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医療情報統合基盤の活用による医療の質向上と業務効率化のための

アラート通知の取り組み

広島赤十字・原爆病院

経営企画課（経営戦略室）

島川龍載

2018年7月12日（木）国際モダンホスピタルショウ2018 出展者プレゼンテーションセミナー【A-8】

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http://www.hiroshima-med.jrc.or.jp/


タイトルから内容を批判的に考えてみる

医療情報統合基盤の活用による医療の質向上と業務効率化のための

アラート通知の取り組み

●医療情報統合基盤 ⇒ ストラクチャ

●医療の質向上と業務効率化 ⇒ プロセス

●アラート通知 ⇒ アウトカム

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これらの必要性と実行に至るマネジメント



ゴールデンサークルによるストーリー性

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Why

How

What （サイモン・シネック）

なぜ？何のために？



本日の内容

①病院紹介

②情報システムの戦略的運用

③医療情報統合基盤の概要

④アラート通知の取り組み

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病院紹介

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〇開設年月日：昭和１４年５月１日

〇病床数：５６５床

〇診療科：３1診療科総合内科/腎臓内科/血液内科/内分泌・代謝内科/神経内科/循環器内科/ 呼吸器科/消化器内科（内視鏡センター、肝臓センター）外科（乳腺・消化器内科・内視鏡・呼吸器・肝胆膵）/脳神経外科/整形外科/ リハビリテーション科/リウマチ科/産婦人科/小児科/耳鼻咽喉科/眼科/皮膚科/ 泌尿器科/放射線診断科/放射線治療科/麻酔科/歯科口腔外科/病理診断科/ 精神科/緩和ケア科

〇職員数：１２１９人（うち、医師１７７人）※研修医、レジデント、非常勤を含む

（平成３０年４月現在）

〇災害拠点病院【地域災害医療センター】〇臨床研修指定病院〇地域がん診療連携拠点病院〇地域医療支援病院〇DPC対象病院 ※医療機関別係数（H30年度）：1.4614

<理念>人道・博愛の赤十字精神のもと、人々に愛され信頼される病院を目指します。



MDC別マーケットシェア分析（H27）

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[ 厚生労働省予定・救急医療入院医療機関別MDC別集計(年度別)]



情報システム再整備の背景、コンセプト

＜背景＞

病院再整備計画における目指すべき姿を捉えて、広島の高度専門医療を支える機動的な病院として機能する。

＜情報システム再整備のコンセプト＞

（１）相互運用性を確保したシームレスな情報統合基盤を構築する。

（２）先進的なテクノロジーを利用して業務の効率化を図る。

（３）医療安全や情報セキュリティに対する安全管理策を強化する。

（４）病院経営の改善や医療の質の向上に対する情報活用を促進させる。

【運営方針・重点目標】

質の高い医療の提供と健全な経営を推進する。

１．地域に選ばれ求められる高度急性期病院を目指す。２．断らない医療の提供に努める。３．質の高い職員を育成して、安心・安全な医療を提供する。４．安定した病院運営を確立するために経営改善を図る。

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I期新棟稼動

Ⅱ期既存棟改修

基本計画の立案要求仕様の作成、ベンダー決定システム基盤の構築（電子カルテ更新）

各部門システムの更新運用・管理の調整

平成25年4月～平成27年10月

平成27年10月～

①限られた予算、②多大な要求事項、③期限

情報システムの戦略的マネジメントの必要性

大規模システム導入におけるコストと価値を意識した

広島赤十字・原爆病院のICT計画

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基本計画の立案

ミクロ的視点マクロ的視点

要求仕様の整理

最終的な達成目標

中長期的なビジョン

仕様の明確化課題の解決（優先順位）

目的・目標の明確化

情報システム計画のマネジメントサイクル

マネジメントサイクルの実践

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導入評価



医療と経営の持続性の課題

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制度事業 ×

医療システムのコントロール

Value↑↑ Cost↓↓

①「悪循環」の発見と「良循環」の創造 ②良循環の「駆動」のための行動プロセス



Valueをコントロールするには

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価値観の変化 → パラダイムシフト

内部環境 ⇔ 外部環境

違ったものの見方ができる人が集まる組織が、健全であり強い。

全員がAという場所から、このマグカップを見ている

モノの見方、評価などの見解

Bという場所から見ると馬の絵が描かれている

視点のダイバーシティ



Costをコントロールするには

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地域包括ケアシステム

自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制

外から見て包み込んでいる状態

より大きな範囲のシステムの中にとりこむ主体として内から人なり組織を動かす

病院システムデザイン → 統合化技術

Inclusion ＝包摂



経営戦略室の組織体制

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副院長（室長）

企画広報

医療の質（医療安全）

看護副部長医事課係長

医事診療記録

医療情報

経営企画課長（室長補佐）

システム統計分析

経営戦略担当参事

（事務副部長）


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経営戦略室の役割

情報を集約し、多面的にデータ活用し、意思決定に役立てる

価値のある情報=知恵

企画

マーケティング

医療情報

医療安全

医事

診療記録



医療でのリーダシップの役割

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医療＋経営の予測

ビジョン型リーダシップ

合理的なアクション ×

ファシリテーション型リーダーシップ ×

トップマネジメントミドルマネジメント



経営戦略に求められる役割

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病院情報システム

経営戦略実行

トップマネジメント

ミドルマネジメント

ロワーマネジメントスタッフ

経営情報システム（管理会計）

戦略

戦術

報告

報告

情報提供

実行

情報システムの戦略的運用

吸収役双方向の窓



経営戦略の循環モデル

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今後の医療ICTをどのように考えるか

＜利便性と安全管理を考えた設計＞

業務プロセスに対するシステムの依存度が増して、改善ニーズが高まり、ゴールが見えない。

コストの低減化の可能性と戦略的なIＣTの活用

価値コスト

病院の期待

全体の最適化

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費用対効果の追求



システム構想の策定で考えるべき視点

部分最適全体最適

・業務体制や機能に合わせて業務要件を満たすことができる。・ビジョンとの不整合やITコストの増大を招く可能がある。

・組織全体の経営・診療に対する長期的な変化に対応し、コスト削減を見込める。さらには、ニーズや課題の創造を促す。・ロードマップやアーキテクチャの策定など全体統制における調整や合意形成に時間と労力が必要となる。

経営・医療モノづくり

モノとサービスの一元化

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システム基盤の構造化

垂直統合システム水平統合システム

アプリケーション

サーバ

ストレージ

クライアント

ネットワーク

メーカーの技術依存度が高い標準化・共通基盤・統合化

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病院情報システムのEA概要

水平統合システムマネジメント

電子カルテ

SOAプラットフォーム

データウェアハウス

ドキュメントアーカイブポータル

ICT

ガバナンス

セキュリティリスク・セーフティトリプルアイコストビジネスプロセスヒューマンリソースファシリティ

部門システム

ID・アクセス権管理基盤

サーバー・ストレージ

ネットワーク・セキュリティ基盤

サーバー管理設備

監査（システム、診療記録）

業務手順や情報システムの標準化、組織の最適化を進め、効率良く組織運営を図るための設計思想・基本理念

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ビジネスルールアプローチ

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経営（医療）

行動実務手順

• Separate rules(ルールの分離)

• Trace rules（ルールのトレース）

• Externalize rules(ルールの外部化)

• Position rules for change(変更を前提にしたルール配置)

ビジネスルールアプローチ(BRA)の原則

Barbara von Halle, Business Rules Applied, 2001

ルールベースマネジメント・システムアーキテクチャへの対応

複雑なものを簡単に見えるように視覚化、自動化するルールエンジン、複雑に絡んだ制約の中から最適なリソースの割り当てやエンジンなどのコンポーネントを最適化



統合プラットフォーム（SOA）の全体概要

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システム①

システム②

システム③

管理者へエラー通知

該当者へアラート通知

内部リポジトリ外部リポジトリ

ワークデータ

システム①‘

システム②‘

システム③‘

ルール生成

SOA基盤 ESB

アダプタ

アダプタ

フォーマット変換・分岐

DB参照 etc

システム④ アダプタ

システム⑤

Web API



SOAで何が実現できるか

• ICT統括におけるガバナンスの最適化

• インターフェース可視化による原因特定の迅速化

• ベンダー依存しないシステム構造化（普遍化）

• エラー、アラート検知（通知）とメッセージの再利用

• 標準データ交換規約におけるシームレスな情報統合

• システム改修の省力化（変化に強いシステムづくり）

• リポジトリとして保存したデータの利活用

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SOAで実現している主な具体的事例

○アラート通知機能

⇒ 読影レポート、病理のレポート作成完了通知

⇒ 入院診療計画書、栄養管理計画書、退院時総括、診断書、返書などの未作成通知

⇒ B型肝炎再活性化防止対策に関する通知アラート機能 ⇒ 入院時栄養スクリーニング機能

○エラーチェック通知機能

⇒ オーダ連携・ファイル連携のエラー対応、文字チェックエラー対応

○診察記事（診療録）連携

⇒ 部門システムで発生した診察記事の電子カルテへの送信

○マスタ統合連携

⇒ 電子カルテ、部門システムへの利用者マスタ統合

⇒ マスタ管理統合機能の拡張（例：薬剤、材料連携など）

○リアルタイム分析、リポジトリの最適化

⇒ 患者属性情報・入院情報のリアルタイム更新

⇒ 患者プロファイル情報の連携による入院・退院調整のスクリーニング機能

⇒ 抗菌薬使用届出書の投与初日での100％事前届出対応

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なぜ、アラート通知が必要か

「気づき」がなければ、進捗はない。

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PULL型 PUSH型

自ら情報を引き出す

気づき行動理解評価

学び

「気づき」だけでは、成長できない。

「気づき」を与える



アラート通知システム概念図

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システム

通知元

ルールベース

SOA

電子カルテ

通知先

変換条件

XML JSON 等

人をサポートするＩCＴ

個人組織



アラート通知機能の画面イメージ

ToDo：オーダ・記録の承認通知：各種通知の確認

・病理レポート通知・読影レポート通知・入院診療計画書未作成・退院時サマリ未作成・診断書未作成・返書未作成・栄養管理計画書未作成・入院時栄養スクリーニング・B型肝炎検査確認

外部ＡＰＰを起動

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アラート通知構築事例①

①読影レポート作成完了通知

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確定診断内容を表記 ⇒ 診断結果を逸早く確認、気づきを得ることができる

・未読率（診療科、医師）の定期確認 ⇒ 医師への個別アプローチ



アラート通知構築事例②

②入院診療計画書、退院時総括の未作成通知

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個人管理：主治医、担当医が、未作成状況を把握（期日までに100%完了）

組織管理：診療情報管理士が全件の量的監査を実施（定期的な管理の実施）



アラート通知構築事例③

③返書の未作成通知

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初回中間最終

受診報告（事務）

診療・検査結果報告（医師）

医師による中間・最終（診療・検査結果）報告の徹底した管理を実施



アラート通知構築事例④

④B型肝炎再活性化防止対策に関する通知

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日本肝臓学会 B型肝炎治療ガイドライン

当日オーダ：リアルタイムチェック予定オーダ：毎日0時にチェック

対象薬剤オーダ

依頼医チェック・検査オーダ・モニタリング

消化器内科医師に紹介

（抗がん剤、免疫抑制剤）

HBV再活性化によるB型肝炎の発症を防止し、適切な治療の実施



アラート通知構築事例⑤

⑤入院時栄養スクリーニング通知

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定期アラート通知① 管理栄養士向け栄養状態に関するリスクあり

管理栄養士による全件チェック

定期アラート通知②

医師向け栄養障害あり

（短時間で）効率良く、栄養状態にリスクのある患者をサポート



今後の展望

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紹介予約後方連携入院前

ｽｸﾘｰﾆﾝｸﾞ病床管理

PFM（Patient Flow Management）

入退院支援の充実

①患者プロフィールの統合管理 ②入院前スクリーニングの拡張

他職種協働 ≒ Diversity＆Inclusionへの適合チーム医療



まとめ

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目的・目標・価値

個別対応

全体最適

マネジメント

・変化対応力、ニーズの創造・ビジョンの共有と不整合の対応・ICTコストと価値のバランス

リーダシップ

ファシリテーション

医療情報ｼｽﾃﾑ経営

戦略戦術

気づきの連鎖（コンテクスト）



ご案内①

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https://www.intersystems.com/jp-pulse-blog/alart_management_for_improvong_team_medicine/



[email protected]

ご清聴ありがとうございました

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