「2016年の名言」 ·...

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Page 1: 「2016年の名言」 · 持とう、結果を恐れまい」ムメートに言った。「自信を延長、雨で中断の最中にチーワード選手。最終戦6対6でゴ・カブスのベテラン・ヘイリーズ制覇を目前にしたシカ

 

一九四九年、平生まれ。

東京大学経済学部卒業後、

石川島播磨重工業に入社。

海外勤務の経験を持つ。

八四年、いわきにUター

ン、家業(茶舗店)を継ぐ。

 

九六年、市議選に当選、

二〇〇三年、衆議院選で

初当選し、以後、四選を

果たす。在職中は、財政・

環境・青少年問題に尽力。

一〇年には財務大臣政務

官、一二年には復興副大

臣に就任。住民との活発

な意見交換を展開し、東

日本大震災からの復興に

尽くした。

 

好きなものは、昼の日

本茶、夜の日本酒、志ん

生の落語。得意な曲は「い

としのエリー」

書いている人

よしだ・いずみ

16

一方で依然としてテロが続

いている。「世の中を 

どう

したくって 

自爆する」とい

う川柳は切なかった。

●震災では、相馬市磯部で

父を失った息子が妹たちに

言った言葉。「いつもお父さ

んが言ってたことを言うよ。

『焦んな。つまずきは成功ま

でのステップだ』。俺おれ

がいる。

立てっぺ」

宮城県の石巻線全線開通に

あたっての美智子皇后の御

歌。「春風も沿いて走らんこ

の朝(あした) 

女川駅を始

発車出でぬ」

いわき市平豊間出身で東

京在住の同級生・坂本栄君

はこんな名句を送ってきた。

「故郷の 

墳ふんぼ墓は無事か 

曼まんじゅしゃげ

殊沙華」

チェルノブイリ関連では、

アドリアナ・ペトリーナ氏、

「ソ連が被害を最小限に見積

もろうとしたのに対し、今の

ウクライナは大きく見積もる

ようだ。被害が大きいほど自

国がソ連の犠牲者だと主張で

きる。事故被害はウクライナ

のアイデンティティーの一部

であり、外交資源でもある」。

●科学では、アインシュタ

イン十六歳の時の問題意識を

改めて知った。「光の速度で

光を追いかけたら、光は止

まって見えるのか?」これが

後年、特殊相対性理論の構築

につながったという。

化学者エムズリーは、著書

『体と化学物質』の中で「あ

る物質が安全か危険かは、ひ

たすら量・濃度で決まる」。

●スポーツでは、今年日本

一になった日本ハムの大谷翔

平投手、「プラス思考とマイ

ナス思考、どちらがあっても

いいです。劇的な進歩は求め

ていません」。大人!

三千本安打イチローの恩

師・中村豪氏は「やらされる

百発より、やる気の一発」。

そうだね。

百八年ぶりのワールドシ

リーズ制覇を目前にしたシカ

ゴ・カブスのベテラン・ヘイ

ワード選手。最終戦6対6で

延長、雨で中断の最中にチー

ムメートに言った。「自信を

持とう、結果を恐れまい」

ゴルフでは安田春雄プロ

(七二)、「ゴルフはいくら年

を取ってからでも、成長する

よ」。心強いです。青木功プ

ロは「ゴルフは鈍感になりな

さい」。そうかも。

ブラジルのバレーボール監

督マルキーニョス、「子供は

心に変化が生ずれば、一人で

成長する」。

●健康では、南雲吉則医師、

「拭ふ

き掃除は大変よい。家は

ピカピカ、血液サラサラ。肩

甲骨をよく動かす動作だから

ね」。

●人生論では、競馬評論家

でもあった故・大橋巨泉氏の

「まだ直線がある」。枡野俊明

氏の「人生は山登り。無事に

下ってこそ完結」。曽野綾子

氏の「人生で一人も殺さず自

殺もしなければ、それだけで

大成功だ」。

●世相では、雑誌ポパイ、

「シティボーイは様変わりし

た。昔は女の子にもてること

が目標だったが、最近は趣味

に生きる若ジジイを目指して

いる。ジャズと落語がそのシ

ンボル」。

最後に●俳句・川柳、「江

メモから少々ご紹介を

経済、政治、健康、etc. 7

17

「2016年の名言」

ノ電や 

一駅ごとの 

小春か

な」「タマ帰る 

紅葉一枚 

首に付け」「食べ飽きて 

ントン歩く 

鴉からす

の子」「チャー

シューは 

質か厚さか 

枚数

か」。

手書きの手帳を愛用して

三十年、新聞・雑誌やテレビ

で目にした名言を書き残す癖

がついた。二〇一六年のメモ

から少々ご紹介したい。

まず●経済では、経済評論

家ぐっちーさんの「デフレは

庶民の味方、金持ちの敵。そ

れでもインフレを望みます

か?」という言葉。いまや先

行き不透明なアベノミクスだ

が、そもそもインフレを起こ

すという目標自体がお門違い

という指摘。同感。

●政治では、田中角栄本が

随分出された年だった。「失

敗はイヤというほどした方が

いい。そうするとバカでない

限り骨身に染みる。判断力・

分別が出来てくる。これが成

長の正体だ」などは角栄節絶

好調。それに対し、「角さん

が 

生きてた頃ころ

に 

何な

ぜ故褒め

ぬ」という川柳もあった。