NCCN Guidelines Version...

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2015 年第 2 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN ® の明示の書面による許諾なく、本ガイドラインおよびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 非ホジキンリンパ腫 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ® ) NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン) 2015年 第2NCCN.org

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  • NCCN Guidelines Version 2.2015

    2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

    非ホジキンリンパ腫

    NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

    (NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

    2015年 第2版

    NCCN.org

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  • NCCN Guidelines Version 2.2015 辺縁帯リンパ腫

    ガイドライン索引

    直腸癌 目次

    考察

    2015年第 2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。

    概要

    2015年 第2版

    NCCN.org

    NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®)

    (NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン)

    http://www.nccn.org/professionals/physician_gls/f_guidelines.asp

  • 2015年第2版 03/03/15 著作権 © 2015 National Comprehensive Cancer Network, Inc. 無断転載を禁止する。NCCN®の明示の書面による許諾なく、本ガイドライン およびここに含まれるイラストを複製することは、いかなる形においても禁じられている。 MS-1

    ガイドライン索引 NHL 目次

    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    考察

    NCCNのエビデンスとコンセンサスによるカテゴリー

    カテゴリー1:高レベルのエビデンスに基づいており、その介入が適切で

    あるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

    カテゴリー2A:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介入

    が適切であるという NCCNの統一したコンセンサスが存在する。

    カテゴリー2B:比較的低レベルのエビデンスに基づいており、その介入

    が適切であるという NCCNのコンセンサスが存在する。

    カテゴリー3:いずれかのレベルのエビデンスに基づいてはいるが、その

    介入が適切であるかという点で NCCN内に大きな意見の不一致がある。

    特に指定のない限り、すべての推奨はカテゴリー2Aである。

    概要

    非ホジキンリンパ腫(NHL)は、Bリンパ球、Tリンパ球またはナチュ

    ラルキラー(NK)細胞を起源とする多様なリンパ増殖性疾患である。

    米国では、80~85%の患者が B 細胞リンパ腫と診断され、15~20%が

    T 細胞リンパ腫である。NK 細胞リンパ腫は非常にまれである。2015

    年には、71,850 人が NHL と診断され、約 19,790 人が本疾患により死

    亡すると推定されている 1。慢性リンパ性白血病(CLL)の症例はこれ

    とは別に推定される。NHL は男女とも新規に診断されるがんのなかで

    7番目に多く、新規がん患者の 4%、がん関連死亡の 3%を占める。

    NHL の発生率は 1970 年から 1995 年までの間に大幅に上昇し、90 年

    代半ば以降は緩やかな上昇で推移している。この増加は、一部にはヒ

    ト免疫不全ウイルス(HIV)の流行と AIDS 関連 NHL の発生によるも

    のとされている。しかしながら、発生率上昇の大半は 50 歳代と 60 歳

    代でみられ、その大部分は他の原因による死亡率の大幅な低下に対応

    するものである。NHL 患者の年齢中央値は過去 20 年間で上昇した 2。

    その結果、NHL 患者では重大な併存疾患がみられる場合が多くなって

    おり、これが治療の選択を複雑にしている。

    National Comprehensive Cancer Network(NCCN®)NHL ガイドライ

    ン(NCCN ガイドライン®)は、最新のエビデンスに基づき標準的な診

    断および治療アプローチについて推奨を示すため、NHL の専門家で構

    成される集学的委員会が開催したミーティングの成果として策定され

    た。本 NCCNガイドラインと以下に記載する考察では、NHL に用いら

    れる分類体系に関する全般的な考察と支持療法に関する検討事項に加

    えて、NHL で特に頻度の高い亜型を対象とした診断時精査、治療およ

    びサーベイランス戦略に関する推奨に重点がおかれている。

    NCCN NHL ガイドラインの以前の版には、リンパ芽球性リンパ腫患者

    の治療に関する推奨も含まれていた。リンパ芽球性リンパ腫患者の管

    理については、NCCN 急性リンパ芽球性白血病(ALL)ガイドライン

    を参照のこと。

    NHLの病型で特に頻度が高いもののうち、本 NCCNガイドラインでカ

    バーされているものの一覧を以下に示す。

    成熟 B細胞リンパ腫

    慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)

    濾胞性リンパ腫(FL)

    辺縁帯リンパ腫(MZL)

    粘膜関連リンパ組織型節外性 MZL(MALTリンパ腫)

    胃 MALTリンパ腫

    胃以外の MALTリンパ腫

    節性 MZL

    脾 MZL

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    非ホジキンリンパ腫

    マントル細胞リンパ腫(MCL)

    びまん性大細胞型 B細胞リンパ腫(DLBCL)

    バーキットリンパ腫(BL)

    AIDS関連 B細胞リンパ腫

    有毛細胞白血病(HCL)

    原発性皮膚 B細胞リンパ腫

    成熟 T細胞および NK細胞リンパ腫

    末梢性 T細胞リンパ腫(PTCL)

    菌状息肉症(MF)およびセザリー症候群(SS)

    原発性皮膚 CD30陽性 T細胞リンパ増殖異常症

    成人 T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)

    T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)

    T細胞大顆粒リンパ球性白血病

    節外性鼻型 NK/T細胞リンパ腫(ENKL)

    移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)

    キャッスルマン病

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    非ホジキンリンパ腫

    分類

    1956 年に Rappaport らから、細胞増殖のパターン(結節性かびまん

    性)と腫瘍細胞の大きさおよび形状に基づくリンパ腫の分類が提唱さ

    れた 1,2。この分類は米国で広く使用されたが、リンパ球の種類(B、T、

    NK)が発見されたことに伴い、すぐに時代遅れとなった。この新たな

    情報をリンパ腫の分類に適用した最初のものが Kiel 分類であり、当時

    は最も意義のある分類法となった 3-5。Kiel 分類に従い、リンパ腫は組

    織学的特徴に基づき低悪性度と高悪性度に分けられた。この分類は欧

    州で広く使用された。これらの異なる分類法が臨床研究で採用された

    ことにより、研究結果を比較することが困難となった。そこで、リン

    パ腫の分類を標準化するべく、NHL に関する International Working

    Formulation(IWF)が策定された。

    International Working Formulation 分類

    IWF では、形態像と自然史に基づいて、NHL が低悪性度、中悪性度、

    高悪性度の 3 つの主要カテゴリーに分類されした 6。この分類では

    DLBCL が中悪性度と高悪性度の 2 つのグループに分割されたが、この

    区別には再現性が認められなかった。また、この分類では免疫表現型

    が考慮されなかったため、カテゴリーに再現性がみられなかった 7。さ

    らに、IWF 分類の公表後に同分類に含まれない新しい疾患が数多く記

    載された。

    REAL(Revised European American)分類

    1994 年には International Lymphoma Study Group(ILSG)によって

    REAL ( Revised European-American Classification of Lymphoid

    Neoplasms)分類が策定されたが、これはリンパ腫を細胞の起源(B、

    T、NK)に基づき分類したもので、個々の疾患が形態像、免疫表現型、

    遺伝学的特徴および臨床的特徴によって定義された 8。1997 年には、

    International Lymphoma Classification Project が NHL 患者 1,403 例の

    コホートを対象として REAL 分類の臨床評価を行った 9,10。1,378 例

    (98.2%)で NHL の診断が確認された。この研究により、特に頻度の

    高かった 13 の組織型が同定され、これらだけで米国における NHL 症

    例の約 90%を占めた。具体的には、DLBCL 31%、濾胞性リンパ腫

    (FL)22%、小リンパ球性リンパ腫/慢性リンパ性白血病(SLL/CLL)

    6%、マントル細胞リンパ腫(MCL)6%、末梢性 T 細胞リンパ腫

    (PTCL)6%、粘膜関連リンパ組織型(MALT)リンパ腫 5%であった。

    残りの病型はすべて全体の 2%未満であった。重要なことに、米国で

    はリンパ腫症例の半数以上が DLBCL か FL のいずれかである。この研

    究では、REAL 分類は適用が容易であり、臨床的に明確に異なる NHL

    の病型を同定できると結論された。

    世界保健機関分類

    2001 年、世界保健機関(WHO)が造血器およびリンパ系腫瘍の分類

    を更新した 11,12。2001 年の WHO 分類には REAL 分類の原則が適用さ

    れ、造血器腫瘍の分類に関する最初の国際的コンセンサスを反映する

    ものとなった。NHL の REAL/WHO 分類には、IWF で認識されなかっ

    た多くの疾患単位が含まれている 11,12。この分類では、細胞の起源(B、

    T、NK)を考慮した上で、リンパ腫をさらに前駆リンパ球由来のもの

    と成熟リンパ球由来のものに分割する。そして免疫表現型、遺伝学的

    特徴および臨床的特徴に基づき、分類をさらに細分する。これらを考

    慮することが、リンパ腫の各病型に対して積極的な治療法を決定する

    際に役立てられている。

    2008年には、International T-cell Lymphoma Projectが PTCLおよびナ

    チュラルキラー/T 細胞リンパ腫(NKTCL)患者 1,314 例のコホートを

    対象として T 細胞リンパ腫の WHO 分類を評価した。1,153 例

    本考察は、新たに更新されたアルゴリズムに対応させるべく更新中である。

    最終更新日:2014年 10月 28日

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    非ホジキンリンパ腫

    (88%)で PTCL または NKTCL の診断が確認された。特に頻度が高

    かった亜型は、分類不能(NOS)の PTCL(25.9%)、血管免疫芽球性

    リンパ腫(18.5%)、NKTCL(10.4%)、成人 T 細胞白血病/リンパ腫

    (ATLL、9.6%)、ALK 陽性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)(6.6%)

    および ALK 陰性 ALCL(5.5%)であった 13。この研究結果により、T

    細胞リンパ腫診断におけるWHO分類の有用性が確認された。

    2008 年 9 月には WHO 分類が再び更新され、過去 10 年間に確認され

    た新しい疾患と亜型が追加され、不均一で曖昧であった一部のカテゴ

    リーの定義が近年の進歩に基づいて改定された 14,15。NHL の各亜型の

    定義においては、細胞遺伝学的検査や蛍光 in situ ハイブリダイゼーシ

    ョン(FISH)で検出される遺伝学的特徴が、その重要性を増してきて

    いる。さらに、ウイルス(特にエプスタイン・バーウイルス、HHV8、

    HTLV1)の検出が特異的な診断の確定に必要とされる場合も多い。

    成熟 B細胞リンパ腫の 2008年 WHO分類

    CLL/SLL

    更新された分類には、International Working Group on CLL(IWCLL)

    が公表した定義が含まれている 16。CLL の診断には、末梢血中に

    5 × 109/L 以上の単クローン性 B リンパ球を認める必要があり、B 細胞

    のクローン性はフローサイトメトリーで確認するべきである。リンパ

    節腫大、臓器腫大、その他の臨床的特徴がみられない状況で B リンパ

    球数が 5000/mm3未満の場合は、monoclonal B-lymphocytosis(MBL)

    と定義される。CLL の表現型を示す MBL の患者とリンパ球増加症がみ

    られる患者は、年間 1.1%の割合で、治療を要する CLL へ進展する 17。

    濾胞性リンパ腫

    FL では、胚中心芽細胞数に従った病理学的グレードが臨床的な予後

    予測因子と考えられている。2001 年の WHO 分類では、FL1、FL2、

    FL3 の 3 段階のグレードが推奨され、FL3 はさらに任意で 3A(胚中

    心細胞を依然として認める)と 3B(シート状の胚中心芽細胞を認め

    る)に分類することもできた。しかしながら、FL1 患者と FL2 患者

    の間で臨床転帰に差が認められず、この分類の臨床的意義は少ないと

    判断された。そのため 2008 年の改訂 WHO 分類では、これらのグレ

    ードは単一のグレード(FL1-2)にまとめられた。Hans らは、グレ

    ード 3Aとグレード 3Bの FL患者で生存予後に差はみられないが、び

    まん性成分が 50%を超える FL3 患者は DLBCL 患者と同様に生存予

    後が不良であることを報告した 18。BCL6 の細胞遺伝学的異常

    (3q27)を伴う FL3B は、遺伝学的に FL1-3A よりも胚中心型の

    DLBCL に近いと考えられ、よりアグレッシブな臨床経過をたどる。

    BCL2 転座を有する FL3B 患者の臨床経過は FL1-3A の患者と類似す

    るとみられる 19。FL3B はまれであるため、ほとんどの研究で観察さ

    れた FL3 の臨床的挙動は主に FL3A 症例のそれに基づいている。

    2008年の WHO分類では、FL3を FL3Aか FL3Bのどちらかに分類す

    ることが必須とされている。したがって、FL は現在でも胚中心芽細

    胞数に基づき 3 段階のグレード(FL1-2、FL3A、FL3B)に分類され

    ている。FL のびまん性領域が FL3A または FL3B の規準を満たす場

    合は、別に DLBCL の診断を下すべきである。小児型 FL、腸管原発

    FL、その他の節外性 FL、「in situ」濾胞性リンパ腫(FLIS)は、い

    ずれも FLの亜型である。

    小児型濾胞性リンパ腫:小児型 FL は、2008 年の WHO 分類ではまれ

    な FL の亜型とされ、成人にみられる従来の FL の遺伝学的特徴である

    BCL2 遺伝子の再構成や t(14,18)を欠くことを特徴とする 20-24。小児型

    FLは成人の FLより予後良好で、しばしば最小限の治療で治癒する。

    腸管原発濾胞性リンパ腫:消化管の FLは最近になって記載された疾患

    単位で、小腸に多く認められ、大多数が十二指腸で発生する。形態像、

    免疫表現型、遺伝学的特徴は節性 FLと類似する。しかしながら、ほと

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    非ホジキンリンパ腫

    んどの症例は臨床的にインドレントな経過をたどる限局例である。生

    存予後は無治療でも良好なようである。

    その他の節外性濾胞性リンパ腫:その他の節外部位の多くでも、形態

    像、免疫表現型、遺伝学的特徴は節性 FLと類似する。通常は限局例で

    あり、全身性の再発はまれである。

    「in situ」濾胞性リンパ腫:FLIS はリンパ節構造が維持されることを

    特徴とし、濾胞内で BCL2(胚中心に限定)および CD10 染色が強陽

    性となる偶発的所見がみられ、FISH では t(14;18)が検出される 21,25-27。

    FLIS は、以前または同時に(別の部位に)FL を有する患者のほか、

    FL の既往が明らかでない患者でも報告されている 21,25,26。一般集団に

    おける FLISの発生はまれとみられる。

    原発性皮膚濾胞中心リンパ腫(PC-FCL)

    これは 2008年の分類で新たに設けられたカテゴリーで、濾胞性、濾胞

    性かつびまん性、またはびまん性の増殖パターンを示す腫瘍性胚中心

    細胞(胚中心細胞と様々な数の胚中心芽細胞を含む)の腫瘍と定義さ

    れる。PC-FCL は最も頻度の高い皮膚 B 細胞リンパ腫で、皮膚リンパ

    腫の EORTC 分類では個別の疾患単位として分類されている 28。遺伝

    子発現プロファイリング研究でも、この分類を裏付けるエビデンスが

    示されている 29。PC-FCL は頭皮、前額部または体幹に孤立性または

    限局性の皮膚病変として現れる。インドレントな経過と皮膚以外の部

    位にほとんど進展しないことを特徴とする。PC-FCL は一貫して BCL6

    陽性で、濾胞性の増殖パターンをとる症例では CD10 陽性のこともあ

    る。BCL2は陰性または弱陽性(主に濾胞性増殖パターンの症例でみら

    れる)のことが多い。PC-FCL は非常に予後良好で、5 年生存割合は

    95%である 28,30。PC-FCL は皮膚原発 DLBCL 下肢型との鑑別が必要で

    ある一方、常に組織学的に鑑別できるとは限らないが、後者は

    IRF4/MUM1 の発現によって同定でき、BCL2 が強陽性で、より予後不

    良である 31,32。

    びまん性大細胞型 B細胞リンパ腫

    DLBCL の新しいカテゴリーには、リンパ節以外の原発部位やウイルス

    (EBV、HHV8 など)との関連性で定義されるものがある。また 2 つ

    の境界域カテゴリーを設けることで、成人バーキットリンパ腫(BL)

    と DLBCL、および原発性縦隔大細胞型 B 細胞リンパ腫(PBML)と結

    節硬化型古典的ホジキンリンパ腫(NSCHL)の鑑別が不可能な症例に

    も対応している。ALK 陽性 DLBCL、形質芽球性リンパ腫、原発性滲出

    性リンパ腫は別個の疾患単位とみなされている。2008 年の分類には、

    HHV8 関連多中心性キャッスルマン病で発生する大細胞型 B 細胞リン

    パ腫という新しいカテゴリーもある。

    DLBCL, NOS(not otherwise specified)

    2008 年の分類では DLBCL, NOS が新たなカテゴリーとして加えられ、

    胚中心 B 細胞(GCB)型および活性化 B 細胞(ABC)型のほか、4 つ

    の亜型(T 細胞/組織球豊富型大細胞型 B 細胞リンパ腫、原発性 CNS

    DLBCL、皮膚原発 DLBCL[下肢型]、加齢性 EBV 陽性 DLBCL)のい

    ずれにも属さない他の DLBCLが含まれている。

    遺伝子発現プロファイリング(GEP)により、DLBCL の明確に異なる

    亜型として GCB 型、ABC 型、原発性縦隔 B 細胞リンパ腫(PMBL)、

    および GCB、ABC、PMBL 型に分類できない症例を含む 3 型が同定さ

    れている 33。GEP のルーチンな臨床使用はまだ推奨されない。CD10、

    BCL6、IRF4/MUM1、GCET1、FOXP1を組み合わせて GCB型と ABC

    型を鑑別する免疫染色アルゴリズムが開発されており 34,35、GCB 型の

    患者では転帰が改善されるようであるが、現時点でこれらの亜型が治

    療法の選択に影響を及ぼすことはない 36-38。

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    非ホジキンリンパ腫

    B細胞リンパ腫、BLと DLBCLの中間型

    BL は t(8;14)を特徴とするが、この転座により 8 番染色体の MYC 遺伝

    子が 14 番染色体の免疫グロブリン重鎖可変(IGHV)領域の近傍に移

    動することにより、MYC 遺伝子と免疫グロブリン軽鎖遺伝子を巻き込

    んだ変異型転座が生じる 39。ただし、MYC 転座は DLBCL でも生じる。

    BL と DLBCL の鑑別については、形態像、免疫表現型、遺伝子異常に

    基づく現在の規準では再現性が確実でないことが GEP 研究によって確

    認されている 40,41。BL の分子シグネチャーをもたず(non-mBL)MYC

    再構成が認められるアグレッシブ成熟 B 細胞リンパ腫 41 のほか、

    t(8;14)と t(14;18)の両転座を有するものは予後不良である 42。

    この暫定カテゴリーの追加により、2001 年の WHO 分類で採用されて

    いた「非定型バーキットリンパ腫」は削除された。この新しいカテゴ

    リーには、DLBCL と BL の両方の特徴を有するが、生物学的および臨

    床的理由から DLBCL または BL と診断するべきでないリンパ腫が含め

    られている。この暫定カテゴリーに該当するリンパ腫としては、形態

    学的には BL と DLBCL の中間で免疫表現型は BL(CD10 陽性、BCL6

    陽性、BCL2-陰性、IRF4/MUM1 陰性または弱陽性)を示唆するもの、

    形態学的には BLに類似しているが BCL2が強陽性となるもの、ならび

    に MYC 再構成と BCL2 再構成の両方がみられる(「double hit」)複

    雑核型を示すものが含まれる。

    B細胞リンパ腫、PMBLと NSCHLの中間型

    PMBL は、その独特の臨床的および形態学的特徴に基づいて、DLBCL

    の亜型の 1 つと認識されてきた。一方の NSCHL は最も頻度の高い HL

    の亜型である。どちらの腫瘍も縦隔で発生し、青年および若年成人で

    発症する。GEP 研究により PMBL と CHL の関係が強く裏付けられて

    いる。PMBLで高発現していた遺伝子の約 3分の 1に CHL細胞でも特

    徴的な発現が認められた 43。Traverse-Glehen らは、CHL と B 細胞

    NHL の両方の生物学的および形態学的特徴をもつ境界域症例を報告し、

    これは「縦隔グレーゾーンリンパ腫」として知られている 44。

    この暫定カテゴリーには、CHLと DLBCL(特に PBML)で重複する特

    徴を示すリンパ腫が含まれる。そのうち NSCHL と形態学的に類似す

    る症例では、CD20 およびその他の B 細胞関連マーカーの強発現がみ

    られる。PBMLと類似する症例では、CD20の発現が弱陰性または陰性

    となり、CD30 および CD15 が強く発現する。これらのリンパ腫は

    CHLや PBMLよりアグレッシブな経過を示し、予後不良である。

    皮膚原発 DLBCL下肢型(PC-DLBCL)

    PC-DLBCL 下肢型は、大型の B 細胞で構成される DLBCL のまれな

    亜型であり、大半が下肢に発生するが(85~90%)、その他の部位

    ( 10~ 15%)からも発生する 30。この種の腫瘍は CD20、

    IRF4/MUM1、FOXP1、BCL2 を発現する胚中心後 B 細胞から発生

    し、多くの症例では BCL6 を発現し、CD10 の発現を欠く 30,45,46。

    この種の腫瘍は、CNS を含む皮膚以外の部位にも進展することが

    ある。研究では、PC-DLBCL 患者の 17~47%で皮膚以外での再発

    が報告されている 30,47,48。PC-DLBCL 患者(N=60)を対象とした

    研究では、CNS が内臓での進行部位として最も頻度が高く、皮膚

    以外で再発した患者の 27%(この研究の全患者の 12%)を占めた47。PC-DLBCL では皮膚以外での再発頻度が高いことから、他の皮

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    ガイドライン索引 NHL 目次

    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    膚 B 細胞リンパ腫よりも予後不良であり、複数の皮膚病変がある場

    合には特にその傾向が強くなる 47。

    成熟 T細胞および NK細胞リンパ腫の 2008年 WHO分類

    2008年の WHO分類には、皮膚 T 細胞リンパ腫の EORTC分類が採用

    された 28。新しいカテゴリーとして、原発性皮膚 γδT 細胞リンパ腫、

    原発性皮膚アグレッシブ表皮向性 CD8陽性細胞傷害性 T細胞リンパ腫、

    および原発性皮膚小・中細胞型 CDE4 陽性 T 細胞リンパ腫が設けられ

    ている。ALK 陰性未分化大細胞リンパ腫(ALCL)は、現在では暫定的

    な疾患単位として PTCL-NOSと分けられている。

    ALCL

    ALCL は全 NHL 症例の 5%未満を占める。現在では ALCL の亜型とし

    て、ALK陽性 ALCL、ALK陰性 ALCL、原発性皮膚 ALCLの 3つが別個

    に認識されている。原発性皮膚 ALCL は成熟 T 細胞リンパ腫の中でも

    明確に異なる亜型である。ALK 陽性 ALCL は小児および若年成人で最

    もよくみられる。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK1)蛋白の過剰発現を

    特徴とするが、これは 40~60%の患者でみられる t(2;5)によって生じ

    る 49,50。臨床的にはアグレッシブな経過をたどるが、CHOP による化

    学療法で治癒する可能性が高い。2001 年の WHO 分類では、ALK 陽性

    ALCL と ALK 陰性 ALCL の区別は必須とされなかった。しかし現在で

    は、ALK 陽性 ALCL は十分に定義された臨床病理学的な疾患単位であ

    ることが明らかにされている。 International Peripheral T-Cell

    Lymphoma Project では、ALK 陽性 ALCL 患者は ALK 陰性 ALCL と比

    べて良好な転帰を示したことが報告された(5 年治療成功生存[FFS]

    割合:60% vs 36%、5年全生存(OS)割合:70% vs 49%]51。それ

    までの報告と異なり、ALK陰性 ALCLは PTCL-NOSより転帰が良好で

    あった。5 年 FFS 割合(36% vs 20%)および OS 割合(49% vs

    32%)は PTCL-NOS より良好であった。GELA による最近の解析では、

    年齢および β2ミクログロブリンは ALCL患者の全生存期間に対する最

    も重要な予後因子で、ALK1 の発現はそうではなかったことが判明した

    が、ALK1 の発現と年齢には非常に密接な関連が認められた 52。原発性

    皮膚 ALCL 患者は、ALK1 陰性であるにもかかわらず、非常に良好な 5

    年 OS割合(90%)を示し、5年 FFS割合は 55%であった。この研究

    で得られた知見から、ALK陰性 ALCLは ALK陽性 ALCLと PTCL-NOS

    のどちらとも分けて扱うべきであることが確認された。最近の知見に

    基づき、2008年のWHO分類には ALK陰性 ALCLが暫定カテゴリーと

    して含められている。これは形態学的には ALK 陽性 ALCL と同一で、

    CD30 がびまん性に強発現するが、B 細胞抗原の発現はなく、ALK1 は

    認められない。予後は ALK陽性 ALCLと PTCL-NOSの中間である。

    治療効果判定規準

    リンパ腫の治療効果判定規準については、1999 年に International

    Working Group(IWG)がガイドラインを公表した。この治療効果判定

    規準は、CT で測定した腫大リンパ節の縮小と骨髄穿刺および骨髄生検

    で判定する骨髄浸潤の程度に基づくものである 53。同ガイドラインは

    2007年に International Harmonization Projectによって改訂され、リン

    パ腫の治療効果判定規準の定義に IHC、フローサイトメトリーおよび

    18-フルオロデオキシグルコース(FDG)陽電子放出断層撮影(PET)

    の所見が組み込まれた 54。改訂版ガイドラインでは、残存腫瘤は PET

    の結果に基づき部分奏効(PR)または完全奏効(CR)と定義される

    ため、不確定完全奏効(CRu)の治療効果カテゴリーは基本的に削除

    された。改訂後の判定規準を用いると、治療効果は CR、PR、安定

    (SD)、再発、進行(PD)のいずれかに分類される。

    しかしながら、治療効果判定への PET の応用は、活動性の腫瘍への

    FDG 集積が再現性をもって認められる組織型のみに限られる。一方、

    これまでのところ改訂版の治療効果判定規準は DLBCLとホジキンリン

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    パ腫でのみ検証されている。改訂版の治療効果判定規準を他の組織型

    に適用するには妥当性の検証が必要であり、改訂前の IWG ガイドライ

    ンを使用すべきである。注意すべき点として、NCCN NHL ガイドライ

    ンに含まれるいくつかの亜型には、IWG の治療効果判定規準を適用で

    きない場合がある。CLL/SLL、MF/SS、ATLL、HCL、T-PLL について

    は、腫瘍別の治療効果判定規準が各ガイドラインに記載されている。

    診断

    NHL では全症例において、正確な病理診断が最も重要な最初のステッ

    プとなる。基本的な病理学的評価は各ガイドライン(腫瘍の亜型別)

    で同じであるが、特定の状況では、特定の診断を明確にする上でさら

    にいくつかの評価が有用となる場合があり、それらについては各ガイ

    ドラインの病理学的評価の項で概説している。

    NHL の確定診断にはリンパ節の切開または切除生検が推奨される。

    針生検については、診断用の組織を安全に採取できる唯一の手段で

    あることが臨床状況から示されない限り、推奨されない。穿刺吸引

    (FNA)生検は、悪性腫瘍の診断に広く用いられているが、リンパ

    腫の診断における役割については依然として議論がある 55,56。改訂

    REAL/WHO 分類は形態像と免疫表現型の両方に基づくため、FNA

    単独は NHL の信頼できる診断手段として認められない。しかしなが

    ら、補助的な検査法と組み合わせれば正確な診断が得られる可能性

    があり、極めて限られた状況下では、それにより侵襲性の高い生検

    が不要となりうる。最近の研究により、IHC およびフローサイトメ

    トリーと併用することで、FNA の診断精度が有意に向上することが

    示されている 57-59。

    本 NCCN ガイドラインでは、FNA 単独での診断は NHL の初回診断と

    して適切でないとしているが、再発の確定には十分である場合もある。

    しかしながら、リンパ節に容易に到達できない特定の状況では、適切

    な補助的検査法[IGHV および/または T 細胞受容体(TCR)遺伝子再

    構成に対する PCR、主要な転座に対する FISH、免疫表現型解析]と

    併せて針生検と FNA を併用することで、診断に十分な情報が得られる

    可能性がある。これは特に CLL の診断に当てはまる。それでも FL や

    MCL など白血病化を示す他のリンパ腫においては、組織学的亜型を明

    らかにするため、生検が望ましい。

    様々な NHL の亜型を鑑別して正しい診断を確定するためには、免疫表

    現型解析が必須である。これはフローサイトメトリー、IHC またはそ

    の両方によって可能となるが、いずれを選択するかは、対象となる抗

    原のほか、血液病理医の専門性と利用できる資源に依存する。一部の

    症例では、フローサイトメトリーと IHC が相補的な診断手段となる 60。

    また特定の状況では、NHL の一部の亜型に特徴的な特定の染色体転座

    を同定するか、クローン性を確認するために、細胞遺伝学的または分

    子生物学的な分析が必要になる場合もある。

    2008年の WHO分類の公表後、NHLガイドライン委員会は、成熟リン

    パ系腫瘍の診断における免疫表現型検査の利用に関する一連のアルゴ

    リズムを策定した。これらのアルゴリズムは、外科病理医に対したガ

    イダンスを示すとともに、臨床医による病理報告書の解釈を支援する

    ことを目的に策定されたものであり、臨床所見と病理学的所見との相

    関関係も踏まえた上で使用するべきである。本ガイドラインの「免疫

    表現型検査/遺伝子検査」を参照のこと。

    精査

    精査における必須の手順としては、全身の身体診察(リンパ節を含む

    領域と肝臓および脾臓の大きさに特に注意する)、症状、Performance

    Status、臨床検査(血算、血清乳酸脱水素酵素[LDH]値、B 型肝炎ウ

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    イルス検査[下記参照]、生化学検査[ comprehensive metabolic

    panel]を含む)、経口または静注造影剤(腎機能不全が併存しない限

    り)を用いる胸部/腹部/骨盤 CT が含まれる。アントラサイクリン系ま

    たはアントラセンジオン系薬剤を含むレジメンを使用している場合は、

    MUGA スキャンまたは心エコー検査が推奨される。治療を考慮する場

    合には、全例で骨髄生検(単独または骨髄穿刺と併用)が必須である

    が、延期してよい状況もある(下記参照)。当委員会は、B 型肝炎の

    再活性化のリスクを考慮して、抗 CD20 モノクローナル抗体をベース

    とする治療を予定した患者における治療開始前の必須の精査手順とし

    て、B型肝炎検査(B型肝炎表面抗原、B型肝炎コア抗体)を含めた。

    さらに、化学療法単独でも B 型肝炎の再活性化が報告されており、危

    険因子(例えば、輸血、静注薬物の乱用)を有する患者や B 型肝炎感

    染症の有病率が無視できない地域の患者(下記の支持療法の項の「B

    型肝炎の再活性化」を参照)では、検査を考慮すべきである。C 型肝

    炎検査は高リスク患者と脾辺縁帯リンパ腫患者で必要である。

    任意の手順(具体的なリンパ腫の種類に依存する)としては、β2 ミク

    ログロブリン、CT または PET-CT、超音波内視鏡検査(胃 MALT リン

    パ腫)、頭部 CT または脳 MRI、腰椎穿刺による髄液検査(MCL およ

    び DLBCL)などがある。状況によっては、妊孕性の問題および精子保

    存に関する話し合いを行うべきである 61。

    フローサイトメトリーでクローン性のリンパ球増加症が確認された場

    合は、通常は SLL/CLL を除く全 NHL 患者の精査に骨髄生検を含める。

    骨髄浸潤は低悪性度リンパ腫の 39%、中悪性度リンパ腫の 36%、高悪

    性度リンパ腫の 18%で発生する。中悪性度または高悪性度リンパ腫の

    患者では、骨髄浸潤と生存期間短縮の間に有意な関連が認められた 62。

    ある後方視的解析では、I 期および II 期 DLBCL患者 192 例を対象とし

    て、骨髄浸潤の発生率と骨髄浸潤を予測するパラメータが分析された63。骨髄浸潤の発生率は 3.6%であった。著者らは、一部の早期

    DLBCL 患者では骨髄生検を安全に省略することができると結論した 63。

    皮膚 B 細胞リンパ腫においては、全身治療が必要になる可能性の高い

    アグレッシブリンパ腫である PC-DLBCL 下肢型では、骨髄生検が必須

    であるが、PC-FCL および PC-MZL における骨髄生検の役割は明確で

    はない。最近の諸研究では、骨髄生検は皮膚病変で発症した PC-FCL

    患者の病期診断に必須であるが、皮膚病変で発症した MZL 患者での価

    値は限られるようで、一部の症例でのみ考慮すればよいことが示され

    ている 64,65。

    本 NCCN ガイドラインでは、すべてのリンパ腫に対する必須の精査手

    順に骨髄生検(単独または骨髄穿刺と併用)を含めている。しかしな

    がら、画像検査による臨床病期が III 期の腫瘍量の少ないインドレント

    リンパ腫の患者では、骨髄検査の結果によらず臨床的判断が変化する

    ことがなく、経過観察が推奨される場合、初回病期診断での骨髄評価

    を延期することができる。ただし、限局期の可能性があるインドレン

    トリンパ腫(I 期または II 期)の評価では骨髄生検は必須であり、この

    状況では両側での針生検を推奨する委員もいる 66。放射線免疫療法を

    考慮する場合は、両側での針生検が推奨される。

    NHL 患者の初回病期診断、再病期診断、フォローアップに FDG-PET

    が用いられている 67。あるメタアナリシスでは、リンパ腫患者の病期

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    診断および再病期診断において PET の感度および特異度が高いことが

    示された 68。FDG-PET は、ホジキンリンパ腫、DLBCL、濾胞性リン

    パ腫の診断ではほぼ全例で 69、T 細胞リンパ腫 70および節性 MZL では

    約 90%の患者で陽性となるが、節外 MZL では感度が低い 71。しかし

    ながら、PET ではサルコイド、感染、炎症など多くの良性疾患で偽陽

    性が生じ、解釈を複雑にする。また 1cm 未満の病変は、PET では信頼

    性の高い描出は困難である。現時点で PET はホジキンリンパ腫と

    DLBCL の治療前評価に組み込まれているほか、その他の組織型でも一

    部の症例で有用となる可能性がある。治療前の PET は特に重要で、新

    しい治療効果判定規準(上記参照)に従った治療後の効果判定の解釈

    に役立つ。PET では診断時に新たな病変部位を検出できる可能性があ

    るが、臨床病期が変更される患者は全体の 15~20%のみであり、治療

    法が変更されるのはわずか 8%である。PETは一般に diagnostic CTと

    の併用で施行されている。

    米国では、大部分の施設において CT 単独の検査が PET-CT に取って

    代わられている。この診断検査には、full doseの diagnostic CTまたは

    PET を単独で施行する場合と比較して、病期診断と再病期診断の両方

    で明らかな利点がある 72,73。ある後方視的研究では、ホジキン病また

    は高悪性度 NHL 患者のリンパ節および臓器病変の評価において、低線

    量の単純 CTで施行された PET-CTの方がルーチンの造影 CTより感度、

    特異度ともに高かったことが明らかにされた 73。最近の前方視的研究

    (47 例、以前に diagnostic CT を受けていた患者は除外)で行われた

    予備的な検討では、リンパ腫のリンパ節および節外病変の評価におい

    て、低線量の単純 PET-CTと full doseの造影 PET-CTの間で良好な相

    関関係が認められた 72。しかしながら、静注造影剤を使用しないこと

    と分解能が低いことにより、一部の症例では、解剖学的な局在や FDG

    集積部位の重要性の解釈が困難になる可能性もある。リンパ腫の初回

    病期診断と治療効果判定において PET-CTが diagnostic CTの代わりと

    なりうるかの判断には、更なる研究が必要である。当委員会は、PET-

    CTを一部の患者に対する任意の精査手順の 1つとした。

    支持療法

    支持療法は現在でも NHL 患者の管理における重要な要素の 1 つであり、

    積極的な治療中には特に重要となる。NHL の支持療法としては、感染

    性合併症の管理、腫瘍崩壊症候群の管理、骨髄増殖因子製剤または血

    液製剤の使用などがある(これらに限定されない)。これらの対策は、

    治療の忍容性を高め、治療関連毒性を軽減し、計画された治療コース

    の予定通りの進行を保証することにより、患者に対する NHL 治療の有

    益性を最大限に高める一助となりうる。造血器腫瘍の患者では、骨髄

    抑制療法や基礎疾患(悪性腫瘍)に起因する著明な免疫抑制のため、

    感染性合併症のリスクが高くなる。例えば、NHL 患者において著明な

    免疫抑制が生じると、潜伏感染していたウイルスが再活性化する可能

    性がある。

    ウイルスの再活性化とウイルス感染症

    B型肝炎ウイルスの再活性化

    化学療法または化学療法+抗体療法薬の併用療法を受けた患者におい

    て、B 型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化が報告されている 74-80。リ

    ンパ系腫瘍を有する HBVキャリア、特に抗 CD20モノクローナル抗体

    (例えば、リツキシマブ、ofatumumab)の投与を受けている患者 82で

    は、HBV の再活性化と肝炎発症のリスクが高い 81。リツキシマブを含

    む多剤併用療法を受けた患者では、HBV の再活性化に伴い肝不全およ

    び死亡に至った症例が複数報告されている 82。

    B 型肝炎表面抗原(HBsAg)および B 型肝炎コア抗体(HBcAb)の検

    査により、患者毎に HBV の状態を判定することができる。B 型肝炎ワ

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    クチンが広く使用されていることから、B 型肝炎表面抗体(HBsAb)

    陽性の価値は限定的であるが、まれな症例では HBsAb の量が治療選択

    の指針として役立つ場合がある。HBsAg または HBcAb 陽性の悪性腫

    瘍患者では、細胞傷害性薬剤による化学療法で HBV の再活性化を来す

    リスクがあり、HBsAg 陽性患者では約 20~50%、HBcAb 陽性患者で

    は 3~45%の頻度で HBV の再活性化がみられる 74,75,77,80,83-90。HBsAg

    は慢性肝疾患では偽陰性となることがあるため、化学療法を必要とす

    る患者に肝炎の既往がある場合は、ウイルス量の測定による評価を行

    うべきである 91。HBsAb が陽性であることは一般に防御免疫の成立と

    同一視されるが、HBcAb 陽性の患者において著明な免疫抑制が生じれ

    ば、再活性化により HBV 感染症が生じる可能性がある 75,92。リツキシ

    マブを含む多剤併用療法を受けた B 細胞リンパ系腫瘍の患者では、

    HBcAb 陽性例(HBsAb は陽性または陰性)で HBV の再活性化が認め

    られており、治療開始前に HBsAg 陰性であった患者でも観察された77,85,90。リンパ増殖性疾患の患者で生じた HBV の再活性化に関する最

    近のメタアナリシスと FDA の安全性報告の評価では、HBcAb 陽性と

    リツキシマブに関連した HBV 再活性化の発生率増加との間に相関がみ

    られたことが報告された 84。HBV 感染歴のない(すなわち HBsAg、

    HBsAb、HBcAbがすべて陰性の)患者では、HBVに対する予防接種を

    強く考慮すべきである 75,93。

    免疫抑制療法を受けている造血器腫瘍患者における HBV 再活性化の管

    理について推奨される戦略として、当初からの抗ウイルス薬の予防投

    与や先行療法などがある。予防的なアプローチとしては、ウイルス量

    や HBV の再活性化による臨床症状の有無にかかわらず、HBsAg 陽性

    または HBcAb 陽性患者を対象として予防的抗ウイルス療法を施行する。

    先行療法の代替戦略としては、高感度の HBV 定量検査による綿密なサ

    ーベイランスを行うとともに、HBV DNA量の増加時に抗ウイルス療法

    を併用する 75。免疫抑制作用のある細胞傷害性薬剤の投与を受けてい

    る HBsAg 陽性の造血器腫瘍患者では、抗ウイルス薬ラミブジンの予防

    投与で HBV の再活性化リスクを低減できることが示されている 81,94-97。

    HBsAg 陽性のリンパ腫患者(N=30)を対象とした小規模ランダム化

    試験では、ラミブジンの予防投与が延期先行療法(deferred pre-

    emptive therapy:血清検体中のウイルス DNA に基づいて HBV の再活

    性化を示す血清学的な証拠が得られた時点で抗ウイルス薬を投与す

    る)より優れていることを示した 94。延期療法群の患者では 53%で

    HBV が再活性化したのに対し、予防群では再活性化がみられなかった。

    免疫抑制を引き起こすレジメンで治療を受けた HBsAg 陽性のリンパ腫

    患者を対象としてラミブジンの予防投与の有益性を評価した臨床試験

    のメタアナリシスでは、予防群では非予防群と比べて HBV の再活性化

    が有意に減少し(リスク比=0.21、95% CI 0.13~0.35)、HBVに関連

    した死亡にも減少傾向が認められた(リスク比=0.68、95% CI 0.19~

    2.49)97。最近の研究では、リツキシマブに関連する HBV 再活性化の

    予防においては、エンテカビルがラミブジンより有効であることが示

    されている 98-100。新たに DLBCL と診断されて免疫化学療法(R-

    CHOP)を受ける HBsAg陽性患者(n=229)を対象としてエンテカビ

    ルとラミブジンの予防投与の有効性を比較した前方視的研究では、エ

    ンテカビルの方が肝炎発生(8.2% vs 23.3%、P =0.022)、HBVの再

    活性化(6.6% vs 30.0%、P=0.001)、晩発性の HBV 関連肝炎(0%

    vs 8.3%、P=0.027)、化学療法の中止(1.6% vs 18.3%、P=0.002)

    のいずれも有意に少なかった 98。また別のランダム化対照試験でも、

    HBV 再活性化の予防においてエンテカビルによる予防(化学療法の開

    始前から化学療法の終了後 3ヵ月まで)が対照(化学療法後に HBVの

    再活性化または HBsAg の reverse seroconversion がみられた時点でエ

    ンテカビル療法を開始する)より有効であったことが示された 99。化

    学療法後 6、12、18 ヵ月時点での累積 HBV 再活性化率は、対照群で

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    それぞれ 8%、11.2%、25.9%、エンテカビル予防群でそれぞれ 0%、

    0%、4.3%であった(P=0.019)。

    免疫抑制作用のある抗腫瘍療法下でのラミブジンによる予防について

    評価が行われたが(前述)、ウイルスに対する至適な戦略は依然として

    明らかではない。ラミブジンに対する耐性の出現が懸念される 101-105。

    ラミブジン抵抗性の HBV 感染患者を対象として、アデホビルとラミブ

    ジンの併用が評価されている 106,107。テノホビルは、慢性 HBV 感染患

    者を対象としてウイルスに対する有効性を評価したランダム化二重盲

    検第 III 相試験において、アデホビルより優れた成績を示し、この状況

    では望ましい薬剤である可能性があるが、がん患者への使用について

    はデータが限られている 108。エンテカビルと telbivudine についても、

    慢性 HBV 感染患者を対象としてアデホビルと比較したランダム化非盲

    検試験で評価されており、どちらもアデホビルより高い抗ウイルス活

    性を示している 109,110。

    当委員会は、抗 CD20 モノクローナル抗体を含むレジメンによる治療

    を計画する全患者に対して HBsAg および HBcAb 検査を推奨する。

    HBsAg および/または HBcAb 検査で陽性となった患者では、ベースラ

    イン時に HBV DNAの定量 PCR検査によりウイルス量を測定するべき

    である。ただし、ベースライン時に PCR 陰性であっても、再活性化の

    可能性が除外されるわけではない。HBV 感染症の有病率が高い地域

    (アジア、アフリカおよび東欧と南米の一部地域)または有病率が不

    明な地域の患者については、抗体療法、化学療法または免疫化学療法

    を受ける全患者に対して HBsAg および HBcAb の検査を施行すべきで

    ある。免疫グロブリン静注療法(IVIG)を受けている患者は、IVIG の

    結果として HBcAb 陽性となる可能性があるが、HBV のウイルス量モ

    ニタリングが推奨される 111。

    NHL に対する治療中の HBsAg 陽性患者には、エンテカビルによる予

    防的抗ウイルス療法が推奨される。ラミブジンによる予防は、耐性発

    現のリスクがあるため、避けるべきである。HBsAg 陰性であるが

    HBcAb 陽性の患者では、エンテカビルによる予防的抗ウイルス療法も

    望ましいアプローチであるが、同時に HBsAb 濃度が高い場合には、

    HBV のウイルス量を連続測定によりモニタリングして、ウイルス量が

    増加した時点で抗ウイルス薬による先行療法を施行するべきである。

    治療期間中は月 1 回、治療終了後は 3 ヵ月毎に、PCR 法によりウイル

    ス量をモニタリングすること。ウイルス量が一貫して検出限界未満と

    なる場合は、抗ウイルス薬による予防を継続するべきである。ウイル

    ス量が減少しない場合、または以前検出限界未満であった PCR 法で陽

    性になった場合には、肝臓専門医へのコンサルテーションと抗 CD20

    抗体療法の中止が推奨される。

    前述のように、予防にはいくつかの抗ウイルス薬が使用可能である。

    各施設の診療基準や肝臓または感染症専門医の推奨に従うことで、最

    適な選択が可能になる。適切な予防期間は依然として不明であるが、

    当委員会は、癌治療の完了後最長 12 ヵ月間にわたってサーベイランス

    と抗ウイルス薬の予防投与を継続するよう推奨した 75。

    C型肝炎ウイルス関連 B細胞 NHL

    複数の症例対照研究により、C 型肝炎ウイルス(HCV)の血清陽性と

    NHL(特に B 細胞リンパ腫)の発生との間に強い関連が確認されてい

    る 112-120。大規模な集団ベースまたは多施設共同の症例対照研究では、

    DLBCL と辺縁帯リンパ腫を含む B 細胞腫瘍の患者において、HCV 血

    清陽性率の一貫した上昇が認められた 114,115,118,120。HCV 感染患者(N

    =3209)を対象とした後方視的研究では、HCV 持続感染患者における

    悪性リンパ腫の累積発生率が、インターフェロンを含む治療法で SVR

    (sustained virologic response)が得られた患者よりも有意に高かった

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    (15年発生率 2.6% vs 0%、P=0.016)121。多変量解析の結果を踏ま

    えても、HCV の持続感染は依然として、悪性リンパ腫の発生に関連す

    る独立した有意な因子であった。この研究により、インターフェロン

    ベースの治療法による SVR の達成が HCV 感染患者における悪性リン

    パ腫の発生率を減少させることが示唆された 121。いくつかの報告によ

    り、HCV 陽性患者において抗ウイルス薬による治療(典型的にはイン

    ターフェロン±リバビリン)で NHL の退縮が得られたことが示唆され

    ており、この結果はリンパ増殖性疾患の発生機序への HCV 感染の関与

    を示す更なるエビデンスとなっている 122-128。化学療法後に CR が得ら

    れた NHL 患者(N=343、インドレントおよびアグレッシブ NHL)を

    対象とした後方視的研究では、抗ウイルス薬による治療を受けた HCV

    陽性患者のサブグループ(インターフェロン+リバビリン、n=25)に

    おける無病生存期間が抗ウイルス療法を受けなかった HCV 陽性患者

    (n=44)のそれより有意に長く、追跡期間 5年時点の無再発生存割合

    は、それぞれ 76%と 55%であった 127。さらに、抗ウイルス薬で SVR

    が得られた患者では再発が 1 例もみられなかったのに対し(8 例中 0

    例)、抗ウイルス薬に反応しなかった患者では 29%(17例中 5例)が

    再発した。インドレント NHL の HCV 陽性患者を対象とした大規模な

    多施設共同後方視的研究では、抗ウイルス療法(インターフェロンま

    たはペグ化インターフェロン±リバビリン)による一次治療を受けた患

    者(n=76)の 78%で SVRが得られたが、初回治療が不成功に終わっ

    た後に二次治療として抗ウイルス薬投与を受けた患者(n=18)では

    56%であった 128。この解析で対象とされた患者では、リンパ腫に対す

    る迅速な治療は必要なかった。一次および二次治療で抗ウイルス薬投

    与を受けた両サブグループにおける血液学的奏効は 78%であった

    (CR 割合はそれぞれ 47%と 27%)。一次治療で抗ウイルス薬投与を

    受けた患者群では、血液学的奏効に SVR 達成との有意な関連が認めら

    れた 128。したがって、免疫化学療法による迅速な抗腫瘍療法を必要と

    しないインドレント NHLの HCV陽性患者では、インターフェロン(±

    リバビリン)を用いた初回治療によって高頻度でリンパ腫の退縮が誘

    導されると考えられる。抗腫瘍療法で寛解が得られた HCV 陽性の

    NHL 患者では、引き続く抗ウイルス薬による治療が再発リスクの低下

    につながる可能性がある。

    HCV 陽性の NHL 患者に対する至適な管理方針は定まっていない。

    HCV 血清陽性のインドレント NHL 患者では、いくつかの報告で実証

    されている通り、初回治療としての抗ウイルス療法が有益となりうる122,124,126,128,129。アグレッシブ NHL 患者については、Groupe d'Etude

    des Lymphomes de l'Adulte(GELA)による複数の臨床研究(リツキ

    シマブ時代より前に実施されたもの)で収集された併合データによる

    比較的初期の解析結果から、DLBCL 患者の HCV 血清陽性には生存割

    合の有意な悪化と関連があることが示唆され、その悪化は一部には、

    HCV感染者でみられる重度の肝毒性によるものであった 130。その後リ

    ツキシマブ時代に入ってから実施された研究では、DLBCL 患者におけ

    る HCV 血清陽性は PFS または OS の予測因子ではないことが示され

    た 131,132。しかし、免疫化学療法による肝毒性の発生率は HCV 陽性患

    者の方が高く、GELAの研究で得られた知見が確認された。

    新しい抗ウイルス薬(特に遺伝子型 1型 HCVのキャリアを対象とする

    もの)の登場により、慢性 HCV 感染症の治療は改善された。直接作用

    型抗ウイルス薬(DAA)と標準的な抗ウイルス薬(ペグ化インターフ

    ェロンおよびリバビリン)の併用は、遺伝子型 1型 HCVの慢性感染キ

    ャリアにおいて、標準治療単独よりも有意に高い SVR 率をもたらした133-136。テラプレビルおよび boceprevir は、遺伝子型 1 型 HCV 感染患

    者の治療法(ペグ化インターフェロン+リバビリンとの併用)として

    最近 FDA から承認された DAA である。American Association for the

    Study of Liver Diseases(AASLD)による HCV感染症の管理に関する

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    更新版ガイドラインでは、遺伝子型 1型 HCV感染患者に対する標準の

    抗ウイルス療法に DAAを組み込むことが推奨された 137。

    当委員会は、HCV 陽性の低悪性度 B 細胞 NHL で無症状の患者では抗

    ウイルス療法による初回治療を推奨する。遺伝子型 1型 HCVの感染患

    者では、AASLD のガイドラインに従って、DAA を含む 3 剤併用抗ウ

    イルス療法を考慮すべきである。HCV陽性のアグレッシブ B細胞 NHL

    患者では、NCCN NHL ガイドラインに従って、適切な免疫化学療法に

    より初回治療を行うべきである。免疫化学療法の施行中および終了後

    には、肝毒性の発現に関して肝機能と血清中 HCV RNA 量を綿密にモ

    ニタリングすべきである。免疫化学療法の終了後に CR が得られた患

    者では、続いて抗ウイルス療法を考慮すべきである。

    サイトメガロウイルスの再活性化

    Alemtuzumab 療法を受けるリンパ増殖性悪性腫瘍(最も多いのは

    CLL/SLL)患者では、サイトメガロウイルス(CMV)の再活性化が起

    きる可能性があり、治療開始から 3~6週間後の T細胞数が最低値に達

    した時点で最も多く発生する 138-140 。 CMV の再活性化は、

    alemtuzumab 投与を受ける患者で十分に報告された感染性合併症であ

    り、投与を受ける患者の最大 25%で発生する 138,141-145。CMVの再活性

    化を予防するための最新の管理策としては、alemtuzumab 療法前に

    CMV 血症がみられる場合のガンシクロビルの予防投与(経口または静

    注)140 や、治療中にウイルス量が増加していることが判明した場合の

    先行療法がある 139,146,147。

    CLL 患者を対象とした alemtuzumab のいくつかの研究により、明らか

    な CMV感染症を予防する上での、ガンシクロビルによる先行療法を併

    用したルーチンの CMV モニタリングの有効性が実証されている 138,139。

    Alemtuzumab を含む治療を受けるリンパ増殖性疾患患者(N=40)を

    対象とした小規模ランダム化試験では、バルガンシクロビルの経口投

    与による CMV 予防がバラシクロビルの経口投与と比較して CMV 再活

    性化の発生率を有意に低下させることが示された(0% vs 35%、P=

    0.004)140。

    Alemtuzumab を含む治療を受ける造血器腫瘍患者は、CMV 再活性化

    の可能性について綿密にモニタリングして管理するべきである。その

    ためには、定量ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いた CMV 抗原

    の定期的なモニタリングが有効な管理アプローチとなる 146。当委員会

    は、alemtuzumab の投与期間中と投与終了後 2 ヵ月間は CMV 血症に

    対するルーチンのサーベイランス(2~3週間毎)を推奨する。

    進行性多巣性白質脳症

    進行性多巣性白質脳症( PML)は、潜伏感染した JC( John

    Cunningham)ポリオーマウイルスの再活性化により生じる、まれでは

    あるが重篤で通常は死に至る中枢神経系感染症である。PML の症例は

    一般に、AIDS 患者のような重度の免疫不全患者で発生する。著明な免

    疫抑制(基礎疾患や免疫抑制療法による)がみられる造血器腫瘍患者

    も PML発生のリスクがある。Research on Adverse Drug Events and

    Reports project からの 57 例の報告では、52 例のリンパ増殖性疾患患

    者において、リツキシマブによる治療後あるいは造血幹細胞移植また

    は化学療法(プリンアナログまたはアルキル化薬)を含む他の治療後

    に PML が発生した 148。リツキシマブの最終投与から PML の診断まで

    の期間の中央値は 5.5 ヵ月であった。PML の診断から死亡までの期間

    の中央値は 2ヵ月であった。症例の死亡率は 90%であった 148。リツキ

    シマブの使用は、リンパ球増殖性悪性腫瘍の免疫不全患者では PML の

    リスク増大を伴う可能性がある 149。CLL/SLL または他の病型の NHL

    患者でも、リツキシマブによる治療(通常は化学療法との併用)での

    PML の発生例が報告されている 150-160。リツキシマブを含むレジメン

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    による抗腫瘍治療の開始前または施行中に CD4陽性 T 細胞数が低値と

    なった患者では、特に PML が生じやすい可能性がある 148,150,151。別の

    抗 CD20 モノクローナル抗体である ofatumumab161または抗 CD30 抗

    体薬物複合体であるブレンツキシマブベドチンによる治療を受ける

    NHL患者でも、PMLの潜在的リスクが考えられる 162-164。

    PMLの発生は、錯乱、運動麻痺または運動協調性低下、視覚変化、話

    し方の変化など神経学的な徴候および症状から臨床的に疑われる 148。

    PMLは通常、脳脊髄液を検体とする PCR検査、もしくは一部の症例

    では脳生検検体の分析により診断される。PMLに対する有効な治療法

    は存在しない。神経症状の発現について患者を慎重にモニタリングす

    べきである。PMLの発生を予測するために実施できる治療前評価につ

    いては、現時点でコンセンサスは得られていない。

    腫瘍崩壊症候群

    腫瘍崩壊症候群(TLS)は、重篤になりうる化学療法の合併症の 1 つ

    で、化学療法によって細胞が崩壊する結果として細胞内容物が血中に

    突然放出されることに起因する代謝異常を特徴とする。通常は化学療

    法の開始後 12~72 時間以内に認められる 165。TLS を無治療で放置す

    ると、著明な代謝変化が誘導されて不整脈、痙攣発作、筋の制御喪失、

    急性腎不全に至り、死につながることもある。

    Cairoと Bishopは TLSを laboratory TLS と clinical TLSに分類した。

    Laboratory TLS は、血清尿酸、カリウムまたはリン値が 25%以上上

    昇するか、カルシウム値が 25%以上低下した場合と定義される 166。

    Clinical TLS は、laboratory TLS に介入を要する臨床毒性が伴った場

    合を指す。臨床的な合併症には腎機能不全、不整脈、痙攣発作など

    がある。TLS で主にみられる 4 つの電解質異常は、高カリウム血症、

    高尿酸血症、高リン血症、低カルシウム血症である。TLS に伴う症

    状としては、悪心・嘔吐、下痢、痙攣発作、息切れ、不整脈などが

    みられる。

    TLS が予想される場合、化学療法に先立って治療を開始することが最

    善の管理方法である。TLS の管理では、水分補給と高尿酸血症のコン

    トロールが基本となる。アロプリノールを化学療法の開始前に投与す

    べきである。アロプリノールによる治療にもかかわらず尿酸値が高値

    のままである場合や腎機能不全のある患者では、ラスブリカーゼの適

    応となる。電解質と腎機能を 6~8 時間毎にモニタリングするとともに、

    高カリウム血症と高リン血症に対して適切な介入を行うべきである。

    注意深い臨床的モニタリングが合併症の予防に有用であり、多くの症

    例では ICU への入室が適切な場合もある。心機能のモニタリングまた

    は連続心電図検査が電解質に関連する心臓の異常を早期に同定する上

    で有益となりうる。無尿性急性腎不全の症例では透析が必要になる場

    合がある。

    アロプリノールは、キサンチンアナログであり、かつキサンチンオキ

    シダーゼの競合的阻害薬であるため、プリン代謝物の尿酸への変換を

    遮断する。アロプリノールは尿酸の産生量を減少させ、尿酸による尿

    路障害の発生率を減少させることが示されている 167。この薬剤はすで

    に存在する尿酸を減少させるのではなく、尿酸の新たな産生を阻害す

    るものであるため、上昇した尿酸値を正常化するまでには治療開始か

    ら数日を要することがあり、化学療法の開始が遅れる場合もある。さ

    らに、アロプリノールは尿細管内にキサンチン結晶を蓄積させ、急性

    閉塞性尿路疾患を来す可能性がある。アロプリノールはメルカプトプ

    リンおよび高用量メトトレキサートのクリアランスも低下させる。

    ラスブリカーゼは、遺伝子組換え尿酸オキシダーゼであり、溶解性が

    高く容易に排泄される非毒性代謝物への尿酸の酸化を触媒する。造血

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    考察

    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    器腫瘍の小児および成人患者における化学療法による高尿酸血症の予

    防および治療として、安全かつ高度に有効であることが示されている168。化学療法中に TLS リスクがある患者を対象としたコンパッショネ

    ートユースの国際臨床試験(登録例数 280 例)では、評価可能症例

    (219 例、うち成人は 97 例)の全例においてラスブリカーゼの投与

    (0.20mg/kg/日、静注、1~7 日間)により尿酸値の低下に基づく奏効

    が得られた 168。高尿酸血症のある成人患者のサブグループ(n=27)

    では、平均尿酸値が治療前の 14.2mg/dL からラスブリカーゼの最終投

    与後 24~48 時間には 0.5mg/dL まで低下した。TLS リスクのある成人

    患者(ベースライン時に高尿酸血症なし、n=70)では、平均尿酸値が

    4.8mg/dLから 0.4mg/dLに低下した 168。GRAAL1試験では、導入化学

    療法中の成人アグレッシブ NHL 患者(N=100)を対象として、高尿

    酸血症の予防および治療としてのラスブリカーゼ(0.20mg/kg/日、静

    注、3~7 日間、化学療法の 0 または 1 日目に開始)の有効性および安

    全性が評価された 169。化学療法開始前の時点では、66%の患者で乳酸

    脱水素酵素(LDH)値が高値で、11%の患者で尿酸値が高値(>

    7.56mg/dL)であった。化学療法中には全例で尿酸値が正常化し、以降

    も正常範囲内に維持された。尿酸値はラスブリカーゼの初回投与後 4

    時間以内に低下した。さらに、ラスブリカーゼの投与により血清クレ

    アチニン値とその他の代謝物もコントロールされた 169。

    ある多施設共同ランダム化第 III 相試験では、TLS のリスクが高いまた

    は潜在的リスクのある成人の造血器腫瘍患者(N=275)を対象として、

    ラスブリカーゼとアロプリノールの有効性および安全性が前方視的に

    比較された 170。被験者はラスブリカーゼ単剤群(0.20mg/kg/日、静注、

    1~5 日目、n=92)、ラスブリカーゼ+アロプリノール群(ラスブリカ

    ーゼ 0.20mg/kg/日、静注、1~3 日目+アロプリノール 300mg/日、経

    口、3~5 日目、n=92)、アロプリノール単剤群(300mg/日、経口、1

    ~5 日目、n=91)のいずれかにランダムに割り付けられた。尿酸値に

    基づく奏効率(3~5 日目のすべての測定で血漿尿酸値が 7.5mg/dL 以

    下になった場合を奏効と定義)は、ラスブリカーゼで 87%、ラスブリ

    カーゼ+アロプリノールで 78%、アロプリノールで 66%であった 170。

    Clinical TLS の発生率は全治療群間でそれぞれ 3%、3%、4%と同程度

    であった。Laboratory TLSの発生率はそれぞれ 21%、27%、41%で、

    ラスブリカーゼ群ではアロプリノール群と比較して有意に低かった(P

    =0.003)。ラスブリカーゼによる奏効率は研究対象集団全体でアロプ

    リノールより良好で(87% vs 66%、前述、P=0.001)、高リスク TLS

    患者(89% vs 68%、P=0.001)およびベースライン時の高尿酸血症

    患者(90% vs 53%、P=0.015)でも同様であった。高尿酸血症のあ

    る患者で血清尿酸値がコントロールされるまでに要した時間の中央値

    は、ラスブリカーゼで 4 時間、ラスブリカーゼ+アロプリノールで 4

    時間、アロプリノールで 27 時間であった 170。試験レジメンに対する

    過敏症の可能性がラスブリカーゼ群では 4%、併用群では 1%の患者で

    報告されたが、この試験でアナフィラキシーまたはグレード 4 の過敏

    症反応は報告されなかった 170。しかしながら、ラスブリカーゼはアナ

    フィラキシー反応を誘導する可能性がある。その他の有害反応として

    は、グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G6PD)欠損症患者におけるメ

    トヘモグロビン血症や重度の溶血などがある。TLS の高リスク因子ま

    たは高尿酸血症がみられる成人患者では、固定用量でのラスブリカー

    ゼ(6mg)171,172 または体重に基づく用量でのラスブリカーゼ(0.05~

    0.15mg/kg)173,174 の単回投与が尿酸値の管理に有効であることが示さ

    れている。最近の第 II 相ランダム化試験では、TLS のリスクが高いま

    たは潜在的リスクのある成人患者(投与例数 80 例)を対象として、ラ

    スブリカーゼの単回投与(0.15mg/kg、必要に応じて追加投与)と 5日

    間投与(0.15mg/kg/日)の有効性が比較された 175。投与前の尿酸値の

    中央値は高リスク患者(n=40)で 8.5mg/dL、潜在的リスク患者(n=

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    NCCN Guidelines Version 2.2015

    非ホジキンリンパ腫

    40)で 5.6mg/dL であった。投与を受けた患者のほぼ全例(99%)で

    ラスブリカーゼの初回投与後 4 時間以内に尿酸値が正常化し、84%の

    患者では尿酸値が検出限界未満となった(<0.7mg/dL)175。ラスブリ

    カーゼ単回投与群では、85%の患者で尿酸値に基づく持続的奏効が得

    られたのに対し、ラスブリカーゼ 5 日間投与群では 98%であった。単

    回投与群の高リスク患者では、尿酸値に基づく奏効を得るために 6 例

    が 2回目のラスブリカーゼ投与を受けた 175。

    TLS の危険因子としては、骨髄浸潤、化学療法に対する感受性の高い

    巨大腫瘍、急速進行性またはアグレッシブな造血器腫瘍、白血球数ま

    たは治療前 LDH 濃度の高値、既存の尿酸値高値、腎疾患または腫瘍の

    腎転移などがある。リンパ芽球性リンパ腫またはバーキットリンパ腫

    と診断された患者は TLS の発生リスクが高い。ときに、巨大病変を有

    する DLBCL 患者と白血球数の高い CLL 患者では、やや高い頻度で

    TLSが発生することがある。

    本 NCCN ガイドラインでは、アロプリノールを化学療法の 2~3 日前

    から開始し、10~14 日間継続することを推奨している。危険因子とし

    て高リスクの特徴(すなわち、バーキットリンパ腫またはリンパ芽球

    性リンパ腫、化学療法開始以前から自然発症した TLS、白血球数高値、

    尿酸値上昇、骨髄浸潤、腎疾患または腫瘍の腎転移)、迅速な治療を要

    する巨大病変、十分な水分補給が不可能、アロプリノールが無効、急

    性腎不全のいずれかが認められる患者には、ラスブリカーゼが推奨さ

    れる。ほとんどの症例では単回投与で十分であるが、個別に検討して

    反復投与すべき場合もある。

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    非ホジキンリンパ腫

    参考文献

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