LLNlラ三::;三ク - Hitachi

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U.D.C.d2l.395.345:d21.395.37 電子交換機用 話路系装置 Speech PathEquipment ofElectronic SwitcbingSystem 浄* KiyoslliMiyazawa 弘* Yasubiro Barada 弘* HirosbiK11Wahara 男* EtsuoIsllii 男* Masao Furuya 雄* MutsuoIkuta 栄* Sakae Hayakawa 友* Hisatomo Munetaka 既設の交換設備との共存性および経済性などの要求から,通話路系装置には多くの電磁系部品が使用されて おり,かつIC,トランジスタなどの電子部品と混載されている。動作電力および動作速度の異なるこれらの 部品の特長をどのように生かすかが,通話路系装置の設計に当たって重要なポイントとなる。 路系装置の概要およぴシステムを構成する各装置の動作について述べる。 ラインリンク用賀 トラ 1.緒 電子交換機の通話路系装置は,中央処理装置からの制御指令を受 けて通話接続路を設定し,選択信号の受信,送出を行なうとともに 加入者の通話線を所定の状態に設定して通話の継続,終了を監視す る。このように既設の交換設備との共存性および装置規模が加入者 端子数に比例することにより経済性が強く要求されるため,通話路 系装置にはIC,トランジスタなどの電子部品のほかに,リレー, スイッチなどの電磁系部品が数多く使用されている。動作電力,動 作速度が異なるこれらの部品のそれぞれの特長を最大限に生かすこ とが,通話路系装置を最適設計するに当たって方式,回路および装 枚設計上の最大のポイントとなる。 昭和39年以来,日本電信電話公社電気通信研究所を中心に,日本 電気株式会社,沖電気工業株式会社,富士通株式会社および株式会 社日立製作所が共同してDEX-1およびDEX-2電子交換枚を開発 してきた。本文ではDEX-2電子交換機を中心に通話路系装置の概 要およびシステムを構成する各装置の動作について述べる。 2.通話路系装置の概要 2.1構成および機能 通話路系装置のシステム構成を図lに示す。これらは機能上(1) 通話路網(2)通話路制御共通装置および(3)トランクから成る。表 1はそれぞれの装置の構成と擬能を示したものである。 2.2 (1)小形クロスバスイッチのオフノーマル接点により,スイッ チ制御時にウェット動作(接点で電流を開閉する)を行なわせ, 交換処理を簡略化してCCの処理能力の向上を図っている。 (2)新たに小形部品(リレー,線輪,コンデンサなど)を開発 し,ICを積極的に導入して装置の小形,軽量化を図る一方,強 制空冷による高密度実装を採用して架列長の減少を因っている。 (3)架間接続にカードコネクタを使用し,ケーブル先流しによ る工事期間の短縮を図っている。 (4)各種装置の駆動回路は集中実装され(装置群ごとに予備1 装置),駆動電力は被駆動部との架問に伝送される。 (5)CCは一般のデータ処理装置として汎用性を持たせ,電話 交換用としては通話路制御共通装置により情報を変換する。 3.通 DEX-2電子交換枚の通話路網の構成を図2に示す。入側8個,出 日立製作所戸塚工場 SC LLN 本文では,通話 TRK TRK TLN _+i孟堕亜胤鄭重周袈旦 LSC TSC _組観轡豊戯規旦_ SCN-DV NSCN NSD 5CⅣ-Dl■ SD SDDV SRD SPAB SPWB CC 匡ヨ議書皆差芋た 号J 号l LLNlラ三::;三ク トランクリ ンク ネットワーク N N B B C C C C K A W S S D S S R C P P L T S L T T C S S 加入者線走査装置 トランク走査装置 信号分配装置 LLN用通話路駆動装置 TLN用通話路駆動装置 ラン′ク 中央制御装置 周辺アドレスパス 周辺アソサバス 囲1 通話路系装置の構成 表1 通話路系装置の構成と機能 別l l 通話路網 通話路制御 共通装置 ンク ラインリンク(基本/補充)用架およびト ランクリンク用架から成り,ライン回路に 関連するLSCNをとう載する。通話路ス イッチおよび駆動路選択のためのパスセレ クションリレー(PSR)は主通話路網の基 本単位ごとにグリッド板に実装され,リン ク用架に着脱可能である。 8段接続構成の主通話路網 を形成し,通話路制御共通装 置からの制御により加入者の 発呼検出および (1)加入者¶トランク (2)トランクートランク 相互間の接続路の設定/開放 を行なう。 通話路制御共通用架(A架,B架)にCC からの情報受信分配部,通話路保守用回路 ならびに通話路網,走査装置およぴSDな どの各駆動回路をとう載する。 通話路システムの共通制御 部として,CCとの間のイン タフェースを構成し,各種の 制御情報の授受を行なう。 トランク用架にトランク,TSCNおよ びSDを実装し,そのはか局間信号のため の名種のMF機器(発振許,受信器)をとう 載する。トランクは原則として4回路ごと に/くッケージ実装とし,トランク用架に着 脱可能とする。 加入者および局間中細線か ら選択信号の授受を行ない, 通話状態を制御,監視する。 ー60-

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U.D.C.d2l.395.345:d21.395.37

電子交換機用 通 話路系装置Speech PathEquipment ofElectronic SwitcbingSystem

宮 沢 浄*KiyoslliMiyazawa

茨 田 安 弘*Yasubiro Barada

桑 原 弘*HirosbiK11Wahara

石 井 悦 男*EtsuoIsllii

古 屋 雅 男*Masao Furuya

生 田 隆 雄*MutsuoIkuta

早 川 栄*Sakae Hayakawa

宗 高 久 友*Hisatomo Munetaka

要 旨

既設の交換設備との共存性および経済性などの要求から,通話路系装置には多くの電磁系部品が使用されて

おり,かつIC,トランジスタなどの電子部品と混載されている。動作電力および動作速度の異なるこれらの

部品の特長をどのように生かすかが,通話路系装置の設計に当たって重要なポイントとなる。

路系装置の概要およぴシステムを構成する各装置の動作について述べる。

ラインリンク用賀 トラ

1.緒 白

電子交換機の通話路系装置は,中央処理装置からの制御指令を受

けて通話接続路を設定し,選択信号の受信,送出を行なうとともに

加入者の通話線を所定の状態に設定して通話の継続,終了を監視す

る。このように既設の交換設備との共存性および装置規模が加入者

端子数に比例することにより経済性が強く要求されるため,通話路

系装置にはIC,トランジスタなどの電子部品のほかに,リレー,

スイッチなどの電磁系部品が数多く使用されている。動作電力,動

作速度が異なるこれらの部品のそれぞれの特長を最大限に生かすこ

とが,通話路系装置を最適設計するに当たって方式,回路および装

枚設計上の最大のポイントとなる。

昭和39年以来,日本電信電話公社電気通信研究所を中心に,日本

電気株式会社,沖電気工業株式会社,富士通株式会社および株式会

社日立製作所が共同してDEX-1およびDEX-2電子交換枚を開発

してきた。本文ではDEX-2電子交換機を中心に通話路系装置の概

要およびシステムを構成する各装置の動作について述べる。

2.通話路系装置の概要

2.1構成および機能

通話路系装置のシステム構成を図lに示す。これらは機能上(1)

通話路網(2)通話路制御共通装置および(3)トランクから成る。表

1はそれぞれの装置の構成と擬能を示したものである。

2.2 特 長

(1)小形クロスバスイッチのオフノーマル接点により,スイッ

チ制御時にウェット動作(接点で電流を開閉する)を行なわせ,

交換処理を簡略化してCCの処理能力の向上を図っている。

(2)新たに小形部品(リレー,線輪,コンデンサなど)を開発

し,ICを積極的に導入して装置の小形,軽量化を図る一方,強

制空冷による高密度実装を採用して架列長の減少を因っている。

(3)架間接続にカードコネクタを使用し,ケーブル先流しによ

る工事期間の短縮を図っている。

(4)各種装置の駆動回路は集中実装され(装置群ごとに予備1

装置),駆動電力は被駆動部との架問に伝送される。

(5)CCは一般のデータ処理装置として汎用性を持たせ,電話

交換用としては通話路制御共通装置により情報を変換する。

3.通 話 路 網

DEX-2電子交換枚の通話路網の構成を図2に示す。入側8個,出

日立製作所戸塚工場

SC

LLN

本文では,通話

TRK

TRK

TLN

_+i孟堕亜胤鄭重周袈旦LSC TSC

_組観轡豊戯規旦_

SCN-DV NSCN NSD 5CⅣ-Dl■

SD

SDDV

SRD

SPAB

SPWBCC

匡ヨ議書皆差芋た

略 号J 名 称 略 号l 名 称

LLNlラ三::;三クトランクリ ンク

ネットワーク

N

N

B

B

C

C

C

C

K

A

W

S

S

D

S

S

R

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P

L

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S

L

T

T

C

S

S

加入者線走査装置

トランク走査装置

信号分配装置

LLN用通話路駆動装置

TLN用通話路駆動装置ト ラン′ク

中央制御装置

周辺アドレスパス

周辺アソサバス

囲1 通話路系装置の構成

表1 通話路系装置の構成と機能

種 別l 構 成 l 機 能

通話路網

通話路制御

共通装置

ト ラ ンク

ラインリンク(基本/補充)用架およびト

ランクリンク用架から成り,ライン回路に

関連するLSCNをとう載する。通話路ス

イッチおよび駆動路選択のためのパスセレ

クションリレー(PSR)は主通話路網の基

本単位ごとにグリッド板に実装され,リン

ク用架に着脱可能である。

8段接続構成の主通話路網

を形成し,通話路制御共通装

置からの制御により加入者の

発呼検出および

(1)加入者¶トランク

(2)トランクートランク

相互間の接続路の設定/開放

を行なう。

通話路制御共通用架(A架,B架)にCC

からの情報受信分配部,通話路保守用回路

ならびに通話路網,走査装置およぴSDな

どの各駆動回路をとう載する。

通話路システムの共通制御

部として,CCとの間のイン

タフェースを構成し,各種の

制御情報の授受を行なう。

トランク用架にトランク,TSCNおよ

びSDを実装し,そのはか局間信号のため

の名種のMF機器(発振許,受信器)をとう

載する。トランクは原則として4回路ごと

に/くッケージ実装とし,トランク用架に着

脱可能とする。

加入者および局間中細線か

ら選択信号の授受を行ない,

通話状態を制御,監視する。

ー60-

電 子 交 通 話 系 装 置 957

LV=レベル

SW=スイッチ

4刀96端子(標準)

SW

G‡:

SG=スイッチ詐(n=故人7J

G=グlトソド

SG

r-hn l O

∠己乙二∠=7∠フ■

一重アニZフ∠フ

g二∠フZ:7

∠Eて二‾∠フ∠:7

g二∠フ∠フ

∠≡乙二‾∠=㌔=7

孝三

書芸喜びLV

8 8×8

Aリンク Bリンク

LLN

描箭 芯箭

側8個の無電流機械保持形小形クロスバスイッチ

(入線8,出線8)から成る2段接続完全リンク

(入線64,出線64)をグリッドと呼び,通話路網の

方式上および装機上の基本構成単位としている。

DEX【2電子交換機では最大16個のLLNと

TLNとを相互にジャンクタで接続して8段接続

の主通話路網を構成する。扱いうる呼量はLLN,

TLNともに1ネットワークあたり427アーラン

であり,LLNの1次スイッチの出側を複式接続す

ることにより,2:1~8:1の集線比を得ることが

できる。

4.通話路制御共通装置突

通話路制御共通装置架(NTCF)はA,B2架か

ら成る(図3)。

4.1通話路制御共通装置

A架に実装されている各装置の機能は次のとお

りである。

(1)信号受信分配部(SRD) CCからの情

報をケーブルレシーバ(CR)から2進符号で受

信,蓄積し装置番号による装置の識別,その他

各種のチェックを行なって各駆動回路に必要な

情報を送出する。サイクルタイム4/∠ざで32,000

端子まで制御可能である。

(2)通話路保守用信号分配部(NSD)SRD,

SC,SCNおよびSDの初期設定,予備装置へ

の切換など緊急度の高い保守上の制御信号を分

配する。サイクルタイムi・土4."s。

(3)通話路保守用走査部(NSCN一) A,B

架内の各装置の状態をケーブルドライバ(-cD)

Cリンク

1LV]

7nV

3次SW 4次SW

(TSW) (FSlり

WS

`向丘白√包∫同】占山

\南]

Cリンク

4次SW 3次SW

(FSⅥ■) (TSW)

図2 通 話 路 網 構 成 図

可 動 架 固定架(660×2,200×325)(330×2,200×325)′「 〔

革C声RCRCD

フアンユニット

SRD

CLK

NSCN

NSD

コネクタ

3;…:;ニ巨電源〔

注L□←8×8…‥・8(入線)×8他線)の小形クロスバスイッチを示す。

2・LLNとTLNとの操縦まジャンクタによ才fミ・う。

1,024端子

Sll■

8りンク

TL†ヾ

フアンユニット

予備LSC

予備

TSC

〕葺箭昔ててこLユニット

LSC

TSC

リ レー

S工)'Dv

SCNDV用

予備切替リレー

電源〔

Aリンク

2次Sll「

(SSW)

可 動 架 固定案(660×2,200×325)(330×2,200×325)〔 〔

REC

ANS

替謁什

一源電1ノ図3 通話路制御共通用架(A架,B架)

7 8 9 10 1112 13 14 1516ms

起動一言号

PSR製主動

PSR保守

1次RM現阜動

2~4次RM駆動-

SRF朋駆動

St且tuSSTO

StatussTl

(F叫フィンガマグネット

ts 40-165〃S次コマント=ニー

il

+

il▲ナ→ナ▲ヽ-†■ +一‾「 1A

0.5A

1.5A

1.5ノl

1.5A(FM)0・1ArSRop)

0・05Ar5R川

J

NSCN

/+

待ち時間

レ【亡り軌Jをホす⊃

ト「

l l

11+

i

ト__∴‾\=1、∴ン「ヽ†J÷二、}、ンこ\、二

】I】こヾこ\J\,1\てく\∵こ、こ\1、†1\二、、\J、ナて、、こ、∴

f l l卜ゝ∴1、ぺ、、、し\1∵_■、、二1:十\こ\、:、∴、1こ、+

lこ

i

\二ご\∴∵、J十)∴、、†、ここ††こ十二∴-べ\こ\)ここ\\二+】

仝DV

即動検盤

RM

停止-

・、】

駆動検布

†l

FM,SR,PSR

新車H亭止検す己

、、∴\、・\、、、∴\\丁\こ、ニナこ\二‾∴\\

l

】】′JlllllJ

】∫

Ji

注12

ts一一

l

l■J′

_は+時「才一

F、

リセ・ソトマグネット

経由でCCに送出する。

(4)走査装置および信号分配装置駆動回路(SCNDV,SDDV.)

SCNおよびSDへの情報を架問転送するための高電力駆動回路

で,A架に集中実装される。

(5)SCクロック部(CLK) SCの制御用クロック(水晶振

動子使用)を発生し,A架からB架内の各SCに分配する。

4.2 通話路駆動装置

SCほ通話網の制御およびトランク内のSリレーの制御を行なう。

LSCは2LLN当たり1個,TSCほ2TLN当たり1個設備され,ト

ランク内のSリレー(SR)制御はTSCが行なう。

4.2.1動 作

SCの動作タイムチャートを図4に示す。SCの動作サイクルタ

イムは公称12∽ざであるが,ソフトウェア処理によりCC指令送

駅動回路1回路当り拡大一iE流

にゴミホ

周4 SCの タ イ ム チ ャ ート

出周期が平均0.5椚ざのばらつきを持つため11タ柁ざで次の指令を

受信できるように設計した。しかし,SCの1回の動作は図から

わかるようにSC自身が復旧するまでに12.257朔5,PSRの復旧時

間も入れると15〝‡5かかるため,1シーケンスの完了以前に次の

シーケンスを開始できるようにした。すなわちStatus STOが

リセットされる10.75ク乃5以後,SCほ新しい指令を受信可能とな

り,その後ほStatusSTIによりSCの動作がなお続行しているこ

とを表示する。

SCのタイムチャートは小形クロスバスイッチの動作原理と上

記の動作シーケンス重ね合わせのため,かなり複雑になっている。

4.2.2 富区動回路の構成

通話路網を駆動するためには,図4に示すような高電圧,大電

-61-

958 昭和44年10月 日 立 評 論 第51巻 第10号

A架(D架)荘 B架(C架)・托′「

[芯

1MHz

-1Wr-

PSR駆動

アドレス情報偶理レベル)

タイミン7′りレスPSIl駐釣

下卜′レス情報(毒理レベル)

+▼「石諒

+

吉元‾1

+己f㌻1

+

⊂⊃⊂>

N

「‾‾‾‾言三司

駈±[

+「攣

図5 PSR DVの回路構成

表2 入トランクの通話特性

+

表蒜]

PSR

+▲48V

項 目 周波数(托z)l夏+♂(dB)l規格(dB)

300!0.75±0.06葛

1,500

竜三0.10±0.01

通 話 減 衰 量

忘ソ吉ヂ諾撃芸十芸42.0±1.30

99.2±2.71

1.0以下

0.3以下

30以上

75以上

A

(a)

注:()内は後面ゲート部の名称を示す。

流かつ長時間幅のパルスを発生する必要がある。このためPSRと

SRの駆動回路(DV)にほ大電力トランジスタを,スイッチのDV

にはサイリスタを使用し,論理信号を最終段のスイッチング素子

に印加する部分は交流結合とした。そして正弦波を整流してトラ

ンジスタのベース電流やサイリスタのゲート点弧電流を得る回路

形式を採用して小形化を図った。

図5はPSRDVの回路構成である。論理レベル信号はGTAお

よぴGTI主によって10V程度の交流信号に変換されてPSRDVの

入力として加えられる。PSRDVをマトリックス状に配列して

GTA,GTBで選択駆動することによりPSRDVの前段の回路数

の減少を因っている。

5.トランク用架

図dはトランク用架(TRKF)の外観を示したものである。・

5.1ト ラ ン ク(TRK)

代表的な入トランクの外観を図7に示す。

(1)トランクの単能化 トランクは用途ごとに瞭能を分離し

て単能化し,回路の簡略化と使用能率の向上を因っている。

(2)制御方式 呼の接続階梯に応じてトランクを所要の回路

状態に切り換えるために,CCからの制御ポイソトが設けられて

おり(1ボインりトランク),通話路網を介した接続路の設定/開

放時にTSCを経由して制御を行なう。

(3)性能 代表的な入トランクの通話特性を表2i・こ示す。

5.2 トランク走査装置(TSCN)

ブロック構成を図8に示す。CCはTSCNを叫5週期で逐次走

査し,2,048ポイントの通話監視情報を収集する。

(1)動作 CCのワード処理方式にあわせて,MTXは64行

×32ビット構成となっている。CCはⅩ(1/16),Y(1/4)指定によ

り,RDCRで1/64行を選択してMTXを駆動する。その行に収容

されている32トランクの通話監視リレー接点の閉成/開放に応じ

た読取情報が得られる。読取情報ほストローブパルスによりSA

内でサンプリングされ,波形整形されたのちASW信号とともに

CCに送られる。ASW信号は動作の正常性を示す。

(2)性能 TSCNのアクセスタイムは,2・84〃S(測定値)で

几㌃

「00N⊥り㍉1 一

E-33コネクタ /

ト34プラグ+フアンユニソト

く⊃

∴三言乙ジーーーーーーー→革(1州 しのし

7丁ンユニ.三+-1琴佃 Li

⊆土

#トランク

_パソケージ

(110仙)

TSCN 佗丁▼

パッケージ川根)

SD 佗・f▼「く=〉

善書葺藷芋頂ト「【ズ

r---500---------------------1

b)A-A新一内

凶6 ト ラ ンク 用 架

スモールプリント板/‾■■■■■■■■■■■■■■■ヽ

〕器言喜賢ワ・ア望竺柵(釦'一州各パ・7ケージ72糾

校百Ii

1瓢

シ16榊

ケ=シ′160†‡)

単位=mm

接栓部コンデンサ線 輪

(メ㌃ド)

CC

NTCF-A

TRKF

トランク

リードリレー ′+、形リレーロブ工ンリ 注グン端

卜 子板

図7 入トランクの外観

SRD

Ⅹ桔1い㍍)

SCN-D\7

RDCR:行巡択デコーダ

1・■Ⅹ.1ハ'

枠本回路

RDCRASW

†二号

Y指;ヒ(プ/i)

SPWB

STB

比(光×ユイ)

MTX

(2,048ピッ32ヒ

32ピ・ソト

詫取情報

STB:ストロMプパルス発生国絡

MTX:抵抗デイオー「形走査マトリックス SA:読取LI∫l路

(a)

1良i元首■【‾両f東‾‾‾‾他州l

!/川路枇モ■ ビット0

!叫!野旦さU▼

(b)

図8 TSCNのブロック構成

(>)・〔こ叩こ〔ぺく∽

(叫句)

、、1〝(a接点開放)

\開帳E

、、0′′(a接点閉成)

0 0.841 2

RDCR入力カ・J〕の寺H即引悶(〃S)

ある。また読取情報の、、0′′,、、1′′信号は,ストローブパルス位置

でしきい値Eに対しじゅうぷんマージンがある(図8(b)参照)。

ー62-

電 子 交 換 機 用

C CSPWB

+

CC

NTCF-A

TRKF

区19 SDのブロック構成

ASW

l口柑各

SPAB

SRD

行指定(端)

SD-DV

予備回路′■

+

l.′n検脊一日】路

=セ

ソトー一皿的叩

′くクーーン指;と「16)

+

超勤†指与一

タイミンデ回路

そ†.言べ・「-「

ト1TX

〔256ビ、:′卜)十24V

(抵制御リ

ASⅥr

仁一写

卜小・

ト1TX:りレ【駆動マトり・ソクス

5.3 信号分配装置(SD)

信号分配装置のブロック構成ほ図9に示すとおりである。SDは

各種トランク内の256個の被制御ポイント 川レー/電子回路)を駆

動して,局問選択信号,課金パルスの送H-1制御などを行なう。

(1)動作 CCの群処理方式にあわせて,MTXは16行×16

ビット構成となっている。CCは行(1/16)とパターン(16)指定に

よりMTXを駆動し,同時i・こ1行16ビットの被制御ポイントの動

作,復旧,保持の制御を行なうこ タイミソグ回路により,指定した

行に属する16の被制御ポイントを一旦全部リセットしてから約

0.5/∠5後にパターン指定(動作=、、1′′,不動作=1、0′′)を行なう。

MTXはフリッププロップ構成なので被制御リレーの動作/復旧

時間とほ無関係に各行を4J`ざごとに逐次駆動できる。ASW信号

は,動作の正常性を示す。

(2)性能 SDの動作サイクルタイムは2.05/Jざ(測定値)で

ある。また,ASW信号のアクセスタイムほ約3.19/J5である。

る.装 機

d.1構 造

局舎条件,増設性,保守性,論理遅延からの布線長制限および床

面利用率などから架の構造を決め,さらに取換単位,寸法基準,プ

リント板寸法およびコネクタなどから架内の実装法を決定した。

d.1.1電子回路パッケージの実装

架にとう載した際の放熱効果,実装効率を検討L,図10に示

す構造を採用している。パッケージの重量はそう入時のガイドを

兼ねたシェルフでささえ,また電気的要求によりコネクタのピン

側にSL板を設け,コネクタを取付板にネジ止めしたうえでSL

板とピンの一部とをはんだ付け接続している。

d.1.2 トランク/くッケージの構造

1パッケージ当たり4回路を収容するために電子回路パッケー

ジ用コネクタ(56ピン)を使用した。小形部品(リレー,クロスバ

スイッチ,線輪など)について寸法基準を決めて,部品の標準化

を図るとともに,布線密度が尤大になるのを防いだ。また,パッ

ケージ全体をプリント基板にすることは耐熱性,強度,価格およ

びはんだフラックスのリレー接点に及ぼす影響などの点で問題が

あるため,総合的に評価して鋼板製がまさると判断し図7に示す

構造にしている。コネクタとの接続部はプリント基板状にする必

要があり図11に示す構造を採用している。

d.l.3 強 制 空 冷

電子回路の設計に当たっては架内温度上昇を15度以下として

いる。そこで,部品の発熱量および通風抵抗などから必要風量,

/ヂ

通 話 路 系 装 置

隠架柱

/

右イ▲[朋各′\りケ‾‾シ

ンエJしフ

恥付根/

コネクタ /

R 楕栓部づ

阿10 電子回路パッケージ

実装部品の構成

トラエ フ洗品

硝三んたイ寸け

ラ・ノビンク端fノ

455

†爪J

・ランク卵-i\、⊥ラッピング

端子

959

亡采Illトランクパッケージ構造図

圧力を決定し,架内実装基準の寸法制限を考慮してファンユニッ

トを標準化した。このファンユニット1個で約387Wを冷却可能

である。通話路制御共通用架の最大発熱量は163W(計算値)で,

架内温度上昇は3.5度(測定値)となり,フアンを1個停止させた

状態でも8度(測定値)程度であった。トランク用架も同じ基準で

設計し,ほぼ同様な結果を得た。

d.2 布 線

コネクタピソ配列の高密度化およぴトランク部品などの小形化に

伴いラッピングツール用ビットを新たに開発するとともに,0.32

および0.4mmFEPナイロン線および0.4mmPVC綿巻線を採用し

て,モディファイドラッピングを実施している。ICを使用した一

般論里巨回路では方式由,電気面および製造面からの要求を考慮した

布線基準を定め,これによりIC論理素子の雑音マージンを確保し

ている。そのほか,雑音信号を発生しやすいあるいは影響を受けや

すい回路(走査装置の駆動線/制御線など)についてほ極力シールド

線あるいはより線を使用している。

7.結 ロ

DEX-2電子交換機では通話路系装置全体の小形,軽量化に閲し,

はぼ当初の目標に達することができたが,一方,

(1)装置構成を容易にするため一部の部品規格をきびしく

した。

(2)一部の保守,運用操作は従来と異なる方式を前提とした。

(3)増設工事あるいは修理が困難な装置がある。

(4)一部の部品,装置で価格や量産性を小形化の犠牲にした。

などの問題点を残した。今後,電子交換機の本格的実f目化期を迎

えるに当たり,部品の標準化,量産性および装置の増設性,保守,

運用の容易性を向上させ,さらに耐雑音性,異常トラヒックに対

する過負荷耐力などを実際の運用を通して評価していく必要があ

ると考える。

終わりに臨み,終始懇切なご指導をいただいた日本電信電話公社

電気通信研究所吉田室長,都丸室長補佐をはじめ関係のかたがた,

ならびに共同開発に従事された日本電気株式会社,沖電気工業株式

会社および富士通株式会社の関係各位に感謝の意を表する。

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