Japan- Tokyo- Logistics Q4 2019 - United States...コア消費者物価指数 1.8%...

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M A R K E T B E AT 2,500 3,500 4,500 5,500 6,500 7,500 8,500 9,500 福岡 大阪湾岸 大阪内陸 圏央道茨城 圏央道埼玉 神奈川内陸 国道16号沿線 外環道 首都圏湾岸 円/坪/月 (含 湾岸プライム) 6.3%(前年比) 首都圏湾岸エリア賃料成長率 5.0%(前年比) 外環道沿線エリア賃料成長率 2.3%(前年比) 国道16号沿線エリア賃料成長率 出典:Cushman & Wakefield 0.3% コア消費者物価指数 1.8% 実質GDP成長率 2.4% 失業率 出典:内閣府、総務省;実質GDP季節調整済前期比の年率値、 コア消費者物価指数の季節調整済前年同期比 日本経済指標 Q3 2019 今後12ヵ月 の予測 今後12ヵ月 の予測 年間 変動 年間 変動 物流施設 2019年第4四半期 日本 輸出額がマイナス成長もGDP4期連続のプラス成長を維持 3四半期において日本の輸出額は191500億円と前年同期比マイナス4.96%となった。米中貿易摩擦の広がりを受け、中国向けの自動車部品や米国向けの原 動機などが減少したことが影響。日本経済は、同期で年率換算0.2%増と小幅な伸びにとどまったものの4期連続のプラスを維持した。10月の消費増税前の駆け込み 需要を受けた個人消費や設備投資など内需が全体を下支えた。10月中旬の台風19号上陸は東日本各地に甚大な災害を引き起こしたが、東京都心部においては 河川の洪水等による破壊的な損失は免れた。幹線道路、港湾、鉄道網をはじめ、物流網にも被害が出たものの、都市機能を停止させるまでには至らず、物流機能の レジリエンスが証明された結果となった。 国道16号沿線エリアで賃料上昇を観測。湾岸プライムエリアに賃料上昇圧力 2019年第4四半期において国道16号沿線エリアのプライム賃料の上昇(2.27%)が確認された。この背景には、IC至近で高速道路へのアクセスや通勤の利便性が高 い物件において相場より高い賃料での成約が続いていることが挙げられる。供給が高い需要を消化しきれていないことも賃料上昇を後押しした。アクセスの利便性に劣り 低めの募集賃料でも苦戦が続いていた物件においても成約が進んでいる。首都圏湾岸エリアでは、東京港に近い湾岸プライムエリアで引き続き需要が高く、竣工前にテ ナントが成約するなど供給待ちの状況にある。同エリアの賃料に上昇圧力がかかっており、その影響は国際貿易港である横浜港近くの立地でも需要の増加に寄与して いる。2019年下半期の関東における新規供給は約1,555,027㎡となり、上半期に引き続き10万平方メートルを超える大型物流施設の供給が目立った。2020年は、 関東で新たに2,636,184㎡の供給が予定されているが、堅調なテナント需要に下支えされる見通し。 再配達率の改善、置き配は新たな選択肢として定着するか 国交省の調査によると日本における再配達率は201910月時点で15%であった。前回4月時点から1%ポイントの減少となったものの、削減目標である2020年度に 13%までは遠い。ネット通販による宅配便の取扱個数が年々増加している中、再配達数はCO2排出量の増加だけでなく、人手不足の深刻化による配達業務の持続 可能性として問題視されている。近年その防止策として、これまで標準とされてきた対面手渡しに代わる方法の試行錯誤が続いており、宅配ボックスの整備やコンビニ受 け取り等に加えて、配達員が荷物を玄関先や自転車かご等の指定場所に置いて帰る「置き配」が新たな選択肢となりつつある。この「置き配」を牽引するのはアマゾン ジャパンで、2020年より本格的に全国展開が開始される予定。背景には20194月に日本でも正式導入されたアマゾンフレックスという自社配送システム。アマゾンフ レックスは2015年から米国で提供されている自社配送システムで、スマートフォンアプリを通じて個人事業主のドライバーと直接業務委託する形式をとる。顧客との信頼 関係を基盤とした同社の試みにより、新しいEC物流の在り方が構築されようとしている。物流業界に対する環境配慮の期待も後押しし、今後も再配達率改善の動き は加速する見込み。 日本の輸出入総額 全国物流施設募集賃料 出典:財務省 出典:Cushman & Wakefield 注記:15,000坪以上のマルチテナント型大型物流施設を調査対象、福岡のみ5,000坪以上の施設を対象 -30% -15% 0% 15% 30% 14 t 16 t 18 t 20 t 22 t 24 t Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3Q4Q1Q2Q3 2014 2015 2016 2017 2018 2019 対前年比 (兆円) 輸出額 輸入額 輸出額(対前年比) 輸入額(対前年比)

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Page 1: Japan- Tokyo- Logistics Q4 2019 - United States...コア消費者物価指数 1.8% 実質gdp成長率 2.4% 失業率 出典:内閣府、総務省;実質gdp季節調整済前期比の年率値、

M A R K E T B E AT

2,500

3,500

4,500

5,500

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8,500

9,500

福岡 大阪湾岸 大阪内陸 圏央道茨城 圏央道埼玉 神奈川内陸 国道16号沿線 外環道 首都圏湾岸

円/坪/月

(含 湾岸プライム)

6.3%(前年比)首都圏湾岸エリア賃料成長率

5.0%(前年比)外環道沿線エリア賃料成長率

2.3%(前年比)国道16号沿線エリア賃料成長率

出典:Cushman & Wakefield

0.3%コア消費者物価指数

1.8%実質GDP成長率

2.4%失業率

出典:内閣府、総務省;実質GDP季節調整済前期比の年率値、コア消費者物価指数の季節調整済前年同期比

日本経済指標

Q3 2019

今後12ヵ月の予測

今後12ヵ月の予測

年間変動

年間変動

物流施設 2019年第4四半期

日本

輸出額がマイナス成長もGDPは4期連続のプラス成長を維持第3四半期において日本の輸出額は19兆1500億円と前年同期比マイナス4.96%となった。米中貿易摩擦の広がりを受け、中国向けの自動車部品や米国向けの原

動機などが減少したことが影響。日本経済は、同期で年率換算0.2%増と小幅な伸びにとどまったものの4期連続のプラスを維持した。10月の消費増税前の駆け込み

需要を受けた個人消費や設備投資など内需が全体を下支えた。10月中旬の台風19号上陸は東日本各地に甚大な災害を引き起こしたが、東京都心部においては

河川の洪水等による破壊的な損失は免れた。幹線道路、港湾、鉄道網をはじめ、物流網にも被害が出たものの、都市機能を停止させるまでには至らず、物流機能の

レジリエンスが証明された結果となった。

国道16号沿線エリアで賃料上昇を観測。湾岸プライムエリアに賃料上昇圧力2019年第4四半期において国道16号沿線エリアのプライム賃料の上昇(2.27%)が確認された。この背景には、IC至近で高速道路へのアクセスや通勤の利便性が高

い物件において相場より高い賃料での成約が続いていることが挙げられる。供給が高い需要を消化しきれていないことも賃料上昇を後押しした。アクセスの利便性に劣り

低めの募集賃料でも苦戦が続いていた物件においても成約が進んでいる。首都圏湾岸エリアでは、東京港に近い湾岸プライムエリアで引き続き需要が高く、竣工前にテ

ナントが成約するなど供給待ちの状況にある。同エリアの賃料に上昇圧力がかかっており、その影響は国際貿易港である横浜港近くの立地でも需要の増加に寄与して

いる。2019年下半期の関東における新規供給は約1,555,027㎡となり、上半期に引き続き10万平方メートルを超える大型物流施設の供給が目立った。2020年は、

関東で新たに2,636,184㎡の供給が予定されているが、堅調なテナント需要に下支えされる見通し。

再配達率の改善、置き配は新たな選択肢として定着するか国交省の調査によると日本における再配達率は2019年10月時点で15%であった。前回4月時点から1%ポイントの減少となったものの、削減目標である2020年度に

13%までは遠い。ネット通販による宅配便の取扱個数が年々増加している中、再配達数はCO2排出量の増加だけでなく、人手不足の深刻化による配達業務の持続

可能性として問題視されている。近年その防止策として、これまで標準とされてきた対面手渡しに代わる方法の試行錯誤が続いており、宅配ボックスの整備やコンビニ受

け取り等に加えて、配達員が荷物を玄関先や自転車かご等の指定場所に置いて帰る「置き配」が新たな選択肢となりつつある。この「置き配」を牽引するのはアマゾン

ジャパンで、2020年より本格的に全国展開が開始される予定。背景には2019年4月に日本でも正式導入されたアマゾンフレックスという自社配送システム。アマゾンフ

レックスは2015年から米国で提供されている自社配送システムで、スマートフォンアプリを通じて個人事業主のドライバーと直接業務委託する形式をとる。顧客との信頼

関係を基盤とした同社の試みにより、新しいEC物流の在り方が構築されようとしている。物流業界に対する環境配慮の期待も後押しし、今後も再配達率改善の動き

は加速する見込み。

日本の輸出入総額 全国物流施設募集賃料

出典:財務省 出典:Cushman & Wakefield注記:15,000坪以上のマルチテナント型大型物流施設を調査対象、福岡のみ5,000坪以上の施設を対象

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対前年比

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輸出額(対前年比) 輸入額(対前年比)

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出典:Cushman & Wakefield

圏央道茨城

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首都圏物流エリア地図

物流施設 2019年第4四半期

日本

前田 謙ロジスティクス・アンド・インダストリアル・サービス+81 (0)3 3596 7168 / [email protected]

募集賃料の推移

出典:Cushman & Wakefield 注記:15,000坪以上のマルチテナント型大型物流施設が調査対象

鈴木 英晃, PhD

ヘッド・オブ・リサーチ&コンサルティング+81 (0)3 3596 7804 / [email protected]

プライム賃料

エリア 円/坪/月 米ドル/SF/年 年間変動率 今後12ヵ月の予測

首都圏湾岸 8,500 26.51 6.25%

外環道沿線 6,300 19.65 5.00%

国道16号沿線 4,500 14.04 2.27%

USD/JPY = 108.11

主な新施設

施設名 竣工 立地 面積 (SQ.M.) 面積 (SF)

S.LOGi新座West 2019年8月 新座 132,036 1,421,222

MFLP船橋Ⅱ 2019年10月 船橋 224,834 2,420,091

プロロジスパーク千葉1 2019年10月 千葉 146,980 1,582,078

出典:LNEWS

テナント動向(移転/拡張)

テナント名 予定時期 立地 施設名

トランコム 2019年10月 白岡 LOGI’Q白岡

ヒガシトゥエンティワン 2019年11月 大阪 ニッセイロジスティクスセンター東大阪

楽天 2020年中頃 習志野/大和Landport東習志野/

ニッセイロジスティクスセンター横浜町田

出典:LNEWS

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A CUSHMAN & WAKEFIELD RESEARCH PUBLICATIONCushman & Wakefield (NYSE: CWK) is a leading global real estate services firm that delivers exceptional

value for real estate occupiers and owners. Cushman & Wakefield is among the largest real estate services

firms with approximately 51,000 employees in 400 offices and 70 countries. In 2018, the firm had revenue

of $8.2 billion across core services of property, facilities and project management, leasing, capital markets,

valuation and other services.

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