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兵庫県乳質改善マニュアル -正しい搾乳手順- Recommended Milking Procedures 乳房炎の発生を防ぎ最大乳量を搾るために 《目 次》 Ⅰ 搾乳準備 Ⅱ 搾乳手順 Ⅲ 搾乳機器の洗浄 Ⅳ 乳房炎対策 Ⅴ 搾乳システムの構造と点検 13 16 20 兵庫県酪農振興協議会 編 改訂版 2016年3月

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Page 1: -正しい搾乳手順-hyoraku.or.jp/pdf/document/1-1.pdfはじめに 1999年(平成11年)に、兵庫県乳質改善マニュアル「―正しい搾乳手順―」 が酪農団体職員、農業改良普及センター、家畜保健衛生所の職員が集まり作成さ

兵庫県乳質改善マニュアル

-正しい搾乳手順-

Recommended Milking Procedures 乳房炎の発生を防ぎ最大乳量を搾るために

《目 次》

Ⅰ 搾乳準備

Ⅱ 搾乳手順

Ⅲ 搾乳機器の洗浄

Ⅳ 乳房炎対策

Ⅴ 搾乳システムの構造と点検

13

16

20

兵庫県酪農振興協議会 編

改訂版 2016年3月

Page 2: -正しい搾乳手順-hyoraku.or.jp/pdf/document/1-1.pdfはじめに 1999年(平成11年)に、兵庫県乳質改善マニュアル「―正しい搾乳手順―」 が酪農団体職員、農業改良普及センター、家畜保健衛生所の職員が集まり作成さ

はじめに

1999 年(平成 11 年)に、兵庫県乳質改善マニュアル「―正しい搾乳手順―」

が酪農団体職員、農業改良普及センター、家畜保健衛生所の職員が集まり作成さ

れました。

それから 15年以上が経過し、酪農を巡る情勢は厳しくなるばかりです。当

時、県内には 1000 戸を超える酪農家がおり、生産量は 16万トンを上回って

いました。それが今では酪農家数は 350 戸を下回り、生産量も10万トンを割

り、隣県の岡山にも抜かれてしまいました。

しかしながら、県内の酪農家の中には元気なやる気のある酪農家はまだまだ

多くいます。関西の消費者を中心に新鮮で美味しい牛乳を供給する生産地とし

て、また、地域の雇用の確保や地域農業の活性化のためにも、兵庫の酪農は必

要不可欠です。これから先、それぞれの酪農家が経営安定のために、1 頭あた

りの乳量を増やすにしても、その基本には衛生的な乳質が必ず求められます。

そこで、1999 年に作成された兵庫県乳質改善マニュアル ―正しい搾乳手

順― を全面的に改訂することにしました。今回の改訂までの間に、搾乳手順

に関する新たな知見や技術が出てきました。そこで、今回、前搾りや乳頭清拭

などのミルカー装着までの手順、ラクトコーダーによる搾乳中の分析、ディッ

ピング剤や塩素剤など使用する薬剤の一覧、乳房炎対策などについて、写真を

用いてわかりやすく説明しています。

是非、一読の上、正しい搾乳手順を実践し、全国に誇れる衛生的な乳質を目

指しましょう。

2016年2月

兵庫県乳質改善マニュアル編集員一同

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Ⅰ 搾乳準備

1 搾乳手袋 ~必ず着用しましょう!~

手のシワの中の細菌は洗っても取りにくく、一般の人が思っている以上に手

に付着している細菌は多い(左図)。搾乳手袋は、使用に慣れれば作業に支障は

なく、「殺菌剤等から手の荒れを守る」という役割もある(右図)。

石けんで洗浄しても細菌はこれだけ残る 薄手の搾乳手袋装着例

2 乳頭清拭用タオル

乳頭を拭くためのタオルは必ず、一頭一布以上を準備する。

タオルは、洗濯機で洗浄後、脱水した状態で、ふた付きの容器(クーラーボ

ックス等)で保管する。そのまま放置すると、洗濯槽は細菌で汚染されている

ため、保管中に細菌が増加する。また、牛舎で自然乾燥する場合も浮遊細菌の

汚染の危険がある。乾燥する場合は、乾燥機を使用し、ふた付きの容器で保管

する。

搾乳を正しい手順で行うためにはそのための準備が重要です。ここでは、清拭

用 タオル、次亜塩素酸ナトリウム、搾乳カートについて記述していきます。

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<タオルの準備>

①洗濯機で洗剤を用いて汚れを洗浄する。

②洗濯槽からふた付きの保温容器にタオルを移して保管する。

③搾乳前に 35℃~40℃のお湯で 300 倍(塩素濃度 6%の場合)または 500

倍(塩素濃度 12%の場合)に希釈した殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム 200ppm)

で殺菌後、乳頭清拭に使用する。

※塩素化アルカリ洗剤を使用して洗濯した場合は、洗浄後、菌の増殖が抑えら

れるため搾乳前の殺菌剤の使用は必要ない。

3 殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム)の濃度調整

次亜塩素酸ナトリウムは、40℃前後のお湯で殺菌効果が高くなるので、保

温力のある容器で保管する。ただし、43℃を超えると有効塩素成分の分解が

速まり、効力が減少する。

また、濃度を高くすると逆に殺菌力が低下するため、表1を参考に 200ppm

の濃度となるよう希釈する。表2のとおり、塩素濃度が12%の殺菌剤は6%

のものと比べて、保存期間が長くなるほど塩素濃度が減少するので、使用量が

少ない場合は6%の殺菌剤を用いる。

6% 10% 12%5L 17mL 10mL 8mL

10L 33mL 20mL 17mL15L 50mL 30mL 25mL20L 67mL 40mL 33mL25L 83mL 50mL 42mL30L 100mL 60mL 50mL

※殺菌に必要な塩素濃度 200mg/L

開封時 12% 6.0%1ヶ月後 10% 5.8%2ヶ月後 8% 5.7%3ヶ月後 7% 5.6%

※塩素濃度は保存により低下するため、使用量が少ない場合は6%製品の効果が確実である

消毒薬調整容量殺菌剤の塩素濃度

※塩素濃度12%の殺菌剤は、保存期間がのびると塩素濃度が低下するため10%の必要量を使用すること

表1 殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム)の必要量

殺菌剤の塩素濃度

表2 保存期間による塩素濃度の低下

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4 搾乳カート

つなぎ牛舎では乳房清拭用タオル、ディッピング容器などを乗せる専用のカ

ートを作ると作業性が向上し、便利である。

搾乳カートの一例

使用済みタオル入れ 殺菌剤入りバケツ

イソジン

ストリップカップ

ディッパー

ペーパータオル

乳房炎検査キット

殺菌済みタオル

*搾乳スタイルに合った使いやすいカートを

用意して、快適な搾乳を目指しましょう!

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従来法 タオル2枚方式 プレディップ方式 変法ミネソタ法

前搾り 前搾り 前搾り プレディッピング

ミルカー装着

ミルカー離脱

ポストディッピング

乳頭清拭 乳頭清拭(WET)

乳頭清拭 乳頭清拭乳頭清拭(DRY)

もみ洗い

前搾りプレディッピング

手を洗う!

Ⅱ 搾乳手順

1 様々な搾乳手順

衛生的な搾乳のために、様々な搾乳手順が実践されている。下の図では、右

にいくほど、より衛生的な手順となる。

2 基本の搾乳手順

基本的な搾乳手順は右の図の

とおり。

以降で前搾りからポストディッ

ピングまでのそれぞれの手順につ

いて、詳しく説明する。

正しい搾乳手順を説明するために、前搾りからミルカー離脱後のポストディ

ッピングまでの作業について、それぞれの目的、方法、作業上のポイントや注

意点とその考え方について記述しています。

*前搾りからミルカー

装着までの時間(乳頭刺激

時間)は非常に重要です!

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1) 前搾り

・ 搾乳手袋は、必ず装着する

・ 乳頭1本につき、4~5 回しっかり行う(逆

搾りしない!)

・ ストリップカップを使い、ブツや血乳等の異

常をチェックする

・ 牛床には絶対に搾り捨てない

2-1) 乳頭清拭

・ 衛生的なタオルを準備する

・ 乳頭側面を捻るように拭く

(上下にシゴキ拭きしない!)

・ タオルを1/4ずつ使い、

4本の乳頭を拭く

・ 汚れがひどい場合はもう一枚タオル

を使用する

2-2) 乳頭口清拭

・ 衛生的なタオル(裏面)を使う

・ 乳頭口を丁寧に拭く。タオルを

1/4ずつ使い、4本の乳頭口を丁

寧に拭く。

~タオル2枚方式のすすめ~

ウエットなタオルで清拭した後にドライなタオルで拭く方法。より衛生的に

搾乳を行う事ができます。

乳頭1

乳頭4 乳頭3

乳頭2

殺菌したタオルの4カ所を使う

*前搾りは、牛への搾乳開始

の合図になります。

乳頭口清拭は搾乳衛生で最も

重要度の高い作業です!

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(参考)搾乳前の乳頭口(意識しないと汚れは拭き取れない!)

・不十分な乳頭清拭

・丁寧な乳頭清拭

(参考)ミルクフィルターによる拭き残しの確認

左 新しいミルクフィルター

右 搾乳後のミルクフィルター

毎日のフィルターソックスの

交換作業の際に、汚れの付着を確

認しましょう。

乳頭の清拭が不十分な牛が多

いと、フィルターソックスへの汚

れの付着が多くなります。汚れが

多い場合は、次の搾乳の時に意識

して清拭しましょう!

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3) ミルカー装着

牛乳はオキシトシン(射乳ホルモン)で搾る!

*乳頭刺激(前搾り)からオキシトシンの放出量がピークに達するのには、

1~2 分の時間が必要で、その後 5 分程度で終了すると言われている。

*搾乳時に、乳腺・乳頭槽に溜まっている牛乳は 30~40%程度と言われ

ており、残りは乳腺細胞の中に含まれている。その乳腺細胞から牛乳を“搾

り”出すのがオキシトシン

の役割である。

*オキシトシンは、アドレ

ナリンによって働きが抑制

される。アドレナリンは、

牛が恐怖(大きな音、威嚇

する声など)や痛み(叩く)

を感じると放出される。

刺 激

乳腺胞

乳腺胞

乳腺胞

オキシトシン

脳下垂体

乳腺・乳頭槽

正しいミルカー装着

・前搾り(乳頭刺激)から 1 分~1 分

30 秒後に装着!(常に規則的に)

・空気を流入させない!

①クローを持ち上げ、ショートミルク

チューブを折って真空を遮断。

②そのまま乳頭へ装着。

③同じ手順で4本装着する。

・ユニットの修正

①4本の乳頭に対して真っ直ぐに!

②ミルククローの傾きに注意!

③ロングミルクチューブは最短の長さ

で、牛体に対して平行に!

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牛乳流速 (kg/分)

乳頭刺激後 経過時間(分)

装着が早すぎると

・装着が早すぎる、または乳頭刺激が弱いと、オキシトシンの放出が不十分

な状態で搾乳を開始することになる。最初は乳腺・乳頭槽に溜まった牛乳が

出てくるが、乳腺細胞からの“搾り”出された牛乳は少し遅れてから出てく

ることになる。この現象は、搾乳開始時の“二度降ろし(バイモダリティ)”

という流速波形で見ることができる。泌乳スタートで、“空搾り”状態にな

り、乳頭に痛みを伴う負荷を与えることになる。

“二度降ろし(バイモダリティ)”?

①乳頭刺激不足でミルカー装着

②乳腺・乳頭槽内の牛乳が出る

③牛乳の流速が落ち、“空搾り”状態

になる

④遅れて乳腺細胞内の牛乳が出る

※ラクトコーダー使用データより

装着が遅すぎると

・乳頭刺激からの時間が経過するとともに、オキシトシンの放出量は減少す

る。そのため、搾乳が終了していないのに、牛乳の流速が低下する。結果と

して、乳量の減少や残乳感による“過搾乳”の危険性が増加する。

ミルカー装着の注意点

*誰が搾っても、同じ手順かつ適正なタイミングで装着できるようにする!

*搾乳中のライナースリップには素早く対処する!

〈パイプラインミルカー〉

・基本は、ミルカーユニットを移動させてから、前搾り~装着までの作業を

一人で行う。複数の人間が分業すると、装着タイミングの適正化と均一化が

図りにくい。

〈ミルキングパーラー〉

・チームで搾乳をする場合が多いので、一人が担当する頭数および役割を明

確にしておく。一人で原則2~3頭を担当し、同じ手順、タイミングで装着

する。

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4) ミルカー離脱

ラクトコーダを用いた典型的な過搾乳の例

牛乳流速 (kg/分)

乳頭刺激後 経過時間(分)

この牛の場合、 過搾乳に相当する 約1分30秒間で

搾れた残乳量は、 約0.1kg だけ!

ミルカー離脱

・シャットオフバルブを閉じて真空を遮

断する

・一呼吸おいて(真空が切れる)から、

4本同時に、ユニットの重量を利用して

優しく外す(自然に落下するのを拾って

抱きかかえるイメージで)

・“過搾乳”にならないように注意する!

・“マシンストリッピング”は厳禁!

過搾乳とは?

僅かな残乳のために、ミルカーの離脱が

遅れ、乳頭への負荷、痛みを与える行為

マシンストリッピングとは?

わずかな残乳を搾りきるために意図的

にミルカーに加重する行為

毎回の過搾乳により、乳頭口を傷めてし

まうと?

・一度傷めた乳頭口は修復困難!

・牛に搾乳への不快感を覚えさせる

・乳頭口の清拭作業の困難さを助長

・傷からの乳房炎原因菌(SA)侵入

リスクが増大

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5) ポストディッピング

ディッピングの目的

・搾乳時、乳頭に付着した乳を洗い流す。

乳頭に付着した乳は放置すると細菌増殖の温床となる。

・乳頭の殺菌及び細菌の増殖を抑える。

・搾乳時に開いた乳頭口を塞ぎ、細菌の侵入を防ぐ。

搾乳後は乳頭口が開き、乳房炎の原因となる細菌が乳

房内へ侵入しやすい状態となっている。ディッピングを

行うことにより乳頭口を殺菌、ガードし細菌の乳房内侵

入のリスクを軽減する。

・乳頭を保護する。

ディッピングを行う上でのポイント

・ミルカー離脱後、速やかに行う。

・ノンリターン式ディッパーを用い、乳頭全体を「どっぷり」と浸ける

スプレー式ディッパーで行った場合でも一見、乳頭全体に薬剤が付着したよ

うに見えるが、スプレーでは付着した乳汁を洗い流す事ができない。また、細

菌の隠れ家となる乳頭の細かなしわ、傷等の細部までは行き渡らない。

・殺菌力を保つため、ディッピング液は1日分のみをディッパーに入れる。

・ディッピング後、乳頭口が閉じるまでの間、牛を立たせておく。

搾乳時に開いた乳頭口が閉じるまで約30分を要すると言われている。給餌

タイミングの工夫等により、できる限り搾乳後30分は立たせておくように心

がける(次ページ参照)

・牛床を清潔に保つ。

せっかくディッピングを行っても乳頭に汚れが付着すると効果は激減する。

ポストディッピングは搾乳作業の総仕上げとなる大変重要な作業です。その

効果を最大限に発揮するため、その目的や注意点について記述します。

図 搾乳後の乳頭に付着した乳汁

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乳頭清拭前

清拭後

搾乳直後

搾乳 10 分後

搾乳 30 分後

搾乳直後には開いていた乳頭口は、

30分ほどかけて徐々に閉じた状態

に変化している。

ディッピング後30分間、牛を立

たせておけば、開いた乳頭口からの

細菌の侵入を防ぐ事ができる。

《参考》清拭前から搾乳後30分の乳頭口の経時的変化

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プレディッピングが先か、前搾りが先か?

*プレディッピング作業を前搾りの前に実施する手順を推奨する場合

もある。前搾りにより、ディップ液が乳頭全体に馴染み、より高い殺

菌効果が期待できる。ただし、搾乳者の手は汚れるので手洗いは必要

である。

*「変法ミネソタ法」では、さらにディップ液で浸した乳頭をもみ洗

いすることで、殺菌効果をより高めている。

3 プレディッピングを取り入れた搾乳手順

プレディッピング

*プレディッピングで期待される効果

・プレディップ液の殺菌効果により、細菌的により衛生的な乳頭状態にする

・液に浸すことで、固まった汚れを除去しやすくする

*注意点

・プレディッピング用として認可のある液剤を使用する(参考資料ディッピン

グ剤一覧参照)

・殺菌効果をじゅうぶんに発揮するには、乳頭清拭前にコンタクトタイム(薬

剤付着時間)が約30秒必要である

ミルカー装着前の乳頭をより衛生的な状態にするために、乳頭清拭前にも

ディッピングを行う搾乳手法が増えています。

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Ⅲ 搾乳機器の洗浄

1 洗浄剤の種類とその特徴

アルカリ洗剤

乳脂肪やたんぱく質と結合して分解し、洗浄する作用がある。

適正使用温度 60~80℃ 排水時にも40℃以上を保つようにする。

酸性洗剤

主に牛乳中のミネラル分を分解し、洗浄する作用がある。

脂肪分やたんぱく質は落とせないため、必ずアルカリ洗浄を行った後に使用

する必要がある。

適正使用温度 60~80℃ 排水時にも40℃以上を保つようにする。

酸性リンス

主に牛乳中のミネラル分を分解し、洗浄する作用がある。

※酸性洗剤と違い、アルカリ洗剤と混合されても塩素ガスが発生しない。

適正使用温度 35~40℃ ※酸性洗剤とは適正温度が異なるので注意。

殺菌剤

微生物を殺す、または増殖を抑える作用がある。

適正使用温度 40℃以下 40℃以上で使用すると効果が大幅に下がる。

搾乳後の搾乳機器の洗浄は衛生的な乳質を確保する上で大変重要な作業で

す。洗浄方式は使用する搾乳システムによって異なりますが、基本的な洗浄方法

を記述します。

洗浄剤には様々な商品がありますが、洗浄剤によって、

使用する目的や効果を発揮する温度や濃度が異なります。

それぞれの洗剤の特徴を理解して、ラベルなどに記載さ

れている用法・用量を必ず確認してから使用しましょう!

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2 ミルカーの洗浄方式とその特徴

① トリプル洗浄方式

すすぎ⇒アルカリ洗浄⇒すすぎ⇒酸洗浄⇒すすぎ⇒ 殺 菌

(第1工程) (第2工程) (第3工程)

※ 各工程の残液が影響しないよう、しっかりとすすぎを行う。

② 酸性リンス方式

すすぎ⇒アルカリ洗浄⇒ 酸性リンス ⇒殺 菌

(第1工程) (第2工程) (第3工程)

※ 酸性リンスはアルカリ洗剤と混ざっても反応を起こさないため、アルカリ

洗浄後にすすぎを入れずに工程が進む。このシステムを利用している場合、

酸性リンスと酸性洗剤を間違えて使用しないように注意する。

③ 主洗浄が1工程の洗浄方式

すすぎ⇒アルカリ洗浄(毎日)・酸洗浄(3~4日に1回)⇒すすぎ⇒殺 菌

( 第1工程 ) (第2工程)

※洗浄システムによっては、主洗浄が1工程しかないものもあり、そのような

システムでは、アルカリ洗浄を毎日行い、3~4日に1回酸洗浄を実施する。

可能であれば、アルカリ洗浄後に毎日酸洗浄を実施するのが望ましい。

3 バケットミルカーの洗浄方式とその特徴

すすぎ⇒アルカリ洗浄⇒すすぎ⇒酸性洗剤⇒すすぎ⇒ 殺 菌

(第1工程) (第2工程) (第3工程)

※ 基本はミルカーの洗浄手順と同様の工程で行ない、汚れが残りやすい肩口

や底、外側も忘れずに洗浄する。

※ 各工程の残液が影響しないよう、必ずすすぎを行う。

※ 週1回は、ミルククロー、ティートカップ、蓋等を分解し、酸性洗剤に

20~30分程度浸した後、ブラッシングする。

※ 洗浄後は清潔な場所で、ほこりが入らないよう伏せて保管する。

利用している搾乳システムによって、洗浄方式は異なります。ここでは代表的

な洗浄方式についてそれぞれ説明します。洗浄の際は、必ずそれぞれのシステ

ムが推奨している方法で実施しましょう。

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4 バルククーラーの洗浄方式とその特徴

1) 手洗いの場合

すすぎ(※1)⇒アルカリ洗浄(※2)⇒すすぎ⇒酸性洗浄(※3)⇒すすぎ

※1 集乳後すぐに実施する(熱湯は厳禁!)。

※2 適正温度・濃度でフタ、羽根などを入念に洗浄する。

(コックも毎回分解して洗浄する)。

※3 3~4日に1回は、酸性洗浄を行う(アルカリ洗浄後)。

2)自動洗浄の場合

自動洗浄の場合でも、洗浄後、内部を覗きゴムパッキン、羽根、排出口など

に汚れがないか確認する。また、定期的に洗剤の減りを確認する。

5 すすぎの注意点

すすぎを熱湯で行うと細菌が死滅して効果が高いように思えるが、牛乳中の

たんぱく質は70℃以上の熱湯で凝固する特性があるため、たんぱく質の汚れ

が付着したまま凝固してしまう。

また、温度が低すぎてもミルク配管等が冷えて洗浄水の温度が維持出来なく

なるため、すすぎは40℃~70℃のお湯で行うようにする。

自動洗浄を過信すると・・・

このような事にならないよう、洗浄後の点検を毎日実施しましょう!

クロー内の洗浄不良 洗浄不良自動洗浄(密閉式)のバルク

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Ⅳ 乳房炎対策

乳房炎による損失

・乳量減少

・体細胞数の増加およびペナルティ

・生乳廃棄

・治療費と手間

1 なぜ乳房炎になるの?

乳房炎の原因は、細菌が特に重要である。細菌が乳頭口から侵入する事で感

染が起こるため適切な乳頭清拭やディッピングなどが乳房炎の予防に重要であ

る。

乳房炎の原因菌は、①伝染性細菌(搾乳中に感染を拡大させてしまう。黄色

ブドウ球菌など)、②環境性細菌(牛舎内環境に常在。連鎖球菌や大腸菌群など)

に大別される。特に、伝染性細菌は、搾乳者の手指や汚染されたティートカッ

プを介して拡大させてしまうため、バルク乳細菌検査を利用するなど、早期発

見が重要である。

2 乳房炎検査にはどのようなものがありますか?

検査は、生産者自らが牛舎内で出来る方法と検査機関などの実験室内でする

方法がある。もちろん、乳房炎の臨床症状(乳房の腫脹、硬結、熱感など)を

見落とさない観察力(目視検査)も大切である。どの乳房が乳房炎なのか早期

に発見する事が重要となる。

乳房炎検査

臨床検査 理化学的性状検査 細菌学的検査

ストリップカップ法(黒布法) CMT 変法 バルク乳・個体乳検査

酪農経営の損益!

正しい搾乳で収益アップ!!

乳房炎対策は、乳質改善の大部分を占める酪農経営の大きな柱です。乳房

炎対策は、治療よりも予防が重要です!正しい搾乳手順(手技)を実践し、

乳房炎牛を減らすことで無駄のない酪農経営につなげましょう。

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(1)臨床検査

ストリップカップ法は、搾乳時の前搾り乳を毎回確認することにより、

乳房炎の臨床症状の一つである「ブツ」を的確に発見する事ができる。

(2)理化学的性状検査

CMT 変法は、乳汁中の細胞数の増加や pH の変動により判定する(左

下図)。乳房炎の判定が牛舎内において生産者自らが短時間で実施できる。

(3)細菌学的検査

検査用の培地に乳汁を塗って細菌の種類を特定する(中央、右下図)。

乳房炎の原因菌が分かると、その農場における問題点の所在が明らかと

なり、効果的な乳質改善の取組みができる。

PLテスト陽性例 乳汁の培養 細菌のグラム染色

3 バルク乳・個体乳検査はどのように利用すればいいですか?

(1) バルク乳細菌検査(スクリーニング検査)

定期的に実施することがポイントであり、搾乳衛生や洗浄システムおよび牛

群の乳房炎リスクを客観的に評価できる。利点としては、例えば、乳汁中の体

細胞数が低い場合や臨床症状がなくても、早期に伝染性細菌を発見し感染拡大

防止の対策をとるができる。また、環境性細菌が基準値以上検出された場合は、

搾乳衛生管理上の問題点(牛床管理、乳頭清拭など)を知ることができる。

バルク乳細菌検査結果からの改善方法

① 搾乳衛生の改善及び搾乳乳衛生を徹底すること!

② 牛群の環境改善に取り組むこと!

③ 改善対策を判断するためにも継続的にバルク乳検査を実施すること!

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18

【 参考トピックス 】「バルク乳細菌検査」の効果的な利用方法

検査項目は検査機関により異なるが、生菌(バルク乳中に存在するすべての細菌

の数)、伝染性細菌、環境性細菌、耐熱性細菌(低温殺菌しても生存した細菌)、

低温細菌(低温でも増殖する細菌)などが把握できる。

菌の項目 検査数値の読み方のためのポイント

生菌 :細菌による牛群の搾乳衛生状況や環境衛生の汚染状況の指標

伝染性細菌:検出時は感染拡大防止のために個体特定のステップへ(★、下図)

環境性細菌:数値が高い場合は牛舎環境改善が必要(牛床クリーン&ドライなど)

耐熱性細菌:搾乳機器の洗浄状態の指標(※)

低温細菌 :搾乳機器の洗浄状態の指標(※)

★注意事項:バルク乳細菌検査時と個体特定の検査までに牛群が若干変わるため

(治療、乾乳、廃用した、など)、個体特定は根気強さが必要!

※洗浄不良例:洗浄水の温度や洗剤濃度の不適。

消耗品関係では搾乳機器の汚れが落ちきっていない状態や、

劣化による洗浄困難な状態が考えられる。

図 伝染性細菌(例えば黄色ブドウ球菌:SA)が検出された場合の対策例

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(2) 個体乳検査

下記の①~⑤について、牛1頭毎に「4分房合乳」もしくは「分房毎」

に検査する。

バルク乳・個体乳細菌検査は、所属団体や診療獣医師と相談して、検査機

関に依頼する。検査結果を活用した乳質改善は、各関係機関と連携した方が

より効果的に実施できる。(下図)

図 乳房炎の細菌学的検査をする意義

★ ポイント:効果的な乳房炎対策 ★

ステップ1 乳房炎牛の把握

牛舎で自ら早期発見を実践!検査機関を利用して

定期的にバルク乳細菌検査でモニタリングする、など

ステップ2 細菌検査で「原因菌種」を特定する!

ステップ3 「原因菌種別」に対処する!

① 乳房炎の臨床症状がある

② CMT 変法で異状がみられる

③ バルク乳検査で伝染性細菌等が検出された

④ 乳房炎治療の効果を知る(乾乳期治療、泌乳期治療)

⑤ 牛群検定で体細胞数が高い牛 など

原因菌を特定することで、

搾乳手技や環境衛生など

の問題点を明らかにし、

乳房炎対策を効果的に!

乳房炎の原因菌

◆ 伝染性細菌

◆ 環境性細菌

◆ 伝染性と環境性細菌

の混合型

細菌学的検査

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Ⅴ 搾乳システムの構造と点検

1 搾乳システムの働きと点検項目

① 真空ポンプ

働き

空気を排気して搾乳と洗浄に必要な真空をミル

キングシステム内に作りだす。

主な点検項目

・オイルの量は十分か?

・オイル内に異物が入っていないか?

・異常な音がしていないか?

・V ベルトがゆるんでいないか?

(常に予備を用意しておく事)

①真空ポンプ

③調圧器 ④真空計

②真空タンク ⑤サニタリートラップ

⑥レシーバージャー ⑦ミルクポンプ

バルククーラー

⑧ドレインバルブ

真空配管

ミルク配管 ⑨パルセーター

エアーチューブ

ミルクチューブ ⑪搾乳ユニット

搾乳システムに問題があるまま搾乳を実施していると、乳房炎の増加や大き

な故障の原因にもなるため、定期的な点検が重要です。ここでは、搾乳システ

ムの構造と働きについて紹介し、点検のポイントについても解説します。

搾乳システムの模式図

⑩ミルクタップ

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② 真空タンク(バランスタンク)

働き

・真空ポンプで作りだした真空をミルキング

システム内へ分岐させる容器。

・ライナー装着時等のエアー吸入時に真空圧

の低下を遅らせる予備タンクにもなる。

・ゴミや水分、誤って吸入された生乳、洗浄

水を除去する役割がある。

主な点検項目

・汚れや腐食等により穴が開いていないか?

・ドレインバルブ(水抜き)が正しく動作しているか?

③ 調圧器(レギュレーター)

働き

・配管内の真空圧を感知してシステム全体の真空圧を一定に保つ装置で、真空

タンクとサニタリートラップの間に取り付けるのが望ましい。

・ウエイト式・スプリング式・ダイヤフラム式がある。

主な点検項目

・作動音は正常かどうか?

・弁にオイル等の汚れが付着していないか?

・フィルターにホコリがたまっていないか?

(定期的に分解して掃除し、ダイヤフラム等を交換する)

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④ 真空計

働き

・配管の真空圧を表示する。

※kPa 表示と cmHg 表示があるので注意。

(1kPa≒0.75cmHg )

主な点検項目

・真空ポンプを停止しているときに、針がゼロを指 し

ているか?

・作動したときに設定した真空圧を指しているか?

(一度オーバーしてから戻って安定する場合には、調圧器などの消耗品の交換

が必要)

・真空圧の針は一定の速度で上がるか?

(一定でない場合、サビ等により正確に表示できていない可能性がある)

・真空ポンプを止めた際、針はゆっくり下がるか?

(急激に下がる場合は、配管等からのエア漏れがあるため、早急に修理する)

⑤ サニタリートラップ

働き

・真空配管に生乳が入らないよう、生乳・洗浄

水と真空部分を分離し、生乳の汚染を防止す

る。

⑥ レシーバージャー

働き

・配管内の生乳を回収し、ミルクポンプに送り

出す。

主な点検項目

・レシーバージャーに生乳が一定量ずつ安定的に入ってくるか?

⑦ ミルクポンプ

働き

・レシーバージャーに溜まった生乳を

バルククーラーへ送る。

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ライナーゴム

シェル ミルククロー

① ドレインバルブ(水抜き)

働き

・真空配管内に入った水を排出させる。

主な点検項目

・ドレインバルブからのエア漏れがない

か?

② パルセーター

働き

・真空圧と大気圧を交互に制御する。

・電磁式とエアー式の2タイプがあり、メーカーによ

って脈動数、脈動比等は異なる。

主な点検項目

・パルセーター毎に早さにばらつきが無いか?

(時計を見ながら脈動回数を測定。ばらつきがあれば

調整が必要)

・作動音が遅くなった場合、パルセーター内を掃除す

る。(潤滑油をかけないように注意!)

③ ミルクタップ

働き

・ミルカーのロングミルクチューブとロング

エアチューブをそれぞれミルク配管、真空配

管に接続する部位。

主な点検項目

・ミルクタップからのエア漏れがないか?

・ 〃 に汚れが付着していないか?

④ 搾乳ユニット

働き

・ティートカップ(ライナーゴム、シェルで構成)

とミルククローによって構成され、パルセータ

ーで制御された真空圧を使って生乳を搾る。

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主な点検項目

ミルククロー

・ミルククロー内が適正に洗浄出来ているか?(汚れ、乳石がないか)

・エアーブリードホールが詰まっていないか?

(詰まっていると乳の流れが悪くなる)

・シャットオフバルブに汚れやゆるみはないか?

ライナーゴム

・ライナーに汚れ、ねじれ、劣化や硬化、破れによるエアー漏れがないか?

・ライナーとシェルの間に水が入っていないか?

(ライナーは交換日を決めて定期的に交換する事!劣化していたら即交換!)

チューブ類

・ミルクチューブにねじれ、割れ、劣化や硬化がないか?

・エアーチューブにねじれ、割れ、劣化や硬化がないか?

(交換日を決めて定期的に交換する事!劣化・硬化してからでは遅い!)

エアブリードホール

シャットオフバルブ

ショートエアチューブ、ミルクチューブ

ロングエアチューブ

ロングミルクチューブ

搾乳機器の点検整備と消耗品の交換は、大きな故障の回避 だけでなく、牛にとっても快適な搾乳につながります。 あらかじめ予定を立てて、定期的に実施しましょう!

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25

点 検

 箇 

所項

   

  

  

  

 目

可・否

1.

オイル

の消

費量

と流

れを

確認す

る。

ゴミ

によ

るつ

まりの

確認

。2.

異常音

がし

てい

ない

かを

確認。

3.

Vベル

トの

張り

は適

正に

張って

いる

かを

確認(

指で

押さ

えて

1~1.5mm程

度)

。4.

Vベル

トは

常に

予備

を用

意して

おく

。5.

タンク

内の

汚れ

、腐

食に

より穴

があ

いて

いな

いか

を確認

。6.

ドレイ

ンバ

ルブ

(水抜き

)が、

正し

く動

作して

いる

かを

確認

。7.

正常な

作動

音で

ある

かを

確認。

8.

弁にオ

イル

等汚

れの

付着

確認及

びフ

ィル

ター

の掃

除を行

う。

9.

定期的

な分

解掃

除と

ダイ

ヤフラ

ムの

交換

を行

う。

10.

搾乳

開始

時は

必ず真

空圧

を確

認。

11.

作動

中に

大き

く振れ

てい

ない

か確

認。

12.

ミル

ク・

真空

配管の

タッ

プ部

にエ

アー

漏れが

ない

かを

確認

。13.

ミル

ク配

管の

継ぎ(接

続部分

)にエア

ー漏れ

がな

いか

を確

認。

14.

シー

ルは

劣化

してい

ない

かを

確認

。(

予備を

用意

して

おく

)15.

ドレ

イン

バル

ブ(水

抜き

)にエ

アー漏

れがな

いか

。16.

ミル

クク

ロー

内を確

認。

17.

ブリ

ード

ホー

ルに詰

まり

がな

いか

常に

確認。

(乳

の流

れが

悪く

なる)

18.

シャ

ット

オフ

バルブ

を確

認。

19.

ライ

ナー

の汚

れ・ね

じれ

・劣

化・

裂け

、エア

ー漏

れが

ない

かを

確認。

20.

ライ

ナー

とシ

ェルの

間に

水が

入っ

てい

ないか

確認

21.

ライ

ナー

は適

正な日

数で

交換

する

。22.

ミル

クチ

ュー

ブは定

期的

に交

換す

る。

(劣化

・硬

化し

てか

らで

は遅い

)23.

エア

ーチ

ュー

ブ(ロ

ング

・シ

ョー

ト)

は定期

的に

交換

する

。24.

パル

セー

ター

は作動

音を

確認

し全

体的

に合っ

てい

るか

を確

認。

25.

作動

音が

遅く

なった

場合

、パ

ルセ

ータ

ー内を

掃除

。(

潤滑

油を

かけな

い)

26.

洗浄

を開

始す

る前に

、ユ

ニッ

トが

適正

にセッ

トさ

れて

いる

か必

ず確認

。27.

定期

的に

作動

状況(

洗浄

温度

、湯

量、

洗剤量

、適

正な

循環

時間

等)を

確認

。28. エ

アイ

ンジ

ェクタ

ーが

正常

に作

動し

ている

か確

認。

チュ

ーブ類

パル

セータ

自動

洗浄

シス

テム

真空

ポンプ

真空

タンク

調圧

器(レ

ギュレ

ータ

ー)

ライ

ナー

システ

ムの

エア

ー漏

ミル

ククロ

真空

シス

テム

点検

表(

参考)

(日付

:年

月日)

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(参考情報)クローの内圧の測定による新しいミルカー搾乳能力診断

1 ミルククローとクロー内圧の役割

ミルククローは4本のライナーから生乳を集

めてミルクホースに流す部分です。搾乳時はライ

ナーが動き、搾乳期は牛乳を吸い出し、休止期は

乳頭をマッサージしますが、その真空圧を安定し

て供給するのがクローであり、一定の真空圧(ク

ロー内圧)が必要となります(図1)。

搾乳刺激を受けた乳房はミルカーを装着する

と急激に乳を下ろし始め、装着後 1 分ほどで搾乳

速度は 5~6kg/分となります。

一般的に搾乳速度が速くなり、クロー内を流れ

る乳量が増えるとクロー内圧は低下し、少なくな

るとクロー内圧は高くなります(図2)。アメリ

カ乳房炎協会では、搾乳速度が最も速い時でもク

ロー内圧は 35~42kpa を確保すべき値として

推奨しています。

2 クロー内圧測定の必要性

牛群検定にラクトコーダを利用すると、1 頭毎に最大搾乳速度や搾乳時間などが

測定できます。酪農家によって牛群の平均搾乳速度は異なっていますが、その違い

はミルキングシステムにあります。1回の搾乳で 20~30kg もの乳量を出す高泌

乳牛では搾乳速度は 5~6kg/分を確保する必要があり、「乳頭と乳房に優しく、

速く、きちんと搾る」ためには、搾乳時のクロー内圧が適正値(35~42kpa)を

維持していることが重要です。

しかし、図-2のように搾乳速度が 5kg/分になると、クロー内圧は 30kpa

程度まで低下するミルキングシステムが多いと推察されます。このようなミルキン

グシステムで搾乳を行うと、1頭あたりの搾乳時間が長く、乳牛のオキシトシンを

うまく利用した搾乳とは言えず、高泌乳牛の能力を抑制している可能性があります。

また、搾乳休止期の乳頭マッサージがきちんと行えないため、搾乳時に乳頭の鬱血

が起こり、乳頭口を痛めることになります。さらに、搾乳中のライナースリップも

起こりやすくなることから、乳房炎の発生リスクが高まります。

これらの問題を解決するためには、従来のミルカー点検とともに、クロー内圧を

測定し、ミルキングシステムを見直す必要があります。

クロー内圧とその役割

クロー:ここにかかる真空圧がクロー内圧

生乳の流れ

搾乳期 休止期

クロー内圧の役割:①牛乳を吸い出す②乳頭のマッサージ

図-1

図-2 クロー内圧と搾乳速度

近年、「乳頭と乳房に優しく、速く、きちんと搾る」ためにミルククロー内部の真空圧

が重要であることがわかってきたことから、淡路農業技術センターでは平成22年から

測定機器の開発に取り組み、25 年に完成しました。

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3 クロー内圧の測定方法

図3は淡路農業技術センターで開発したクロー内

圧測定装置です。この装置に付属する模擬乳頭に測定

するミルカーを装着し、真空ポンプを回して搾乳時と

全く同じ状態で測定を開始します。この装置では乳頭

直下とクロー内部に真空圧を測定できるセンサーを

取り付けています。

測定には生乳の代わりに水を用い、流量計で制御

して、0~8kg/分の搾乳速度の範囲でのクロー内

圧を測定します。測定結果は図4のように、クロー

内部に水が流れない搾乳速度0kg/分の時、クロ

ー内圧は 47kpa ありますが、流速が速くなりクロ

ー内部の流量が増加すると、クロー内圧が低下する

ことが分かります。この測定したミルカーでは搾乳

速度が 6kg/分まではクロー内圧は 35kpa 以上

ですが、8kg/分になると 35kpa より低くなっています。

4 ミルカーの搾乳能力診断

今までのミルカー点検では、搾乳している状態

ではなく、搾乳速度が0kg/分の時の真空圧を測

定して評価していましたが、クロー内圧測定装置

を用いると搾乳時の状態を再現し、搾乳速度、流

量が増加すると、どれぐらいクロー内圧が低下す

るのかが分かります。これにより、「乳頭と乳房

に優しく、速く、きちんと搾る」ことができるか

という、ミルカーの搾乳能力の診断を行うことができます。

図5は、同じミルカーでクローの容量が小さいものから大きいものに変えた場合、

クロー内圧の変化がどれぐらいあるかを測定したものです。容量の小さなクローで

は搾乳速度が 2kg/分を超えるとクロー内圧は 35kpa 以下となりますが、大き

いクローに変えただけで 4kg/分までは 35kpa 以上を維持しています。

他にもクロー内圧の低下を引き起こす要因はたくさんあります。例えば、ロング

ミルクチューブの長さが必要以上に長い、設定真空圧がメーカー設定値より低い、

乳房炎検知器や乳量計、自動離脱装置などの機器の接続、などさまざまなものがク

ロー内圧に影響を与えると言われています。

牛群の平均搾乳速度が遅く、1 頭あたりの搾乳時間が長い農場や高乳量牛(高泌

乳牛、泌乳ピーク牛など)に乳房炎が多発する農場では、クロー内圧の低下が原因

となっていることが考えられますので、クロー内圧測定装置を用いて測定し、改善

方向を検討することをお勧めします。

図3

図4

図5

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参考資料 ディッピング剤一覧

 ※五十音順 ※動物医薬品等データベースより抜粋 

商品名称

主成分

搾乳前

搾乳後

製造販売業者

クオーターメイト

ヨウ素混合体

ヨウ素酸ナトリウム

ヨウ化ナトリウム

0.2g

0.07g

0.025g

原液

原液

日本全薬工業株式会社

クオーターメイトA

グリセリンーヨウ素複合体

ヨウ素酸ナトリウム

0.33g

0.20g

原液

原液

日本全薬工業株式会社

アダーダイン502

ノノキシノールヨード液

2.60g/100ml

有効ヨウ素

0.005

原液を5倍に希釈

原液

株式会社野澤組

セラテック

ノノキシノールヨード液

2.66g

有効ヨウ素

0.2

原液を5倍に希釈

原液

GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社

シルキーディップ

ヨウ素

ヨウ素酸カリウム

200mg

85mg

原液

原液

馬居化成工業株式会社

ディップゾール5

ヨウ素

5.3g

有効ヨウ素

5g

原液を5倍に希釈

原液

サンケミファ株式会社

ピュアディップ5

ヨウ素

5.3g

有効ヨウ素

5g

原液を5倍に希釈

原液

サンケミファ株式会社

ティートガード50

ノノキシノールヨード液

7.2g

有効ヨウ素

0.5g

原液を5倍に希釈

原液

エコラボ株式会社

ディリーガード50

ノノキシノールヨード液

7.2g

有効ヨウ素

0.5g

原液を5倍に希釈

原液

エコラボ株式会社

アーマー

ノノキシノールヨード液

2.00g/100ml

有効ヨウ素

0.004

-原液

GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社

アイオディップ

ノノキシノールヨード液

5.0g/100ml

-原液を2倍に希釈

株式会社 セリオ

ウィンターエイド

グリセリンーヨウ素複合体

ヨウ化ナトリウム

3.80g

0.90g

-原液

日本全薬工業株式会社

コート テンスリー

ノノキシノールヨード液

5g

有効ヨウ素

0.2

-原液を2倍に希釈

GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社

ザラモカ

ヨウ素

5.4g

-原液

株式会社ワコーバイオケミカル

ティートガード

ノノキシノールヨード液(20%)

5.0g

有効ヨウ素

1.0g

-原液を2~2.5倍に希釈

エコラボ株式会社

ディップ・マム

ノノキシノール・ヨード

16.0g/100g

有効ヨウ素

2.0g

-原液を4~5倍に希釈

文永堂薬品株式会社

ディップゾール10

ヨウ素

10.5g/1000ml

有効ヨウ素

10g

-原液を2倍に希釈

サンケミファ株式会社

ディップゾール10AP

ヨウ素

10.5g/1000ml中

有効ヨウ素

10g

-原液を2倍に希釈

サンケミファ株式会社

ディップゾール20

ヨウ素

21g/1000ml

有効ヨウ素

20g

-原液を4~5倍に希釈

サンケミファ株式会社

ディリーガード

ノノキシノールヨード液(20%)

5.0g

有効ヨウ素

1.0g

-原液を2~2.5倍に希釈

エコラボ株式会社

デラバリア2500

ヨウ素グリセリン複合液

ヨウ素酸ナトリウム

0.84g/100g

0.14g/100g

有効ヨウ素

0.25g/100g

-原液

デラバル株式会社

ピュアディップ10

ヨウ素

10.5g/1000ml

有効ヨウ素

10g/1000ml

-原液を2倍に希釈

サンケミファ株式会社

ピュアディップ10AP

ヨウ素

10.5g/1000ml

有効ヨウ素

10g/1000ml

-原液

サンケミファ株式会社

ピュアディップ20

ヨウ素

21g/1000ml

有効ヨウ素

20g/1000ml

-原液を4~5倍に希釈

サンケミファ株式会社

ファインディップ

ノノキシノール・ヨード

16g/100g

有効ヨウ素

2g

-原液を4~5倍に希釈

共立製薬株式会社

フレンドディップ・10

ノノキシノール・ヨード液

13.0g/100ml

有効ヨウ素

1.0g/100ml

-原液を2倍に希釈

共立製薬株式会社

フレンドディップ・20

ノノキシノール・ヨード液

26.0g/100ml

有効ヨウ素

2.0g/100ml

-原液を4倍に希釈

共立製薬株式会社

フレンドディップ・5

ノノキシノール・ヨード液

6.5g/100ml

有効ヨウ素

0.5g/100ml

-原液

共立製薬株式会社

ブロックエイド

グリセリンーヨウ素複合体

ヨウ素酸ナトリウム

3.30g

0.15g

-原液

日本全薬工業株式会社

ブロックエイドA

ヨウ素混合液

ヨウ素酸ナトリウム

ヨウ化ナトリウム

16.00g/100g

0.15g/100g

0.22g/100g

-原液

日本全薬工業株式会社

ボバダイン

グリセリンーヨウ素複合体

ヨウ素酸ナトリウム

3.60g

0.25g

-原液

日本全薬工業株式会社

ボバダインA

ヨウ素混合液

ヨウ素酸ナトリウム

ヨウ化ナトリウム

15.18g

0.05g

0.17g

-原液

日本全薬工業株式会社

ボビコート5

ノノキシノールヨード液

2.60g/100ml

有効ヨウ素

0.5%

-原液

株式会社野澤組

Page 31: -正しい搾乳手順-hyoraku.or.jp/pdf/document/1-1.pdfはじめに 1999年(平成11年)に、兵庫県乳質改善マニュアル「―正しい搾乳手順―」 が酪農団体職員、農業改良普及センター、家畜保健衛生所の職員が集まり作成さ

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参考資料 次亜塩素酸ナトリウム殺菌剤一覧

商品名 有効塩素濃度

6%次亜塩素酸ソーダ(アサヒラック) 6殺菌20 6殺菌30 6殺菌65 6サッキンゾール 6サンラックP6% 6ピューラックス 6ピューラックス10 1012%次亜塩素酸ソーダ(アサヒラック) 12サンラックP 12※保存期間による塩素濃度12%の製品は、保存期間により塩素濃度が低下する※塩素濃度6%製品は塩素濃度の低下がゆるやかなため、効果的、経済的

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参考・引用文献

・乳房炎の防除 乳質向上と免疫力アップ Dairy Japan2012 年 2 月臨時増刊号

・乳牛の疾病・予防・治療・看護方法 Dairy Japan2010 年6月臨時増刊号

・乳牛管理の基礎と応用 2006 年改訂版 デーリィ・ジャパン社

・動物の感染症<第三版> 近代出版

・流水試験(模擬搾乳試験)応用事例集:北海道デーリィマネージメントサービスHP

・ミルカーの搾乳能力を診断するためのクロー内圧測定装置の開発:畜産技術ひょうご

第 113 号

・ミルカー搾乳のしくみと生乳の流れの阻害要因、ミルククロー内圧の変動:根室農業

改良普及センターHP 見開き乳質のマネージメント

(http://www.nemuro.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/gijutsu/kankoubutu/no28

/index.htm)

イラスト提供

増田 萩華 さん

兵庫県立播磨農業高校(H27.3 卒)

本マニュアルはインターネットからもダウンロードすることができます。

http://hyoraku.or.jp/