Leader`s camp 2020 play back(第4回/西条剛央氏)

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ered  by  DODA

7月29日(月)に行われた、

第4回目の模様をお伝えします!

会場:東京・丸ビル27階

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さっそく、本日の講師のご登場です・・!

第4回目の講師は、独自のメタ理論「構造構成主義」を活用し日本最大級のボランティアプロジェクトをつくり上げた──

まずはインテリジェンス長島よりごあいさつ

リーダーズキャンプの目的を

お話ししたところで──

ふんばろう東日本支援プロジェクト代表早稲田大学大学院(MBA)専任講師

西條剛央氏

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参加者は40名ほど。

  それでは、講演の再現資料とともに、  PLAY  BACK  スタート!!!

講演タイトルは「リーダーシップの取り方」。

参加者から寄せられたリーダー論を、  

「構造構成主義」をもとに分解・整理し抽象化する中でリーダーのあるべき姿を深める、

ひと味もふた味も違ったプログラム!

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ふんばろう東日本支援プロジェクト代表/早稲田大学大学院(MBA)専任講師

西條剛央氏

リーダーシップのとり方

この形で書かれているコメントは内容をより深く理解していただくために運営スタッフが書き加えたものです。

 西條氏講演スタート!

~構造構成主義という考え方を知る~

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講演を始める前に西條氏から質問が━━

今日来た目的、何ですか?

ちなみに、参加者の所属も聞いてみたところ、企業で働いている人がほとんど、

NPOに所属している人が5~6人程度でした。

皆さんに挙手してもらったところ、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」に

もともと興味があり参加した人が半分。リーダーシップに興味があり来た人が半分。

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まずは西條氏の自己紹介。「ふんばろう東日本プロジェクト」

「ふんばろう東日本プロジェクト」とは──。

数十のプロジェクト、支部、運営チームと約3000名以上のメンバーからなる

日本最大級の震災復興プロジェクト。それぞれのプロジェクトごとにリーダーがいる。

最初は2人で立ち上げたプロジェクト。2011年4月からは総計3000以上の避難所、  

仮設住宅などに3万5千回、15万5000品目以上の直接物資支援を実現した。

2011年5月には被災者の自立支援を目的に「重機免許取得プロジェ  ク  ト」を実施。

これまで1500名以上の被災者の重機免許取得費用をサポートすることで、復興関連の仕事につきやす

い仕組みを作った。

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今日は、組織作りで実践した「シンプルで本質的なリーダーシップ」を皆さんにお伝えします!

短期間で日本最大の支援組織を作れたのは

この考え方を知っていたから。

リーダーシップは「センスだ」といってもあまり役

に立

たない。「リーダーシップの本質」を見極めること

で、

リーダーシップ力を高めていくことができる。

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なぜ「本質」を見極めることが大事?

Point

○○○

××

・リーダーシップに限らず、 物事には必ず“重要なポイント”がある

・「努力は人を裏切らない」と言うが、 ポイントを外したらどれだけ頑張っても成果は出せない

・朝日を見るために西に向かってどんなに一生懸命 走っても目的達成できないのと同じ

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「本質」はどうすれば見極められる

・技術としての「本質的な考え方」を 身につけよう!

・それが「構造構成主義」。

・早稲田大学大学院で教えているが、 この技術を学んだ受講者は、驚くほど変わっていく

「構造構成主義」と言うと、多くの人は「難しそう」「仕事に役立つの?」と言います。

ハッキリ言います。

「構造構成主義」は本質的に考えるためのシンプルな技術。そしてこれを身につけると驚くほど仕事の質が変わります。

もちろん、リーダーシップの取り方も変わります。

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「構造構成主義」という考え方の一例。

「構造構成主義」とはモノゴトの最重要ポイントをつかむ技術

組織の本質組織とは?

人の育成機関

目的達成する手段

状況や答える人によって、色々な回答がありえる

結婚の本質結婚とは?

子どもを育てる仕組み

本能ステータス

その中で「どんなケースでも重要なポイント」をおさえる

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「構造構成主義」で行動が変わる。

モノゴトの最重要ポイントをつかむ技術があれば、行動が変わる。結果が変わる。

「○○とは何か?」と問いを立てる

「○○」という「コトバ」のポイントを明らかにする

「○○とは何か」がハッキリわかる

ポイントをおさえた行動ができる

1 2 3 4

本質にアプローチする

概念を明晰にする

概念を通じた認識が明晰になる

行動が劇的に変化する

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構造構成主義についてはこのような本も書いています。

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ここで早速、グループワーク!

・30秒自己紹介・こんなリーダーは嫌だ・こんなリーダーに憧れる・「リーダーシップ」とは何か

自己紹介フォーマット

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チームごとに発表。

・非を認めない・意地っぱり・知ったかぶり・行動力がない・決断力がない・自分で決断しない・決めつける・自信が無い・軸が無い・人を受け入れない・独裁者・自己中心的

「嫌なリーダー」

・言ってることとやってることが違う・感情の起伏が激しい・言うことがコロコロ変わる・休日のランチが決められない・部下に無関心・ビジョンが無い・部下を守らない・売上のことしか言わない・責任をとれない・人に流される

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チームごとに発表。

「憧れるリーダー」

・ベクトルを示してくれる ・影響力を持っている ・端的に話ができる ・話しかけやすい ・部下を気にかけてくれる ・人間として魅力的 ・いい意味でバカ ・人を引っぱっていける ・雰囲気作りができる ・根に持たない ・指示だけではなく見本を見せてくれる、背中で語れる ・決断が速い ・ニコニコしている ・結果を出す ・ありがとうが言える ・自分の非を認められる ・姿勢がいい ・休日のランチがすぐ決められる ・周囲の考えを聞き合意形成できる ・メンバーに共感される ・発言や行動に整合性がとれている ・会うだけでうれしくなれる人

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チームごとに発表。

ビジョンがあること。

メンバーに目指す

ゴールやビジョンを

与える

リーダーは個人の能力ではなく、組織の機能。サッカーの日本チームは今とても強いが、長谷部は「自分は何もしていない。皆が自律的にやるから」と言う。そういう組織を作る機能がリーダーシップ。

人を引き付ける人

勇気をくれる人

正しい方向に導け

る人・最初の一歩

が踏み出せ行動で

きる人

チームの雰囲気を作る人

全体を見渡し

モノゴトを考えら

ること

リーダーシップについて

各チーム、様々な意見が

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西條氏から、フィードバック。

どれも大事なリーダー要素ですが

それって本当に全部、

「本質的なポイント」ですか?

これから、皆さんの発表を整理して「リーダーに必要な本質的ポイント」を一緒に考えます!

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次のスライドから

技術の紹介

リーダーの本質を見つけるための構造構成主義の考え方

技術の実践例

具体的な実践方法・実践結果など検証

をいくつか繰り返し「リーダーシップの本質」に切り込みます。

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・そのコトバはどんな時に使う?・それは何のために使われる?・そのコトバのイメージは?・近いコトバを挙げてみる。 そして、そのコトバと何が違うか考える・反対コトバを考える・それは他のコトバで言い換えられる?

技術(1)

そのコトバの重要なポイントを探り出し、モノゴトの本質を捉え、再定義する技術

【質問リスト】

言葉を定義し、それに必要な要素を複数挙げればどんなケースでも必要なポイントや共通項が見えてくる!

質問リストで、そのコトバをそのコトバたらしめているポイントを押さえ、モノゴトの本質を捉える。

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例えば、リーダーとリーダーシップは違う。

リーダー=組織を導く人の人物像

リーダーシップ=リーダーが発揮すべき力

区別せず議論しているチームが多かったが、言葉の定義を明確にするとモノゴトの本質に近づく。

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リーダーシップの本質をさぐる。

ベクトルを示す

指示だけじゃなく行動する

状況や答える人によって色々な回答がありえる

リーダーシップの本質

リーダーシップとは?

メンバーを引っ張る

雰囲気づくり

背中で語る

「リーダーシップ」とは、1.組織のビジョンや目的を示しながら、2.身をもってチームを導き、3.メンバーの力を高め、動きやすくすることで目的を実現する力であり、方法

リーダーの必要要素を複数挙げ、どんなケースでも必要なポイントや共通項を見つける!

技術(1)の実践

リーダーシップの本質を踏まえることで、ポイントを押さえたぶれないリーダーシップを意識的に取れるようになる!

その中で「どんなケースでも当てはまる重要なポイント」をおさえる

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・方法の本質とは、「特定の状況で、なんらかの目的達成する手段のこと」。

・どんな状況か、そして何をしたいか(目的)を抜きに、良い方法を考えることはできない(=絶対に正しい方法はない)。

・状況と目的を踏まえて、その都度良い方法を考えればよい。

方法の原理

方法の原理を踏まえれば、状況と目的にあった最適なリーダーシップ(方法)を取ることができる

技術(2)

・リーダーシップとは「方法」であった⇒では、「方法」の本質とは何か?

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“ふんばろうPJ”から見る、シンプルで本質的な「方法」

状況が変われば、「方法」も変わる。

目的達成

状況

従来の「方法」は甚大な被害で機能しなかった

“ふんばろうPJ”の新たな「方法」

状況方法全国の個人支援者↓各自治体が収集

↓被災自治体に送る

↓避難所被災者個人

方法被害が大きすぎて従来の方法では届かない

想定規模の地震・被害で、一定のインフラが使えることが前提

ネット掲示板に現地で聞き取ってきた必要としている物資を掲載し、全国

の支援者に直接郵送してもらい、送られた物資

はHPから削除する。

技術(2)の実践

*PJ=プロジェクト

必要としている人に必要な者を必要な分届けることが可能に

目的未達成必要としている人に必要としている物資を届ける

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方法の原理の応用

「方法の原理」を組織で共有する

例えば創業社長。ほとんどの創業社長は成功体験を積んできたため、自分のやり方を絶対視しがち。

しかしその成功論は、その時代、その状況やタイミングや周囲の人の力、さらに個人の資質があったから実現したものであり、今通用する保証はない。これを成功体験の呪いという。

時代の変化が速くなる一方の現代社会では既存の方法の有効期限は短くなる一方であり、前例主義は弊害になる。

「状況」と「目的」によって有効な方法は変わるという「方法の原理」を組織で共有することで成功体験の呪いや前例主義を突破する。

状況の真ん中には自分がいる

状況の真ん中に自分がいるということは忘れやすい。他の人にとって「良い」リーダーシップでも、自分とその人はキャラも性格も違うため、それを真似してもうまくいかないことも多い。

自分のキャラ、特徴、性格を踏まえて、自分だけのリーダーシップの方法を探っていく。また自分のクセ(傾向)を踏まえてバランスをとる。

有吉の毒舌ネタは彼の過去やキャラがあるから成立する。皆が同じ方法を取って成功する訳ではない!

技術(2)の実践

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方法の原理の良いところ

“ふんばろうPJ”はボランティアなのでモチベーションを無くしたメンバーはすぐに不参加になる。そんな場でも方法の原理は役に立った。

トップダウン

モノゴトを決める時に皆が納得する解・方法を出しやすい

多数決

AB

一方的なマネジメントと感じるメンバーもいる

少数派は疎外感を感じ意欲が低くなる

方法の原理

状況

目的

方法

状況と目的をシェアし、方法を募る。方法を出せない人も納得して行動できる

技術(2)の実践

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・同じモノを見ても、価値を感じる人と感じない人がいる。・それは、人の欲望はそれぞれ違うから。

価値の原理

「すべての価値は身体や欲望、関心、目的に応じて立ち現れる」

ライオンA B

・人は、自分の欲望に照らし合わせてモノゴトの良し悪しを決める。

大きい動物は怖い

強い動物が好き

欲望

関心

目的

モノゴト

OR

例えばコンビニで横入りするおばさんを見て「図々しい」と思う人がいたとする。それは「図々しい人」だからそう感じたのではない。「秩序を守ること」に関心のある人だからそう感じただけ。違う国だったり、人を押しのけても自分が勝ちたいという関心を持っている人だったら「図々しい」とは思わない。

*上記論理のベースは「関心相関性」「フッサールの自然的態度」など。

技術(3)

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価値の原理のリーダーシップへの活用法

・人にはそれぞれの欲望・関心・目的に応じて価値判断していることを知る嫌なリーダーに「決めつける」「独裁者」「自己中心的」という意見があった。同じモノを見た時に、関心や目的が異なれば、違う価値判断をするということを前提にリーダーシップをとると多様な価値観を持つメンバーをまとめやすくなる

・人間の原理=肯定されたいそれぞれ皆違う欲望を持つ中で、すべての人が共通して持つ欲望が「肯定されたい」という欲望。すべての人は肯定されたいと思っているということを踏まえて、できるだけ肯定し、応援する態度を根本に持っていると、叱らなきゃいけないときの叱り方も変わってくるはず。

・なぜビジョンや目的を示すことが重要なのか?どんな方法が良いかは状況や目的によって変わるため、目的抜きで考えることはできない。したがって、チーム内で建設的に議論を重ねるためには、リーダーがよしあしの判断基準となる「目的」を示すことが必要になる

技術(3)の実践

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以上、「構造構成主義」の各技術からリーダーの本質を探ってきました。

「リーダーは1日1回は全メンバーに声をかけろ」といった各論は語っていません。

でも、もっと本質的で汎用的な「考え方」を伝えてきました。

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ここで、改めて言いたいのは、リーダーシップも組織を運営する方法である以上、

正しい「リーダーシップ」はない。ということ。マキャヴェリは「長く君臨するリーダーが少ないのは、自分自身の性格を変えられないリーダーが多いから」と言います。過去の成功体験に囚われて、リーダーシップの取り方を状況に応じて変えられないから、多くのリーダーは途中で失速する。「ガンガン行く方がOK」な時代、「周りの意見を聞くべき」時代、さまざまな状況に合わせてリーダーシップを変えることが必要なのです。そして、だからこそ言えるのが、

状況と目的にあったしなやかなリーダーシップが求められるということ。その時点での時代や人、自分も含めた状況をよくみて、目的を見定めつつ、ベストな選択を取り続けることが一番重要なのです。

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最後に、「明日からの行動」宣言を書き、チームでシェアをして、終了!

チームメンバーでパチリ。

皆さん、ありがとうございました! 第5回

もぜひご参加ください。

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西條氏のチャリティー本のご紹介 ※印税は全額復興支援活動に寄付されています。糸井重里さん絶賛、西條氏のリーダーシップの取り方を具体的に学ぶチャンスです。この機会にぜひ!