JMP Clinicalを用いたセントラルモニタリングの経験 RBMを …JMP...
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JMP Clinicalを用いたセントラルモニタリングの経験 ~RBMを推進するために~
○福升悠一1、近藤秀宣1、樋口天裕1、小幡智憲1、畑山知慶2、林行和3
(1エイツーヘルスケア株式会社 開発戦略本部 セントラルモニタリング部、 2エイツーヘルスケア株式会社 開発戦略本部 生物統計部、
3エイツーヘルスケア株式会社 開発戦略本部)
Experience of centralized monitoring using the JMP Clinical
~In order to promote the RBM~ Yuichi Fukumasu et al.
Centralized Monitoring Department Development Strategy Division,
A2 Healthcare Corporation
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要旨:
臨床試験の”品質を効果的に効率よく担保”するためにRBM を推進している。 RBMでは、セントラルモニタリングによる施設横断的なアプローチがKeyとなる。 今回、JMP Clinicalを用いたセントラルモニタリングの事例を紹介する。
キーワード:
RBM(Risk Based Monitoring) セントラルモニタリング JMP Clinical
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Agenda
1. RBM の基本的考え方
2. セントラルモニタリングの概要
3. JMP Clinical 利用例
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1. RBMの基本的考え方
• 限られたリソースで、臨床試験の品質を効果的に 効率よく担保するモニタリングの実施
従来のモニタリング CRA個人による施設でのモニタリングに依存
出口管理的なSDVの実施
試験に依らない定期的な施設訪問
RBM
セントラルによる施設横断的かつ一貫したモニタリングの実施
セントラルモニタリングによるリスクの早期発見
リスクの絞り込みによりオンサイトモニタリングを効果的に実施
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1. RBMの基本的考え方
• 3つのモニタリング活動を実施
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施設外で行う施設横断的に確認するモニタリング活動
セントラルモニタリング
施設内で行う症例・施設プロセスに対するモニタリング活動
オンサイトモニタリング
施設外で行う症例・施設プロセスに対するモニタリング活動
オフサイトモニタリング
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1. RBMの基本的考え方
• 3つのモニタリング活動の関係
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1. RBMの基本的考え方
• セントラルモニタリングによるSDV比率の変更
Partial SDV
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Agenda
1. RBM の基本的考え方
2. セントラルモニタリングの概要
3. JMP Clinical 利用例
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2. セントラルモニタリングの概要
• セントラルモニタリングの目的
リスクの早期発見 外れ値等からエラーの可能性を検出
起こり得るリスクを事前に把握
被験者の安全性とデータの整合性の維持 問題の早期発見や再発防止により被験者を保護
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2. セントラルモニタリングの概要
• セントラルモニタリングとは
試験の中で集積される全てのデータおよび情報を対象とし、 施設間の比較を実施
CRF収集データ
EDCの入力に要した日数・クエリ回答に要した日数
逸脱件数・施設スタッフの変更等
グラフ等を活用したモニタリング 蓄積されたデータを俯瞰し、傾向を分析(外れ値等の抽出)
過去のデータの影響を受けないよう、直近数カ月を対象として算出
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2. セントラルモニタリングの概要
• セントラルモニタリングとは
多角的な視点で早期にリスクを抽出 モニタリング・DM・統計解析の経験者によるレビュー
オンサイトモニタリングのSDV・SDRのウェイト変更 リスクの絞り込みによりオンサイトモニタリングを効果的に実施
タイムリーにCRAに確認を指示し、施設のリスクを軽減
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2. セントラルモニタリングの概要
• セントラルモニタリングの対象
KRI(Key Risk Indicator) 試験の質・被験者の安全性に潜在的に影響を与えると考えられるもの
(例)AE判断基準がばらつくリスク AE発生数の異常・傾向(他施設より発生が多い・少ない)
複数施設の評価を横断的に確認
(例)セントラルモニタリングの実施に影響を与えるリスク EDCデータの入力状況(EDCへのデータ入力が遅い)
複数施設のEDC入力状況を横断的に確認
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2. セントラルモニタリングの概要
• セントラルモニタリングの方法
施設単位でモニタリングを実施 施設間を比較し、プロトコル・試験プロセスの理解不足を検出
(例)AE発生数の異常・傾向、中止・脱落症例数
被験者単位でモニタリングを実施 被験者プロファイルより、CRF内の整合性・プロトコル遵守状況を確認
(例)併用薬とAEの整合性、中止基準抵触有無の確認
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ドリルダウン
データ抽出・可視化方法を変更し、その場で詳細を確認
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Agenda
1. RBM の基本的考え方
2. セントラルモニタリングの概要
3. JMP Clinical 利用例
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3. JMP Clinical 利用例
• サンプル試験データ
Randomizeされた906例の二重盲検試験 実薬群:449例、プラセボ群:457例
投与期間:14日、追跡期:120日
46施設
薬剤特性 腎排泄型の薬剤
重度な腎機能障害患者を除外するエントリー基準あり
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
目的 除外基準に辛うじて抵触しない被験者ばかり登録している施設を検出
理由 被験者保護のため
試験途中で該当被験者が中止となるリスクがあるため
方法 スクリーニング時点の臨床検査値の散布図を作成
偏った登録傾向のある施設を検出
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:施設ID、Y軸:クレアチニン)
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施設毎の ばらつきを確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:施設ID、Y軸:BUN)
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施設毎の ばらつきを確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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登録されている 被験者の偏りを確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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特定の施設を選択して 他施設と比較
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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フィルタリング機能 を活用
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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確認したい被験者群を ドラッグして選択
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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該当する被験者の データを確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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施設毎に分けて 分布を確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
スクリーニング期:測定値(X軸:クレアチニン、Y軸:BUN)
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特定の期間に限定して 分布を確認
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3. JMP Clinical 利用例
• 除外基準に関わる項目
施設No.28 他施設と比較し、スクリーニング期のクレアチニン・BUNが高い被験者を登録している傾向あり
オンサイト・オフサイトモニタリングの指示 施設スタッフの薬剤特性・プロトコル理解度を確認
重度な腎機能障害に対する判断基準を確認
スクリーニング期の測定値がチェックされるプロセスを確認
ドリルダウンによる追加調査 登録後の被験者のクレアチニン・BUN推移を確認
AE発生状況を確認 26
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3. JMP Clinical 利用例
• 関連する合併症・臨床検査値等のドリルダウン
施設No.28
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①被験者を選択
②プロファイル表示を選択
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3. JMP Clinical 利用例
• 関連する合併症・臨床検査値等のドリルダウン
施設No.28
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選択した被験者の プロファイルを確認
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まとめ
セントラルモニタリングとは データの中央集約的なレビューにより試験運用上のリスクを検出
JMP Clinicalはプログラム不要 多種多様であるKRIを容易に可視化することが可能
可視化したグラフで注目したいデータが見つかっても 容易にその対象の関連情報を調べることが可能
スピーディに適切なモニタリング指示が発行可能
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JMP Clinicalの導入はセントラルモニタリングを 効率的に運用するのに有益と考えられる