L006 レジリエンスの心的処理過程の検討L006...

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第 1日  9月11日(火) 14:00~15:00 10206 L006  レジリエンスの心的処理過程の検討 講演者:井隼 経子(… 九州大学) 司会者:中村 知靖(… 九州大学) 私たちの心はダメージを受けても元の状態へと回復させることができる。この機能をレジリエンスとい う。これまでのレジリエンス研究では回復しやすい個人がどのような特性(資源)を持っているかとい うことに着目したものが多く,個人をとりまく社会的サポートの役割に関しての報告が少ない。そのた め資源がどのように働くことで回復に繋がるのかは十分に明らかになっていない。本研究ではレジリエ ンスを機能させる資源に着目し,個人に内在する個人内資源と外在する環境資源とに分類して検討した。 さらに自身が持つ資源の存在をどの程度認識しているかという認知的側面に加え,その資源をどのよう に利用しているかという活用的側面も分類した。この分類に基づき新たな尺度の開発し項目を洗練した。 さらに実験的にレジリエンスを検討し,機能の一端を明らかにした。これらの一連の研究を基にレジリ エンスの認知的メカニズムを提案する。

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第 1日  9月11日(火) 14:00~15:0010206

L006 �レジリエンスの心的処理過程の検討

講演者:井隼 経子…(…九州大学)…司会者:中村 知靖…(…九州大学)…

 私たちの心はダメージを受けても元の状態へと回復させることができる。この機能をレジリエンスという。これまでのレジリエンス研究では回復しやすい個人がどのような特性(資源)を持っているかということに着目したものが多く,個人をとりまく社会的サポートの役割に関しての報告が少ない。そのため資源がどのように働くことで回復に繋がるのかは十分に明らかになっていない。本研究ではレジリエンスを機能させる資源に着目し,個人に内在する個人内資源と外在する環境資源とに分類して検討した。さらに自身が持つ資源の存在をどの程度認識しているかという認知的側面に加え,その資源をどのように利用しているかという活用的側面も分類した。この分類に基づき新たな尺度の開発し項目を洗練した。さらに実験的にレジリエンスを検討し,機能の一端を明らかにした。これらの一連の研究を基にレジリエンスの認知的メカニズムを提案する。