LTE上でNWサービスのメニュー操作を 実現するUSSIの開発 … · 2016-01-04 · 86...

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SIP メニュー操作 USSI

©2016 NTT DOCOMO, INC. 本誌掲載記事の無断転載を禁じます.

*1 IMS:3GPPで標準化された,固定電話NWや移動通信NWなどの通信サービスを,IP技術やインターネット電話で使われるプロトコルであるSIP(*4参照)で統合し,マルチメディアサービスを実現させる通信方式.

*2 キャッチホン®:日本電信電話㈱の登録商標. *3 CSFB:LTE在圏中に音声などの回線交換サービスを使用する

場合に,W-CDMA/GSMなどのCSドメインのある無線アクセス方式に切り替える手順.

NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 23 No. 4 85

2015夏モデル以前 2015冬モデル以降

LTEのままNWサービス設定を変更/確認できる

CSFBしUSSDでNWサービス

設定を変更/確認するNWサービス設定を変更/確認する

図1 LTE在圏中のメニュー操作(画面遷移)

LTE上でNWサービスのメニュー操作を 実現するUSSIの開発

ネットワーク開発部 大橋おおはし 亜希あ き

移動機開発部 玉置たまおき 真大まさひろ 越智

お ち 繁

しげる

ドコモテクノロジ株式会社 コアNW事業部 上田うえ だ 啓二朗けいじろう

USSI(USSD using IMS(Unstructured Supple-mentary Service Data using Internet protocol Multi-media Subsystem)*1)とは,留守番電話,キャッチホン®*2などのNWサービスの設定/変更を行うメニュー操作がLTE上で実現可能な技術であり,標準化団体である3GPPで必要な機能が規定されている[1]. ドコモでは,2014年6月からLTE上で音声通話が可能となるVoLTE(Voice over LTE)[2]を提供しているが,メニュー操作については既存の3G方式であるUSSDにより提供を行っており,CSFB(Circuit Switched FallBack)*3による3Gへの遷移が必要であった.そのため,次の3点の課題があった.

・メニュー操作完了までの時間が長くなること. ・メニュー操作中はパケット通信速度が3G相当となること.

・CSFBによる呼切断を避けるため,移動機にてVoLTE通話中のメニュー操作を抑止していること.

そこで,ユーザの利便性向上のため,ドコモNWおよび2015冬モデル以降の移動機においてUSSIに対応することとした.それによって前述の課題を解決し,LTEに在圏したままでメニュー操作を行うことを可能とした.LTE在圏中のメニュー操作実施時の差分を,画面遷移については図1に,NW接続形態については図2に示す.

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86 NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 23 No. 4

3G

LTE

NW

USSD USSI

遷移2015冬

モデル以降2015夏

モデル以前

図2 LTE在圏中のメニュー操作(NW接続形態)

⑴標準仕様におけるUSSI実現方式 USSIは,VoLTEの制御と同様にSIP(Session Initiation Protocol)*4プロトコルを用いる方式である(図3). ユーザがメニュー操作を行うと(図3①),移動

機がNWサービス設定/変更のためのUSSIメッセージをSIP_INVITE*5に格納し,P-CSCF(Proxy Call Session Control Function)*6に送信する.P-CSCFは,SIP_INVITEをS-CSCF(Serving Call Session Control Function)*7を経由してAS(Application Serv-er)*8に送信する(図3②).ASは,SIP_INVITEに含まれるUSSIメッセージに従いサービス状態の設定/変更を行い(図3③),設定結果応答のためのUSSIメッセージをSIP_BYEに格納し,移動機に返送する(図3④). ⑵ドコモNWにおけるUSSI実現方式 標準仕様上,NWサービスの設定はASで保持しているため,USSIメッセージもASで終端する方式となっている.しかし,ドコモNWではその設計ポリシーにより,一部サービスの設定を,加入者情報を管理するF-SCP/D-SCPで保持している.そのため,NWサービスの設定情報をF-SCP(Front end Service Control Point)/D-SCP(Database SCP)まで送信する必要があり,ドコモNWにおけるメニュー操作制御の流れは図4に示すとおりとなっている. USSIの開発にあたっては,標準仕様上のASに相当するASN(Application Serving Node)とF-SCP/ D-SCPの間を,既存USSDのインタフェース(IF)

のまま実現できるよう工夫を行った. 具体的には,ASNは受信したUSSIメッセージを

分析し,F-SCP/D-SCPが設定を保持するサービスだった場合は,既存のUSSDと同様のIFにプロトコル変換(SIP→MAP変換)を行いF-SCP/D-SCPに通知する.また,F-SCP/D-SCPからの設定結果応答については,既存IFからUSSIへの変換(MAP→SIP変換)を実施する.このことにより,F-SCP/ D-SCPに開発を行うことなくUSSIの実現が可能となった.

本稿では,NWサービスの設定/変更を行うメニュー操作をLTE上で実現可能なUSSIについて解説した.今回USSIへの対応を行ったことで,冒頭に記載の課題を解決し,ユーザの利便性を向上させた.また,LTE接続時のNWサービスのメニュー操作を提供したことが,将来的に3GからLTEの単独NWに移行していくことの一助となった.

文 献 [1] 3GPP TS24.390: V11.4.0 “3rd Generation Partnership

Project; Technical Specification Group Core Network and

*4 SIP:IETF(Internet Engineering Task Force)で標準化された通信制御プロトコルの1つ.IP電話などで利用される.

*5 Invite:SIPの信号の1つであり,接続要求を行うための信号. *6 P-CSCF:EPCとの接続点および,移動端末とS-CSCFおよび

I-CSCFとの接続点に配備され,EPCと連携しQoS制御を起動させる役割と,移動端末とS-CSCFおよびI-CSCF間のSIP信号の中継の役割を担う.

*7 S-CSCF:端末のセッション制御,およびユーザ認証を行うSIPサーバ.

*8 AS:サービスを提供するアプリケーションを実行するサーバ.

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NTT DOCOMOテクニカル・ジャーナル Vol. 23 No. 4 87

USSD USSI

SIPプロトコル

SSプロトコル

MAPプロトコル

3G LTE

F-SCP/D-SCP

ASN

SS_REGISTER

SIP⇔MAPプロトコル変換

SS_RELEASECOMPLETE

SIP_INVITE SIP_BYE

MAP_PUSSR req

MAP_PUSSR ack

MAP_PUSSR req

MAP_PUSSR ack

CSN:Call Session control NodeSIN :Signaling Interworking Node for 3G accessVGN:VoLTE Gateway Node

VGN

CSN

SIN

図4 ドコモNWにおけるメニュー操作制御

LTE

AS

③ NWサービス設定/変更

② SIP_INVITE(USSIメッセージ)

④ SIP_BYE(USSIメッセージ)

① NWサービス設定/変更操作

P-CSCF

S-CSCF

図3 標準仕様におけるUSSI制御

Terminals; Unstructured Supplementary Service Data (USSD) using IP Multimedia (IM) Core Network (CN) subsystem IMS; Stage 3,” Sep. 2013.

[2] 徳永,ほか:“新たなサービスを実現するVoLTEの開発,”本誌,Vol.22,No.2,pp.7-23,Jul. 2014.

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