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地図帳活用はじめの一歩地図帳活用はじめの一歩...
Transcript of 地図帳活用はじめの一歩地図帳活用はじめの一歩...
~小学校4年生で身につける地図帳活用法 指導の手引き~~小学校4年生で身につける地図帳活用法 指導の手引き~
さくいん・記号・色(土地のようす、山の高さ)・きょり(縮尺)
地図帳 指導の手引きシリーズ 1
地図帳活用はじめの一歩
記号や色を見ると、土地のようすや、そこに住んでいる人たちのくらしがわかるね。
さくいんを使うと、知らない場所もかんたんに探せるね。
縮尺を使って計算すると、いろいろな場所のきょりがわかるね。
今日は「地図帳の使い方」の“コツ”を学習しましょう。
『地図帳 指導の手引きシリーズ』発刊のご案内
社会科の新しい学習指導要領において、地図帳の活用がより重視され、指導の一層の充実が求められています。 先生方におかれましては、移行期に入り、さまざまな取り組みをされていることと存じます。 地図帳にのっているさまざまな情報を読み取り、実際の学習場面で活かすには、地図帳活用のための基本的な“やくそくごと”を身につけ、そのうえで、日常的に地図帳を活用していく必要があります。弊社では、地図帳の指導には、以下の二つが重要であると考えております。
① 「地図帳活用のための基礎指導」 ② 各単元での地図帳活用
しかしながら、先生方からお話を伺うと、学校では、地図帳の指導や活用が必ずしも十分になされていない現状があるようです。 そこで、地図帳の指導内容を、具体的な指導案で示した『地図帳 指導の手引きシリーズ』を平成 23 年 1 月まで三号にわたり発刊いたします。 第一号の今回は、①の「地図帳活用のための基礎指導」の内容を紹介しています。指導案形式の「『地図帳の使い方』の“コツ”」と、指導内容をさらに詳しく紹介した「かんたん指導『地図のやくそくごと』」からなっています。 ②につきましては、本年 5月発刊予定の第二号にて第 4学年の「47 都道府県の名称と位置」の指導案を紹介いたします。さらに平成 23 年 1 月発刊予定の第三号にて、第 4・5・6年全体の単元別指導案を紹介いたします。 本シリーズが、先生方の地図指導ならびに子どもたちの地図活用のお役に立ちましたら幸いでございます。
も く じ
第4学年で「地図帳活用のための基礎指導」を行いましょう !! 1
第 4学年社会科の年間指導計画時案 ~「地図帳活用のための基礎指導」を実践する場合~ 3
第1部 「地図帳の使い方」の“コツ” 一時限のみで実践した場合の指導案 茨城県土浦市の学校で実践した例 4
二時限で実践した場合の指導案 茨城県土浦市の学校で実践した例 7
第2部 かんたん地図指導「地図のやくそくごと」 その1「さくいん」から場所を探す 12
その2「地図記号」を読む 18
その3「地図の色」からわかること 21
その4「きょり」をはかってみよう 26
1
帝国書院からの提案
第4学年で「地図帳活用のための基礎指導」を行いましょう !!
※特に第4学年の「都道府県の名称と位置」の学習では大いに地図帳が役立ちます。
※ 本書の第 1部では、実際の授業を想定し、先生と子どもたちのやりとりを掲載しています。2時間かけて丁寧に指導するのが理想ですが、1時間で効率よく指導する際の指導案も併記しています。 なお、本書では、茨城県土浦市の学校での実践を想定した指導案を掲載していますが、御校の所在地に置き換えてご指導ください。
・自ら地図帳を開き、必要な情報を読み取る力を身につけるためです。・ 社会科の各学年・各単元で、地図帳を活用しながら、考える力や表現 する力を育むためです。
1 「地図帳活用のための基礎指導」はなぜ、必要なのか?
2 「地図帳活用のための基礎指導」では、何を教えるのか?指導内容 身につく技能 役立つ単元(例)
地図帳活用のための
基礎指導
第 4 学年の「47都道府県の名称と位置」など第 5 学年の「わが国の国土」「世界の主な大陸と海洋、主な国の名称と位置」など第 6 学年の「わが国の歴史」など
さくいん
記号
色
縮尺
地名を探すことができる
土地のようすや人々のくらしがわかる
きょりがはかれる
「地図帳活用のための基礎指導」は、各学年、各単元の学習へとつながっていきます。
6年生になると
「地図帳活用のための基礎指導」を行うと
地図帳でみなさんが住んでいる市を探してみましょう
ごちゃごちゃしていて探しにくいです
では、さくいんを使って探してみましょう
見つかりました
壇ノ浦の戦いが起きた場所を探してみましょう
山口県と福岡県の間です
2
3 「地図帳活用のための基礎指導」はいつ行うのか?
・第4学年の社会科の最初の授業で行うのが最も効果的です。
年間指導計画に「地図帳活用のための基礎指導」を盛り込みましょう。
※第 4学年の 4月に、はじめて地図帳を手にした子どもたちは、強い興味・関心を持ちます。この時期に、「地図帳活用のための基礎指導」を行うのが最も効果的です。子どもたちにより強く印象づけをはかり、活用法を身につけさせることができるでしょう。その後の各単元での地図帳活用がスムーズになります。
4 「地図帳活用のための基礎指導」を行ううえで本書をどのように活用するのか?<本書の活用手順>
⒈ まず、第 1部 「地図帳の使い方」の“コツ”を通読してください。
⒉ もっと、詳しく知りたい指導内容について 参照 本書○○ページのマークで指定されているページをお開きください。
⒊ 第 2部 かんたん指導「地図のやくそくごと」にのっている具体的な指導法をご参照ください。
⒋ 第 2 部のページをコピーして第 1 部の関連ページに貼り合わせるとより活用しやすくなります。
3
第4学年社会科の年間指導計画時案~「地図帳活用のための基礎指導」を実践する場合~
■「地図帳活用のための基礎指導」を第4学年の導入で実践する場合月 単元 時数 地図帳活用の指導内容
4月 第4学年最初の社会科の授業 1~2 ・「地図帳活用のための基礎指導」 ( 本書第 1部 「地図帳の使い方」の“コツ”をご参照ください) 参照 本書4~11ページ
4~7月 地域の人々の健康な生活 28 ~ 29 ・ 毎時の授業 導入の 5分間で地図に親しむクイズやゲームを行う ( 第二号「地図帳でとらえる 47都道府県」に指導案を掲載します)
7~ 11 月 地域の人々が受け継いできた文化 25 ~ 26 ・ 毎時の授業 導入の5分間で地図に親しむクイズやゲームを行う ( 第二号「地図帳でとらえる 47都道府県」に指導案を掲載します)
11 ~ 3 月 わたしたちの県(都・道・府) 29 ~ 30 ・ 日本における自分たちの県の位置や県内の特色ある地域を地図帳からとらえる・ 「都道府県カルタ」や「都道府県ポスター」を活用し、47 都道府県の名称と位置を身につける ( 第二号「地図帳でとらえる 47都道府県」に指導案を掲載します)
■ 「地図帳活用のための基礎指導」を「わたしたちの県(都・道・府)」の単元の直前で実践する場合月 単元 時数 地図帳活用の指導内容
4~7月 地域の人々の健康な生活 28 ~ 29
7~ 11 月 地域の人々が受け継いできた文化 25 ~ 26
11月 わたしたちの県(都・道・府)の単元の直前
1~2 ・「地図帳活用のための基礎指導」 ( 本書第 1部 「地図帳の使い方」の“コツ”をご参照ください) 参照 本書4~11ページ
11 ~ 3 月 わたしたちの県(都・道・府) 29 ~ 30 ・ 日本における自分たちの県の位置や県内の特色ある地域を地図帳からとらえる・ 「都道府県カルタ」や「都道府県ポスター」を活用し、47 都道府県の名称と位置を身につける ( 第二号「地図帳でとらえる 47都道府県」に指導案を掲載します)
4
指導時期▶ 小学校第 4学年の社会科の一時限目もしくは、「わたしたちの県(都・道・府)」の単元の直前
ね ら い▶ ①地図帳に興味を持ち、慣れ親しむ ② 地図帳の見方・使い方・活用の仕方を
身につける
使用教材▶ 小学校用地図帳 赤えんぴつ
指 導 者▶ T 1
ねらいを達成するための留意点▶① 身近な地域事例を出発点として、地図帳の構成を大まかにとらえさせる② 身近で具体的な事実をもとに、“コツ・ウラワザ”的な発想で関心意欲を引き出し、地図の“やくそくごと”に迫る③ 子どもの手の届く作業を入れ、操作的な思考力を活用させる
指導者T1授業の展開(45分)
「地図帳の使い方」の“コツ”一時限のみで実践した場合の指導案茨城県土浦市の学校で実践した例
第1部
段階 指導内容 T1の話(○○) 主発問(◎◎) 予想される反応(☆☆) 指導上の留意点
導入3分
地図を自由に見よう
○これからみなさんに地図帳を配ります。ページを開いて、3分ほど自由に見てみましょう。
☆(自由に閲覧)◎地図帳にはどのようなものがのっていましたか。☆地図です!◎そうですね。では、どのような地図がのっていましたか。☆日本や外国の地図がのっていました。☆いろいろな地図がのっていて、よくわかりませんでした。○なるほど。確かにいろいろな地図がのっていましたね。では今日は地図帳を上手に使えるようになるための“コツ”を学習しましょう。
どんな“コツ”があるのかな。
左記の問いかけは、小学校第 4学年の社会科一時限目で指導した場合を想定している。
地図を活用するための「方法」「手立て」「手掛かり」を“コツ”という言葉で子どもたちに伝える。
展開❶7分
自分の県を探そう
◎まず、自分が住んでいる県を探してみましょう。みなさんが住んでいる県は何県ですか。
☆茨城県です。◎正解です。地図帳の 1 ~ 3 ページ を開きましょう。大きい方の日本地図から茨城県を探して○をつけましょう。☆できました。◎次の質問です。みなさんが住んでいる市は何市ですか。☆土浦市です。
◎この地図に土浦市はのっていますか。☆のっていません。
ほとんどの児童が正答できる問いから導入する。ページ番号は地図帳の上部に記載されていることにもふれる。
探した地名は必ず○をつけさせる。地図帳をきれいなままにはしない。
板書❶
5
○そうですね。実はこの地図には、日本にある 47 の都道府県の名前とそれぞれの都道府県庁のある都市がのっているのです。
土浦市を探すには、茨城県がある関東地方のくわしい地図を見なければなりません。
関東地方は何ページにのっていますか。探してください。☆ 35~ 36ページです。
「都道府県庁」という言葉の意味を丁寧に説明する。
「都道府県の区分」の地図にのっている地方名に併記されているページ数に気づかせる。
展開❷22分
番地とさくいんを使って地名を探そう
◎そうです。 35 ~ 36 ページ ですね。「関東地方」の地図から土浦市を探して、○をつけましょう。 参照 本書13ページ
☆見つけました。☆まだ、見つかりません○今みなさんはがんばって土浦市を探しました。少し時間がかかってしまいましたね。では、これから「地図帳の使い方の“コツ”① 地名の探し方」を学習しましょう。
では、地名を探すための手掛かりを見つけましょう。地図帳をよく見ると、細い青い線が、たてとよこに何本も引かれています。地図には青い線で囲まれた小さな四角いマス目がたくさんが並んでいます。そしてその一つ一つのマス目には番地があるのです。みなさんの家の住所に番地があるのと同じなのです。 参照 本書14ページ
○では、この地図の番地は、どのようにつけられるのでしょうか。地図帳の上と下に青い記号がのっていて中にカタカナ、右と左に赤い記号がのっていて中に数字が書いてあるのがわかりますか。このカタカナと数字の組み合わせで番地が決まります。例えば、カタカナの「ウ」と数字の「4」がぶつかるマスの番地は「ウの 4」といいます。
参照 本書15ページ
机間指導を丁寧に行い、全員に○をつけさせる。
指でなぞる、本数をかぞえさせるなど、確実に青い線(緯線・経線)を認識させる。この段階で緯線・経線という用語を教えこむ必要はない。
黒板に地図帳と同じようにマス目を板書して説明する。
◎では、土浦市が何番地のマスに入っているのか調べてみましょう。☆オの5です。○正解です。さらに土浦市は 36 ページにのっているので、「オの 5」の前に 36 をつけます。土浦市の番地は「36 オ 5」、36 ページのオの 5番地の中にあることを表しています。
○続いて、 66 ページ を開いてみましょう。ここからさくいんページが始まります。みなさん、国語辞典は言葉がどういう順番で並んでいるか覚えていますか。☆あいうえお順です。○そうです。あいうえお順、50 音順です。地図帳のさくいんページも50音順で地図の中に出てくるおもな地名が並んでいます。
参照 本書16ページ
児童各自が探した後、全員で、地図上を指でたどりながら確認する。
さくいんに出てくる地名は都道府県と市が中心。町・村は指導書の総さくいんをご参照ください。
板書❷
一時限のみでの指導案
6
◎では、このさくいんページの中から「つちうら」を探して○をつけましょう。まずは、「つ」がのっているページを探しましょう。
☆ありました!◎「つちうら」の右側にはどんな番地が書かれていますか?☆「36オ 5」です。○そうです。先ほどみなさんが地図で探した土浦市の番地と、後ろのさくいんページで探した土浦市の番地はどちらも「36 オ 5」、一緒なのです。 地図帳で知らない場所を探したいとき、いきなり地図を開くと探すのに時間がかかってしまいます。先にさくいんページで番地を確認してから地図を見るようにすると、早くかんたんに場所が探せるようになります。これが「地図帳の使い方の“コツ”① 番地とさくいんを使った地名の探し方」です。
○それでは、これから地名探しの練習をやります。今から言う地名をさくいんで調べてから地図で探してみましょう。
さくいんを指導してから地図で確認させるのではなく、地図で地名を探してからさくいんの指導につなげた方が子どもの気づきが大きくなる。「こばやし」「みうら」《人名》や「かすかべ」「なると」《アニメ関連》などを探させると子どもたちの関心をより高められる。この指導案では、水戸市と北茨城市を探させる。
展開❸10分
記号のなぞ
◎では、次は「地図帳の使い方の“コツ”② 記号の読み方」を学習しましょう。 今、探した土浦市には 、水戸市には 、北茨城市には の記号がついていますね。この記号がついている場所には、ある建物が建っています。どんな建物だと思いますか。
☆市役所だと思います。☆駅だと思います。◎実は市役所なのです。では、なぜ、同じ市役所なのに違う種類の記号が使われているのでしょうか。 参照 本書19ページ
☆市役所の建物の大きさだと思います。☆市の大きさだと思います。○ヒントは地図帳の 7 ページ の左上です。☆わかりました! 人口の違いです。☆赤い記号は「都・道・府・県庁のある都市」と書かれています。○そうです。市の記号は、人口によって形が異なり、特に都道府県庁のある都市は赤色で表されています。地図では、土浦市は「土浦」、水戸市は「水戸」と書かれているけれど、 7 ページ を見れば町や村ではなく、市だとわかるのです。
○記号の“コツ”で大事なことは、意味を全て暗記するのではなく、7ページを見れば記号の意味が調べられるということを知っておくことです。意味がわからない記号も調べながら見ていくと、いろいろな発見ができるようになります。これが、「地図帳の使い方の“コツ”② 記号の読み方」です。 参照 本書20ページ
全員が記号の存在を把握していることを机間指導で確認する。
児童の意見を丁寧にくみ取る。
地図記号の説明(凡はん
例れい
)ページをしっかり認知させる。
まとめ
3分
○今日は地図を使う時に大事な“コツ”を 2つ(さくいん、記号)学習しました。これからの社会科の授業で何度も使います。他にもいくつか“コツ”がありますので、これからの授業で学習していきましょう。地図帳は忘れずに持ってきましょう。
板書❸
一時限のみでの指導案
7
指導時期▶ 第4学年の社会科の一、二時限目もしくは「わたしたちの県(都・道・府)」の単元の直前
ね ら い▶ ① 地図帳に興味を持ち、慣れ親しむ ② 地図帳の見方・使い方・活用の仕方を
身につける
使用教材▶ 小学校用地図帳 赤えんぴつ
指 導 者▶ T 1
ねらいを達成するための留意点▶① 身近な地域事例を出発点として、地図帳の構成を大まかにとらえさせる② 身近で具体的な事実をもとに、“コツ・ウラワザ”的な発想で関心意欲を引き出し、地図の“やくそくごと”に迫る③ 子どもの手の届く作業を入れ、操作的な思考力を活用させる
指導者T1一時限目 授業の展開(45分)
「地図帳の使い方」の“コツ”二時限で実践した場合の指導案茨城県土浦市の学校で実践した例
第1部
段階 指導内容 T1の話(○○) 主発問(◎◎) 予想される反応(☆☆) 指導上の留意点
導入5分
地図を自由に見よう
○これからみなさんに地図帳を配ります。ページを開いて、5分ほど自由に見てください。
☆(自由に閲覧) ◎地図帳にはどのようなものがのっていましたか。☆地図です!◎そうですね。では、どのような地図がのっていましたか。☆日本や外国の地図がのっていました。☆いろいろな地図がのっていて、よくわかりませんでした。○なるほど。確かにいろいろな地図がのっていましたね。では今日は地図帳を上手に使えるようになるための“コツ”を学習しましょう。
どんな“コツ”があるのかな。
左記の問いかけは、小学校第 4学年の社会科一時限目で指導した場合を想定している。
地図を活用するための「方法」「手立て」「手掛かり」を“コツ”という言葉で子どもたちに伝える。
展開❶15分
自分の県を探そう
◎では、ひとつ課題を決めて、地図帳を見てみましょう。みなさんが住んでいる県を探しましょう。みなさんが住んでいる県は何県ですか。
☆茨城県です。
○正解です。この地図帳には「茨城県」がのっているページがたくさんあります。ノートにページを書いてください。5(~ 10)分間でやってみましょう。☆(地図帳を読図)◎茨城県がのっているページを発表しましょう。☆ 1~ 2ページです。(都道府県の区分)☆ 16~ 19ページです。(日本列島を見わたす地図)
ほとんどの児童が正答できる問いから導入する。ページ番号は地図帳の上部に記載されていることにもふれる。
机上指導を丁寧に行い、児童の理解度に応じて、探す時間は調節する。
板書❶
二時限での指導案
8
☆ 35~ 36ページです。(関東地方の地図)☆ 37~ 38ページです。(東京都とそのまわりのくわしい地図)○なるほど、茨城県がのっている地図はたくさんありましたね。 では、みなさんの住んでいる市はどうでしょうか。
展開❷22分
番地とさくいんを使って地名を探そう
◎みなさんの住んでいる市はどこですか。
☆土浦市です。◎では、先ほど探したなかから土浦市がのっている地図を探してみましょう。「都道府県の区分」に土浦市はのっていますか。
☆のっていません。○そうですね。実はこの地図には、日本にある 47 の都道府県の名前とそれぞれの都道府県庁のある都市の名前がのっているのです。
◎では、「日本列島を見わたす地図」には、土浦市はのっていますか。見つかったら○をつけましょう。 参照 本書13ページ
☆のっています。◎そうですね。では、「関東地方の地図」には、土浦市はのっていますか。見つかったら○をつけましょう。☆地名が多すぎてよくわかりません。☆見つけました。◎「日本列島を見わたす地図」はのっている地名の数が少ないので、すぐに土浦市を見つけられたけれど、「関東地方の地図」は地名が多いので探すのが大変ですね。もっとかんたんに探せるように、これから「地図帳の使い方の“コツ”① 地名の探し方」を学習します。 では、地名を探すための手掛かりを見つけましょう。地図帳をよく見ると、細い青い線が、たてとよこに何本も引かれています。地図には青い線で囲まれた小さな四角いマス目が並んでいます。そして一つ一つのマス目には番地があるのです。みなさんの家の住所に番地があるのと同じなのです。 参照 本書14ページ
○では、この地図の番地は、どのようにつけられるのでしょうか。地図帳の上と下に青い記号がのっていて中にカタカナ、右と左に赤い記号がのっていて中に数字が書いてあるのがわかりますか。このカタカナと数字の組み合わせで番地が決まります。例えば、カタカナの「ウ」と数字の「4」がぶつかるマスの番地は「ウの4」といいます。
参照 本書15ページ
「都道府県庁」という言葉の意味を丁寧に説明する。
机間指導を丁寧に行い、全員に○をつけさせる。
指でなぞる。本数をかぞえさせるなど、確実に青い線(緯線・経線)を認識させる。この段階で緯線・経線という用語を教えこむ必要はない。
黒板に地図帳と同じようにマス目を板書して説明する。
板書❷
板書❸
9
◎では、土浦市が何番目のマスに入っているのか調べてみましょう。☆オの5です。○正解です。さらに土浦市は 36 ページにのっているので、「オの 5」の前に 36 をつけます。土浦市の番地は「36 オ5」、36 ページのオの 5番地の中にあることを表しています。
○続いて、 66 ページ を開いてみましょう。ここからさくいんのページが始まります。みなさん、国語辞典は言葉がどういう順番で並んでいるか覚えていますか。
☆あいうえお順です。○そうです。あいうえお順、50 音順です。地図帳のさくいんのページも 50音順で地図の中に出てくるおもな地名が並んでいます。
参照 本書16ページ
◎では、このさくいんのページの中から「つちうら」を探して○をつけてください。
☆ありました!◎では、探した「つちうら」の右側にはどんな番地が書かれていますか。☆「36オ 5」です。○そうです。先ほどみなさんが地図で探した土浦市の番地と、後ろのさくいんページで探した土浦市の番地はどちらも「36 オ 5」、一緒なのです。
地図帳で知らない場所を探したいとき、いきなり地図を開くと探すのに時間がかかってしまいます。先にさくいんページで番地を確認してから地図を見るようにすると、早くかんたんに場所が探せるようになります。これが「地図帳の使い方の“コツ”① 番地とさくいんを使った地名の探し方」です。
○それではこれから地名探しの練習をやります。今からいう地名をさくいんで調べてから地図で探してみましょう。
児童各自が探した後、全員で、地図上を指でたどりながら確認する。
さくいんに出てくる地名は都道府県と市が中心。町・村は指導書の総さくいんをご参照ください。
さくいんを指導してから地図で確認するのではなく、地図で地名を探してからさくいんの指導につなげた方が子どもの気づきが大きくなる。「こばやし」「みうら」《人名》や「かすかべ」「なると」《アニメ関連》などを探させると子どもたちの関心をより高められる。この指導案では、茨城県の水戸市と北茨城市を探させる。
二限目への布石3分
◎では、次は「地図帳の使い方の“コツ”② 記号の読み方」を学習しましょう。今、探した土浦市には 、水戸市には 、北茨城市には の記号がついていますね。この記号がついている場所にはある建物
が建っています。どんな建物か次の授業までに予想しましょう。
全ての児童が都市記号を把握していることを確認する。
板書❹
二時限での指導案
10
指導者T1二時限目 授業の展開(45分)
段階 指導内容 T1の話(○○) 主発問(◎◎) 予想される反応(☆☆) 指導上の留意点
展開❶10分
記号のなぞ
◎今日は「地図帳の使い方の“コツ”② 記号の読み方」を学習します。前回は、「地図帳の使い方の“コツ”① 地名の探し方」を使って三つの地名を探しましたね。それぞれの地名には記号がついていて、その場所にはある建物が建っているというところまで学習しました。さて、どんな建物だと思いますか。
☆市役所だと思います。☆駅だと思います。◎実は市役所なのです。では、なぜ、同じ市役所なのに違う種類の記号が使われているのでしょう。 参照 本書19ページ
☆市役所の建物の大きさだと思います。☆市の大きさだと思います。○ヒントは地図帳の 7 ページ の左上です。☆わかりました! 人口の違いです。☆赤い記号は「都・道・府・県庁のある都市」と書かれています。○そうです。市の記号は、人口によって形が異なり、特に都道府県庁のある都市は赤色で表されています。地図では、土浦市は「土浦」、水戸市は「水戸」と書かれているけれど、 7 ページ を見れば町や村ではなく、市だとわかるのです。
○記号の“コツ”で大事なことは、意味を全て暗記するのではなく、7ページを見れば記号の意味が調べられるということを知っておくということです。意味がわからない記号も調べながら見ていくと、いろいろな発見ができるようになります。これが、「地図帳の使い方の“コツ”② 記号の読み方」です。 参照 本書20ページ
全員が記号の存在を把握しているか、改めて確認する。
児童の意見を丁寧にくみ取る。
地図記号の説明(凡はん
例れい
)ページをしっかり認知させる。
展開❶20分
地図の色に注目しよう
◎それでは、次に「地図の使い方の“コツ”③ 土地のようすの調べ方」を学習しましょう。35 ~ 36 ページの土浦市の市役所のまわりの色を見てください。何色になっていますか。
☆黄色です。◎なぜ、黄色なのでしょう。☆街があるところですか。☆市街地だからです。◎なぜ、市街地だと思いましたか。☆ 36ページの右はしを見ました。○そうですね。36 カ 5 のマスの中に「色の説明」があります。黄色のところは市街地ですね。市街地とは建物がたくさん建っているところです。みなさん、市役所のまわりの景色を思い浮かべてみましょう。
参照 本書22~23ページ
◎では、土浦市の市役所から北に1㎝ほど行ったところ、「かすみがうら」と書かれているあたりは何色になっていますか。北がわからない時は、36 オ 8 にある「方位記号」を見ましょう。☆ピンク色です。 ☆果樹園です。○正解です。地図帳にはみなさんの行ったことのない場所や街がたくさんのっていますが、地図でその場所の色を見ればどんな風景なのか、その土地をイメージすることができます。これが、「地図帳の使い方の“コツ”③ 土地のようすの調べ方」です。
土浦市の略地図を板書し、色・土地のようすを記しながら説明する。 参照 本書22ページ
地図帳の色と子どもの直接体験をリンクさせることが大事。例えば、教室の窓から見える景色は地図帳ではどんな色で表されるか考えさせる。
スムーズに探せない児童にはコツ①を思い出すよう指導する。
板書❹
11
○もう一つ、色からわかることがあります。32 カ 6 のマスに日本一高い山、富士山があるので探してみましょう。
☆ありました。◎富士山の高さはどのくらいか知っていますか?☆ 3,776mです。地図帳にも書いてあります。◎では、富士山の山頂、赤い三角の記号のまわりの色は何色ですか?☆むらさき色です。 ☆ 1,400 mより高いところです。◎では、むらさき色のそのまわりの色は何色ですか?☆茶色です。 ☆ 600mより高いところです。参照 本書24ページ
○そうです。地図帳の色からは土地のようすの他に山の高さもわかるようになっているのです。筑波山で確かめてください。
黒板に富士山の絵(断面図)を板書し、着色しながら説明する。
展開❸12分
きょりをはかろう
○では、いよいよ最後のコツ「地図帳の使い方の“コツ”④ きょりのはかり方」です。
◎みなさんが住んでいる関東地方はすごく広いのに、この「関東地方の地図」は机の上にのる大きさしかありませんね。なぜ、こんなに小さいのでしょう。
☆大きすぎて地図帳にのせきれないからです。○そうです。この地図は本物の関東地方を縮めたものなのです。どのくらい縮めたのかは、36 カ 7 を見るとわかります。(100 万分の 1)と書いてありますね。この数字を縮尺といいます。
◎土浦市と水戸市の市役所のきょりをはかってみましょう。「関東地方の地図」のタイトルの下の方を見てみましょう。地図上の 1 ㎝は何㎞と書いてありますか。
☆ 10 kmです。◎では、土浦市と水戸市の記号の間を定規ではかってみましょう。☆ 4cmです。 参照 本書27ページ
◎そうですね。地図上で 4 cm ということは、本当のきょりは何㎞になりますか。
☆ 1 ㎝が 10 ㎞だから、4 ㎝だと 10に 4をかけて、40 ㎞です。○そうですね。このように計算すれば、地図で本当のきょりがはかれるのです。これが、「地図帳の使い方の“コツ”④ きょりのはかり方」です。 参照 本書28ページ
3 年生までに使っていた学校区や市町村の地図などを思い浮かべさせて、地図は実際の地域を縮めたものであることを理解させる。
算数の学習内容が社会科にも活かせることを印象づける。
まとめ3分
○2時間かけて地図帳の使い方の“コツ”を 4つ勉強しました。これからの社会科の授業で何度も使います。地図帳は忘れずに持ってきましょう。
板書❺ 二時限での指導案
12
かんたん指導「地図のやくそくごと」
その1 「さくいん」から場所を探す第2部
◎あつぎ 厚木[神奈川]……36ウ 7
地図帳66ページからは、おもな地名のさくいんページになります。
おもな地名は、国語辞典と同じように 50音順で並んでいます。調べたい地名をさくいんからすぐに探すことができます。
さくいん記号といって、何ページのどこを見るとその地名が出ているのかを表しています。
36= 36ページウ=たてのウの列7=よこの7の行
36ページの、ウと7が交わるマス目(ウの7番地)の中に「厚木」はあります。
どこにあるのか知らない地名、場所を探すときに、「さくいん」を使うと早く確実に探すことができます。
36ウ736ウ736ウ736ウ736ウ7
13
STEP①まずは、さくいんを使わず地名の早探しを行いましょう。ページを指定し、その中に出てくる地名を出題し、みんなで探します。探せた人は、地名に赤えんぴつなどで○をつけるようにします。早く探せる人とそうでない人が出てきます。
見つけた人から席を立たせる、一番の人に次の問題の発言権を与えるなど、子どもの競争心を引き出すと集中して取り組めます。
ワンポイント解説「さくいん」の指導手順
先生、見つかったよ!でも探すのに時間がかかってたいへんだったよ。
このページの中から「土浦」を探して○をつけましょう。ヒントは、茨城県、近くに大きな湖があります・・・
さくいん
14
STEP②実は誰もが目当てをもって、かんたんに場所を探せる方法があると前置きし、地図上に引かれている青い線(緯線・経線)を見つけさせます。
緯線・経線は、細い線で見つけづらいので、指でたどる、線の本数をかぞえさせる、定規で線を引かせるなど、まずはしっかりこの青い線を認知させる指導が大切になります。
ワンポイント解説
青い線が見つけられない人は、海の上を見てみましょう。たてとよこに引かれている青い線が見えるはずです。
板書
青い線がどのように引かれているのか、板書しながら子どもたちと確認するとよいでしょう。
ワンポイント解説
STEP③青い線が確認できたら、青い線でできた四角のマス目に気づかせます。
最初はわからなかったけど、指でたどっていったら見えてきたよ。海の上だけでなく、陸地の部分にもちゃんと線が引かれているんだね。
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STEP④青い線でできた四角のマス目それぞれに、番地があることを説明し、ページの端に書いてあるさくいん記号を探させます。地図の上下には青いカタカナの記号が、左右には赤い数字の記号がついています。
STEP⑤さくいん記号のカタカナと数字の組み合わせで、マス目一つ一つの番地が決まることを話し、番地の表し方を説明していきます。
例題を出して理解できたかを確認します。
STEP⑥番地の表し方がわかったら、最初に調べた「土浦」が、どのマス目に入っているのかを確認します。
板書
「土浦」はここだから、えーと、「オ」の「5」、36 ページのオの5番地の中に「土浦」は出てきます。
マス目の番地の見方は、かけ算の九九と同じです。
例えばこのマス目は、カタカナの「ウ」と数字の「4」が交わるところにあるので、「ウ4(ウの4番地)」と表します。
これにページ番号を一番前につけて、「35ウ4(35ページのウの4番地)」と表します。
35ページ、ウの4番地
35ウ435ウ4
さくいん
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STEP⑦66ページを開き、ここからさくいんページが始まることを伝えます。50音順で地図に出てくるおもな地名が並んでいます。この中から「土浦」を探し、赤えんぴつなどで○をつけるようにします。
「土浦」を探すときは、まず「つ」の見出しを探し、その中から探すようにします。「つ」は 69 ページに出てきます。
先生、「土浦」に○をつけたよ。「土浦」の右側に「36オ5」って書いてあったよ。地図帳の番地と同じだね。
すごい、これを使えば知らない場所もかんたんに見つけられるね。これは場所を探すウラワザだね。
実は、地図帳で探した「土浦」の番地と、さくいんで調べた「土浦」の番地は同じなのです。
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子どもたちが喜ぶ、おもしろ地名一覧
先生や友だちの名字と同じ市明石(兵庫県)・・・・28イ5 飯田(長野県)・・・・32エ5 飯塚(福岡県)・・・・21エ2
池田(大阪府)・・・・28ウ5 和泉(大阪府)・・・・28ウ6 市川(千葉県)・・・・36エ6
上田(長野県)・・・・31オ4 大崎(宮城県)・・・・41エ7 太おお
田た
(群馬県)・・・・36ウ5
大おお
田だ
(島根県)・・・・23エ2 大野(福井県)・・・・27オ3 大村(長崎県)・・・・21イ4
小野(兵庫県)・・・・28イ5 小お
山やま
(栃木)・・・・・36エ5 春日(福岡県)・・・・21ウ2
川西(兵庫県)・・・・28ウ5 菊池(熊本県)・・・・21エ4 古賀(福岡県)・・・・21ウ2
小林(宮崎県)・・・・22エ5~6 桜井(奈良県)・・・・28エ5 佐野(栃木県)・・・・36エ5
島田(静岡県)・・・・32オ7 下田(静岡県)・・・・32カ7 諏訪(長野県)・・・・32オ4
高島(滋賀県)・・・・27オ4 高たか
梁はし
(岡山県)・・・・24キ3 高松(香川県)・・・・26カ2
高山(岐阜県)・・・・31ウ4 竹たけ
田た
(大分県)・・・・21オ4 田辺(和歌山県)・・・28ウ7
田村(福島県)・・・・35カ3 野田(千葉県)・・・・36エ6 橋本(和歌山県)・・・28エ6
浜田(島根県)・・・・23エ3 藤沢(神奈川県)・・・36ウ~エ7 松本(長野県)・・・・31エ4
三浦(神奈川県)・・・36エ7 村上(新潟県)・・・・10オ2 吉川(埼玉県)・・・・38カ3
テレビアニメ、マンガ春かす
日か
部べ
(埼玉県、クレヨンしんちゃんの舞台)・・・・36エ6
湖こ
南なん
(滋賀県、マンガ「名探偵コナン」と同じ)・・・27オ4~5
鳴なる
門と
(徳島県、マンガ「ナルト」と同じ)・・・・・・26キ2
動物・植物可か
児に
(岐阜県)・・・・32ウ6
さくら(栃木県)・・・35エ4
佐倉(千葉県)・・・・36オ6
燕つばめ
(新潟県)・・・・・9エ3
蕨わらび
(埼玉県)・・・・・37オ3
STEP⑧知らない場所をいきなり地図から探そうとすると時間がかかるけれども、先にさくいんでどこに出てくるのかを調べて見当をつけてから探すことで、確実に早く探せることを伝えます。
慣れてきたら、ずいぶん早く探せるようになったよ。地図帳って便利だね。
「知らない場所を確実に探せるようになる」、これが地図帳を活用できるようになる大きな一歩になります。
地図帳のさくいんは、市までは全てのせていますが、町・村や細かい地名についてはのせていません。先に番地を板書し、それをもとに場所探しをしてもよいでしょう。なお、地図帳の指導書には全ての地名をのせた総さくいんがあります。
ワンポイント解説
さくいんを使った地名探しをくり返し行うことで、技能の定着がはかれます。
ワンポイント解説
さくいん
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かんたん指導「地図のやくそくごと」
その2 「地図記号」を読む第2部
地図帳7ページの左側には、この地図帳に出てくる地図記号の意味がまとめて書いてあります(地域の特産品などの特殊な記号は地図上に絵記号と名前がのっています)。記号を見ることで、その地域の産業や特産物がわかり、地域のイメージがふくらみます。
地図では、産業や交通のようすなどを地図記号で表しているので、どこにどのようなものがあるのかを知ることができます。
地図を見るときは、地図記号の意味を調べながら見ていくことが大切です。
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STEP①自分の県が大きく出ているページを開きます。自分たちの市町村を探し、赤えんぴつなどで○をつけます。
「地図記号」の指導手順
STEP②自分たちの市町村の記号を確認します。
市町村記号は、市町村の役所・役場があるところに書かれています。
STEP③自分たちの県内のいくつかの市を探し、同じように記号も確認します。
STEP④同じ「市」の記号なのに、色や形が違うことに気づかせ、この違いは何を表しているのかを考えさせます。
地図帳でも方位を意識させましょう。「土浦から見て水戸の方位は?」と発問します。
ワンポイント解説板書
なぜ、市の記号にはこんなに種類があるのだろう?
地図記号
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地形図(国土地理院発行)のおもな地図記号のなりたち
小・中学校・・・・・「文」の文字形
警 察 署・・・・・警棒(六尺棒)の交差を丸で囲んだもの
消 防 署・・・・・昔使われていた消防用の「さすまた」の形
工 場・・・・・歯車の形
神 社・・・・・鳥居を正面から見た形
寺 院・・・・・まんじ(仏教のシンボルマーク)の形
老人ホーム・・・・・建物とお年寄りが持つ杖の組み合わせ (デザインは全国の小・中学生からの公募で決定)
図 書 館・・・・・本を開いた形(2002年に加えられた新しい記号)
田・・・・・・・・・稲を刈り取った跡の切りかぶの形
畑・・・・・・・・・種子から発芽した二枚葉の形
果 樹 園・・・・・りんご、梨などの果実の形
STEP⑤地図帳の7ページに答えが出ていることを説明し、7ページの地図記号がまとめて書いてあるところ(凡はん
例れい
といいます)を見させます。
地図帳の記号は、地図帳独自の記号も多いので、無理に暗記する必要はありません(3年生で学習する基本的な地図記号は別です)。知らない記号は、意味を調べながら見ていくことが大切です。
ワンポイント解説
STEP⑥地図帳7ページの左側には、地図記号の意味がまとめて書いてあることを話し、わからない地図記号が出てきたら、このページを使って確認していくことを伝えます。
市の記号は人口で分けてたんだね。赤の記号は県庁所在地の市なんだね。
神社の鳥居
稲を刈り取った跡の切りかぶのようす
地図記号
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かんたん指導「地図のやくそくごと」
その3 「地図の色」からわかること第2部
地図の色の意味(凡はん
例れい
)はどのページにものっています。
13~15、16~19ページの地図では、平地(平野・盆地)と山地を色で表しています。
地図の色からは、土地のようすと山の高さ(地形のようす)がわかります。
②
④
③
①
①
②
③
④ 地図の色
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STEP①出発地(自分たちの市町村)と目的地(任意の地名)に○をつけます。このとき、二つの地名のあいだに、さまざまな色が使われているところを選んでください。
「地図の色(土地のようす)」の指導手順
STEP②「今からみんなで、土浦(出発地)から水戸(目的地)まで旅行します」と話し、子どもたちの指を、地図帳の土浦の市役所 のところに置かせます。ここから水戸までの色のようすを見ていきます。
子どもたちは地名を追うことに精一杯で、地図の色の違いに気づいていません。色の違いに意識を向けることで、地図活用に深みが出ます。
ワンポイント解説
書画カメラ(実物投影機)を活用し、地図を提示しながら行うと、効果的に共通理解がはかれます。
ワンポイント解説
「市街地」とは建物が多く集まっているところです。写真があれば提示します。
ワンポイント解説
土浦市役所 のまわりは何色になっていますか?また、その色の意味は何ですか?
黄色です。色の意味を見ると、市街地と書いてあります。
板書
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そうですね。くりの記号からも、このあたりにはくりなどの果樹園が広がっているようすがわかります。
岩間のあたりにも果樹園が広がっているんだね。
それでは土浦から電車に乗って水戸へ向かって出発します。鉄道の線路にそってゆっくり指を進めていきましょう。土浦市のすぐ北にれんこんの記号がありますが、そのまわりは何色になっていますか?
そうですね。このあたりの田では、れんこんが作られていることがわかります。
では少し進んで「かすみがうら」と書いてあるあたりは何色になっていますか?
ピンク色です。色の意味を見ると果樹園と書いてあります。
きみどり色です。色の意味を見ると田や畑と書いてあります。
さらに指を進めて水戸の近くまで行きましょう。水戸市役所 のまわりは何色になっていますか?
黄色です。土浦市役所のまわりと同じで、市街地が広がっています。
板書 STEP③地図の色から土地のようすがわかることを確認します。
地図帳には行ったことのない場所、知らない街がたくさんのっていますが、その色を見ればどんなようすのところなのか、どんな風景が広がっているのかがわかります。
地図の色
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STEP①富士山を探して赤えんぴつなどで○をつけます。自分たちの県や身近なところに1,400mよりも高い山があれば、その山を例にしてもよいでしょう。
「地図の色(山の高さ)」の指導手順
STEP②富士山の頂上は赤い三角形の記号で表されています。富士山の高さを確認し、富士山の色の意味を見ていきます。
富士山の頂上、赤い三角形のまわりは何色ですか?また、その色の意味は何ですか?
うすいむらさき色です。1,400mより高いところです。
それでは、むらさき色のまわりは何色ですか?
こい茶色です。600m~1,400mの高さところです。
STEP③地図帳の色からは、土地のようすのほかに、山の高さ(地形のようす)もわかることを確認します。
富士山を横から見た図(断面図)も板書し、地図帳と同じように色をつけていきます。地図帳の富士山の色が、横から見ると板書のように表されることを説明します。
ワンポイント解説
板書
※ 地図帳 62ページには、日本と世界のおもな山の高さがのっています。
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地図帳の色 役立つ見方①
地図帳の色 役立つ見方②
地図帳から各都市の市街地の広がりを比較できます。
地図上の は首都圏と名古屋圏の市街地の広がりのようすです。日本の地方ごとの地図は縮尺100万分の1で統一していますので、市街地の広がり、水田の広がりなどもかんたんに比較することができます。
東京のまわりはほとんど黄色におおわれているよ。建物がたくさん集まっている市街地が広がっていて、多くの人が住んでいるんだね。
地図帳の色から、高い山がどこに集中しているかがわかります。
中部地方の長野県や富山県、岐阜県などには高い山が多いことがわかったよ。高い山の集まりは、県と県の境目に多いんだね。
地図上の は、中部地方から関東地方にかけての1,400m以上の高い山が集まっている場所です。日本の屋根とよばれるこの地方に高い山が多く、県の境目になっていることが確認できます。
地図の色
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第2部
それぞれの地図タイトルのところに、縮尺は表記してあります。
※この画像は、縮小コピーのため、地図帳の縮尺とは異なります。
※この画像は、縮小コピーのため、 地図帳の縮尺とは異なります。
※この画像は、縮小コピーのため、地図帳の縮尺とは異なります。
かんたん指導「地図のやくそくごと」
その4 「きょり」をはかってみよう
地図は実際の土地のようすを縮めて表しています。縮めた割合のことを縮尺といい、地図から実際のきょりを求めることができます。
『楽しく学ぶ 小学生の地図帳』の、日本地図の縮尺は3種類あります。地図から何を読み取らせるかによって使い分けていくことが大切です。
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※この画像は、拡大コピーのため、地図帳の縮尺とは異なります。
?
STEP①自分たちの市町村と、県内できょりをはかってみたい場所の2つに赤えんぴつなどで○をつけます。
「きょり」の指導手順
STEP②普通の定規(ものさし)で、2点間の長さをはかります。
STEP③地図の縮尺に注目させます。
地図帳で、土浦の市役所 と水戸の市役所 のあいだの長さは何 cmありますか?
2点間の長さは、子どもの持っている定規ではかれる場所を選びましょう。きりのいい長さだと、さらにはかりやすくなります。
ワンポイント解説
定規ではかってみると約4cmありました。
では、実際のきょりはどうしたらわかりますか?
右下の「①関東地方の地図」と書いてある中に、「地図上の1cm は 10km」と書いてあるから、これを使えばいいんじゃない?
きょり(縮尺)
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※この画像は、拡大コピーのため、地図帳の縮尺とは異なります。
?
よく気づきましたね。地図上の1cmは実際のきょりでは10kmなので、これできょりがわかります。土浦と水戸の実際のきょりは、10 kmの4倍で40 kmとなります。
すごい!このやり方を使えばいろいろな場所のきょりがはかれるね。
STEP④縮尺の意味を説明します。
地図は実際の土地のようすを縮めて表していますが、縮めた割合のことを縮尺といいます。地図のタイトルのところに(○○分の1)という形で書いてあります。この地図では、実際のきょりを100万分の1に縮めて表していることになります。
縮尺の概念の説明は難しいので、4年生ぐらいでしたら、縮尺をもとに実際のきょりが求められるようになれば十分です。
地図を使う目的に合わせて、縮尺を選ぶことの大切さも伝えましょう。
ワンポイント解説
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縮尺の指導方法 5・6年生で、機会を見つけて縮尺のしくみも指導しましょう。中学校にもつながる内容です。
※この画像は、縮小コピーのため、地図帳の縮尺とは異なります。
STEP①黒板にプールの地図(絵)を書きます。
これは学校にあるプールの地図(絵)です。よこが 25cm、たてが 13cmあります。
STEP②プールの地図の縮尺を考えていきます。
では、このプールの地図のよこの長さを何倍すれば本物のプールと同じ、25mの長さになるでしょうか?
メートルをセンチに直して・・・(?)に入るのは 100 です。100 倍したら本物のプールと同じ長さになります。
そうです。ですから、このプールの地図の縮尺は100分の1となります。本物のプールの長さを100分の1に縮めて書いてあるのです。
STEP③地図帳の縮尺に応用させます。
では、この地図だったら縮尺が100 万分の1と書いてあるから、100万倍したら本当の長さ(きょり)になるんだね。
きょりを求められるようになると、地図を見る感覚が一層実際的になり、より楽しく地図を見られるようになります。
ワンポイント解説
板書
板書
きょり(縮尺)