情報センター年報 - 産業能率大学...情報センター年報 第21 号 2013 - 1 - ISSN 1884-3131 情報センター年報 第23号 2015 産業能率大学 情報センター
大槌町における人的被害の特徴 速報 第 1 -...
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大槌町における人的被害の特徴(速報第1報) 静岡大学防災総合センター牛山研究室
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大槌町における人的被害の特徴(速報 第 1 報)
2012 年 8 月 27 日
静岡大学防災総合センター牛山研究室
1.はじめに
静岡大学防災総合センター牛山研究室では,東日本大震災にともなう人的被害(犠牲者)
に関する解析を進めている.今回,岩手県大槌町の犠牲者居住地に関する集計結果が得ら
れたので,速報として報告する.なお,今後集計結果は変化する可能性がある.主な結果
を要約すると以下の通りである.
○消防庁資料にもとづく他市町村との比較
・ 総務省消防庁資料によると,大槌町の死者・行方不明者数は 2012 年 1 月 13 日現在,
死者は 802 人,行方不明者 505 人,計 1307 人である.岩手・宮城・福島沿岸 37 市町
村中 4 番目に多い.浸水域人口に対する犠牲者率は 10.97%となり,37 市町村中 3 番目
に大きな値である.
・ 三陸地方では東日本大震災時の犠牲者率は明治三陸地震津波時の犠牲者率よりは低い
傾向にあるが,南三陸町以北では唯一,大槌町は東日本大震災時の犠牲者率の方が高く
なっている.
○大槌町資料にもとづく同町内の人的被害の特徴
・ 2012年 5月 21日現在で大槌町より提供を受けた,同町内の死者及び行方不明者のうち,
死亡が確定し届出があった者(災害関連死を除く)の計 1241 人を対象に集計.
・ 海岸沿いの主な集落のほとんどで,500m メッシュ当たり数十人規模の多くの犠牲者が
生じ,中心部では 500m メッシュ当たり 200 名以上の犠牲者が生じたところもあった.
・ 中心部付近において陸前高田市で見られたような犠牲者数 100 人以上のメッシュが 4
メッシュ確認され,最大 212 人だった.犠牲者率は 20%以上が 2 メッシュ,10%以上
は 12 メッシュ確認された.最大は中心部の末広町・新町付近と,小枕地区付近の 25%
だった.
・ おおむね海岸近くで人口密度が高く,平均津波浸水深が大きいメッシュで犠牲者率が高
いという,比較的単純な傾向が読み取れる.
・ 全般的に,陸前高田市と比べると,平均浸水深が小さいメッシュでも,犠牲者率が高く
なっている傾向が読み取れる.
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2.利用資料
2.1 広域資料
・市町村別の死者・行方不明者数:2012 年 1 月 13 日公表の消防庁資料
・死者個別の年齢,性別,大字程度までの住所:2012 年 2 月 6 日公表の警察庁資料
・津波浸水範囲・人口:国土地理院 2011 年 4 月 18 日公表「浸水範囲概況図」,「浸水範囲
の土地利用」,総務省統計局「浸水範囲概況にかかる人口・世帯数」(平成 22 年国勢調査人
口速報集計による)
・500m メッシュ人口:2005 年国勢調査
2.2 大槌町関係資料
・大槌町内の死者及び行方不明者のうち,死亡が確定し届出があった者(災害関連死を除く)
の居住地住所一覧:2012 年 5 月 21 日現在,計 1241 人.
・死者の居住地住所をもとに GIS(MANDARA)により位置情報(緯度経度)を付加.自動処理
のため,完全に正確な位置ではない.
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3.主な結果
3.1 広域資料にもとづく検討
(1)市町村別犠牲者数
東日本大震災による死者・行方不明者は北海道から神奈川県までの広い範囲で生じてい
る.2012 年 1 月 13 日公表の総務省消防庁資料をもとに集計すると,最も多いのは宮城県
で,岩手県,福島県がこれに続き,これら 3 県で全犠牲者の 99.6%を占める.被害の集中
した岩手,宮城,福島 3 県の人的被害は,海岸線を持つ市町村への集中が明瞭である.3
県内で海岸線を持つ市町村は 37 存在するが,岩手県洋野町を除く 36 市町村で犠牲者が生
じた.これら 37 市町村での死者は 16013 人,行方不明者 3215 人,計 19,228 人で,全体
の 99.3%となる.37 市町村毎の死者・行方不明者を棒グラフにすると図1になる.
2012 年 1 月 13 日公表の総務省消防庁資料にもとづくと,大槌町の死者は 802 人,行方
不明者 505 人,計 1307 人である.37 市町村中 4 番目に多く,死者・行方不明者 100 名以
上の市町村中では,行方不明者の比率が最も高い(38.64%).
図1 3 県沿岸部の市町村別死者・行方不明者数(消防庁資料)
0 1000 2000 3000 4000
岩手県宮古市岩手県大船渡市
岩手県久慈市岩手県陸前高田市
岩手県釜石市岩手県上閉伊郡大槌町岩手県下閉伊郡山田町岩手県下閉伊郡岩泉町
岩手県下閉伊郡田野畑村岩手県下閉伊郡普代村
岩手県九戸郡野田村岩手県九戸郡洋野町
宮城県仙台市宮城県石巻市宮城県塩竃市
宮城県気仙沼市宮城県名取市
宮城県多賀城市宮城県岩沼市
宮城県東松島市宮城県亘理郡亘理町宮城県亘理郡山元町宮城県宮城郡松島町
宮城県宮城郡七ケ浜町宮城県宮城郡利府町宮城県牡鹿郡女川町
宮城県本吉郡南三陸町福島県いわき市
福島県相馬市福島県南相馬市
福島県双葉郡広野町福島県双葉郡楢葉町福島県双葉郡富岡町福島県双葉郡大熊町福島県双葉郡双葉町福島県双葉郡浪江町福島県相馬郡新地町
死者・行方不明者数(人)
死者 行方不明者
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(2)浸水域人口に対する犠牲者率
消防庁資料による市町村別死者・行方不明者数と,総務省統計局が国土地理院公表の津
波浸水範囲と 2010 年国勢調査を用いて公表した津波浸水域内人口をもとに,市町村別死
者・行方不明者の比を計算すると図2となる.大槌町は 10.97%となり,37 市町村中 3 番
目に大きな値である.たとえば阪神・淡路大震災時の神戸市では関連死含む死者が 4573 名
であり,1990 年国勢調査の人口 1,477,410 名を分母とすれば,犠牲者率は 0.31%となる.
市町村単位での犠牲者率が 1%以上というのは,現代日本の自然災害による犠牲者率として
はきわめて大きな値である.
図2 浸水域人口に対する死者・行方不明者数の比
2.91%2.24%
0.06%11.13%
8.02%10.97%
6.73%0.62%
1.83%0.09%
1.20%0.00%
2.44%3.36%
0.17%3.40%
7.96%1.10%
2.27%3.27%
1.91%7.68%
0.05%0.82%
8.49%11.63%
6.09%1.07%
4.39%4.83%
0.22%1.43%
5.21%3.64%4.23%
5.48%2.44%
0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14%
岩手県宮古市岩手県大船渡市
岩手県久慈市岩手県陸前高田市
岩手県釜石市岩手県上閉伊郡大槌町岩手県下閉伊郡山田町岩手県下閉伊郡岩泉町
岩手県下閉伊郡田野畑村岩手県下閉伊郡普代村
岩手県九戸郡野田村岩手県九戸郡洋野町
宮城県仙台市宮城県石巻市宮城県塩竃市
宮城県気仙沼市宮城県名取市
宮城県多賀城市宮城県岩沼市
宮城県東松島市宮城県亘理郡亘理町宮城県亘理郡山元町宮城県宮城郡松島町
宮城県宮城郡七ケ浜町宮城県宮城郡利府町宮城県牡鹿郡女川町
宮城県本吉郡南三陸町福島県いわき市
福島県相馬市福島県南相馬市
福島県双葉郡広野町福島県双葉郡楢葉町福島県双葉郡富岡町福島県双葉郡大熊町福島県双葉郡双葉町福島県双葉郡浪江町福島県相馬郡新地町
死者・行方不明者数/浸水域人口 (%)
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(3)明治三陸地震津波との比較
1896年に三陸地方を襲った明治三陸地震津波(死者 21,959人)の人的被害と今回の被害の
比較を試みた.明治三陸地震津波の際の人的被害については,山下(2008)に収録の表(現行
の行政区単位に集計)を用いた.山下(2008)には「被害前人口」が収録されているので,こ
れを分母として犠牲者率を求めた.このデータは,明治三陸津波当時の沿岸町村のみであ
るので,これらを現行の行政区の範囲毎に合算しても,現市町村の範囲よりはかなり狭く
なる.そこで,比較対象は図2と同じ浸水域人口に対する犠牲者率を用いた.石巻市,女
川町,大槌町では東日本大震災に伴う値の方が高くなっているが,他の市町村では明治三
陸津波の際の犠牲者率の方が高い.また,明治三陸の際には犠牲者率が非常に高い市町村
が目立つ.東日本大震災のほうが,明治三陸津波に比べれば犠牲者が発生しにくい傾向が
あったと読み取れる.
大槌町においては,明治三陸地震津波時の犠牲者率 8.6%に対して,東日本大震災では
11.0%と,南三陸町以北では唯一,東日本大震災時の犠牲者率が,明治三陸地震津波時の犠
牲者率を上回っている.
図3 明治三陸津波と東日本大震災による市町村別犠牲者の人口に対する比
3.4%
0.0%
17.3%
15.1%
19.2%
26.5%
51.2%
8.6%
21.5%
17.0%
44.4%
43.9%
32.6%
11.1%
19.2%
6.0%
3.4%
11.6%
6.1%
3.4%
11.1%
2.2%
8.0%
11.0%
6.7%
2.9%
0.6%
1.8%
0.1%
0.1%
1.2%
0.0%
0% 20% 40% 60%
石巻市
女川町
南三陸町
気仙沼市
陸前高田市
大船渡市
釜石市
大槌町
山田町
宮古市
岩泉町
田野畑村
普代村
久慈市
野田村
洋野町
死者・行方不明者/人口
明治三陸津波
東日本大震災
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(4)年代構成
今回の災害では警察庁から「今回の災害でお亡くなりになり身元が確認された方々の一
覧表について」(以下「一覧表」)として,身元確認死者の氏名,年齢,性別,住所(大字程
度)が公表されている.ここでは,2012 年 2 月 6 日現在の「一覧表」(15,245 名)を用いて,
犠牲者の年代構成を 10 歳毎に集計し,2005 年国勢調査の値を元に岩手,宮城,福島の3
県の年代構成と比較した.すなわち,これは死者のみの集計であり,行方不明者は含まれ
ない.
3県の全犠牲者は,全人口と比較し 60 代以上の構成比が高く,50 代以下で低い.年齢不
明を含む全犠牲者のうち 70 歳以上は 45.5%(全人口では 16.2%),60 歳以上が 64.3%(同
28.1%)であり,高齢者への偏在が見られる.逆に,20 代以下の未成年は 9.0%と,全人口
(31.4%)に対し,犠牲者の構成比が大きく下回っている.
同じ資料をもとに大槌町の犠牲者年代構成を見ると,全犠牲者よりさらに高齢者への偏
在が見られる.70 歳以上 49.4%(全人口 20.6%),60 歳以上 70.3%(同 36.2%)となっている.
図4 東日本大震災における死者の年代構成
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
構成
比%
東日本大震災
3県犠牲者
3県人口
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
構成
比%
大槌町
犠牲者 人口
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3.2 大槌町関係資料による検討
(1)大槌町内の犠牲者発生場所
犠牲者の居住地住所をもとに,分布図を作成すると図5となる.なお,浸水域は国土地
理院公表の「津波浸水範囲土地利用メッシュ中心経緯度データ」を用いている.居住地住
所なので,地震発生時あるいは津波来襲時の所在地ではない可能性がある.浸水域外にも
犠牲者がプロットされているケースも少なくないが,これらは津波来襲時に浸水域内に所
在していたものと推測される.
被害は,大槌町中心部,吉里吉里地区,赤浜地区,安渡地区などで目立つ.海岸付近で
まとまった集落が存在するところではおおむね被害が大きくなっている状況である.ここ
では,犠牲者の年代を 65 歳以上・未満で色分けしているが,全域で高齢者の被害が目立っ
ており,特に明瞭な傾向(海岸から離れた場所で多いなど)は読み取れない.また,海岸線付
近に犠牲者がほとんど居ないように見える地帯が存在するが,いずれも定住人口がほとん
どない地帯であり,海岸付近で迅速な避難が行われたといった傾向は明瞭には読み取れな
い.
以下では,被害が特に大きかった陸前高田市の特徴と比較しつつ論述する.
図5 犠牲者居住地と津波浸水域の関係
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図5 500m メッシュごとの人口密度・犠牲者数(人)
図6 500m メッシュごとの人口密度・犠牲者率(%)
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500m メッシュ(3 次メッシュの 2 分の 1)ごとの人口密度(1km2当人口)と犠牲者数を重ね
たのが図5,人口密度と犠牲者率(メッシュ内犠牲者数/メッシュ内人口)を重ね合わせたの
が図6である.なお,人口が少ないメッシュでは少数の犠牲者数でも犠牲者率が極端に大
きくなりやすいことから,犠牲者率は人口 100 人以上かつ津波浸水域を含むメッシュにつ
いてのみ計算している.
海岸近くの人口密度の高いメッシュで犠牲者数,犠牲者率が高めになる傾向がある.大
槌町では,中心部付近において陸前高田市で見られたような犠牲者数 100 人以上のメッシ
ュが 4 メッシュ確認され,最大 212 人だった.ちなみに陸前高田市では 100 人以上が 4 メ
ッシュ,最大 186 人であり,メッシュ当たり犠牲者数で見ると陸前高田と同等もしくはよ
り大きくなっている.犠牲者率は 20%以上が 2 メッシュ,10%以上は 12 メッシュ確認され
た(陸前高田市では 20%以上が 6 メッシュ,10%以上が 12 メッシュ,最大 29%).犠牲者率
が最も高かったのは中心部の末広町・新町付近と,小枕地区付近の 25%だった.
(2)津波の規模と犠牲者の関係
津波の規模を表すデータとして,一般財団法人日本気象協会事業本部防災事業部の本間
基寛氏の計算による,津波シミュレーション結果を利用した.計算条件は下記の通りであ
る.
断層モデル:藤井・佐竹(2011)の Ver.4.2
支配方程式:非線形長波理論
差分スキーム:Staggered Leap-frog 法(後藤・小川、1982)
計算メッシュ:岩手県 10m(一部 20m、40m).宮城県 10m(一部 50m).沖合の波源域
から市街地周辺までをネスティング方式で接続.
構造物条件:「構造物あり」と設定し、津波越流(線流量 0.05 ㎡/s 以上)により構造物が破
損すると仮定
粗度係数:土地利用条件に応じて設定
潮位条件:T.P.+0.0m
計算結果は,まず 500m メッシュ(四次メッシュ)ごとの平均浸水深として集計した.集計
に当たっては,当該四次メッシュ内に含まれる浸水深が 0m より大の全データの合計値を,
浸水深が 0m より大となった計算メッシュ数で割った値を,当該四次メッシュの「平均津波
浸水深」とした.つまり,浸水面積を分母とした平均値であり,当該四次メッシュ内に非
浸水域が含まれる場合,その面積分は分母には含まれない.なお,四次メッシュ領域内に
異なるメッシュサイズの浸水深データが存在する場合は,全てのメッシュサイズのデータ
を 10m メッシュにリサンプル(内挿補間などの補正なし)し,その上で4次メッシュ領域
内の浸水深平均値を算出した.
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図7 500m メッシュ平均津波浸水深・人口密度・犠牲者率(図中の数値)
メッシュ平均津波浸水深と犠牲者率の分布を図7に示す.大槌町では,陸前高田市で多
く見られた平均津波浸水深 12m 以上に達するメッシュが存在せず,特に,人口密度の高い
地域の平均津波浸水深がおおむね 8m 以下と,陸前高田市と比べるとかなり小さくなってい
る.
被害の多かった地区では,おおむね海岸近くで,人口密度が高く,平均津波浸水深が大
きい(4m 以上)メッシュで犠牲者率が高いという,比較的単純な傾向が読み取れる.
メッシュ平均津波浸水深と犠牲者率の関係を図8に示す.陸前高田市と同様に,犠牲者
率の低いメッシュでは平均津波浸水深のばらつきが大きいが,犠牲者率の高いメッシュは
おおむね平均津波深さが大きくなっている.ただし,犠牲者率の高いメッシュは多くない
ので,その関係はあまり明瞭ではない.全般的には,陸前高田市に比べ,平均浸水深が小
さいメッシュでも,犠牲者率が高くなっている傾向が読み取れる.
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陸前高田市
大槌町
図8 500m メッシュ平均津波浸水深と犠牲者率の関係
0
2
4
6
8
10
12
14
16
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%
メッ
シュ
平均
津波
浸水
深m
犠牲者率 %
0
2
4
6
8
10
12
14
16
0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%
メッ
シュ
平均
津波
浸水
深m
犠牲者率 %
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図9 500m メッシュデータにもとづく津波浸水深別犠牲者率
500m メッシュのデータを平均浸水深 1m ごとに階級化し,犠牲者数と人口を階級ごとに
集計し,犠牲者率を求めた結果が図 9 である.大槌町では,ほぼすべての階級において犠
牲者率が 1%以上となっている.また,4m 以上の階級では,陸前高田市の犠牲者率を上回
っている.
2.6%2.0%2.0%1.5%2.8%
1.5%1.7%
6.5%
2.3%3.5%3.4%
12.3%
19.6%
16.0%
23.8%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
0m 1m 2m 3m 4m 5m 6m 7m 8m 9m 10m 11m 12m 13m 14m
犠牲
者率
平均津波浸水深
陸前高田
1.9%2.0%1.3%1.0%
4.9%
10.1%
4.1%
15.5%
13.2%
8.7%
0.0%0%
5%
10%
15%
20%
25%
0m 1m 2m 3m 4m 5m 6m 7m 8m 9m 10m 11m 12m 13m 14m
犠牲
者率
平均津波浸水深
大槌
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参考文献
警察庁:今回の災害でお亡くなりになり身元が確認された方々の一覧表について,
http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/mimoto/identity.htm,2012 年 2 月 6 日参照.
総務省統計局:浸水範囲概況にかかる人口・世帯数(平成 22 年国勢調査人口速報集計によ
る),http://www.stat.go.jp/info/shinsai/zuhyou/sinsui.xls,2011 年 6 月 14 日参照.
総務省消防庁:平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について(第 143
報),http://www.fdma.go.jp/bn/higaihou/pdf/jishin/143.pdf,2012 年 2 月 6 日参照.
山下文男:津波と防災 -三陸津波始末-,古今書院,2008.
藤井雄士郎・佐竹健治:2011 年 3 月 11 日東北地方太平洋沖地震の津波波源(暫定結果,V
er. 4.2 と Ver. 4.6),http://iisee.kenken.go.jp/staff/fujii/OffTohokuPacific2011/tsunami
_ja.html,2011(2012 年 7 月 10 日参照).
東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループ:東北地方太平洋沖地震津波合同調査グルー
プ統一データセット, http://www.coastal.jp/ttjt/,2012 年 3 月 27 日参照.
○本資料についての問い合わせ先
静岡大学防災総合センター 牛山研究室
牛山 素行 准教授
E-Mail [email protected](最も確実です)
Fax & Tel 054-238-4546
http://www.disaster-i.net/