⾼価格>
【出
典】
介護
保険
総合
デー
タベ
ース
から
抽出
した
平成
27年
3⽉審
査分
の給
付デ
ータ
を基
に財
務省
にて
試算
スロープ〔商品A〕
(販売価格5千
円程度)
8,803円
100,000円
11.4倍
<平均貸与価格>
<最⾼価格>
介護⽤ベッド〔商品B〕
(販売価格18万円程度)
<図4>価格帯ごとの貸与取引に占める重度者・軽度者の割合
⼀部
の品
目で
は、軽度者(要介護2以下)の⽅が重度者よりも⾼価格品を利⽤している事例
が存
在す
る。
重度者
64.3%
重度者
21.3%
重度者
25.7%
軽度者
35.7%
軽度者
78.7%
軽度者
74.3%
手すり【低価格】
(販売価格:5万
円程度
平均貸与価格:2千
円程度)
手すり【通常価格】
(販売価格:6万
円程度
平均貸与価格:3千
円程度)
手すり【⾼価格】
(販売価格:11万円程度
平均貸与価格:5千
円程度)
<図3>⾼性能・機能を持つ福祉⽤具の貸与に占める軽度者の割合
⾼性
能・
機能
を持
つ⾞
いす
貸与
に関
する
軽度
者の
利⽤
割合
に⼤
きな
地域
差が
存在
。軽度者の利⽤が全くない地域
もあ
れば
、全
利⽤
者に
占め
る軽度者の割合が8割超
とな
って
いる
地域
もあ
る。
【出
典】
介護
保険
総合
デー
タベ
ース
から
抽出
した
平成
27年
3⽉審
査分
の給
付デ
ータ
を基
に財
務省
にて
試算
0.0%
20.0
%
40.0
%
60.0
%
80.0
%
100.
0%
北 海 道
青 森 県
岩 手 県
宮 城 県
秋 田 県
山 形 県
福 島 県
茨 城 県
栃 木 県
群 馬 県
埼 玉 県
千 葉 県
東 京 都
神 奈 川 県
新 潟 県
富 山 県
石 川 県
福 井 県
山 梨 県
⻑ 野 県
岐 阜 県
静 岡 県
愛 知 県
三 重 県
滋 賀 県
京 都 府
⼤ 阪 府
兵 庫 県
奈 良 県
和 歌 山 県
鳥 取 県
島 根 県
岡 山 県
広 島 県
山 ⼝ 県
徳 島 県
香 川 県
愛 媛 県
⾼ 知 県
福 岡 県
佐 賀 県
⻑ 崎 県
熊 本 県
⼤ 分 県
宮 崎 県
鹿 児 島 県
沖 縄 県
徳 島 県
佐 賀 県
【出
典】
介護
保険
総合
デー
タベ
ース
から
抽出
した
平成
27年
3⽉審
査分
の給
付デ
ータ
を基
に財
務省
にて
試算
山 形 県
新 潟 県
福 井 県
資料Ⅱ
-1
-9
― 71 ―
― ―0123456789
0%20%
40%
60%
80%
100%
要介護1
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「次
期介
護保
険制
度改
⾰に
向け
て、
⾼齢
者の
有す
る能
⼒に
応じ
自⽴
した
⽣活
を目
指す
とい
う制
度の
趣旨
や制
度改
正の
施⾏
状況
を踏
まえ
つつ
、軽
度者
に対
する
⽣活
援助
サー
ビス
・福
祉⽤
具貸
与等
やそ
の他
の給
付に
つい
て、
給付
の⾒
直し
や地
域⽀
援事
業へ
の移
⾏を
含め
検討
を⾏
う。
」
軽度者への生活援助の在り方
【論点】
○要
介護
者に
対す
る訪
問介
護は
「⾝
体介
護」
と「
⽣活
援助
」に
分け
られ
るが
、要
介護
5で
は、
⽣活
援助
のみ
の利
⽤件
数は
全件
数の
5%
未満
であ
るの
に対
し、
軽度
の要
介護
者(
要介
護1
・2
)で
は、
⽣活
援助
のみ
の利
⽤件
数が
全件
数の
概ね
4割
とな
って
いる
。○
⽣活
援助
の内
容は
、掃
除の
占め
る割
合が
最も
多く
、次
に⼀
般的
な調
理・
配膳
が多
い。
〇こ
れら
の在
宅サ
ービ
スに
は多
くの
⺠間
企業
が自
由参
⼊し
てい
るが
、介
護報
酬に
定め
られ
た公
表価
格を
下回
る価
格を
設定
して
いる
事業
者は
ほと
んど
なく
、価
格競
争は
⾏わ
れて
いな
い。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○軽
度者
に対
する
⽣活
援助
は、
⽇常
⽣活
で通
常負
担す
る費
⽤で
あり
、介
護保
険給
付を
中重
度者
に重
点化
する
観点
、⺠
間サ
ービ
ス事
業者
の価
格・
サー
ビス
競争
を促
す観
点か
ら、
原則
自己
負担
(⼀
部補
助)
の仕
組み
に切
り替
える
べき
。
【出
典】
厚⽣
労働
省「
平成
26年
度介
護給
付費
実態
調査
」身体介護
⽣活援助
<訪問介護の件数(サービス類型別の構成比)>
【出
典】
厚⽣
労働
省「
平成
24年
度介
護サ
ービ
ス施
設・
事業
所調
査」
⽣活援助
身体介護+
⽣活援助
身体介護
<訪問介護【要介護1】の提供内容の構成割合(複数回答)>
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・軽
度者
に対
する
⽣活
援助
サー
ビス
やそ
の他
の給
付の
在り
方に
つい
て、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
2016
年末
まで
に結
論・
軽度
者に
係る
⽣活
援助
、福
祉⽤
具貸
与及
び住
宅改
修に
係る
負担
の在
り方
につ
いて
、関
係審
議会
等に
おい
て検
討し
、20
16年
末ま
でに
結論
→検
討の
結果
に基
づい
て必
要な
措置
を講
ずる
(法
改正
を要
する
もの
に係
る20
17年
通常
国会
への
法案
提出
を含
む)
資料Ⅱ
-1
-10
― 72 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「市
販品
類似
薬に
係る
保険
給付
につ
いて
、公
的保
険の
役割
、セ
ルフ
メデ
ィケ
ーシ
ョン
推進
、患
者や
医療
現場
への
影響
等を
考慮
しつ
つ、
⾒直
しを
検討
する
。」
市販品類似薬に係る保険給付の見直し
【論点】
○市
販品
と同
⼀の
有効
成分
の薬
でも
、医療
機関
で処
方さ
れれ
ば、低
い自
己負
担で
購⼊
が可
能な
ケー
スが
ある
。○
諸外
国と
比較
して
も、
我が
国に
おけ
る市
販品
使⽤
割合
は低
位で
あり
、セ
ルフ
メデ
ィケ
ーシ
ョン
が⼗
分進
んで
いな
い。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○市
販品
類似
薬に
つい
て、公
平性
の確
保や
セル
フメ
ディ
ケー
ショ
ンの
推進
の観
点か
ら、
①ス
イッ
チOT
C化さ
れた
医療
⽤医
薬品
に係
る保
険償
還率
を引
き下
げる
とと
もに
、②
⻑ら
く市
販品
とし
て定
着し
たOT
C類似
医薬
品(
ビタ
ミン
剤、
うが
い薬
、湿
布、
目薬
やい
わゆ
る漢
方薬
など
のう
ち⻑
らく
市販
品と
して
定着
した
銘柄
)に
つい
ては
、処
方の
目的
や方
法に
かか
わら
ず保
険給
付外
とす
べき
。
⼀人当たり薬剤費に占める市販医薬品費の割合
市販品と医療⽤医薬品の比較
区分
市販
品類
似薬
医療
⽤医
薬品
名称
価格
名称
薬価
自己
負担
(薬価
3割)
①湿布
A95
0円A
A70
円20
円②
漢⽅薬
B1,
296円
BB
280円
80円
③目薬
C1,
317円
CC
1,44
0円43
0円※
1各
区分
にお
ける
市販
品と
医療
用医
薬品
は、
いず
れも
同一
の有
効成
分を
含ん
でい
る。
ただ
し、
同一
の有
効成
分を
含ん
でい
る市
販薬
であ
って
も、
医療
用医
薬品
の効
能・効
果や
用法
・用
量が
異な
る場
合が
ある
こと
には
留意
が必
要。
※2
市販
品の
価格
は、
メー
カー
希望
小売
価格
。※
3医
療用
医薬
品の
価格
につ
いて
は市
販品
と同
じ数
量に
つい
て、
病院
・診
療所
で処
方箋
を発
行し
ても
らい
、薬
局で
購入
した
場合
の価
格で
あり
、別
途再
診料
、処
方料
、調
剤料
等が
かか
る。
※4
医療
用医
薬品
につ
いて
は、
医療
保険
の適
用と
なり
、7
割が
保険
で賄
われ
るた
め、
患者
負担
は原
則3
割と
なる
。
(出
典)O
EC
D「H
EA
LT
H A
T A
GLA
NC
E 2
013」
薬剤
費の
内、
OT
C薬
品費
用の
デー
タが
判明
して
いる
国を
全て
抜粋
。(注
)一
人あ
たり
薬剤
費は
、病
院・診
療所
等内
で消
費さ
れて
いる
薬剤
費を
除い
てい
る。
9.8%10
.4%
11.1
%13.9
%14
.3%
14.7
%16.5
%16
.7%
17.4
%18
.6%
18.8
%20
.5%
20.9
%21
.6%
21.6
%22
.6%26
.1%
26.6
%28
.0%
34.7
%41
.4%
0%5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
カナ
ダニ
ュー
ジー
ラン
ドド
イツ
フィ
ンラ
ンド
アメ
リカ
合衆
国日
本ス
イス
フラ
ンス
スロ
ベニ
アデ
ンマ
ーク
エス
トニ
ア韓
国オ
ース
トリ
アチ
ェコ
スペ
イン
スウ
ェー
デン
チリ
ベル
ギー
オー
スト
ラリ
アア
イス
ラン
ドポ
ーラ
ンド
[参
考]
ビタ
ミン
剤に
つい
ては
2012
(H2
4)年
度か
ら単
なる
栄養
補給
目的
での
使⽤
が、
うが
い薬
につ
いて
は20
14(
H26)
年度
から
うが
い薬
のみ
の処
方が
、そ
れぞ
れ保
険適
⽤か
ら除
外さ
れて
いる
。
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・ス
イッ
チOT
C化さ
れた
医療
⽤医
薬品
に係
る保
険償
還率
の在
り方
につ
いて
、関
係審
議会
等に
おい
て検
討し
、20
16年
末ま
でに
結論
→検
討の
結果
に基
づい
て必
要な
措置
を講
ずる
(法
改正
を要
する
もの
に係
る20
17年
通常
国会
への
法案
提出
を含
む)
・公
的保
険給
付の
範囲
の⾒
直し
や医
薬品
の適
正使
⽤の
観点
等か
ら、
平成
28年
度診
療報
酬改
定に
おい
て、
⻑ら
く市
販品
とし
て定
着し
たOT
C類似
薬を
保険
給付
外と
する
こと
等に
つい
て、
その
具体
的内
容を
検討
し、
結論
資料Ⅱ
-1
-11
― 73 ―
― ―0123456789
〔参考〕医薬品に係る保険給付の在り方について
(出
所)
厚⽣
労働
省「
医療
保障
制度
に関
する
国際
関係
資料
につ
いて
」「
第47
回社
会保
障審
議会
医療
保険
部会
資料
」、
医療
経済
研究
機構
「薬
剤使
⽤状
況等
に関
する
調査
研究
報告
書」
等よ
り作
成
【薬剤に係る自己負担についての国際比較】
制度
類型
薬剤
に係
る自
己負
担(
参考
)国
⺠負
担率
日本
社会
保険
方式
※1
・原
則3
割(
義務
教育
就学
前:
2割
、70
〜74
歳:
2割
、75
歳以
上:
1割
)43
.4%
(20
15年
度)
ドイツ
社会
保険
方式
※2
・10
%定
率負
担(
各薬
剤に
つき
上限
10ユ
ーロ
、下
限5ユ
ーロ
)(
注)
参照
価格
(償
還限
度額
)が
設定
され
た医
薬品
の場
合は
、限
度額
を超
えた
額は
自己
負担
52.2
%(
2012
年)
フランス
社会
保険
方式
※1
・以
下を
加重
平均
した
自己
負担
率:
34%
-抗
がん
剤等
の代
替薬
のな
い⾼
額な
医薬
品:
0%-
⼀般
薬剤
:35
%-
胃薬
等:
70%
-有
⽤度
の低
いと
判断
され
た薬
剤:
85%
-ビ
タミ
ン剤
や強
壮剤
:10
0%(
注)
参照
価格
(償
還限
度額
)が
設定
され
た医
薬品
の場
合は
、限
度額
を超
えた
額は
自己
負担
65.7
%(
2012
年)
スウェーデン
税方
式※
3・
900ク
ロー
ナま
では
全額
自己
負担
、よ
り⾼
額の
薬剤
につ
いて
も⼀
定の
自己
負担
割合
を設
定(
注)
上限
は年
間2,
200ク
ロー
ナ56
.1%
(20
12年
)
イギリス
税方
式※
3・
処方
1件
:8.
05ポ
ンド
(⾼
齢者
、低
所得
者、
妊婦
等に
つい
ては
免除
あり
)46
.7%
(20
12年
)
アメリカ
社会
保険
方式
※4
・保
険の
種類
や契
約内
容等
に応
じ相
違(
注)
メデ
ィケ
ア(
任意
加⼊
)の
場合
-31
0ドル
まで
は全
額自
己負
担、
より
⾼額
な薬
剤に
つい
ても
⼀定
の自
己負
担割
合を
設定
31.1
%(
2012
年)
(※
1)
国⺠
皆保
険(
※2
)国
⺠の
約87
%が
加⼊
(※
3)
全居
住者
を対
象(
※4
)65
歳以
上の
⾼齢
者及
び障
害者
等を
対象
とす
るメ
ディ
ケア
と⼀
定の
条件
を満
たす
低所
得者
を対
象と
する
メデ
ィケ
イド
○フ
ラン
スで
は、
医薬
品の
治療
上の
貢献
度・
有⽤
性に
応じ
、段
階的
な自
己負
担割
合(
保険
償還
率)
が設
定さ
れて
いる
ほか
、ド
イツ
と同
様、
参照
価格
(償
還限
度額
)制
度が
採⽤
され
てい
る。
また
、ス
ウェ
ーデ
ン等
にお
いて
は、
医薬
品の
種類
にか
かわ
らず
、⼀
定額
以下
は全
額自
己負
担と
され
てい
るな
ど、
相応
の自
己負
担を
求め
る枠
組み
が採
⽤さ
れて
いる
。
○我
が国
にお
いて
も、
公的
保険
給付
の範
囲の
⾒直
しや
薬剤
の適
正使
⽤の
観点
等か
ら、
諸外
国の
制度
も踏
まえ
、医
薬品
に係
る保
険給
付の
在り
方を
⾒直
し、
全体
とし
て保
険償
還率
を引
き下
げる
こと
を検
討す
べき
では
ない
か。
資料Ⅱ
-1
-12
― 74 ―
― ―0123456789
【経済財政運営と改革の基本⽅針2015(経済・財政再⽣計画)】
「社
会保
障制
度の
持続
可能
性を
中⻑
期的
に⾼
める
とと
もに
、世
代間
・世
代内
での
負担
の公
平を
図り
、負
担能
⼒に
応じ
た負
担を
求め
る観
点か
ら、
医療
保険
にお
ける
⾼額
療養
費制
度や
後期
⾼齢
者の
窓⼝
負担
の在
り方
につ
いて
検討
する
」
医療保険における後期高齢者の窓口負担の在り方
【論点】
○⾼
齢者
の定
率の
窓⼝
負担
は、
原則
とな
る負
担率
が1
割ま
たは
2割
と、
現役
世代
の3
割よ
りも
軽減
され
てい
る。
【「平成28年度予算の編成等に関する建議」における⽅向性】
○70
歳〜
74歳
の定
率窓
⼝負
担を
段階
的に
1割
から
2割
に引
き上
げて
いる
現在
の取
組を
連続
的に
延伸
する
観点
から
、20
19(
H31)
年度
以降
に新
たに
75歳
以上
とな
る者
につ
いて
2割
負担
を維
持す
べき
。ま
た、
2019
(H3
1)年
度時
点で
既に
75歳
以上
とな
って
いる
者に
つい
ては
、数
年か
けて
段階
的に
2割
負担
に引
き上
げる
べき
。
70
歳
2割
負担
2割
負担
2014(H
26)年
4月
以降
70歳
にな
る者
から
段階
的に
2割
、そ
の他
は1
割
3割
負担
1割
負担
75
歳3
割負
担
現役
並み
所得
者一
般・低
所得
者
○20
19(
H31)
年度
以降
新た
に75
歳に
なる
者・
現在
の取
組を
連続
的に
延伸
し、
2割
負担
を維
持
○20
19(
H31)
年度
時点
で既
に75
歳の
者・
2019
年度
以降
、1
割負
担か
ら2
割負
担へ
数年
かけ
て段
階的
に引
上げ
【⾒
直し
の考
え方
】
6歳
(義
務教
育就
学前
)
【経済・財政再⽣計画改革工程表】
・医
療保
険に
おけ
る後
期⾼
齢者
の窓
⼝負
担の
在り
方に
つい
て、
70歳
から
74歳
の窓
⼝負
担の
段階
的な
引上
げの
実施
状況
等も
踏ま
えつ
つ、
関係
審議
会等
にお
いて
検討
し、
結論
〔20
18年
度ま
で〕
資料Ⅱ
-1
-13
― 75 ―
― ―0123456789
経済・財政再生計画改革工程表
(義務教育関係)
〔平成27年12月24日経済財政諮問会議〕
2014
・20
15年
度
集中
改革
期間
2019
年度
2020
年度
~KP
I(第
一階
層)
KPI
(第二
階層
)20
16年
度20
17年
度20
18年
度通
常国
会年 末
通常
国会
<少
子化
の進
展を
踏ま
えた
予算
の効
率化
、エ
ビデ
ンス
に基
づい
たP
DC
Aサ
イク
ル>
概算
要求
税制
改正
要望
等
教職
員定
数の
中期
見通
しを
策定
する
前提
とな
る事
柄を
整理
➢各
種加
配措
置等
の効
果に
つい
て、
既存
の関
連デ
ータ
を十
分に
活用
しつ
つ、
研究
者・有
識者
の協
力を
得て
検討
・検
証。
➢少
子化
の進
展(児
童生
徒数
、学
級数
の減
等)及
び小
規模
化し
た学
校の
規模
適正
化の
動向
、学
校の
課題
(い
じめ
・不
登校
等)に
関す
る客
観的
デー
タ等
のデ
ータ
収集
及び
実証
研究
の進
展、
地方
自治
体の
政策
ニー
ズ等
を踏
まえ
た予
算の
裏付
けの
ある
教職
員定
数の
中期
見通
しを
策定
、公
表、
各都
道府
県・指
定都
市に
提示
・デ
ータ
収集
、実
証研
究の
進展
に応
じ、
必要
に応
じ中
期見
通し
を改
定、
公表
、提
示・学
校・教
育環
境に
関す
るデ
ータ
や教
育政
策の
成果
及び
費用
、背
景に
ある
環境
要因
を総
合的
に考
慮し
て予
算要
求し
、P
DC
Aを
確立
・知
識・技
能、
思考
力・判
断力
・表
現力
、主
体性
・協
働性
・人
間性
等の
資質
・能
力の
調和
がと
れた
個人
を育
成し
、O
EC
D・
PIS
A調
査等
の各
種国
際調
査を
通じ
て世
界ト
ップ
レベ
ルの
維持
・向
上を
目標
とす
るな
ど、
初等
中等
教育
の質
の向
上を
図る
(参
考)P
ISA
2012:
OEC
D加
盟国
中1~
2位
中間
検証
を踏
まえ
、取
組内
容を
追加
修正
の上
、推
進・拡
大
全国
学力
・学
習状
況調
査の
大学
等の
研究
者に
よる
研究
への
活用
推進
・拡
大取
組状
況と
その
成果
につ
いて
中間
検証
教育
政策
に関
する
実証
研究
を開
始
➢各
種の
加配
措置
、少
人数
教育
、習
熟度
別指
導等
多様
な教
育政
策に
関す
る費
用効
果分
析を
含め
、研
究者
・有
識者
から
なる
実効
性あ
る研
究推
進体
制の
下で
、一
定数
の意
欲あ
る自
治体
等の
協力
を得
て実
施
➢中
期の
継続
的な
縦断
研究
及び
短期
の研
究を
実施
1)多
面的
な教
育成
果・ア
ウト
カム
の測
定・知
識・技
能、
思考
力・判
断力
・表
現力
、学
習意
欲等
・コ
ミュ
ニケ
ーシ
ョン能
力、自
尊心
・社会
性等
の非
認知
能力
・児
童生
徒の
行動
2)子
供の
経時
的変
化の
測定
3)学
校以
外の
影響
要因
の排
除等
も考
慮
教育
政策
に関
する
実証
研究
の枠
組み
・体
制等
につ
いて
研究
者・有
識者
の協
力を
得つ
つ検
討
全国
学力
・学
習状
況調
査の
研究
への
活用
につ
いて
、「全
国的
な学
力調
査に
関す
る専
門家
会議
」に
おい
て、
文部
科学
省か
らの
委託
研究
等以
外で
も大
学等
の研
究者
が詳
細デ
ータ
を活
用で
きる
よう
、提
供す
る詳
細デ
ータ
の内
容や
デー
タの
管理
方法
、研
究成
果の
公表
の在
り方
など
、具
体的
な貸
与ル
ール
を検
討・
整備
実証
研究
を計
画的
に実
施➢
得ら
れた
研究
成果
は成
果や
費用
、政
策が
実施
され
る背
景に
ある
環境
要因
を「見
える
化」す
ると
とも
に、
それ
らを
総合
的に
考慮
して
教職
員定
数の
中期
見通
し作
成を
含む
政策
形成
に漸
次活
用
報告
、公
表報
告、
公表
資料Ⅱ
-2
-1
― 76 ―
― ―0123456789
1 2
01234567加
配定
数の
推移
加配定数は増加し続けている
平成
元年
度教
職員
定数
:▲
71,9
22人
基礎
定数
:▲
124,
237人
加配
定数
:+
52,3
15人
◎教
職員
定数
:76
2,27
9人う
ち、
基礎
定数
:75
0,86
1人う
ち、
加配
定数
:11
,418
人
◎教
職員
定数
:69
0,35
7人う
ち、
基礎
定数
:62
6,62
4人う
ち、
加配
定数
:63
,733
人
基礎
定数
90.8
%
加配
定数
9.2%
基礎
定数
98.5
%
加配
定数
1.5%
平成
28
年度
(万
人)
○近年、少子化の進展で進み児
童生
徒数
が減
少していくのに応じ、法律上の規定にのっと
り機械的に配置される基
礎定
数は
減少
する一方、加
配定
数は
増加
し続けている。
○その結果、教職員定数全体に占める加
配定
数の
割合
は上
昇し
てい
る。
資料Ⅱ
-2
-2
― 77 ―
― ―0123456789
教育政策形成に関する実証研究
平成
28
年度
予算
額:
4,6
00万
円(
新規
)
○有
識者
や意
欲あ
る自
治体
の協
⼒を
得つ
つ、
時代
の変
化に
対応
した
新し
い教
育へ
の取
組、
いじ
め・
不登
校、
⼦供
の貧
困等
の学
校の
課題
に関
する
状況
や、
それ
らの
課題
に対
応す
るた
めの
指導
体制
の在
り方
など
、教
育政
策の
効果
を評
価す
る実
証研
究を
実施
。○
得ら
れた
成果
は随
時政
策⽴
案に
活⽤
。
国委
託委
託⼤ 学 、
調 査 研 究 機 関 等
有識
者
助言
研究
の観
点(
例)
●多
面的
な教
育成
果・
アウ
トカ
ムの
評価
・知
識・
技能
、思
考⼒
・判
断⼒
・表
現⼒
、学
習意
欲等
・コ
ミュ
ニケ
ーシ
ョン
能⼒
、自
尊⼼
・社
会性
等の
非認
知能
⼒・
児童
⽣徒
の⾏
動●
⼦供
の経
時的
変化
の評
価●
学校
以外
の影
響要
因の
考慮
●自
治体
の政
策ニ
ーズ
の動
向分
析
実施
体制
(例
)
①異なる免許教科の教員を指導員
に任命していた。
②初任者に免許外の教科を担任さ
せていた。
③初任者の負担軽減が行われてい
なかった。
加配
事項
H28
定数
性質
分析
指導
方法
工夫
改善
41
,05
7人
特別
支援
教育
6,3
26人
対象
児童
生徒
数に
連動
児童
生徒
支援
7,7
67人
主幹
教諭
マネ
ジメ
ント
機能
強化
1,7
28人
学校
数に
連動
研修
等定
数(初
任者
研修
含む
)5
,03
3人
政策
的措
置
養護
教諭
等3
70人
学校
数に
連動
栄養
教諭
等3
67人
学校
数に
連動
事務
職員
1,0
85人
学校
数に
連動
○加
配定
数については、過去に運用の問題点が会計検査院で指摘されたもの(初任者研修
加配)もあり、適
正性
につ
いて
は、
改め
て検
証す
る必
要。
○指導方法工夫や児童生徒支援については、平成28年度予算で新規に措置した「
エビ
デン
ス実
証研
究」
の予
算事
業や
、全
国学
力テ
スト
のデ
ータ
公開
・活
用を
通じ
、費
用対
効果
や、ク
ラス
・児
童生
徒数
あた
りの
適正
数についての知見を積み重ねることが必要。
(各都
道府県においても、加配定数に係る教育効果の「見える化」をしていくことが必要。)
○これらを通じ、現
在の
加配
定数
(6
万4
,7
33
人)
の再
検証
を行
うこ
とが
可能
。
会計検査院指摘
加配定数の適正性分析
資料Ⅱ
-2
-3
― 78 ―
― ―0123456789
加配定数の性質分析
加配
事項
H28
定数
性質
分析
指導
方法
工夫
改善
41,0
57人
特別
支援
教育
6,32
6人対
象児
童生
徒数
に連
動
児童
生徒
支援
7,76
7人
主幹
教諭
マネ
ジメ
ント
機能
強化
1,72
8人学
校数
に連
動
研修
等定
数(初
任者
研修
含む
)5,
033人
政策
的措
置
養護
教諭
等37
0人学
校数
に連
動
栄養
教諭
等36
7人学
校数
に連
動
事務
職員
1,08
5人学
校数
に連
動
○適正性を踏まえた上で、加配定数の内容をよりきめ細かく見ていく必要。例えば、
①学
校数
やク
ラス
数、
児童
生徒
数等
に連
動し
、全
国一
律で
実施
する
政策
に必
要な
定数
②地
域や
学校
ごと
の個
別事
情に
応じ
て政
策的
に措
置す
べき
定数
といった性質に分類し得ると考えられ、このうち①に分類し得る定数については、その性
質上基
礎定
数化
し、連
動す
る学
校数
やク
ラス
数、
児童
生徒
数等
に応
じて
定数
を変
動さ
せる
こと
が可
能と考えられる。
加配
内容
性質
分析
少人
数指
導(少
人数
学級
関係
)ク
ラス
数等
に連
動
習熟
度別
指導
政策
的措
置
ティ
ーム
・テ
ィー
チン
グ政
策的
措置
小学
校の
専科
指導
政策
的措
置
加配
内容
性質
分析
教育
格差
の解
消政
策的
措置
いじ
め問
題へ
の対
応政
策的
措置
外国
人児
童生
徒対
応対
象児
童生
徒数
に連
動
学校
統合
に係
る支
援対
象学
校数
に連
動
小規
模校
への
支援
対象
学校
数に
連動
加配定数性質分類のイメージ(案)
資料Ⅱ
-2
-4
― 79 ―
― ―0123456789
政策
的措
置
教職員定数の考え方(イメージ)
チ ー ム 学 校 関 連 人 材
( ス ク ー ル カ ウ ン セ ラ ー ・ ソ ー シ ャ ル ワ ー カ ー 等 )
学校
数、
クラ
ス数
、児
童生
徒数
等に
連動
基礎
定数
化し
得る
もの
(予
算の
裏付
けの
ある
定数
)
引き
続き
、加
配措
置と
すべ
きも
の(毎
年の
政策
判断
)
外国
人・特
別支
援
運用
面等
で問
題が
指摘
され
てい
る定
数等
の見
直し
加配
定数
(6万
4,73
3人)
実証
研究
等を
通じ
たエ
ビデ
ンス
(費
用対
効果
、適
正配
置数
)
資料Ⅱ
-2
-5
― 80 ―
― ―0123456789
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
オ ー ス ト ラ リ ア
イ ギ リ ス
ア イ ル ラ ン ド
オ ー ス ト リ ア
デ ン マ ー ク
ポ ー ラ ン ド
ア イ ス ラ ン ド
ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド
日 本ス ウ ェ ー デ ン
ポ ル ト ガ ル
フ ィ ン ラ ン ド
イ タ リ ア
ス ペ イ ン
ル ク セ ン ブ ル ク
韓 国ア メ リ カ
フ ラ ン ス
チ ェ コ
オ ラ ン ダ
ハ ン ガ リ ー
カ ナ ダ
ド イ ツ
ス ロ バ キ ア
ベ ル ギ ー
メ キ シ コ
ト ル コ
(注
1)
ここ
での
公財
政支
出は
教育
機関
向け
補助
と個
人向
け補
助の
合計
。(注
2)
OEC
D平
均の
値は
、計
数が
取れ
ず算
出不
能で
ある
国を
除い
た加
盟国
の平
均値
。(注
3)
国民
負担
率に
つい
て、
括弧
内の
数字
は対
GD
P比
の国
民負
担率
。(出
典)
OEC
D s
tat、
Nat
ional
Acc
ounts
(O
EC
D)
Rev
enue
Sta
tist
ics
(OEC
D)、
内閣
府「国
民経
済計
算」等
小中
学校
への
在学
者一
人当
たり
公財
政支
出(対
国民
一人
当た
りGDP
比、20
11年)
(%)
OEC
D平均
:23
.2%
○日
本の
小中
学校
向け
公財
政支
出を
在学
者一
人当
たり
で見
ると
OECD平
均よ
りも
高く
、特
に主
要先
進国
(G
5)
の中
では
高水
準。また、国民負担率が国際的にみて低水準であることも踏まえる必要。
○日本のP
T比
(教
員一
人当
たり
の生
徒数
)は
主要
先進
国と
比べ
て遜
色な
いレ
ベル
になっている。ま
た、日
本の
小中
学校
予算
は諸外国に比べ、教
員給
与に
配分
が偏
って
おり
、その結果、在学者一人当た
り教員給与支出は国際的にも高い水準になっている。
初等中等教育に係る財政支出の現状
教育
段階
別教
員一
人当
たり
生徒
数2013小
学校
2013中
学校
日本
17.4
13.9
OE
CD
平均
15.2
13.4
G5
平均
17.7
15.4
アメ
リカ
15.3
15.4
イギ
リス
20.7
18.5
フラ
ンス
19.3
15.4
ドイ
ツ15.6
13.6
国の
義務
教育
予算
にお
ける
経費
の内
訳(201
5年度)
義務
教育
に係
る経
費(27
年度
)
総額1.7兆
円人
件費
90.7
%(義
務教
育費
国庫
負担
金等
、約
1.5兆
円)
施設
費3.
8%
教科
書購
入費
(含事
務費
)2.
4%そ
の他
3.0%
(スク
ール
カウ
ンセ
ラー
、
土曜
日授
業、
補習
等の
ため
の指
導員
等)
資料Ⅱ
-2
-6
― 81 ―
― ―0123456789
科学技術予算について
○科学技術予算については、日本経済の成長につながるイノベーションの源泉になる可能
性に留意しつつ、「改革工程表」にある質の向上のための「
成果
目標
」の
達成
を目
指す
と
共に、財政健全化目標の達成に向け、「
経済
・財
政再
生計
画」
にお
ける
2020年
度ま
での
P
B黒
字化
目標
及び
2018年
まで
の「
目安
」と
の整
合性
を確
保す
る水
準で
措置
する
必要
。
経済
・財
政再
生計
画(「経
済財
政運
営と
改革
の基
本方
針20
15」平
成27
年6月
30日
閣議
決定
)抜
粋
第4期
科学
技術
基本
計画
第5期
科学
技術
基本
計画
官民
合わ
せた
研究
開発
投資
を対
GD
P比
の4
%以
上に
する
との
目標
に加
え、
政府
研究
開発
投資
を対
GD
P比
の1
%に
する
こと
を目
指す
こと
とす
る。
官民
合わ
せた
研究
開発
投資
を対
GDP比
の4
%以
上
とす
るこ
とを
目標
とす
ると
とも
に、
政府
研究
開発
投資
につ
いて
、平
成27
年6
月に
閣議
決定
され
た「経
済財
政運
営と
改革
の基
本方
針20
15」に
盛り
込ま
れ
た「経
済・財
政再
生計
画」と
の整
合性
を確
保し
つつ
、対
GDP比
の1
%に
する
こと
を目
指す
こと
とす
る。
「経
済・財
政一
体改
革」を
推進
する
こと
によ
り、
経済
再生
を進
める
とと
もに
、20
20年
度(平
成32
年度
)の
財政
健全
化目
標を
堅持
する
。具
体的
には
、20
20年
度P
B黒
字化
を実
現す
るこ
とと
し、
その
ため
、P
B赤
字の
対G
DP
比を
縮小
して
いく。
計画
の中
間時
点(2
018年
度)に
おい
て、
目標
に向
けた
進捗
状況
を評
価す
る。
集中
改革
期間
にお
ける
改革
努力
のメ
ルク
マー
ルと
して
、20
18年
度(平
成30
年度
)の
PB
赤字
の対
GD
P比
▲1
%程
度を
目安
とす
る。
これ
らの
目安
58に
照ら
し、
歳出
改革
、歳
入改
革そ
れぞ
れの
進捗
状況
、K
PIの
達成
度等
を評
価し
、必
要な
場合
は、
デフ
レ脱
却・経
済再
生を
堅持
する
中で
、歳
出、
歳入
の追
加措
置等
を検
討し
、20
20年
度(平
成32
年度
)の
財政
健全
化目
標を
実現
する
。
58国
の一
般歳
出の
水準
の目
安に
つい
ては
、安
倍内
閣の
これ
まで
の3
年間
の取
組で
は一
般歳
出の
総額
の実
質的
な増
加が
1.6兆
円程
度と
なっ
てい
るこ
と、
経済
・物
価動
向等
を踏
まえ
、そ
の基
調を
2018
年度
(平
成30
年度
)ま
で継
続さ
せて
いくこ
とと
する
。地
方の
歳出
水準
につ
いて
は、
国の
一般
歳出
の取
組と
基調
を合
わせ
つつ
、交
付団
体を
はじ
め地
方の
安定
的な
財政
運営
に必
要と
なる
一般
財源
の総
額に
つい
て、
2018
年度
(平
成30
年度
)ま
でに
おい
て、
2015
年度
地方
財政
計画
の水
準を
下回
らな
いよ
う実
質的
に同
水準
を確
保す
る。
資料Ⅱ
-2
-7
― 82 ―
― ―0123456789
文化財関連予算の現状
○これまでは主に文化財の保存・修理を適切に実施するという観点で実施されてきた。
○しかしながら、観光立国や文化芸術立国を実現する観点から、「観光立国推進基本
法」や「文化芸術の振興に関する基本的な方針」において、文化財を地域振興や観光資源
として活用すると明記されたことを踏まえると、
地域
振興
や観
光資
源と
して
活用
する
とい
う
仕組
みを
取り
入れ
てい
くことが必要ではないか。
○観光資源活用の取組みを進める際には、文化財所有者の収入増に直接結び付くことが
見込まれることから、
所有
者自
身の
取組
みを
積極
的に
促す
とい
う視
点が必要ではないか。
文化
財総
合活
用戦
略プ
ラン
の
強化
96.3
21%
文化
財の
適切
な修
理等
によ
る
継承
・活
用等
320.
470
%
文化
財の
公開
活用
・伝
承者
養
成・観
賞機
会の
充実
等36
.98%
その
他
6.5
1%
文化
財関
連予
算(28年
度予
算460億
円)
文化
芸術
の振
興に
関す
る基
本的
な方
針(第
4次
基本
方針
)(平
成27年
5月
22日
閣議
決定
)第
2文
化芸
術振
興に
関す
る重
点施
策1
五つ
の重
点戦
略重
点戦
略3
:文
化芸
術の
次世
代へ
の確
実な
継承
,地
域振
興等
への
活用
国民
的財
産で
ある
文化
財の
総合
的な
保存
・活
用を
図る
とと
もに
,文
化芸
術を
次世
代へ
確実
に継
承す
る。
また
,文
化芸
術の
地域
振興
,観
光・産
業振
興等
への
活用
を図
る。
【重
点的
に取
り組
むべ
き施
策】
◆文
化財
の特
性や
適切
な保
存に
配慮
しつ
つ,
多様
な手
法を
用い
て積
極的
な公
開・活
用を
行い
,広
く国
民が
文化
財に
親し
む機
会を
充実
する
。ま
た,
文化
財建
造物
,史
跡,
博物
館や
伝統
芸能
等の
各地
に所
在す
る有
形・無
形の
文化
芸術
資源
を,
その
価値
の適
切な
継承
にも
配慮
しつ
つ,
地域
振興
,観
光・産
業振
興等
に活
用す
るた
めの
取組
を進
める
。
観光
立国
推進
基本
法(抄
)(平
成十
八年
十二
月二
十日
法律
第百
十七
号)
(観
光資
源の
活用
によ
る地
域の
特性
を生
かし
た魅
力あ
る観
光地
の形
成)
第十
三条
国は
、観
光資
源の
活用
によ
る地
域の
特性
を生
かし
た魅
力あ
る観
光地
の形
成を
図る
ため
、史
跡、
名勝
、天
然記
念物
等の
文化
財、
歴史
的風
土、
優れ
た自
然の
風景
地、
良好
な景
観、
温泉
その
他文
化、
産業
等に
関す
る観
光資
源の
保護
、育
成及
び開
発に
必要
な施
策を
講ず
るも
のと
する
。
400
600
600
500
800
600
300
2683
4625
3700
2055
1507
2055
1918
050
010
0015
0020
0025
0030
0035
0040
0045
0050
00
文化
財の
入場
料の
国際
比較
※財
務省
調べ
(参
考:デ
ービ
ッド
・ア
トキ
ンソ
ン「国
宝消
滅」)
なお
、日
本円
への
換算
は、
平成
28年
度支
出官
レー
ト(137円
/€
、185円
/£
)に
よる
。
(円
)
資料Ⅱ
-2
-8
― 83 ―
― ―0123456789
○文化財の観光資源活用、所有者自身の取組み促進を進めるための仕組みの例
建造物、史跡、埋蔵文化財等ごとに事業を実施するのではなく、
面的
・一
体的
な総
合活
用を
推進
する
仕組
み
⇒
「歴
史文
化基
本構
想」に
基づ
いた
事業
を優
先的
に採
択
文化財の保存・修理事業を実施する際には、外国人を含む観光客に対し
文化
財の
魅力
・
歴史
的背
景等
が十分伝わるような
解説
(多
言語
化を
含む
)の充
実を
促す
仕組
み
⇒
所有
者自
身の
負担
で案
内板
やパ
ンフ
レッ
トを
あわ
せて
整備
する
場合
には
、当
該文
化財
保存
・修
理事
業を
他に
優先
して
採択
課題:効率的かつ効果的な予算の活用
出所
:京
都市
産業
観光
局「京
都観
光総
合調
査平
成26年
(2014年
)」
0.0%
5.0%
10.0
%15
.0%
20.0
%25
.0%
おも
てな
し
通信
・イ
ンタ
ーネ
ット
ショ
ッピ
ング
気候
・天
候
食事
宿泊
施設
人が
多い
・混
雑
物価
電車
・バ
スな
どの
公共
交通
寺院
・神
社、
名所
・旧
跡
言語
、案
内、
標識
例:
寺社
等で
外国
語で
の通
訳や
案内
表示
をし
て欲
しい
京都
観光
の残
念度
(外
国人
)
歴史
文化
基本
構想
に基
づい
た保
存・活
用の
取組
み
○「文
化審
議会
文化
財分
科会
規格
調査
会報
告書
(平
成19年
10月
)」に
おい
て、
全国
の市
町村
が、
地域
の文
化財
を総
合的
に保
存・活
用す
るた
めの
基本
的な
方針
であ
る「歴
史文
化基
本構
想」の
策定
を提
言。
○「文
化芸
術の
振興
に関
する
基本
的な
方針
(平
成27年
5月
閣議
決定
)」に
おい
て、
歴史
文化
基本
構想
によ
る地
域の
文化
財の
総合
的な
保存
・活
用の
推進
をす
るこ
とと
され
てい
る。
○平
成28年
4月
現在
で歴
史文
化基
本構
想が
策定
され
てい
るの
は全
国市
町村
のう
ち42団
体の
みで
あり
、地
域の
文化
財を
総合
的に
保存
・活
用す
るた
めの
基本
的な
方針
に基
づい
た面
的・一
体的
な保
存・活
用の
取組
みが
進ん
でい
ない
。
岩手
県盛
岡市
、栃
木県
足利
市、
新潟
県佐
渡市
、富
山県
高岡
市、
石川
県加
賀市
、岐
阜県
高山
市、
奈良
県明
日香
村、
島根
県津
和野
町、
広島
県尾
道市
、福
岡県
太宰
府市
等
●歴
史文
化基
本構
想策
定済
市町
村42市
町村
資料Ⅱ
-2
-9
― 84 ―
― ―0123456789
公共
施設
等総
合管
理計
画、
立地
適正
化計
画の
策定
状況
○公共施設等総合管理計画や立地適正化計画について、自治体における計画策定の取組みは徐々に進展して
いる。
区分
都道府県
指定都市
市区町村
団体数
割合
団体数
割合
団体数
割合
策定済
(11)→15
31.9%
(8)→10
50.0%
(56)→88
5.1%
未策定
32
68.1%
10
50.0%
1,633
94.9%
完 了 予 定 時 期
H27年度
14
29.8%
630.0%
423
24.6%
H28年度
18
38.3%
420.0%
1,196
69.5%
H29年度
以降
00.0%
00.0%
14
0.8%
計47
100%
20
100%
1,721
100%
○公共施設等総合管理計画策定取組状況等に関する調査(総務省)
(平成27年10月1日現在)
()書きは平成27年4月1日時点
○立地適正化計画の作成について具体的な取組を行って
いる都市(220都市)の平成28年度の取組予定
平成
28年
度の
取組
予定
都市
数
行
政内
部に
おけ
る検
討218
住
民等
から
の意
見聴
取171
都
市計
画審
議会
から
の意
見聴
取169
計
画の
策定
・公
表104
出所:国交省調べ
※住民等からの意見聴取:公聴会の開催、パブリックコメント等。
平成27年12月31日現在
資料Ⅱ
-3
-1
― 85 ―
― ―0123456789
将来
にお
ける
供給
制約
の観
点か
らは
、担
い手
の確
保は
大き
な課
題
○高齢化が進んでいる建設業界では、今後、技能労働者が大量に退職することが見込まれる状況。
○今後生産年齢人口が減少する上に、そもそも建設業の入職率、定着率は他産業に比べて低い中、我が国の建
設業を将来にわたって担う若年層の確保は公共投資の供給制約にもなりかねない大きな課題。
<我が国の労働力人口の将来推計>
<建設業における高齢建設技能労働者の大量離職の見通し>
<3年目までの離職率の推移>
2.6
13.9
19.2
27.1
36.4
47.7
39.1
32.4
33.8
35.7
42.4
05
10
15
20
25
30
35
40
45
50
15~19
20~24
25~29
30~34
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
60~64
65~
(万
人)
(年齢)
10年後には大半が引退
若年入職者の確保・育成が喫緊の課題
30
35
40
45
50
15.3卒
16.3卒
17.3卒
18.3卒
19.3卒
20.3卒
21.3卒
22.3卒
23.3卒
24.3卒
全産業
建設業
(%)
59
62
66
74
78
77
70
58
47
46
42
39
35
32
32
31
32
31
29
31
31
33
37
43
40
5.4%
5.3%
6.0%
7.5%
8.3%
8.4%
7.8%
6.7%
6.2%
6.6%
6.0%
5.8%
5.4%
5.0%
4.8%
4.7%
4.5%
4.2%
4.0%
5.0%
4.9%
5.0%
5.4%
6.2%
5.5%
9.5%
9.6%
9.9%
10.2
%10
.3%
10.3
%10
.4%
10.2
%10
.2%
10.1
%9.
9%9.
8%9.
6%9.
2%8.
9%8.
7%8.
6%8.
4%8.
2%7.
9%8.
0%8.
0%7.
9%8.
0%7.
8%
0%2%4%6%8%10%
12%
0102030405060708090
平成3年
4年
5年
6年
7年
8年
9年
10年
11年
12年
13年
14年
15年
16年
17年
18年
19年
20年
21年
22年
23年
24年
25年
26年
27年
建設業新規学卒者の入職数
新規学卒者の入職数(建設業/全体)
就業者数(建設業/全産業)
(千
人)<新規学卒者の建設業への入職状況>
文部科学省「学校基本調査」及び総務省「労働力調査」
厚生労働省「新規学卒者の事業所規模別・産業別離職状況」を基に作成
総務省「労働力調査」を基に国土交通省で算出
国立社会保障・人口問題研究所
1950年から2010年までの人口推移は、「人口統計資料集2013
年齢3区分(別人口及び増加率(1884~2011年)」を基に作成。
2015年から2040年までの人口予測は、「日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)」を基に作成。
資料Ⅱ
-3
-2
― 86 ―
― ―0123456789
○中長期的な担い手の確保が楽観視できない中、生産性の向上も十分に実現しなければ、厳しい財政状況の
下、必要な事業量を確保できないことになりかねない。
○しかしながら建設業の労働生産性は他産業に比べて低く、かつ、伸び悩んできた。今後は、労働集約的な点
検業務などの分野をはじめとして、生産性の向上に特に重点を置く必要。
労働
生産
性の
推移
施工
の合
理化
事例
ブルドーザ運
転1人/日※
補助労務が
低減
トンネル点検
【概要】
○計
測機
器を車
載し走
行しながらの計
測に
よって工
期が短
縮することにより、交
通規
制に要
する人
員が効
率化
される。
従来の点検
走行車による点検
交通規制費(1トンネルあたり)
交通規制(人員):24人
交通規制費(1トンネルあたり)
交通規制(人員):
8人
【概要
】
従来の施工
延べ人員(1基あたり)
型枠工:112人
鉄筋工:
47人
プレキャストコンクリート製品による施工
技能労働者(型枠工、鉄筋工)の必要人数
を削減。
函渠工
○従
来の現
場打
ち工
法に替
えて、プレキャス
トコンクリート製品を活用することで、施工
手間
が省
力化
し、生
産性
が向
上する。
情報化施工
○IC
Tを建設施工に活用することで、高い
生産
性と施
工品
質が実
現される。
ブルドーザ運転:1人/日
補助労務
:3人/日
ブルドーザ運転:1人/日
補助労務が低減
従来の施工
情報化施工
【概
要】
資料Ⅱ
-3
-3
― 87 ―
― ―0123456789
公営
企業
会計
につ
いて
○受益者負担の原則が当てはまる地方自治体の水道事業等については、企業として能率的に運営すべきとの
観点から、公営企業会計が当然適用されている。一般に、公営企業会計の適用事業は、複式簿記によって
B/S、P/Lなどの作成が義務付けられ、損益や資産・負債等の情報の的確な把握がしやすい。
○一方、下水道については雨水対策など受益者負担の考え方が馴染みにくい面も含まれていることから、公
営企業会計は任意適用とされている。
○下水道事業を中長期的に安定して運営する観点から、近年、総務省が各地方公共団体に対して公営企業会
計の適用を要請しており、適用事業数は増加傾向にあるが、未だ全体の2割程度である。
○公
営企
業会
計が
当然
適用
/任意
適用
され
る事
業
○下
水道
事業
にお
ける
公営
企業
会計
の適
用状
況
6885
109
155
243
374
413
11
11
24
45.
0%4.
5%4.
3%5.
7%
12.1
%
19.2
%21
.2%
2.0%
1.9%
1.9%
1.9%
4.3%
8.7%
8.7%
0.0%
10.0
%
20.0
%
30.0
%
40.0
%
50.0
%
0
100
200
300
400
500
H元H5
H10
H15
H20
H25
H26
法適用割合(%)
(法適用事業数)
公共
下水
道事
業法
適用
事業
数流
域下
水道
事業
法適
用事
業数
公共
下水
道事
業割
合流
域下
水道
事業
割合
出典
:地
方公
営企
業年
鑑(総
務省
)等
をも
とに
国土
交通
省作
成
<地
方公
営企
業制
度の
趣旨
・目
的>
・地
方公
営企
業は
、企
業と
して
経済
性を
発揮
しな
がら
、公
共の
福祉
を増
進す
るよ
う運
営維
持さ
れる
公的
組織
で、
提供
する
財貨
・サ
ービ
スの
対価
であ
る料
金収
入に
よっ
て基
本的
に維
持さ
れる
。(地
方公
営企
業法
3条
、17
条の
2)
・複
式簿
記の
導入
によ
り、
B/
S、
P/
Lか
ら施
設の
状態
(老
朽化
等)や
損益
情報
の的
確な
把握
が可
能と
なる
。(同
法20
条等
)
●特
別会
計
●損
益計
算書
●貸
借対
照表
特別
会計
では
現金
収支
とし
て把
握
公営
企業
会計
にす
ると
、損
益や
資産
の老
朽化
等の
状況
がよ
り的
確に
把握
しや
すい
歳入
歳出
・下
水道
使用
料・維
持管
理費
・国
庫補
助金
・建
設改
良費
・地
方債
・起
債元
利償
還金
・一
般会
計繰
入れ
・受
益者
負担
金
資産
負債
・現
金預
金、
未収
金等
・企
業債
等
・下
水道
施設
等
資本
・剰
余金
等
収益
費用
・下
水道
使用
料・維
持管
理費
・一
般会
計補
助金
・減
価償
却費
・企
業債
支払
利息
●資
本的
収支
収入
支出
・国
庫補
助金
・整
備事
業費
・企
業債
・企
業債
支払
元金
・一
般会
計出
資金
・受
益者
負担
金
資料Ⅱ
-3
-4
― 88 ―
― ―0123456789
下水
道の
使用
料の
考え
方に
つい
て~
上水
道と
の比
較~
○法令上、下水道も上水道も使用料を設定する上での基本的考え方は同じ。
○にもかかわらず、使用料設定の考え方は上水道と下水道では大きく異なる。すなわち、上水道では将来施設
を更新するために必要となる掛かり増し費用を確保するために「資産維持費」として対象資産の3%を標準に
徴収することとされている。一方、下水道では資産維持費を使用料を算定する上での原価に算入していない。
○その結果、下水道の建設改良に係る積立金は125億円に留まるのに対し、上水道は3,155億円に及ぶ。
下水
道法
(抄
)
(使
用料
)第
二十
条公
共下
水道
管理
者は
、条
例で
定め
ると
ころ
によ
り、
公共
下水
道を
使用
する
者か
ら使
用料
を徴
収す
るこ
とが
でき
る。
2使
用料
は、
次の
原則
によ
つて
定め
なけ
れば
なら
ない
。一
下水
の量
及び
水質
その
他使
用者
の使
用の
態様
に応
じて
妥当
なも
ので
ある
こと
。二
能率
的な
管理
の下
にお
ける
適正
な原
価を
こえ
ない
もの
であ
るこ
と。
三~
四略
3略
水道
法(抄
)
(供
給規
程)
第十
四条
水道
事業
者は
、料
金、
給水
装置
工事
の費
用の
負担
区分
その
他の
供給
条件
につ
いて
、供
給規
程を
定め
なけ
れば
なら
ない
。2
前項
の供
給規
程は
、次
の各
号に
掲げ
る要
件に
適合
する
もの
でな
けれ
ばな
らな
い。
一料
金が
、能
率的
な経
営の
下に
おけ
る適
正な
原価
に照
らし
公正
妥当
なも
ので
ある
こと
。二
~五
略3
~7
略
うち
建設
改良
積立
金
1,3
77事
業1,1
40事
業230事
業1,1
18事
業824事
業
8,4
95億
円4267億
円△
1,5
08億
円5,7
36億
円3,1
55億
円
344事
業185事
業159事
業77事
業26事
業
△112億
円1,3
16億
円△
1,7
63億
円335億
円125億
円
水道
事業
下水
道事
業
うち
未処
分利
益剰
余金
うち
未処
理欠
損金
利益
剰余
金
うち
積立
金
出典
:平
成25
年度
地方
公営
企業
年鑑
(総
務省
)を
基に
作成
○上
水道
・下
水道
の積
立金
の状
況○
上水
道・下
水道
の使
用料
算定
に当
たっ
ての
原価
の考
え方
「下
水道
使用
料算
定の
基本
的考
え方
(日
本下
水道
協会
)」よ
り抜
粋「水
道料
金算
定要
領(日
本水
道協
会)」よ
り抜
粋
「維
持管
理費
は、
既存
の下
水道
施設
を維
持管
理し
てい
くた
めに
必要
な費
用で
あり
、(中
略)費
用の
性質
別に
は人
件費
、動
力費
、薬
品費
、修
繕費
、流
域下
水道
維持
管理
負担
金、
委託
料等
で構
成さ
れる
。」
「営
業費
用は
、人
件費
、薬
品費
、動
力費
、修
繕費
、受
水費
、減
価償
却費
、資
産減
耗費
、そ
の他
維持
管理
費の
合計
額か
ら控
除項
目の
額を
控除
した
額と
する
。」
「資
本費
用は
、支
払利
息及
び施
設実
体の
維持
等に
必要
とさ
れる
資産
維持
費の
合計
額と
する
。」
「資
産維
持費
は、
事業
の施
設実
体の
維持
等の
ため
に、
施設
の建
設、
改良
、再
構築
及び
企業
債の
償還
等に
充当
され
るべ
き額
であ
り、
維持
すべ
き資
産に
適正
な率
を乗
じて
算定
した
額と
する
。」
※資
産維
持費
=対
象資
産×
資産
維持
率(3%
)
「資
本費
は、
地方
公営
企業
法非
適用
事業
にあ
って
は、
使用
料算
定期
間に
おけ
る地
方債
元利
償還
費及
び地
方債
取扱
諸費
の合
計額
とし
、地
方公
営企
業法
適用
事業
にあ
って
は、
使用
料算
定期
間に
おけ
る減
価償
却費
、企
業債
等支
払利
息(一
時借
入金
利息
を除
く。
)及
び企
業債
取扱
諸費
等の
合計
額と
する
。」
資料Ⅱ
-3
-5
― 89 ―
― ―0123456789
地方
交付
税総
額の
算定
(マ
クロ
)
○地
方財
政対
策に
おい
ては
、地
方歳
出総
額を
規律
する
地方
財政
計画
にお
ける
歳出
歳入
ギャ
ップ
に対
し、
国税
の一
定割
合で
ある
地方
交付
税の
法定
率分
(国
)を
充当
。
※地方交付税の法定率:所得税33.1%、法人税33.1%、酒税50%、消費税22.3%
※このほか、地方法人課税の偏在是正のために導入された地方法人税の税収を交付税原資化(特会財源)
○法
定率
分で
不足
する
財源
につ
いて
は、
特例
加算
(国
)と
臨時
財政
対策
債(地
方)に
より
国と
地方
の折
半で
負担
する
こと
で対
応。
リー
マン
ショ
ック
後は
、こ
れに
加え
、国
の全
額負
担に
よる
別枠
加算
で地
方の
負担
を軽
減(28年
度に
廃止
)。
○国
・地
方の
PB
改善
のた
めに
は、
地方
財政
計画
の歳
出を
着実
に抑
制し
、歳
出歳
入ギ
ャッ
プを
縮小
して
いくこ
とが
必要
。
(注
)リー
マン
ショッ
ク後
の臨
時異
例の
危機
対応
とし
て、
歳出
面の
「歳
出特
別枠
」に
加え
、歳
入面
にお
いて
「別
枠加
算」が
措置
され
てい
たが
、28年
度に
廃止
。
平成
28年
度地
方財
政計
画(単
位:兆
円、
(カ
ッコ
書)は
対前
年度
増減
額)
【歳
入85.8
(+0.5
)】
地方
税・地
方譲
与税
:41.1
(+1.0
)
地方
特例
交付
金:0.1
(+0.0
)
その
他:5.7
(+0.1
)
【歳
出85.8
(+0.5
)】
公債
費:12.8
(▲0.1
)
投資
的経
費:11.2
(+0.2
)
一般
行政
経費
:35.8
(+0.7
)
給与
関係
経費
:20.3
(▲0.0
)
歳出
特別
枠:0.4
5(▲
0.4
)
地方
交付
税総
額1
6.
7兆
円
その
他:5.2
(+0.1
)
交付
税法
定率
分等 14.9
(+
1.1
)
特会
財源
1.5
(+
0.2
)
歳出
歳入
ギャ
ップ
17.0
(▲1.2
)
地方
債:8.6
(+0.5
)う
ち、
臨財
債:3.5
(+0.4
)(折
半対
象臨
財債
を除
く)
国庫
支出
金:
13.2
(+0.1
)
うち
、補
助分
:19.0
(+0.5
)う
ち、
単独
分:14.0
(+0.0
)う
ち、
まち
・ひ
と・し
ごと
創生
事業
費:1.0
(±0)
うち
、重
点課
題対
応分
:0.2
5(新
規)
折半
対象
財源
不足
0.5
(▲
2.4
)
臨財
債0.3
(▲
1.2
)特
例加
算0.3
(▲
1.2
)
【地
方負
担】
… 臨
時財
政対
策債
(折
半対
象)
の発
⾏に
より
確保
⇒ フ
ロー
ベー
スの
財源
不⾜
に対
応
「折
半対
象外
臨時
財政
対策
債」
… 発
⾏済
み臨
時財
政対
策債
の元
利償
還⾦
等の
財源
とし
て発
⾏⇒
スト
ック
ベー
スの
債務
に起
因す
る財
源不
⾜に
対応
国 ・ 地 方 折 半
【国
負担
】…
特例
国債
の追
加発
⾏に
より
財源
確保
資料Ⅱ
-4
-1
― 90 ―
― ―0123456789
折半
対象
財源
不足
解消
後の
対応
(国
・地
方を
通じ
た債
務縮
減)
34.4
35.6
35.9
36.4
37.8
40.2
41.2
17.3
17.8
17.6
17.2
17.0
16.9
16.8
7.7
6.2
6.1
6.2
5.6
4.5
3.8
020406080
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
地方
税収
(地
方譲
与税
含む
)地
方交
付税
等臨
時財
政対
策債
(17.
5)(1
5.3)
(15.
5)(1
6.1)
(16.
4)(1
6.6)
(16.
8)
(兆
円)
<地
方一
般財
源総
額の
推移
>
(注
)地
財計
画ベ
ース
。地
方交
付税
等は
地方
交付
税(特
会出
口ベ
ース
)と
地方
特例
交付
金の
合計
額。
(か
っこ
)内
は一
般会
計に
おけ
る地
方交
付税
交付
金等
。
61.4
64.6
66.8
69.1
71.7
74.3
43.4
45.6
47.0
48.6
51.0
52.6
15.4
16.2
16.8
17.4
18.0
18.7
020406080
H29
H30
H31
H32
H33
H34
折半
対象
財源
不足
の解
消(臨
財債
の実
質償
還等
の開
始)
地方
交付
税等
国税
収地
方税
収
(出
典)「中
長期
の経
済財
政に
関す
る試
算」(平
成28
年1
月21
日内
閣府
)経
済再
生ケ
ース
。
地方
交付
税等
は一
般会
計に
おけ
る地
方交
付税
交付
金等
。
<国
税収
・地
方税
収・地
方交
付税
等の
推移
>(
兆円
)
○平
成19、
20年
度地
財計
画に
おい
ては
、税
収増
等に
より
フロ
ーベ
ース
の財
源不
足で
ある
折半
対象
財源
不足
が解
消し
たが
、リ
ー
マン
ショ
ック
後の
平成
21年
度以
降は
財源
不足
が発
生。
不足
分に
つい
て、
交付
税の
特例
加算
(国
)及
び臨
時財
政対
策債
(地
方)の
折半
によ
る負
担と
、全
額国
負担
の別
枠加
算に
より
財源
補填
する
こと
で対
応。
※特
例加
算と
別枠
加算
によ
る国
から
地方
への
財政
移転
は、
21~
28年
度の
累計
で総
額30兆
円規
模。
○一
方、
内閣
府の
中長
期試
算に
よれ
ば、
29年
度以
降、
地方
税収
や交
付税
法定
率分
の増
加を
背景
に折
半対
象財
源不
足が
解消
し、
フロ
ーベ
ース
の財
源余
剰が
生じ
る見
込み
。
○こ
の財
源余
剰分
につ
いて
は、
2020年
度の
国・地
方の
PB
黒字
化目
標を
着実
に達
成す
る観
点か
ら、
地方
のP
B歳
出の
積み
増し
に
費消
する
ので
はな
く、
国・地
方の
PB
改善
に着
実に
つな
げ、
過去
の財
源不
足期
に累
積し
た債
務の
縮減
を図
って
いく必
要。
※中
長期
試算
では
、財
源余
剰分
につ
いて
PB
改善
に充
当し
債務
の縮
減を
行う
想定
とな
って
いる
。
○そ
の際
、
・こ
れま
で地
方の
財源
不足
が生
じた
場合
には
、そ
れに
対し
、地
方の
みな
らず
、国
も法
定率
分を
超え
て特
例加
算や
別枠
加算
の形
で負
担し
てき
た経
緯が
ある
こと
、
・国
は引
き続
き多
額の
特例
国債
を発
行せ
ざる
を得
ない
など
、地
方以
上に
厳し
い財
政状
況に
ある
こと
等に
鑑み
れば
、フ
ロー
ベー
スの
財源
余剰
が生
じた
場合
には
、こ
れを
地方
の債
務縮
減に
充て
るだ
けで
はな
く、
国の
債務
縮減
にも
つ
なげ
てい
くべ
き。
資料Ⅱ
-4
-2
― 91 ―
― ―0123456789
公債
費の
確実
な償
還へ
の充
当(臨
時財
政対
策債
元利
償還
金)
○臨
時財
政対
策債
につ
いて
は、
その
元利
償還
金に
相当
する
額が
基準
財政
需要
額に
算入
され
てい
るが
、現
実に
は、
その
額の
全
ては
償還
(減
債基
金へ
の積
立を
含む
)に
使わ
れて
いな
い(=
他の
歳出
に流
用)。
※基
準財
政需
要へ
の算
入額
は、
20年
と30
年の
定時
償還
を組
み合
わせ
た額
が算
定さ
れて
いる
が、
実際
の地
方団
体の
償還
方法
は満
期一
括償
還の
ケー
スも
ある
。こ
の場
合、
実際
の償
還ま
での
間は
、基
準財
政需
要に
算入
され
た金
額を
他の
歳出
に流
用す
るこ
とが
可能
な状
態と
なっ
てい
る(本
来は
、減
債基
金へ
積み
立て
てお
くべ
き)。
○具
体的
には
、こ
れま
でに
臨時
財政
対策
債を
発行
した
地方
公共
団体
のう
ち実
際の
償還
額(減
債基
金へ
の積
立を
含む
)が
基準
財
政需
要額
に算
入さ
れた
額を
下回
る都
道府
県及
び政
令指
定都
市の
償還
・積
立不
足額
は、
25
年度
まで
で累
積約
4,4
00億
円。
この
分、
将来
の地
財措
置額
が償
還必
要額
を下
回る
こと
にな
り、
他の
歳出
を圧
迫す
るこ
とに
なる
。※
例え
ば、
ある
自治
体が
30年
の満
期一
括償
還で
臨財
債を
発行
し、
30年
間均
等に
減債
基金
への
積立
てを
行っ
てい
る場
合で
も、
地財
措置
は、
20年
と30
年の
定時
償還
を組
み合
わせ
た額
が措
置さ
れる
ため
、将
来的
には
、地
財措
置額
<積
立額
とな
り、
積立
のた
めの
財源
不足
が生
じ、
他の
歳出
を圧
迫す
る。
○こ
うし
た状
況が
生じ
る要
因と
して
は、
自治
体に
よっ
ては
、臨
時財
政対
策債
の元
利償
還に
係る
負担
を適
切に
管理
しな
くて
はな
らな
いと
の意
識が
必ず
しも
十分
では
なく、
交付
税措
置に
合わ
せて
自治
体が
計画
的に
減債
基金
への
積立
て等
を行
わな
けれ
ば、
将来
の実
質的
な負
担に
つな
がり
かね
ない
との
リス
クを
十分
に共
有で
きて
いな
いこ
とも
ある
ので
はな
いか
。
○こ
のよ
うな
認識
のギ
ャッ
プは
、自
治体
に想
定外
の負
担を
もた
らす
可能
性も
あり
、総
務省
から
各自
治体
に対
して
も、
減債
基金
への
積立
て等
を適
切に
行う
よう
通知
が出
され
てい
るが
、引
き続
き、
問題
の解
消に
取り
組ん
で行
く必
要。
○ま
た、
地方
財政
計画
上の
公債
費を
確保
した
とし
ても
、自
治体
が適
切に
償還
又は
積立
てを
行わ
なけ
れば
、決
算ベ
ース
の地
方の
PB
改善
には
つな
がら
ない
ため
、国
・地
方の
PB
黒字
化目
標達
成の
観点
から
も、
自治
体が
確実
に償
還・積
立て
を行
うこ
とが
必要
。
(出典
)緒
方林
太郎
衆議
院議
員提
出臨
時財
政対
策債
償還
に関
する
質問
に対
する
答弁
書(27.2
.3)
【参
考資
料】
赤井
伸郎
(201
4)「み
んな
で渡
る怖
い橋
」『十
字路
』日
本経
済新
聞20
14年
9月15
日夕
刊赤
井伸
郎・石
川達
哉(2
012)
「交
付税
とは
似て
非な
る臨
財債
-道
府県
は償
還財
源先
食い
に注
意-
」日
経グ
ロー
カル
No.
204
2012
.9.1
7石
川達
哉・赤
井伸
郎(2
013)
「臨
時財
政対
策債
の構
造と
膨張
の実
態-
基準
財政
需要
算入
額と
積立
・償
還額
から
見た
自治
体行
動の
実証
分析
-」
(201
3)『大
都市
制度
・震
災復
興と
地方
財政
』日
本地
方財
政研
究叢
書第
20号
p65-
83
基準
財政
需要
算入
額と
実際
の償
還・積
立額
の差
額の
累積
が30
0億円
を超
える
地方
公共
団体
(平
成25
年度
末時
点)
福岡
県3
95
億円
千葉
県3
86
億円
宮城
県3
65
億円
山形
県3
63
億円
北海
道3
14
億円
岩手
県3
02
億円
基準
財政
需要
額(臨
財債
振替
後)
基準
財政
需要
額(臨
財債
振替
前)
普通
交付
税
基準
財政
収入
額
地方
交付
税の
算定
イメ
ージ
臨財
債償
還相
当額
臨財
債発
行可
能額
資料Ⅱ
-4
-3
― 92 ―
― ―0123456789
○人
口減
少・高
齢化
が進
行す
る中
、公
共施
設等
につ
いて
、効
率的
な管
理・運
用を
行う
ため
には
、そ
の集
約化
・複
合化
等を
進め
てい
くこ
とが
重要
。⇒
この
ため
、全
国の
自治
体に
おい
て、
28
年度
末ま
でに
公共
施設
等総
合管
理計
画を
策定
予定
。※
28
年度
末ま
でに
策定
完了
予定
の自
治体
割合
:9
8.
5%
(平
成2
7年
4月
1日
調査
)⇒
99
.2
%(平
成2
7年
10
月1
日調
査)
○地
方財
政計
画に
おい
ては
、公
共施
設の
集約
化・複
合化
等を
促進
する
ため
の公
共施
設等
適化
事業
費を
増額
。(2
7年
度0
.1
兆円
→2
8年
度0
.2
兆円
(+
0.
1兆
円))
改革
工程
表(地
方行
財政
改革
関連
)の
主な
ポイ
ント
①※ 改革工程表:27年12月24日経済財政諮問会議決定
○基
本方
針2015に
基づ
き、
歳出
の効
率化
を推
進す
る観
点か
ら、
歳出
効率
化に
向け
た業
務改
革で
他団
体の
モデ
ルと
なる
よう
な改
革を
行っ
てい
る団
体の
経費
水準
を基
準財
政需
要額
の算
定基
礎と
する
取組
み(ト
ップ
ラン
ナー
方式
の導
入)を
推進
。
○2
8年
度に
おい
ては
、庶
務業
務、
情報
シス
テム
の運
用な
ど1
6業
務に
つい
て着
手。
例え
ば、
学校
用務
員事
務、
体育
館等
の施
設管
理、
庶務
業務
等に
つい
て、
民間
委託
、指
定管
理者
制度
導入
、庶
務業
務の
集約
化等
の業
務改
革を
行っ
てい
る団
体の
経費
水準
を算
定基
礎と
して
、基
準財
政需
要額
の経
費水
準の
見直
しを
実施
。
・16業
務:学
校用
務員
事務
、道
路維
持補
修・清
掃等
、本
庁舎
清掃
、本
庁舎
夜間
警備
、案
内・受
付、
電話
交換
、公
用車
運転
、一
般ご
み収
集、
学校
給食
(調
理)、
学校
給食
(運
搬)、
体育
館管
理、
競技
場管
理、
プー
ル管
理、
公園
管理
、庶
務業
務、
情報
シス
テム
の運
用
・7
業務
:図
書館
管理
、博
物館
管理
、公
民館
管理
、児
童館
・児
童遊
園館
管理
、青
少年
教育
施設
管理
、公
立大
学運
営、
窓口
業務
<平
成28年
度に
着手
する
取組
例(市
町村
分)>
(注
)上
記1
6業
務を
含め
、地
方行
政サ
ービ
ス改
革に
係る
調査
によ
って
把握
する
こと
とし
てい
る地
方団
体の
業務
改革
のう
ち、
単位
費用
に計
上さ
れて
いる
全て
の業
務(2
3業
務)に
つい
てト
ップ
ラン
ナー
方式
の検
討対
象と
する
こと
とし
てお
り、
残る
7業
務に
つい
ても
、2
9年
度以
降、
可能
なも
のか
ら導
入予
定(2
3業
務全
てに
つい
てで
きる
限り
集中
改革
期間
中に
導入
を目
指す
)。
対象
業務
基準
財政
需要
額の
算定
項目
見直
し内
容
経費
水準
見直
し前
経費
水準
見直
し後
基準
財政
需要
額の
算定
基礎
とす
る業
務改
革の
内容
学校
用務
員事
務(小
学校
、中
学校
、高
等学
校)
小学
校費
3,70
7 (千
円/1
校)
2,92
7 (千
円/1
校)
民間
委託
等中
学校
費3,
707
(千
円/1
校)
2,92
7 (千
円/1
校)
高等
学校
費7,
353
(千
円/1
校)
6,15
2(千
円/1
校)
体育
館管
理競
技場
管理
プー
ル管
理そ
の他
の教
育費
31,3
70(千
円)
29,4
41(千
円)
指定
管理
者制
度導
入民
間委
託等
庶務
業務
(人
事、
給与
、旅
費、
福利
厚生
等)
包括
算定
経費
庶務
業務
とし
て特
定せ
ず
包括
的に
算定
11,3
98(千
円)の
減庶
務業
務の
集約
化
②公共施設の集約化・複合化等の促進
①トップランナー方式の導入
資料Ⅱ
-4
-4
― 93 ―
― ―0123456789
○住
民や
議会
等に
対す
る適
切な
説明
責任
や、
自治
体の
ガバ
ナン
スの
向上
を図
る観
点か
ら、
地方
財政
の「見
える
化」を
推進
。
○住
民一
人当
たり
のコ
スト
につ
いて
、こ
れま
で一
部に
限ら
れて
いた
項目
を平
成27年
度決
算よ
り「性
質別
」や
「目
的別
」で
網羅
的に
公開
する
とと
もに
、経
年変
化や
類似
団体
比較
等の
分析
を行
うこ
とで
「見
える
化」の
充実
を図
る。
(注
)こ
れま
で、
住民
一人
当た
りコ
スト
は人
件費
、普
通建
設事
業費
、公
債費
のみ
掲載
。
○加
えて
、今
後の
重要
課題
の一
つで
ある
公共
施設
等の
老朽
化対
策に
対応
する
ため
、
①公
共施
設等
全体
及び
施設
類型
ごと
の資
産老
朽化
比率
や保
有量
②自
治体
が保
有す
る未
利用
地や
売却
可能
地を
はじ
めと
する
土地
情報
等の
スト
ック
情報
を平
成29年
度決
算ま
でに
順次
「見
える
化」。
(注
)将
来負
担比
率を
資産
老朽
化比
率と
組み
合わ
せて
分析
する
こと
によ
り、
公共
施設
等の
除却
・更
新と
いっ
た老
朽化
対策
の必
要性
が「見
える
化」さ
れ、
将来
負担
をよ
り総
合的
に把
握す
るこ
とが
可能
とな
る。
○行
政サ
ービ
スの
効率
性と
質の
向上
を図
るた
め、
地方
の業
務の
簡素
化・標
準化
、自
治体
クラ
ウド
の積
極的
な展
開を
推進
。
○地
方公
共団
体の
情報
シス
テム
運用
コス
トに
つい
て、
3割
圧縮
を目
指す
。(目
標期
限を
集中
改革
期間
中に
設定
)
○こ
のた
め、
まず
は、
クラ
ウド
導入
市区
町村
数に
つい
て、
29
年度
まで
に倍
増(約
1,0
00団
体)を
目指
す(26年
度550団
体)。
改革
工程
表(地
方行
財政
改革
関連
)の
主な
ポイ
ント
②
性質
別歳
出分
類目
的別
歳出
分類
人件
費、
物件
費、
維持
補修
費、
扶助
費、
補助
費等
、普
通
建設
事業
費(新
規整
備・既
存更
新)、
公債
費、
繰出
金
議会
費、
総務
費、
民生
費、
衛生
費、
労働
費、
農林
水産
業
費、
商工
費、
土木
費、
教育
費
都道
府県
市区
町村
運用
コス
ト約
1,2
70億
円約
3,3
00億
円
開発
コス
ト約
640億
円約
1,9
00億
円
<地
方の
情報
シス
テム
予算
(平
成26年
度)>
減価
償却
累計
額
(償
却資
産帳
簿価
額+
減価
償却
累計
額)
(注
)国
は、
政府
情報
シス
テム
運用
コス
トに
つい
て2021年
度を
目途
に3
割圧
縮す
るこ
とと
して
いる
。
資産
老朽
化比
率=
④業務の簡素化・標準化、自治体クラウドの積極的展開
③地方財政の全面的な「見える化」
資料Ⅱ
-4
-5
― 94 ―
― ―0123456789
自治
体に
よる
自主
的・
主体
的な
業務
効率
化・
財政
収支
改善
の取
組み
経済
・財
政再
生計
画に
沿っ
た改
革の
着実
な
進展
のた
め、
KP
I、
工程
表を
策定
国地
方
国・
地方
を合
わせ
たプ
ライ
マリ
ーバ
ラン
スの
改善
取組
状況
・成
果の
迅速
な把
握と
検証
地方
財政
計画
(国
民負
担・
住民
負担
の軽
減)
ミク
ロの
PD
CA
○今
後、
「改
革工
程表
」に
基づ
き、
「経
済・財
政再
生計
画」が
定め
る目
標に
向け
て改
革を
着実
に進
める
こと
が重
要。
○地
方行
財政
分野
にお
いて
、計
画に
示さ
れた
目標
であ
る国
・地
方あ
わせ
たプ
ライ
マリ
ーバ
ラン
スの
改善
に着
実に
つな
げて
いく
ため
には
、
①そ
れぞ
れの
自治
体に
よる
業務
効率
化・財
政収
支改
善の
取組
の成
果を
迅速
に把
握・検
証し
、
②そ
れら
の成
果を
、事
後的
に地
方財
政計
画に
結び
付け
るこ
と
こと
が重
要。
改革
工程
表に
基づ
く改
革の
成果
の反
映に
よる
地方
歳出
の適
正化
【K
PI
の例
】
KPI
進捗
管理
、評
価・点
検の
視点
計画
開始
時の
数値
(時
点)
目標
数値
(達
成時
期)
把握
の時
期速
報性
地方
公共
団体
の情
報シ
ステ
ム運
用コ
スト
地方
公共
団体
にお
ける
全庁
の情
報シ
ステ
ム関
連経
費を
調査
し、
運用
コス
ト削
減の
状況
を検
証
市区
町村
約3,3
00億
円都
道府
県約
1,2
70億
円(2014年
度)
3割
圧縮
(目
標期
限を
集中
改革
期間
中に
設定
)
毎年
1回
程度
各年
度の
取組
状況
を当
該年
度内
に把
握
資料Ⅱ
-4
-6
― 95 ―
― ―0123456789
基準
財政
需要
額4
5.
1兆
円(27年
度)
うち
人口
を直
接測
定単
位と
する
もの
20
.9
兆円
(4
6.
3%
)・・(A
)
うち
人口
に準
ずる
と考
えら
れる
事項
を測
定単
位と
する
もの
9.
1兆
円(2
0.
1%
)・・(B
)
(A
)+
(B
)=
30
.0
兆円
(6
6.
5%
)⇒
全体
の7
割に
人口
減少
の影
響
【道
府県
分】
個別
算定
経費
測定
単位
警察
職員
数
道路
の面
積道
路の
延長
河川
費河
川の
延長
港湾
(係
留)
港湾
(外
郭)
漁港
(係
留)
漁港
(外
郭)
その
他の
土木
費人
口
小学
校費
教職
員数
中学
校費
教職
員数
教職
員数
生徒
数教
職員
数学
級数
人口
公立
大学
等学
生数
私立
学校
等生
徒数
生活
保護
費町
村部
人口
社会
福祉
費人
口衛
生費
人口
65歳
以上
人口
75歳
以上
人口
労働
費人
口
農業
行政
費農
家数
公有
以外
の林
野の
面積
公有
林野
の面
積水
産行
政費
水産
業者
数商
工行
政費
人口
徴税
費世
帯数
恩給
費恩
給受
給権
者数
地域
振興
費人
口
人口
人口
人口
地域
の元
気創
造事
業費
人口
減少
等特
別対
策事
業費
その
他の
教育
費
厚生
労働
費高
齢者
保険
福祉
費
産業
経済
費林
野行
政費
総務
費
地域
経済
・雇
用対
策費
項目
警察
費
土木
費
道路
橋り
ょう
費
港湾
費
教育
費
高等
学校
費
特別
支援
学校
費
包括
算定
経費
測定
単位
人口
面積
【市
町村
分】
個別
算定
経費
測定
単位
人口
道路
の面
積道
路の
延長
港湾
(係
留)
港湾
(外
郭)
漁港
(係
留)
漁港
(外
郭)
都市
計画
費計
画区
域人
口人
口
都市
公園
の面
積下
水道
費人
口そ
の他
の土
木費
人口
児童
数学
級数
学校
数生
徒数
学級
数学
校数
教職
員数
生徒
数人
口幼
稚園
児数
生活
保護
費市
部人
口社
会福
祉費
人口
保健
衛生
費人
口65歳
以上
人口
75歳
以上
人口
清掃
費人
口農
業行
政費
農家
数
林野
水産
行政
費林
水業
従業
者商
工行
政費
人口
徴税
費世
帯数
戸籍
数
世帯
数
人口
面積
人口
人口
人口
戸籍
住民
基本
台帳
費
地域
振興
費
地域
経済
・雇
用対
策費
地域
の元
気創
造事
業費
人口
減少
等特
別対
策事
業費
中学
校費
高等
学校
費
その
他の
教育
費
厚生
労働
費高
齢者
保険
福祉
費
産業
経済
費
総務
費
項目
消防
費
土木
費
道路
橋り
ょう
費
港湾
費
公園
費
教育
費
小学
校費
包括
算定
経費
面積
測定
単位
人口
100.
0 98
.9
96.9
94
.2
91.1
87
.6
83.8
100.
0 97
.6
94.7
91
.2
87.3
83
.3
79.0
405060708090100
110
2010
2015
2020
2025
2030
2035
2040
人口
指数
(%
)
(年
)
(注
)国
立社
会保
障・人
口問
題研
究所
「日
本の
将来
推計
人口
(中
位推
計)」(平
成24
年1
月推
計)を
基に
算出
(※
)人
口指
数と
は20
10年
の人
口を
100と
した
とき
の各
年度
の人
口の
割合
。(※
)普
通交
付税
額は
平成
27年
度交
付額
ベー
ス(市
町村
含む
)。
<人
口減
少の
普通
交付
税額
への
影響
の推
移>
人口
指数
の推
移
各都
道府
県に
おけ
る人
口指
数と
普通
交付
税の
配分
額の
加重
平均
<人
口減
少の
基準
財政
需要
額へ
の影
響>
実際
の人
口減
少率
以上
に、
人口
減少
は普
通交
付税
額に
影響
○今
後、
全国
的に
人口
減少
が進
むこ
とが
見込
まれ
てお
り、
地方
財政
にお
いて
も、
こう
した
減少
動向
を踏
まえ
た歳
出の
適正
化を
行う
必要
。こ
れは
、限
られ
た財
源の
中で
、地
方創
生等
の新
たな
政策
課題
に必
要な
財源
を確
保す
るた
めに
も有
効。
○こ
の点
、地
方歳
出に
おい
ては
、地
方団
体に
おけ
る必
要な
一般
財源
とし
ての
財政
需要
額を
示す
もの
とし
て基
準財
政需
要額
が算
定さ
れる
とこ
ろ、
人口
を「測
定単
位」と
して
利用
して
いる
算定
項目
が多
数存
在。
○こ
れら
の項
目は
、人
口減
少に
伴い
、需
要額
が必
然的
に減
少す
るこ
とが
見込
まれ
るも
の。
基準
財政
需要
額は
マク
ロの
地方
財政
計画
を基
礎と
して
ミク
ロ(地
方自
治体
ごと
)の
配分
を決
定す
る際
に算
定さ
れる
もの
では
ある
が、
地方
財政
計画
の歳
出の
計上
にあ
たっ
ては
、こ
うし
た財
政需
要の
減少
も適
切に
踏ま
えた
もの
とし
てい
く必
要。
○ま
た、
人口
減少
が地
方交
付税
額に
与え
る影
響に
つい
ては
、各
地域
に対
する
交付
税配
分額
の割
合を
考慮
する
必要
があ
り、
これ
を踏
まえ
れば
、全
国平
均の
人口
減少
率を
上回
る影
響を
与え
てい
くこ
とが
見込
まれ
る。
今後
の地
方交
付税
所要
額に
つい
ては
、こ
うし
た状
況と
も整
合的
なも
のと
する
必要
。※
地方
交付
税の
配分
を受
けて
いる
地域
別(都
道府
県別
)に
、地
域ご
との
人口
減少
率を
、各
地域
への
普通
交付
税配
分額
が全
国の
普通
交付
税総
額に
占め
るシ
ェア
で加
重平
均す
ると
、全
国平
均の
人口
減少
率を
さら
に上
回る
スピ
ード
で減
少し
てい
く傾
向。
青線
:該
当年
人口
/20
10年
人口
×1
00
(=
人口
指数
)
赤線
:(各
都道
府県
の普
通交
付税
交付
額の
割合
×該
当年
人口
指数
)を
すべ
ての
都道
府県
につ
いて
合計
地方
歳出
の適
正化
(人
口減
少を
踏ま
えた
計上
)資
料Ⅱ
-4
-7
― 96 ―
― ―0123456789
地方
歳出
の適
正化
-人
口減
少へ
の対
応(地
方創
生の
支援
)
取組
の必
要度
:5
,0
00
億円
程度
取組
の成
果:
1,
00
0億
円程
度
②人
口減
少等
特別
対策
事業
費:
6,
00
0億
円程
度
行革
努力
分:
3,
00
0億
円程
度地
域経
済活
性化
分:
90
0億
円程
度
①地
域の
元気
創造
事業
費:
4,
00
0億
円程
度
<ま
ち・
ひと
・し
ごと
創生
事業
費>
地方
交付
税に
おけ
る算
定
※上
記の
ほか
、特
別交
付税
で1
00
億円
程度
を配
分
<地
方創
生の
PD
CA
サイ
クル
の仕
組み
>
○人
口減
少が
進む
中、
地方
創生
に向
けた
地方
公共
団体
の取
組み
は喫
緊の
課題
。
○こ
れを
支援
する
ため
、27
年度
地方
財政
計画
にお
いて
は、
「ま
ち・ひ
と・し
ごと
創生
事業
費」と
して
1.0
兆円
を新
規に
計上
し、
28年
度も
引き
続き
同額
を計
上。
※こ
のほ
か、
28年
度に
おい
ては
、新
型交
付金
の地
方負
担分
(1,0
00億
円)に
つい
ても
全額
地方
財政
計画
にお
いて
確保
。
○地
方交
付税
の制
度上
、自
治体
に対
して
この
1兆
円分
の使
途を
予め
制限
はで
きな
いが
、地
方創
生と
いっ
た一
定の
政策
目的
をも
っ
て計
上し
てい
る以
上、
その
政策
目的
に沿
った
使い
方が
なさ
れ、
事業
が効
率的
に実
施さ
れて
いる
か、
事後
的に
フォ
ロー
アッ
プし
検証
して
いくこ
とが
必要
。
※現
状で
は、
各自
治体
にお
いて
、当
該財
源分
を実
際に
地方
創生
に資
する
事業
に使
用し
たか
否か
も不
明。
○こ
のた
め、
まず
は、
まち
・ひ
と・し
ごと
創生
事業
費(1.0
兆円
)を
活用
して
個々
の自
治体
がど
のよ
うな
取組
みを
行っ
てい
るの
か、
また
その
成果
はど
うな
って
いる
のか
とい
った
把握
・検
証を
しっ
かり
と行
い、
地方
財政
計画
にお
ける
地方
創生
の後
押し
のた
めの
施策
を実
効あ
るも
のと
して
いく必
要。
資料Ⅱ
-4
-8
― 97 ―
― ―0123456789
0.7
0.9
0.9
▲0.
8
▲1.
6
▲2.
4
1.3
0.1
0.2
0.9
1.1
0.7
0.9
0.9
▲0.6
▲0.8
▲1.1
1.3
0.3
0.2
0.9
1.2
▲3
▲2
▲1012 H
16H
17H
18H
19H
20H
21H
22H
23H
24H
25H
26
地方
税収
(地
方譲
与税
含む)の計
画と決
算の乖
離
実質
的な
乖離
額の
累積
H16~
26年
度+
3.9
兆円
(兆
円)
(※
)総
務省
公表
資料
を基
に作
成。
超過
課税
及び
法定
外税
を含
まな
い。
計画
と決
算の
乖離
額
減収
補填
債発
行額
を含
む計
画と
決算
の実
質的
な乖
離額
H22~
26年
度の
決算
増収
累計
+3.6
兆円
○平
成2
2年
度以
降、
地方
税収
等は
決算
での
上振
れが
続い
てお
り、
22
~2
6年
度ま
での
累計
で+
3.
6兆
円の
決算
増収
。○
現行
では
、地
方税
収等
が決
算で
上振
れた
場合
でも
、そ
の上
振れ
分を
後年
度の
地方
財政
計画
上で
反映
する
こと
は行
われ
てお
らず
、結
果と
して
、基
金の
増加
や、
標準
的な
行政
経費
とし
て当
初の
地方
財政
計画
上予
定さ
れて
いな
かっ
た経
費へ
の費
消に
つな
がっ
てい
る。
○ま
た、
地方
税収
等の
上振
れは
、本
来な
らば
必要
がな
かっ
た借
金を
国・地
方で
行っ
てい
たこ
とを
意味
して
いる
が(国
の赤
字国
債を
財源
とし
た交
付税
の特
例加
算や
地方
の臨
時財
政対
策債
の発
行)、
上記
のと
おり
事後
的な
調整
が行
われ
ない
こと
から
、い
わば
不必
要な
借金
によ
って
地方
の基
金残
高の
増加
等を
作り
出し
てい
る状
況。
○こ
のた
め、
地方
税収
等の
決算
増収
につ
いて
は、
後年
度に
地方
財政
計画
の歳
入項
目と
して
計上
する
など
、何
らか
の形
で清
算す
る仕
組み
の導
入に
つい
て検
討す
る必
要。
※な
お、
地方
法人
二税
の税
収が
下振
れる
と見
込ま
れる
場合
には
、減
収補
填債
が発
行さ
れ、
必要
な地
方の
一般
財源
を確
保し
た上
で、
その
元利
償還
費は
国・地
方折
半で
負担
する
との
片務
的な
取扱
いと
なっ
てい
る。
地方
税収
等の
計上
の適
正化
(決
算の
適切
な反
映)
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