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はじめに腎疾患は日本国民の健康に重大な影響を及ぼしている。慢性腎不全は国民の死因の第8位を占め(2012年人口動態統計)、慢性透析患者数は30万9,946人(2012年末。日本透析医学会)と増加し続けているため、その抜本的な対策が喫緊の課題となっている。
腎疾患の捉え方は近年になって慢性腎臓病(CKD)という広い概念から、公衆衛生学的な対策を立てる必要があると多くの国で考えられるようになった。日本においても、罹患率の上昇と医療費の増大に伴い、CKDに対する関心が急速に高まっている。わが国のCKD患者数は1,330万人と推定され、成人の8人に1人はCKDに当てはまるといわれる。このため、CKDの診療にはかかりつけ医と腎臓専門医の診療連携が重要である。
CKDのなかで問題となっているのが生活習慣病を背景とするCKDだ。CKD対策は、生活習慣の改善指導と薬物治療で行われる。CKDの薬物治療は腎機能を悪化させている原因疾患の治療と危険因子に対する管理治療である。その内容は基本的に「血圧・脂質・血糖」の管理治療といった集学的治療である。そのなかで、新たな危険因子として注目されているのが高尿酸血症(尿酸)だ。さまざまな観察研究によって高尿酸血症がCKDの発症・進展に影響を及ぼすらしいことが分かってきた。しかし、肝心の「尿酸低下療法が腎機能の低下を抑制する」十分なエビデンスはまだ得られていない。
最近、新規のキサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタットが登場したことによって、CKDを対象に尿酸を十分低下させる介入研究が行えるようになった。現在、フェブキソスタットを用いた市販後臨床試験が進行している。尿酸低下療法がCKDにとって真に有用かどうか、その研究結果が注目される。
2014年2月
木村 健二郎
CKDの医療概念「CKDを早期に発見し、評価し、適切な指導・治療を行うことで、末期腎不全(ESKD)や心血管疾患(CVD)発症への進展を抑制する」というCKDの医療概念は、医療者のみならず患者、市民(国民)の積極的な取り組みを促している。CKDはアメリカで提唱され、その後ヨーロッパ、日本へと広まった。
1995年 アメリカ腎臓財団(NKF)が、透析患者の予後改善を目的とする、 EBMに基づく腎臓病領域における初の診療ガイドライン「DOQIガイドライン」を作成 2001年 DOQI ガイドラインが、より早期の腎障害の段階も包含する「K/DOQIガイドライン」に発展。 同時期にヨーロッパ、カナダ、オーストラリアで各国の診療ガイドラインの作成着手 2002年 NKFがCKDの疾患概念を報告、CKDを提唱 2004年 国際腎臓病予後改善委員会(KDIGO)が設立される。 KDIGOはそれまでのK/DOQIガイドラインをほぼ踏襲する形でCKDの定義・分類を作成 2012年 KDIGOが中心となり、10年ぶりにCKD重症度分類を改訂
2004年 日本腎臓学会が「慢性腎臓病対策委員会」設置 2006年 日本腎臓学会で「プロジェクト日本人のGFR推算式」結成 2007年 日本腎臓学会編『CKD診療ガイド』(初版) 2009年 同 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009』 同 『CKD診療ガイド2009』 2012年 同 KDIGOのCKD重症度分類改訂を受け、『CKD診療ガイド2012』 2013年 同 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』
海 外
日 本
木村 健二郎先生
独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO)東京高輪病院院長
CKD治療最前線
はじめに腎疾患は日本国民の健康に重大な影響を及ぼしている。慢性腎不全は国民の死因の第8位を占め(2012年人口動態統計)、慢性透析患者数は30万9,946人(2012年末。日本透析医学会)と増加し続けているため、その抜本的な対策が喫緊の課題となっている。
腎疾患の捉え方は近年になって慢性腎臓病(CKD)という広い概念から、公衆衛生学的な対策を立てる必要があると多くの国で考えられるようになった。日本においても、罹患率の上昇と医療費の増大に伴い、CKDに対する関心が急速に高まっている。わが国のCKD患者数は1,330万人と推定され、成人の8人に1人はCKDに当てはまるといわれる。このため、CKDの診療にはかかりつけ医と腎臓専門医の診療連携が重要である。
CKDのなかで問題となっているのが生活習慣病を背景とするCKDだ。CKD対策は、生活習慣の改善指導と薬物治療で行われる。CKDの薬物治療は腎機能を悪化させている原因疾患の治療と危険因子に対する管理治療である。その内容は基本的に「血圧・脂質・血糖」の管理治療といった集学的治療である。そのなかで、新たな危険因子として注目されているのが高尿酸血症(尿酸)だ。さまざまな観察研究によって高尿酸血症がCKDの発症・進展に影響を及ぼすらしいことが分かってきた。しかし、肝心の「尿酸低下療法が腎機能の低下を抑制する」十分なエビデンスはまだ得られていない。
最近、新規のキサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタットが登場したことによって、CKDを対象に尿酸を十分低下させる介入研究が行えるようになった。現在、フェブキソスタットを用いた市販後臨床試験が進行している。尿酸低下療法がCKDにとって真に有用かどうか、その研究結果が注目される。
2014年2月
木村 健二郎
CKDの医療概念「CKDを早期に発見し、評価し、適切な指導・治療を行うことで、末期腎不全(ESKD)や心血管疾患(CVD)発症への進展を抑制する」というCKDの医療概念は、医療者のみならず患者、市民(国民)の積極的な取り組みを促している。CKDはアメリカで提唱され、その後ヨーロッパ、日本へと広まった。
1995年 アメリカ腎臓財団(NKF)が、透析患者の予後改善を目的とする、 EBMに基づく腎臓病領域における初の診療ガイドライン「DOQIガイドライン」を作成 2001年 DOQI ガイドラインが、より早期の腎障害の段階も包含する「K/DOQIガイドライン」に発展。 同時期にヨーロッパ、カナダ、オーストラリアで各国の診療ガイドラインの作成着手 2002年 NKFがCKDの疾患概念を報告、CKDを提唱 2004年 国際腎臓病予後改善委員会(KDIGO)が設立される。 KDIGOはそれまでのK/DOQIガイドラインをほぼ踏襲する形でCKDの定義・分類を作成 2012年 KDIGOが中心となり、10年ぶりにCKD重症度分類を改訂
2004年 日本腎臓学会が「慢性腎臓病対策委員会」設置 2006年 日本腎臓学会で「プロジェクト日本人のGFR推算式」結成 2007年 日本腎臓学会編『CKD診療ガイド』(初版) 2009年 同 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2009』 同 『CKD診療ガイド2009』 2012年 同 KDIGOのCKD重症度分類改訂を受け、『CKD診療ガイド2012』 2013年 同 『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』
海 外
日 本
CKDにおける
―集学的治療[血圧・脂質・血糖管理]に、新しいコンセプト―
尿酸管理の重要性慢性腎臓病(CKD)においては、腎機能が低下すると高尿酸血症の頻度は高まる。しかし、最近の観察研究によって、高尿酸血症がCKDの発症・進展因子となる可能性が示唆されている。
「高尿酸血症治療が腎機能低下を抑制するか?」 このことが最近ではCKD領域での焦点の1つとなっている。このClinical Questionに答えを出すことを目的に、新規のキサンチンオキシダーゼ阻害薬フェブキソスタットを用いて、高尿酸血症を伴うCKDステージ3の患者を対象にした大規模市販後臨床試験「FEATHER研究」が 現在行われている。
そこで、FEATHER研究の共同責任研究者である木村健二郎先生(JCHO 東京高輪病院院長)に、CKD治療の現状を概観してもらい、FEATHER研究のポイント、並びにCKDにおける尿酸管理の重要性について解説していただいた。
CKDにおける尿酸管理の重要性日本医事新報 No.4693 広告別刷2014年4月5日発行
<7.0
HR= 2.004(95%CI 0.904-4.444)
血清尿酸値, mg/dL
ベースラインの血清尿酸値によるESRDの累積頻度
109876543210
受診者1,000人あたり
≧7.0 <6.0
HR=5.770(95%CI 2.309-14.421)
血清尿酸値, mg/dL
109876543210
≧6.0
Iseki K. et al.: Am J Kidney Dis.: 44(4): 642, 2004
対象:1993年度の集団検診受診者で血清尿酸値が判明した48,117人
男性 女性
高尿酸血症蛋白尿血清Cr
HR5.7703.9251.701
図2 ESKDの危険因子としての高尿酸血症
男性加齢喫煙高血圧肥満脂質代謝異常糖尿病耐糖能異常高尿酸血症
CKDの危険因子
CKD
CVD
狭義の腎臓病
生活習慣病
木村健二郎氏ご提供
図1
プライマリ診療を担う一般臨床医向けに“CKDをどう診るか”“専門医とどう連携するか”をまとめた診療指針が『CKD診療ガイド2012』であり、腎臓専門医向けにエビデンスを厳密に評価して作成したガイドラインが『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』である(いずれも日本腎臓学会編)。今、各地でかかりつけ医と専門医が連携してCKD対策を行っていこうという気運が高まりつつある。そうしたなか、CKDの新たな危険因子として注目
されているのが、高尿酸血症である。
尿酸値低下はCKDの進展を抑制するか? 肯定するためのエビデンスはまだ不十分
腎機能が低下すると血清尿酸値が上がることは、よく知られている。腎臓病に伴う高尿酸血症はことさら治療しなくてもいいのではないかという議論もあった。しかし、「どうもそうではないようだ。積極的に治療したほうがいいかもしれない」と最近考えられるようになってきた。危険因子としての高尿酸血症を見たわが国の疫学研究によれば(図2)、女性は血清尿酸値≧6.0mg/dLで末期腎不全のリスクが有意に高まる。また、年2回のスクリーニングに参加した患者16,796例の10年の経過を見た観察研究では(図3)、血清尿
CKDの新たな危険因子として 「高尿酸血症」に注目が集まる
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、「尿蛋白陽性」または「糸球体濾過量60mL/分/1.73m2未満」の腎障害や腎機能低下が3カ月以上持続する病態の総称である。その緩やかな定義に合致するさまざまな疾患を
CKDとして1つにくくる意図は、この病態がやがて末期腎不全(ESKD)に至って人工透析や腎移植が必要になったり、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患(CVD)を発症する高危険群の可能性があることから、早期発見・早期治療を推進するためだ。現在、世界中でCKDキャンペーンが行われている。
CKDは大別すると2つのグループに区分される。1つは狭義の腎臓病(慢性糸球体腎炎など)や腎毒性物質などによるCKD、もう1つは加齢や生活習慣病(高血圧、肥満、脂質異常症、糖尿病など)を背景としたCKDだ(図1)。近年は加齢や生活習慣病に起因するCKDが増加している。加齢や生活習慣病はCVDの古典的な危険因子であるから、CKDとCVDの共通の危険因子ということになる。
CKD対策は腎臓病に対する治療をしっかり行うことと、腎臓を悪化させる危険因子をきちんと管理・治療することが重要である。危険因子に対しては、まず減塩や食生活の見直し、肥満の解消、禁煙、運動といった生活習慣の改善を指導し、それでも足りない部分について集学的に薬物治療で補っていくのが原則である。
CKDにおける尿酸管理の重要性
C2 No.4693 ● 2014. 4. 5
p=0.018
eGFR変化量
血清尿酸値の変化量
3
2
1
0
-1
-2
-3
-4
-5
p=0.0000.8
0.4
0
-0.4
-0.8
-1.2
-1.6
-2
対象 : eGFR60mL/分/1.73m2未満 113例方法 : 患者は、アロプリノール100mg/日投与群57例、コントロール群56例に 無作為に割り付け、試験終了(24ヵ月経過)時のeGFRと血清尿酸値の 変化量を検討
コントロール群アロプリノール群
図4
Goicoechea M. et al.: Clin J Am Soc Nephrol.: 5: 1388, 2010
尿酸生成抑制薬による腎障害進展抑制効果(mL/分/1.73m2)
制する」というエビデンスは十分ではない。果たして本当にそうなのか、科学的に追究する必要がある。こうした状況を踏まえて、ガイドラインは「高尿酸血症はCKDの進展に影響を及ぼす可能性がある」との評価に留めている(図5)。
中等度~高度腎機能障害に対する臨床試験 フェブキソスタットの有効性と安全性を確認
尿酸降下薬であるアロプリノールはプリン骨格を有し、活性代謝産物オキシプリノールともども腎臓から排泄される薬剤である(図6)。腎機能が低下している状態では排泄も悪くなって
いるので、アロプリノールとオキシプリノールの血中濃度は上がり、汎血球減少症や中毒性の皮膚壊死症などの重篤な有害作用が起きる危険がある。このため、腎機能が低下した患者に対してはアロプリノールを減量する必要がある。フェブキソスタットは構造にプリン骨格を含まず、アロプリノールとは異なる機序で尿酸を低下させる。また肝臓で代謝された後に、便と尿にほぼ均等に排泄されるため腎機能の影響を受けづらく、軽度~中等度の腎機能低下でも用量調節が必要ない(図6)。中等度~高度の腎機能障害患者に対しては、最
1993年
55.154.754.354.3
57.356.3
51.146.9
eGFR:<60mL/分/1.73m2
eGFR(mL/分/1.73m
2 )
eGFR:<45mL/分/1.73m2
70
60
50
40
302003年 1993年
N/N H/N N/H H/H
60
50
40
30
202003年
H:高尿酸血症(血清尿酸値≧ 7.0mg/dL)、N:正常尿酸値
41.040.639.938.1
46.1
41.8
32.134.6
図3
Iseki K. et al.: Hypetens Res 36: 650, 2013
対象:沖縄県総合保健協会による1993年および2003年の2回のスクリーニングに参加した計16,796例(男性7,495例、女性9,301例)
血清尿酸値とeGFR
酸値が上昇した群(正常尿酸値→高尿酸血症)または高値持続した群(高尿酸血症→高尿酸血症)は、血清尿酸値を正常に維持した群(正常尿酸値→正常尿酸値)または低下した群(高尿酸血症→正常尿酸値)に比べ、推算糸球体濾過量(eGFR)が低下することが示された。いずれの研究も因果関係は言及していないが、血清中の尿酸が腎臓病に影響を与えている印象は強い。さらに、尿酸生成抑制薬アロプリノールを用いて血清尿酸値を下げた2010年の臨床研究では(図4)、eGFRの低下が抑制されることが示された。しかしこの内容だけでは、「尿酸の低下が腎障害の進展を抑
CQ7(Clinical Question)
高尿酸血症はCKDの発症・進展に影響を及ぼすか?
Answer 高尿酸血症はCKDの進展に影響を及ぼす可能性がある。
図5
日本腎臓学会編『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』P22より
最近の疫学研究から、まだ明確な結論は出ていないが、高尿酸血症は腎障害やCKDの発症・進展に密接な関連を有していることが示されている。
解説(※抜粋)
CKDと高尿酸血症
CKDにおける尿酸管理の重要性
C3No.4693 ● 2014. 4. 5
Matsuzawa Y.: Mebio.: 28(11): 101, 2011
図6 薬物排泄経路の違い
活性代謝物オキシプリノールは主として尿中排泄
腎機能低下患者は減量が必要
肝臓で代謝不活化後、糞中、尿中にほぼ1:1で排泄
軽~中等度の腎機能低下患者でも減量不要
アロプリノール フェブキソスタット
全身の臓器で代謝 肝代謝
代謝物(オキシプリノール) 代謝物
尿中排泄 尿中排泄糞中排泄
近終了した臨床試験(中等度~高度腎機能障害を伴う高尿酸血症患者におけるフェブキソスタットの忍容性の検討)によって、その有効性と安全性が確認されている。フェブキソスタットの尿酸低下効果は、国内で実施
した第Ⅲ相試験「アロプリノール対照無作為化二重盲検比較試験」において(図7)、痛風を含む高尿酸血症患者244例を対象にアロプリノール200mg/日またはフェブキソスタット40mg/日を投与した結果、投与開始後8週の血清尿酸値変化率はアロプリノール群-35.2%、フェブキソスタット群-41.5%であった(p<0.001)。
FEATHER研究は、プラセボ対照の二重盲検試験で 血清尿酸値を各医療施設では測定しないことにした
これまでの研究から、CKDでは高尿酸血症を合併する頻度が高く、高尿酸血症を伴うCKDは伴わないCKDより進行が早いことから、高尿酸血症がCKDの危険因子であることは明らかである。しかし、肝心の両者の因果関係は明らかではない。これを明らかにするためには、尿酸を十分低下させるフェブキソスタットを使う群と使わない群にランダム割
付けし、2群で腎機能の経過を見る介入研究が必要だ。そうしてはじめて尿酸低下療法が腎機能低下を抑制するかどうかの問題に決着をつけることができる。この課題を掲げてスタートしたのが、現在進行中の市販後臨床試験「FEATHER研究」だ(表1、図8)。当初、われわれは「試験は非盲検でやらざるをえ
ないだろう」と思っていた。エビデンスとしては弱いが、市販後臨床研究という性質上やむを得ないと考えていた。しかし、「二重盲検」を主張する先生もいらっしゃり、最終的に二重盲検でやろうということになった。とはいえ、血清尿酸値の推移を見ればどちらの群かが分かるので盲検性が担保できない。そこで、血清尿酸値は各医療施設では測定せず中央でのみ測定し、担当医師にも被験者本人にも分からないようにする方法が採られた。ただし、中央の効果安全性評価委員会が被験者の血清尿酸値をモニターし、許容範囲から外れると主治医に知らせる仕組みを作った。
FEATHER研究で特筆すべきは、二重盲検によって尿酸を下げない群を作ったことと、各医療施設で尿酸を測定しないという2点だ。「それは倫理的に問題ではないか」という声があったり、実施予定施設の倫理委員会の承認がなかなか得られなかったり、これでは実施できないと断って来た施設もあった。
p<0.001
-41.5 共分散分析平均±標準偏差
-35.2
血清尿酸値変化率
対 象 : 痛風を含む高尿酸血症患者 244例 投与方法 : フェブキソスタット群又はアロプリノール群に無作為化し、導入期間
としてフェブキソスタット10 mg又はアロプリノール100 mgを1日1回朝食後、12日間経口投与した後、治療期間としてフェブキソスタットは40 mgを1日1回朝食後、アロプリノールは100 mgを1日2回
(200 mg/日)朝夕食後、44日間投与した。評価方法 : 投与開始前に対する投与開始後8週の血清尿酸値の変化率を算出した。
Last observation carried forward
図7 投与開始後8週の血清尿酸値変化率
帝人ファーマ社内報告:アロプリノール対照無作為化二重盲検比較試験(痛風を含む高尿酸血症患者),2010
0
-10
-20
-30
-40
-50
-60
アロプリノール200 mg/日
(n=120)
フェブキソスタット40 mg/日(n=122)(%)
CKDにおける尿酸管理の重要性
C4 No.4693 ● 2014. 4. 5
FEATHER研究 試験概要FEbuxostat v.s. placebo rAndomized controlled Trial on renal dysfunction in patients with HypEruricemia associated with chRonic kidney disease stage 3
Umin(UMIN000008343)より抜粋
慢性腎臓病ステージ3を伴う高尿酸血症患者を対象としたフェブキソスタット製剤の腎機能低下抑制効果に関する試験慢性腎臓病ステージ3を伴う高尿酸血症患者を対象として,フェブキソスタット投与による高尿酸血症治療について,推算糸球体濾過量(eGFR)を指標とした腎機能低下抑制効果を検証する慢性腎臓病,高尿酸血症 (1) 同意取得時の年齢が20歳以上 (2) 血清尿酸値が7.0 mg/dLを超え (>7.0 mg/dL),10.0 mg/dL以下 (≦10.0 mg/dL)の高尿酸血症 (3) eGFRが30 mL/分/1.73 m2以上, 60 mL/分/1.73 m2未満 (4) 痛風の既往がない (5) 患者本人から本研究の参加に対する 文書による同意取得 多施設共同,プラセボ対照,二重盲検,ランダム化並行群間比較108週間400例eGFRのslope
(1年あたりの変化量, mL/分/1.73m2/年) 木村 健二郎/細谷 龍男
試 験 名
研 究 目 的
対 象
選 択 基 準
試験デザイン
観 察 期 間目標参加者数
主要評価項目
責 任 研 究 者
表1一時は登録目標の400例に届かないのではと心配
したが、幸い多くの先生方にわれわれの主旨を理解していただけたことと、CKD患者の社会貢献に対する意識の高さに助けられ、2013年末(登録期間)までに467例に到達することができた。最後に、“研究費用とデータ処理の問題”を説明し
ておく。FEATHER研究は医師主導の臨床研究である。その研究遂行に必要な事務局業務やデータ処理業務は、研究者から独立した外部組織(公益財団法人パブリックヘルスリサーチセンター)に依頼している。さらに、本研究の主旨と目的に賛同したフェブキソスタット(製品名フェブリク®)の製造販売元である帝人ファーマ株式会社が、パブリックヘルスリサーチセンターと「FEATHER研究に対する支援契約」を結び、資金提供を行っている。
FEATHER研究ではこのように、“医師と企業の関係”および“データ処理の問題”をクリアなものにしている。こうした仕組みの実現によって、科学的かつ倫理性に問題のない臨床研究が担保されると考える。
試験治療後108週(約2年)まで観察,検査,評価(試験中止基準を満たさない限り継続)
研究予定期間:2012年6月~2015年12月
プラセボ群10㎎錠,1錠/日にて開始
開始後4週に20㎎錠(1錠/日)へ増量開始後8週に40㎎錠(1錠/日)へ増量その後は40㎎錠(1錠/日)を維持
フェブキソスタット群10㎎錠,1錠/日にて開始
開始後4週に20㎎錠(1錠/日)へ増量開始後8週に40㎎錠(1錠/日)へ増量その後は40㎎錠(1錠/日)を維持
計400例
登録期間:2012年6月~2013年12月
木村健二郎氏ご提供
割付調整因子●施設(各試験実施施設)●性別(男,女)●年齢(65歳未満,以上)●血清尿酸値 (8.0㎎/dL未満,以上)●蛋白尿,定性(有,無)●糖尿病の合併(有,無)
生活指導
FEATHER研究 試験デザイン対象患者:CKD(ステージ3a,3b)を伴う高尿酸血症患者
(痛風患者を除く)
登録,ランダム割付
図8
CKDにおける尿酸管理の重要性