口腔アレルギー症候群の おはなし - Bayer...口腔アレルギー症候群とは 口腔アレルギー症候群の症状は 口腔アレルギー症候群は、果物や野菜など特定の
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lsometrichandgrip負荷:心 尖 拍 動 図 一 次 微 分 波 に よる 心 機 能 評 価 に つ いて
佐藤杉本紬野浦岡渡部石川
清恒明謙介忠夫秀人忠夫
臨床心音図第4巻第1号(論文N0.138)
lsometrichandgripexer-dse:Evaluationofcar-(jliacpe[17:1万〇rmancebythe:firstderivativeofapex-cardiogram
Kiyoshi
Tsuneaki
Kensuke
Tadao
Hideto
Tadao
SATOSUGINIOTOKASENOURAOKAIVATANABEISHIKAXVA
Summary
TheintervalbetweenQwaveofthettlectrocardiogramandthePeakofthefirstderivative
oftheaPexcardiogram(RtodA/dt)wasdeterIIlilledatrestanddllringisometrichandFiPexercise(H.G.)in21normalsubjects(Normal八14Patientswithischemicheartdisease
゛ithouthistoryofcongestiveheanfailul`e(IHD),and10Patientswithcollgesti゛ehe゛tfailure(CHF).HandgriPwasmaintainedataloadofonethirdofmaximumvoluntarycon-
tractionforthreeminutes.DuringH.G.heartrateincreasedbyanaverageof15%innormal,
9%illIHD2rld26%泌CHF.SystolicbloodPressureele゛21tedby2111averageof22%innormal,18‰inIHDand19%inCHF.Atrest,RtodA/dtwas95.9±18msecinnorlllal,
101±16.6msecinIHD,and99.6±16.2rnsecinCHF.Thedi仔erencesinRtodA/dtbe-
tweenthesethreegrouPswerenotsigni丘cant.DuringH.G・,RtodA/dtshortenedbyフ.6±10.斗msecinnorrna1,by10±8.4mse(ginlHD,butProlongedby13.7±12msecinCHF.
ThechangeinRtodA/dtillthelattel’肛ouPdi仔eredsignmcantlyfromthoseintheformert゛ogrouPs.ChangesinRtodA/dtduringH.G.werefoundnottobecol-relatedtochangesinBPandHR.VVeconc柚dedthatンjthollghRtodA/dtPel`seisnotahighly
sensitiveindex,thestudyofthechangesdurillgH.G・Providesausefulnleasureforserial
dinicalevaluationofcardiacPerfornlance.
Keywordshandgripexerciseapexcardiogram
RtodA/dt
cardiacperformance
金 沢 大 学 第 一 内 科金沢市宝町13-1(〒920)
一 一 ‥ -
TheFirstDepartmentoflnterna1Medicine,SchoolofMedicine,Kanazawauniversity,
Takaramachil3-1,Kanazawa,920
289
f左藤,杉本,紬野,浦岡,渡部,石川
は じ め に心機能の指標として,Masonら1)は左室収縮
のはじまりより左室内圧波の一次微分波の最大値
までの時間0-dP/dt)を考え,これは前負荷,後負 荷 に 影 響 さ れず, 左 室 の 最 大 張 力 発 生 ま で の 時間をあらわすとした.しかし,この指標を求めるためには直接左室内圧波の記録が必要であることより,Reale2)は左室内圧波の代用として心尖拍
動図(ACG)を用い,心電図R波の頂きよりACG一次微分波の最大値までの時間(t-△ACG)を求
め,これが観血的方法より求めすこt-dP/dtと極めて密接な相関関係にあることをみた.ますこvetterfE)3)は心電図上Q波よりACG一次微分波の最大
値までの時間R-dA/dtを先行R-Rで補正した-
R-dA/dt/,/R-Rが,観血的に求めた種々の左室
機能を表わす指標とよく相関することをみた.ところで,障害心であっても,心機能の低下が
軽 度 で, 予 備 力 の 低 下 に と ど ま って い れ ば , 心 機能の異常は必ずしもこれら心機能の指標の異常とな って あ ら わ れ な い . こ の 際 , 運 動 を 負 荷 して 予
備 力 を 動 員 さ せる こ と に よ り , 軽 度 の 心 機 能 の 低下 も , こ れ ら 心 機 能 の 指 標 の 異 常 と して 明 ら か にす る こ と が 可 能 と な る . こ の た め の 運 動 負 荷 の 方
法として近年handgrip運動負荷法が注目されている.この方法は負荷が静的に行われるため,負
荷中の諸指標の動きを知りうるという利点がある.そこで,心機能の指標としてR-dA/dtを用い,正常者と心疾患患者について,11andgrip運動負
荷中のR-dA/dtを安静時のそれと比較し,R-dA/dtの心機能の指標としての有層腫につき検討
した.
対象と方法対象は正常群(Norma1)21例(平均年令30才),
狭心症または心筋梗塞患者で,今までに心不全を示したことのない虚血性心疾患群(IHD)14例(平均年令64才),種々の心疾患患者で,過去に心不全があっ化か,あるいは現在心不全が存在する心不全群(CHF)10例(平均年令49才)の合計45
例である.心尖拍動図(ACG)の記録は原則として半左側
臥位にし,piezoelectrictransducer(フクダ電子
製TY-303)を最強心尖拍動触診部にバンドで密着固定した.ACGの一次微分波は,時定数1.0msecの微分回路を用い記録した.心電図をQ波
の あ る 誘 導 に て 記 録 し た . 記 録 は フ ク ダ 電 子 製MRR-150MultipleResearchRecorderによ
り,毎秒100mmの速度で行っすこ.記録は安静時と1landgrip運動3分後の負荷中に行い,同時に左腕にて血圧を測定した.Handgrip運動負荷はSMEDLEY’sHandDynamoMeterを用い,右
手にて最大握力の1/3を測定終了まで保持させた.R-dA/dtの測定はvetterら3)の方法により,心
電図Q波のはじまりよりACGの一次微分波の最
大値までの時間を測定した.
成 績1)Handgrip運動負荷による心拍数・血圧の
変 化Handgrip運動負荷により心拍数はNormal群
では68/分から78/分,IHD群では57/分から62/分,CHF群では70/分から87/分と増加した
(:Figure1).血圧はNorma1群では収縮期血圧n8mmHgから144mmHg,拡張期血圧76mmHgから93mmHg,IHD群では収縮期血圧141mmHgから166mmHg,拡張期血圧81mmHgか
N O R M A L I H D C H F
Figurel.Changesinhe訂trateinducedbyhandglipexcercise。
IHD=ischemicheartdisease,CHF=conllestiveheartt` ailure,HG=handgrip.
- 2 9 0 -
ら96mmHg,CHF群では収縮期血圧131mmHgから156mmHg,拡張期血圧83mmHgから100mmHgと昇圧しすこ(:F`igure2,3).心拍数,血圧
に関しては,3群の間には,負荷前,負荷中,および負荷によるその変化は差違はみられなかった.
N O R M A L I H D C H F
Figure;1Changesinsystolicbloodpressureinducedbyhandglipexcelcise。
IHD=ischemicheartdisease,CHF=conFstiveheartfailure,HG=handgrip.・
N O R M A L I H D C H F
Figure;k(11angesindi;lstolicbloodpiessuleinduced
byhandgliPex(lercise.IHD=ischemicheartdisease,CHF=congestive
heartdisease,HG=handgrip.
2 ) 負 荷 前 お よ び 負 荷 中 の R - d A / d t
安静時のR-dA/dtはNorma1群95.9±18m
sec,IHD群101±16.6msec,CHF群99.6±
1 6 . 2 m s e c で あ り , 3 群 の 間 で 有 意 な 違 い は み ら
れなかった(Figure4).Handgrip運動負荷中
のR-dA/dtはNorma1群87±21msec,IHD群
92.4±17.6msecに比べて,CHF群113±18.9
m s e c と 延 長 を 示 し た が , そ の 違 い は 有 意 で は な
かった(:F`igure5).
3)Handgrip運動負荷によるR-dA/dtの変化
量
rnseco§o
50
○○ ○○
○○○- mO O00000000
握力負荷と心尖拍動一次微分波
∴
●●●●●一 f - m
S●●●
N O R M A L I H D
Figure4.RtodA/dtatrest;
・@
か@@
CHF
IHD=ischemicheartdisease,CHF=congestiveheartfailure,3=NewYorkHeaTtAssociationclassIII.
150
100
50
Sec
○○○○○○○○
÷ mOOOOOOOOO
○
○
●●
.・S・.
W m●●
●●
@@3
3●1(・3‾rm
@
@
@
N O R M A L I H D C H F
Figure5,RtodA/dtdu血gHG13jc(;ercise.IHD=ischemicheart曲妃ase,CHF=(沁ngestive
heartfailure,3=NewYorkHeartA!;K)cj4tionclassIII.
Handgrip運動負荷中のR-dA/dtと安静時の
それとの差を3群の間で比較すると,Normal群,IHD群では,不変ないしは若干の短縮がみられ,
平均ではNormal群7.6士10.4,1HD群10±8.4msecと短縮した.CHF群では心不全重症度NYHA3度をしめした3例においてR-dA/dtは著
明な延長をみたが,残りの7例では,2例に延長.5例では不変であり,平均すると13.7±12msec
の延長であっすこ(:F`igure6).つぎにhandgrip運
- 2 9 1 -
佐 藤 , 杉 本 , 細 野 , 浦 岡 , 渡 部 , 石 川
△RtodA/dt
0
0
0
1 1 1 t I N I M
10
0
10
20
「nSeC
0000000000
00000- mo
o
○ ○ ○
○
●●●●
Z-●●● -rn
●●●
@3
@3
(i)
-(1)くi)3-「n
N O R M A L I H D C H F
Figufe6.Ch・lngesinRtodA/dtduringexercise.
handgrip
IHD=ischemicheartdisease,CHF=congestiveheartl`ailure,3=NewYorkHeartAssociationclassIII.
動負荷によるR-dA/dtの変化量と心拍数,収縮期血 圧 の 変 化 量 と の 関 係 に つ いて み る と , 3 群 の 何れにおいても心拍数の変化のためにR-dA/dtが影響をうけ化という傾向はみらだなかった(:Figure7).また収縮期血圧の上昇ともR-dA/dtは一定
の関係を示さなかった(:Figure8).
考 案左室機能の指標としてのR -dA/dtについて
-vetterら3)はR-dA却t/,/k-Rが正常群で72±12msec,左室不全群で122±23msecと明らかに
差があるという成績を示し,千田ら4)は心尖拍動図 の 微 分 波 の 立 ち 上 が り か ら 最 大 値 ま で の 時 間t-△ACGが健常群で58.0±1.1msecに対して
虚血性心疾患群で71.3±3.9msec,うつ血性心不全群で77.3士]7.8msecと有意に延長するのをみている.われわれは,今回,R-dA/dtは安静時においては正常群,虚lfIL性心疾患群,心不全群の
何 れ に お いて も 有 意 な 差 は な い こ とを み た . わ れ
&RtodA/dt
△RtodA/dt
NORMAL
IHD
CHF
Fjgure7.C㎞,11gesinRtodA/dtandheartlateinducedbyhandgripex(3ercise.
IHD-=ischemicheartdi鴎ase,CHF=conl;estiveheaTtfailure,3=NewYorkHeaTtAssociationclassIII.
わ れの成績とこれらのこれまでの観察との違いは1つには心不全の重症度の違いによると考え,こ
のためいねば軽度心不全例の早期診断の試みとして,運動負荷に対するR-dA/dtの変化を検討し
たのである.Handgrip運動負荷法は力学的運動負荷法と異
なり,使用する器具が簡単で容易に実施可能であること,負荷が過負荷あるいは不可逆性の変化にいたることがなく安全であること,運動負荷中の
記録が可能であることなどの特色を有している.Handgrip運動負荷による血行動態の変化は,反
射 性 の 末 梢 血 管 抵 抗 増 大 に よる 収 縮 筋 群 へ の 瀧 流圧の上昇,すなわち血圧の上昇を主体とする.5)6)この後負荷の増1_パま心拍出量の増大を伴うが,1
回拍出量は変化せず,心拍数の増加をみるという
一 2 9 2 -
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⊇胎贈妻毎回回声そ回牛⊇三三回三言⑦リ(才り印゛9いふな弓jミ昨腸⑦%SZ⑦晟叫9‘曹T⑦%H⑦田切T圓巾唾腸1昂舜竃言言言]謡言%ラモミ犬ご12五回三
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佐 藤 , 杉 本 , 紬 野 , 浦 岡 , 渡 部 , 石 川
要 約正常群(Norma1)21例,心不全を示したことの
ない虚血性疾患群(IHD)14例,過去に心不全が
あったか,あるいは現在心不全が存在する心不全群(CHF)10例について,心電図Q波のはじまりより心尖拍動図の一次微分波の最大値までの時
間(R-dA/dt)を安静時とHandgrip(H.G)負荷中に測定した.H.G負荷は最大握力の1/3を3分間保持としたH.G負荷により心拍数は毎分Normal群15%,IHD群9%,CHF群26%増加
しすこ.収縮期血圧はNormal群22%,IHD群18%,CHF群19%上昇した.安静時R-dA/dtはNormal群95.9±18msec,IHD群101±16.6msec,CHF群99.6±16.2msecであり,3群の間に有意な差はなかった.H.G負荷によりR-dA/dtはNormal群7.6±10.4msec,IHD群10±8.4msec短縮したがCHF群では13.7±12msec
延長した.CHF群のR-dA/dtのこの変化は他の2群に比べて有意であっすこ.R一dA/dtの変化は
心拍数,血圧の変化と一定の関係を示さなかった.
以上よりR-dA/dtは感度の高い指標ではないが,HG負荷によるR-dA/btの変化をみることは経
時的な心機能の臨床的評価に有用であると思われる.武内重瓦郎教授のご検閲を感謝する.
文 献
1)MasonDT,SonnenblickEH,RossJ,Cove11JW
BraunwaldE:Timetopeakdp/dt:Auseful
measurementforevaluatingthecontractilestate
ofthehumanheart.(Abstr).C祐culation32
(:Stlpp1.11):II-145,1965
討
千田(札幌医大第二内科):先はどの京大から
の演題では,やはり同じくACGの微分波に関する報告でしたけれども,その場合にはpeakdA/dtのとり方を,最大値でなく,(2jectionに近い点
でとるほうがいい成績が出るという報告でした.
2)RealeA:Evaluationofthecontractilestateof
thehumanheartfromthefirstderivativeofapexcardiogram.Circulation36:933-941,1967
3)vetterWR,SuHivanRW,HyattKH:Assess-mentofquantitativeapexcardiographyanonin-
vasiveindexofleftventricularfunction.Amer
JCardioll!9:667-671,19724)ChidaA,HamabeA,TakahashiT,KikuiriT,
MiyaharaM:Clinicalstudiesonthemyocardial
contractilestatebythefirstderivativeofapex-cardiogram.CardiovascSoundBu113:115-125,
1973
5)DonaldKW,LindAR,FlueD,MeNico1GW,HumphreysPXV,TaylorSH,StantionHP:Car.
diovascularresponsetosustainedstaticcont-
raction.CirculatRes21:1-15-1-32,19676)KivowitzC,ParmleylVXV,DonasoR,Marcus
H,GanzW,SwanHJC:Effectsofisometric
exerciseoncardiacperformance.Circulation44:994-1002,1971
7)HelfantHR,DevillaMA,MeisterSG:Effectofsustainedisometrichandgripexerciseonleft
ventricularperfornlance.Circulation44:982-
993,1971
8)Siege1W,GilbertCA,NutterD0,55chlantRC,HurstJW:Useofisometrichandgripforthe
indirecta;sessmentofleftventl-icularfunctioninpatientswithcoronaryatherosderoticheart
(lisease.AmerJCardio130:48-54,1972
9)JacobsWF,Nutter,D0,SiegelW,SchlantRC,HurstJW:Hemodynamicresponsestoisomet.
richandgripinpatientswithheartdisease.(こirculation41,z12(:Supp1):III-169,1970
10)Amendel,KrayenbuehIHP,Rutis5hauserW,
WirzP:Leftventl-iculardynamicsduringhand-
grip.BritHeartJ34:688-695,197211)Knya1)uehIHP,RutishauserW,Sch()enbeck
M,Amendel:EゝyE11uationofleftverltricular
functionfromisovolumicpressurenleasurenlentsduringisometricexercise.AmerJCardio129:
323-330,1972
論
しかし先生の場合には,や.はり常に最大値をとっ
て,その方が妥当だというふうにお考えですか.演者(佐藤):私すこちが今回計測しましたのは,
最 大 値 を と って お り ま す. そ れで 今 回 の 検 討 事 項ですけれども,主に1landgripによるその変化量,
- 2 9 4 -
変化の仕方ですね,絶対値でなくて,変化量を見たわけです.ですから中には正常群でも,たとえば12msec以上延びるような例がありまして,臨
床的に心不全の3度くらいにある人と同じくらい延長していました.正常でもそういう例があったわけです.ですから一番初めにスライドでお見せしましたように,安静時のR-dA/dtについては3群の間に差はなかったのですが,測定を一定に
する意味で一応最大値をとったということです.それともう1つは,ノッチが入りますので,I音に対応するノッチをできるだけ測定に入れないという事もあります.
千 田 : そ れ か ら 心 拍 数 の 件 で す け れ ど も ,vetterは12例の対象例で心拍との関連を検討し
ーて,きれいな相関があるということで,先行,/RRで割って求めているわけですが.それを先生の場
合行っておりませんから,正常値が少し高く出ますですね.vetterのは72msecですね.
演者:そうです.正常は72msecです.千田:IHSSとCHFできれいに延長したとい
う成績ですね.それで先生の場合には,心拍数の
倹討,たとえばCHFだとかhyl)erthyroidismで,心拍数が100以上になるという例もあると思いま
すけれども,そういう頻脈の場合の心拍数の影響は検討されていらっしゃらないわけですか.
演者:今回は,最後に出したスラィドで示しましたように,心拍数と一定の関係がなかったので,心 拍 数 , つ ま り R R で の 補 正 は 今 回 は い た して お
りません.たとえばvetterらの方法によって先-行いRRで割りますと,11andgripで非常に頻脈に
ーなった場合に,その(R-dA/dT)/へ/RRは非常
に大きくなるわけですね..そうするとhandgripの反応の仕方によって,正常群の中でもものすごい 高 い 例 が 出 る わ け で す. 計 算 して み ま すと で す
ね . そ れで ま だ 例 数 が 少 な い の で す が, 一 応 心 拍数 の 関 係 を 見 ま し た が, 一 定 の 傾 向 が 出 ま せ んで
ーしたので,今回は,/RRで心拍数の補正はしないで,データを出したということです.千田:今回のisometrichandgripに関しまして
握力負荷と心尖拍動一次微分波
は,確かに補正しないという先生の方法は分りましたけれども,もし各疾患,特に頻脈性の疾患の
病 態 生 理 だ と か 心 機 能 と か , そ う い う も の を 検 討す る 場 合 に は , や は り 頻 脈 の 場 合 に お ける 心 拍 数の影響というものも,一応は検討しておく必要が
あるんじゃないかというふうに思うのですがね.仁村(阪大阿部内科):本論から少し外れるか
もしれませんが,ただいま正常でも非常に延びるという人があるということを聞いて,それから思いついずこのですけれども,この種の検査というも
のは,11andgripに限らず,一般に運動負荷全部同じことであろうと思うのですけれども,かなりの
鍛練の影響というのが入っているのではないか.平 生 か ら 鍛 練 を して い る 人 と して い な い 人 と で は違うと思うのですけれども,そういう点の分析はお考えになっているでしょうか.運動負荷の影響が現われる場合に,平生から鍛練をしてる人と,していない人とではかなりresponseの仕方が違
うのじゃないかと思うのです.逆に言いますと,病的の人でresponseが大きいように見えておって も , そ れ は 病 気 の た めで は な く て , 平 生 安 静 にしているために,鍛練されていないからというようなことが考えられると思うのですがね.そうい
う点の分析は,どういうふうにお考えになっておりますか.演 者 : そ の 点 に つ いて で す が, 初 め の 2 枚 の スライドで,一応handgrip中の血圧と心拍数の変
化を3群で見たのですが,3群の間には差がありませんでしすこので,一応負荷としては同じ程度かかっているかというように考えたのです.ただ,
心 拍 数 で, I H D 群 の 増 加 が 非 常 に 少 な か っ た と思 う の で す が, そ れ は 虚 血 性 心 疾 患 の 患 者 さ ん の年 齢 が 非 常 に 高 く て , ど う して も 最 大 の 握 力 が 非常に低目に出たんじゃな・いかというふうに考えてい ま す. そ れで, し た が って 虚 血 性 心 疾 患 群 の 中
で,心拍数は平均で6つほどしか増加しておりません.だからそういう老人では若い人と違って,
負荷のかけ方が正確にいかないのじゃないかということは考えられます.これが又handgrip運動
- 2 9 5 -
佐藤,ご杉本,細野,浦岡,渡部,石川
負荷の1つのweakpointじゃないかと考えております.坂本(東大第二内科):仁村先生がいまおっし
ゃっ仁のは,同じ人でも,何度も練習しすこ場合と,そうでない場合の差ということではございませんか.
仁村:平生運動している人とそうでない人との差ということです.坂本:それは何の試験でもそうですが,心音図
の 場 合 で も , い ろ い ろ な テス ト の 場 合 , 練 習 さ せないとうまくいかないし,いきなりやっても駄目なことが少なくないという印象を持っております.valsalvaの試験などその典型です.handgripで
もやはり同じじゃないかと思います.handgripを
自分でやってみますと,3分間じっと握っているというのは非常に難しいですね.自分でやってみ
るとわかります.だから,ましてCHFの人は,非常に辛いのじゃないかという気がしますけれども………演者:そうですね.痛くなるわけですね.疲れ
るというよりか………ですからhandgripの握力
計を使うというのが,ほんとうにisometric(2xerciseの方法として妥当かどうかというのもや
はり問題があるのではないか………というのは,
疲れるというよりか,金属ですから,非常に手が
痛くな一二lてやめてしまう.力が落ちていくような印象を受けております.坂本:そうですね.それともう1つは,筋肉生
理学から言っても,すことえばMasterのtwosteptestみたいに動いて検査するものと,それから持
続的に1つの緊張を持すこせる場合とでは,疲れ方が 非 常 に 違 う . 手 を 振 って いて も , た と え ば 1 時
開 手 を 振 って い る の は 簡 単 に で き る の で す け れ ども,10分開手を上げすこままでいるということはとてもできないので,それと同じようなことから,
この方法は画一的に行うにはなかなか難しいように思います.impassionだけでものを言って申し
わけないのですけれども………藤井(心臓血管研究所):私すこちも:・atraumatic
で な く て , 動 脈 圧 を 直 接 測 定 し √ そ れ か ら 色 素 稀
釈法の両方でhandgripの検討をやりまして,一部循環器学会の方に出しましすこけれども,その際,いまおっしゃいまし化ように,最初は最大握力の1/2を3分間という負荷量にしていずこわけです.
ところが特に私たちの場合,老人が多かっすこりするということで,そういう負荷を維持するのが非
常 に 難 し い よ う な 例 が 多 い よ う で す. そ れ か ら 確かにirl()tropeというような変化は一応考慮外に
置いたとして,ε1‰rloadだけの変化を見ていると,最大握力の半分でとってみて,30秒から45秒のあすこりで大体一定値に達しているようなんです.いろんな報告を見ると,どんどん上カ泗っぱなしで,時間の経過に伴って上がっていくという報告
もあるし,いろいろなものがあるわけですけれど
も,直接動脈圧で見ていると,このε1jFterloadはわりにreflex的なもので起こっているようで,早い時間に一応の一定値に達しているようなんです.
それで現在は最大握力の半分で1分間と決めてし
まって,それで一応ε1jFterloadの増加としては(;()nstantに近い状態になっていると考えてやっ
ているわけです.最大握力の1/3で3分間というのは,いままでの報告の方法論からとってやられ
仁わけですか.演 者 : そ れも あ り ま す が, 怒 責 を 防 ぐ と い う 意
味で30%把したわけです.50%ですと,どうですか,何かちょっと気張る人がいてうまくないのではないですか.
藤井:そうですね.30%と50%で確かにどれくらいの差があるか,難しい問題ですけれども…
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