NRTLの安全性試験/認証に使用され るOSHAの試験 …CFR...

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2018 年 9 月 28 日、アメリカ合衆国 労働省による OSHA プログラムへの 規格追加に伴う審査が完了しました。 3 年以上にわたる審査の結果、合計 22 の規格が追加され、うち3 つはバッ テリーに直接関連するものです。 追加されたバッテリー規格 UL 2054 – 家庭用および商用ポータブルバッテリーに関する規格で、携帯端末に変更 や家庭用電化製品などで使用されるバッテリーを含みます。 UL 2271 – 軽電気車両(LEV)用バッテリーに関する規格で、個人用e モビリティ機器、 電動自転車、特定の種類の産業用車両が対象となります。 UL 1973 – 定置用、車両用補助電源、軽鉄道(LER)、データセンター、IT 機器、グリッ ド接続型蓄電装置に使用する大型バッテリーが対象となります。 OSHA と NRTL の概要 OSHA(Occupational Safety & Health Administration):アメリカ合衆国労働省の労 働安全衛生庁の略称であり、「規格を施行することで、労働者のための安全かつ健全 な職場環境を確保する」ことを目的とした米国連邦政府の規制機関です。(https:// www.osha.gov/about.html) NRTL (National Recognized Testing Laboratories):OSHA より認定を受け、主に連邦 規格に基づいて様々な製品の安全試験・認証を行うことを認められた民間の機関です。 NRTL プログラム:建設および一般産業向け OSHA 電気規格要件への適合を確保する にあたり、特定の製品の認証を民間組織である NRTL が行うことが OSHA より認めら れています。各 NRTL は、認定を受けた試験規格のスコープ(Scope) を有しており、 各自の登録済み認証マークを使用し、該当する製品安全試験規格に対する製品の準拠 を示します。 OSHA と NRTL は、連携のもと職場で使用される電気製品を特定し、OSHA の規制に 沿ってこれらの製品の安全認証に使用する適切な米国規格を選定しています。この連 携活動の中で、今回追加された3つの規格の対象電気製品は、29 CFR 1910 Subpart S の適用範囲内にあること、並びに、これらの規格が NRTL プログラムの製品認証要件 として適切であることが確認されました。 NRTLの安全性試験/認証に使用され るOSHAの試験規格リスト * に、 バッテリーに関する3つのUL規格が 追加されました。

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Page 1: NRTLの安全性試験/認証に使用され るOSHAの試験 …CFR 1910.399および「許容」の定義によって、NRTL認証の代替が提供されます)。その ため、製造者は設計および製造した製品を、認定されたNRTLに提出し、認証を受ける

2018 年 9 月 28 日、アメリカ合衆国労働省による OSHA プログラムへの規格追加に伴う審査が完了しました。3 年以上にわたる審査の結果、合計22 の規格が追加され、うち 3 つはバッテリーに直接関連するものです。

追加されたバッテリー規格

UL 2054 – 家庭用および商用ポータブルバッテリーに関する規格で、携帯端末に変更や家庭用電化製品などで使用されるバッテリーを含みます。

UL 2271 – 軽電気車両(LEV)用バッテリーに関する規格で、個人用 e モビリティ機器、電動自転車、特定の種類の産業用車両が対象となります。

UL 1973 – 定置用、車両用補助電源、軽鉄道(LER)、データセンター、IT 機器、グリッド接続型蓄電装置に使用する大型バッテリーが対象となります。

OSHA と NRTL の概要

OSHA(Occupational Safety & Health Administration):アメリカ合衆国労働省の労働安全衛生庁の略称であり、「規格を施行することで、労働者のための安全かつ健全な職場環境を確保する」ことを目的とした米国連邦政府の規制機関です。(https://www.osha.gov/about.html)

NRTL (National Recognized Testing Laboratories):OSHA より認定を受け、主に連邦規格に基づいて様々な製品の安全試験・認証を行うことを認められた民間の機関です。

NRTL プログラム:建設および一般産業向け OSHA 電気規格要件への適合を確保するにあたり、特定の製品の認証を民間組織である NRTL が行うことが OSHA より認められています。各 NRTL は、認定を受けた試験規格のスコープ(Scope) を有しており、各自の登録済み認証マークを使用し、該当する製品安全試験規格に対する製品の準拠を示します。

OSHA と NRTL は、連携のもと職場で使用される電気製品を特定し、OSHA の規制に沿ってこれらの製品の安全認証に使用する適切な米国規格を選定しています。この連携活動の中で、今回追加された3つの規格の対象電気製品は、29 CFR 1910 Subpart Sの適用範囲内にあること、並びに、これらの規格が NRTL プログラムの製品認証要件として適切であることが確認されました。

NRTLの安全性試験/認証に使用されるOSHAの試験規格リスト*に、 バッテリーに関する3つのUL規格が追加されました。

Page 2: NRTLの安全性試験/認証に使用され るOSHAの試験 …CFR 1910.399および「許容」の定義によって、NRTL認証の代替が提供されます)。その ため、製造者は設計および製造した製品を、認定されたNRTLに提出し、認証を受ける

これらの規格追加の重要性科学およびテクノロジーの進化により、携帯型や定置型を問わず、ますます多くのバッテリー駆動製品が職場環境に導入されています。これには、ノートパソコン、タブレット、携帯電話、電動工具、医療機器、オフィス機器、産業機器などが含まれます。さらに、短距離移動や屋内移動向けの短距離移動や屋内移動用の電動カートや、職場で物資を運ぶ機器など、革新的な移動ソリューションを使用する人も増えています。

OSHA は職場の安全性を強化するために、バッテリーに関する 3 つの規格を NRTL プログラムに追加しました。主に米国内の職場環境で使用する製品に関しては、最終製品の規格に関わらずバッテリーシステム自体が OSHA のさだめる一連の試験規格に準拠していることを要求しています。

規格追加による影響OSHA は、今回追加されたバッテリーを含む 29 CFR 1910 Subpart S の対象製品について、該当する適切な NRTL プログラムの試験規格への準拠を要求しています。そのため、新しく追加された規格の対象となるバッテリーは、該当する最終製品の規格、およびバッテリー規格について NRTL の認証を受けることが求められることになります。

米国の顧客に対して製品を販売している企業、ブランドオーナー、最終製品の製造者は、各自のバッテリーおよび最終製品が主に米国内の職場環境で使用されることを想定し、該当する規格に沿ってバッテリーの認証を NRTL から受けることが、OSHA プログラムでは求められます。NRTL による安全認証を受けていない製品を米国内の雇用者が職場環境に導入すると、OSHA 規制要件に違反したと見なされます(一定の条件下では、29 CFR 1910.399 および「許容」の定義によって、NRTL 認証の代替が提供されます)。そのため、製造者は設計および製造した製品を、認定された NRTL に提出し、認証を受けることを OSHA プログラムでは求めています。ブランドオーナーは、NRTL の認証 / 承認を受けた製品を製造元から調達することが推奨されます。ビジネスオーナーも、既知のブランド / 製造者から NRTL の認証 / 承認を受けた製品を調達することが推奨されます。

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* OSHAの試験規格リスト(Appropriate Test Standards List)はOSHAのウェブサイトよりご覧いただけます。(https://www.osha.gov/dts/otpca/nrtl/list_standards.html)

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