操作を理解できる外装デザインの検討 ·...

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平成 23 年度 公立はこだて未来大学卒業論文 操作を理解できる外装デザインの検討 アーキテクチャ学 1008080 2012 1 31 A Study for Understanding How to Use from Case Design by Yuta MORI BA Thesis at Future University Hakodate, 2012 Advisor: Kazushi MUKAIYAMA Department of Media Architecture Future University Hakodate January 31, 2012

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Page 1: 操作を理解できる外装デザインの検討 · 操作を理解できる外装デザインの検討 盛佑太 情報アーキテクチャ学科 1008080 指導教員 迎山和司

平成 23年度 公立はこだて未来大学卒業論文

操作を理解できる外装デザインの検討

盛 佑太

情報アーキテクチャ学科 1008080

指導教員 迎山和司

提出日 2012年 1月 31日

A Study for Understanding How to Use from Case Design

by

Yuta MORI

BA Thesis at Future University Hakodate, 2012

Advisor: Kazushi MUKAIYAMA

Department of Media Architecture

Future University Hakodate

January 31, 2012

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Abstract– When users picked up the objects of the primitive shape such as cube, globe,

cone, and cylinder, this research is research of kind of behavior many people took the these

shapes. Therefore defined the input devices which embed an acceleration sensor in the primitive

shapes and put together the association of the behavior of the users who touched the input

devices. The devices is put the acceleration sensor the reason why to evaluate the output data

objectively. Although a consumer-electronics devices is becoming various functions, since users

would like to use the devices immediately, it is desirable to be able to be used without reading

a manual. However, it is forced to operate devices a thick manual being attached to apparatus

and looking at a manual. However, it is thought that operation is enabled without watching a

manual if decoration leads operation. Then, using primitive shape devices, the operation method

of devices will study to be shared as a role. Therefore, when user looked at shapes, the data was

recorded kind of users’ behavior. In this research, useing Arduino Fio attached an acceleration

sensor enables wireless communication. And, I performed 3D modeling on the case design of

the devices and output the case design with 3D printer. In addition, these shapes were embed

Arduino Fio to the inside of the devicess. In the future, the devices used in this study increase

variations of the size, and will be hoped the increase of the variation of the behavior.

Keywords: primitive shapes, behavior, acceleration sensor, case design, 3D printer

概 要: 本研究は「操作を理解できる」外装デザインの検討をすることである.立方体,球体,円

錐,円柱のようなプリミティブ形状の物体を手に取った時,多くの人がどのような行動をとるのか

調査した.そのためにプリミティブ形状の物体に加速度センサを組み込んだものを入力機器とし,

入力機器に触れたユーザの行動の体系化をした.機器に加速度センサを使用した理由は,出力した

データを客観的に評価するためである.家庭用電子機器は多機能になってきているが,すぐに使用

したいため,マニュアルを読まずに使用できることが望ましい.しかし,機器には分厚いマニュア

ルが付属され,マニュアルを見ながら操作することを強いられる.外装が操作を導くものであれば

マニュアルを見ることなく操作が可能になると考えられる.プリミティブ形状の機器とした時に,

操作方法が役割として分担される可能性も検討できる.そのためにユーザが形状を見てどういった

行動を引き出しやすいか記録する.記録から「操作を理解できる」外装デザインの検討する.ま

た,機器の外装は 3Dモデリングを行い,3Dプリンタで出力した.今後の展望として本研究で使

用した機器は大きさのバリエーションを増やし,行動のバリエーションの増加を期待がされる.

キーワード: 外装デザイン, プリミティブ形状, 加速度センサ, 行動の体系化, 3Dプリンタ

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A Study for Understanding How to Use from Case Design

目 次

第 1章 序論 1

1.1 目的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

1.2 背景 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

1.2.1 多機能になるにつれての問題 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1

1.2.2 情報機器の複数台所持 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

1.3 本論文の構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

第 2章 関連研究 5

2.1 初心者特有のハンドル操作の検出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

2.2 加速度センサが識別可能な看護技術の特定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

2.3 調理における食材からの行動の特性検出 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

第 3章 具体的な実現方法 8

3.1 システム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8

3.2 制作環境 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

3.3 加速度センサとArduino Fio . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

3.4 内部の機器の設計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

3.5 機器の造形 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

3.6 データの出力 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

3.7 データの集計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10

第 4章 実験と結果 12

4.1 実験方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

4.2 結果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

4.2.1 目視での分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

4.2.2 出力された波形からの分析 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

第 5章 展示とフィードバック 18

5.1 展示方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

5.2 フィードバック . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18

第 6章 考察 20

第 7章 まとめと今後の展望 21

7.1 まとめ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21

7.2 今後の展望 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21

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第1章 序論

本研究の目的と,それに至った背景を以下に述べる.

1.1 目的

本研究の目的は立方体,球体,円錐,円柱のようなプリミティブ形状の物体を手に取った時,多くの人がどのような行動をとるのか調査する事である.そのために加速度センサを用いて人の行動の記録を取る.具体的にはプリミティブ形状の物体に加速度センサを組み込んだものを入力機器とし,入力機器に触れたユーザの行動の関連性を体系化してまとめる.そのために入力機器の形状を見てどういった行動を引き出しやすいか記録する.記録から「操作を理解できる」外装デザインの検討する.

1.2 背景

近年の家庭用の電子機器は多機能になってきている.そのためそれらの機器は操作が難しい.この解決方法として,見ただけで操作が簡単に理解できることが望ましい.多くのユーザはある形状を見るとある行動をする [1].故に,単純な形状からのユーザの行動を記録することで,客観的に体系化ができると思われる.

1.2.1 多機能になるにつれての問題

ユーザが機器を購入し使用する時には,マニュアルを読まずにすぐさま操作をしたいものである.ある程度の経験で使用できる場合には付属するマニュアルを読まずに操作は可能である.しかし,多機能になるにつれて,マニュアルの冊子が厚くなったり経験則からの操作では対処できなくなる.マニュアルを読みながら操作するまでの慣れを習得するには時間を要してしまう.例えば,地上デジタル放送対応のテレビでは,過去のブラウン管テレビのようなチャンネルを変えるだけの操作以外に多くの操作をするためのボタンがある.これはリモコンには色や文字をつけてあるため,チャンネル変更といった操作は可能であるが,地上デジタル放送の操作を行うという点は外装からでは難しいと言える.

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図 1.1: 東芝REGZA[2]

1.2.2 情報機器の複数台所持

また、機器が多機能であること以外に,機器を複数台所持する人も増えている.それは目的を考えて使い分けをすることもあるが、新しく発売される機器に興味を持ったために購入し所持する機器が増えることもある。また、JEITA(電子情報技術産業協会)[3]は2011年 11月の統計で国内携帯電話・PHSの累計契約数は人口普及率が 100.4%となり,複数台所持が裏付けられる.例えば、スマートフォン [4]とフィーチャーフォン [5],スマートフォンとタブレット [6]などといった組み合わせでの複数台所持が挙げられる.スマートフォンとタブレットでの場合の使用方法は,スマートフォンを電話やメールに,タブレットをネットサーフィンに使用するという例が挙げられる.また,iPhone[7]の場合,新モデルの発売の度に新たに端末を買うユーザがいる.新モデルの端末をメイン機として携行し,旧モデルの端末はポータブルオーディオプレーヤーやカーナビ,カーオーディオなどといった別な用途で使用するユーザもいる.しかし,複数台所持するどちらの端末も多機能であり,機能が重複している部分もある.そこで使い分けを行うならば,より単純な外装で役割を明確に分担するという手段も検討できる.ユーザがハードウェアの形状を見てどういった行動をするかを,プリミティブ形状の機器をベースに体系化をすれば、見ただけで操作が簡単に理解できる助けになると思われる.

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図 1.2: iPhone 3G[8]と iPhone 4S[7]

1.3 本論文の構成

本論文は全6章で構成されている.次章では関連研究について,第3章では制作したプリミティブ形状の機器の具体的な実現方法関して述べ,第4章では本研究の実験と実験に結果,卒業研究展示会の様子について述べる.第5章では実験と実験結果,卒業研究展示会からの考察を述べる.最後に第6章では本研究のまとめと今後の展望について言及する.

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図 1.3: iPhone用のカメラに特化したジャケット [9]

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第2章 関連研究

本研究に関連する加速度センサを用いた研究を以下に3つ挙げる.これらは人の行動の記録を行うものであり,同時にビデオ撮影を行っている点で関連している.また,小型無線加速度センサは身体のあらゆる部分に装着することが可能である.そのため日常動作は加速度センサによって記録することが容易である.これらを踏まえて,これから紹介する研究は行動をセンサから波形として記録し,加えてビデオカメラで撮影された映像より,人の行動の記録や比較などを行うものである.

2.1 初心者特有のハンドル操作の検出

この研究は自動車のハンドル操作を記録する研究 [10]である.自動車に装着するセンサのみでは検出することのできない人為的な事故の原因を,ハンドル操作という視点から問題点を洗い出すものである.初心者と熟練者のハンドル操作を比較するために腕に取り付けたセンサによって,操作時に記録される.

熟練者

初心者

コーナー進入 ある操舵角になるまでハンドルを切る一定の操舵角のままハンドル保持操舵角には大きな差がない

図 2.1: 熟練者と初心者のハンドル操作の比較 [10]

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2.2 加速度センサが識別可能な看護技術の特定

この研究は看護業務の教育支援の研究 [11]である.専門性の高い看護業務の教育において,看護学生は過密なカリキュラムで学習している.細かい業務の教育は撮影された業務の様子から行われるが,これには動画を撮影するのと同じくらいの時間を要する.そこで教育すべき箇所を特定するのを容易にする可能性を示唆するために,加速度センサを用いている.

加速度センサ

図 2.2: 看護師へのセンサの装着例 [11]

2.3 調理における食材からの行動の特性検出

この研究は調理におけるウェアラブルコンピューティング技術を活用した技術伝承システムの構築の研究 [12]である.この研究は匠の技術伝承をシステム化するために行動の特性を検出している.その中で食材の外観から調理方法を体系化したデータが存在する.外観からの行動パターンの体系化をしている点で本研究と関連性がある.

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図 2.3: 調理の教育風景 [12]

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第3章 具体的な実現方法

加速度センサを組み込んだプリミティブ形状の機器を数個用意し,ユーザが機器を見たときの行動を加速度センサから波形として記録する.同時にユーザの行動をビデオカメラで撮影する.記録した波形と映像の状態から,外装形状とユーザの行為の関連性をまとめる.以下にシステム,製作環境,データの出力,データの集計についてそれぞれの実現方法を説明する.

図 3.1: プリミティブ形状の機器

3.1 システム

加速度センサーを取り付けたArduino Fio[13][14]を組み込んだプリミティブ形状の外装をした機器と PCをXBee[15]介して無線通信をする.

このシステムを稼動させると加速度センサーから出力された数値が波形となってリアルタイムで表示され,同時に数値が CSVテキストとして出力される.

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図 3.2: 無線通信のシステム図

3.2 制作環境

制作言語は Processing を使用した.Arduino Fio を使用するために Funnel[16] ライブラリを使用した.プリミティブ形状の立体の制作にあたっては 3DモデリングソフトRhinoceros(Machintosh版),造形には 3Dプリンター uPrintを使用した.

3.3 加速度センサとArduino Fio

加速度センサは 3軸アナログ加速度センサを使用した.Arduino FioはXBeeを用いると無線で通信できる強みがあるが、電源無しでは稼動しないためにリチウムイオンポリマー電池を使用している.Arduino Fioにはリチウムポリマー充電回路が搭載されているのでPCよりミニUSBを接続して充電する.

3.4 内部の機器の設計

内部の機器はArduino FioがメインでXBeeと加速度センサ、リチウムイオンポリマー電池から構成される。ここで、ブレッドボードを使用すると機器のサイズ大きくなってしまうため、両面使用できるタイプのユニバーサル基板を使用した。

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3.5 機器の造形

3Dモデリングソフトで Arduino Fioを組み込むための実寸大の大きさでプリミティブ形状の立体を製作した,内部にはArduino Fioが固定されるように,内部でネジ止めする設計にした,3Dプリンタで扱える形式にモデルデータを出力し,造形をした.物体の造形の上で,3D

プリンタは補助材も出力するので,補助材を除去しなければならない,除去の際に強アルカリ性の薬品で補助材を溶かして薬品を洗い流してから完成となる.

3.6 データの出力

ビデオカメラで撮影したユーザの行為の映像と加速度センサから出力された数値によるCSVテキストデータの出力を行う.加速度センサは3軸なのでCSVテキストの列にはそれぞれ x軸,y軸,z軸の値が記録される.また,加速度センサから数値の記録する時にはリアルタイムで波形を表示するが,再度映像と照らし合わせて波形を調べる必要がある。このため、記録した CSVテキストを読み込むプログラムでも波形を表示させるようにした.

3.7 データの集計

プリミティブ形状の機器を見て操作するユーザについてビデオカメラで撮影した映像と出力された加速度センサのデータを元に集計を行う.それぞれのプリミティブ形状について、ユーザがどのような行動をとったのかをまとめる。さらに、ユーザからプリミティブ形状の機器を日常のどのような物体に見立てたかを聴取する.

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図 3.3: 3Dモデリングソフトによる設計

図 3.4: 埋め込んだ機器と外装

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第4章 実験と結果

2011年 12月 26日から 2012年 1月 18日にかけて,これまでに制作した機器の操作の実験を行った.被験者は 10人で,公立はこだて未来大学の学生を対象とした.

4.1 実験方法

テーブルの上に機器を用意し,人が操作する様子をビデオカメラで撮影した.機器は立方体,球体,円錐,円柱で,1つの機器ごとに操作してもらった.また,操作すると同時に波形を出力するプログラムも動作させた.全ての機器の操作後に,機器の形状からどういった日常の物体を連想したかを聞き出した.

4.2 結果

目視すなわち撮影した映像による分析と波形による分析から考察に結びつける.

4.2.1 目視での分析

形状の機器は日常にある物体が連想されやすい形状に由来する行動を導いた.形状ごとに表にまとめると,以下のようになった. 球体は少々触れただけでもセンサや設計のため自重で動いてしまうのもあった.また,

表 4.1: 機器の形状ごとの行動と連想したもの形状 行動 連想されたもの

球体転がす

手にもって回す(主に野球の)

ボール

円柱倒して転がす振る

茶筒缶

立方体

転がす振る

手に持ってまわすサイコロ箱

円錐

倒して転がす突く

先の方をつまむ とんがり帽子

ユーザも言及しているように野球やソフトボールのボールといったものを連想しているた

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図 4.1: 実験の環境(ユーザ視点)

図 4.2: 実験の環境(カメラ視点)

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め,手にもって回すか卓上に転がすといった動作をとった. 円柱の場合は倒して転がすユーザが多かった.縦に振るユーザもいた.例えるものに

図 4.3: 球体に触れるユーザ

困るユーザもいたが,茶筒や缶と言及したユーザがいた.球や円柱のより、回す機能を持った外装に球や円いものが適しているといえる.

図 4.4: 円柱に触れるユーザ

 立方体は振ったり転がす行動が見られた.日常にある物体にサイコロと挙げたように転がすことが長かった.箱を連想したユーザは横方向にゆらしていた. 全般的に円錐以外は日常に割と多くある物体を連想されたようで操作は形状に由来したものであった.しかし円錐は例を挙げるのに苦労したか,例の挙がらないユーザもいた.一方操作方法は倒して回す事が多く見られた.図形に言えることでもあるが,まずは手に取った段階では考えてから機器を操作する.そして操作しながら考えると言ったフローがあった.

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図 4.5: 立方体に触れるユーザ

図 4.6: 円錐に触れるユーザ

4.2.2 出力された波形からの分析

形状から得られる特徴的な波形は得られなかった.しかし,動作を特徴づける波形は得ることができた。縦に振る動作があった立方体や円柱では特徴的な波形が得られた。や,円柱では縦に振られる可能性が示唆できたので,これらの形状を「振る」という行動を操作に機器に割り当てる事が考えられる.また,球では内部のセンサの重みや外装の設計のため真っ直ぐには転がらず,重心になった部位を中心に回転した.この場合の波形は以下のようになった.球は回転させる,もしくは自然に転がすことが誰にでも思いつく行動である.これはそのままその動作に割り当てることが可能である. また,円錐の場合は特異である.倒して転がしておくことが目視では確認できた.このときの波形が以下の通りである.回転軸は円錐の頂点であるが,x軸と y軸の波形がπ/2からπずれている.目視では振るといった動作が確認できなかったため,円錐はそのまま底面を下にして立てた状態での

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図 4.7: 縦に振られた状態の一例

形状がそのまま外装に生かされるとは考えづらいと思われる.

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図 4.8: 球の回転状態の一例

図 4.9: 円錐の回転状態の一例

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第5章 展示とフィードバック

2012年2月 10日から2月 12日の3日間にかけて,函館市地域交流まちづくりセンターにて行われた情報デザインコース卒業研究展示会の様子を述べる.展示会でのユーザは会場への来場者である函館市民であった.

5.1 展示方法

機器はテーブルの上に配置した.並びの順序の設定は決定しなかった.実験と異なる点は,プログラムを動作させた際の波形をユーザに見せたところである.また,操作の際は複数の形状を操作してもらうことを前提としたが,来場者の時間の都合を考慮せざるを得なかったため,内蔵させた機器の付け替えは希望者がいなければ行うことは特にしなかった.

5.2 フィードバック

ユーザがそれぞれの形状の機器を触れた時,行動は実験から得られた結果とは差が出なかった.しかし,ユーザはセンサを内部に入れた球を転がした際,重心がズレて回転している様子を見て,狙い通りに転がしたようでは無かった.球は前述のように不規則な回転をするが,逆に不規則な回転に面白さを感じたユーザもいた.

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図 5.1: 展示会でのユーザの様子

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第6章 考察

機器の操作すなわち行動までに思考する時間は図形によって差が出た.大きさに関係なく行動に移せたものはそのままの形状を外装に使用できると考えられる.立方体でのユーザの発言においてサイコロとあるが,内蔵する機器が小型であれば一般的なサイコロの大きさを忠実に再現できたはずである.また,単形状ではなく複数の形状を組み合わせることで道具としての操作の可能性が生まれると考える.円錐は単独では操作方法がわからないというユーザがいたことと,「先の方をつまむ」という点から,円柱との組み合わせにすると何かしらの「つまみ」として機能するのではないかと考えられる.加えて,卓上を転がしたユーザはセンサの重みによる転がり方は予測しなかったため,戸惑いや驚きを感じていたようだった.センサの装着部位の設計の方法や内部にいれる物体による重さの調整を行うことで,行動に何か影響を与える可能性があると考えられる.

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第7章 まとめと今後の展望

7.1 まとめ

本研究はプリミティブ形状の物体を手に取った時,多くの人がどのような行動をとるのか統計だてて「操作の理解できる」外装デザインの検討に結びつけることを目的として,実験,結果より考察を行った.プリミティブ形状のような単純な形状の立体から行動が引き出せたので,ある単純な行動だけで操作できるような電子機器を制作できれば,複数台所持の役割分担を操作方法によって明確にできると考えられる.

7.2 今後の展望

今後の展望としては 3Dモデルから耐久性の強化された設計を考え直し,ネジ止め部位を目立たせない設計にする.また,内蔵させる機器は小型化させる.例えば,Arduino Fio

を使用せず,XBeeと加速度センサだけを使用した設計に変えることで,小型化など様々な大きさの機器を製作できる.したがってさらに多くの動作の可能性を検討できると考えられる.一方,外装とは直接関わらない部分ではあるが,重心を整える設計をすることが行動に影響を与えるかを検証する必要があると考えられる.内蔵させる機器によっては重さが異なってしまい,操作した際のフィードバックが変わってしまうためである.

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謝辞

本研究は科学研究費補助金平成 23年度(2011年度)基盤研究(C)より一部を助成されています.本研究を進めるにあたり,ご指導頂いた迎山和司准教授(公立はこだて未来大学)に深く感謝いたします.日頃から本研究に多くの助言をくださった迎山研究室の根岸一磨さん,山本大寛さん,小川翔央さんに感謝致します.最後にオープンラボや実験にご協力してくださった方々,卒業研究展示会にお越しになった来場者の方々.様々な助言をくださった多くの皆様に感謝致します.

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参考文献

[1] IDEO,ジェーン・フルトン・スーリ,森博嗣 (訳).「考えなしの行動?(原文:Thoughtless

Acts?)」.太田出版.http://www.ohtabooks.com/publish/2009/06/18000000.

html.

[2] 株式会社東芝.http://www.toshiba.co.jp/regza/index j.htm.

[3] JEITA / 統計データ.2011年 11月移動電話国内出荷実績(JEITA/CIAJ).http:

//www.jeita.or.jp/japanese/stat/cellular/2011/11.html.

[4] IT 用語辞典 e-Words.スマートフォン.2012年1月 24日 (火) 14:10 JST.http:

//e-words.jp/w/E382B9E3839EE383BCE38388E38395E382A9E383B3.html.

[5] IT用語辞典e-Words.フィーチャーフォン.2012年1月24日 (火) 14:00 JST.http://e-words.jp/w/E38395E382A3E383BCE38381E383A3E383BCE38395E382A9E383B3.

html

[6] 「タブレット (コンピュータ)」(2012年1月 24日 (火) 12:55 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』.http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%83%96%E3%

83%AC%E3%83%83%E3%83%88 (%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%

BC%E3%82%BF).

[7] Apple Inc.iPhone 4S,2011.http://www.apple.com/jp/iphone/.

[8] Apple Inc.iPhone 3G,2008.http://www.apple.com/jp/iphone/.

[9] FACTUS DESIGN INCORPORATED.Quattro for iPhoneSP,2008.2012年1月30日 17:00 JST.http://factron.net/quattroforiph SP.html.

[10] 多田昌裕,大村廉,岡田昌也,納谷太,野間春生,鳥山朋二,小暮潔.加速度センサを用いた行動計測に基づく運転動作解析手法.インタラクション 2007,2007. http://www.interaction-ipsj.org/archives/paper2007/aural/0029/paper0029.pdf.

[11] 北島泰子,平田美和,相田京子,高畠有理子,中村充浩,前田樹海,金井 Pak雅子.加速度センサが識別可能な看護技術の特定.東京有明医療大学看護学部看護学科,2011.ISSN 0022-8370(Print) ISSN 1882-1405(Online)44巻 6号(2011.10)P.575-582(ISID:1681100579)

[12] 山抱加奈.装着型センサを用いた技術伝承システムのためのコンテンツ自動生成手法.大阪大学工学部電子情報エネルギー工学科情報システム工学科,2006.

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http://www-nishio.ist.osaka-u.ac.jp/Thesis/bachelor/2006/yamadaki/

thesis sjis.pdf.

[13] Arduino.Arduino 0022,2010.http://www.arduino.cc/en/Main/

ArduinoBoardFio.

[14] 小林茂.Prototyping Lab「作りながら考える」ための Arduino実践レシピ. オイラリージャパン,2010.

[15] Digi International.XBee-PRO シリーズ 1,2006.http://www.digi-intl.

co.jp/products/wireless-wired-embedded-solutions/zigbee-rf-modules/

zigbee-mesh-module/index.html.

[16] 小林茂,遠藤孝則,増田一太郎.funnel v1.0 r789,2011.http://funnel.cc/.

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付録その1

// SimpleScopeArduinoFio_plus.pde

// created (SimpleScopeArduinoFio.pde) by Kazushi MUKAIYAMA

// Added by Yuta Mori

import processing.funnel.*;

final int id = 5; // end device ID

final int kChannles = 3; // the number of channels to display

PrintWriter csvout; // 文字列を CSVテキスト出力ストリームに渡すための命令

Fio fio;

Scope[] scope;

void setup() {

size(340, 35+150*kChannles);

frameRate(30);

int[] moduleIDs = {id};

fio = new Fio(this, moduleIDs, Fio.FIRMATA);

scope = new Scope[kChannles];

for (int channel = 0; channel < kChannles; channel++) {

scope[channel] = new Scope(30, 35+150*channel, 200, 100, "A"+channel);

}

// 出力ファイル名を「日付時間.csv」とする。String y = str(year());

String mo = str(month());

String d = str(day());

String h = str(hour());

String mi = str(minute());

String s = str(second());

csvout = createWriter(y+mo+d+h+mi+s+".csv");

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}

void draw() {

background(0);

for (int channel = 0; channel < kChannles; channel++) {

scope[channel].updateAndDraw(fio.iomodule(id).analogPin(channel));

}

// センサが取得した値を記録するための変数と csvファイルへ一行ごとに記述させる処理

float vx = scope[0].getValueNow();

float vy = scope[1].getValueNow();

float vz = scope[2].getValueNow();

csvout.println(vx+","+vy+ ","+vz);

if (keyPressed) {

if (key == ’q’ || key == ’Q’) { // キーボードの Qキーでの命令csvout.flush(); // ストリームのフラッシュcsvout.close(); // ストリームを閉じるexit(); // プログラムの終了

}

}

}

class Scope {

private int l;

private int t;

private int h;

private float values[];

private int index = 0;

private int points = 200;

private String title;

Scope(int l, int t, int w, int h, String title) {

this.l = l;

this.t = t;

this.h = h;

this.points = w;

this.title = title;

values = new float[this.points];

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}

//  センサから得られた直後の値を返す処理public float getValueNow(){

return values[index];

}

public void updateAndDraw(Pin pin) {

values[index] = pin.value;

smooth();

textSize(12);

text(title, l - 24, t - 8);

text("1.0", l - 24, t + 8);

text("0.0", l - 24, t + h);

text("val: " + pin.value, l + points + 8, t + 8);

text("max: " + pin.maximum, l + points + 8, t + 20);

text("min: " + pin.minimum, l + points + 8, t + 32);

text("avg: " + pin.average, l + points + 8, t + 44);

// draw outlines

stroke(200);

noFill();

beginShape();

vertex(l - 1, t - 1);

vertex(l + points, t - 1);

vertex(l + points, t + h);

vertex(l - 1, t + h);

endShape(CLOSE);

// draw the signal

stroke(255);

beginShape();

for (int i = 1; i < points; i++) {

vertex(l + i, t + h - values[(index + i) % points] * (float)h);

}

endShape();

index = (index + 1) % points;

}

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}

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付録その2

// Printgraph.pde

// created by Yuta Mori

String data[];

float val[][];

void setup() {

String loadPath = selectInput(); // ファイルを入力するためのファイル選択ダイアログの出現。if (loadPath == null) {

println("ファイルが選択されていません。"); // ファイルが選択されていなかったら} else {

println(loadPath); // ファイルが選択されたら、ファイルパスを表示data = loadStrings(loadPath); // CSVテキストの読み込みval = new float[data.length][3]; // CSVテキストの行の長さを取得/* 注意:loadPathはあくまでファイルパスなので、loadStringsでファイルパスの

中身を参照 */

for (int i = 0; i < data.length; i++) {

String d[] = data[i].split(","); // テキスト中のコンマを除いて文字列配列に格納

for(int j = 0; j < d.length; j++){ // 行の長さのぶんだけ x, y, z軸の値を配列に落とし込む

val[i][j] = float(d[j]); // float型配列に変換}

size(data.length+25, 480); // グラフの x軸に読み取った値によって幅を変更。

}

}

}

void draw() {

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background(0);

stroke(255);

line(25, 0, 25, 480);

line(0, 151, val.length+25, 151);

line(0, 311, val.length+25, 311);

line(0, 471, val.length+25, 471);

fill(255);

text("x",7, 80);

text("y",7, 240);

text("z",7, 400);

stroke(255, 0, 0);

noFill();

beginShape();

for (int i = 0; i < val.length; i++) {

vertex(i, 150.0-val[i][0]*100.0); // 線グラフの描写:x軸}

endShape();

stroke(0, 255, 0);

noFill();

beginShape();

for (int i = 0; i < val.length; i++) {

vertex(i, 310.0-val[i][1]*100.0); // 線グラフの描写:y軸}

endShape();

stroke(0, 0, 255);

noFill();

beginShape();

for (int i = 0; i < val.length; i++) {

vertex(i, 470.0-val[i][2]*100.0); // 線グラフの描写:z軸}

endShape();

}

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図 目 次

1.1 東芝REGZA[2] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2

1.2 iPhone 3G[8]と iPhone 4S[7] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3

1.3 iPhone用のカメラに特化したジャケット [9] . . . . . . . . . . . . . . . . . 4

2.1 熟練者と初心者のハンドル操作の比較 [10] . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5

2.2 看護師へのセンサの装着例 [11] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6

2.3 調理の教育風景 [12] . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7

3.1 プリミティブ形状の機器 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8

3.2 無線通信のシステム図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9

3.3 3Dモデリングソフトによる設計 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

3.4 埋め込んだ機器と外装 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11

4.1 実験の環境(ユーザ視点) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

4.2 実験の環境(カメラ視点) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13

4.3 球体に触れるユーザ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14

4.4 円柱に触れるユーザ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14

4.5 立方体に触れるユーザ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

4.6 円錐に触れるユーザ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15

4.7 縦に振られた状態の一例 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16

4.8 球の回転状態の一例 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17

4.9 円錐の回転状態の一例 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17

5.1 展示会でのユーザの様子 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19

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表 目 次

4.1 機器の形状ごとの行動と連想したもの . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12

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