質量分析...ぶんせき 217 3 試料導入量 ほとんどの分析機器と同様,質量分析計にも分析に供 する試料量には適量がある。適した試料量は,試料導入
地盤基礎工学...(3)圧密排水(CD)試験cd,φd...
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地盤基礎工学
土のせん断(復習)
2016. 4. 12
澁⾕ 啓
土のせん断
土のせん断現象の解明は,土圧,支持力,斜面の安定などの地盤工学の重要な問題に欠くことのできない課題
圧密問題とせん断問題
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個体間の摩擦
土が壊れる法則は,個体間の摩擦法則と類似
ブロックがまさにすべり出そうとするときのせん断応力τの大きさは,押さえつける応力σの大きさに比例する.
τ = σ · tan(Φμ)
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個体間の摩擦
( )f a
( )f b
0
( )f c ピーク強度=残留強度(完全塑性)
( )f a
( )f b
0
( )f c ピーク強度=残留強度(完全塑性)
静摩擦角
破壊包絡線
( )f a( )f b
( )f c
a b c0静摩擦角
破壊包絡線
( )f a( )f b
( )f c
a b c0
τ = σ · tan(ɸμ)
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砂の内部のせん断面での破壊則
砂の一面せん断挙動におよぼす鉛直応力の影響
押さえつける力が 0のとき( σ =0 ),せん断応力は 0( τ =0 ) ⇒ 粘着⼒は0 ( c=0 )
砂の摩擦
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クーロンの破壊規準
土粒子間に付着力がある場合には,
クーロンの破壊規準
クーロンの破壊規準 : τf = c + σf · tanɸ(c : 粘着力,ɸ : せん断抵抗角(内部摩擦角))
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主応力載荷型せん断における土要素の破壊
: せん断前の等方拘束圧
: 鉛直方向の軸差応力
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モール·クーロン(Mohr-coulomb)の破壊規準
破壊面上の点 Fの応力は,
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モール·クーロン(Mohr-coulomb)の破壊規準
破壊面上の点 Fの応力
クーロンの破壊規準式 τf = c + σf · tanɸ(c : 粘着力,ɸ : せん断抵抗角)
モール·クーロン(Mohr-coulomb)の破壊規準の式
代入
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間隙圧係数
実際問題では飽和土あるいは不飽和土が対象となる場合が多い.
全応力の変化に伴う土の間隙水圧の変化を知る必要がある.
非排水状態
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間隙圧係数 A, B乾燥 飽和
軸差応力の変化に対する過剰間隙水圧の発生率を表わす係数である.
間隙圧係数Bは,
間隙圧係数Aは,
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せん断試験
せん断試験の目的
地盤や土構造物の安定性を予測あるいは評価するために,原地盤のせん断強度を求めることにある.
せん断試験の種類
室内試験 :単純せん断試験,一面せん断試験,一軸圧縮試験,三軸圧縮試験等
現場試験 :原位置ベ-ンせん断試験,コ-ン貫入試験等
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せん断試験
, ' A
B
掘削
盛土
一面せん断試験 単純せん断試験 三軸圧縮試験
せん断破壊面
3' 1'
( 0, )i iE 0i 0i
プレロード
潜在的すべり面
, '
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主応力荷重型と直接せん断型試験
主応力荷重型と直接せん断型の変形モード14
一軸圧縮試験
一軸圧縮試験機 圧縮応力と圧縮ひずみ
拘束圧を試料に作用させないで行う圧縮試験
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一軸圧縮試験
一軸圧縮強度と割線変形係数E50
一軸圧縮強度:
割線変形係数:
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三軸圧縮試験
三軸試験装置
圧力をコントロールできるセル内に,供試体をセットする.
地盤内での全応力に相当するセル圧(=拘束圧)を加える.
軸圧を変化させて土を変形させ,土のせん断変形特性および強度を明らかにする.
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排水条件の影響
供試体の排水条件の違いによるせん断強度の解釈(1) 非圧密非排水(UU)試験 cu,φu
供試体からの排水をまったく許さない試験方法である.
(2) 圧密非排水(CU)試験 ccu,φcu
せん断中に間隙水圧を測定する場合(CU試験) c' ,φ'せん断する前に,圧密圧力を加えて供試体内から排水を行い,せん断中には排水させない試験方法である.
(3)圧密排水(CD)試験cd ,φd
せん断前にCU試験同様に十分圧密させ,さらにせん断中にも供試体中に間隙水圧を生じさせないように排水をしながら試験を行う方法である.
土の強さと硬さは,土粒子間に作用する有効応力の大きさに依存するため,せん断中に土供試体の排水を許すか許さないか(過剰間隙水圧⊿uの発生を許さないか許すか)により大きく異なる.
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非圧密非排水試験(UU試験)
非圧密(Unconsolidated)非排水(Undrained)試験
一軸圧縮試験のモール応力円
軟らかい飽和粘土では,含水比と有効応力の両方が変化しなければ強度は変わらない.理想的な比圧密非排水試験では,せん断強度は変化しない.
一軸圧縮試験は,原地盤の土要素が非排水状態でせん断されたときの非排水せん断強度cuを求める.
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鋭敏比
鋭敏比
乱さない土と練返した土の応力~ひずみ曲線土の状態図
(鋭敏比と液性指数の相関)
非圧密非排水(UU)三軸試験
排水を許さない状態で供試体に⊿σ3の側圧を加えた後に,圧縮せん断する試験をUU三軸試験という.
非圧密非排水試験(UU試験)のモール応力円
全応力のモールの応力円は加えた側圧の大きさによらず,一定となり,見かけ上のせん断抵抗角ɸがゼロとなる.
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ベーンせん断試験
ベーンせん断試験は,軟らかい粘土地盤の非排水せん断強度を求めるための直接せん断型の原位置試験である.
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全応力表示によるせん断強度定数
有効応力
全応力
cu=0, φcu=14̊
有効応力表示によるせん断強度定数
c’u=0, φ’=30̊
有効応力
全応力
非排水せん断強度cuは,
破壊時の間隙圧係数Af
Af① =113/116=0.97Af② =204/194=1.05Af③ =340/320=1.06
ここで,m : (非排水せん断)強度増加率
粘着力がない軟らかい粘土のは場合には,
圧密排水試験(CD 試験)
圧密した後に,排水状態でせん断する試験を圧密排水(CD)試験という.
[ cd=0, φd= 30̊ ]
[ c’=0, φ’=30̊ ]
土のせん断挙動の実際
土のせん断挙動は,排水条件,応力履歴,密度,せん断方向,初期せん断,せん断速度など実に様々な要因に影響される.
粘性土のせん断挙動に及ぼす応力履歴の影響
砂質土における密度の影響
粘性土の残留強度
ここでは,以下について考える.
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過圧密粘土のせん断挙動
② OCR=1
⑥ OCR=3.9
⑦ OCR=7.5
=0.32(=97/300)
=1.1(=82/77)
=1.7(=67/40)
②⑥⑦
②⑥⑦
=-22
過圧密粘土のせん断挙動
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砂質土における密度の影響
砂のせん断抵抗角と間隙比の関係
← 豊浦標準砂の試料を用いた室内せん断試験における間隙比~Φの関係である.CD三軸圧縮試験結果と一面せん断試験結果を比較している.
三軸圧縮試験のΦd > 一面せん断試験のΦd
砂試料の堆積面に対するせん断層の方向の違いによる異方性影響およびΦの定義の違いによるものである.ところで,非常にゆるい砂供試体のΦdは,砂を撒きこぼして静かに堆積させたときにできる斜面角(安息角と呼ぶ)にほぼ等しくなる.
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土の残留強度
土の残留強度と粘土含有率の関係
← ドーナツ状の試料に大きなせん断変位を与えるリングせん断試験から得られた,各種の土の残留状態でのせん断抵抗角ΦRと粘土合有率の関係である.
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地盤の安定問題
← 粘土地盤上に盛土を施工する場合,地表面に土を盛る速度がとても速く,粘土要素から水が抜ける間がなく,盛土が完成した直後から排水が徐々に始まると想定する.
← 正規圧密粘土地盤上の盛土の安定問題では,盛土完成直後における地盤のせん断破壊の危険性が最も高くなる.
←過圧密粘土地盤の盛土の安定問題では,盛土完成後から長い年月経ってからの方がせん断破壊の危険性が高い.
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