NEC Case Study 06 - Akamai ·...
Transcript of NEC Case Study 06 - Akamai ·...
AKAMAI CASE STUDY
COMPANY
日本電気株式会社jpn.nec.com
CRM本部 宣伝グループ Webコミュニケーション担当 マネージャー矢野 俊司 氏
CRM本部 宣伝グループ Webコミュニケーション担当 主任川名 彩 氏
INDUSTRY
電気機器
SOLUTIONS
Dynamic Site AcceleratorLuna Control Center
KEY IMPACT
• 各国現地法人のWebサイトをグローバルに統合
• 世界31ヵ国のWebサーバーを東京1ヵ所に集約
• グローバルサイトの安定運用
アカマイの技術が世界31ヵ国のWebサイトのグローバルな統合を支援
ガバナンスを確立しWebサイトをグローバルに統合 以前より、NECでは事業部制が敷かれ、コンピュータや通信などの各事業ドメインが独立して事業を展開していた。海外進出にあたっても事業ドメインごとに現地法人を設立し、一つの国に複数の現地法人が設立されることもあった。1990年代には経営体制が事業部制から社内カンパニー制へと移行し、その傾向はさらに加速した。ところが2000年代に入って、NECはその経営スタイルを大きく変えた。社内カンパニー制を廃止し、地域を軸にして事業展開を進める「One NEC」への転換である。
One NEC以前、各事業部、各国の現地法人がそれぞれ独立採算で事業を進めていたため、Webサイトも各事業ドメインや現地法人が主体となって構築・運用されていた。その結果、NECグループに多数のWebサーバーが林立することになる。独立採算で事業を進めていた頃であればそれでもよかった。だが、NECグループ全体が一つになってグローバルに事業を進めようとしたとき、Webサイトの問題が見えてきた。
「Webサイトが各国バラバラで、デザインが全然統一されていない。多数のリンク切れが見つかったところもありました。Webサイトによって運用やセキュリティのレベルも違った。そこで、本社がガバナンスを効かせてWebサイトをグローバルに統合し、全体のレベルの底上げを図る必要があるだろうということになりました」と、宣伝グループWebコミュニケーション担当マネージャー、矢野俊司氏は語る。
31ヵ国のWebコンテンツとIT基盤/運用のグローバル統合プロジェクト 「One NEC」のかけ声のもと、世界中のNECグループ企業が一丸となってグローバルに事業を進めようというとき、Webサイトは大きな戦力になり得る。だが、デザインに統一性がなく、レベルがバラバラではそれは期待できない。リンク切れやサイトダウンなど論外だ。どこの国のWebサイトも見た目に統一され、同等のコンテンツが掲載されていてはじめて、NECのブランド強化につながる。また、サイトダウンやリンク切れをなくすには、グローバルに統合されていて安定したWeb基盤の構築も欠かせない。
こうして2011年5月、Webサイトのグローバル統合プロジェクトが始まった。だが、サイト移行完了の目標は2012年9月。決して十分な準備期間があるとはいえなかった。
「プロジェクトスタート時はもう少し余裕のあるスケジュールを組んでいたようですが、役員からもっと早く進めるようにと指示が出ました。スピード感を持ってやるようにと発破をかけられ、現場もそれに応える形でプロジェクトを進めていきました」(矢野氏)
Webコンテンツに統一感を持たせるため、グローバルに通用するデザインを考えひな形を作成した。それを海外の関係者に見てもらい、修正を加えながら最終案を作りあげた。国によってWebチームの経験や知識もバラバラだったため、単一のCMS (Content Management System)を採用し、そのCMS上でグローバルなテンプレートをつくった。こうすれば、これまでは国によってバラバラだったページの色使い、文字のサイズや写真の配置なども簡単に統一することができる。
コスト削減とサイト表示時間の短縮、Dynamic Site Acceleratorの導入でWeb基盤の課題を解消 もう一つの課題はシステムの統合だ。Webサイトをグローバルに統合するには、管理・運用も一元化する必要がある。Webサーバーを1ヵ所に集約すればその問題は解決するが、サーバーをよほど増強しない限り、アクセスが集中したときにサーバーがダウンしやすくなってしまう。サーバーダウンはピーク時の負荷に合わせてハードウェアを設置すれは避けられるかもしれないが、平常時には過大過ぎて無駄も大きいし、費用もかかる。そこで採用したのが、アカマイのCDN(Contents Delivery Network)ソリューションである。 Dynamic Site Accelerator を導入すれば、NECのオリジンサーバーへの直接的なアクセスを最小限に抑えることができる。結果的に、サーバーやネットワークコストの削減にもつながる。ユーザーは、アカマイの Intelligent Platform 上に設置された自分に近い場所にあるエッジサーバーにアクセスすることになるため、サイト表示時間の短縮も期待できる。
CRM本部 宣伝グループ Webコミュニケーション担当マネージャー矢野 俊司 氏CRM本部 宣伝グループ Webコミュニケーション担当 主任川名 彩 氏
AKAMAI CASE STUDY
Akamai®は、場所を問わず、あらゆるデバイスに対して安全かつ高パフォーマンスのユーザー体験を提供できる優れたクラウドプラットフォームをエンタープライズ向けに展開しています。当社のソリューションの中核となるのは、比類なき信頼性とセキュリティ、可視性、専門知識とともに幅広いリーチを実現する Akamai Intelligent Platform™です。またアカマイは、モバイル化が進む世界における接続に関する複雑さを取り除き、24時間体制で消費者の需要をサポートしながら、企業がクラウドを安全に活用できるようにしています。ハイパーコネクテッドワールドでアカマイが革新をいかに促進していくかについて、www.akamai.co.jp および Twitter の @akamai_jp で詳細をご覧ください。
アカマイ・テクノロジーズ合同会社は、1998年に設立された、アカマイ・テクノロジーズ・インク(本社:米国マサチューセッツ州ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):Tom Leighton【トム・レイトン】、www.akamai.com)が100%出資する日本法人です。アカマイは、世界40箇所以上にオフィスを構え、お客様のエンドユーザーに最高のインターネット体験を提供しています。各拠点の所在地は、www.akamai.co.jp/enja/html/about/
locations.html でご確認頂けます。
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「NECの日本サイト(jpn.nec.com)のアクセスが増えてきたときに、ハードウェアの増強だけではきりがないということで、アカマイを導入しました。2009年のことです。そのとき目に見える効果が得られていたので、グローバルの統合化に際してもアカマイの導入が最適であると判断しました。当社のグローバルの統合は、中南米、アジア、中華圏、欧州、中近東、アフリカで合計31ヵ国になります。全世界的に網羅するCDNといえば、アカマイ以外にはありませんでした」(矢野氏)
グローバル統合で最も手間取った海外現地法人の説得 プロジェクト推進にあたって、手間取ったのが海外現地法人Webサイト担当者の説得だった。海外の現地法人は、国によってWebサイト統合化に温度差があったようだ。待っていましたとばかりに賛成した国もあれば、難色を示した国もあり、特に自分たちで先行してWebサイトを作成・運用していた国々の反発は強かった。そこで各国のWebサイトの移行は、全て本社が面倒を見ることにしたという。
「やはりコストの問題は大きかったと思います。最後まで抵抗していた担当者は、日本に来ていただき、プロジェクトの意義を再度説明するとともに、1週間CMSのトレーニングをやりました。実際に顔を合わせることで人間関係が改善し、180度対応が変わりました」(矢野氏)
「たぶん日本に来るまでその担当者は『日本本社は何も分かってくれない』という気持ちだったと思います。電話会議やメールではお互いに理解しきれない部分がありましたから」(川名氏)
プロジェクトは、いわば司令塔として進行を管理する「ステアリングチーム」と、その下に「デザイン開発」「基盤構築」「運用」など7つのサブチームで構成されていた。これだけのプロジェクトゆえ、さぞかし多人数のチームだと思いきや、核となるメンバーは15人程度だったという。
運用フェーズの現在はマーケティング的にいかに価値のあるWebサイトにしていくかが課題 グローバルな統合サイトへの移行は2012年末に完了し、2013年4月にプロジェクトは運用フェーズに入った。統合前と比べて、アカマイを使用することでどのように変わったのだろうか。
「例えば中国は、移行前ではピーク時にサイトを表示するのに15秒近くかかることもありましたが、移行後はピーク時でも7~8秒、通常は3~4秒に収まるようになりました。明らかに改善されています」(矢野氏)
「いま、各国のウェブマスターにアンケートを取っています。その中に『自分のウェブサイトが遅いと感じることはありますか』という質問を入れているのですが、『Yes』という回答はありませんでした。それを見る限り、問題はないと言えると思います」(川名氏)
日本サイトは、デザインも含めて nec.co.jp から jpn.nec.com へ移行した。その結果、ページビューは移行前より15%程度増えている。統合前よりもWebサイトのデザインやアクセシビリティが向上した結果と考えていいだろう。だが、これで喜んではいられない。まだいまは器が完成しただけの段階だ。運用フェーズでは、各種プロモーションを支えるコンテンツ展開やより良いエクスペリエンスの提供など、この器を価値のあるウェブサイトに変えていかなければならない。
これまでの経験から、イベントを行うと一気にアクセスが増える。NECではF1でザウバーチームのスポンサーになっている(2014年4月時点)。F1に絡めたキャンペーンを実施すると、瞬間的にアクセスが急増する。こうした状況では通常、サイトダウンの危険が伴うため、そのピーク時に合わせてインフラを増強しなければならない、アカマイのソリューションを導入した現在、そんな心配はしなくて済むという。今後、グローバルなWebサイトを利用したキャンペーンを企画する上で安心感があり「やりたいことを思う存分できる」(矢野氏)とのことだ。
PCだけでなくスマートフォンやタブレットへの対応、アクセシビリティの向上など、解決しなければならない課題も少なくない。運用フェーズにはゴールなどないのだ。統合化以前、一部の海外現地法人のWebサイトは、アクセス解析はおろか、サーバーがダウンしていてもその確認さえおぼつかない状態が続いていた。One NECのグローバルなWebサイトの真価が問われるのは、これからだ。
日本電気株式会社