FX Weekly - 三菱UFJ銀行に抵抗を持っている。ブレイナードFRB理事も10 月8...

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FX Weekly | 令和 3 年(2021 年)9 3 1 Table of contents 1 来週の相場見通し 2 来週の経済指標・イベント 3 マーケットカレンダー 1. 来週の相場見通し 1)ドル円:乏しい方向感ながらリスクはやや下 予想レンジ 109.00 111.00 2)ユーロ:ECB理事会でのPEPPに関する言及に注目 予想レンジ 対ドル: 1.1800 1.1950 対円: 128.70 131.00 3)人民元:対ドル相場の安定重視の姿勢浮き彫り 予想レンジ 対ドル: 6.43 6.50 対円: 16.90 17.20 GLOBAL MARKETS RESEARCH チーフアナリスト 内田 令和 3 年(2021 年)9 3 FX Weekly 三菱 UFJ 銀行 A member of MUFG, a global financial group

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FX Weekly | 令和 3年(2021年)9月 3日 1

Table of contents

1 来週の相場見通し

2 来週の経済指標・イベント

3 マーケットカレンダー

1. 来週の相場見通し

(1)ドル円:乏しい方向感ながらリスクはやや下

予想レンジ 109.00 ~ 111.00

(2)ユーロ:ECB理事会でのPEPPに関する言及に注目

予想レンジ 対ドル: 1.1800 ~ 1.1950

対円: 128.70 ~ 131.00

(3)人民元:対ドル相場の安定重視の姿勢浮き彫り

予想レンジ 対ドル: 6.43 ~ 6.50

対円: 16.90 ~ 17.20

GLOBAL MARKETS RESEARCH

チーフアナリスト

内田 稔

令和 3年(2021年)9月 3日

FX Weekly

三菱 UFJ銀行 A member of MUFG, a global financial group

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 2

(1)ドル円:乏しい方向感ながらリスクはやや下

今週の市場では、前週末のパウエルFRB議長の講演を受けたリス

ク選好地合いが継続した。パウエル議長は 27 日の講演で、テーパリ

ングの開始時期やペースとその後の利上げ開始時期とを切り離す考

えを表明1。利上げに対する慎重な姿勢が好感され、今週もナスダッ

クやS&P500 など主要な株価指数が最高値を更新し、米長期金利は低

迷した(第 1 図)。為替市場ではこうしたリスク選好地合いを受け

て、G10 通貨ではドルと円がいずれも弱く、ドル円は膠着。これま

での週間値幅は 109.59(8/31)から 110.42(9/1)と 83 銭にとどまっ

ている(第 2 図)。その反面、ユーロ円が 8 月 5 日以来となる 130

円台を回復したほか、豪ドル円も 8 月 20 日の 77 円台から 81 円台ま

で大幅に持ち直すなど、クロス円が堅調に推移した。

第 1図 : 米長期金利と S&P500 株価指数 第 2図 : ドル円の推移

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

米経済に関しては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響が危

惧される。EUが米国からの渡航制限を再び導入するように加盟国に

勧告したほか、マクドナルドが感染拡大地域における屋内飲食の停

止を検討していることが報じられている。また、「現状」と「先行

き」がともに低下した民間調査会社(カンファレンスボード)の消

費者信頼感指数もその要因に、新型コロナウイルスの感染再拡大や

インフレが挙げられている。ただ、その他の経済指標についてみる

と、ADP雇用統計が前月比 374 千人の雇用増にとどまり、市場予想

(625 千人)を大きく下回ったが、週間の新規失業保険申請者数はコ

ロナショック後の最低を更新。また、ISM製造業景気指数も低下す

るとの予想に反し、小幅ながらも上昇した為、米国の景気回復への

期待は持続している。尚、大型ハリケーンの影響で、メキシコ湾周

辺の石油精製施設の大部分が操業を一時停止した。この為、供給制

約への懸念から、原油先物相場(WTI)が 8 月 6 日以来となる 70 ド

ルの大台を回復し、今後の物価への影響が懸念されている。

1 The timing and pace of the coming reduction in asset purchases will not be intended to carry a direct signal regarding the timing of interest

rate liftoff

3600

3700

3800

3900

4000

4100

4200

4300

4400

4500

4600

0.9

1.0

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

1.8

1.9

1 2 3 4 5 6 7 8 9

(%)

(月)

長期金利

S&P500(右)

102.0

103.0

104.0

105.0

106.0

107.0

108.0

109.0

110.0

111.0

112.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9

(¥/$)

(M)

今週のレビュー

パウエル議長講演後の

リスク選考継続、

ドル、円ともに軟調で

クロス円大幅高

依然、燻る米国の新型

コロナの感染拡大懸念

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 3

米国の金融政策の正常化を巡っては、年内の量的緩和の縮小(テー

パリング)開始が織り込まれつつあり、注目点は利上げの開始時期

に移っている。その点、8 月 27 日の講演で、パウエル議長が、経済

が雇用とインフレの目標に達するまで現在の政策金利が維持される

と発言2したことを踏まえ、市場では 2022 年や 2023 年の利上げの織

り込み度合いが後退。それに伴い、2 年物国債利回りも低下し、ド

ルを下押ししている(第 3 図)。

それだけに、本日の雇用統計において大幅な雇用の伸びが示され

た場合は、ドルが持ち直す可能性が高い。とは言え、利上げ観測が

台頭すると、その程度にもよるが、今週みられたリスク選好地合い

も後退し、円も反転するとみられる。その結果、ドル円の上値は重

いと見込まれるほか、大幅に上昇したクロス円の反落により、ドル

円もつれ安となる可能性が高い。

反対に、雇用統計が市場予想を下回ると、利上げ観測が後退し、

これがリスク選好地合いを助長するとみられる。今週と同様に、ド

ルと円がともに軟調に推移する結果、来週のクロス円は続伸しそう

だ。もっとも、かねて指摘の通り、今年の上半期と異なり、足元で

は世界的なインフレ高進に対する懸念が和らいでいる。日本でもイ

ンフレ期待が横ばいから低下に転じ、それに伴い実質金利の低下に

も歯止めがかかっている。このまま一本調子で円安が進むとは考え

にくい。加えて、経常赤字国通貨である米国の金利低迷は、じわり

とドル安に作用していく可能性が高い。

このようにしてみると、雇用統計がいずれの結果となった場合で

も、ドルと円が総じて似通った方向に動く結果、引き続きドル円の

方向感は乏しいとみられる。ただ、ドル円の上値は重いとみられ、

やや下落リスクの方が高いだろう。

第 3図 : FF金利先物(利回り表示)と米 2年物国債利回り 第 4図 : 日本の実質金利

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

※実質金利=10年国債利回り-10年ブレークイーブンインフレ率

2 we will continue to hold the target range for the federal funds rate at its current level until the economy reaches conditions consistent with

maximum employment, and inflation has reached 2 percent and is on track to moderately exceed 2 percent for some time

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

0.30

0.35

0.40

0.45

1 2 3 4 5 6 7 8 9

(%)

(月)

FF金利先物(2022年12月)

2年物国債利回り

パウエル議長講演

(8/27)

-0.4

-0.3

-0.2

-0.1

0

0.1

1 2 3 4 5 6 7 8 9

(%)

(月)

テーパリングは

織り込み済み、

市場の関心は利上げ

時期へ移行

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 4

本日、菅義偉首相が自民党総裁選に出馬せず、任期満了を以て辞

任する意向を表明したことが報じられている。現時点では、既に出

馬を表明している岸田文雄前政調会長を軸に総裁選が繰り広げられ

る見通しだ。FX Monthly(8/31)でも既に指摘している通り、こう

した政治的な行事が相場に影響するのは、経済政策の不透明感が台

頭する場合や方向性に不連続が生じる場合だ。逆に言えば、既存の

政策路線が維持される限り、総裁が交代しても相場への影響は限定

的なものにとどまるだろう。その点、今回の総裁選では、新型コロ

ナウイルスへの対応が最大の争点となる見込みであり、財政や金融

政策の連続性は保たれる公算が大きい。実際、菅首相の辞任報道を

受けた直後のドル円の反応は 30 銭にも届かなかった。総裁選の後に

控える衆議院選挙を見据え、市場では財政出動を伴った景気対策へ

の期待が膨む可能性はある。ただ、日本では社会保障費の削減や年

金支給の減額、後ずれなど漠然とした将来不安が根強い。この為、

経験則で言えば、その手の政策が表明された場合も一時的に市場セ

ンチメントが明るくなる点を除けば、相場への影響は限定的なもの

にとどまりそうだ。

ドル円:109.00 ~ 111.00

チーフアナリスト 内田 稔

予想レンジ

自民党総裁選、政策の

不連続が生じない限り

影響軽微

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 5

(2)ユーロ:ECB理事会での PEPPに関する言及に注目

今週のユーロ(対ドル)は、1.1799 で寄り付いた。前週末のパウ

エルFRB議長講演を受けて、市場のリスク選好姿勢が強まるとドル

安が進むかたわらユーロは上昇した。また、ECB高官から、タカ派

的な発言が相次ぐなか、独長期金利が上昇したこともユーロの支援

材料となった。ユーロは 2 日に 8 月 4 日以来となる高値 1.1876まで

上昇し、本稿執筆時点でも 1.18 台後半を維持している(第 1 図)。

ユーロ円は 129.61 で寄り付いた。週初こそ 129 円台後半での小動

きにとどまったが、リスク選好地合いの下でドルと円がともに軟調

に推移する中、ユーロ円は堅調に推移。2 日には 7 月 13 日以来とな

る高値 130.59 まで上昇し、本稿執筆時点でも 130 円台後半にて推移

している(第 2 図)。

第 1図 : ユーロドルの推移 第 2図 : ユーロ円の推移

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

来週 9 日にはECB理事会が予定されている。今回の注目点は、①

第 4 四半期のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)での買入れ

ペースの決定と先行きの資産買入縮小への言及の有無、②経済見通

しの 2 点となる。

PEPPについて、6 月理事会の声明文では第 2 四半期と同様に「資

産買入れを年初よりも大幅に拡大すると見込んでいる」との文言が

維持された。第 3 四半期の最後にあたる今回の理事会では、第 4 四

半期の買入方針を決める必要がある。最近のECB高官発言をみると、

タカ派とみられるメンバーの多くはPEPPの買入縮小についての準

備開始に言及しているが、買入の即時縮小まで踏み込んだ発言をし

ているのは、オランダ中銀のクノット総裁に限られる(第 1 表)。

このため、当方では、7 月の金融政策戦略の見直し結果を踏まえ、

第 4 四半期も「資産買入れを年初よりも大幅に拡大すると見込んで

いる」との文言を維持するとみている。

ただし、リスクシナリオとして、「資産買入れを今年の最初の数

カ月間よりもかなり高いペースで継続する」との文言を落とす可能

性をみておきたい。その理由として、8 月 30 日に、ハト派とみられ

1.1600

1.1700

1.1800

1.1900

1.2000

21/07 21/08 21/09

(ドル)

(年/月)

↑ユーロ高

↓ユーロ安

127

128

129

130

131

132

133

21/07 21/08 21/09

(円)

(年/月)

↑円安

↓円高

ECB理事会では PEPP

についての議論と経済

見通しに注目

今週のレビュー

① PEPPについては第

4四半期も「年初よ

り大幅に拡大」との

姿勢を維持も、縮小

についての議論を

開始か

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 6

る仏中銀のビルロワドガロー総裁が第 4四半期のPEPPの下での買入

れペースを決めるにあたって、「(PEPPの下での)月間購入額に関

して、資金調達環境に留意するが、6 月会合時よりも良好になって

いることは確かだ」と言及したことが挙げられる。

もっとも、ECBは 7 月にフォワードガイダンスを変更し、緩和的

な金融政策を長く続けると表明した。したがって、資金調達環境の

改善を理由に「かなり高いペースで」との文言を外した場合も、緩

和的な金融政策を継続する姿勢に違いはないであろう。

一方、先行きの資産買入縮小に関して、これまでラガルド総裁は

「時期尚早であり、議論していない」としてきた。だが、タカ派のメ

ンバーからは議論の開始を求める声が高まっているとみられる。と

は言え、「かなり高いペースで」との文言を外した上で、PEPP終了

に向けた議論も開始するとなれば、市場参加者には「量的緩和の縮

小」の向けた準備と映る。そのため、タカ派とみられるメンバーは

上記の文言を落とすか、量的緩和の終了に向けた議論を開始するか、

どちらかの選択を迫られるとみている。その結果、今回会合では第

4 四半期の買入れに関する文言は維持した上で、将来に向けた議論

開始を選ぶ可能性が高いとみている。なお、上述のビルロワドガロー

仏中銀総裁もこのPEPPの将来についての議論は結論を急ぐ必要は

ないとの見解を示している。このため、ECBが「PEPPの新たな形式

への移行」を含め、PEPPの将来についての議論を開始した場合も、

詳細にまで言及するとは考えにくい。

第 1表:最近の ECB高官の発言

(資料)各種報道より三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

日付 発言者 内容

8月30日仏中銀

ビルロワドガロー総裁

「(PEPPの下での)月間購入額に関して、資金調達環境に留意するが、

6月会合時よりも良好になっていることは確かだ」

「10-12月の購入ペースを決めなければならない」

「(PEPPの将来について)9月の会合で決定することに緊急性はない」

8月31日オランダ中銀クノット総裁

ECBは来週開かれる会合で刺激策の即時減速とPEPPの3月終了

と「矛盾しない決定がなされると見込んでいる」「つまり、購入ペースの減速を意味する」

8月31日オーストリア中銀ホルツマン総裁

「われわれは現在、パンデミック特別プログラムをどう縮小するかについて検討できる状況にある。この認識を政策委は共有していると思う」「パンデミック期の政策を終わらせ、インフレに焦点を移す方法を話し合う機会だ」

9月1日独連銀

バイトマン総裁

ユーロ圏の物価を押し上げている一時要因が基調的なものになる可能性がある。PEPPの終了に向けて準備を始める必要がある。

9月1日スロベニア中銀バスレ総裁

表面化しつつある、または四半期ごとに強まりつつあるリスクに対して、ECBは無関心ではない

インフレが長期化する上で、現在欠けているのは労働市場からの圧力だ。依然として賃金上昇が欠けている状況にある。

9月1日ギリシャ中銀

ストゥルナラス総裁

コアインフレ率を決定付ける賃金動向と単位労働コストには、総合インフレ率のようなボラティリティーは見られない。このことを根拠に私は、ECBの中期目標に対するインフレ

動向の見通しに関して慎重であるべきだと考える。

9月1日 デギンドス副総裁ユーロ圏経済を見ると、第2四半期の回復は非常に力強かっ

た。第3、第4四半期もかなり強い回復が続くと考えている。

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 7

成長率見通しは、新型コロナウイルスの新規感染者数の伸び鈍化

とワクチン接種の進展を踏まえ、上方修正される可能性が高い。実

際に、デギンドス副総裁も、「第 2 四半期の回復は非常に力強かっ

た。第 3、第 4 四半期もかなり強い回復が続くと考えている」とし

ている。ただし、ワクチン接種が進展している米英でも、デルタ株

による感染拡大が続くなかでは、先行きの下振れリスクへの警戒姿

勢も維持されよう。

また、8 月の消費者物価指数の伸びが前年比+3.0%に加速するなか、

インフレ見通しも上方修正が見込まれる。ただし、物価の上昇は一

時的との姿勢は今回も不変とみている。

来週のユーロ相場は、今週のリスク選好地合いが続くもとで、続

伸が見込まれる。ただし、上記の通り、9 日のECB理事会で第 4 四半

期のPEPPの下での買入れ縮小、あるいはPEPPの終了に向けた議論の

開始が示されれば、タカ派的なサプライズとなり、リスク選好地合

いに冷や水を浴びせかねない。足元のユーロドルの上昇ペースが速

いことから、相場の過熱感も高まりつつある。この為、ECBの決定

次第では下方向に調整するリスクもあり、広い値幅を予想する。

ユーロ円も一段高を見込んでいるが、ECB理事会でサプライズが

あれば、ドル、円ともに強含むとみられ、ユーロドルを超える下げ

幅となる可能性に警戒が必要だろう。

ユーロドル:1.1800 ~ 1.1950 ユーロ円:128.70 ~ 131.00

シニアアナリスト 亀井 純野

予想レンジ

② 経済見通しは上方

修正か

来週のユーロ相場

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 8

(3)人民元:対ドル相場の安定重視の姿勢浮き彫り

今週の人民元(対ドル)相場は、27 日のジャクソンホールにおけ

るパウエルFRB議長講演を受けたドル安により、6.46 台に上昇して

取引開始。金融市場のリスク許容度回復から、人民元高圧力がかか

る展開となった(第 1 図)。もっとも、31 日には政府版の購買担当

者景況指数(PMI)が市場予想を下回る数字だったこともあり、人

民元買いの動きは抑制的で、G10 通貨などに対してはむしろ弱含ん

だ(第 2 図)。他方、8 月終盤は国内資金市場での金利上昇がみら

れたものの、資金需要の高まる月末を通過したこと、人民銀が連日

のように資金供給を続けたことから、資金需給のひっ迫は解消され

ている。結果、外国為替市場での人民元資金調達の動きは加速しな

かった。かかる環境下、対ドル相場は週末にかけて抑制的ながらも

じりじりと水準を切り上げてきた。2 日には 7 月 30 日以来の 6.45 台

前半まで上昇。本稿執筆時点では、6.46 絡みで推移する。対円相場

は、円安地合いのなか、週初は対ドル同様に強含みで推移。31 日に

は、このところ天井感のあった 17 円ちょうどを上抜けている。もっ

とも、週後半はあらためて上値の重さが意識され、17.10 にも届かな

い水準で足踏み状態となっている。

第 1図: 人民元対ドル相場 第 2図: 人民元・G10通貨の対ドル騰落(今週初来)

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (注)9月 3日東京時間午前 10時半時点

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

31 日に政府版、翌 1 日には民間(財新)版の 8 月分製造業PMIが

公表された。政府版は 50.1、民間版は 49.2 といずれも前回 7 月から

悪化(第 3 図)。民間版は昨年 4 月以来の景況感の分岐点である 50

を割り込んだほか、政府版でも新規受注が 48.0 に悪化するなど、中

国経済の減速感が強まっていることが浮き彫りとなった(第 4 図)。

8 月は、国内各地で新型コロナ感染拡大による行動制限が実施され

たこと、それに伴う物流のボトルネックが生じたこと、原材料価格

が高止まり乃至上昇したこと、アジア各国の行動制限による供給制

約が顕在化したこと等、景気の足かせとなる要因が数多あった。国

内のコロナ感染は強力な行動制限の甲斐もあって、すでに全国ベー

スでも日次の感染者はほぼゼロとなっていることから、この点での

6.35

6.4

6.45

6.5

6.55

6.6

1/1 2/1 3/1 4/1 5/1 6/1 7/1 8/1 9/1

オフショア人民元

オンショア取引

-0.5 0 0.5 1 1.5

CHF

JPY

CNY

CAD

GBP

EUR

DKK

NOK

SEK

AUD

NZD

民間版製造業 PMIが

50割れ

今週のレビュー

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 9

景気押し下げ圧力は緩和されようが、当面中国経済はダウンサイド

リスクに晒されたままとみてよさそうだ。

当局はすでに、財政・金融両面での支援に踏み切る可能性を示唆

している。金融面では、人民銀行が中小企業への金融支援を重視し、

7 月に預金準備率の引き下げを実施済みだ。今回のPMIでは、調査対

象として中小企業のウエイトが高い民間版が、政府版に先行するよ

うな恰好で 50 割れを記録しており、中小企業支援の必要性が再確認

されたとも言える。人民銀が国内大手銀行に対し 8 月中の融資拡大

を指示したとの報道もある。間接金融強化を通じ、経済を下支えす

る姿勢を一段と鮮明にしたと言えよう。金融市場ではすでに織り込

み済みながら、人民銀が近く預金準備率をさらに引き下げる可能性

があるとみておく必要があろう。なお、習近平国家主席は 2 日の演

説で、中小企業向けの証券取引所設立を表明した。中長期的に国内

金融市場の発展、拡大に資するものになると同時に、短期的な経済

政策の観点でも、多方面から中小企業の支援を続けるとのここまで

の当局の姿勢を再度示すものとも承知しておくべきだろう。

第 3図: 製造業 PMI 第 4図: 政府版製造業 PMI内訳

(資料)中国物流購買連合会、Markitより

三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

(資料)中国物流購買連合会より三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

今週の人民元相場はこれまでのところ対ドル、対円では小幅高と

なっているが、他のG10 通貨やアジア通貨などに対して弱含みに推

移。その結果、名目実効為替相場であるCFETS人民元指数は下落し

た。同指数は 8 月 20 日時点で 99.00 と、2016 年以来およそ 5 年半ぶ

りの水準まで上昇しており、依然高値圏にとどまる(第 5 図)。

現状、通貨政策は難しい舵取りを迫られている。昨年来の人民元

高は国内輸出企業の業績を圧迫している。一方、輸入に頼る部分が

大きい原材料の価格は上昇あるいは高止まりしており、生産者物価

は上昇している。当局は、非鉄金属の国家備蓄放出に踏み切るなど、

国内企業の原材料調達コスト抑制に努めるが、依然として、世界的

な半導体不足のみならず、ベースメタル等の供給制約が続き、環境

改善がみられない。先のPMIでも、企業が投入コストの上昇を算出

コストに転嫁できていない構図が続いていることが確認できる(第

6 図)。従来、通貨政策は「合理的かつ均衡のとれた水準」維持の

30

35

40

45

50

55

60

Jan-20 Apr-20 Jul-20 Oct-20 Jan-21 Apr-21 Jul-21

政府版 民間(財新)版

25

30

35

40

45

50

55

60

Jan-19 Jul-19 Jan-20 Jul-20 Jan-21 Jul-21

生産 新規受注 新規輸出受注 完成品在庫 原材料在庫

来週の見通し:

対ドル相場は強含みも、

相対的には弱含み

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来週の相場見通し | 令和 3年(2021年)9月 3日 10

方針のもと、人民元指数の安定に軸足を置いている。しかし、多く

のコモディティ価格がドル建であることを踏まえ、輸入物価抑制の

観点から、ここもとは対ドル相場の安定をより重視しているものと

推察する。その点、先週末の「ジャクソンホール」後のドル安地合

いは、中国当局にとっては望ましい展開だろう。今週がそうであっ

たように、対ドル相場での上昇を抑制的にすることで、相対的には

人民元安となるからだ。来週も、ドル安地合いが継続しそうであり、

対ドル相場の安定、人民元指数の小幅下落といった展開となろう。

なお、対円相場については、ドル安かつ円安といういわゆるリスク

選好局面にあることから、対ドル相場同様、緩やかな上昇または横

ばい圏で推移するとみている。

第 5図: CFETS人民元指数 第 6図: 製造業 PMI(投入価格、算出価格)

(資料)Bloombergより三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成 (資料)中国物流購買連合会より三菱 UFJ銀行グローバルマーケットリサーチ作成

ドル人民元:6.43 ~ 6.50 人民元円:16.90 ~ 17.20

シニアアナリスト 井野 鉄兵

90

92

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Jan-15 Jan-16 Jan-17 Jan-18 Jan-19 Jan-20 Jan-21

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Jan-19 Jul-19 Jan-20 Jul-20 Jan-21 Jul-21

投入価格 産出価格 製造業PMI

予想レンジ

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来週の経済指標・イベント | 令和 3年(2021年)9月 3日 11

来週の主な経済指標 予想 前回

6 日(月) 米 市場休場

7 日(火) 8:30 日 家計調査消費支出(前年比、7 月) 2.9% ▲ 5.1%

14:00 日 景気一致指数(7 月速報) 94.3 94.5

14:00 日 景気先行指数(7 月速報) 103.4 104.1

15:00 独 鉱工業生産(前月比、7 月) 0.5% ▲ 1.3%

18:00 独 ZEW 景況感調査(現況指数、9 月) 31.5 29.3

18:00 独 ZEW 景況感調査(期待指数、9 月) 30.3 40.4

中 貿易収支(8 月・億ドル) 522 565.8

8 日(水) 8:50 日 実質 GDP(前期比年率、2Q 改定) 1.7% 1.3%

8:50 日 経常収支(7 月・億円) 22,845 9,051

14:00 日 景気ウォッチャー調査-現状(8 月) 45.2 48.4

14:00 日 景気ウォッチャー調査-先行き(8 月) 46.5 48.4

23:00 米 求人労働異動調査(7 月・万人) 1,004.9 1,007.3

9 日(木) 4:00 米 消費者信用残高(7 月・億ドル) 286.00 376.90

10:30 中 消費者物価指数(前年比、8 月) 1.0% 1.0%

10:30 中 生産者物価指数(前年比、8 月) 8.9% 9.0%

15:00 独 貿易収支(7 月・億ユーロ) 163

中 マネーサプライ M2(前年比、8 月)* 8.4% 8.3%

21:30 米 新規失業保険申請件数(9/4・万件) 34.0

10 日(金) 21:30 米 生産者物価指数(前年比、8 月) 8.3% 7.8%

中央銀行関連 6 日 (月)

7 日 (火) 13:30 豪 RBA 理事会(政策金利発表)

8 日 (水) 23:00 加 金融政策決定会合(政策金利発表)

9 日 (木) 2:10 米 ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁討論会

3:00 米 地区連銀経済報告

7:00 米 ダラス連銀カプラン総裁講演

20:45 ユ ECB理事会(政策金利発表)

21:30 ユ ラガルド ECB総裁定例記者会見

10 日 (金) 0:05 米 サンフランシスコ連銀デイリー総裁討論会

2:00 米 ボウマン FRB 理事基調講演

3:00 米 ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁挨拶

5:00 米 ダラス連銀カプラン総裁講演 / ミネアポリス連銀カシュカリ総裁 /

ボストン連銀ローゼングレン総裁討論会

5:25 米 ボストン連銀ローゼングレン総裁挨拶

22:00 米 クリーブランド連銀メスター総裁講演

その他 6 日(月) ユ EU経済・財務相理事会

7 日(火) 12:35 日 30 年債入札

8 日(水) 2:00 米 3 年債入札

18:30 ユ 10 年債入札(ドイツ)

9 日(木) 2:00 米 10 年債入札

12:35 日 5 年債入札

10 日(金) 2:00 米 30 年債入札

ユ ユーロ圏財務相会合

ユ EU経済・財務相理事会(~11 日)

11 日(土)

12 日(日) 日 緊急事態宣言の期限

※市場予想は Bloomberg 調査中央値 *印は作成日(9/3)現在で未確定のもの

時刻は日本時間

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マーケットカレンダー | 令和 3年(2021 年)9月 3日 12

マーケットカレンダー 月 火 水 木 金

2021/9/6 7 8 9 10 独/鉱工業生産(7月) 米/地区連銀経済報告 ユーロ圏/ECB 理事会 米/生産者物価指数(8月)

ZEW 景況指数(9月) 消費者信用残高(7月) ECB総裁定例会見

中/貿易収支(8月) 求人労働異動調査(7月) 独/貿易収支(7月)

日/家計調査(7月) 日/GDP改定(2Q) 中/消費者物価指数(8月)

景気動向指数速報(7月) 国際収支速報(7月) 生産者物価指数(8月)

豪/RBA 理事会 対外対内証券売買契約等 マネーサプライ M2(8月)*

の状況(8月)

景気ウォッチャー調査(8月)

加/金融政策決定会合

米サンフランシスコ連銀総裁

討論会

米・ボウマン FRB 理事基調講演

米・ニューヨーク連銀総裁挨拶

米・ダラス連銀総裁 / 米・クリーブランド連銀総裁講演

米・ニューヨーク連銀総裁討論会 ミネアポリス連銀総裁 / ユーロ圏財務相会合

EU経済・財務相理事会 米・ダラス連銀総裁講演 ボストン連銀総裁討論会 EU経済・財務相理事会(~11日)

米市場休場 米・3年債入札 米・10年債入札 米・30年債入札 日・緊急事態宣言の期限[12日]

13 14 15 16 17 米/財政収支(8月) 米/消費者物価指数(8月) 米/輸出入物価指数(8月) 米/小売売上高(8月) 米/ミシガン大消費者信頼感指数

日/法人企業景気予測調査(3Q) NY連銀景況指数(9月) フィラデルフィア連銀景況指数 速報(9月)

鉱工業生産(8月) (9月) ユーロ圏/経常収支(7月)

設備稼働率(8月) 企業在庫(7月)

ユーロ圏/鉱工業生産(7 月) 証券投資収支(7月)

中/鉱工業生産(8月) ユーロ圏/EU新車登録台数

小売売上高(8月) (7, 8月)

都市部固定資産投資(8月) 貿易収支(7月)

日/機械受注(7月) 日/貿易収支速報(8月)

欧州議会本会議(~16日) 国連総会開幕

20 21 22 23 24 米/FOMC(~22日) 米/FOMC 米/景気先行指数(8月) 米/新築住宅販売(8月)

住宅着工件数(8月) FRB議長定例記者会見 ユーロ圏/製造豪 PMI 速報(9月) 独/ifo景況指数(9月)

建設許可件数(8月) 中古住宅販売(8月) サービス業 PMI 速報(9月) 日/消費者物価指数(全国、8月)

経常収支(2Q) ユーロ圏/消費者信頼感指数 英/MPC(BOE 金融政策委員会)

日/日銀金融政策決定会合 速報(9月) MPC 議事録

(~22日) 英/MPC(BOE 金融政策委員会、

~23日)

日/日銀金融政策決定会合

日銀総裁定例会見

加・総選挙 米・20年債入札 米・10年 TIPS債入札

日市場休場 国連総会一般討論(~27日) 日市場休場 独・連邦議会選挙[26日]

27 28 29 30 10/1 米/耐久財受注速報(8月) 米/卸売在庫速報(8月) ユーロ圏/欧州委員会景況指数 米/GDP確報(2Q) 米/個人所得・消費支出(8月)

ユーロ圏/マネーサプライ M3 ケース・シラー住宅価格指数 (9月) シカゴ PM景気指数(9月) ISM製造業景気指数(9月)

(8月) (7月) ユーロ圏/失業率(8月) 建設支出(8月)

独/小売売上高(8月)* FHFA 住宅価格指数(7月) 独/消費者物価指数速報(9月) 自動車販売(9月)*

CB消費者信頼感指数(9月) 中/製造業 PMI(9月) ユーロ圏/消費者物価指数速報

日/日銀金融政策決定会合 日/鉱工業生産速報(8月) (9月)

議事要旨(7/15, 16分) 住宅着工戸数(8月) 日/日銀金融政策決定会合

主な意見(9/21, 22分)

完全失業率(8月)

日銀短観 概要

米・シカゴ連銀総裁講演

米・ブレイナード FRB理事講演 米・イエレン財務長官講演 日・菅首相の自民党総裁

米・2年債/5年債入札 米・7年債入札 日・自民党総裁選投開票 任期満了 中・国慶節(~7日)

*印は作成日(9/3)現在で日程が未確定のもの

(資料)各種報道等より三菱 UFJ 銀行グローバルマーケットリサーチ作成

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FX Weekly | 令和 3年(2021年)9月 3日 13

照会先:三菱UFJ銀行 グローバルマーケットリサーチ

チーフアナリスト 内田 稔

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作物であり、著作権法により保護されております。当行の書面による許可なく複製又は第三者、個人顧客もしくは一般投資家への配布をすることはできませ

ん。

(株式会社三菱UFJ銀行ロンドン支店のみに適用される情報開示)

株式会社三菱UFJ銀行(以下「MUFG Bank」)は、日本で設立され、東京法務局(会社法人等番号 0100-01-008846)において登記された有限責任の株式会

社です。

MUFG Bankの本店は、東京都千代田区丸の内二丁目 7 番 1 号(郵便番号 100-8388)に所在しています。

MUFG Bankロンドン支店は、英国会社登録所において、英国支店として登録されています(登録番号BR002013)。

MUFG Bankは、日本の金融庁によって認可及び規制されています。MUFG Bankロンドン支店は、英国プルーデンス規制機構より認可を受けており

(FCA/PRA番号 139189)、英国金融行為監督機構の規制とプルーデンス規制機構の限定された規制の対象となっています。英国プルーデンス規制機構による

MUFG Bankロンドン支店の規制の範囲の詳細は、ご請求いただいた方にお渡ししております。