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オペレーションマニュアル

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オペレーションマニュアル

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2 HALion Symphonic Orchestra

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HALion Symphonic Orchestra 3

目 次5 ようこそ7 インストール7 Steinberg キーについて8 動作環境(Windows)9 動作環境(Mac OS X)10 ソフトウェアのご登録について10 HALion String Edition からアップグレードした場合11 HALion Symphonic Orchestraの使用にあたって11 Cubase を使用して VST インストゥルメントとして設定する13 DXi2 対応音源として設定する15 Audio Units 対応音源として設定する15 スタンドアローン、または ReWire スレーブ音源として設定する18 HALion Symphonic Orchestraの詳細18 プログラム (.fxp)、バンク (.fxb)、HALion Sound Bank (.hsb) ファイルについて19 16 個のプログラム・スロット20 サウンド・エディット25 グローバル・コントロール25 グローバル・コマンド・コンテキスト・メニュー26 キーボード27 "DISK" LED28 RAM Saveボタン28 システム・パフォーマンスについて30 コンテンツについて30 HALion Symphonic OrchestraのライブラリをHALion 3.1 で使用する30 強弱のコントロールについて31 主要なプログラムタイプ32 各楽器のプログラム34 プログラムの奏法41 表現力とリアリティを高めるために44 演奏 /表現コントロールの一覧45 コンテンツの構造とプログラムについて45 デモ・コンテンツ45 プログラム・リファレンス49 プログラム77 チュートリアル : オーケストラ・セクションのアレンジ77 各楽器の手引き77 スコアの順番について79 一般的な奏法81 各楽器の移調(トランスポーズ)82 木管楽器

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HALion Symphonic Orchestra 4

87 金管楽器90 打楽器94 弦楽器97 構造と和音のバランスについて97 グループ97 楽器97 和音100 HALion Symphonic Orchestraによるスコアの再構成100 1 ページ目101 HALion Symphonic Orchestraで適切なプログラムを選択する101 楽器の配分104 微調整とミキシング104 参考文献

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HALion Symphonic Orchestra 5

ようこそHALion Symphonic Orchestra は、オーケストラを構成するための様々なサウンド・ライブラリと

扱いやすさを兼ね備えたソリューションを探し求めているミュージシャンやコンポーザーのために作られました。

HALion Symphonic Orchestra のライブラリと機能を効果的に活用することでリアリティある管弦楽、表現力豊かなソロ、美しい小編成のトラックを、PCベースのブロダクション環境で作成する

ことができます。純粋な情感、表現力、オーケストラのありのままの規模感を取り込むことで、HALion Symphonic

Orchestra はソロとアンサンブル・サウンドを含むダブルベース、チェロ、ビオラ、バイオリンに加えて、金管楽器、木管楽器、打楽器まで、高品質の膨大なサウンドを提供します。

各楽器の様々な奏法とアーティキュレーションにも対応。サウンド・ライブラリは総計 27GB(ライブラリは 24bit 版と 16bit版が収録されています。24bit 版は 16.3GB、16bit 版は 11.3GBの容量

です。)におよびます。すべてのコンテンツは柔軟にアクセス可能。クラシックのみならず、ポップス、ロック、ヒップホップ、R&B、その他あらゆるジャンルの音楽制作にご利用頂くことができ

ます。あなた専用の管弦楽団を十分にお楽しみください !

Steinberg チーム

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6 HALion Symphonic Orchestra

HALion Symphonic Orchestra プロデューサー - Claudius Brue プロフィールClaudius Bruese - ドイツ生まれ。1978 年シアトルにおいて奨学金を得て Cornish Instituteに在籍。その当時から音楽家としてのキャリアを開始。ドイツに帰国後、1984 年に電子機器とコンピュー

タを使用した作曲コースを卒業したエッセンにある Folkwangschule で作曲を学んだ後、ケルンでジャズの作・編曲を修学。その後長く、ケルンとロスアンゼルスにある 2つの自宅を頻繁に往復し

ながら、大西洋をまたいでアメリカ、ヨーロッパの至るところで、室内楽から管弦楽曲、ドキュメンタリー、テレビ、映画で使用する商業音楽を多数創作する傍ら、Waldorf 社の Wave シンセサイ

ザーの共同開発に携わるほか、多くの雑誌用記事の執筆活動も行っています。

Claudius 氏とSteinberg は、12 年間にわたり様々なプロジェクトを共同作業してきました。VST イ

ンストゥルメントの "The Grand"、"HALion String Edition" が代表的な作品です。

HALion Symphonic Orchestra のすべての部分を、Claudius 氏が直接手掛けています。優れた音質

と透明度、繊細さ、無比の操作性と柔軟性を兼ね備え、アコースティック楽器がもつ固有のサウンドを高精度で再現できるように設計されています。

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HALion Symphonic Orchestra 7

インストール

Steinbergキーについて

HALion Symphonic Orchestra ソフトウェアをインストールする前にお読みください。

HALion Symphonic Orchestraのパッケージには別売のSteinberg Keyにソフトウェアのライセンス(使用許諾)情報を入力するためのアクティべーション・コードが同梱されています。HALion

Symphonic Orchestra のライセンス情報が記憶された Steinberg Key がコンピュータに接続されていないとソフトウェアは起動いたしません。Steinberg Key は別途ご購入頂くか既にご所有されて

いる Steinberg Key をご使用ください。

Steinberg キー

Steinberg Key は Steinberg 社製のソフトウェアのライセンス情報を記憶することができる小さなコンピュータとも言えます。ハードウェア・プロテクションが施されている Steinberg 製品は同じ

種類のプロテクト・デバイス(キー)を使用します。1個のキーに複数のライセンス情報を記憶させることができます。

• Windowsコンピュータを使用している場合はSteinberg Keyのドライバをインストールする作業の過程においてコンピュータを再起動する内容のメッセージが表示されますので、再起動した後にUSB ポートにSteinberg Keyを接続してアクティべーション作業を行ってください。

• Macintosh コンピュータを使用している場合はSteinberg Keyのドライバをインストールしている最中にコンピュータは自動では再起動されませんので、インストーラーが表示する情報に従って作業を進めてください。

• Steinberg key を既にご所有されている場合、HALion Symphonic Orchestra のインストール中はUSB ポートからSteinberg Keyを取り外してください。

初めて Steinberg Key を使用される場合、HALion Symphonic Orchestra のインストール前、およびインストール中にSteinberg Keyはコンピュータに接続しないでください。接続されている場合、コンピュータが Steinberg Keyを USBハードウェアとして認識して、OS に存在しないドライバを探してしまいます。

例えば Cubase や Nuendo のユーザー等、既に Ste inberg Key を使用している方は HALionSymphonic Orchestraに同梱されているアクティべーション・コードをご使用中の Steinberg Keyに入力することもできます。この方法をご選択された場合、1 個の Steinberg Keyでホストアプリケーションと HALion Symphonic Orchestra 両方をご利用頂くことができます。

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8 HALion Symphonic Orchestra

動作環境(Windows)

• CPU:Pentiu m 42GHz/Athlon XP 2800+以上

• RAM:1GB以上

• HDD:17GB以上の空容量(24bit/16bit 両コンテンツをインストールする場合は27GB以上の空き容

量)

• OS:Windows XP Professional/XP Home Edition

• オーディオ・デバイス :

- プラグイン、または ReWire接続する場合はホストアプリケーションの仕様に準じます。

- スタンドアローンで使用する場合はWindows MMまたは ASIO 対応のオーディオ・デバイスが必要です。(ASI デバイスを強く推奨)

• ディスプレイ:1024 × 768 - フルカラー以上の解像度

• DVD-ROM ドライブ

• Steinberg Key(別売の USBプロテクション・デバイス)接続用の USB端子

- 既に Steinberg Key をお持ちの場合は、再度ご購入頂く必要はございません。

- 本製品に同梱されているアクティベーション・コードを使用して、Steinberg Key をオーソライズする際、およびSteinberg Keyの最新ドライバをダウンロードして頂くためにはインターネッ

ト接続環境が必要です。

備考 :

• 上記の動作環境または推奨環境を満たしている場合でも、すべてのコンピュータにおける動作を保証するものではありません。

• ビデオ専用のメモリを搭載せず、メイン・メモリと共有するタイプのコンピュータではご使用頂けない場合があります。

• リアルタイム演奏をするためには、レイテンシーを低く設定できるオーディオ・デバイスが必要です。

• コンピュータの総合的な性能によりパフォーマンスに違いがあります。

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HALion Symphonic Orchestra 9

動作環境(MacOS X)

• CPU:Power PC G5 2GHz 以上

• RAM:1GB 以上

• HDD:17GB以上の空容量(24 bit/16bit 両コンテンツをインストールする場合は 27GB以上の空き

容量)

• OS:Mac OSX 10.4 以上

• オーディオ・デバイス :

- プラグイン、または ReWire 接続する場合はホストアプリケーションの仕様に準じます。

- スタンドアローンで使用する場合は CoreAudio 対応のオーディオ・デバイスが必要です。

• ディスプレイ:1024 × 768 - フルカラー以上の解像度

• DVD-ROMドライブ

• Steinberg Key(別売の USBプロテクション・デバイス)接続用の USB端子

- 既に Steinberg Key をお持ちの場合は、再度ご購入頂く必要はございません。

- 本製品に同梱されているアクティベーション・コードを使用して、Steinberg Key をオーソライ

ズする際、および Steinberg Key の最新ドライバをダウンロードして頂くためにはインターネット接続環境が必要です。

備考 :

• 上記の動作環境または推奨環境を満たしている場合でも、すべてのコンピュータにおける動作を保

証するものではありません。

• ビデオ専用のメモリを搭載せず、メイン・メモリと共有するタイプのコンピュータではご使用頂け

ない場合があります。

• リアルタイム演奏をするためには、レイテンシーを低く設定できるオーディオ・デバイスが必要で

す。

• コンピュータの総合的な性能によりパフォーマンスに違いがあります。

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10 HALion Symphonic Orchestra

ソフトウェアのご登録について製品に同梱されているユーザー登録書に必要事項をご記入の上、ご返送ください。ユーザー登録が

完了するとテクニカル・サポートをはじめ、今後のバージョン・アップなど、様々なサービスをお受け頂くことができます。

HALion String Editionからアップグレードした場合

HALion String Edition Vol.1、または HALion String Edition 2 のユーザー様で、HALion SymphonicOrchestra をシステムに追加された場合は、HALionString Editionのストリング(弦楽器)セクショ

ンを使用したプロジェクトを、HALion Symphonic Orchestra のストリング・セクションに置き換えることができます。

置き換え方法:一度 HALion String Editionがインストールされた状態でプロジェクトを開いてください。HALionSymphonic Orchestraを新たに起動して、HALion String Editionで使用しているもの

と同じプログラムを HALion Symphonic Orchestra に読み込んでから HALionString Editionが選ばれている MIDI トラックの出力先を HALion Symphonic Orchestra に変更します。

HALion Symphonic Orchestra をインストール後に、HALion String Editionをコンピュータから削除したい場合は、削除する前に上記の作業を HALion String Edition を使ったすべてのプロジェクトで行なってください。

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HALion Symphonic Orchestra 11

HALion Symphonic Orchestraの使用にあたって以下のセクションでは異なるプラグイン・フォーマットにおける HALion Symphonic Orchestra の

設定方法について説明します。

Cubase を使用してVST インストゥルメントとして設定する

HALion Symphonic Orchestra を Cubase SX の中で使用する方法について説明します。まずはじめに Cubase SX、MIDI インターフェイス、オーディオ・デバイスが適切に動作していることをご確認ください。

HALion Symphonic Orchestra の起動方法:

1. MIDI キーボードから送られてきたMIDI 信号を Cubase SX が受信しているかご確認ください。

2. Cubase SX のデバイス・メニューから "VST インストゥルメント " を開きます。VST インストゥルメントのスロットから "HALionSymphonic Orchestra"を選択してください。

3. HALion Symphonic Orchestra が選択された VSTインストゥルメント・ラックの電源ボタンをオン状態にしてください。初期設定では VST インストゥルメントが選択された段階でオン状態になっています。

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12 HALion Symphonic Orchestra

4. HALion Symphonic Orchestraが選択された VST インストゥルメント・ラックのエディット・ボタン(“e”マークのボタン)をクリックするとHALion Symphonic Orchestraのインターフェイスが表示されます。

HALion Symphonic Orchestra ウィンドウ

5. Cubase SX の中で MIDI トラックを選んで出力先を HALion Symphonic Orchestra に設定します。MIDI トラックの "in"(入力)は"All MIDI Inputs"もしくは MIDI キーボードが接続されている MIDIトラックを選択してください。こうすることで HALion Symphonic Orchestra は選択したMIDI トラックからMIDI 信号を受信する

ことができます。

• HALion Symphonic Orchestraは MIDIを 16チャンネル個別に受信することができるマルチティンバー音源なので、MIDI の受信チャンネルを設定する必要はありませんが、Cubase SX の MIDIの送信チャンネルが呼応する HALion Symphonic Orchestra の MIDI チャンネルと合っているかご確認ください。これで HALion Symphonic Orchestra をご使用頂く準備が整いました。

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HALion Symphonic Orchestra 13

DXi2対応音源として設定する

HALion Symphonic Orchestra を Cakewalk SONARの中で使用する方法について説明します。まずはじめに SONAR、MIDIインターフェイス、オーディオ・デバイスが適切に動作していることをご確認ください。SONAR 以外の DXi2 対応ホストアプリケーションでご使用される場合は各アプリケーションに付属するマニュアルをご参照ください。

HALion Symphonic Orchestra を使用するには、次の手順に従ってください:

1. MIDI キーボードから送られてきた MIDI 信号を SONAR が受信しているかご確認ください。"MIDIIn/Out Activity" アイコンでご確認頂くことができます。

2. SONARの Viewメニューから "Synth Rack"を開きます。

3. インサート・ボタンをクリックするか、メイン・メニューのインサート・オプションを選択してください。

Synth Rack ウィンドウのインサート・ボタン

4. Soft S ynth サブ・メニューを開いて、HALion Symphonic Orchestraを選択します。

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14 HALion Symphonic Orchestra

5. 初期設定では "InsertSoft Synth Option"ダイアログが表示されるので MIDIトラックを 1つ作成して、HALion Symphonic Orchestra の出力 1 と 2 をオーディオ・トラックに接続してから "MIDISource" と"First Synth Audio Output"オプションを有効にします。HALion Symphonic Orchestraのすべての出力を有効にする時は "All Synth Audio Outputs"を有効にしてください。出力ルーティングのスキームは、HALion Symphonic Orchestra において、各楽器グループを構成

する際に使用します。ミキシングの際に 1 つ以上の出力を使用する場合は、ご使用の DXi アプリケーションの設定において、すべての出力を接続してください。1番目のオーディオ出力のみを接

続して使用すると、システムリソースの消費を抑えることが出来ます。HALion SymphonicOrchestra のプログラムスロットに用意されている "Out" ポップアップで、出力先を手動で設定し

てください。これを行わないと何も聞こえません。

6. Synth Rackの"Connection State" ボタンをクリックすることで HALion Symphonic Orchestraをオン / オフすることができます。初期設定では DXi ソフトウェア音源を起動した時にオン状態になっています。

7. "HALion Symphonic Orchestra"の文字をダブルクリックするか、Synth Rackのツール・バーにある "Synth Properties"ボタンをクリックして HALion Symphonic Orchestraウィンドウを開くことができます。

Synth Rack ウィンドウの Synth Propertiesボタン

8. SONAR の画面で先ほど作成したMIDI トラック "HALion Symphonic Orchestra"を選択してください。HALion Symphonic Orchestra は選択したトラックから MIDI 信号を受信しているはずです。MIDI トラックのインプットが All または MIDI キーボードが接続されている MIDI トラックに設定されていることをご確認ください。HALion Symphonic Orchestra は MIDI を 16チャンネル個別に受信することができるマルチティン

バー音源なので、MIDI の受信チャンネルを設定する必要はありませんが、現在選択している SONARトラックが HALion Symphonic Orchestra がMIDI 信号を受信しているMIDI チャンネルに設定され

ているかご確認ください。

これで HALion Symphonic Orchestra をご使用頂く準備が整いました。

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HALion Symphonic Orchestra 15

AudioUnits 対応音源として設定するHALion Symphonic Orchestra をLogic Pro 7 の中で使用する方法について説明します。まずはじめ

に Logic Pro、MIDIインターフェイス、オーディオ・デバイスが適切に動作していることをご確認ください。Logic Pro 以外の Audio Units 対応ホストアプリケーションでご使用される場合は各アプ

リケーションに付属するマニュアルをご参照ください。

1. Track Mixerを開いて、インストゥルメント・チャンネルを選択してください。

2. I/Oフィールドを [Cmd]+ クリックして、ポップアップ・メニューから Multi-Channel またはStereoを選択してください。

3. サブメニューが現れますので HALion Symphonic Orchestra を選択してください。この作業が終了すると HALion Symphonic Orchestra は Audio Unitsインストゥルメントとしてご使用頂ける準備が整います。

スタンドアローン、またはReWireスレーブ音源として設定するHALion Symphonic Orchestra はホストアプリケーションとは独立して動作させることができるス

タンドアローン・アプリケーションとしてもご使用頂くことができます。このためホストアプリケーション側が ReWire 2 に対応していれば HALionSymphonic Orchestraが対応するプラグイン・

フォーマット(VSTi、DXi、Audio Units)に対応していない場合でも同時にご使用頂くことができるのです。

ReWire 2は 2つのアプリケーション間のオーディオと MIDI 信号の送受信を可能にするプロトコルです。最初に起動するアプリケーションがオーディオ・デバイスのリソースを掴むため、ReWire

で接続し合う 2つのアプリケーションを起動する順番は重要です。

1. Digidesign ProTools や Ableton Live などのシーケンサー・アプリケーション(ReWire マスター)を起動します。ご使用されるシーケンサー・アプリケーションが ReWire 2に対応している場合、オーディオと MIDI

チャンネルを割り当てる機能を持っているはずです。詳しい内容に関してはシーケンサー・アプリケーションのマニュアルをご参照ください。

2. 次に HALion Symphonic Orchestra をスタンドアローン・アプリケーション(ReWireスレーブ)として起動してください。HALion Symphonic Orchestra は Windowsの場合は“スタート”メニューから、またはデスクトップ・アイコンから、Macintosh の場合はアプリケーション・フォルダのアプリケーション・シンボ

ルから起動することができます。

HALion Symphonic Orchestra のインストール後に ReWire 機能を有効にするために一度プログラムを起動する必要があります。

ReWire 接続された HALion Symphonic Orchestra を使って演奏すると、オーディオ信号は ReWire

を経由して ReWire マスターとして動作しているホストアプリケーションのミキサー・チャンネルから出力されます。

ホストアプリケーションと HALion Symphonic Orchestra は独立したアプリケーションとして動作しているので、ホストアプリケーションのプロジェクトを保存する場合、HALion Symphonic

Orchestra が使用しているチャンネルとバス情報はそのまま保存されますが、HALion SymphonicOrchestra 側の設定までは含まれません。HALion Symphonic Orchestra の設定を保存する場合は、

HALion Symphonic Orchestra の"Save Bank" 機能を使用してください。

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16 HALion Symphonic Orchestra

ホストアプリケーションと HALion Symphonic Orchestra を使用して行った作業を保存して一旦終

了した後に再度作業を再開する場合はホストアプリケーションを起動してプロジェクト・ファイルを開いた後に、HALion Symphonic Orchestra を起動してから "LoadBank" 機能を使用して先ほど保

存したバンク・ファイル(.fxb)を読み込んでください。

Preference(初期設定)ダイアログHALion Symphonic Orchestra をスタンドアローンとして動作させた場合、アプリケーション・ウィンドウの左上にある File メニュー (Win)/ ディスプレイの左上の HALion Symphonic Orchestra メ

ニュー (Mac) に"Preference"があります。Preference ウィンドウにはいくつかのオプションがあります。

• このダイアログは、HALion Symphonic Orchestra をスタンドアロン・アプリケーションとして初めて起動した時に自動で表示されます。

• "ASIO Device" ポップアップから、オーディオ・デバイスのドライバを選択します。

• "ASIO Device" ポップアップの下段に、HALion Symphonic Orchestra のソフト内の出力(仮想出力)をオーディオ・デバイスの物理出力に割り当てる "ASIO Output" の項目があるので、その中から1つ選択してください。"ASIO Control Panel" ボタンをクリックすると、ご使用される ASIOデバイスの細かな設定を行うた

めのダイアログが開きます。

• ASIO Device(ASIO デバイス)ポップアップ・ウィンドウHALion Symphonic Orchestra のオーディオ信号を出力するオーディオ・デバイスを選択することができます。ASIO Device で選択したオーディオ・デバイスが複数の出力端子を備えている場合、

ポップアップ・ウィンドウの下にある "ASIOOutput" 欄で HALion HALionSymphonic Orchestraが搭載する 5 つのステレオ出力をオーディオ・デバイスのどの出力に結線するか決めることができま

す。"ASIO Control Panel" をクリックするとオーディオ・デバイスのドライバがオーディオ・デバイス

の設定を変更する時に使用するコントロール・パネルが開きます。

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HALion Symphonic Orchestra 17

• "Enable Hybrid RewireMode(設定変更後に再起動が必要です。)" のオプションをオンにすると(初期設定はオフ)、ReWireスレーブモード時に、システムのMIDI ポートに直接アクセスできるようになります。システムの MIDIポートから受信した MIDI データと、ReWireを介して受信したホストシーケンサーの MIDI入力のデータがマージされますHALion Symphonic Orchestra をスタンドアロン・モードで使用している場合、この設定を変更し

た際はプログラムを再起動する必要があります。

• "MIDI Input" ポップアップを使用して、MIDI入力を設定します。"Reset MIDI"ボタンをクリックすると、すべての MIDIコントロール情報がリセットされます。MIDI キーボードの "Panic"ボタンを押した場合と同様です。

• MIDI Input(MIDI入力)ウィンドウHALion Symphonic Orchestra を演奏するために使用する MIDI デバイスを選択してください。

"Reset" ボタンはHALion Symphonic Orchestra に入力されている特定の MIDI ノートのオフ情報を受け付けることができずに鳴りっぱなしになった場合などに MIDI 入力情報を一旦解除(リセット)

したい時にクリックしてください。機能的には MIDI キーボード側のパニック・ボタンに近い働きをします。

• Tempo / Time Signature(テンポ/ 拍子)ウィンドウHALion Symphonic Orchestra にテンポと拍子情報を定義づけることができます。

スタンドアローンで動作させている場合、テンポおよび拍子情報はホストアプリケーション側から得ることができません。

ファイル・メニュー(Win) / HALion Symphonic Orchestraメニュー(Mac)にあるその他の機能(Save/Load Bank、Save/Load Program)の働きはVSTi のコンテキスト・メニューと同じです。

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18 HALion Symphonic Orchestra

HALion Symphonic Orchestraの詳細

プログラム (.fxp)、バンク (.fxb)、HALion SoundBank (.hsb) ファイルについてHALion Symphonic Orchestra は同梱されている DVD に収録されているコンテンツ・ファイルを再

生することができますが、コンテンツ・ファイルは HALion Sound Bank (.hsb)形式で保存されています。.hsb ファイルに含まれているプログラム・ファイルを再生するために HALion Symphonic

Orchestra には 16個のプログラム・スロットがあります。

• 16 個あるプログラム・スロットには各スロットに対して 1 つずつプログラム・ファイル(.fxp)を読み込ませることができます。プログラム・ファイルにはそのプログラム用のサンプルとパラメーター情報が含まれています。プログラム・ファイル(.fxp)は "LoadProgram" 機能を使用して読み込みます。プログラム・スロット、またはコンテクスト・メニューから行うことができます。コンテクスト・メニューの "Save

Program" 機能を使用することで読み込んだプログラムをエディットした後に別のプログラムとして保存することもできます。

• すでにプログラムが読み込まれているプログラム・スロットに "Load Program"機能を使用して新しいプログラムを読み込ますと新しいプログラムが最初にあったプログラムと入れ替わります。

• プログラム設定を含む16個すべてのプログラム情報の読み込み、保存にはバンク(.hsb)機能を使用します。読み込みには "Load Bank"、保存には "Save Bank"機能を使用します。"Load Bank"と"Save Bank"機能はコンテクスト・メニューにあります。

• プログラム・ファイルとバンク・ファイルはそれぞれが使用するサンプル・ファイルのリストで構成されており、実際のサンプル・データが含まれているわけではありません。一方で ".hsb"ファイルに関してはプログラム情報とサンプル・データが含まれます。".hsb"ファイルは最大で 128プログラム分の情報を含めることができます。

• ".hsb"ファイルは複数のプログラム・ファイルとその中で使用されているサンプル・ファイルを含んだアーカイブ・ファイルなので、HALion Symphonic Orchestra は ".hsb"ファイルを直接読み込むことはできません。"LocateContent" 機能を使用して HALion Symphonic Orchestra に ".hsb"ファイルが保存されている場所を指定すると HALionSymphonic Orchestraから ".hsb"ファイルに含まれるプログラム情報を見ることができます。"Locate Content" 機能についての詳細は 24ページをご参照ください。

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HALion Symphonic Orchestra 19

16個のプログラム・スロットプログラムは HALionSymphonic Orchestraの 16 個あるプログラム・スロットのいずれかに読み込

ませることができます。

HALion Symphonic Orchestra が搭載する1 個目のプログラム・スロット

HALion Symphonic Orchestra は16 個のプログラム・スロットに対して編集画面を 1つ持っていま

す。“INS.”ボタンで編集したいプログラムを選択してください。

項目 説明

INS. 演奏、または編集したいプログラムを選択する場合はこの部分をクリックしてください。

CATEGORY 特定ジャンルのプログラムをブラウズしたい場合に使用します。ここにはポップアップが2段表示されます。プログラム・スロットへ新しいプログラムをロードするときに "Load Program" ポップアップに表示されるプログラムの種類を制限するためにカテゴリー・ポップアップを使用してカテゴリーを設定してください(24ページ参照)。

PROGRAM 逆三角形のマークをクリックしてLoad Programポップアップ・メニューを選択します。.hsbに含まれない(自身が保存した)プログラムを選ぶ時は"Load Program"を選択してください。".fxp" ファイル(プログラム・ファイル)を読み込むためのファイル・ダイアログが現れます。もちろんLoad Programポップアップ・メニューに表示されているリストからプログラムを選択することもできます。リストはこのスロットに".hsb"ファイル(バンク・ファイル)が割り当てられている場合のみ表示されます。ここでは".hsb"ファイルの中に含まれている".fxp"ファイルのみが表示されますのでご注意ください。

CH 個々のプログラム・スロットが使用するMIDIチャンネルを設定します。

VOL 個々のプログラム・スロットのボリュームを変更します。マウスの右クリック(Win)/[Ctrl]を押しながらマウスをクリック(Mac)すると新しい値を直接入力することができます。ここで設定された値はHALionSymphonic Orchestra全体ではなく、個々のスロットに影響を及ぼします。

PAN 個々のプログラム・スロットのパンを変更します。この部分をクリックするとスライダーが現れてパンを変更することができます。ここで設定された値は HALionSymphonic Orchestra全体ではなく、個々のスロットに影響を及ぼします。

OUT この部分をクリックすると " Output " ポップアップ・メニューが開きます。"Program"に設定すると、読み込んだプログラムが保存された時に設定されていた出力先が反映されます。"Program"の他にHALion Symphonic Orchestraが搭載する出力先をプログラムごとに選択することができます。

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20 HALion Symphonic Orchestra

サウンド・エディットHALion Symphonic Orchestra は付属ライブラリを再生するばかりでなく、音色の編集を行なうこ

とができます。

バイパス・ボタン、FX LED、Qコントロール、オプション・ボタン

Q コントロールプログラム・スロットの下にあるサウンド編集セクションに Qコントロール(横一列に並んだ 8個のノブ)があります。Qコントロールを使用して選択されているプログラムのパラメーターを最高

で 8 種類コントロールすることができます。

パラメーターの変更は各ノブを回して行なえます。各ノブの上段にはパラメーター名が、下段には

現在のパラメーター値が表示されています。各 Qコントロールでコントロールできるパラメーターは.fxb ファイル内で定義されているため、別

の.fxbファイルを読み込むと新しく読み込んだ.fxbファイル内で定義されているパラメーターが表示されます。

8個あるQコントロールにどのようなパラメーターが割り当てされているかは選択されたプログラムによって決まるので、.fxb ファイルに割り当て情報が保存されているとも言えます。Qコントロールに割り当てされているコントロールを変更することはできません。

バイパス・ボタンと FX LEDQ コントロールの左側に HALion エフェクトを使用するためのボタンと LED があります。ボタンを使ってエフェクトのオン /オフが行なえます。LED はプログラムがエフェクトを使用している時

に点灯しています

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HALion Symphonic Orchestra 21

プレイヤー・オプションQコントロールの右側にある "OPTIONS" と書かれた " ボール " アイコンをクリックするとプレイヤー・オプション・ダイアログが表示されます。

プレイヤー・オプション・ダイアログ

プレイヤー・オプション・ダイアログの設定は HALion Symphonic Orchestra 全体の挙動に影響を及ぼします。設定内容は以下の通りです。

Memory - Voice(メモリ -ボイス)Preload into RAM(メモリへのプリロード)

各サンプルを何秒分メモリに読み込んでおくか決めます。この値は使用するサンプル数と HALionSymphonic Orchestra 用として使用するメモリ量を考慮の上設定してください。この値が小さいと

ハードディスクへのアクセスがより頻繁に行われます。

Voice Buffer(ボイス・バッファ)

HALion Symphonic Orchestra の最大発音数を設定することができます。この設定によって HALionSymphonic Orchestra が必要とするメモリ・バッファーの数が決まります。

"Size" フィールドには、各ボイスのバッファサイズがキロバイト単位で示されます。サイズを大きくした場合は、ディスク・ストリーミングの量が少なくなります。デフォルトでは "96KB" に設定

されています。

Advanced Disk Streaming(アドバンスド・ディスク・ストリーミング)

ディスク・ストリーミング機能をより効率的に行うための機能です。初期設定では有効になっています。プレイバックに問題が無い限り有効にしておいてください。

これらの設定方法についての詳細は 29ページをご覧ください。

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22 HALion Symphonic Orchestra

EDITING(編集)Knob Mode(ノブ・モード)HALion Symphonic Orchestra に搭載されているノブの調節方法を変更することができます。

CRESCENDO CONTROL(クレッシェンド・コントロール)

Xfadeと Xswitch 専用のコントローラーです。

CRESCENDO CONTROL メニュー内で後の章で解説されているクレッシェンド機能をコントロールするための下記 4 種類のコントローラーを選択することができます。

• Modulation wheel (CC 1) …モジュレーション・ホイール

• Breath Controller (CC 2) … ブレス・コントローラー

• Foot Controller (CC 4) … フット・コントロール

• Expression (CC 11) …エクスプレッション

• コントローラーの初期値は 0(ゼロ)なので、Xfade プログラムの音を聴くには、プログラムを読み込んだ後に、コントローラーを動かしてください。

この設定は HALion Symphonic Orchestraが読み込まれているすべてのプログラム・スロットに共通です。本設定は HALion Symphonic Orchestra をプラグインとして使用している場合、プロジェクト・データの一部として、またはバンク・ファイルとして保存、および読み込みすることができます。

オプション 説明

Circular ノブをクリックし、円を描くようにドラッグしてノブを動かします。現実のノブの調節に似た方式です。ノブのどこかをクリックして、設定を即座に変更することもできます。

Relative Circular 上記"Circular"オプションに似たものですが、クリックのみによって値の変更はできません。ノブのどこかをクリックしてドラッグすることによって現在の値を相対的に調整することができます。調整を行う場合に、現在の値の位置をクリックする必要はありません。

Linear ノブをクリックし、マウスボタンを押したまま線を描くように上下に(左右に)ドラッグしてノブを動かします。垂直(水平)方向のスライダーのように作用します。

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HALion Symphonic Orchestra 23

QUALITY(クオリティー)Quality(クオリティー)コンピューターの処理能力とオーディオ品質のバランスを調節することができます。Quality の値

を低くすると発音数を増やすことができますが、オーディオ品質は低くなります。

Resampling Quality(リサンプリング・クオリティー)

HALion Symphonic Orchestra では音階のあるプログラム内で C(ド)のサンプル音を D(レ)で再生するような場合にサンプラー内で行われる処理をリサンプルと呼んでいます。HALion

Symphonic Orchestra ではポップアップ・メニューから 3 つのオプション(Fast、Good、Best)を選択することができます。リサンプルの精度が高いと特に高音域で顕著に感じられるアンチ・エイ

リアスによる音色変化を減少させることができます。高い設定(Fast、Good、Best の順でクオリティーが高くなります。)ほどコンピュータの処理能力が必要です。高音域があまり含まれないサ

ンプルだけを使用する場合は "Fast" に設定しておいた良いかもしれません。各鍵盤に別々のサンプルが割り当てられているプログラム(ドラム・サンプルなど)の場合はリサンプルの必要がありま

せんので、この場合も設定は "Fast" でも問題ないでしょう。

Use Export Mode(書き出しモードを使用する)

ホスト・アプリケーションによっては使用中のプラグインにオーディオ・ミックスダウン(アプリケーションによっては“バウンス”、または“フリーズ”と呼ぶこともあります。)がリアルタイム

で行われるかオフラインで行われるか情報を送らないものがあり、結果として正しく処理が行われない場合があります。このような場合、本機能を有効にすることで処理が正しく行えるようになり

ます。ミックスダウンが終わったら本機能を無効にするのを忘れないでください。

MIDI CONTROLLER LIST(MIDI コントローラー・リスト)MIDI コントローラー・リストには 2 つの欄があります。左欄には 8 個ある Qコントロール(1 ~8)が順に縦に並んでいます。右欄は各 Qコントロールに割り当てられている MIDI コントローラー

が表示されています。MIDI コントローラー欄をクリックするとポップアップ・メニューが現れて128個あるMIDIコントロール番号から希望するものを1つ選択することができます。"Not assigned

(割り当てしない)"ということもできます。MIDI コントローラーを各 Qコントロールに割り当てることで MIDI キーボードや外部の MIDI コン

トローラーのノブやスライダーを利用して Q コントロールの値をコントロールすることができます。割り当て方法については以下をご参照ください。

1. 変更したい Q コントロールの右横にある MIDI コントローラー欄をクリックして、希望する MIDIコントローラー(MIDI コントロール・ナンバー、モジュレーション・ホイールなど)を選択してください。例えば最初の Qコントロール(Quick Control 1)のノブを MIDI キーボードのモジュレーション・

ホイールでコントロールしたい場合はポップアップ・メニューから "1.Modulation"を選択してください。

2. MIDI CONTROLLER LIST欄の右下にある"Learn"ボタンをクリックしてMIDIデバイスのコントローラー(ノブ、スライダー、モジュレーション・ホイールなど)を動かしてください。1.)で"1.Modulation" を選択している場合は、MIDI キーボードのモジュレーション・ホイールを動かしてください。

3. "Learn"ボタンを再度クリックします。これで割り当てられたMIDI デバイスのコントローラーを使用して Qコントロールの値をリモートすることができます。

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24 HALion Symphonic Orchestra

CONTENT(コンテンツ)"CONTENT" 欄の "Show Content by Category"にチェック・マークが入っていると、プログラムを読み込むためのポップアップ・メニューにインストールされていて且つロケーションが設定されて

いるすべての .hsb コンテンツがカテゴリ別に表示されます。チェック・マークを外すとロケーションが設定されている .hsb ファイルに含まれるプログラムをカテゴリ別に分割されたフォルダとし

て表示しますが、フォルダを開く(+ マークをクリック)と各 .hsb ファイルに含まれるすべてのコンテンツをブラウズすることができます。

".hsb" ファイルに含まれるすべてのプログラムを閲覧したくない場合でも、プログラム・スロットの "Category" ポップアップは有効です(19ページ参照)。

About Content...(コンテンツについて)"About Content..."ボタンをクリックすると HALion Symphonic Orchestraに読み込まれている .hsb

ファイルについての情報を表示します。最上部のポップアップ・メニュー、または最下段のタブを使用して .hsb ファイルを選択してください。選択すると表示されるウィンドウ内には .hsbファイ

ルの名称、短縮名、制作者、制作者のWEB アドレスに加えて、現在インストールされているロケーション情報が表示されます。

Locate Content...(コンテンツの場所をみつける)"Locate Content..." 機能を使用して HALion Symphonic Orchestra に .hsb ファイルが保存されてい

る場所を指定することができます。一度場所を指定するとプログラム・スロットのポップアップ・メニューにリスト表示されるようになります。

"Locate Content..." 機能の使用方法は以下をご参照ください。

* "Locate Content..."ボタンをクリックするとダイアログが表示されます。希望するファイルを選択して、"Open" ボタンをクリックしてください。その後にプログラム・スロットのポップアップ・メニューを開くと選択した .hsb ファイルに含まれるプログラムがリスト内に現れて HALionSymphonic Orchestraで使用できるようになります。

"Locate Content"機能はハードディスク上に新しいコンテンツ・ファイル(.hsb)をインストールした場合、またインストールしたコンテンツ・ファイルを他の場所に移す場合、またはプログラム・ソフトウェアのインストール時にコンテンツ・ファイルをインストールせずに、後で DVDから直接コピーした場合に使用してください。

• 外部ハードディスクにコンテンツをコピーして使用中に、ハードディスクの電源をオフにすると、HALion Symphonic Orchestra は、そのハードディスク上のすべてのファイルの位置情報を失います。上記の問題を避けるために、HALion Symphonic Orchestra を起動する前に、コンテンツがコピーされている外部ドライブの電源を入れてください。電源を後で入れた場合は、"Locate Content"を

再度行って頂く必要があります。

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HALion Symphonic Orchestra 25

グローバル・コントロール

マスター・チューン、ボリューム設定、ボイス数インジケーター

HALion Symphonic Orchestra 全体に影響を及ぼすチューニングとボリュームを設定します。"TUNE" の右横のノブを使って調節しますが、表示欄をダブルクリックすることで直接数値を打ち

込むこともできます。チューニングは 0.1ヘルツ(Hz)単位で行えます。

グローバル・コマンド・コンテキスト・メニューグローバル・コマンド・コンテキスト・メニューは HALion Symphonic Orchestra の画面上でマウ

スの右ボタンをクリック(Win)/[Ctrl]を押しながらマウスをクリック (Mac) すると表示されます。グローバル・コマンド・コンテキスト・メニューは以下のオプションを提供します。

パラメーター 解説

Clear All... 現在読み込まれているすべてのプログラムを取り除きます。"Clear All..."を選択すると注意を促すメッセージが表示されます。

Clear Current Program... 現在選択されているプログラムを取り除きます。

Load Bank... プログラム・バンク・ファイル(.fxb)を読み込むためのダイアログが表示されます。

Save Bank... 現在読み込まれているプログラム・バンク・ファイル(.fxb)を保存するためのダイアログが表示されます。

Load Program 16個あるプログラム・スロットのいずれかにプログラム・ファイル(.fxp)を読み込むダイアログが表示されます。

Save Program... 現在選択されているプログラム・ファイル(.fxp)を保存するためのダイアログが表示されます。

Reload Samples(from RAMSave)

RAM Save機能(28ページをご参照ください。)を使用してメモリから一時的に取り除かれているサンプルを再度読みなおすことができます。一時的にメモリから取り除かれているすべてのサンプルを読み込みなおす場合にご使用ください。

Steinberg on the Web... Steinberg(ドイツ)のWEBページへリンクされています。

Help... HALion SymphonicOrchestraのオンライン・ヘルプ(英語)を表示します。オンライン・ヘルプを開くためにはAdobe社のAcrobatReaderがインストールされている必要がございます。

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26 HALion Symphonic Orchestra

キーボードHALion Symphonic Orchestra の画面に表示されているキーボードはサンプルを割り当てることが

できる全範囲(C2 ~G8)分表示することができます。キーにサンプルが割り当てられている場合、キーをクリックすることで素早く出音を確認することができます。鍵盤の下端に青い点がある場

合、それは最後にクリックされたキーであることを表します。

• キーボードの下にあるスクロール・バーを移動させることで現在表示されているキーボード・レンジを左右に移動させることができます。

• スクロール・バーの右側にある +/-ボタンによってキーボードの表示サイズを変更させることができます。

• キーボードをクリックする位置によって様々なベロシティで出音を確認することもできます。キーボードの上側をクリックするほどベロシティは小さくなり、下側をクリックするほどベロシティは大きくなります。

• 各鍵盤にサンプルが割り当てられている場合、キーボードの最上段には緑か青のインジケーターが表示されます。インジケーターの長さはキー・ゾーンの範囲を現します。割り当てされているサンプルが変わるたびに緑と青のインジケーターが順に色づけされています。

Version History... HALion Symphonic Orchestra の最新バージョンについて書かれたドキュメント(英語)を表示します。ドキュメントを開くためには Adobe社の Acrobat Readerがインストールされている必要がございます。

IMSTA.org IMSTA ( International Music Software Trade Association) antisoftware-piracyのWebサイトへのリンクです。

About Content... HALion Symphonic Orchestra に読み込まれている .hsbファイルについての情報を表示します。

About HALion SymphonicOrchestra...

HALion Symphonic Orchestraについての情報を表示します。

パラメーター 解説

ここを押さえると、ベロシティが最大になります。

ここを押さえると、ベロシティが最小になります。

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HALion Symphonic Orchestra 27

• 鍵盤の上をマウスの右クリック(Win)/ [Ctrl]+クリック(Mac)するとピッチとベロシティ値(鍵盤をクリックする位置によって値が変わります。)が表示される小さいウィンドウが現れます。

• 鍵盤を[Ctrl]+クリック(Win)/[Ctrl]+クリック(Mac)しつづけるとHALion Symphonic Orchestraはクリックした鍵盤から順に右側へ同じベロシティを保ったまま再生します。これは割り当てられたサンプルを確認しやすくするための機能です。[Ctrl] と一緒に、さらに [Alt]/[Option]キーを押しながらキーボードをクリックすると、各サンプルがベロシティを次第に上げながら(1-127)、10回繰り返して再生します。

• HALionSymphonic Orchestraの"キースイッチ"は、演奏中にサンプルを切り替えて異なるプログラムを発音させる機能です。オンスクリーン・キーボード上でスイッチとして機能するキーを確認できます。各スイッチには番号が付いています。また使い方が異なる 2 種類のキースイッチがあります。"ks"

キーは 1度押すとオンになり、次に押すとオフになります。"kr"のキーは、それが押されている間オンとなり、離すとオフになります。画面右下の“+”ボタンを使ってオンスクリーン・キーボー

ドを拡大表示するとキースイッチが“ks”なのか“kr”なのかご確認頂くことができます。各プログラムとキースイッチについての情報は、コンテンツの説明をご参照ください。

HALion Symphonic Orchestra のCOMBIプログラムにおけるキースイッチ

"DISK" LEDHALion Symphonic Orchestra のキーボード画面の左側にある "DISK LED"は割り当てされているサ

ンプルがハードディスクからストリーム再生されている時に緑色に点灯します。また、ハードディスクからの再生が間に合わない場合は赤く点灯します。赤く点灯する場合はプレイヤー・オプショ

ン・ダイアログでボイス・バッファの値やサンプルのプリロードタイムを増やしてみてください。

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28 HALion Symphonic Orchestra

RAM Save ボタンHALion Symphonic Orchestra のキーボードの左側にある "DISK LED" の下にはRAM Saveボタンが

あります。RAM Save機能はメモリの使用量を少なくする働きがあります。本機能は現在プロジェクトで作業

中の MIDI ノート情報をスキャンして使用していない鍵盤に割り当てされているサンプルをメモリから取り除きます。

RAM Save 機能の使用について1. HALion Symphonic Orchestra の画面左下にある RAMSave ボタンをクリックすると RAM Save機能を使用する準備が整います。この時 RAM Save機能のボタンは点滅しています。

2. ホストアプリケーションのプロジェクト・ファイルを曲頭から最後(または HALion SymphonicOrchestra が使用されている最後の部分)まで再生してください。

3. 再生が終わったら再度 RAM Saveボタンをクリックします。この時 RAM Save機能を有効にするかどうか確認するウィンドウが表示されますので、有効にする場合は "Apply"ボタンをクリックします。

4. RAM Save 機能が有効になるとプロジェクトが不使用サンプルを HALion Symphonic Orchestraから一時的に取り除きます。不使用サンプルが取り除かれることで特にメモリの空容量が少ない場合にメモリの使用容量が減少してシステム全体のパフォーマンスが向上する場合があります。

• 取り除いたサンプルを再度読み込みたい場合は HALion Symphonic Orchestraのコンテクスト・メニュー(マウスの右ボタンをクリック (Wind)/[Ctrl]ボタンを押しながらマウスのボタンをクリック(Mac)を開いて"Reload Samples (from RAMSave)" を選択してください。

システム・パフォーマンスについて

HALion Symphonic Orchestra を使って大規模なプロジェクトを作成する場合、ご使用になるコンピューターのシステム・リソースを可能な限り引き出すことが非常に重要です。以下にコンピュー

ターのパフォーマンスを最適化する方法について、いくつかご紹介します。

24bit 版コンテンツ vs 16bit 版コンテンツHALion Symphonic Orchestra のコンテンツは、24bit 版と 16bit 版、2つのバージョンが用意されています。これらの違いはシンプルです : 24bit 版のプログラムはHALion Symphonic Orchestraが

本来もつ音質を提供します。パフォーマンスがある程度高いコンピューターをご使用されている場合は、こちらのプログラムを使用してみてください。

コンピュータの処理能力があまり高くないコンピュータを使用している場合や、音質が極端に重要ではない場合は(ライブ演奏の場合や背景音として使用する場合など)、16bit版のプログラムを使

用することでシステム・パフォーマンスをある程度低く抑えることができます。(同時発音数が多い場合でも 24bit 版に比べて CPU負荷を低く抑えることができます。)

さらに、プログラムによっては "ECO" バージョンも用意しました。このバージョンはリアリズムやダイナミクスのレスポンスが多少犠牲になっているものの、サンプル・レイヤー数を少なくするこ

とで、通常のプログラムよりも RAMの使用量が抑えられています。24bit版、または 16bit版プログラムがご使用のコンピューターで取り扱いきれない場合にご使用ください。

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HALion Symphonic Orchestra 29

パフォーマンスに関係する設定 - "Options"ダイアログ"Options"ダイアログの"Memory-Voice" セクションの設定は(21ページ参照)、ご使用のコンピューターのパフォーマンスに直接的な影響をおよぼします。最良の設定は、メモリ搭載量やハードディ

スクのアクセス・タイムなど、ご使用されているコンピュータの構成によって異なりますので、ご自身のコンピュータに合うように色々お試しください。以下にいくつか一般的なガイドラインを挙

げます :

• ご使用されているコンピュータのメモリ容量に応じて、"Preload into RAM"、"Voice Buffer"、"Size"の各値を設定してください。お使いのコンピュータに最適な設定値に関しては、HALion Symphonic Orchestra のグローバル・

コントロール・セクションにある、ボイス数インジケータ(25ページ)で同時発音数を確認して、"Voice Buffer"パラメータ(初期設定値:128)を必要最低限の値か、多少余裕があるように少し多

めに設定します。"Size" は初期設定値の "96KB" のままで、"Preload into RAM"を若干高めに設定してください(初期設定値:0.60 秒)。

"Preload into RAM" の設定変更は少しずつ行ってください(0.1秒以上の間隔で変更しないでください)。この値を非常に高く設定してしまうと、メモリを必要以上に多く消費してしまいます。メモリ搭載量が少ない場合は、"Preload into RAM"を短く設定してください(その分ハードディスクへの負担が増えます)。

• "Preload into RAM"の値は、HALion Symphonic Orchestraが各プログラムを読み込む際に掛かる時間にも影響を及ぼします。プログラムの読み込み時間が長くなっても構わない場合は、"Preload into RAM"の値をコンピュータが許す限り高く設定しても構いません。逆にプログラムを早く読み込みたい場合は、ハードディ

スクの負担が増えますが "Preload into RAM" の値を "0.6"秒以下に設定してください。

• "Advanced Disk Streaming"オプションは、初期設定ではオンになっています。この機能をオフにすると CPU 負荷が軽減しますが、ディスク・ストリーミングの効果が少なくなります。

ディスク・ストリーミング・パフォーマンスの最適化ご使用のコンピュータ・システムにおいて、複数のハードディスクを使用している場合は、コンテ

ンツ・ファイルの各楽器を異なるディスクにコピーして使用することもできます。こうすることでディスク・ストリーミングのパフォーマンスを上げることができます。ただし、同じディスク上の

複数のパーティションを使用しても、この効果は得られません。

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30 HALion Symphonic Orchestra

コンテンツについてこのセクションでは HALion Symphonic Orchestra に付属するコンテンツの構成について解説して

います。

HALion Symphonic Orchestra のライブラリをHALion 3.1 で使用するHALion Symphonic Orchestra に付属するコンテンツ・ファイルを HALion 3.1 に読む込むことで

Steinberg の最新ソフトウェア・サンプラー技術をフルに活用することができます。

強弱のコントロールについてHALion Symphonic Orchestra が、オーケストラのライブラリとしては初めて使用する場合、また、

弦楽セクションを扱う事に慣れていない場合、そして、ハードウェアサンプラーや、ワークステーション型キーボードのオーケストラ・サウンドを常に使用していた場合、今までの「習慣」-たと

えば、音量の大小、演奏の強弱をコントロールするために、「ベロシティ」を使用するという概念から離れる必要があります。強弱のコントロールを行う際に、ドラム、キーボード、シンセサイ

ザー、オーケストラ・セクション、また特殊セクションにおいて、ベロシティを使用するのは適切と考えられますが、弦楽器の性質から考えると、完全に異なる概念となります。

ドラム、ピアノ、ギター、その他「打楽器的な性質」を持つ楽器においては、音量と強さは「アタック」(発音を開始した時)で定義されるものであり、その後は、演奏(アタック)時の強弱に

したがった「わずかな要素」を伴って減衰する仕組みとなっています。弦楽器(ここでは、弓で弾く場合)では、この仕組みは全く異なります。弦楽器は、演奏時の強弱

が連続して変化し、また常にコントロールするべきものです。ほとんどの場合、「アタック」の直後からそのコントロールが行われています。

そこで、演奏時の強弱を連続的にコントロールするために、"クレッシェンドコントロール " を特別に用意しています。音量をコントロールするだけではなく、コントローラの値にしたがって、発

音されるサウンドレイヤーを選択します。(すなわち、ピアニシモ、ピアノ…フォルテ、フォルテシモのそれぞれのサウンドで録音されているのです。)

HALion Symphonic Orchestra で演奏、あるいはアレンジする際、多くの楽器において、クレッシェンドコントロールは、ベロシティよりも重要な要素となることを覚えておきましょう。

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HALion Symphonic Orchestra 31

主要なプログラムタイプHALion Symphonic Orchestra には、4 つの主要なプログラムタイプがあります。ボリュームをコン

トロールするタイプ、またはサウンドレイヤーをクロスフェードするタイプ、レイヤーを切り換えるタイプがあります。

最も「正当な」演奏方法のプログラムにおいて(仕組みも複雑になります)、クレッシェンドコントロールを使用して演奏する場合、最大4 つのレイヤーを使用して、スムーズに発音します。ただ

しこの時、HALion Symphonic Orchestra は優れた表現を目指すために、1つのノートにつき、発音数が 4 音必要となります。

以下に、各プログラムタイプにおける、強弱のコントロール方法について説明します。

Xfade"Xfade" プログラムにおいて、クレッシェンドコントロールを行うと、異なるレイヤー間でクロスフェードして混合します。(たとえば、ピアニシモからフォルテシモへ)これは最も正統なサウン

ドと演奏方法と言えますが、クレッシェンドコントロールに対応するためには、すべてのレイヤーを同時に発音する必要があり、すなわち CPU とハードディスクへの負担も高くなります。たとえ

ば、バイオリンのプログラムでは、各ノートごとに最大 4 つのステレオボイスが発音されます。

入手可能なプログラムの数は、楽器のタイプによって異なります。たとえば、ピチカート、スピカートのアーティキュレイションについては、"xfade" プログラムが用意されていません(常時変化させるべき要素がないため)。

Xswitch"Xswitch" プログラムは、"Xfade"プログラムの「エコノミーな」代替手段です。機能の方法は同じ

ですが、強弱をコントロールすると、各レイヤー間で「切り換え」が行われ、すなわち混合は行われません。ただし、音量については常にコントロールされます。

サウンドの変化については不都合が生じますが、それ以上のメリットが大きいプログラムです。各ノートごとに 1 つのステレオボイスで発音するため、より遅いコンピュータ環境では、このプログ

ラムを使用すると良いでしょう。

Velocity(Vel)これらのプログラムでは、ベロシティで強弱をコントロールします。仕組みとしては、ベロシティ値によって、対応するレイヤーを選択します。すなわち、高いベロシティならば、フォルテシモの

レイヤーを発音します。これは、これまでのキーボーディストが、サンプラーやキーボードで、オーケストラ・サウンドを

使用する場合の、発音の仕組みと同じです。

このプログラムタイプでは、連続した強弱のコントロールを行う方法はありませんのでご注意ください。

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32 HALion Symphonic Orchestra

Velocity plus Pitchbend(VelPB)これらのプログラムは "Vel" タイプとほぼ同じですが、ピッチベンドコントロールを追加的な強弱のコントロールに使用できます。(ただし、ピッチベンドコントロールが効かなくなります)ベロ

シティによって、「初期的な」強弱をコントロールします。そして、ノートが発音している間に、ピッチベンドコントロールを操作して、音量をコントロールできます。言うまでもなく、これらの

プログラムにおいては、ピッチベンドコントロールが効かなくなります。

この機能は、クレッシェンドコントロールにおける規則に対する例外となります。「中心」を持たないコントロールの場合、突然的なボリューム変化を作ります、また「デクレッシェンド」のオプションはありません。ベロシティによって、「初期的な」強弱をコントロールします。

各楽器のプログラム

バイオリン(Violin)A / Bレガート奏法、スピカート奏法において、それぞれ A / B - 2つのプログラムバージョンが用意され

ています。それぞれ異なる性質のサンプルセット(音色、ニュアンス)を使用しているため、バイオリンセクションを単純に倍の編成にすることも可能です(16 台を 32台)。また、パートの声部

を追加する場合に、ボイスが重ねられた時に生じやすいフェイジングやサウンドの乏しい変質も避けられるのです。さらにリアルなバイオリンセクションを得るために、バイオリンのトラックを2

回作成して、A/B それぞれに別個のクレッシェンドコントロールも行うと良くなります。また、パートを単純にコピーして、そのコピーに何らかのランダム処理を適用することも考えられるで

しょう。同一のバイオリンセクションで複数のパートに分かれるよう指示がある場合は、セクションの人数

を分割して各パートを演奏します。このような場合も、A / B バージョンを使い分けると良いでしょう。

ただし、あまりセクションを重ねすぎないようにしてください。音色がやはり人工的なものとなってしまいます。

スピカート(Violin)A/Bスピカート奏法では、わずかに異なる性質を持つ 2 つのセットを用意しています。Aバージョ

ンは、フレーズの途中で発生したスピカート部分の音色取り出し、B バージョンは最初からスピカート奏法で開始した音色を取り出しました。この違いは微妙ですが、吟味して使用する価値があ

るでしょう。

バイオリン(Violin)その他バイオリンのセットには、特別な「ポルタメント」のプログラムも用意されています。表現力のあるスライド奏法を得られます。(目標の音程にはっきりと換わるのではなく、すべるように移行す

る)特に表現力が必要な場合に使用できるでしょう。A / B バージョンともに、上昇(up)、下降(down)、オクターブ上昇(高音域 - C5 以上のみ使用可能)が用意されています。

スライド奏法は、対応するキースイッチを使ってスライドのタイプを切り換えることができます。

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HALion Symphonic Orchestra 33

ビオラ(Viola)A / Bバイオリンと同様に、ビオラセクションのレガート奏法、スピカート奏法の A / Bバリエーションが用意されています。レガート奏法のA / B は、重ねて使用して倍の編成とすることも、また、パー

ト分割の際は振り分けて使用することも考えられます。スピカート奏法の Aバージョンは、軽い伴奏形に向き、B バージョンはさらに強い「弓」となり、

直接的な音色となっています。

チェロ(Cello)A / Bレガート奏法において、A / B バリエーションは、セクションを分割した際に振り分けて使用するのが通例となりますが、もちろん編成を倍にするために重ねることも可能です。各バリエーションは

完全に独立した性質のバリエーションであり、スピカート B は、Aバリエーションよりもよりはっきりした音色を持ちます。

ダブルベース(Double Bass)- 特殊な機能ダブルベースの譜面を作成する目的で MIDI トラックを使用している場合は、"8vb"プログラムを使

用すると良いでしょう。実音が記譜よりもオクターブ下となり、実際に使用されているダブルベースの譜面と同じようになります。また、ご使用のキーボードが 5 オクターブ(61 鍵)である場合

も、トランスポーズ機能を使用することなく、実際のダブルベース音域で演奏することができます。なお、キースイッチのプログラムは、すべて "8vb"プログラムとなっています。

アンサンブル(Ensemble)アンサンブルは、複数の弦楽セクション(すべての弦楽器 :ダブルベース、チェロ、ビオラ、バイ

オリン)を統合し、1 台のキーボード上に展開したプログラムです。これは多くの場面において、リアリティと使いやすさの両面をバランスよく兼ねそろえたものとなるでしょう。以下のヒントを

ご参考にご使用ください。

各セクションのプログラムと比べた場合のメリット

• アンサンブルは、メモリの消費量を抑えられる

• 1 つの MIDI チェンネルですべてのセクションをカバーする

• オーケストラ・セクションのアレンジに不慣れでもサウンドを使いやすい

各セクションのプログラムと比べた場合のデメリット

• 各セクションごとに奏法や強弱などのコントロールができない

• アンサンブルで作成したパッセージは、各セクションのプログラムを使って作成した場合に比べ

て、絶対的にリアリティに欠けてしまう

• アンサンブルはバリエーションが少ない

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34 HALion Symphonic Orchestra

プログラムの奏法HALion Symphonic Orchestra には、オーケストラ・セクションの正当なアレンジに必要とされる

各奏法のバリエーションが用意されています。このライブラリは、最も多く使用される、または必要とされているオーケストラ・サウンドを、柔軟性に富み、かつできる限りオーバーロードの無い

状態で提供します。

ここでは、HALion Symphonic Orchestra が提供する各奏法の一般的な情報と、それらの演奏、コ

ントロール方法について説明します。

レガート奏法レガート奏法は、現在の音符から次の音符まで間を置かずに演奏するもので、したがってフレーズが「途切れません」。弦楽器におけるレガート奏法は、「ひと弓で」いくつかの音符を演奏するもの

です、その間弓の方向は変わりません。ただし、ストリングセクションにおいては、各奏者が異なるタイミングで「弓を返す」ことで、弓の変化に気づかれないように、結果長いレガートを作るこ

とがあります。この方法は、"ストリングパッド音 "(長い和音)の場合によく使われます。レガート奏法は、メロディだけでなく、長い音符による伴奏形にも使用できます。HALion

Symphonic Orchestra では、「弦のリリース音」のサンプルと、レガートサンプルのアタック音があることにより、レガートプログラムを使った場合でも、はっきりと弾き分けることができます。

ただし、大きい(低い)楽器の「弱い」ノートは、高い楽器の「強い」ノートよりもゆるやかな「アタック」音となります。速いパッセージを演奏する場合は、スピカート A プログラムを使用す

るほうが良いでしょう。HALion Symphonic Orchestra のレガート・プログラムには、4種類のバリエーションのコントロー

ル(演奏)方法が用意されています。リアルな結果を作り出せるのは、クレッシェンド・コントロールのクロスフェード・バージョン("xfade")です。クレッシェンド・コントロールと共に、弦

楽器セクションの場合は弓のコントロールも行うと、さらにリアルに表現することができます。これは若干手間が掛かるものですが、リアリティを追求するならば敢えて試してみる価値はあるで

しょう。

スピカート奏法スピカートは、「スタッカート」とよく混同されます。これは、弦楽セクションにおいて、スタッカートを演奏する際によく使用する奏法です。弦が弓に触れている時間は非常に短く、共鳴と典型

的な減衰音を生み出します。スピカート奏法の音色は、「弦上のスタッカート」(弦から弓を離さずに弾き分ける奏法)よりもクリアなものになります。伴奏形から速いメロディまで、幅広く対応で

きます。スピカート A は、伴奏形や高音域における速いパッセージ、また 3 度以上の音程によるトリルの

「トレモロレガート」にも向きます(「上げ弓」で使用すると最適です)。スピカート Bは、さらに「弓」を多く使った、アタックの強い音色です。

スピカート奏法では、ベロシティプログラムのみ利用可能です。片方の弓の方向につき、最大9 つのベロシティレイヤーを持ちます(上下の弓で合計18 のレイヤーとなります)。サンプルベースの

キーボードで生じやすい「マシンガン」効果を回避することが可能です。このことに限らず、この通常よりはるかに数の多いレイヤーにより、リアルな強弱の表現を得ることが可能となります。

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HALion Symphonic Orchestra 35

ピチカート奏法弦楽器奏者が弦を弓で弾くのではなく、指で引きはじいて音を鳴らす奏法を「ピチカート」と呼びます。ピチカート奏法では、ベロシティプログラムのみ利用可能です。この音色は、弓で弾いたも

のとはまったく異なる性質を帯び、むしろギターに似たものとなります。ピッチを高くするほど、実際に振動する弦の長さが短くなり、さらに弦の張力も強くなります。

HALion Symphonic Orchestra において、バイオリンとビオラには、"loose" / "tight"の 2つバリエーションがあります。また、チェロには "tight" / "very tight" があります。"tight" では、タイミング

が比較的正確で、"loose" ではタイミングが拡散していますが、大きいセクションを表現するにはむしろリアルなものとなります。第 1 バイオリンに"tight"、第 2バイオリンに "loose" を使用する

と、説得力のある大規模なピチカートサウンドを得られます。チェロの "very tight" は、正確なベースラインを作るのに向いています。

トレモロ奏法弦楽セクションにおけるトレモロ奏法は、弓を急速に上下(上げ弓 -下げ弓)させるものです。激

しく、騒がしい性質を帯びた音色となり、パッセージにスリルを与えることが可能です。トレモロ奏法による音符の開始時に、アクセントを加えると、非常に効果的となるため、HALion

Symphonic Orchestra には、トレモロのプログラムに、実際のアクセントサンプルも収めています。クレッシェンドコントロールを使用可能なプログラムでは、ベロシティ値 100以上の時に、アクセ

ントのサンプルが発音されます。ベロシティのプログラムの場合は、ベロシティ値が最高の時のみ(127)となります。

レガートのプログラムと同様、"Xfade" / "Xswitch" のプログラムを使用すると、ベロシティを使用するよりもさらにリアルにコントロールできます。

トリルトリルは、ピッチを決定する左手の指を急速に動かして、隣り合った 2音間で急速にかつ交互に鳴

らす奏法です。トリルには、半音と全音があります。半音と全音を選択する 2つのオプションがあります。

• 対応するプログラムを読み込む("WH" は全音、"HT" は半音)

• キースイッチ(オンスクリーン・キーボード上での、キースイッチの表示方法については 26ページ

をご参照ください)プログラムを使用する("A-1/B-1" の各キーをスイッチとして使用)フレーズ中にトリルが含まれるような場合に、その部分のキー(またはスケール)に合うように半音 /全音を

瞬時に切り換えることができます。

すべての楽器 -トリルプログラムのスイッチキー :

"Xfade" / "Xswitch" のプログラムを使用すると、ベロシティのプログラムよりもさらにリアルになります。

キー ノートナンバー 奏法 説明 モード

A-1 21 全音 全音のトリル ks

B-1 22 半音 半音のトリル ks

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36 HALion Symphonic Orchestra

コンビプログラム(Combi)コンビプログラムは、あらゆる奏法を 1 つのプログラムにまとめ、1 つの MIDI チャンネルで演奏できる便利なものです。コンビプログラムには、レガート奏法、トリル、トレモロ奏法、スピカー

ト奏法、ピチカート奏法が含まれます。含まれる奏法の数は、楽器によって異なります(詳細は45ページの『プログラム・リファレンス』を参照)。

コンビプログラムは、レガート奏法をデフォルトとしています。そして、キースイッチ(オンスクリーン・キーボード上での、キースイッチの表示方法については 26 ページをご参照ください)を

押して、異なる奏法に切り換えることができます。スイッチキーを離すと、レガート奏法に戻ります。

弦楽器 -コンビプログラムのスイッチキー :

Flute, Oboe, Clarinet - コンビプログラムのスイッチキー :

Flute, Oboe, Clarinet - コンビプログラム(ECO)のスイッチキー :

キー ノートナンバー 奏法 説明 モード

A-1 21 全音のトリル ダブルベースを除く Kr

Bb-1 22 スピカート奏法 Kr

B-1 23 半音のトリル ダブルベースを除く Kr

C0 24 トレモロ奏法 Kr

C#0 25 ピチカート奏法 ダブルベースのみ Kr

キー 奏法 モード

キーなし レガート

A-1 全音のトリル kr

B-1 半音のトリル kr

Bb-1 スタッカート kr

C0 クレッシェンド/デクレッシェンド kr

C#0 アクセント kr

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C#0 アクセント kr

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HALion Symphonic Orchestra 37

Flute, Oboe, Clarinet - 全音+ 半音の装飾音 :

Bassoon - コンビ・プログラムのスイッチキー :

Bassoon - コンビ・プログラム(ECO)のスイッチキー :

Bassoon - 全音 +半音の装飾音 :

Piccolo, English Horn, Bass Clarinet - コンビ・プログラムのスイッチキー :

キー 奏法 モード

D0 全音の装飾音 ks

E0 半音の装飾音 ks

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C0 クレッシェンド/デクレッシェンド kr

C#0 アクセント kr

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C#0 アクセント kr

キー 奏法 モード

D0 全音の装飾音 ks

E0 半音の装飾音 ks

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 アクセント kr

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38 HALion Symphonic Orchestra

Horn solo, Trumpet solo, Trombone solo - コンビ・プログラムのスイッチキー :

Tuba - コンビ・プログラムのスイッチキー:

Horns tutti, Trumpets tutti, Trombones tutti - コンビ・プログラムのスイッチキー :

Timpani - コンビ KSプログラムのスイッチキー :

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C0 クレッシェンド/デクレッシェンド kr

C#0 アクセント kr

D#0 ディミヌエンド kr

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C0 クレッシェンド/デクレッシェンド kr

C#0 アクセント kr

キー 奏法 モード

キーなし レガート

Bb-1 スタッカート kr

C#0 アクセント kr

D#0 ディミヌエンド kr

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル

C0 ロール kr

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HALion Symphonic Orchestra 39

Snare - コンビ KSプログラムのスイッチキー :

Gran Cassa = Bass Drum - コンビ KSプログラムのスイッチキー :

Tambourine - コンビ KSプログラムのスイッチキー:

Woodblocks - コンビ KSプログラムのスイッチキー:

Templeblocks - コンビKS プログラムのスイッチキー:

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル・ポジション

A-1 中央ポジション kr

Bb-1 フラム kr

B-1 短いロール kr

C0 ロール kr

C#0 スネア -オフ kr

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル

C0 ロール kr

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル

C0 ロール(振る) kr

C#0 ロール(指) kr

キー 奏法 モード

C0 木製のビーター ks

D0 フェルトのビーター ks

キー 奏法 モード

C0 スティック ks

D0 皮のビーター ks

E0 フェルトのビーター ks

F0 木製のビーター ks

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40 HALion Symphonic Orchestra

Suspended Cymbals - コンビKS プログラムのスイッチキー:

Suspended Cymbals - キー・レイアウト:

Piatti a due (=Crash Cymbals), Tamtam - コンビKS プログラムのスイッチキー:

Triangle, Sleighbell - コンビKS プログラムのスイッチキー:

キー 奏法 モード

A-1 スティック ks

B-1 マレット ks

C0 マレットロール -クレッシェンド ks

D0 スティック -ロール ks

E0 マレット -ロール ks

キー 説明

c2-b2 エッジ/表面(バウ)

c3-b3 エッジ

c4-b4 表面(バウ)

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル

C0 チョーク kr

キー 奏法 モード

キーなし ノーマル

C0 ロール kr

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HALion Symphonic Orchestra 41

表現力とリアリティを高めるためにHALion Symphonic Orchestra では、さらに正統な演奏方法と、さらにリアリティを得るための機

能があります。ここでは、その各機能と使用方法を説明します。

弦楽器の弓のコントロール弦楽器奏者は、速いパッセージをノンレガート、またはスピカートで演奏する場合は、弓の方向を音符ごとに変更します。パッセージを一方の弓の方向だけで速く「弾き分ける」ことは、実際不可

能です。ほとんどのサンプルベースのスピカート音は、各ピッチ、または弓の方向につき、少ないサンプル数で構成されているため、結果避けるべき「マシンガン」効果を生じやすくなってしまい

ます。HALion Symphonic Orchestra では、この問題を回避するために、片方の弓の方向につき、8~ 9のレ

イヤーを持っています。リアリティとコントロールを追加するために、弓をコントロールする特別なプログラムが用意されています。非常に現実的なオプション - 上げ弓(up)、下げ弓(down)、

上下交互(up/down)から選択できます。また、上下交互の場合は、パッセージの始めをどちらの弓の方向にするかについても、選択することができます。

これらはすべて、スイッチキーを使用して簡単にコントロールできます。このコントロールは、他のどのサンプル・ライブラリにも無い機能でしょう。

「弓」のプログラムにおけるスイッチキー(スピカート)

この機能を試してみましょう。

1. "Vlc spicc B Alt1Vel KS"プログラムを読み込みます。2. 88 鍵キーボードの最下音である、"A-1" キーを押します。この状態で通常のチェロ音域で演奏すると、すべて「下げ弓」となり、また演奏ベロシティに沿って音色が変化します。

3. "B-1" キーを押し、再びチェロ音域で演奏してみましょう。今度はすべて「上げ弓」となり、アタックが若干柔らかくなります。

4. "A#-1" キーを押すと、上下交互に換わります。演奏キーを押すたびに、弓の方向が交互に変わります。

キー ノートナンバー

奏法 説明 モード

A-1 21 下げ弓 すべて下げ弓で演奏 ks

Bb-1 22 下げ弓→上げ弓 交互に演奏リセット時は必ず下げ弓で演奏

ks

B-1 23 上げ弓 すべて上げ弓で演奏 ks

C#0 25 上げ弓→下げ弓 交互に演奏リセット時は必ず上げ弓で演奏

ks

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42 HALion Symphonic Orchestra

本当の弦のリリース音弦を弓で弾いた場合、また指で引きはじく場合、音符の最後では(またはキーを放した際)、音はすぐに止まりません。いくつかの開放弦が共鳴(共振)し、演奏した部屋の残響も発生します。い

わゆる「キーオフ」の時に、このような音が聞こえることにより、弦楽器としての本質的なリアリティを得られるのです。

HALion Symphonic Orchestra では、弦のリリース音のサンプルを特別に用意しました。キーオフの瞬間に発音され、これにより、弦の共鳴、音の減衰、部屋のアンビエンスを感知できるようになり

ます。結果、実際に録音した場所にいることと同じことになり、音の深みとアンビエンスはそのまま得られることになり、よくある人工的な残響を必要としません。

HALion Symphonic Orchestra のサウンドに、他の場所や大きなホールをシミュレーションするた

めの残響を追加することは、よく考えられることでしょう。弦のリリース音のサンプルは、その 2次的な残響にもうまく作用してリアリティを与えることでしょう。

レガートのプログラムにおいても、弦のリリース音のサンプルがあることで、弾き分けた音符を

はっきりと区別できるようになっています。そして、クレッシェンドコントロール("Xfade" /"Xswitch" プログラム)を使用するとさらにリアルなものとなるでしょう。

ポルタメント奏法ポルタメント(2音のピッチがはっきりと変化するのではなく、最初のピッチから「すべるように」

移動して次のピッチに到達する奏法)は、音程が短 3 度以上のときに効果的です。高音域において、1オクターブ上昇のポルタメントを使用すると、とても表情的なフレーズとなります。

3 つのポルタメントモードがあり、これらはスイッチキーでコントロールできます(弓のコントロールと同様です)。

ポルタメントプログラムのキースイッチ

ポルタメントの効果はなかなか面白いものですが、あまり使い過ぎないようにしましょう。実際のオーケストラでは、この奏法を控えめに使用します。

キー ノートナンバー

奏法 説明 モード

A-1 21 下降 下方へポルタメント kr+プレイ

Bb-1 22 オクターブ上昇 1オクターブ上に上昇高音域のみ kr+プレイ

B-1 23 上昇 上方へポルタメント kr+プレイ

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HALion Symphonic Orchestra 43

クレッシェンド /ディミヌエンド弦楽器奏者は、常に音量と音色をコントロールしながら演奏します。この演奏方法を再現するために、クレッシェンドコントロールがあります。HALion String Playerで、4つの MIDI コントローラー

から選択できます -モジュレーション、ブレスコントローラー、フットコントローラー、エクスプレッシェン

"Xfade" / "Xswitch" プログラムにおいて、このコントロールは、複数のレイヤー間をブレンドし(たとえばピアニッシモ~フォルテッシモ)、さらに音量もコントロールし、リアルなクレッシェンド

/ ディミヌエンドを実現します。

なお、ディミヌエンドは「デクレッシェンド」と混用されます。

モジュレーションホイールを使用すると、最もリアルな結果となると考えられます。

ヴィブラートについてレガートのサンプルは、すべて中庸な量のヴィブラートで演奏したものを録音しています。ヴィブラートをリアルタイムでさらに加えることも可能です。

• "Xfade" / "Xswitch" プログラムにおいては、ヴィブラートの追加はアフタータッチで行います。

• "Velocity" / "Velocity/Pitchbend" プログラムにおいては、ヴィブラートの追加はモジュレーション

ホイールで行います。

HALion Symphonic Orchestra のヴィブラートは、LFO によるピッチモジュレーションで行われま

す。モジュレーション量によって人工的な音質になりやすく、なかなか微妙であるため、表情を与える目的にのみ使用するようにしましょう。

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44 HALion Symphonic Orchestra

演奏 /表現コントロールの一覧HALion Symphonic Orchestra における、演奏と表現の各コントロールの一覧です。

この一覧にない、標準の MIDI コントローラ(ボリューム、パン、サスティンペダル)も同様に対応します。

cc# 名称 プログラムタイプ 機能

1 モジュレーション Xfade, Xswitchその他

クレッシェンド(割り当てられている場合)ヴィブラート

2 ブレスコントロール Xfade, Xswitchその他

クレッシェンド(割り当てられている場合)なし

4 フットコントロール Xfade, Xswitchその他

クレッシェンド(割り当てられている場合)なし

11 エクスプレッション Xfade, Xswitchその他

クレッシェンド(割り当てられている場合)なし

ピッチベンド Xfade, XswitchVel, VelPB

ピッチベンドVolume expression

アフタータッチ すべてのプログラムタイプ

ヴィブラート

ベロシティ Xfade, XswitchVel, VelPB

なしクレッシェンド

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HALion Symphonic Orchestra 45

コンテンツの構造とプログラムについてHALion Symphonic Orchestra コンテンツは .hsb形式で供給されています。各プログラム、および

".hsb" ファイルは24bit 版コンテンツ、16bit 版コンテンツ、2種類のバージョンがあります。24bit版コンテンツは総計 16.3GB、16bit版コンテンツは総計 11GBの容量があります。この章では .hsb

ファイルに含まれる各プログラムの中のインストゥルメントと、そのインストゥルメントが使用できるアーティキュレーションについてまとめました。

デモ・コンテンツ

インストール DVD には、Cubase SX 用のデモ・プロジェクトが用意されています。HALionSymphonic Orchestra で作られたトラックをお聴き頂くことができます(詳細は 100ページをご参

照ください)。

プログラム・リファレンス以下に、すべてのプログラムについての概要をリストでご覧頂くことができます。プログラム名は

インストゥルメントの種類、プログラムが属するカテゴリ、アーティキュレーション機能を指してます。

プログラムカテゴリプログラム・カテゴリは以下の通り定義されています。

Vel ベロシティー(ピッチベンドはピッチをコントロールします)。

Vel PB ベロシティーとボリュームをピッチベンドでコントロールします。

Xfade レイヤーをクロスフェード処理します。

Xswitch レイヤーをクロススイッチ処理します。

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46 HALion Symphonic Orchestra

インストゥルメントHALion Symphonic Orchestra 用に収録されたインストゥルメントの種類。

Vln バイオリン(Violin)

Vla ビオラ(Viola)

Vlc チェロ(Violoncelli)

DB ダブルベース(Double Bass)

Flt フルート(Flute)

Ob オーボエ(Oboe)

Cl クラリネット(Clarinet)

Bsn バスーン(Bassoons)

Pic ピッコロ(Piccolo)

EH イングリッシュホルン(English horn)

Bcl バスクラリネット(Bass clarinet)

Trp トランペット(Trumpet)

Trb トロンボーン(Trombone)

Tub チューバ(Tuba)

Hrn ホルン(Horn)

Timpani ティンパニ

Glockenspiel グロッケン

Vibraphon ビブラフォン

Xylophon シロフォン

Tubular bells チューブラーベル(チャイム)

Small bell pitched 小さいベル(音階)

Snare スネアドラム

GranCassa グランカッサ(バスドラム)

Tamb タンブリン

WoodBlk ウッドブロック

Vibraslap ビブラスラップ

TmplBlk 木魚(テンプルブロック)

Cym シンバル

Piatti 合わせシンバル

Tam-Tam タムタム(ゴング=銅鑼)

Triangle トライアングル

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HALion Symphonic Orchestra 47

アーティキュレーション下記のアーティキュレーションが録音されています。

Cowbell カウベル

Small Bell 小さいベル

Sleighbell スレイベル(鈴)

FingCym フィンガーシンバル

Dobatchi カップ状のゴング

CampDiMessa ミサの鐘

tutti テュッティ- 大きい楽器セクション

solo ソロ- 1人の奏者のみ

8vb 記譜よりオクターブ低い

Acc アクセント

cresc ctrl クレッシェンドコントローラー

combi 複数のアーティキュレーションのコンビネーションプログラム

combi KS キースイッチによるアーティキュレーションのスイッチ

combi Keys キーボードの異なるオクターブを使ったアーティキュレーション

cresc-decr クレッシェンド/デクレッシェンド

espressivo より感情的なビブラート

fast 速いアタック

legato レガート

long ロングトーン(ループあり)

short ショートトーン(ループなし)

leg X trem レガート奏法からトレモロへのクロスフェード切り替え

oct オクターブ

pizz ピチカート

port/porta ポルタメント

spicc スピカート

stacc スタッカート

trem トレモロ

HT trill 半音のトリル

WT trill 全音のトリル

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48 HALion Symphonic Orchestra

HT orna 半音の修飾音

WT orna 全音の修飾音

uni ユニゾン

up 上げ弓(弦楽器)

dn 下げ弓(弦楽器)

Alternating 上げ下げを交互に(弦楽器)

ALT 1 いくつかのアーティキュレーションがランダムに切り替わります。「ベロシティ」や「クレッシェンドコントロール」によるコントロールはできません。

ALT 2 上げ弓と下げ弓を交互に演奏します(弦楽器)。バリエーションは「ベロシティ」や「クレッシェンドコントロール」からコントロールがおこなえます。

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HALion Symphonic Orchestra 49

プログラム下記は全ての楽器とプログラムのリストです。

バイオリンソロ(Violin Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vln Combi X X X X

Vln Combi fast X X X X

Vln long X X X

Vln long fast X X X

Vln shortAlternating X X X X

Vln shortdown X X X

Vln shortup X X X

Vln tremolo X X X

Vln tremolo+accent X X X

Vln trill HT X X X

Vln trill WT X X X

Vln trills WT-HT X X X

Vln ornamentHT X X X

Vln ornamentWT X X X

Vln cresc-decresc X X X

Vln pizzicato X X X

Vln stacc Alternating1 X X X X

Vln stacc Alternating2 X X X X

Vln stacc down Alt X X X

Vln stacc up Alt X X X

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50 HALion Symphonic Orchestra

バイオリンテュッティ(Violin Tutti)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vln I Combi X X X X X

Vln I Combi espressivo X X X X X

Vln I espressivo X X X X

Vln I A legato X X X X X

Vln I A legato+porta X X X X X

Vln I A legato soft X X X X

Vln I A legato loud X X X X

Vln I A legato loud+port X X X X X

Vln I A legato + accent X X X X

Vln I B legato X X X X X

Vln I A+B X X X X

Vln I 16 to 32 players X X X X

Vln I legato X tremolo X X X X

Vln I legato+ octave X X X X

Vln II Combi X X X X X

Vln II A legato X X X X X

Vln II A legato+port X X X X X

Vln II A legato soft X X X X

Vln II A legato loud X X X X

Vln II A legato loud+port X X X X X

Vln II B legato X X X X X

Vln tremolo X X X X X

Vln tremolo+accent X X X X

Vln trills HT X X X X

Vln trills WT X X X X

Vln trills WT-HT X X X X X

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HALion Symphonic Orchestra 51

Vln pizzicato loose Alt X X X

Vln pizzicato loose X X X

Vln pizzicato tight Alt X X X

Vln pizzicato tight X X X

Vln spicc A Alternating1 X X X X

Vln spicc A Alternating2 X X X X

Vln spicc A down Alt X X X

Vln spicc A up Alt X X X

Vln spicc A down X X X

Vln spicc A up X X X

Vln spicc B Alternating1 X X X X

Vln spicc B Alternating2 X X X X

Vln spicc B down Alt X X X

Vln spicc B up Alt X X X

Vln spicc B down X X X

Vln spicc B up X X X

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

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52 HALion Symphonic Orchestra

ビオラソロ(Viola Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vla Combi X X X X

Vla Combi fast X X X X

Vla long X X X

Vla long fast X X X

Vla shortAlternating X X X X

Vla shortdown X X X

Vla shortup X X X

Vla tremolo X X X

Vla tremolo+accent X X X

Vla trill HT X X X

Vla trill WT X X X

Vla trills WT-HT X X X X

Vla ornamentHT X X X

Vla ornamentWT X X X

Vla cresc-decresc X X X

Vla pizzicato Alt X X X

Vla stacc Alternating1 X X X X

Vla stacc Alternating2 X X X X

Vla stacc down Alt X X X

Vla stacc up Alt X X X

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HALion Symphonic Orchestra 53

ビオラテュッティ(Viola Tutti)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vla Combi X X X X X

Vla Combi espressivo X X X X X

Vla espressivo X X X X

Vla A legato X X X X X

Vla A legato soft X X X X

Vla A legato loud X X X X

Vla B legato X X X X X

Vla A+B X X X X

Vla tremolo X X X X X

Vla tremolo+accent X X X X

Vla trills HT X X X X

Vla trills WT X X X X

Vla trills WT-HT X X X X X

Vla pizzicato loose Alt X X X

Vla pizzicato loose X X X

Vla pizzicato tight Alt X X X

Vla pizzicato tight X X X

Vla spicc A Alternating1 X X X X

Vla spicc A Alternating2 X X X X

Vla spicc A down Alt X X X

Vla spicc A up Alt X X X

Vla spicc A down X X X

Vla spicc A up X X X

Vla spicc BAlternating1 X X X X

Vla spicc BAlternating2 X X X X

Vla spicc Bdown Alt X X X

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54 HALion Symphonic Orchestra

チェロソロ(Cello Solo)

Vla spicc B up Alt X X X

Vla spicc B down X X X

Vla spicc B up X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vlc Combi X X X X

Vlc Combi fast X X X X

Vlc long X X X

Vlc long fast X X X

Vlc shortAlternating X X X X

Vlc shortdown X X X

Vlc shortup X X X

Vlc tremolo X X X

Vlc tremolo+accent X X X

Vlc trill HT X X X

Vlc trill WT X X X

Vlc trills WT-HT X X X X

Vlc ornamentHT X X X

Vlc ornamentWT X X X

Vlc cresc-decresc X X X

Vlc pizzicato Alternating X X X

Vlc stacc Alternating1 X X X X

Vlc stacc Alternating2 X X X X

Vlc stacc down Alt X X X

Vlc stacc up Alt X X X

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

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HALion Symphonic Orchestra 55

チェロテュッティ(Cello Tutti)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vlc Combi X X X X X

Vlc Combi espressivo X X X X X

Vlc espressivo X X X X

Vlc A legato X X X X X

Vlc A legato+porta X X X X X

Vlc A legato soft X X X X

Vlc A legato loud X X X X

Vlc A legato loud+port X X X X X

Vlc B legato X X X X X

Vlc A+B X X X X

Vlc tremolo X X X X X

Vlc tremolo+accent X X X X

Vlc trills HT X X X X

Vlc trills WT X X X X

Vlc trills WT-HT X X X X X

Vlc pizzicato tight Alt X X X

Vlc pizzicato tight X X X

Vlc pizzicato very tight X X X

Vlc spicc A Alternating1 X X X X

Vlc spicc A Alternating2 X X X X

Vlc spicc A down Alt X X X

Vlc spicc A up Alt X X X

Vlc spicc A down X X X

Vlc spicc A up X X X

Vlc spicc B Alternating1 X X X X

Vlc spicc B Alternating2 X X X X

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56 HALion Symphonic Orchestra

ダブルベースソロ(Double Bass Solo)

Vlc spicc B down Alt X X X

Vlc spicc B up Alt X X X

Vlc spicc B down X X X

Vlc spicc B up X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

DB Combi X X X X

DB long X X X

DB shortAlternating X X X X

DB shortdown X X X

DB shortup X X X

DB cresc-decresc X X X

DB pizzicato X X X

DB stacc Alternating1 X X X X

DB stacc Alternating2 X X X X

DB stacc down Alt X X X

DB stacc up Alt X X X

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

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HALion Symphonic Orchestra 57

ダブルベーステュッティ(Double Bass Tutti)

ストリングス・アンサンブルソロ(Enseble Solo)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

DB Combi X X X X X

DB Combi espressivo X X X X X

DB espressivo X X X X

DB espressivo 8vb X X X X

DB A legato X X X X X

DB A legato 8vb X X X X

DB tremolo X X X X X

DB tremolo 8vb X X X X

DB tremolo+accent X X X X

DB tremolo+accent 8vb X X X X

DB pizzicato X X X

DB pizzicato 8vb X X X

DB spicc Alt X X X

DB spicc Alt 8vb X X X

DB spicc X X X

DB spicc 8vb X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Ensemble solo long X X

Ensemble solo longfast X X

Ensemble solo tremolo X X

Ensemble solo pizz X X

Ensemble solo stacc X X

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58 HALion Symphonic Orchestra

ストリングス・アンサンブルテュッティ(Enseble)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Ensemble legato X X X

Ensemble tremolo X X X

Ensemble pizzicato X X X

Ensemble spiccato X X X

Violins octave X X X X

Vlc+Vla unisono X X X X

Vlc+Vla octave X X X X

DB+Vlc unisono X X X X

DB+Vlc octave X X X X

DB+Vlc octave 8vb X X X X

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HALion Symphonic Orchestra 59

パッドテュッティ(Pad Tutti)

プログラム ECO XFade XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Vln I A legato Pad X X X X X

Vln I B legato Pad X X X X X

Vln II A legato Pad X X X X X

Vln II B legato Pad X X X X X

Vla A legato Pad X X X X X

Vla B legato Pad X X X X X

Vlc A legato Pad X X X X X

Vlc B legato Pad X X X X X

DB legato Pad X X X X X

DB legato 8vb Pad X X X X X

Ensemble legato Pad X X X X X

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60 HALion Symphonic Orchestra

フルートソロ(Flute Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Flt Combi X X X X

Flt Combi ECO X X X X

Flt legato X X X

Flt legato soft X X X

Flt legato loud X X X

Flt accent X X X

Flt trill HT X X X

Flt trill WT X X X

Flt trills WT+HT X X X X

Flt ornament HT X X X

Flt ornament WT X X X

Flt ornaments WT+HT X X X X

Flt cresc-decr X X X

Flt stacc ALT X X X

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HALion Symphonic Orchestra 61

オーボエソロ(Oboe Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Ob Combi X X X X

Ob Combi ECO X X X X

Ob legato X X X

Ob legato soft X X X

Ob legato loud X X X

Ob accent X X X

Ob trill HT X X X

Ob trill WT X X X

Ob trills WT+HT X X X X

Ob ornament HT X X X

Ob ornament WT X X X

Ob ornaments WT+HT X X X X

Ob cresc-decr X X X

Ob stacc ALT X X X

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62 HALion Symphonic Orchestra

クラリネットソロBb(Clarinet Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Cl Combi X X X X

Cl Combi ECO X X X X

Cl legato X X X

Cl legato soft X X X

Cl legato loud X X X

Cl accent X X X

Cl trill HT X X X

Cl trill WT X X X

Cl trills WT+HT X X X X

Cl ornamentHT X X X

Cl ornamentWT X X X

Cl ornamentsWT+HT X X X X

Cl cresc-decr X X X

Cl stacc ALT X X X

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HALion Symphonic Orchestra 63

バスーンソロ(Bassoon Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Bsn Combi X X X X

Bsn Combi ECO X X X X

Bsn legato X X X

Bsn legato soft X X X

Bsn legato loud X X X

Bsn accent X X X

Bsn ornament HT X X X

Bsn ornament WT X X X

Bsn ornamentsWT+HT X X X X

Bsn cresc-decr X X X

Bsn stacc ALT X X X

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64 HALion Symphonic Orchestra

ピッコロソロ(Piccolo Solo)

イングリッシュホルンソロ(English Horn Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Pic Combi X X X X

Pic legato X X X

Pic stacc ALT X X X

Pic Combi 8va X X X X

Pic legato 8va X X X

Pic stacc ALT 8va X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

EH Combi X X X X

EH legato X X X

EH legato soft X X X

EH legato loud X X X

EH stacc ALT X X X

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HALion Symphonic Orchestra 65

バスクラリネットソロ(Bass Clarinet)

木管アンサンブル(Ensemble Woodwind)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Bcl Combi X X X X

Bcl legato X X X

Bcl legato soft X X X

Bcl legato loud X X X

Bcl stacc ALT X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Ens Woodwind legato 1 X X X

Ens Woodwind legato 2 X X X

Ens Woodwind stacc ALT X X X

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66 HALion Symphonic Orchestra

トランペットソロ(Trumpet Solo)

トランペットテュッティ(Trumpets Tutti)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Trp Combi X X X X

Trp legato X X X

Trp legato soft X X X

Trp legato loud X X X

Trp accent X X X

Trp diminuendo X X X

Trp cresc-decr X X X

Trp stacc ALT X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Trp Combi X X X X

Trp legato X X X

Trp legato soft X X X

Trp legato loud X X X

Trp accent X X X

Trp diminuendo X X X

Trp stacc ALT X X X

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HALion Symphonic Orchestra 67

トロンボーンソロ(Trombone Solo)

トロンボーンテュッティ(Trombones Tutti)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Trb Combi X X X X

Trb legato X X X

Trb legato soft X X X

Trb legato loud X X X

Trb accent X X X

Trb diminuendo X X X

Trb cresc-decr X X X

Trb stacc ALT X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Trb Combi X X X X

Trb legato X X X

Trb legato soft X X X

Trb legato loud X X X

Trb accent X X X

Trb diminuendo X X X

Trb stacc ALT X X X

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68 HALion Symphonic Orchestra

チューバソロ(Tuba Solo)

ホルンソロ(Horn Solo)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Tub Combi X X X X

Tub legato X X X

Tub legato soft X X X

Tub legato loud X X X

Tub accent X X X

Tub stacc ALT X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Hrn Combi X X X X

Hrn legato X X X

Hrn legato soft X X X

Hrn legato loud X X X

Hrn accent X X X

Hrn diminuendo X X X

Hrn cresc-decr X X X

Hrn stacc ALT X X X

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HALion Symphonic Orchestra 69

ホルンテュッティ(Horns Tutti)

金管アンサンブル(Ensemble Brass)

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Hrn Combi X X X X

Hrn legato X X X

Hrn legato soft X X X

Hrn legato loud X X X

Hrn accent X X X

Hrn diminuendo X X X

Hrn stacc ALT X X X

プログラム XSwitch Vel Vel PB Key Switch

Ens Trb+Trp legato X X X

Ens Trb+Trp stacc ALT X X X

Ens Trb+Trp 3Pl legato X X X

Ens Trb+Trp 3Pl stacc ALTX X X

Ens Tub+Hrn legato X X X

Ens Tub+Hrnstacc ALT X X X

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70 HALion Symphonic Orchestra

打楽器(音程あり)(Pitched Percussion)

ティンパニ(Timpani)

グロッケン(Glockenspiel)

ビブラフォン(Vibraphone)

シロフォン(Xylophone)

チューブラーベルズ(Tubular Bells)

プログラム Vel Key Switch

Timpani Combi KS X X

Timpani Combi Key X

Timpani normal ALT X

Timpani roll X

Timpani roll XFade

プログラム Vel Key Switch

Glockenspiel X

Glockenspiel 8va X

プログラム Vel Key Switch

Vibraphon X

プログラム Vel Key Switch

Xylophon X

Xylophon 8va X

プログラム Vel Key Switch

Tubular Bells X

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HALion Symphonic Orchestra 71

スモールベル -音階(Small Bell pitched)

打楽器(皮)(Skinned Percussion)

スネアドラム(Snare)

グランカッサ =バスドラム(Gran Cassa = Bass Drum)

プログラム Vel Key Switch

Small Bell pitched X

プログラム Vel Key Switch

Snare Combi KS X X

Snare Combi Key X

Snare norm-position X

Snare mid-position X

Snare flam X

Snare short roll X

Snare long roll X

Snare long roll XFade

Snare snares-off X

プログラム Vel Key Switch

GranCassa Combi KS X X

GranCassa all X

GranCassa normal X

GranCassa roll X

GranCassa roll XFade

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72 HALion Symphonic Orchestra

タンバリン(Tambourine)

打楽器(木製)(Wood Percussion)

ウッドブロック(Woodblocks)

プログラム Vel Key Switch

TambCombi KS X X

Tamball X

Tambnormal X

Tambnormal NoRel X

Tamb shake roll X

Tamb shake roll XFade

Tamb thumb roll X

プログラム Vel Key Switch

WoodBlkA Combi KS X X

WoodBlkA Combi Key X

WoodBlkA Wood-Beater X

WoodBlkA Felt-Beater X

WoodBlk B Combi KS X X

WoodBlk B Combi Key X

WoodBlk B Wood-Beater X

WoodBlk B Felt-Beater X

WoodBlk C Combi KS X X

WoodBlk C Combi Key X

WoodBlk C Wood-Beater X

WoodBlk C Felt-Beater X

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HALion Symphonic Orchestra 73

ビブラスラップ(Vibraslap)

テンプルブロック(木魚)(Templeblocks)

プログラム Vel Key Switch

Vibraslap long X

Vibraslap short X

プログラム Vel Key Switch

TmplBlk A Combi KS X X

TmplBlk A Combi Key X

TmplBlk A Drumstick X

TmplBlk A Leather-Beater X

TmplBlk A Felt-Beater X

TmplBlk AWood-Beater X

TmplBlk B Combi KS X X

TmplBlk B Combi Key X

TmplBlk B Drumstick X

TmplBlk B Leather-Beater X

TmplBlk B Felt-Beater X

TmplBlk B Wood-Beater X

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74 HALion Symphonic Orchestra

打楽器(金属)(Metal Percussion)

サスペンドシンバル(Suspended Cymbals)

クラッシュシンバル =合わせシンバル(Piatti=pair of cymbals)

プログラム Vel Key Switch

Cym small Combi KS X X

Cym small Combi Key X

Cym small Drumstick X

Cym small Stick roll X

Cym small Stick roll XFade

Cym small Mallet X

Cym small Mallet roll X

Cym small Mallet roll XFade

Cym small cresc roll X

Cym large Combi KS X X

Cym large Combi Key X

Cym large Drumstick X

Cym large Stick roll X

Cym large Stick roll XFade

Cym large Mallet X

Cym large Mallet roll X

Cym large Mallet roll XFade

Cym large cresc roll X

プログラム Vel Key Switch

Piatti Combi KS X X

Piatti Combi Key X

Piatti normal X

Piatti choked X

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HALion Symphonic Orchestra 75

タムタム(Tam-Tam)

トライアングル(Triangle)

カウベル(Cowbell)

スモールベル(Small Bell)

スレイベル(鈴)(Sleighbells)

プログラム Vel Key Switch

Tam-Tam Combi KS X X

Tam-Tam Combi Key X

Tam-Tam normal X

Tam-Tam choked X

プログラム Vel Key Switch

Triangle Combi KS X X

Triangle all X

Triangle normal X

Triangle normal NoRel X

Triangle roll X

Triangle roll XFade

プログラム Vel Key Switch

Cowbell X

プログラム Vel Key Switch

Small Bell X

プログラム Vel Key Switch

Sleighbells Combi KS X X

Sleighbells all X

Sleighbells normal X

Sleighbells shake X

Sleighbells shake XFade

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76 HALion Symphonic Orchestra

フィンガーシンバル(Fingercymbals)

カップゴング(Dobatchi)

ミサの鐘(Campane diMessa)

プログラム Vel Key Switch

FingCymsmall X

FingCym large X

プログラム Vel Key Switch

Dobatchi X

プログラム Vel Key Switch

CampDiMessa X

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HALion Symphonic Orchestra 77

チュートリアル :オーケストラ・セクションのアレンジ著・Martin Gerke

各楽器の手引きクラシック・オーケストラは、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器の 4つのセクションに分けられます。オーケストラの各グループは、それぞれに特徴的な音と役割があり、クラシック・スタイ

ルで作・編曲する際にはこれらをよく知っておく必要があります。ここでは、HALion SymphonicOrchestra を使用して作曲を行う前に、知っておきたいことをチュートリアルとして掲載します。

スコアの順番について

一般的なスコアにおける楽器の順番は、通常上から下に向かい、以下の各グループが並べられます。

1. 木管楽器

2. 金管楽器3. 打楽器

4. ソロヴァイオリン、ピアノなど5. 弦楽器

各グループ内では、上から下に向かい高音楽器から低音楽器へと並べられます。

ヒント :お使いのシーケンサーにおけるトラックリストなどで、一般的な楽器の順番に並べてみましょう。これにより、スコアが読みやすくなることでしょう。

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78 HALion Symphonic Orchestra

典型的なスコアの例

1. Allegro Moderato

2 Oboes

2 Flutes

2 Clarinets (Bb)

2 Bassoons

2 Horns (D)

2 Trumpets (E)

2 Trombones

Bass Trombone

Timpani

Violins 1

Violins 2

Violas

Celli

Double Basses

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HALion Symphonic Orchestra 79

一般的な奏法様々な奏法を使用して、楽器の演奏に変化をつけることができます。いくつかの演奏方法は、ある

楽器グループにのみ使用されます。たとえばピチカート(指で弦を引きはじく)は弦楽器にのみ使用されます。金管・木管楽器には「引きはじく」奏法はありません。しかしながら、他の楽器グ

ループにはそれぞれその楽器に合った奏法があり、発音方法(弾き方)は異なりますが、オーケストラの情況において、同様の作用を表現できるものもあります。

よく使われる奏法 :

• レガート(Legato): 音符の各音を、間をあけずにつないで演奏します。スコア上では、レガート

となる音符にはスラーが付けられます。レガートは、メロディやメロディ内のモチーフを演奏する際に、不可欠な奏法です。この奏法は、木管・金管・弦楽器において使用されます。HALion Symphonic

Orchestra では、レガート奏法プログラムを用意しています。

• ポルタメント(Portamento)/グリッサンド(Glissando): ポルタメントはレガートの一種ですが、

跳躍の大きい 2 つの音符間を、段階的でなはく、滑らかにつなぐものです。ポルタメントは木管・金管・弦楽器で使用可能です。HALion Symphonic Orchestra では、弦楽器のポルタメント奏法プ

ログラムを用意しています。よく似た奏法としてグリッサンドもありますが、これは 2つの音符間を判別できる段階(音階など)で弾きつなぐものです。ハープ・ピアノ・音程のある打楽器(シロ

フォン・ヴィブラフォン)で利用されます。

• スタッカート(Staccato): レガートの反対です。弓で非常に短く弾く(弦楽器)、あるいは短く息

を吹き込みます(木管・金管楽器)。各音は明確に分離されて聞こえます。スタッカートはリズミックな伴奏やメロディを演奏する際によく使用されます。

• ポルタート(Portato): レガートとスタッカートの中間です ;各音はつながりませんが、明確な分離までも行われません。

ヒント:メロディや伴奏において、レガート・ノンレガート・スタッカート・ポルタートを組み合わせて使用すると、演奏がより生きたものになるでしょう。

「レガート」ノートの例

「スタッカート」ノートの例

• トレモロ(Tremolo): トレモロは、1 つの音を素早く小刻みに繰り返し演奏することにより、その音が持続しているかのように聞こえさせる奏法です。弦楽器の場合は、1つのピッチにおいて上げ

弓と下げ弓を繰り返します。HALion Symphonic Orchestra では、弦楽器のトレモロ奏法とノーマル奏法を切り替えて使用できるプログラムを用意しています。

• トリル(Trills):2つのピッチを早く繰り返すものです。ほとんどのトリルは、半音あるいは全音の間隔で演奏されます。HALionSymphonic Orchestraでは、トリル奏法プログラムを用意しています。

• ヴィブラート(Vibrato)/ノン・ヴィブラート(Non Vibrato)ヴィブラートは、ある音のピッチ周辺を揺らす(震わせる)ものです。ヴィブラートの量は様々です ;非常にドラマティックなパッセー

ジでは、落ち着いたフレーズよりもかなり深いヴィブラートを掛けます。弦楽器の場合は指を震わせて、木管・金管楽器は息に変化を持たせることでヴィブラートを生じます。特に、ソロ楽器にお

いては、ヴィブラートは不可欠な演奏方法です。HALion Symphonic Orchestra におけるすべての

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80 HALion Symphonic Orchestra

楽器は、非常にわずかなヴィブラートを含んで録音しています。あるパッセージにおいてヴィブ

ラートを多く適用したい場合には、モジュレーション・ホイールを使用して、故意に(電気的に)ヴィブラートを発生させることができます。ただし、この機能は使いすぎないように注意してくだ

さい。

• クレッシェンド(Crescendo)/ デクレッシェンド(Decrescendo):クレッシェンド /デクレッシェ

ンドは、それぞれ「次第に大きく」/「次第に小さく」という意味で、ある時点での大きさから別の大きさに移行させるものです。2つのダイナミクス間の時間・音量差については様々で、驚かせ

るような短い変化から、数小節の長さにわたる変化もあります。スコアにおいて、この奏法は"< "/"> "といった記号で示されます。この記号の先端が左側にある場合はクレッシェンド、右側

にある場合はデクレッシェンドです。クレッシェンド / デクレッシェンドは、大きさについての情報であり、また演奏方法に結びつくものです。HALion Symphonic Orchestra では、MIDI コントロー

ラーで大きさをコントロールできるプログラムを用意しています。

クレッシェンドの例

デクレッシェンドの例

• アクセント(Accent): アクセント(Accent)は、ある音に加えることでリズムを強調したり、音色を変化させたりします。

各ノートのアクセント

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HALion Symphonic Orchestra 81

各楽器の移調(トランスポーズ)スコアには次の 2 種類の楽器が存在します:スコアの記譜とは異なるピッチで演奏される「移調楽

器」、そして記譜どおりのピッチで演奏される楽器があります。ほとんどの場合、クラリネット、ホルン、トランペットは移調楽器となります ; "Trumpet in Bb"では、トランペットで記譜"C" を吹

くと、実音 "Bb"が聞こえます。すなわち、2半音低くなります。すべての楽器が"C" で調和して演奏するためには、トランペットは2 半音上の "D"を演奏しなければなりません。フルートとヴァイ

オリンは記譜どおりのピッチとなる楽器です。

ここで示される楽器の音域は、HALion Symphonic Orchestra におけるサンプル楽器の音域であり、実際の楽器の音域と一致するものではありません。実際の楽器では1 ~ 2半音上まで音域が伸ばされる場合があります。音域のノートナンバーについては、Cubase SX3 などで示される MIDIノートナンバーのように、中央 "C" を"C3" と示します

クラリネット(Bb)の記譜音

実際のピッチ(-2 半音)

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82 HALion Symphonic Orchestra

木管楽器木管楽器の発音機構には、3つの種類があります。

1. フルートのように、空気(息)を歌口(アンブシュア・ホール)で分割して発音するもの。片方はエッジの外側に空気は逃げ、他方は歌口から内部へと空気が直接送り込まれ、これによって生じる振動により楽器が発音されます。

2. オーボエ、バスーンのように、曲面になっている 1 対(2枚)の " リード "を使用するもの。息を入れるとリードは相互に反発して振動し、鼻にかかった音で発音、そして楽器本体によってその振動音が増幅されます。楽器の指づかい(運指)によって空気の振動柱が伸縮され、これで音程が変わります。

3. クラリネット、サクソフォンのように、マウスピースに取り付けられた1 枚のリードを使用するもの。息を入れるとリードはマウスピースに反発して振動します。木管セクションは、弦楽セクションの後ろで、オーケストラの中央に配置されます。

木管セクションのサウンドは、弦楽セクションに(粗くなりすぎずに)力を加えることができます。奏法の豊かさにより、時に人間の声を思わせるサウンドが表現される場合もあります。

フルート(Flute)

• 移調:なし

• 範囲:B2~ E6

• 音域:3種 - 低音域、中音域、高音域

• 機動性:高

• 解説 :フルートはソロ楽器として叙情的なパッセージに最適です。低音域では音量が不足しますが、非常に豊かで美しい音色を持っています。また、フルートは非常に速いパッセージにも対応します。速いランやロングトーンが頻繁に掛け合うこともあります。中音域はなめらか、かつ明るい響きを持ち、メロディックなフレーズに最適です。フルートの演奏は、オーケストラ全体とのコントラストを良くするため、軽いテクスチュアにするべきでしょう。

• コンビネーション :高音域の持っている、輝きのある明るい響きによって、他の木管楽器や弦楽器の音に艶と輝きを追加することが可能です。ヴァイオリンとフルート(この場合は 1 オクターブ上)の組み合わせでのメロディ演奏が典型的なコンビネーションです。フルートは弦楽器、ホルン、トロンボーン、他の木管楽器と良くブレンドされ、音色に気品や柔らかさ、輝きを与えます。

フルートの範囲:H2 (B2) ~ E6

フルートの音質:やわらかい /かぼそい、強い /豊か、明瞭、鋭くよく通る

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HALion Symphonic Orchestra 83

オーボエ(Oboe)

• 移調:なし

• 範囲:Bb2 (A#2) ~ G5

• 音域:3 種 -低音域、中音域、高音域

• 機動性:高

• 解説 :このダブルリード楽器は、鼻にかかった響きと、時によく通る響きを持っています。表情豊かなパッセージやソロフレーズに最適です。"C5"以上の音域になると音色は途端にフルートよりもか細くなります。"E3" - "E4" はとてもチャーミングなキャラクターを持ちます。低音域は太く、もの悲しい響きです。他の木管楽器との " 対話" や短い "提示 "にも適します

• コンビネーション :オーボエは、ロングトーンや他の楽器との和音進行において非常に頻繁に使用されます。弦楽器、ホルン、他の木管楽器が演奏する和音にオーボエを追加すると、そのテクスチュアは若干「粗く」なります。フルートの場合ほど融和するという感覚ではありません。

オーボエの音域:Bb2 ~ G5

オーボエの音質:厚い、暖かい、明瞭 /細い

クラリネット(Clarinet in Bb

• 移調:あり

• 範囲:D2 ~ D5

• 音域:4 種 -低音域、中音域、高音域、最高音域

• 機動性:高

• 解説 :低音域を "p"(ピアノ)で演奏すると、神秘的な深く柔らかい、暖かい響きになります。しかしながら、オーケストラの全合奏部(テュッティ)において「突出して聞こえる」という感覚ではありません。中音域は若干鈍く、弱くなります。高音域は明瞭で丸い音色を持つため、ソロフレーズに最適です。最高音域は鋭くなる傾向があり、注意して利用する必要があります。

• コンビネーション :クラリネットは、たとえば豊満なフルートに柔軟性を与えます。クラリネットとオーボエを組み合わせる際、オーボエは低いパートに、クラリネットは高いパートに配置するとよいでしょう。木管セクションにおいて、クラリネットはオーボエとバスーンの仲介役になります。ダブルリード楽器の特徴は似通っており、互いにそれほどよく調和できません。クラリネットの音域によって、トランペットやホルンに輝きや暖かみを加えられます。クラリネットと弦楽器の組み合わせは非常に良好です。特にチェロとクラリネットはユニゾンで良く合います。

クラリネット(Bb)の音域:D2-G5(実音は長 2 度下)

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84 HALion Symphonic Orchestra

クラリネット(Bb)の音質:深い /しわがれた、かぼそい / なめらか、明るい/ 表情豊か、かん高い /細い

バスーン(Bassoon)

• 移調:なし

• 範囲:Bb0 (A#0) ~ E4

• 音域:3種 - 低音域、中音域、高音域

• 機動性:高

• 解説 :バスーンは、柔らかく、暖かく、活気があり、また意味深く、憂うつで、また物憂げな感じと、感情の幅を広く表現できる能力を持ちます。低音域は堅牢な「ベース」を生み出します。中音域は明瞭かつ豊かな響きを持ち、その性質はオーボエとも関連しますが、より具体的でかつ「木」の響きがあります。高音域は若干狭くしわがれた感じで、圧迫感や怖さも表現できます。

• コンビネーション :バスーンはホルンや低い弦楽器と深く関連させることができます。また、木管セクションの「ベース」も担います。フルートを 2オクターブ上にして共に演奏すると、メロディックなフレーズにおいて豊かに響きます。チェロ・ダブルベース・トロンボーン・バスクラリネットと組み合わせると魅力的なバスとなります。

バスーンの音域:Bb0 (A#0) ~ E4

バスーンの音色:暗い /硬い、表情豊か /なめらか

バスーンの音色:かぼそい /窮屈

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HALion Symphonic Orchestra 85

ピッコロ(Piccolo)

• 移調:あり

• 範囲:D4 ~ C7

• 音域:3 種 -低音域、中音域、高音域

• 機動性:高

• 解説 :ピッコロ(C)は、通常のフルートよりも 1 オクターブ上の音が鳴ります。低音域を "p"(ピアノ)で演奏すると、虚ろで神秘的な音を奏でます。中音域・高音域でメロディを担当すると、鋭く情感豊かな感じになります。

• コンビネーション :オーケストラの全合奏部(テュッティ)において、ピッコロを1 ~ 2オクターブ上に追加することでメロディーライン鮮明にさせることができます。木管セクションと非常に良く調和します。

ピッコロの音域:D4 ~ C7(記譜上 =実音は 1オクターブ上)

ピッコロの音質:かぼそい、なめらか、明瞭

ピッコロの音質:鋭く高い

イングリッシュホルン(English horn)

• 移調:あり

• 音域:B2 ~ G5

• 音域:3 種 -低音域、中音域、高音域

• 機動性:高

• 解説 :イングリッシュホルンはオーボエの「アルト版」と言うこともできます。音色は暗くそして強く、オーボエよりも「包み込んだ」響きがします。その性質から、古風な、牧歌的な、また憂うつな雰囲気を表現したり、またゆったりとした("largo" の)フレーズでよく使用されます。

• コンビネーション :イングリッシュホルンは木管セクションの中音域を担います。オーボエ・クラリネット・バスクラリネット、金管楽器ではトランペット・ホルン、そしてすべての弦楽器、特にヴィオラとの組み合わせが良好です。

イングリッシュホルンの音域:B2 ~ G5(実音は完全5 度下)

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86 HALion Symphonic Orchestra

イングリッシュホルンの音質:哀愁を帯びた /熱を帯びた、なめらか /暖かい、明瞭 / 細い、かなり細い

バスクラリネット(Bass Clarinet in Bb)

• 移調:あり

• 範囲:C2 ~ D5

• 音域:4種;低音域、中音域、高音域、最高音域

• 機動性:高

• 解説 :バスクラリネットの低音域は倍音成分を多く含み、暗くふくよかな響きがします。クラリネットと同様、中音域の響きは薄く、また弱くなります。高音域は豊かで丸い音色になり、時に強い響きも与えることができます。クラリネットの中音域をバスクラリネットの高音域で代用することも可能で、こうすることにより音色は力強さを増します。最高音域はか細く狭い響きになり、和音の構成音としては向きません。

• コンビネーション :クラリネットとバスクラリネットはその構造が同じなので、ユニゾンや1 オクターブ差で演奏した場合に、音質はほぼ同じに聞こえます。低い木管楽器 -バスーンやイングリッシュホルンは、共に「ベース」を創る最適なパートナーとなります。金管楽器では、特にホルンとバスクラリネットは最上級の調和が可能です。ホルンの音色はバスクラリネットと同様、分厚くありながらなめらかです。またバスーンと同様、バスクラレネットは低い弦楽器と非常によく調和します:低音域とダブルベースの組み合わせはとても印象的でかつ暗く(深く)、またバスクラリネットとチェロのユニゾンは、そのやわらかさと丸い音色により、非常にポピュラーなコンビネーションです。

バスクラリネットの音域:C2 ~ D5(実音は長9 度下)

バスクラリネットの音質:深い /豊か、明瞭、表情豊か /明るい、鋭い / 細

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HALion Symphonic Orchestra 87

金管楽器金管セクションは、打楽器の次に音量が大きいセクションといえます。このセクションは、ホル

ン・トランペット・トロンボーン・チューバの4 種類の楽器で構成されます。金管セクション全体で弱奏した場合は倍音が少なく、強奏すると倍音が多くなります。最も強く演奏した場合は、オー

ケストラ全体において最も輝かしくかつ強力な響きとなります。金管楽器は、金管楽器同士で非常に良く調和されますが、オーケストラの他のセクションの音を埋もれさせ、欠き消さないよう注意

しなければなりません。金管セクションの各楽器における音色の違いは、使用されるマウスピースの形状の違いにあります。ホルンのマウスピースは漏斗状(じょうご)、トランペット・トロンボー

ンはカップ状になっています。チューバのマウスピースはこれらの中間的な形状をしています。

ホルン(Horn in F)

• 移調:あり

• 範囲:C2 ~ D5

• 音域:3 種 -低音域、中音域、高音域

• 機動性:良

• 解説 :ホルンはやわらかい音性の木管楽器と明るい音性の金管楽器の「橋渡し役」となります。この理由により、トランペットの方がホルンよりも音域が高いにも関わらず、スコアの順番では木管楽器の下にホルン、トランペットと続きます。やわらかく叙情的な "p"(ピアノ)の音質は、ソロフレーズや低音域から高音域までを使用した和音に適します。

• コンビネーション :ホルンは木管楽器の「ゲスト」として迎えられる場合もあります。クラリネットのソプラノ音域、そしてバスーンのバス音域と良く調和します。金管セクションでは、ホルンのなめらかな音色が、トランペットやトロンボーンの「鋭さ」を緩和します。ホルンと弦楽器を組み合わせると相互作用が生まれ、弦楽器の荘重な音色がホルンによってより深くなります。

ホルン(F)の音域:C2 ~ D5(実音は完全5 度下)

ホルンの音質:深い /荘厳、暖かい / 丸い

ホルンの音質:エキサイティング /明るい

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88 HALion Symphonic Orchestra

トランペット(Trumpet in Bb)

• 移調:あり

• 範囲:G2~ E5

• 音域:3種 - 低音域、中音域、高音域

• 機動性:良

• 解説 :トランペットは力強く、輝かしく、またきっぱりとした音色を持ちます。その性質は最上声部の輪郭をはっきりとあらわします。トランペットの低音域を "p"(ピアノ)で奏すると、神秘的でやわらかい音色になります

• コンビネーション :トランペットは金管セクションにおけるソプラノ音域を担い、高音部に明確さと力強さを与えます。複数のトランペットをユニゾンで演奏すると、音色の力は増し、また豊かになります。トランペットと木管楽器もよく混ざりますが、木管楽器は非常に大きく演奏しなければならず、またはトランペットよりもオクターブ上で演奏する必要もあります。トランペットとクラリネットを組み合わせると、他のどの組み合わせよりも明確で明るい響きになります。弦楽器ではヴィオラとトランペットが完璧なまでに調和します。他の弦楽器の場合はトランペットの輝かしい音色を強調する役目に留まります。

トランペット(Bb)の音域:G2 ~E5(実音は長 2度下)

トランペット(Bb)の音質:深い /かぼそい、深い / 強い、明るい/ 雄大、明るい /きしる

トロンボーン(Trombone)

• 移調:なし

• 範囲:E0~ D4

• 音域:3種 - 低音域、中音域、高音域(+ペダルトーン)

• 機動性:平均

• 解説 :トロンボーンは、トランペットの音色を低い音域に拡張したものともいえます。トランペットとは異なり、トロンボーンにはバルブがなく、スライドを使用してピッチを定義します。また、トロンボーンの音色は、間接的で丸いホルンの音色と比べると、非常にはっきりとしており、より存在間があります。トロンボーンによる"ff"(フォルティッシモ)、"fff"(フォルティッシシモ)はかなり攻撃的ですが、ホルンのようにヒロイックな響きにはなりません。複数のトロンボーンを"p"(ピアノ)で、音域の間隔を広く配置すると、荘厳でシリアスな印象になります。HALionSymphonic Orchestra のトロンボーンは、テナー・トロンボーンとバス・トロンボーンが用意されています。使い分ける場合はそれぞれのプログラムを読み込んでご利用いただけます。

• コンビネーション :トロンボーンを補強する場合は、バスーンや低い弦楽器を組み合わせると良いでしょう。高音の木管楽器とトロンボーンの組み合わせはあまり良い印象を生み出しません。

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HALion Symphonic Orchestra 89

トロンボーンの音域:E0~ D4

トロンボーンの音質:暗い /強い、豊満 / 硬い、力強い/ 明るい

トロンボーンの音質:感情的

チューバ(Tuba)

• 移調:なし

• 範囲:E0~ Eb3(D#3)

• 音域:3 種 -低音域、中音域、高音域(+ペダルトーン)

• 機動性:良

• 解説 :チューバは丸くどっしりとしており、またそれほどはっきりとはしておらず、幅広い音色を得られます。

• コンビネーション :金管セクションにおいて、チューバは「ベース」となります。チューバは音色が調和しやすく、ホルン・セクションにおける第 4・第5 の「バス」ホルンのように振舞うこともできます。トロンボーン・セクションと組み合わせた場合も同様の機能をはたします。チューバのマウスピースが、ホルンの漏斗状(じょうご)とトランペット、トロンボーンのカップ状の中間的な形状をしていることに由来します。また、ダブルベースとも良く調和することができます。

チューバの音域:E0~ Eb3(D#3)

チューバの音質:暗い /弱い、暗い / 強い、力強い、熱烈/ 弱くなる

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90 HALion Symphonic Orchestra

打楽器打楽器セクションはオーケストラで一番大きい音のセクションです。音程付きの楽器と音程のない

楽器に分類できます。すべての打楽器はスティック、マレット、ビーターを利用して演奏します。これらは木製、プラスチック製、ウール製などがあり、この材質の違いによっても音色が変化しま

す。

打楽器セクションはオーケストラの中で特殊な効果を提供します。力強い自然音(嵐や雷など)の

効果や、他の楽器と混ぜることで興味深いカラーを生み出します。

音程付き打楽器 :

ティンパニー(Timpani)

• 移調:なし

• 範囲:C1 ~ F1

• 音域:なし

• 機動性:高(マレット)、低(ペダル)

• 解説:ティンパニーはシングル・ストロークで演奏したり、ロール奏法によるひそかな轟きから強い雷の効果までカバーします。通常は、それぞれが異なる音程にチューニングされた3 台のティンパニーを使用します。この場合調性と関連してトニック(主音)、サブドミナント(下属音)、ドミナント(属音)が選択されることが多いです。ペダル・ティンパニーを使用する場合は、1 台で演奏しながらピッチを変更していくことができます。

• コンビネーション:ティンパニーは打楽器の中で最も一般的に使用されます。オーケストラのテュッティにおいて、弦楽セクションとともにトレモロで演奏すると、相当な力と緊張感が得られます。他のオーケストラ楽器と組み合わせて "p"(ピアノ)以下で演奏すると、神秘的な「ドローン」を生み出すベースとなります。ティンパニーはチェロやダブルベース、その他低音楽器とともに和声的なアクセントをもたらすことができます。

グロッケン(Glockenspiel)

• 移調:あり

• 範囲:G3~ C6

• 音域:なし

• 機動性:高

• 解説:シロフォンとグロッケンは、オーケストラ全体の中で最も高いピッチを奏でます。ベルにも似た金属的な音色はよく通る性質を持っています。

• コンビネーション:他の楽器によるメロディーに対してグロッケンを1~2オクターブ上で追加すると輝きが増します。フルート、ピッコロ、ハープと組み合わせるのが典型的な使い方です。この組み合わせで "p"(ピアノ)で演奏すると、グロッケンはかぼそい、無邪気なキャラクターになります。スネアドラムやバスドラム(グランカッサ)と "f"(フォルテ)で演奏した場合は、軍隊的な印象に変わります。

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HALion Symphonic Orchestra 91

ビブラフォン(Vibraphone)

• 移調:なし

• 範囲:F2~ F5

• 音域:なし

• 機動性:高

• 解説:ビブラフォンは比較的倍音が少なく、ゆらぎをもった、金属的な響きの音色です。その控えめな音量により、きわめて静かなパッセージや、流れるような、または神秘的な、なめらかな雰囲気に適しています。

• コンビネーション:ビブラフォンは、クラリネットと共に "p"(ピアノ)で演奏すると綺麗に混ざります。

シロフォン(Xylophone)

• 移調:なし

• 範囲:C3 ~ C6

• 音域:なし

• 機動性:高

• 解説:シロフォンは音価が短く、暖かいよく通る音色を持ちます。ロール奏法かシングル・ストロークで演奏します。

• コンビネーション:非常にヌケの良い音質のため、シロフォンはオーケストラの輪郭を形作る役割を与えられることが多いです。シロフォンを 2 オクターブ上で組み合わせて、ランやトレモロを行わせると、いきいきとした雰囲気になります。

チューブラー・ベルズ(Tubular Bells)

• 移調:なし

• 範囲:C2 ~ F3

• 音域:なし

• 機動性:平均的なレベル

• 解説:チューブラー・ベルの響きには、様々なアタックとサスティン成分が含まれています。アタック時のピッチはスコアどおりでも、サスティン部分の音色は 1 オクターブ下となります。豊かな倍音成分により非常に長く共鳴し、荘厳な、時に不気味な雰囲気を生み出します。ダイナミック・レンジは "ppp" から "fff" までカバーします。

• コンビネーション:シンバルやゴングが、チューブラー・ベルの金属的な響きに対してよく合う付加成分を加えます。オーケストラを構成するその他の楽器とは異なり、金属音の倍音構成は、"音色のブレンド " は実質的に不可能です。

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92 HALion Symphonic Orchestra

音程付き打楽器の音域 :

ティンパニー - C1 ~ F2

グロッケン - G3~ C6(実音は 2 オクターブ上)

ビブラフォン - F2~ F5

シロフォン - C3 ~ C6

チューブラー・ベルズ - C2 ~ F3

音程の無い打楽器 :HALion Symphonic Orchestra には様々な音程をもたない打楽器音が用意されています。それらを

使って、面白みと多様性を兼ね備えたリズム・パターンや効果音的な要素を生み出すことができます。最も一般的な楽器として、スネアドラム、バスドラム(グランカッサ)、各種シンバル(合わ

せシンバル含む)が挙げられます。

スネアドラム(Snare Drum):ロール奏法やフラム奏法、力強いシングル・ストロークで演奏する

と、即座に軍隊的な印象に変化します。そのような効果を意図しない場合は、控えめに利用するとよいでしょう。

バスドラム(グランカッサ /Gran Cassa):低い爆音を奏でる、強力なインパクトをもった楽器です。"fff" で演奏すると、小さな地震と同じような効果が生じるため、音量に気をつけて使用してく

ださい。他の低音楽器とともにバスドラム(グランカッサ)をロール奏法で演奏すると、脅かすような雰囲気が得られます。

シンバル(Cymbal)/合わせシンバル(piatti a due):高域の不協和音が、金属的なスペクトラムを生み出します。スティックやマレットで演奏したり(シンバル)、2 枚を合わせて叩く場合もあ

ります(合わせシンバル -クラッシュ奏法)。オーケストラ・ヒットの高音域の周波数スペクトラムはシンバルのシングル・ストローク、あるいはクラッシュ奏法が発する音で形成されています。

さらにシンバルは楽曲中の予期せぬ瞬間に、サプライズ的に使用したり、また、トレモロ、クレッシェンド、デクレッシェンドを用いることで、オーケストラの演奏音に金属的な響きを加え、2つ

の音楽的場面を切り替える際に使用したりします。

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HALion Symphonic Orchestra 93

バスドラム(グランカッサ)、シンバル、合わせシンバルは、適宜選択して利用していく効果音と

もいえます。ゴング、タムタムはシンバルよりもはるかに複雑な倍音を持ち、主となる音程(周波数)の判別が難しい楽器です。

タンバリン(Tambourine)/フィンガーシンバル(Finger cymbal)/スレイベル(鈴)(Sleigh bell):高音打楽器で、ベルのような響きや金属的な音色によるリズム伴奏に最適です。タンバリンはシン

グル・ストローク、指のロール、および「振る」ロールの各奏法があり、"p" から "f"までカバーします。フィンガーシンバルは東洋的な雰囲気の音色を持ち、スレイベル(鈴)は冬やクリスマス、

あるいは「サンタクロースが乗るそりの鈴」の印象があります

テンプルブロック(木魚 / Templeblocks):5 個 1 組で使用します。木質で幾分なめらかに共鳴し

ます。たとえば馬の「ギャロップ」を現すにも最適です。

ビブラスラップ(Vibraslap):バネがジャンプする光景をスローモーション再生したような音で、

コメディ音楽や映画の効果音にも頻繁に使用されています。トライアングル(Triangle)は、オーケストラの全合奏部(テュッティ)の中で、ティンパニーやバスドラム(グランカッサ)と共に、

トレモロでクレッシェンド /デクレッシェンドを演奏すると、うねりを加え、響き渡るように聴こえます。また、軽さと澄んだ音色のリズム・パターンにも使われます。

カウベル(Cowbell):スティックを使用して演奏します。特にアフロキューバン音楽のリズム・パターンで頻繁に使用されます。スモールベル(Small bell):グロッケンよりも若干不協和的な響き

で、エキゾチックな効果をもたらします。ミサの鐘(Campani di Mesa):ベルのような効果音で、ドアベルと似た響きがします。

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94 HALion Symphonic Orchestra

弦楽器弦楽器にはバイオリン、ビオラ、チェロ、ダブルベースが含まれ、オーケストラにおける最重要

パートといえます。

ほとんどの場合、スコア上では弦楽セクションを5 段に分けます - 1st バイオリン(16人)、2nd バ

イオリン(14人)、ビオラ(12人)、チェロ(10人)、ダブルベース(8人)

4声の和声進行の場合、通常はチェロがバス声部を担当します。ダブルベースでチェロのバス声部

を 1オクターブ下でユニゾンすることで、堅固ではっきりとしたベースサウンドが得られます。これは絶対的なルールではないのですが(ダブルベースとチェロは別々の動きをしても構いません)、

ほとんどの場合においてこの方法がとられています。

弦楽セクションほど奏法数と複数パートにおける混声音に幅があるセクションはありません。ダイ

ナックレンジに関しても "pp"(ピアニシモ)から "ff"(フォルティシモ)まで対応します。木管楽器と弦楽器の相性はとても良く、あらゆる場面で使われています。弦楽器には音色に幅となめらか

さがありますが、木管楽器を加えることで、安定感と質量感が増加します。さらに、ドラマティックな音色変化が欲しい時に木管楽器の和音と弦楽器の和音のフェード効果が良い結果を出すこと

も少なくありません。

弦楽器の各音域 :

バイオリン:G2~ F6

ビオラ:C2 ~ E5

チェロ:C1 ~ A4

ダブルベース:C1 ~ E4(実音は1オクターブ下)

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HALion Symphonic Orchestra 95

バイオリン(Violin)

• 移調:なし

• 範囲:G2 ~F6

• 音域:4 弦 - G2, D2, A3, E4

• 機動性:高

• 解説:バイオリンはスコアにおいて 2 段用意され、それぞれ 1stバイオリン、2ndバイオリンと呼ばれています。通常、1st バイオリンはメロディーを、2ndバイオリンは和音を担当します。バイオリンはソプラノの役割だけでなく、低音域の非常に暖かい音色によりテナーの役割も担います。音階が高くなるにつれて力強い音色になります。"G線 " は最も太く、深く、よく共鳴し響き渡ります。"D 線 " は他の弦に比べて最も中間的で、なめらかで豊かな響きを持ちます。"A線 "は非常にまろやかな音質で、叙情的な響きです。"E線 "は最も力強く、特にビブラートを加えながら演奏すると輝かしい響きになります。

• コンビネーション:1st+2ndバイオリンをユニゾンで演奏すると大きな音量になります。一方で1オクターブ離すと若干曇った音色に変わります。楽曲のクライマックスでかなり大きい(重要な)メロディーを演奏する場合には、オクターブ下でビオラを加えてもよいでしょう。バイオリンとチェロをオクターブで配置した場合は、チェロのテナー音域が音の核になります。

ビオラ(Viola)

• 移調:なし

• 範囲:C2 ~ E5

• 音域:4 弦 - C2, G2, D2, A3

• 機動性:高

• 解説:ビオラはバイオリンよりも完全5 度低く、弦楽セクションのテナー音域を担います。バイオリンに比べると音色は若干暗く、また若干重く感じられますが、演奏上の機動性はほぼ同じです。2ndバイオリンと共に、和音の内声部や伴奏、リズム音形を担当します。ビオラのソロはとてもメランコリックな音性を持ちます。また、上記のようなビオラ本来の任務をはたすべく、結果としてメロディーを一切担当しない場合もあります。

• コンビネーション:ビオラは、バイオリンやチェロの補強効果があります。ビオラを加えることで音色はともに太くなり、組み合わせによる共鳴効果も得られます。他の弦楽器と同様、ビオラも木管楽器と緊密に結びつき、特にオーボエとビオラの第 4線(A線)はとてもよくなじみます。木管楽器との相性は金管楽器よりも良好ですが、金管楽器においても、組み合わせによってはビオラの良きパートナーになります("p" で演奏するトランペットやホルンなど)。

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96 HALion Symphonic Orchestra

チェロ(Cello)

• 移調:なし

• 範囲:C1 ~ A4

• 音域:4弦 - C1, G1, D1, A1

• 機動性:良

• 解説:チェロは弦楽セクションにおけるテナー音域とバス音域を担います。ピッチはビオラの1 オクターブ下ですが、バス音域だけでなく、メロディーにも使用されます。チェロの音色はきわめて暖かく、また豊かです。最も低い "C 線 "は "G線 "よりも若干重い響きをもち、共に豊かな倍音を含みます。"D線 " は、"C線 " と"G 線" ほど力はなく、若干控えめな音性です。最も高い "A線 "は非常に表情豊かなソロ・フレーズにも対応し、力強く、メロディックで豊かな音色です。チェロ本体はバイオリンやビオラよりも大きいので指版の全長も長いですが、機動性は高い部類に入ります。

• コンビネーション:バスからアルト、そしてソプラノまで幅広い音域を持つため、チェロはオーケストラを構成する他の楽器と混ぜ合わせて使用することができます。チェロとオーボエを組み合わせると、かなり焦点がはっきりした高周波を多く含む音色になり、明瞭な響きになります。クラリネットを追加すると、音色の明るさが和らげられます。バスーンはチェロのバス音域を強調させることができます。ホルン・セクションとチェロ・セクションをブレンドする際、木管セクションも加えるとより良い結果が得られることが多いです。

ダブルベース(Double Bass)

• 移調:あり

• 範囲:C1 ~ A4

• 音域:4~ 5 弦:(B0), E0, A0, D1, G1

• 機動性:平均

• 解説:ダブルベースは高い倍音が抑えられた響きをもちます。そのため、チェロの1 オクターブ下でバス音域の土台を担当することが多くあります。この役目が、「ダブルベース」という呼称の所以です。"E 線 " は非常に暗く陰があり、鈍く聞こえる傾向があります。"A 線 " はさらにうなる音質ですが、重さを兼ね備えています。"D線 " と"G 線 "は、チェロの音域までカバーしますがチェロよりもはるかに暗い音質で、時に攻撃的な力強さもみせます。

• コンビネーション:ダブルベースは、他のセクションのあらゆる低音楽器の最適なパートナーといえます。チューバは量感と安定性が、バスーンを追加すると精密さと気品が、バスクラリネットのようなシングルリード楽器を追加すると、柔らかさが加わります。トロンボーンとダブルベースを1 オクターブ離して配置すると、荘厳で力強い響きに、ホルンを追加した場合はなめらかになります。また、ティンパニーとダブルベースをともにトレモロで演奏すると非常に印象的な雰囲気がでます。

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HALion Symphonic Orchestra 97

構造と和音のバランスについて

グループ楽曲のスコア構造は、3 つのグループにわけるとわかりやすくなります :

グループ 1:メロディー、主題グループ 2:特徴的な伴奏と対旋律

グループ 3:追加的な背景モチーフや、グループ 1、2を助けるモチーフなど

楽器各グループに使用する楽器の用法を考察してみましょう。グループ 1はソロ楽器でメロディーを演

奏します。極端な例ですが、メロディーをクラリネットで "p"(ピアノ)で演奏させる場合、金管楽器の "f"(フォルテ)で伴奏を作るのは良いアイディアとは言えません。グループ 1 は明瞭に聴

こえなければなりません。グループ 2も同様ではありますが、グループ 1を飛び越してしまうようなバランスはよくありません。また、グループ 3 は極端に目立ってはいけません。

和音

和音の構成は、単音の自然倍音に従うように行なうと良いでしょう。以下の内容を含めて考えていきましょう。

• バス・テノール声部(ヘ音記号の音域)の和音の間隔は広く、高音域になるほど間隔は狭くなります。すなわち、トロンボーンやバスーンの和音は広く、フルート、オーボエ、クラリネットの和音は狭

くする傾向があります。

• 和音を形成する一音ごとに異なる効果があります。和音の「基音」から音程が離れるほど、ダブリング効果が少なくなります。「基音」を大きく響かせたい場合は、5度音程よりも 3 度音程を多く使用します。

和音 -例1 つ目の例は、オーケストラの楽章の終結に現れるような C-Major(ハ長調)のフォルテによる、

輝かしく力強い和音です。高音域のフルートとトランペットが輝きを与えています。弦楽器は広い間隔で配置され(開離和音)、全音域に豊かさを与えます。中音域(クラリネット、オーボエ、ホ

ルン)は狭い間隔で配置され(密集和音)、安定感を与えます。中低音域ではトロンボーンが暖かさを与えます。また、バスーン、チューバ、チェロ、ダブルベースにより、深い低音の響きが加わ

ります。

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98 HALion Symphonic Orchestra

C-Major(ハ長調)の和音

C-MajorPiccolo

2 Flutes

2 Oboes

2 Clarinets (Bb)

2 Bassoons

2 Horns (F)

2 Trumpets (Bb)

3 Trombones

Tuba

Timpani

Violins 1

Violins 2

Viola

Celli

Double bass

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HALion Symphonic Orchestra 99

次の和音例では異なる印象(暗く脅かすような響き)が得られます。和音は D-minor(ニ短調)の

ピアノで演奏され、オーボエ、トランペット、フルートを省くことで、高らかな響きをあえて消しています。より「不安感」を誘うために:ホルンはマイナー 7th(短 7 度)の音程、クラリネット

とバイオリンはメジャー 9th(長 9 度)の音程を追加しています。弦楽器は狭い和音で配置され、不協和音を強調しています。トロンボーン、ホルン、バスーン、チューバで暗い響きを作り出し、

バスドラム(グランカッサ)とシンバルで広がった不気味な空間を演出しています。

D-minor(ニ短調)の和音

D-minor + minor 7th + Major 9th(ニ短調+短7度+長9度)

2 Bassoons

2 Horns (F)

3 Trombones

Tuba

2 Clarinets (Bb)

Gran

Cymbals

Violins 1

Violins 2

Viola

Celli

Doublebass

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100 HALion Symphonic Orchestra

HALion Symphonic Orchestraによるスコアの再構成以下の例は、交響曲第8 番「未完成」(F. シューベルト/1822)第 1楽章の冒頭 38小節です。ここ

でいくつかの重要なポイントを考察してみましょう。

Steinberg Cubase SX ユーザーには、この曲例のすべてのサウンドを含むデモ・プロジェクトが、インストール DVD-ROM の "Additional Content/Tutorial" フォルダに収録されています。CubaseSX のスコア・エディタで、以下に掲載しているスコアをご確認ください。このプロジェクト・ファイルを開くには最低 512MB のメモリが必要です。Cubase S X をお持ちではないユーザーは"8_Schubert_Unfinished_Score_PDF" サブ・フォルダに収録されている PDF ファイルをご覧いただき、加えて曲例のサウンド・ファイルをご試聴ください

前期ロマン派にある交響曲の典型的な第 1楽章らしく、非常におだやかに始まり、第 1テーマが次

第に力を増していき、ダイナミックにクライマックスを迎えます。度々"pp"(ピアニッシモ)に戻りながら数小節にわたるクレッシェンドを続けた後、36-37小節目でクライマックスを迎えます。

1ページ目

最初のページに、この楽曲で使用するすべての楽器を書き記すのが習慣となっています。

シューベルトは、以下の楽器を使用した中編成のオーケストラのために書いています。

移調楽器の記譜を、MIDI 経由でシーケンサーにレコーディングする場合は、シーケンサーのトラック設定において、受信する MIDI ノートをトランスポーズする必要があります。クラリネットは実

音より 3半音下(短 3 度)、ホルンは 10半音下(短 7 度)、クラリーノ(トランペットで代用)は8半音下(短 6 度)に移調します。このような準備を予め行っておくと、スコアに記譜されている

通りに入力しても正しく発音されます。

Cubase SXのトラック・インスペクターを使って MIDI ノートにトランスポーズを設定

木管: フルート×2、オーボエ×2、クラリネット(A)×2、バスーン×2

金管: ホルン(D)×2、クラリーノ* (E)×2、テノールトロンボーン×2、バストロンボーン×1※バルブのないバロック・トランペット

打楽器: ティンパニー(F#、B)

弦楽器: 1st バイオリン、2nd バイオリン、ビオラ、チェロ、ダブルベース

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HALion Symphonic Orchestra 101

HALion Symphonic Orchestra で適切なプログラムを選択するHALion Symphonic Orchestra で各楽器に対応するプログラムを選択するには、スコアの各段を分

析して、必要な奏法の数を調べます。

例えば、フルートの 26 小節目は、通常のレガート奏法です。そして 28-29小節目の 4 分音符は、

クレッシェンドした結果フォルツァート(突然のフォルテ)で演奏されます。その他の小節では特別な奏法はなさそうです。

上記の分析結果から、3 種類の奏法が主に考えられます:長いレガート音、徐々に強く(または弱く)、大きな短い音。HALion Symphonic Orchestra には、これら必要な奏法を網羅したプログラム

- "Flt solo Combi XSwitch KS" があります。コンビ・プログラムでは、あらかじめ割り当てられたキースイッチを押しながら演奏することで、様々なアーティキュレーションを演奏することができ

ます。またこのプログラムは、モジュレーション・ホイールを使用して、クレッシェンド / デクレッシェンドをコントロールできるので、様々なダイナミクスや、抑揚表現も行えます。

奏法の数は、他の木管楽器、ホルン、弦楽器についても同様で、長いレガート音、クレッシェンド/ デクレッシェンド、鋭いアタックをもった短いノートが必要です。他の楽器についても、この場

合 "*-combi XSwitch KS"プログラムが適切な選択と言えるでしょう。

9-26 小節目のチェロ、ダブルベース、ビオラでは、バスのモチーフをピチカートで演奏するため、

ピチカート・プログラムが必要です。トロンボーン、トランペット(クラリーノ)は、短いフォルテのアクセント音が必要です。また、ティンパニーのシングル・ストロークのプログラムも必要で

す。

楽器の配分ご使用されている CPU の処理能力とメモリ容量によって、読み込めるプログラムの種類と数、同

時発音数が変わります。

コンピューターに搭載されている CPU が 2GHz 程度、メモリ容量が 1GB以上あれば、オーケスト

ラを構成する各セクションを個別に扱いやすくなります。最初に、弦楽セクションの MIDI レコーディングを行います。レコーディングが無事終了し、再生音に問題がなければ、MIDI 情報をオー

ディオ・データに書き出します。次のセクションについても新しくプログラムを読み込んで、同様の方法でレコーディングを行ない、最初のセクションと同じくオーディオの書き出しを行います。

CPU が 3GHz 以上で、メモリを 2GB 以上搭載するような処理能力が比較的高いシステムを使用している場合は、処理能力が追いつく限りセクションごとに 1 つずつ HALion Symphonic Orchestra

を起動する方法もございます。これによりスロット数が充実し、1つの楽器につき複数のアーティキュレーションを準備しておくことができます

木管楽器

• 各楽器につき "*-combi XSwitch KS"プログラムを使用します。

• 13 小節目から始まる最初のメイン・テーマでは、オーボエとクラリネットが 1本ずつ、"pp" のユニゾンで組み合わされています。両楽器とも、18小節目のクレッシェンド /デクレッシェンドをコン

トロールするために、モジュレーション・ホイールを使用します。

• 次に、2本のバスーンで高音域による 3度の和音で、ホルンと共に突然の暗く鋭いフォルツァートを

引き出し、流麗なオーボエとクラリネットのメロディーと対比させます。

• デクレッシェンドした後にメロディーが戻ってきますが、1本のホルンでメロディーをわずかに強

調します。

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102 HALion Symphonic Orchestra

• 4小節後からテーマが発展します。和音進行が上方に向かい、26小節目でフルートによる高音が追

加されることで、わずかに輝かしくなり、音が広がります。また、オーボエとクラリネットもユニゾンから各パートに分かれて、オーケストラ全体もクレッシェンドしていきます。

• 28-29小節目、36-37 小節目の4 分音符によるフォルツァートは、キースイッチを押しながら演演奏することで、短いスタッカートを得られます。

• オーケストラの "ff"(フォルティッシモ)によるテュッティにおいて、金管楽器と弦楽器によるリズムの背景で、木管楽器は広い音域にわたり、ただし狭い和音が鳴らされます。最後の和音ではオ

クターブ上の音域に跳ね上がり、全体の音色に輝きを与えます。

金管楽器・打楽器

• ホルンは20小節目でバスーンと共に暗く鋭いフォルツァートの和音を鳴らし、その後デクレッシェンドします。ここでは、アクセントの後にデクレッシェンドする長い音が必要になりますが、アク

セントとレガートのコンビ・プログラムは同時に使えません。そこで、"hrn solo -combi XSwitchKS" プログラムに対して、アタックを強調したフォルツァートを実現するために、"hrn solo stacc

ALT Vel" という別のプログラムを追加します。アクセントが必要な場合は、この "スタッカート "ノートを別の MIDI トラックにレコーディングしておきます。

• トランペットとトロンボーンは、短いアクセントを演奏します。この場合はスタッカート・プログラムを読み込みます。

• ティンパニーはシングル・ストロークで演奏します。

弦楽器

• クレッシェンド/デクレッシェンドを行うためには、HALionSymphonic Orchestraの"Options"ダイアログで、モジュレーションホイールをメイン・コントローラーとして割り当てておく必要があり

ます。実際の弦楽器奏者による演奏を注意深く聴いても、ほとんどと言って良いほど完璧にコントロールされていませんので、再現サウンドに関しても生演奏と同じように、モジュレーション・ホ

イールを多用して雰囲気を出してみてはいかがでしょうか。

• チェロとダブルベースによる、深い "pp"(ピアニッシモ)で序奏が始まります。コンビ・プログラ

ムを使用すればキースイッチを押さなくても、このようなパートを再現することができます。音色に若干の「動き」をつけるため、モジュレーション・ホイールをわずかに操作します。

• 9 小節目から、バイオリンによる連続した 16分音符のモチーフが現れます。この音形は強弱をつけて繰り返され、和音も変化しながら 36小節目まで続きます。36小節目まではアクセントがある 4

分音符が必要です。キースイッチ(A#-1)を押して短いノートを演奏することができます ; HALionSymphonic Orchestra は、サンプル・プレイヤー使用時にありがちな「マシンガン現象」を避ける

ために、3 種類のサンプルを相互に切り替えて再生します。36-37小節のアクセントを付けた 4 分音符で余韻を作るために、長めのサスティンを使用します。これらの 4 分音符に対して、モジュ

レーション・ホイールを活用します。

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HALion Symphonic Orchestra 103

バイオリンのノートとモジュレーション・ホイールによるオートメーションデータ

• この楽曲例では、16分音符の演奏をVel プログラムではなく、XFadeプログラムを使用した方が良い

結果が得られるようです。各音符を正確にレコーディングした後に、モジュレーション・ホイールを使って各ノートのベロシティ値をレコーディングします。この方法の方がノートごとにベロシ

ティ値を編集するよりもはるかに容易だからです。サウンドをより音楽的にするためには、ベロシティ・イベントを 1 音ずつマウスを使って細かく調節するよりも、楽曲全体のダイナミクス変化を

感じながらコントロールした方が良い結果が得られ易いです。

• ビオラ、チェロ、ダブルベースのピチカートは "tight"プログラムを使用します。"loose" プログラム

よりもリズム的なタイミングがより正確に聴こえます。バイオリンの 16 分音符に比べれば 8分音符の演奏の方が容易なので、強弱をコントロールするために通常のベロシティ・バージョンのプロ

グラムを使用して良いでしょう。

• 26 小節目で、下方3 パートの奏法はピチカート(指で引きはじく奏法)からアルコ(弓で弾く奏法)

に替わるので、1 つの楽器に対して 2 種類のプログラムが必要です。アルコによる伴奏は「スピカート奏法」を使用します。これは "**-combi XSwitch KS" プログラムに含まれています。最後の

小節でモジュレーション・ホイールをうまく動かしながら、キースイッチ "A#-1" を離した状態で 4分音符を演奏します

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104 HALion Symphonic Orchestra

微調整とミキシング

• 各MIDIトラックをレコーディングしたら、HALionSymphonic Orchestraの"Q"コントロールを使用

して、さらにリアリティの追求をはかりましょう。たとえば 9小節目のバイオリンは、非常に「はかない」感じの音が合うでしょう。この効果を得るために、"Body" コントロールを 9 時方向に設

定します。楽曲全体のクレッシェンドに応じて、22小節目に向かってこの "Body"値を次第に増加させます。

• 各楽器の出力を "Program"に設定すると、それぞれの楽器のパン・ポジションが実際のオーケストラにおける正しい位置に自動的に配置されます。

• リバーブを追加しても良いでしょう。各楽器のアンビエンスは非常にニュートラルな状態になっています。大きなオーケストラ・ホールのような響きを得るためには、木管・金管・弦楽器それぞれ

に約2.5秒のリバーブを(若干長さを変えて)設定します。

• モジュレーション・ホイールを使用して各楽器のバランスをとります。MIDI のラウドネスコント

ロールとして、#7(一般的にはボリューム)を使用しないでください。最後のステップとして、木管・金管・弦楽器の音をシーケンサー(ホストアプリケーション)における、別々のミキサーバス

に振り分けることによって、レベルを調整してください。

参考文献本マニュアルの中でご紹介させて頂いた内容は、オーケストラについての基本的な決まりごとにす

ぎません。オーケストレーションについてさらに学習されたい方は専門書などをお読みください。以下にお勧めする文献のリストを記載させて頂きます。

• "The Guide To MIDI Orchestration" by Paul Gilreath, Music Works Atlanta 2004, ISBN 0-9646705-3-4

• "Instrumentation and Orchestration" by Alfred Blatter, Schirmer Thomson Learning 1997, ISBN 0-

534-25187-0

• "The Studyof Orchestration"by Samuel Adler, W.W. Norton & Company 2002, ISBN 0-393-97572-X

• "Orchestration" by Cecil Forsyth, Dover Publications 1982, ISBN 0-486-24383-4

• "Principles of Orchestration" byNikolay Rimsky-Korsakov, Dover Publications, ISBN 486-21266-1