NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ...

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NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキスト 広島大学 理学研究科 (2007.12.7)

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NaBiT物質科学系大学院集中講義

計算化学演習テキスト

広島大学

理学研究科

(2007127)

2

目  次

1 分子軌道法の概要 ---------------------------------------------------- 3

2 分子グラフィックソフトMolden の使い方 ------------------- 6

3Gaussian03 のインプットの作り方 -----------------------------14

4Gaussian03 のアウトプットの見方 -----------------------------20

5 LINUX の操作法 -----------------------------------------------------30

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する -----------35

7 演習課題 1 ndash3 -------------------------------------------------------51

8 付録(MOLDENの補足説明) -----------------------------------68

3

1 分子軌道法の概要

1-1 分子軌道法(Molecular Orbital Method)とは

分子軌道法は分子系の電子の状態に対するシュレディンガー方程式(1)を近

似的に解く方法ですここで近似的に解く理由は多電子系ではシュレディンガ

ー方程式は厳密には解けないからです  

euro

Hψ = Eψ (1)

電子は互いに相関していますこのことがシュレディンガー方程式の解法を難解に

しますそこで電子の相関は後で考慮することとしある軌道近似を考えますつ

まり1電子波動関数である分子軌道(関数)を考えこれに対するシュレディンガー

方程式つまり Hartree-Fock(HF)方程式を解くのです

分子軌道法は次の3つに分類できます

(i)ab initio (非経験的)分子軌道法密度汎関数(DFT)法

(ii)semiempirical(半経験的)分子軌道法

(iii)Huumlckel分子軌道法

(ii)(iii)では何らかの形であらかじめ参照となる分子群の物性値(実験値)を再現す

るようにパラメータを用いる分子軌道法です経験的パラメータを取り入れることで

計算時間が短縮されます(i)では一切経験的パラメータを取り入れませんその

分計算時間はかかりますが厳密な計算を行うことができます最近ではコンピュ

ーターの性能が随分向上しましたのでかなり大きな分子も ab initio 分子軌道法で計

算できるようになりました授業ではab initio 分子軌道法で計算を行いますまた

最近ではab initio 分子軌道法などを納めたさまざまな汎用量子化学計算プログラムパ

ッケージがでています授業では世界中で親しまれている Gaussian03 プログラム

を用います

1-2 Hartree-Fock(HF)法とは

Hartree-Fock法で計算する場合Hartree-Fock方程式(2)を解きます

euro

FΨ = εHFΨ (2)

この方程式は固有方程式という意味では(1)のシュレディンガー方程式と何ら変わ

りありませんただしさきほど説明しましたようにHartree-Fock 方程式では電子相

関を含めません波動関数には1電子波動関数を用いることになりますここで電

子と電子の間にはクーロン反発相互作用が働いていますこれを厳密に扱うと難解

4

になるので1 電子波動関数を定義し近似的に取り扱いますこれを独立電子近

似などと呼びますこのように各電子につて分子軌道を定義し全電子波動関数は

各分子軌道の積として表しますHartree はシュレディンガー方程式が提案されてす

ぐにこの Hartree 積を提案しましたHartree 積は「パウリの排他原理」を満たして

いないためslater 行列式を採用しますまた式(2)を見るとハミルトニアン演算子

H の代わりに Fock 演算子 F を用いていますFock 演算子では電子間の静電相互作

用には平均場近似という近似を用います

Hartree-Fock 方程式は最初に仮定した分子軌道に基づいて Fock 演算子をつ

くりその固有解として分子軌道を求め得られた分子軌道を用いてFock 演算子を

つくり固有解を求めるということを繰り返して解いていきます最終的にFock 演

算子を決める分子軌道と解として得られる分子軌道の組が一致したとき自己無頓着

場(Self-Consistent Field SCF)が満たされたと言います

1-3 基底関数とは

基底関数とは分子軌道を表現する際に基底として用いられる関数ですこ

の基底関数のセットを基底系(basis set)と呼びます分子軌道

euro

ψiは基底関数

euro

φmicroの線形

結合の形で表現されます

euro

ψi(r) = Cmicroimicro=1

N

sum φmicro (r) (3)

euro

Cmicroiは基底関数の寄与を示す分子軌道係数で計算を行った結果得られます変分原

理によれば基底関数が良ければより低いエネルギーを与えますつまり分子軌道

計算の精度が高くなります一般には基底関数の総数を増やせば計算精度は高くな

りますが計算時間も増大しますしたがって必要な計算精度を見極めることも重

要です

分子系の計算では各原子上に各原子の基底関数をおいて分子軌道を求めるこ

とになります分子軌道を原子軌道の線形結合で表す方法をLCAO-MO(Linear

Combinations of Atomic Orbitals ndash Molecular Orbital)法と言います

基底関数にはスレーター型関数(Slater Type Orbital STO)とガウス型関数

(Gauss Type Orbital GTO)があります通常ガウス型関数を用います授業でもこれ

を用います各原子軌道に基底関数を1つずつおく最小基底系では定量的な結果を

得ることができません原子価軌道に対して複数の基底関数を用いたり分子を形成

したときに生じる原子軌道の歪みを描写するための分極関数(polarization function)を加

5

えたり原子核から遠く離れた軌道を表現するための分散関数(diffuse function)を加え

たりします

2つの基底関数を割り当てるものを double-zeta(DZ)基底3つ割り当てるも

のを triple-zeta(TZ)などと呼びます多くの場合内殻電子は化学結合にあまり大きく

関与しないので価電子についてだけ split valence 基底が使われVDZVTZ などと

表記されますVDZ としては 3-21G 基底や 6-31G 基底VTZ 基底としては 6-311G 基

底がよく使われます

6-31G 基底で分極関数として水素原子以外の原子に d 型の関数を加えた

ときは 6-31G(d)あるいは 6-31Gと表記し水素原子にも p 型の関数を加えたときは

6-31G(dp)あるいは 6-31Gと表記します

授業では基底関数として6-31G6-31G 基底を用います基底関数は

計算法と同様に計算レベルを左右する重要なものです計算レベルを表すときは方

法と基底関数とセットで HF6-31Gレベルなどと呼びます

1-3 Post-HF法とは

HF 法は電子相関を考慮していない手法と呼ばれます電子相関を考慮した

手法を Post-HF 法と言いますPost-HF 法には(i)配置間相互作用(CI)の方法(ii)クラ

スター展開法(iii)摂動法があります授業では(ii)の CCSD(T)レベル(iii)の MP2

MP4レベルの計算を行います

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 2: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

2

目  次

1 分子軌道法の概要 ---------------------------------------------------- 3

2 分子グラフィックソフトMolden の使い方 ------------------- 6

3Gaussian03 のインプットの作り方 -----------------------------14

4Gaussian03 のアウトプットの見方 -----------------------------20

5 LINUX の操作法 -----------------------------------------------------30

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する -----------35

7 演習課題 1 ndash3 -------------------------------------------------------51

8 付録(MOLDENの補足説明) -----------------------------------68

3

1 分子軌道法の概要

1-1 分子軌道法(Molecular Orbital Method)とは

分子軌道法は分子系の電子の状態に対するシュレディンガー方程式(1)を近

似的に解く方法ですここで近似的に解く理由は多電子系ではシュレディンガ

ー方程式は厳密には解けないからです  

euro

Hψ = Eψ (1)

電子は互いに相関していますこのことがシュレディンガー方程式の解法を難解に

しますそこで電子の相関は後で考慮することとしある軌道近似を考えますつ

まり1電子波動関数である分子軌道(関数)を考えこれに対するシュレディンガー

方程式つまり Hartree-Fock(HF)方程式を解くのです

分子軌道法は次の3つに分類できます

(i)ab initio (非経験的)分子軌道法密度汎関数(DFT)法

(ii)semiempirical(半経験的)分子軌道法

(iii)Huumlckel分子軌道法

(ii)(iii)では何らかの形であらかじめ参照となる分子群の物性値(実験値)を再現す

るようにパラメータを用いる分子軌道法です経験的パラメータを取り入れることで

計算時間が短縮されます(i)では一切経験的パラメータを取り入れませんその

分計算時間はかかりますが厳密な計算を行うことができます最近ではコンピュ

ーターの性能が随分向上しましたのでかなり大きな分子も ab initio 分子軌道法で計

算できるようになりました授業ではab initio 分子軌道法で計算を行いますまた

最近ではab initio 分子軌道法などを納めたさまざまな汎用量子化学計算プログラムパ

ッケージがでています授業では世界中で親しまれている Gaussian03 プログラム

を用います

1-2 Hartree-Fock(HF)法とは

Hartree-Fock法で計算する場合Hartree-Fock方程式(2)を解きます

euro

FΨ = εHFΨ (2)

この方程式は固有方程式という意味では(1)のシュレディンガー方程式と何ら変わ

りありませんただしさきほど説明しましたようにHartree-Fock 方程式では電子相

関を含めません波動関数には1電子波動関数を用いることになりますここで電

子と電子の間にはクーロン反発相互作用が働いていますこれを厳密に扱うと難解

4

になるので1 電子波動関数を定義し近似的に取り扱いますこれを独立電子近

似などと呼びますこのように各電子につて分子軌道を定義し全電子波動関数は

各分子軌道の積として表しますHartree はシュレディンガー方程式が提案されてす

ぐにこの Hartree 積を提案しましたHartree 積は「パウリの排他原理」を満たして

いないためslater 行列式を採用しますまた式(2)を見るとハミルトニアン演算子

H の代わりに Fock 演算子 F を用いていますFock 演算子では電子間の静電相互作

用には平均場近似という近似を用います

Hartree-Fock 方程式は最初に仮定した分子軌道に基づいて Fock 演算子をつ

くりその固有解として分子軌道を求め得られた分子軌道を用いてFock 演算子を

つくり固有解を求めるということを繰り返して解いていきます最終的にFock 演

算子を決める分子軌道と解として得られる分子軌道の組が一致したとき自己無頓着

場(Self-Consistent Field SCF)が満たされたと言います

1-3 基底関数とは

基底関数とは分子軌道を表現する際に基底として用いられる関数ですこ

の基底関数のセットを基底系(basis set)と呼びます分子軌道

euro

ψiは基底関数

euro

φmicroの線形

結合の形で表現されます

euro

ψi(r) = Cmicroimicro=1

N

sum φmicro (r) (3)

euro

Cmicroiは基底関数の寄与を示す分子軌道係数で計算を行った結果得られます変分原

理によれば基底関数が良ければより低いエネルギーを与えますつまり分子軌道

計算の精度が高くなります一般には基底関数の総数を増やせば計算精度は高くな

りますが計算時間も増大しますしたがって必要な計算精度を見極めることも重

要です

分子系の計算では各原子上に各原子の基底関数をおいて分子軌道を求めるこ

とになります分子軌道を原子軌道の線形結合で表す方法をLCAO-MO(Linear

Combinations of Atomic Orbitals ndash Molecular Orbital)法と言います

基底関数にはスレーター型関数(Slater Type Orbital STO)とガウス型関数

(Gauss Type Orbital GTO)があります通常ガウス型関数を用います授業でもこれ

を用います各原子軌道に基底関数を1つずつおく最小基底系では定量的な結果を

得ることができません原子価軌道に対して複数の基底関数を用いたり分子を形成

したときに生じる原子軌道の歪みを描写するための分極関数(polarization function)を加

5

えたり原子核から遠く離れた軌道を表現するための分散関数(diffuse function)を加え

たりします

2つの基底関数を割り当てるものを double-zeta(DZ)基底3つ割り当てるも

のを triple-zeta(TZ)などと呼びます多くの場合内殻電子は化学結合にあまり大きく

関与しないので価電子についてだけ split valence 基底が使われVDZVTZ などと

表記されますVDZ としては 3-21G 基底や 6-31G 基底VTZ 基底としては 6-311G 基

底がよく使われます

6-31G 基底で分極関数として水素原子以外の原子に d 型の関数を加えた

ときは 6-31G(d)あるいは 6-31Gと表記し水素原子にも p 型の関数を加えたときは

6-31G(dp)あるいは 6-31Gと表記します

授業では基底関数として6-31G6-31G 基底を用います基底関数は

計算法と同様に計算レベルを左右する重要なものです計算レベルを表すときは方

法と基底関数とセットで HF6-31Gレベルなどと呼びます

1-3 Post-HF法とは

HF 法は電子相関を考慮していない手法と呼ばれます電子相関を考慮した

手法を Post-HF 法と言いますPost-HF 法には(i)配置間相互作用(CI)の方法(ii)クラ

スター展開法(iii)摂動法があります授業では(ii)の CCSD(T)レベル(iii)の MP2

MP4レベルの計算を行います

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 3: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

3

1 分子軌道法の概要

1-1 分子軌道法(Molecular Orbital Method)とは

分子軌道法は分子系の電子の状態に対するシュレディンガー方程式(1)を近

似的に解く方法ですここで近似的に解く理由は多電子系ではシュレディンガ

ー方程式は厳密には解けないからです  

euro

Hψ = Eψ (1)

電子は互いに相関していますこのことがシュレディンガー方程式の解法を難解に

しますそこで電子の相関は後で考慮することとしある軌道近似を考えますつ

まり1電子波動関数である分子軌道(関数)を考えこれに対するシュレディンガー

方程式つまり Hartree-Fock(HF)方程式を解くのです

分子軌道法は次の3つに分類できます

(i)ab initio (非経験的)分子軌道法密度汎関数(DFT)法

(ii)semiempirical(半経験的)分子軌道法

(iii)Huumlckel分子軌道法

(ii)(iii)では何らかの形であらかじめ参照となる分子群の物性値(実験値)を再現す

るようにパラメータを用いる分子軌道法です経験的パラメータを取り入れることで

計算時間が短縮されます(i)では一切経験的パラメータを取り入れませんその

分計算時間はかかりますが厳密な計算を行うことができます最近ではコンピュ

ーターの性能が随分向上しましたのでかなり大きな分子も ab initio 分子軌道法で計

算できるようになりました授業ではab initio 分子軌道法で計算を行いますまた

最近ではab initio 分子軌道法などを納めたさまざまな汎用量子化学計算プログラムパ

ッケージがでています授業では世界中で親しまれている Gaussian03 プログラム

を用います

1-2 Hartree-Fock(HF)法とは

Hartree-Fock法で計算する場合Hartree-Fock方程式(2)を解きます

euro

FΨ = εHFΨ (2)

この方程式は固有方程式という意味では(1)のシュレディンガー方程式と何ら変わ

りありませんただしさきほど説明しましたようにHartree-Fock 方程式では電子相

関を含めません波動関数には1電子波動関数を用いることになりますここで電

子と電子の間にはクーロン反発相互作用が働いていますこれを厳密に扱うと難解

4

になるので1 電子波動関数を定義し近似的に取り扱いますこれを独立電子近

似などと呼びますこのように各電子につて分子軌道を定義し全電子波動関数は

各分子軌道の積として表しますHartree はシュレディンガー方程式が提案されてす

ぐにこの Hartree 積を提案しましたHartree 積は「パウリの排他原理」を満たして

いないためslater 行列式を採用しますまた式(2)を見るとハミルトニアン演算子

H の代わりに Fock 演算子 F を用いていますFock 演算子では電子間の静電相互作

用には平均場近似という近似を用います

Hartree-Fock 方程式は最初に仮定した分子軌道に基づいて Fock 演算子をつ

くりその固有解として分子軌道を求め得られた分子軌道を用いてFock 演算子を

つくり固有解を求めるということを繰り返して解いていきます最終的にFock 演

算子を決める分子軌道と解として得られる分子軌道の組が一致したとき自己無頓着

場(Self-Consistent Field SCF)が満たされたと言います

1-3 基底関数とは

基底関数とは分子軌道を表現する際に基底として用いられる関数ですこ

の基底関数のセットを基底系(basis set)と呼びます分子軌道

euro

ψiは基底関数

euro

φmicroの線形

結合の形で表現されます

euro

ψi(r) = Cmicroimicro=1

N

sum φmicro (r) (3)

euro

Cmicroiは基底関数の寄与を示す分子軌道係数で計算を行った結果得られます変分原

理によれば基底関数が良ければより低いエネルギーを与えますつまり分子軌道

計算の精度が高くなります一般には基底関数の総数を増やせば計算精度は高くな

りますが計算時間も増大しますしたがって必要な計算精度を見極めることも重

要です

分子系の計算では各原子上に各原子の基底関数をおいて分子軌道を求めるこ

とになります分子軌道を原子軌道の線形結合で表す方法をLCAO-MO(Linear

Combinations of Atomic Orbitals ndash Molecular Orbital)法と言います

基底関数にはスレーター型関数(Slater Type Orbital STO)とガウス型関数

(Gauss Type Orbital GTO)があります通常ガウス型関数を用います授業でもこれ

を用います各原子軌道に基底関数を1つずつおく最小基底系では定量的な結果を

得ることができません原子価軌道に対して複数の基底関数を用いたり分子を形成

したときに生じる原子軌道の歪みを描写するための分極関数(polarization function)を加

5

えたり原子核から遠く離れた軌道を表現するための分散関数(diffuse function)を加え

たりします

2つの基底関数を割り当てるものを double-zeta(DZ)基底3つ割り当てるも

のを triple-zeta(TZ)などと呼びます多くの場合内殻電子は化学結合にあまり大きく

関与しないので価電子についてだけ split valence 基底が使われVDZVTZ などと

表記されますVDZ としては 3-21G 基底や 6-31G 基底VTZ 基底としては 6-311G 基

底がよく使われます

6-31G 基底で分極関数として水素原子以外の原子に d 型の関数を加えた

ときは 6-31G(d)あるいは 6-31Gと表記し水素原子にも p 型の関数を加えたときは

6-31G(dp)あるいは 6-31Gと表記します

授業では基底関数として6-31G6-31G 基底を用います基底関数は

計算法と同様に計算レベルを左右する重要なものです計算レベルを表すときは方

法と基底関数とセットで HF6-31Gレベルなどと呼びます

1-3 Post-HF法とは

HF 法は電子相関を考慮していない手法と呼ばれます電子相関を考慮した

手法を Post-HF 法と言いますPost-HF 法には(i)配置間相互作用(CI)の方法(ii)クラ

スター展開法(iii)摂動法があります授業では(ii)の CCSD(T)レベル(iii)の MP2

MP4レベルの計算を行います

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 4: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

4

になるので1 電子波動関数を定義し近似的に取り扱いますこれを独立電子近

似などと呼びますこのように各電子につて分子軌道を定義し全電子波動関数は

各分子軌道の積として表しますHartree はシュレディンガー方程式が提案されてす

ぐにこの Hartree 積を提案しましたHartree 積は「パウリの排他原理」を満たして

いないためslater 行列式を採用しますまた式(2)を見るとハミルトニアン演算子

H の代わりに Fock 演算子 F を用いていますFock 演算子では電子間の静電相互作

用には平均場近似という近似を用います

Hartree-Fock 方程式は最初に仮定した分子軌道に基づいて Fock 演算子をつ

くりその固有解として分子軌道を求め得られた分子軌道を用いてFock 演算子を

つくり固有解を求めるということを繰り返して解いていきます最終的にFock 演

算子を決める分子軌道と解として得られる分子軌道の組が一致したとき自己無頓着

場(Self-Consistent Field SCF)が満たされたと言います

1-3 基底関数とは

基底関数とは分子軌道を表現する際に基底として用いられる関数ですこ

の基底関数のセットを基底系(basis set)と呼びます分子軌道

euro

ψiは基底関数

euro

φmicroの線形

結合の形で表現されます

euro

ψi(r) = Cmicroimicro=1

N

sum φmicro (r) (3)

euro

Cmicroiは基底関数の寄与を示す分子軌道係数で計算を行った結果得られます変分原

理によれば基底関数が良ければより低いエネルギーを与えますつまり分子軌道

計算の精度が高くなります一般には基底関数の総数を増やせば計算精度は高くな

りますが計算時間も増大しますしたがって必要な計算精度を見極めることも重

要です

分子系の計算では各原子上に各原子の基底関数をおいて分子軌道を求めるこ

とになります分子軌道を原子軌道の線形結合で表す方法をLCAO-MO(Linear

Combinations of Atomic Orbitals ndash Molecular Orbital)法と言います

基底関数にはスレーター型関数(Slater Type Orbital STO)とガウス型関数

(Gauss Type Orbital GTO)があります通常ガウス型関数を用います授業でもこれ

を用います各原子軌道に基底関数を1つずつおく最小基底系では定量的な結果を

得ることができません原子価軌道に対して複数の基底関数を用いたり分子を形成

したときに生じる原子軌道の歪みを描写するための分極関数(polarization function)を加

5

えたり原子核から遠く離れた軌道を表現するための分散関数(diffuse function)を加え

たりします

2つの基底関数を割り当てるものを double-zeta(DZ)基底3つ割り当てるも

のを triple-zeta(TZ)などと呼びます多くの場合内殻電子は化学結合にあまり大きく

関与しないので価電子についてだけ split valence 基底が使われVDZVTZ などと

表記されますVDZ としては 3-21G 基底や 6-31G 基底VTZ 基底としては 6-311G 基

底がよく使われます

6-31G 基底で分極関数として水素原子以外の原子に d 型の関数を加えた

ときは 6-31G(d)あるいは 6-31Gと表記し水素原子にも p 型の関数を加えたときは

6-31G(dp)あるいは 6-31Gと表記します

授業では基底関数として6-31G6-31G 基底を用います基底関数は

計算法と同様に計算レベルを左右する重要なものです計算レベルを表すときは方

法と基底関数とセットで HF6-31Gレベルなどと呼びます

1-3 Post-HF法とは

HF 法は電子相関を考慮していない手法と呼ばれます電子相関を考慮した

手法を Post-HF 法と言いますPost-HF 法には(i)配置間相互作用(CI)の方法(ii)クラ

スター展開法(iii)摂動法があります授業では(ii)の CCSD(T)レベル(iii)の MP2

MP4レベルの計算を行います

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 5: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

5

えたり原子核から遠く離れた軌道を表現するための分散関数(diffuse function)を加え

たりします

2つの基底関数を割り当てるものを double-zeta(DZ)基底3つ割り当てるも

のを triple-zeta(TZ)などと呼びます多くの場合内殻電子は化学結合にあまり大きく

関与しないので価電子についてだけ split valence 基底が使われVDZVTZ などと

表記されますVDZ としては 3-21G 基底や 6-31G 基底VTZ 基底としては 6-311G 基

底がよく使われます

6-31G 基底で分極関数として水素原子以外の原子に d 型の関数を加えた

ときは 6-31G(d)あるいは 6-31Gと表記し水素原子にも p 型の関数を加えたときは

6-31G(dp)あるいは 6-31Gと表記します

授業では基底関数として6-31G6-31G 基底を用います基底関数は

計算法と同様に計算レベルを左右する重要なものです計算レベルを表すときは方

法と基底関数とセットで HF6-31Gレベルなどと呼びます

1-3 Post-HF法とは

HF 法は電子相関を考慮していない手法と呼ばれます電子相関を考慮した

手法を Post-HF 法と言いますPost-HF 法には(i)配置間相互作用(CI)の方法(ii)クラ

スター展開法(iii)摂動法があります授業では(ii)の CCSD(T)レベル(iii)の MP2

MP4レベルの計算を行います

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 6: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

6

2 分子グラフィックソフトMOLDENの使い方

【どんなソフト】

MOLDENではZ-Matrix Editorを用いて分子の構造を容易に作成でき量子化

学計算に必要な原子核の座標が得られますまた汎用量子化学計算プログラムの

GAUSSIANやGAMESSによる計算結果(最適化構造や反応中の構造変化分子振動分

子軌道や電子密度など)のグラフィック表示ができる可視化ソフトですこのように

MOLDENは量子化学計算の準備や計算結果の考察をサポートするツールです

【MOLDENの起動方法】

授業では各LINUXコンピューターにあらかじめMOLDEN(Ver43)がインス

トールされていますMOLDENを起動するにはrsquoターミナルrsquoを起動し画面上で

molden+returnとしてください下のようなメイン画面が現れます右横のパネルは

Controlパネルです

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリ

ケーションーシステムツールーGNOME端末 rsquoを選択して下さい

MOLDEN初期画面MOLDEN初期画面

拡大図

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 7: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

7

【分子構造の作成】

分子の量子化学計算を行うためにはインプットで分子の構造の入力を行わ

なければいけませんそのためにはまず分子の構造を作成する必要があります

分子の構造はZ-Matrixを用いて作成します

① Z-Matrixによる分子構造の組み立て方

1 分子中の最初の原子を選び三次元空間の中心に置く

2 最初の原子に結合している他の原子を選びそれを Z軸上に置く

3 最初の二原子のどちらかに結合している原子を選んで二つの間の結合角を指定

する

4 残った全ての原子の位置を次のように指定する

その原子が結合している原子との結合長

それに結合している三番目の原子とそれらの結合角

上の三つの原子の一端に結合している四番目原子とこれら四つの原子から

なる二面角

ここで角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんしたがっ

てアセチレンのような直線分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についてはアセチレンの作成例を参照してくださいまた二

面角は0˚ lt dihedral angle lt 360˚ あるいは0˚ lt dihedral angle lt 180˚(時計回り) 0˚ lt

dihedral angle lt -180˚(反時計回り)でなくてはなりません二面角は次のようにして決

まります

二面角の見方

このように距離角度二面角で原子核の位置を決めていきます非直線

型の場合は3N-6個のパラメータで決定されることになります次に実際の例を示し

ます

二面角(時計回り)

1

23

4

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 8: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

8

【Zmatrix Editor画面の説明】

ControlパネルのZMAT Editorをクリックすると分子構造(Z-matrix)の作成画面

が現れます次の画面はエタノールの場合です

Zmatrix Editor画面 (上 Z-matrix表示部分)

先ほど説明したように原子の位置は結合長(BondLength)結合角(Bond

Angle)二面角(DiHedral)で表されています

1行目C1を基準にする

2行目C2はC1との距離が145Aringとなる位置にある

3行目O3はC2との距離が140AringO3-C2-C1の角度が109471˚となる位置にある

4行目H4はO3との距離が095AringH4-O3-C2の角度が109471˚H4O3ndashC2C1の二面角が1800˚

となる位置にある

5行目H5はC1との距離が1089AringH5-C1-C2の角度が109471˚H5C1ndashC2O3の二面角が

1800˚となる位置にある

6行目H6はC1との距離が1089AringH6-C1-C2の角度が109471˚H6C1ndashC2O3の二面角が600˚

となる位置にある

以下同様に距離角度二面角により原子の位置は指定されます

次の画面はZmatrix Editor画面の下の部分です各ボタンの機能は次のよう

です

O3

C2 C1

H4

H5

H6H7

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 9: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

9

           Zmatrix Editor画面 (下 Z-matrix作成部分)

<Z-matrixの編集>

Delete Line メイン画面で選択されている原子(印)のZ-matrixを削除する

Add Line Z-matrixを追加する

Substitute atom by Fragment メイン画面で選択されている原子(印)を置換基で置

き換える

New Z-mat Z-matrixの新規作成メイン画面の分子は削除される

Reorder Z-matrix Z-matrixの順序を並べ替えるクリックした順にZ-matrixの順序を

並べ替えられるただし一部入れ替えたい場合でも全ての原子を並べ替えたい

に順にクリックする必要がある

<構造情報の保存>

Write Z-Matrix Formatで形式を選択し[File name]にファイル名を指定して

保存するFormatがCartesian以外ではZ-matrixで保存される

数値の上でマウスの中央ボタンホイールをクリックし現われたウイ

ンドウの中からConstantを選択するとその構造パラメータをその数値で固定する構造

最適化計算のインプットデータを作成できます

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 10: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

10

【分子構造(Z-matrix)の作成例】

1 エタノール

[ZMAT Editor]クリックしますメイン画面には何もない状態です

あらかじめControl画面のDraw Modeの[Solid]はOFF[Label]はONにして原子ラ

ベルを表示するようにしておくと便利です

まずエタノールの構造を書いてみて原子に順番に番号つけてみます番号の

付け方がZ-matrixをうまく作成するコツですここでは前ページの番号にしたがっ

てエタノールの構造を組み立てていきます

組み立て手順

[Add Line] rarr 下の周期表が表示されるのでCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のOをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr 距

離角度設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr O(3)をクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(1800˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr O(3)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(600˚)設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr H(5)

をクリック rarr 距離角度二面角(-600˚)設定

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 11: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

11

2 アセチレン

Z-matrixでは角度(結合角)は0˚ lt angle lt 180˚でなくてはなりませんした

がってアセチレンのような分子はdummy atom X(仮想的な原子)を用いて作成します

dummy atomの使い方についたは下の例を参考によく考えてください

組み立て手順

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック

[Add Line] rarr 周期表のCをクリック rarr メイン画面のC(1)をクリック rarr 距離設定

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(1)をクリック rarr C(2)をクリック rarr距離は

任意に設定(例えば10Åにするのがよいでしょう角度を900˚に設定)

[Add Line] rarr 周期表のXをクリック rarr C(2)をクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)

をクリックrarr 距離(10Å)角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(1)をクリック rarr XX(3)をクリック rarr C(2)

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

[Add Line] rarr 周期表のHをクリック rarr C(2)をクリック rarr XX(4)をクリック rarr C(1)

[Add Line]により表示される周期表

dummy atom (後述)

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 12: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

12

をクリック rarr 距離角度(900˚)二面角(1800˚)を設定

dummy atomを用いたときも結合を決める原子 rarr 角度を決める原子 rarr 二

面角を決める原子の順で原子を選びます

Format Cartesian-xyz を選択しFile Nameでファイル名を入力し[Write Z-Matrix]を

クリックして保存しますファイルの内容は以下のようになります

6

C 00000 00000 00000

C 12040 00000 00000

Xx 00000 10000 00000

Xx 12040 -10000 00000

H -10000 00000 00000

H 22040 -00000 00000

Xxはdummy atomを表わしますGaussianのインプットの分子構造のデータ

にはCartesian座標とZ-matrixが使用できます授業では通常Cartesian座標を用い

ます

作成した構造の情報はCartesian座標で保存します

Cartesian座標を用い3章を参考にab initio 分子軌道計算のためのインプットを作成します

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 13: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

13

        Z-Matrixの表示例 エタ ノール(上)アセチレン(下)

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 14: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

14

3Gaussian03のインプットの作り方

3-1インプットの概要

Gaussian03 のインプットは自由形式で柔軟にできています大文字小

文字の使い分けもなくキーワードやオプションは省略記号になっています一行

の最大長は 80 字です次にインプットの例を示しますインプットは基本的に次の

ように構成されています

チェックポイントファイルやメモリーを指定

チェックポイントファイルは計算の情報を保存するファイルですリスタ

ートする際あるいは遷移状態計算IRC 計算振動数計算などの一連の計算で前

のステップの計算の情報をこのファイルから読み込みます授業ではチェックポ

イントファイルを使用しなくても計算できるようにしてあります授業では基

本的にチェックポイントファイルを使用しません使用しない場合は最初のrsquorsquo

を抜いておきます

メモリーについてはmem=12000000のままにしておきます

ルートセクション

lsquorsquoで始まるrsquoPrsquoはアウトプットのオプションですrsquoPrsquoは計算結果を詳細に出

力しますエラーが発生した場合その詳細を知ることができるので 本授業ではrsquoPrsquo

を指定しますまたrsquoTrsquoを指定すると簡潔なアウトプットが得られます

rsquo5D 7Frsquoはd 軌道と f 軌道の数の指定です例えばd 軌道はx2と y2を分離

して 6個という指定もできます授業ではrsquo5D 7Frsquoのままにしておきます

rsquoHF6-31Grsquoは計算方法と基底系の指定ですこの場合HF 法6-31G 基底

を用いることを意味します通常これを HF6-31G レベルと呼びますrsquogfinputrsquoは基

底系の打ち出しの指定ですこれは授業では必要なのでそのままにおしておきます

その他の部分もそのままにしておきます

最後は必ず空行で終わります

タイトルセクション

コメントを入れる行です後で何のジョブか分かるようにコメントを入れて

おきます最大2行まで書けます最後は必ず空行で終わります

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 15: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

15

分子指定セクション

1行目に分子の電荷とスピン多重度を指定します全電荷を表す正か負の

整数です例えば正に電荷したカチオンには1か+1負に電荷したアニオンには-1

中性子には 0を指定します

スピン多重度は2S+1 の式で与えられますS は分子の全スピンです対に

なっている電子は S の値には含まれませんα電子は+12 スピンβ電子は-12

スピンを持っているので対を形成していると正味のスピンはゼロです不対電子は

Sとして+12の値を持ちますしたがって不対電子がない場合はスピン多重度1(一

重項singlet)不対電子を1つ持つ場合はスピン多重度2(二重項doublet)不対

電子を2つ持つ場合はスピン多重度3(三重項triplet) です

分子構造はカルテシアン座標かZ-マトリックスで与えますZ-マトリッ

クスで与える場合は分子指定の後に変数を与えますZ-マトリックスについては2

章を参照して下さい

最後は必ず空行で終わります最後にrsquorsquoマークを入れておくと空行の存在

がはっきりします

                授業ではェックポイントファイルは使用しない

CHK=homeguestXXCHKPOOLguestXXXXXchk    チェックポイントファイルの保存

mem=12000000 使用するメモリー(単位megawords)

P 5D 7F HF6-31G 変更するところ

gfinput

optcyc=100                      ルートセクション

scfcyc=100                       (空行で終わる)

SCF=direct

SCFCon=7

c2h2                         タイトルセクション

                            (空行で終わる)

0 1                    電荷とスピン多重度

C 0000000 0000000 0000000       

C 0000000 0000000 1450000     分子構造の指定

XX 1000000 0000000 0000000       (空行で終わる)

H 0000000 0000000 -1089000      

XX -1000000 0000000 1450000       カルテシアン座標

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 16: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

16

H 0000000 0000000 2539000       または Zマトリックス形式

以下にルートセクションで使用する計算のタイプを指定するキーワードを

示します

(1)HF6-31G レベルでエネルギーを計算(シングルポイント計算)する場合

lsquosprsquoはなくてもよいですが入れておきます

P 5D 7F HF6-31G sp

(2)エネルギーを計算し全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと

Mulliken population解析を行う場合

分子軌道のエネルギーや原子の電荷を調べたり分子軌道電子密度や静電ポテン

シャルの表示をする場合に必要

P 5D 7F HF6-31G sp pop=full

(3)構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt

(4)構造最適化と全ての分子軌道と電子密度のマトリックスのプリントと Mulliken

population解析を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt pop=full

(5)ある構造パラメータ(距離角度二面角)を固定して構造最適化を行う場合

P 5D 7F HF6-31G opt=addredun

c2h4                        

0 1                      

H 00000 00000 00000

C 10920 00000 00000

C 18005 11338 00000

H 16089 -09721 -00000

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 17: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

17

H 29011 11050 -00000

H 12921 21104 -00000

B 2 3 1337 F 原子 2-3の距離を 1337Åに固定

A 4 2 3 1200 F         原子 4-2-3の角度を 1200度に固定

D 1 2 3 5 1800 F       原子 1-2-3-5の二面角を 1800度に固定

                   最後は必ず空行で終わる

ある構造パラメータを固定して構造最適化を行う場合インプットの初期構造は

固定する値にしておくこと

(6)エネルギーを計算し基準振動解析(振動数計算)を行う場合

平衡構造や遷移状態構造であることの確認振動数を求める場合振動のアニメー

ション化を行う場合に必要

P 5D 7F HF6-31G freq=analytic

(7)構造最適化し基準振動解析を行う場合

これは多段階ジョブつまり構造最適化をしてその後基準振動解析を行う場

合の例ですさらにrsquopop=fullrsquoを追加して分子軌道の解析も行う場合はアウトプ

ットを読み込んで MOLDEN で分子軌道の結果を表示する際初期構造について表

示されてしまうので注意して下さい対処方法は8章参照授業では多段階ジョ

ブについては下の注意にしたがって行って下さい

P 5D 7F HF6-31G opt freq=analytic

(8)遷移状態構造を求める場合

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC)

(9)遷移状態構造を求め基準振動解析を行う場合

遷移状態構造を求めた後基準振動解析を行う多段階ジョブです虚の振動数が1

つ存在することを確認するのに必要

P 5D 7F HF6-31G opt=(tsnoeigcalcFC) freq=analytic

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 18: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

18

(10)IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(forwardCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(11)逆方向に IRC計算を行う場合

ジオメトリーは 最適化した遷移状態構造を用いる 遷移状態構造を最適化した時の

チェックポイントファイルを使用してもよいその場合はCalcFCを rcfcと置換える

授業ではチェックポイントファイルを使用しません

P 5D 7F HF6-31G

  irc=(reverseCalcFCcartesianmaxpoints=30) nosymm

(12)高い精度でエネルギーを計算する場合

mem=120000000   授業では変える必要ないmem=12000000 のまま P 5D 7F CCSD(T)6-31G sp

MAXDISK=250000000 (単位megawords) 必ず入れる

注意

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルを MOLDEN でそのまま

読み込むと軌道エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してし

まい最適化構造についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq

キーワードを同時に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動

数計算のどちらかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方

法は8章を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

つまり使用してもよいキ-ワードの組み合わせと使用してはいけないキ-ワー

ドの組み合わせは次の通りです

Opt-Freqの組み合わせは使用してもよい

Opt-Popの組み合わせは使用してもよい

Opt-Freq-Popの組み合わせは使用してはいけない

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 19: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

19

Sp-Freq-Popの組み合わせは使用してもよい

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 20: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

20

4Gaussian03のアウトプットの見方

4-1アウトプットの概要

Gaussian03 のアウトプットの見方を実際のアウトプットを例に説明します

アウトプットにはさまざまな情報が含まれていますがここでは授業で必要な最

低限の情報について説明しますまずエネルギー(sp single point)計算のアウトプッ

トについて見ます以下に計算の最初から終わりまでの主要部分が示してあります

計算の最初の部分

ルートセクション

(実行ジョブのタイ

プの指定)の打ち出し

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 21: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

21

コメントの打ち出し

電荷とスピン多重度

インプットの構造の

データ

この場合はカルテシアン

最初(インプット)の

構造のカルテシアン

座標単位はÅ

原子間距離のマトリ

ックス

構造のシンメトリー

同様に最初(インプ

ット)の構造のカルテ

シアン座標MOLDEN

での表示の際の構造のデ

ータはこの Standard

orientationを用いる

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 22: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

22

Input orientationを用い

ないよう注意するこ

HFエネルギー

単位はhartree(au)

相対エネルギーでは

単位を kcalmolに変換

すること(「レポート

作成の注意事項」参照)

Mulliken原子電荷

双極子モーメント

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 23: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

23

計算に要した CPU

の時間

正常終了

次に構造最適化の場合のアウトプットの例を示します構造最適化は分

子の平衡構造を求めポテンシャル面の最小値を探すことです最小点ではエネル

ギーの一次微分(グラジエント)はゼロです力は負のグラジエントであるので力も

ゼロですこのような点を停留点と呼びます遷移状態である極大点も停留点です

構造最適化はインプットで指定した分子構造から出発しポテンシャルエネルギー

面に沿って逐次的に進行しますそれぞれの点でエネルギーとグラジエントを計算し

次のステップへの変位と方向を決定しながらポテンシャルエネルギー面を下ってい

きます実際は二次微分も計算し次のステップを決めるのに利用しています

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 24: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

24

うまく構造最適化が進

行すると力と変位の

値がある閾値以下にな

り終了する

構造最適化がうまく

いくかどうかはイン

プットの初期構造に依

存するところが大きい

最適化構造のカルテシ

アン座標

最適化構造のカルテシ

アン座標構造の情報

としてこの Standard

orientationを抜き出すこ

以下は分子軌道を出力した場合のアウトプットの例です分子軌道を構造

と照らし合わせて確認する際は必ず Standard orientationを用いて下さい

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 25: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

25

最もエネルギーが低い分

子軌道から順に並んでい

るrsquoOrsquoは被占有軌道

を示す軌道のエネルギ

ーの単位はhartree(au)

軌道の係数

lsquoVrsquoは空軌道を示す

7が HOMO8が LUMO

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 26: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

26

次に振動数計算のアウトプットの例を示しますHF レベルで計算された振

動数は電子相関を無視したことによって誤差が含まれていますで通常経験的因

子 08929 でスケールします(計算に用いた手法と基底関数に依存します)基準振動を

構造と照らし合わせて確認する際は必ずStandard orientationを用いて下さい

振動数

小さい値から順に並ん

でいる振動数の数は

非直線型分子では

3N-6個直線型分子では

3N-5個遷移状態構造で

は虚の振動数が1つ存

在するそれは負の値

で1つ目に示される

基準振動

IR強度

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 27: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

27

4-2Post-HF法のアウトプットの例

エネルギーは太字の値を読み取って下さいCCSD(T)計算の場合の HFMP2

MP4レベルのエネルギーはQCISD(T)計算の場合と同様に表示されます

~~~~~~~~~~~~~~~~B3LYP~~~~~~~~~~~~~~

Cycle 10 Pass 1 IDiag 1 E= -264994454098869 Delta-E= -0000000030125 Rises=F Damp=F DIIS error= 406D-06 at cycle 3 NSaved= 3 NSaved= 3 IEnMin= 3 EnMin= -264994454098869 IErMin= 3 ErrMin= 406D-06 ErrMax= 406D-06 EMaxC= 100D-01 BMatC= 155D-09 BMatP= 235D-08 IDIUse=1 WtCom= 100D+00 WtEn= 000D+00 Coeff-Com 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Coeff 0477D-01 0165D+00 0787D+00 Gap= 0333 Goal= None Shift= 0000 RMSDP=640D-07 MaxDP=113D-05 DE=-301D-08 OVMax= 182D-05

SCF Done E(RB+HF-LYP) = -264994454099 AU after 10 cycles Convg = 06402D-06 -VT = 20062 S2 = 00000 KE= 2633545395311D+02 PE=-8706351510669D+02 EE= 2191671783005D+02 Leave Link 502 at Fri Feb 18 162730 2005 MaxMem= 120000000 cpu 65 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~QCISD(T)~~~~~~~~~~~~~~

SCF Done E(RHF) = -263651963621 AU after 9 cycles Convg = 09702D-06 -VT = 20021 S2 = 00000 KE= 2630939383301D+02 PE=-8697877028106D+02 EE= 2199228217226D+02 Leave Link 502 at Tue Feb 1 220146 2005 MaxMem= 120000000 cpu 07 (Enter usrlocalintelg03l801exe) Windowed orbitals will be sorted by symmetry type ExpMin= 161D-01 ExpMax= 548D+03 ExpMxC= 825D+02 IAcc=1 IRadAn= 1 AccDes=100D-06 HarFok IExCor= 205 AccDes= 100D-06 IRadAn= 1 IDoV=1 ScaDFX= 1000000 1000000 1000000 1000000 Largest valence mixing into a core orbital is 105D-04 Largest core mixing into a valence orbital is 356D-05 Range of MOs used for correlation 5 66 NBasis= 66 NAE= 16 NBE= 16 NFC= 4 NFV= 0 NROrb= 62 NOA= 12 NOB= 12 NVA= 50 NVB= 50 Leave Link 801 at Tue Feb 1 220148 2005 MaxMem= 120000000 cpu 00 (Enter usrlocalintelg03l804exe) Closed-shell transformation MDV= 120000000 ITran=7 ISComp=1 Estimate disk for full transformation 14977305 words Compute canonical integrals LenV= 113807656

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 28: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

28

Symmetry not used in FoFDir MinBra= 0 MaxBra= 2 Meth= 1 IRaf= 0 NMat= 1 IRICut= 1 DoRegI=T DoRafI=F ISym2E= 0 JSym2E=0 SymMOI orbitals are not symmetric Spin components of T(2) and E(2) alpha-alpha T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 alpha-beta T2 = 01308691207D+00 E2= -04734170676D+00 beta-beta T2 = 02527328216D-01 E2= -08993808488D-01 ANorm= 01086929476D+01 E2= -06532932374D+00 EUMP2= -026430525685887D+03 Leave Link 804 at Tue Feb 1 220218 2005 MaxMem= 120000000 cpu 26 (Enter usrlocalintelg03l913exe) CIDS MDV= 120000000 Using DD3R+UMP44R for 1st iteration S=T Using DD4RQ for 2nd and later iterations Quadratic Configuration Interaction with triples (QCISD(T)) =========================================================== Iterations= 50 Convergence= 0100D-06 Iteration Nr 1 MP4(R+Q)= 090506011D-02 Maximum subspace dimension= 5 Norm of the A-vectors is 10118734D+00 conv= 100D-05 RLE energy= -06460489694 E3= -017251018D-02 EUMP3= -026430698196D+03 E4(DQ)= -033435682D-02 UMP4(DQ)= -026431032553D+03 E4(SDQ)= -011528370D-01 UMP4(SDQ)= -026431851033D+03 VARIATIONAL ENERGIES WITH THE FIRST-ORDER WAVEFUNCTION

Iteration Nr 13 Norm of the A-vectors is 63350125D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06673918856 DE(Corr)= -066739187 E(CORR)= -26431935549 Delta=-538D-08 NORM(A)= 010974632D+01 Largest amplitude= 749D-02 T4(AAA)= -059645460D-03 T4(AAB)= -096846489D-02 T5(AAA)= 070391866D-04 T5(AAB)= 091980038D-03 Time for triples= 3987 seconds T4(QCISD)= -020562207D-01 T5(QCISD)= 039607690D-02 QCISD(T)= -026433595693D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 221528 2005 MaxMem= 120000000 cpu 661 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0

~~~~~~~~~~~~~~~~CCSD(T)~~~~~~~~~~~~~

Iteration Nr 12

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 29: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

29

Norm of the A-vectors is 64286487D-06 conv= 100D-05 RLE energy= -06648894482 DE(Corr)= -066488942 E(CORR)= -26431685305 Delta=-732D-08 NORM(A)= 010962007D+01 Largest amplitude= 734D-02 T4(AAA)= -057146365D-03 T4(AAB)= -094255251D-02 T5(AAA)= 064823175D-04 T5(AAB)= 085858518D-03 Time for triples= 3966 seconds T4(CCSD)= -019993977D-01 T5(CCSD)= 018468167D-02 CCSD(T)= -026433500021D+03 Leave Link 913 at Tue Feb 1 222705 2005 MaxMem= 120000000 cpu 758 (Enter usrlocalintelg03l601exe) Copying SCF densities to generalized density rwf ISCF=0 IROHF=0~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 30: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

30

5 LINUX の操作法

以下の操作はlsquoターミナルrsquo画面上で行います

rsquoターミナル rsquo画面を開くには画面上部のメニューバーから rsquoアプリケー

ションーシステムツールーGNOME端末rsquoを選択して下さい

2つ目の rsquoターミナル rsquo画面を開くには rsquoターミナル rsquo画面のメニューバー

からrsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択して下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

5-1 Linuxのコマンド

Linux 上にディレクトリーやファイルを作成消去したりするための必要最低限の

コマンドを以下に示します

csh + return C shell に移行します

ls + return カレントディレクトリーのファイルの表示

します

vi [file名] + return ファイルを作成します

cp [file名1] [file名2] + return ファイルをコピーします

mv [file名1] [file名2] + return ファイルを移動します

rm [file名] +return ファイルを削除します

mkdir [directory名] + return ディレクトリーを作成します

rmdir [directory名] + return   ディレクトリーを削除します

cd [directory名] + return   指定したディレクトリーに移行します

ディレクトリー (フォルダ )の作成ファイルのコピー削除などWindows と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいません「演習を始める前に」を参照して下さい

下記のコマンドはC shell上で使用できるように特別に用意してありますC

shellに移行するためには上記したようにcsh + enterとタイプしますファイル x を

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 31: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

31

作成し下記のコマンドを実行すると 自動的にファイル xoutが生成しその中に実行

結果が表示されます

az98 アウトプットの構造をMOLDENで表示するためのファイルの作成あるいは

次の計算で使用する際 用いますアウトプットから Standard orientation の

Cartesian coordinate 部分をピックアップしファイル x にコピーして実行しま

すMOLDEN で表示するためには最初の行に総原子数2 行目に空行を入

れ3行目から Cartesian coordinateとします

irc irc 計算のアウトプットに含まれるエネルギーと構造を MOLDEN で表示する

ためにピックアップしますアウトプットファイルをファイル x にコピーし

て実行します

e アウトプットの Hartree-Fock エネルギーを表示する構造最適化の場合最

適化構造のエネルギーは最後の行に表示される実行の仕方はe アウト

プットのファイル名 + return

f 最適化構造の進行状況を確認する際用いると便利各ステップでのエネル

ギーグラジエントの最大値が表示されるこの値が順調に小さくなっている

かどうかば構造最適化が順調に進んでいるかどうかの一つの目安になる

実行の仕方はf アウトプットのファイル名 + return

5-2 viエディターのコマンド

Linux 上のファイルの中身の編集を vi エディターで行いますvi lsquofile namersquo

+return とした後次のコマンドを用いてテキストの編集を行いますi で編集(挿入)

モードになります編集(挿入)モードから抜けるためにはECS キーを押します

ここでは必要最低限のコマンドを示します

Gausssian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません画面上部のメニューバーの中の rsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキストエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索することもできます

vi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には次

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 32: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

32

の rsquoMovement コマンド rsquoと rsquoその他のコマンド rsquoが便利です

Movementコマンド

pattern patternの検索をファイルの最初から行います

pattern patternの検索をファイルの最後から行います

nG n行目に移動nも同様

G 最後の行に移動

Editingコマンド

i カーソルの前からテキストを挿入 (編集(挿入)モードになる)

a カーソルの後からテキストを挿入

x キャラクターの消去

R キャラクターの上書き

o カーソルの下に新たに行を作成

Oカーソルの上に新たに行を作成

cc カーソルのある行のテキストを消去し新たにテキストを書く

dd カーソルのある行の消去

=カーソルが何行目にあるかを知る

1020d 10-20行目を消去数字を変更して使用

10$d 10行目から最終行までを消去数字を変更して使用

r lsquofile namersquo あるファイルの中身をそのままカーソルの位置に挿入

10l カーソルをその行の 10文字右へ移動数字を変更して使用

10hカーソルをその行の 10文字左へ移動数字を変更して使用

0カーソルをその行の最初に移動

Exit コマンド

w 保存

w 強制保存

q 終了

q 作業中の編集を保存せず終了

wq保存と終了

その他のコマンド

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 33: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

33

^B ウインドウを前へスクロールする

^F ウインドウを後へスクロールする

5-3 分子可視化ソフトMOLDENの起動

次のようにします

molden13+13return

5-4 ジョブのサブミットの仕方

<仕方 1>

g03 ltingt out amp + return ジョブをサブミットするinoutにはそれぞれインプッ

トファイル名アウトプットファイル名を入れる

jobs+ return ジョブの状況をみるRunning であれば実行中Done であれ

ば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認の上中止した

いジョブの番号を指定する

<仕方 2>

g03sh amp + return ジョブをサブミットする(g03sh ファイルの中のrsquoxxxinrsquo部分

にインプットファイル名 lsquoxxxoutrsquo部分にアウトプットファイ

ル名を入れる)

jobs + return ジョブの実行状況をみるRunning であれば実行中Done で

あれば終了

kill 1 + return 実行中のジョブを中止する1 の数字は実行中のジョブの

番号を示しているので jobs コマンドで確認し中止したい

ジョブの番号を指定する

<仕方 3 (NabitTのマシンを使用する場合)>

bsub g03sh  ジョブをサブミットする(g03shの中のrsquoxxxinrsquo部分にインプ

ットファイル名xxxoutrsquo部分にアウトプットファイル名を

入れる)

bjobs ndashu [ユーザ名] ジョブの実行状況をみる(K shell 上でrsquob+enterrsquoとタイプする

と全てのジョブの実行状況をみることができるように設定し

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 34: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

34

てある K shell への移行する場合はksh + enter とタイプ

する

bkill [ジョブ ID] ジョブを中止するジョブ IDはbjobsコマンドで確認する

(g03shファイル)

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

export GAUSS_EXEDIR=usrlocalintelg03

export GAUSS_SCRDIR=scrguestXX      guest番号を入れる

export GAUSS_ARCDIR=scr guestXX     guest番号を入れる

$GAUSS_EXEDIRg03 lt xxxin gt xxxout     インプットファイル名とアウトプッ

                          トファイル名を入れる

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 35: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

35

6 Gaussian03 の計算結果をMOLDEN で表示する

以下の解説と表示例を参考にサンプルとして用意されているエチレン

およびホルムアルデヒドのアウトプットを用いMOLDENで表示して下さい

【Gaussian03 の計算結果を MOLDEN で表示する(1)】

Control 画面の[Read]をクリックしGaussian03

のアウトプットファイルを読み込みます最初にメイン

画面に表示される構造は initial の構造(すなわちイン

プットデータ)です(下の Status13lineに First13point と表

示)

13 [Update13 Directory]によりファイルの一覧が更

新されます同一ファイル名で計算しした場合も必ず

このボタンをクリックすることクリックしないとフ

ァイルの中味は更新されません

(Gaussian03のアウトプットファイルのほかGAMESS

やMOPACのアウトプットファイルPDBファイルなど

種々のファイルを読み込むことができます)

最適化構造の表示と構造パラメータの表示13 (インプットに必要なキーワード13opt)

[Movie]または[Geom13 conv]で最終構造を

表示させます(下のStatus13 lineにLast13 pointと表示され

る)[Distance][Angle][Dihedral]を選択する原子

を指定するとMolden13 Calculateウィンドウ(右図)に数値

が表示されます[Monitor]でメイン画面への数値表示

が可能(ただし[Distance]のみ)

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 36: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

36

13 [Movie]ではアウトプットに記述されている全ての座標を順に表示する計算

時のオプションの組み合わせによっては最終構造=最適化構造とはなっていない

場合もあるのでアウトプットを見て確認する

振動数の表示と基準振動のアニメーション表示(インプットに必要なキーワード

freq)

[Norm13Mode]で計算スペクトルと波数値が表示される(下図)ピークまたは

波数値をクリックすると分子振動の様子を見ることができるControl画面の左上の砂

時計で振動の速度を変えられる

Control画面Norm13Modeを選択した画面

分子は「Draw13mode」mdash「Solid」mdash「BallampStick」を選択するとよい

右上に赤外(IR)スペクトルが表示される右下に振動数が表示されるアセチレンの

場合は7個である単位はcm-1である基準振動の数は次のように計算する

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 37: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

37

3N-6(非直線型分子)  (1)

3N-5(直線型分子)   (2)

N 原子数

アセチレンの場合は直線型分子なので式(2)で計算する

振動数を順にクリックしどのような振動なのかを確認して

下さい伸縮振動(CH)は大きい値を変角振動は小さい値を

示します

遷移状態の場合は虚の振動数をもつ基準振動が一つ存在し

ます

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 38: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

38

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(2)】

13分子軌道(等高線図立体図)等電子密度面静電ポテンシャル(等高線図等

電子密度面に投影したマップ)などの表示(インプットに必要なキーワード13 gfinput

pop=full)

構造最適化での多段階ジョブのアウトプットファイルをそのまま読み込むと軌道

エネルギー電子密度などは初期構造の数値を用いて表示してしまい最適化構造

についての表示をしません構造最適化を行う場合はpop と freq キーワードを同時

に用いないで下さい軌道エネルギー電子密度などの計算と振動数計算のどち

らかは別途行って下さいただしこの問題の対処もあります(対処方法は8章

を参照)シングルポイントの計算では問題ありません

分子軌道の形一等電子密度面などのプロットは

右図のDensMode画面で行います

(Mol13 Mode 13をクリックするとDens13 Mode

から初めのControl画面に戻ります)

13分子軌道等電子密度面静電ポテンシャル等高

線図を表示する

Plot13Function13と13 Plot13Mode13の組み合わせで表示

方法を決定します[PlotPlane]で表示に関する設

定を行うことができます

Plot13Function

1 Orbital 13 HOMO 13 LUMO

分子軌道の形を表示する[Orbital]の場合は軌道

エネルギーの表が別ウィンドウで表示されますDens Mode画面

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 39: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

39

エネルギーをクリックすると対応する分子軌道が表示されます

2 Density

等電子密度面を表示する[Orbital]に比べると表示するまでに少し時間がかかり

ます

3 Elec13Pot13rarr13 True13Electrost13Pot

静電ポテンシャル等高線図を表示する[Orbital]や[Density]に比べると表示する

までにかなり時間がかかります

Plot13Mode

1 Euclid

オレンジ色の原子を含む平面の等高線図を表示しますメイン画面右にContour

Valueも表示されます[Step]で等高線間隔の変更ができます

2 3D133D-X

Euclidのプロットを3Dで表示しますプロット対象となる平面はEuclidと同じ

3 Space

入力したContour13 Valueからなる等値面を表示します[Euclid]などに比べると表

示するまでに時間がかかります

PlotPlane

プロットの基準となる平面(プロット平面)の設定やプロット画面の大きさの変更が

できます別ウィンドウが現れるのでそこにコマンドを入力して設定変更を行い

ます

1 plane=(atom113atom213atom3)

プロット平面をatom1-3の3原子を通る平面に変更する入力時に括弧が必要例

plane=(134)

2 edge=数値

プロット画面を入力した数値の大きさに拡大または縮小する軌道などがプロット

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 40: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

40

画面からはみ出てしまうときなどに用います例13edge=100

3 align

分子の中心をプロット画面の中心にします

4 center=atom113または13 center=(x座標13y座標13z座標)

プロット平面の中心を atom1の座標または入力した座標に変更します座標入

力の場合は括弧が必要例13center=3center=(0005-05)

5131ift=数値

プロット平面を入力した数値分だけ平行移動させる例13lift=-10

613phase

分子軌道の符号を遂にする

補足説明

1 Miscellaneous

MaxiMini13プロットの極大極小値を表示する

Mol13Mode 13Dens13Modeから初めのControl画面に戻る                 

2 Space13subcomm13[Space]についての補助

Fill13プロットの塗りつぶし

3 3D13subcommands13[3D][3D-X]についての補助

Incr13Scale13ピークの拡大 Decr13Scale13ピークの縮小

Contours13等高線表示の有無 Molecule13分子表示の有無

4 Contour13subcomm13等高線表示についての補助

Step13等高線の間隔の設定 Cut13最大値timescut値までの等高線を表示

13等電子密度面における静電ポテンシャルマップを表示する

13 13 13 Control 画面にある13 13 13 13の[True13Electrost13Pot]で作成するVan13der13Waals 半

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 41: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

41

径上と等電子密度面上の 2種類があります等電子密度面上を選択した場合

Isodensity13Windowで格子の大きさと数および電子密度の値を入力しOKをクリ

ックするとしばらくして(計算後)静電ポテンシャル

マップが表示されます

Grid13Size の値を小さくまたNumber13of

Points の値(最大 61)を大きくするほど表示ま

での時間がかかります

電子密度はContour13value の値のみ有効

メイン画面右上の等高線値(下左図)をクリック

すると等高線のしきい値入力画面が出るので

それでしきい値の変更が可能

メイン画面上の等高線をクリックすると静電

ポテンシャルの値が表示されます(下右図)

静電ポテンシャルマップは13 13 13 の[SurfaceOFF]で削除できます

[Dens13 Mode]にも 13 13 13 13 がありますがこれでは静電ポテンシャルマップは 13 13 

作成できません

グラフィック表示画面を gif形式ファイルで保存する場合構造分子軌道静電ポテンシャルなどgif 形式ファイルで保存しレポー

ト作成で使用して下さいgif 形式ファイルを作成するにはControl 画面の  ボタ

ンを押します(ボタンは必ず 2 度押して下さいさもないとファイルを永遠作り

続けます )Control 画面に表示できるのは構造だけです分子軌道静電ポテンシ

ャルなどを保存したい場合は「レポート作成の注意事項」を参照して下さい

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 42: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

42

アセチレンの表示例

<分子軌道と静電ポテンシャル>

HOMO(3Dを選択) HOMO(Euclidを選択)

HOMO(Spaceを選択Contour value = 005)

LUMO(3Dを選択)

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 43: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

43

LUMO(Euclidを選択) LUMO(Space を選択Contour value = 005)

シグマ結合の占有軌道(3Dを選択)(orbital を選択すると分子軌道リス

トのウインドウが現れるので分子

軌道を選択する)

シグマ結合の占有軌道(Euclidを選択)

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 44: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

44

シグマ結合の占有軌道(Space を選択Contour value = 005)

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル (Control

パネルで行うContourValue=005)

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 45: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

45

エチレンの例

等電子密度面に投影した静電ボテンシャル

(Contour Value = 005) [HF3-21G 最適化構造]

パイ電子付近は大きい負の値を示しています

ホルムアルデヒドの例

静電ボテンシャル [HF3-21G 最適的化構造](「Dens Mode」-「Elec Pot」-「True Electrost

Pot」を選択し「Euclid」で表示するその後「PlotPlane」で調整)

酸素原子付近は大きい負の値を示しています

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 46: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

46

その他の例

表示例H2hellipCOの遷移状態のHOMO(Contour value = 005)[MP26-311G(dp)最適化構造](上)ベンゼンの等電子密度面(Contour value=005)の

立体図[B3LYP6-31G(dp)最適化構造](下)

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 47: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

47

表示例 水分子の静電ボテンシャルマップ(平面図(上)等電子密度面(Contour

value=005)における立体図(下))[MP26-31+G(dp)最適化構造]

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 48: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

48

【Gaussian03の計算結果をMOLDENで表示する(3)】

IRC計算の結果の表示(反応経路の追跡)13(インプットに必要なオプション13irc)

反応経路の追跡は固有反応座標(IRC)計算により行う

ことができますIRC 計算ではある反応の遷移状態の構

造から反応系または生成系の構造に向かっていくつかの点

て計算を行いますIRC 計算で求められた各点の座標とエ

ネルギーを読み込むことで反応経路を見ることができます

しかしIRC 計算のアウトプットファイルをそのまま読み

込んでも[Movie][Next]および[Geomconv]とした時

適切に表示されませんアウトプットからIRC の各点の最

適化構造とエネルギーを取り出す操作が必要となります

授業ではirc というコマンドが設定してありますこれはx というファ

イル名の IRC 計算のアウトプットファイルから最適化構造とエネルギーを抜き

出しxout という MOLDEN 形式のファイルを作成するものですあらかじ

め IRC 計算のアウトプットファイルを x というファイル名にコピーしておいて

ください5章を参照

ただしいくつか補完しなくてはならない点があります

1 IRC計算では遷移状態から反応物側と生成物側にむかって2つの計算を行いま

すがどちらの計算かはあらかじめ区別できませんrsquoircrsquo13コマンドで2つのア

ウトプットからIRCアニメーション用ファイルを作成して下さいそれぞれア

ニメーションにしてどちら方向の情報か確認し反応物側から生成物側に向かう

アニメーションができるよう2つのファイルを1つのファイルにまとめてく

ださいここで遷移状態から反応物側にむかう情報の後に遷移状態から生

成物側にむかう情報をおきますまた遷移状態から反応物側にむかう情報

遷遷移状態

反応系   生成系

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 49: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

49

は反応物側から遷移状態にむかうよう情報を並べ替える必要があります

213作成したMOLDEN形式のファイルには遷移状態の最適化構造とエネルギーは含

まれていませんしたがってIRC計算の前に行った遷移状態計算のアウトプッ

トから読み取ります(IRC計算のアウトプットには初期構造(=遷移状態)のエネルギ

ーは出力されません)アウトプットから構造を読み取る時は5章のrsquoaz98rsquoコマ

ンドを用いて下さいあるいはIRC計算のインプットファイルのものを用いて下

さい

こうして修正したMOLDEN形式のファイルを読み込み[Geom13conv]をク

リックとすると下図のようなエネルギー曲線が描けますこれが反応のエネルギ

ー面(エネルギープロフィール)ですこの状態で[movie]とすると反応過程の構造変

化と対応してエネルギー変化をみることもできます

注意

IRC計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 50: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

50

まで到達せずその手前で計算が収束しなくなり止まります

したがって出発点と終点は反応物と生成物に対応していま

せん

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 51: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

51

<演習を始める前に>

1 コンピュータの使用の際の注意事項

備え付けコンピュータの使用後は画面上部のメニューバーからrsquoアクションーロ

グアウトrsquoを選択しログアウトして下さいコンピュータの電源は切らないで

下さい

2 ログインアカウントとデータ保存場所について

備え付けコンピュータのログインアカウント名はrsquoXXXXrsquoですパスワード

はrsquoXXXXrsquoと入力して下さいこのパスワードはセキュリティー上重要ですので外

部に漏れないように十分注意して下さい

ログインしたらrsquohomeensyursquoの中に計算結果などのデータを保存する各自のフ

ォルダを作成して下さい (画面左上にrsquoensyursquoフォルダがあります)マウスの右ボタン

を押してrsquoフォルダ作成rsquoを選択すれば作成されますフォルダの名前を変更する時

はマウスの右ボタンを押してrsquo名前の変更rsquoを選択すれば変更できますどの備え付

けコンピュータからログインしてもこのフォルダは共通です

3 lsquoターミナルrsquo画面について

LINUX コマンドを使用する場合はrsquoターミナルrsquo画面を開いて行って下さいlsquoタ

ーミナルrsquo画面を開くには画面上部のメニューバーからrsquoアプリケーションーシステ

ムツールーGNOME 端末rsquoを選択して下さい画面を開いたらまずC シェルへ移

行して下さい他のシェルでは授業用に用意したコマンドが使えませんC シェル

への移行は次のように行って下さい(5章参照)

csh + return

この画面上で Gaussian03の jobを走らせます(5章参照)

lsquoターミナルrsquo画面で MOLDEN 起動後 lsquoターミナル rsquo画面で作業をしたい場

合はGNOME 端末の rsquoファイルー端末を開くーdefaultrsquoを選択しもう一つ画面

を開いて下さい

rsquoターミナル rsquo画面を閉じるには rsquoターミナル rsquo画面上でexit+ returnとして

下さい

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 52: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

52

4 データのサンプルについて

Gaussian03 のエチレンとホルムアルデヒドのインプットとアウトプットのサンプル

が 2006sampletar という名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレクトリ

ーにコピーし解凍して下さいファイルのコピーはマウスの右ボタンを使って

Windows 上と同様の要領で行うことができます6 を参照して下さいtar ファイルを

解凍するにはまずtar ファイルをダブルクリックして下さいそうすると中味が表

示されますそして全てのファイルを選択しドラッグアウトして下さい

またrsquoターミナルrsquo画面上で行う場合は下記のように行って下さい

コピー cd +13return

cp 2006sampletar lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

解凍 cd lsquo各自のディレクトリー名rsquo +13return

tar xvf 2006sampletar +13return

irc 計算結果の MOLDEN 表示用ファイルのサンプルはh2cots631gircrouttrjall と

h2cots631gircfouttrjall いう名前で~ensyuの下に置いてあります各自のディレク

トリーにコピーして下さい

5 MOLDENの起動と終了

MOLDENの起動と終了は次のように行います

起動rsquoターミナルrsquoを起動し画面上で molden+returnとする

終了  ボタンを押す

6 ファイルの編集について

Gaussian03 のインプットファイルはテキストエディタで編集してかまいません

画面上部のメニューバーの中のrsquoアプリケーションーアクセサリーーGNOME テキス

トエディタrsquoを使用すると便利でしょうアウトプットの内容を見たり検索すること

もできますvi エディターでアウトプットの内容を見たり検索する場合には5章を

参照して下さい

またディレクトリー(フォルダ)の作成ファイルのコピー削除などWindows

上と同様の要領でログインした OS 画面上で行ってかまいませんLINUX のコマン

ドを用いて行う場合は5章を参照して下さい

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 53: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

53

次の操作を行う場合はマウスの右ボタンを押してその操作を選択して下さい

ファイルのコピー-----------------------------ファイルコピー+ファイル貼付け

(事前にファイルを選択しておく)

フォルダの作成--------------------------------フォルダ作成

ファイルフォルダの名前の変更--------名前の変更

(事前にファイルを選択しておく)

7 StarSuiteについて

備え付けコンピュータにはStarSuite がインストールされています画面上部の

メニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っていますMicrosoft社のWord

ExcelPowerPoint など Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っ

ていますWriter が WordCalc が ExcellImpress が PowerPoint に相当しています

その他Draw(お絵描きソフト)といったソフトなどがあります

8 備え付けプリンターについて

備え付けプリンターは後方の部屋に設置してありますネットワーク経由でこの

プリンターに印刷できます備え付けコンピュータからは起動ソフトウエアでプリ

ントを選択すれば印刷できます

9 電卓

画面上部のメニューバーのrsquoアプリケーションーアクセサリーrsquoの中にあります

10 USBメモリーの使用について

作成したファイルを USBメモリーにコピーできますUSBメモリーを挿入した後

抜き取る前には必ずRemovable media フォルダをクリックしマウスの右ボ

タンを押してrsquoアンマウントrsquoを選択して下さい

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 54: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

54

<レポート作成の注意事項>

(1) 結合距離の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるÅを

用い小数点以下 3桁まで示して下さい

(2) 結合角および二面角の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表

示される degreeを用い小数点以下1桁まで示して下さい

(3) 振動数の単位はGaussian03 のアウトプットおよび MOLDEN で表示される cm-1を

用い小数点以下1桁まで示して下さい

(4) 電荷は小数点以下3桁まで示して下さい(今回は必要ない)

(5) 相対エネルギーは指示された構造を基準(ゼロ)にし求めてくださいGaussian03

のアウトプットおよび MOLDEN で表示されるエネルギーの単位はau(hartree)で

すのでkcalmol に変換して下さい変換する際は62751 を掛けて下さい相対

エネルギーは小数点以下1桁まで示して下さい

(6) 画面に表示された画像を書類作成に使用したい場合はGIF 形式で保存するとよい

でしょうGIF形式ファイルを作成するには次の方法があります(a)が便利です

(a) GIMPを使用する

rsquoグラフィックスーGIMPrsquoを選択すると GIMPが起動します

rsquoファイルー取り込みーScreen Shotrsquo を選択する画像取り込みウィンドウが

現れますrsquoSingle Windowrsquoを選択しますrsquoSelect Window AfterrsquoとlsquoGrab Afterrsquoの

設定はそのままでよい

マウスカーソルが+マークに変わるので取り込みたいウィンドウをクリッ

クしますこれ以前に取り込みたいウィンドウを最前面にだしておきます

指定したウィンドウが取り込まれ(マウスカーソルは元に戻る)取り込ん

だ画像が別ウィンドウに表示されますそれを保存したいときはrsquoファイルrarr

保存rsquoとします(GIF13JPGなどの形式で保存できます)形式はGIFを選択しrsquo

エクスポートrsquoボタンをクリックします

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 55: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

55

取り込んだ画像上でマウスで必要な範囲を選択します

lsquo編集mdashコピーrsquoを選択します

lsquoファイルrarr新規rsquoを選択しますこの際サイズなどの変更はせずOK ボ

タンを押します

lsquo編集mdash貼り付けrsquoを選択すればコピーした部分が貼り付けられますさき

ほどの要領で保存します

(b) Control画面の  ボタンを押す

Home ディレクトリーに GIF ファイルが自動的に作成されますこれは

MolMode 画面にしか使えませんDensMode 画面には使えませんボタンは 2

度押して必ず元に戻して下さい元に戻さない限り無数の GIF ファイルを

永遠と作り続けます注意して下さい

(c) active画面を全面にしrsquoターミナルrsquo画面で次のようにタイプします

     import ndashframe xxxgif

あるいはactive画面を全面にする時間の余裕が必要なときは

sleep 5 import ndashframe xxxgif

GIF 形式ファイルを StarSuite の Writer で作成の書類ファイルに取り込むには次の

ようにしますrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択しますファイル形式はrsquo GIFrsquoまた

はrsquo JPEGrsquo またはrsquoすべての形式rsquoを選択しファイル名を指定してファイルを開きます

Office の Word の場合はrsquo挿入mdash図mdashファイルからrsquoを選択して同様に行います

MOLDEN の画面の背景の色を変えたい場合はControl 画面の  ボタンで変更する

ことができます

(7) 分子軌道静電ポテンシャルなどの表示はEdge(通常10 にするのがよい)step

で Contour value の間隔などを揃えスケールを統一することに注意(今回は必要

ない)

(8) 構造最適化のアウトプットを MOLDEN で表示した際構造は初期構造(インプット

の構造)が表示されるので最適化構造を見るときはrsquonextlsquoかrsquomoviersquoを用いて

最終構造まで先送りして下さい

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 56: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

56

(9) 構造最適化mdash分子軌道の打ち出しー振動数計算の多段階ジョブを実行する時は3

章の注意事項を参照して下さい授業ではこの多段階ジョブを実行しない

(10) レポートはA4用紙で作成して下さい

(11) 備え付けのコンピュータにはStartSuite というソフトがインストールされていま

すのでレポート作成に利用して下さいMicrosoft 社の WordExcelPowerPoint な

ど Office 製品に似た製品で完全ではありませんが互換性を持っています画面上

部のメニューバーのrsquoアプリケーションーオフィスrsquoの中に入っています個人のパソ

コンにも情報メディア教育センターの Web サイトからダウンロードできますもち

ろん他のソフトを使用してもかまいません

付録 個人のパソコンへの StarSuiteのインストール手順

個人のパソコンで StarSuite を使用したい場合は情報メディア教育研究センター

からダウンロードして使用することができますStarSuite のインストールは次の手順

で行って下さい

(1)ブラウザで情報メディア教育研究センターのホームページを開きます

(2)左側にあるrsquoサービス一覧rsquoをクリックします

(3)rsquoStarSuitersquoをクリックします

(4)rsquoプログラム本体 Win 版rsquoのrsquostarsuite80-winexersquoをクリックしますメディアセンタ

ーのアカウントとパスワードを入力してくださいダウンロードが始まりますファ

イルはデスクトップに保存して下さい

(5)ダウンロードしたファイルをダブルクリックするとファイルの解凍が開始されます

(6)解凍が終了したらrsquoスタートーすべてのプログラムrsquoの中に starsuite8 があるか確認

して下さいstarsuite8 の中にWriterCalcImpressDraw といったソフトが含まれ

ています

レポート

提出期限200X年 X月 XX日(X)

提出場所総合研究実験棟 701号室

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 57: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

57

<演習を始める前の補足説明>

以下に演習で必要な計算化学の基礎概念を説明します

I 構造とエネルギー論

反応座標図の概念を導入しますこの図によってある分子系のエネルギー

とその構造が関係づけられます反応座標図を一次元で表すと分かり易い

エネルギー

反応座標

反応物

生成物

遷移状態

反応物と生成物は安定な分子でエネルギーのミニマム(極小点)として示され

ますそれらは遷移状態と結ばれています遷移状態は不安定でありエネルギー

極大点として表されます

この図は化学的に役立つ情報を与えます反応座標によって反応物生

成物および遷移状態の構造が定義されますまた反応全体の熱化学に関する情報を

与えます図に示したように生成物のエネルギーが反応物のエネルギーよりも低け

ればその反応過程は発熱的です逆に反応物のエネルギーが生成物のエネルギー

よりも高ければその反応過程は吸熱的です反応物のエネルギーに対する遷移状態

の相対エネルギーはいわゆる活性化エネルギー(反応のエネルギー障壁)です量子

化学計算によって安定な化学種や中間体遷移状態の構造を求めることができそ

してこれらの相対エネルギーからポテンシャルエネルギー面を求めることができま

平衡構造および遷移状態の停留点はエネルギーの核座標に関する1次微分

および2次微分によって次のようにして判断されます

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 58: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

58

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part2EpartRr2

lt 0

part2EpartRi2

gt 0

euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0euro

partEpartRi

= 0

part 2EpartRi

2 gt 0

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

反応物S

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

エネルギー

反応座標 Rr

遷移状態TS1

遷移状態TS2

生成物P

中間体I停留点

停留点 停留点

停留点

停留点

変曲点

変曲点

変曲点

変曲点

Rrは反応座標

(Ri ne Rr )

すべてのRi

II Hammondの仮説

エネルギー的に有利な反応(ΔGlt0)つまり発熱反応は早く進行する(ΔGne

が小)こともあれば遅く進行する(ΔGneが大)こともありますしかしΔG とΔGneが

非常によく関連した反応過程ではそれらはしばしば相関しますこれはHammond

仮説として体系づけられており一段階で進行する極めて大きな吸熱的な反応の遷移

状態はその構造とエネルギーが生成物に類似しており一段階で進行する極めて大

きな発熱的な反応の遷移状態はその構造とエネルギーが反応物に類似していると

いうものですこのことは次の図で表されます

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 59: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

59

reactant

product

transition state

Reaction coordinate

endothermic reaction

Energy reactant

product

transition state

Reaction coordinate

exothermic reaction

Energy

ΔGDagger大 ΔGDagger小

13

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 60: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

60

7 演習課題

本演習では反応の遷移状態を ab initio 分子軌道法により求めますまた

中間体の平衡構造も求め反応のエネルギー面を探索します

遷移状態を求めるコツはより遷移状態に近い初期構造を作成することです

初期構造が遷移状態構造からかけはなれているとプログラムはうまく遷移状

態を見つけてくれません

課題 113 13 1-ペンテンの分解反応(エン反応)

目的遷移状態を計算してみます

計算レベルHF6-31G

次のようなクラッキング(分解反応)の遷移状態を1-ペンテン(R113 R2=H)を用

いて求めます

CH2

CH2

CHH R1

R2 CH2

CH2

CHH R1

R2

CH3 R1

R2+

(1) 1-ペンテンを作成して下さいZmatrix EditorでrsquoSubstitute atom by Fragmentrsquoの中のCH4

を選択し-CH3-CH3-CH=CH2置換基を足していくと簡単に作成できますラベ

ル表示にしておきCH4表示後H(2)原子を -CH3に置換すると後で構造を修

正するのに便利です

(2)遷移状態を求めるための初期構造を作成して下さい

(3)遷移状態の構造最適化を行って下さい

(4)遷移状態の振動数計算を行って下さい

(5)次のようにして遷移状態であることの確認を行って下さい(a)虚の振動数が1つ

存在することを確認して下さい振動をアニメーショーンにして下さい(b)反応

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 61: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

61

物側と生成物側に向かって(反応座標上を)振動していることを確認して下さい

(6)最適化された遷移状態構造を用い1-ペンテンの構造最適化を行って下さい

(7)生成物であるエチレンとプロペンの構造最適化も行って下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を課題 2 の図を参考に描いて下さい遷移状態構造は出発構造と比べてど

のように変化していますか結合距離を比較して下さい理にかなった変化をしてい

ますか

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 反応物を基準とし反応物遷移状態および生成物の相対エネルギー(単位は

kcalmol)を求め反応のエネルギープロフィールを描いて下さい反応のエネルギー

プロフィールの描き方は下図を参考にして下さい

生成物のエネルギーはエチレンとプロペンのエネルギーの合計です

遷移状態

1-ペンテン

エチレン+

プロペン

反応座標

エネルギー(kcalmol)

00

100

50

反応熱

エネルギー障壁

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい反応は吸熱反応ですかそれと

も発熱反応ですか

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 62: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

62

設問 5 遷移状態構造は反応物に近いですかそれとも生成物に近いですか遷移状

態と反応物との結合距離の差と遷移状態と生成物との結合距離の差を比較して判断し

て下さいその結果はHammond 則と一致していますかまたContour Value を

010~012 とし等電子密度面を計算して表示して下さい遷移状態がどちらに近いか

理解できます移動する水素はどちら側により強い結合を持っているか切断される

C-C 結合はどうなっているかに注意して見て下さい(Space subcomm の Fill にチェック

をいれると分かりやすいかもしれません)

課題 213 13エチレンへのジフルオロカルベンの付加反応

目的IRC(Intrinsic Reaction Coordinate 固有反応座標)計算をして反応

過程でのジフルオロカルベンの動きを考察し何故そのような動きを

するのか考えます

計算レベルHF6-31G

次のようにカルベンはオレフィンに付加してシクロプロパンを生成します

CF2+C

C C

FF

(1) ジフルオロカルベンのエチレンへの付加反応の遷移状態を下図の構造パラメータを

参考に作成しHF6-31Gレベルで求めて下さい

C C

CFF

HHHH

175

140

215

(2) 正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が 1 つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 63: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

63

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さいカルベンは反応の過程で次のように回転しますそのようになっていま

すか

C C

C

C C

C

C C

C

2 TS 3(3) 求めた遷移状態構造を初期構造として用い出発物質側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますか

(4) IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいカルベンが反応の過程で回転する様子が分かります

(5) IRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到達せずその

手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および生成物の構造

についても HF6-31G レベルで最適化して下さい生成物は11-ジフルオロシクロ

プロパン(3)反応物はエチレンとジフルオロカルベンのクラスター構造(2)です

またエチレンとジフルオロカルベンのそれぞれの単体(1)についても構造最適化し

て下さい

設問 1 求められた反応物遷移状態生成物の結合距離を測定しその値と一緒にそ

れらの構造を上図を参考に描いて下さい

設問 2 遷移状態の虚の振動数(cm-1)はいくつですかまた振動の様子を矢印で示し

て下さい

設問 3 エチレンとジフルオロカルベン単体のエネルギーの合計を基準としクラスタ

ー(2)遷移状態(TS)および生成物(3)の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1

を参考に反応のエネルギープロフィールを描いて下さい

設問 4 反応熱とエネルギー障壁を計算して下さい吸熱反応ですかそれとも発熱反

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 64: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

64

応ですか

設問 5 求められた遷移状態構造はlsquo反応物に類似しているrsquoあるいはlsquo生成物に類

似しているrsquo遷移状態のどちらだと考えられますかそう考えた理由は何ですかそ

の結果はHammond則と一致していますか

設問 6 反応のエネルギープロフィールに沿ってジフルオロカルベンの回転の様子を

説明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットしジフル

オロカルベンの回転の様子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよ

い)

設問 7 カルベンは反応の過程で回転するのは何故ですかカルベンについて通常説

明される求核的求電子的性質と関係づけて次の手順で考えて下さい

(a) 一重項カルベンは分子面内にエネルギーの高い被占軌道(HOMO)と分子面外

にエネルギーの低い空軌道(LUMO)の両方を有していますCF2 の HOMO と LUMO を

可視化しイラストで示して下さい(分子軌道のグラフィックスを貼付けるとよい)

(b)接近の際はカルベンの LUMO はエチレンの結合性π軌道と相互作用しま

す遷移状態の分子軌道の HOMO を表示しイラストで示して下さい(分子軌道のグ

ラフィックスを貼付けるとよい)そのようになっていますかさらに反応が進行する

とどのような相互作用が起こると考えられますか図示して下さいエチレンの反

結合性π軌道とカルベンの HOMOとの相互作用から考えて下さい

(c)カルベンの HOMO と LUMO の配向とこれらの相互作用を反応過程でのカルベ

ンの動きと関連づけて説明して下さいそうすれば反応の過程で何故カルベンは回

転するのかが理解できます

課題 3 ホルムアルデヒドのポテンシャルエネルギー面の探索

目的次の反応のポテンシャルエネルギー面の探索を行います

計算レベルHF6-31GHF6-31GMP26-31GMP4SDQ6-31G

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 65: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

65

CCSD(T)6-31G

CO+ H2

C OH

HC O

H

HC O

H H1 2 3 4

(1)ホルムアルデヒドの分子解離 2rarr1 の遷移状態 TS1 を下図の構造パラメータを参考に

作成しHF6-31G レベルで求めて下さい遷移状態の構造はホルムアルデヒド 2 か

ら想像されるようなC2v対称をもった構造ではありません

(2)正しい遷移状態が求められているかどうか判断するために振動数の計算をして虚

の振動数が一つあることを確認して下さいそして虚の振動数をもつ基準振動を

アニメーションにしてその動きが反応物側と生成物側に振動しているか確認して

下さい

(3)求めた遷移状態構造を初期構造として用い反応物側と生成物側へ IRC 計算を

HF6-31G レベルで行って下さい求めた遷移状態は反応物および生成物につなが

っていますかIRC 計算では通常エネルギー面上の反応物や生成物まで到

達せずその手前で計算が収束しなくなり止まりますそこで反応物および

生成物の構造についても HF6-31G レベルで最適化して下さい反応物はホルムア

ルデヒド(2)生成物は単体の H2と CO(1)です

(4)IRC 計算によって求められた反応エネルギー面上の各点の構造をコマ送りのアニ

メーションにして下さいH2分子が CO炭素から解離する様子が分かります

(5) トランスおよびシスヒドロキシカルベン 34 を HF6-31G レベルで構造最適化し

て下さい

(6) 水素移動反応 2rarr3ヒドロキシカルベンのトランスからシスへの移行 3rarr4 および

HbHa

C O1100

16501250

1120

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 66: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

66

シスヒドロキシカルベンの分子解離 4rarr1 の遷移状態 TS2TS3TS4 を HF6-31G

レベルで求めて下さいTS2 の初期構造はC と O と移動する H とが三角形をつく

るような構造を考えて下さいTS3 の初期構造はH 原子を CO 軸の周りで 90deg回

転させた構造を考えて下さいTS4 の初期構造は1 が生成する反応過程から想像

してみて下さい求めた遷移状態について振動数計算を行い虚の振動数が1つ

存在することまたアニメーションにしてその振動が正しい振動モードであるかを

確認して下さい

設問 1 平衡構造 1234遷移状態 TS1TS2TS3TS4 の必要な構造パラ

メータを測定しその値と一緒にそれらの構造を上図を参考に描いて下さい遷移状

態については虚の振動数(cm-1)も書いて下さい

設問 2 H2と COのエネルギーの合計(1)を基準とし234TS1TS2TS3TS4

の相対エネルギー(単位は kcalmol)を求め課題1を参考に全体のエネルギープロフ

ィールを描いて下さい

設問 3 ホルムアルデヒドの分子解離 2rarrTS1rarr1 について反応のエネルギープロフ

ィールに沿ってホルムアルデヒドがどのように H2 と CO に解離するのかその様子を説

明して下さい(IRC 計算により求められた各点のエネルギーをプロットし反応の様

子が分かるように構造のスナップショットを貼付けるとよい)

設問 4 2および TS1のエネルギーを基底関数 6-31G(6-31G(dp))を用いHFMP2

MP4SDQCCSD(T)レベルで計算して下さいCCSD(T)レベルの計算を行えばその

過程でその他のレベルの計算も行われますそれぞれのレベルでの 2rarrTS1 の活性化

エネルギー(kcalmol)を求めて下さい横軸に計算レベルを HF6-31GHF6-31G

MP26-31GMP4SDQ6-31GCCSD(T)6-31Gの順に並べ求められた活性化エ

ネルギーをプロットして下さい基底関数に分極関数を加えたとき電子相関を考慮

したときさらに計算精度をあげたときどのような傾向がみられますか実験値は

792plusmn08 kcalmolです実験値にむかって収束していますか

時間に余裕があれば3rarrTS3 についても計算してみて下さい結合の解裂生成が

ない過程ではどのような傾向がみられますか

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 67: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

67

設問 5 ホルムアルデヒドの分子解離の逆反応 1rarrTS1rarr2 についてH2 分子がどのよ

うに CO に接近し反応するのかその様子を説明して下さい何故そのように接近する

か次の観点から考えて下さいTS1 の HOMO を表示してみて下さいどのような軌道

の相互作用がみられますかこの後どのような軌道の相互作用が起こると考えられま

すかイラストで描いて下さいこのような相互作用がスムーズに行われるためには

どのように H2分子が COに接近しなくてはいけませんか

設問 6 水素移動反応 2rarrTS2rarr3 では水素は HH+H-のどれとして移動している

か考えてみて下さい

設問 7 求められた全体のポテンシャルエネルギー面から何が言えますか

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

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p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

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(構造最適化に関する全出力)

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Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

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P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

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hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

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(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 68: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

68

8 付録(MOLDENの補足説明)

①Controlパネルの概要

1 Select Point 構造最適化や反応過程の構造変化の可視化に

使用複数の構造を読み込み構造を順にコマ送りしてア

ニメーション化する

First 最初の構造を表示  Next 次の構造を表示

Movie 全構造を順に表示した動画

砂時計 Movieでの構造表示時間の間隔の設定

(Frequencies での分子振動の速度の設定もここで行う)

2 Miscellaneous 分子構造や計算結果ファイルの読み込み

Dens Mode 分子軌道電子密度の表示パネルへ移動

Read ファイルの読み込み

Write 分子構造の座標を種々の形式で保存

ZMAT Editor 分子構造のZ-matrixの作成編集パネルへ

移動

3 Draw Mode 分子表示の選択

Solid 分子の骨格表示(Line Ball amp Stick Space Filling)

StickColor 原子を色で識別表示  Shade 陰影表示

Perspect 遠近法で表示  

Label 元素記号番号電荷などの表示

BackBone 主鎖を表示(pdb形式で読み込んだ場合この際FrequenciesはAdd to

Backboneと表示される)

4 Frequencies ノーマルモード(分子振動)の表示 (ノーマルモードの計算結果が含ま

れていない場合はここはRender Forcesと表示される)

Norm Mode IRRamanスペクトルと振動数パネルの表示 (Render Forcesの場合    

はForcesと表示される)

5 Calculate 構造パラメータの表示距離角度二面角のいずれか選択し表示さ

せたい部分の原子核をクリックする距離はメイン画面への表示が可能

6 Convergence 収束状況を折れ線グラフで表示

Control画面パネル

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

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p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

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(構造最適化に関する全出力)

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Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

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File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

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P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

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hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

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p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

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hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

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Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

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P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

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hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 69: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

69

SCF conv SCFエネルギーの収束状況を表示マウスの矢印でポイントを指すと

数値を表示できる

Geom conv 構造最適化における各ステップのエネルギーやForceを表示IRC

の 計算結果の表示では反応のエネルギー面ということになるマウスの矢印で各点

を指すと数値を表示できる

7 中央に並んだボタンの機能は次のようです

分子力学計算における力場パラメータの割り当て

メイン画面をgif形式で保存

原子やメイン画面の色の設定

分子の表示(通常の単分子表示のほか以外に結晶構造のように並べて表示も可能)

クリックした原子を原点にする

原子上の電荷の表示や電子密度静電ポテンシャルマップの作成など

分子をVRML形式などで保存

水素原子の表示非表示

2分子の重ね合わせ(片方はxyz形式)や分子のドッキング(タンパク質はpdb形式)

MOLDENの終了

②13多段階ジョブを行った場合の軌道等の表示に生じる問題への対処法

多段階ジョブ(例optfreq13構造最適化を行った後自動的に最適化構造を用い

て振動数計算を行う)を行うと以下のようなアウトプットファイル(ファイル名を

testlogとします)ができます

(testlogの内容)

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

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p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

70

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hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

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File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

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P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

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hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

----------------------------------------------------------------

hellip

(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

hellip

(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 70: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

70

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(構造最適化に関する全出力)

hellip

Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

(Enter13usrlocalintelg03l1exe)

Link113 13 Proceeding13to13internal13job13step13number13 13 2

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

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(振動数計算に関する全出力)

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Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このファイルをそのままMOLDENに読み込むと既述したようにinitialの数値を使

ってしまいますそこでこのファイルを構造最適化部分と振動数計算部分の2つに分

けますcp testlog test2log(任意のファイル名で可)でコピーしtestlogをviエディタな

どにより次のように構造最適化部分のみになるように編集します

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

hellip

----------------------------------------------------------------

p13HFLANL2DZ135D137F13opt13freq13gfinput13pop=full

71

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(構造最適化に関する全出力)

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Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

------------------------------------------------------------------------

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(振動数計算に関する全出力)

hellip

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 71: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

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(構造最適化に関する全出力)

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Leave13Link13999913at13Wed13Feb13161320093413200513MaxMem=13 13 13 1966080013cpu13 13 13 13 13 13 13 00

Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes1318513seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200934132005

もう一つのファイルtest2logもviエディタなどを用い振動数計算部分のみにな

るように編集しますこのとき1行目にはEntering13 Gaussian13 System13 Link13 0=g03

を追加する必要があります

Entering13Gaussian13System13Link130=g03

------------------------------------------------------------------------

P13Geom=AllCheck13Guess=Read13SCRF=Check13GenChk13UHFLANL2DZ13Freq

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(振動数計算に関する全出力)

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Job13cpu13time13 13 013days13 13 013hours13 13 013minutes13 13 7813seconds

File13lengths13(MBytes)13 13RWF=13 13 13 13 131813Int=13 13 13 13 13 13013D2E=13 13 13 13 13 13013Chk=13 13 13 13 131013Scr=13 13 13 13 13 131

Normal13termination13of13Gaussian130313at13Wed13Feb131613200941132005

このように分離すればtestlogを読み込むことで最適化構造分子軌道等電子

密度面静電ポテンシャルについてtest2logを読み込むことで分子振動についての

解析が可能となりますなお最適化構造と分子振動のみを解析する場合はこの操

作は不要です(アウトプットファイルがそのまま使用できます(opt freqの場合のみ確

認))また一点計算や構造最適化(opt)のみといった1段階の計算しか行っていない場

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます

Page 72: NaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習 テキ …qulis.hiroshima-u.ac.jp/qulis/NaBiT/021textbooks/kke/kke.pdfNaBiT物質科学系 大学院集中講義 計算化学演習

72

合はアウトプットファイルをそのまま用いることができます