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FTP サーバ(FileZilla)のセットアップについて

本書では、FTP サーバー（FileZilla）を WindowsServer2008 上で運用するためのセットアッ

プ手順を紹介しています。特にパッシブモード（以下、PASV モード）での FTP を実施する

場合に必要となる設定を記載しています。

本書作成時のコンピュータ環境は、下記のソフトウェアを使用しました。

O/S WindowsServer2008 Standard

ファイア

ウォール

WindowsServer2008 に添付のファイアウォール

FTP

サーバ

FilleZilla 0.9.34

URL：http://filezilla-project.org/

サーバ

FileZilla_Server-0.9.34jp.exe

URL：http://www.aconus.com/~oyaji/ftp/download.htm

日本語修正

プログラム

FTP

クライアント

FFFTP Ver.1.97a

URL：http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/

7-Zip ファイルの圧縮・解凍をするソフトウェア

URL：http://sevenzip.sourceforge.jp/

※FTP PASV（File Transfer Protocol PASV）とは、

FTP でデータ転送するとき、クライアント側からデータ転送用の接続をする方式のこ

とです。

FTP（File Transfer Protocol）は、大量のデータをクライアントとサーバの間で転送する

ために利用されています。

FTP では、制御用として 21 番ポート、データ転送用として 20 番ポートを使用して通

信されます。通常の FTP 接続では、制御用の通信は FTP サーバに接続したクライアント

側からサーバに向けて通信が開始されます。これに対して、ファイルを転送するための

データ通信はサーバ側からクライアントに向けて通信が開始されます。

しかし、ファイアウォールを設置しているときは、インターネット側からの接続はす

べて遮断するのが基本になるので、FTP でのデータ転送をするためにサーバ側からクラ

イアントへの接続要求が送られてきてもファイアウォールにより遮断されてしまい、デ

ータを転送することができませんでした。

そこで、データ転送時にもクライアント側からサーバに向けて通信を開始するのが

PASV モードです。このため、ファイアウォールの内側から開始された通信であるため、

ファイアウォールを越えてのデータ通信が可能になります。

http://filezilla-project.org/

http://www.aconus.com/~oyaji/ftp/download.htm

http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/

http://sevenzip.sourceforge.jp/


FTPクライアントは、PASVモードに対応しているものと、そうでないものがあります。

また、ファイアウォールに FTP 転送ができるような設定がされているときは、PASV モ

ードを使用しないでも通信できる場合があります。

出典：https://www.netsecurity.ne.jp/dictionary/ftppasv.html

※本書では、ホームページのアドレスあるいは、ソフトウェアをダウンロードする時

のアドレスを URL と記載しています。

https://www.netsecurity.ne.jp/dictionary/ftppasv.html


目次

1. ソフトウェアのダウンロード ................................................................................................................ 4

1.1 FTP サーバ ........................................................................................................................................... 5

1.1.1 FileZilla サーバのダウンロード ................................................................................................. 6

1.1.2 FileZailla サーバ日本語修正プログラムのダウンロード ...................................................... 9

1.2 FTP クライアント ............................................................................................................................. 11

1.2.1 FFFTP のダウンロード .............................................................................................................. 11

2. ソフトウェアのインストール .............................................................................................................. 14

2.1 FTP サーバ ......................................................................................................................................... 15

2.1.1 FTP サーバのインストール ...................................................................................................... 15

2.1.2 FTP サーバの日本語化 .............................................................................................................. 25

2.1.3 FTP サーバの設定 ...................................................................................................................... 30

2.1.4 サーバ IP アドレスの確認 ....................................................................................................... 36

2.2 FTP クライアント ............................................................................................................................. 39

2.2.1 FTP クライアントソフトウェアのインストール ................................................................. 40

2.2.2 FTP クライアントソフトウェアの設定 ................................................................................. 44

3. FTP サーバコンピュータの設定 ........................................................................................................... 48

3.1 ファイアウォールの設定 ................................................................................................................. 49

3.2 PASV モード対応の設定 .................................................................................................................. 56

参考：あんなとき、こんなとき ............................................................................................................... 69

(1)FileZilla サーバ起動時に最小化したい時 ........................................................................................ 69

本書に関するお問い合わせ ....................................................................................................................... 72


1. ソフトウェアのダウンロード

本書では FTP サーバ用ソフトウェアに FileZilla サーバ、FTP クライアント用ソフトウェア

に FFFTPを使用しています。これらのソフトウェアは無償で利用することができます。なお、

FTP サーバ用のソフトウェア、FTP クライアント用のソフトウェアには本書で使用している

以外にも数多くのソフトウェアがあります。実際に構築するサーバ環境やセキュリティ面に

考慮して最適なソフトウェアを選択しましょう。


1.1 FTP サーバ

本書では、FTP サーバとして「FileZilla」を使用します。FileZilla サーバは英語バージョン

が基本となっていますので、メニュー表示を日本語にする場合には、日本語修正プログラム

をインストールする必要があります。本書では、FilleZilla サーバを英語版でインストールし

た後、日本語修正プログラムをインストールします。その後、各種設定を実施してゆきます。

FilleZilla サーバは下記の URL からダウンロードすることができます。


補足：

FilleZilla サーバは頻繁にプログラムの更新がされています。本書を作成した時点と、実

際にプログラムをダウンロードする時点ではバージョンが異なっている可能性がありま

すのでご了承下さい。

FilleZilla サーバの日本語修正プログラムは下記の URL からダウンロードすることができま

す。


補足：

FileZilla サーバのバージョンと一致する日本語修正プログラムをダウンロードしまし

ょう。




1.1.1 FileZilla サーバのダウンロード

FileZilla サーバは下記のホームページからダウンロードできます。


ブラウザを起動し、アドレスに上記の URL を入力し Enter キーを押下しましょう。

補足：

本書ではブラウザに Firefox を使用しています。

「FileZilla」のホームページが表示されたら「Download FileZilla Server」をクリックしまし

ょう。



「 Server Download」画面が表示されたら、 Windows のところに記載されている

「FileZilla_Server-0_9_34.exe」をクリックしましょう。

※実際にこのホームページにアクセスした場合には、ファイル名称（バージョン）が

異なっている場合がありますのでご了承下さい。

ブラウザに Firefox を利用している場合には、下記のような「セキュリティ警告」画面が表

示されることがあります。画面の内容を確認後［OK］ボタンをクリックしましょう。


「FileZilla_Server-0_9_34.exe を開く」画面が表示されたら［ファイルを保存］ボタンをクリ

ックしましょう。

ブラウザに Firefox を利用している場合には、FileZilla_Server-0_9_34.exe のダウンロードが

正常に終了すると、下記のような画面が表示されます。内容を確認後、この画面を終了しま

しょう。

※ご利用のブラウザによっては、上記のようなメッセージではない画面が表示される

こともあると思われますのでご了承下さい。（以下同様です。）

以上で FilleZilla サーバのダウンロードは終了です。


1.1.2 FileZailla サーバ日本語修正プログラムのダウンロード

FileZilla サーバ日本語修正プログラムは下記のホームページからダウンロードできます。


ブラウザを起動し、アドレスに URL を入力し Enter キーを押下しましょう。

下記のような画面が表示されたら、画面の少し下の方にある「FilleZilla Severe 日本語化パ

ッチ」の表を確認しましょう。

この表では FileZilla サーバの色々なバージョンに対応する日本語修正プログラムが表示さ

れダウンロードできるようになっています。

この表の中から、先にダウンロードした FilleZilla サーバのバージョンに一致するファイル

を確認して「ダウンロードモード」から「HTTP」あるいは「FTP」を選択してクリックしま

しょう。

本書では、ファイル名に「FileZailla_Server-0.9.34jp.lzh」、ダウンロードモードに「HTTP」

を選択しています。



「FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh を開く」画面が表示されたら「ファイルを保存する」を選択

（クリック）し［OK］ボタンをクリックしましょう。

ブラウザに Firefox を利用している場合には、FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh のダウンロード

が正常に終了すると、下記のような画面が表示されます。内容を確認後、この画面を終了し

ましょう。


1.2 FTP クライアント

本書では FTP クライアントソフトウェアに FFFTP を使用しています。他の FTP クライアン

トソフトウェアをご利用頂いても結構です。

1.2.1 FFFTP のダウンロード

FFFTP は下記のホームページからダウンロードできます。


ブラウザを起動し、アドレスに上記の URL を入力し Enter キーを押下しましょう。

下記のような画面が表示されたら、FFFTP ソフトウェアをダウンロードするために、画面

上に表示されている「FFFTP Ver1.97a」をクリックしましょう。この表示が見当たらない場合

には、画面右側の「FFFTP」をクリックしましょう。



FFFTP ダウンロード画面が表示されたら「ダウンロード」と表示されている個所を確認し、

［ダウンロード開始］ボタンをクリックしましょう。本書作成時の最新版は「ffftp-1.97a.exe」

です。

「ffftp-1.97a.exe を開く」画面が表示されたら「ファイルを保存」ボタンをクリックしまし

ょう。


ブラウザに Firefox を利用している場合には、ffftp-1.97a.exe のダウンロードが正常に終了す

ると、下記のような画面が表示されます。内容を確認後、この画面を終了しましょう。


2. ソフトウェアのインストール

本書で使用する FTP サーバ用ソフトウェア、FTP サーバ用日本語修正プログラム、FTP ク

ライアントソフトウェアのダウンロードが完了したら、FTP サーバからインストールを実施

します。


2.1 FTP サーバ

FileZilla サーバ用ソフトウェアのインストールを始めましょう。

2.1.1 FTP サーバのインストール

ダウンロードした FileZilla サーバ用ソフトウェア（本書では、FileZilla_Server-0_9_34.exe）

をダブルクリックしましょう。（本書では Firefox でダウンロードする時の保存先に

「 C:¥fftemp 」を指定してありますので、エクスプローラで C:¥fftemp にある

FileZilla_Server-0_9_34.exe をダブルクリックしています。）


「開いているファイル－セキュリティの警告」画面が表示されたら、画面上の内容を確認

し［実行］ボタンをクリックしましょう。

FileZilla サーバ用ソフトウェアのインストールが開始されます。


「FileZilla Server beta 0.9.34 Setup」画面が表示されたら、画面上に表示されているライセン

ス許諾事項（the rest of the agreement）内容を確認後［I Agree］ボタンをクリックしましょう。

※もし、画面上に表示されているライセンス許諾内容に同意できない場合には、

［Cancel］ボタンをクリックして FilleZilla サーバのインストールを中止して下さい。


下記のような画面が表示されたら、インストールする機能の選択を実施します。

インストールタイプ（Select the type of install:）に「Standard」を選択、その他の項目も既定

値を選択し［Next］ボタンをクリックしましょう。


下記のような画面が表示されたら、インストールするフォルダを指定します。特別な理由が

ない場合には、画面上に表示された既定値を利用しましょう。

画面上の内容を確認し［Next］ボタンをクリックしましょう。


下記のような画面が表示されたら、FileZilla サーバをどのように開始するかを指定します。

既定値では、下記のように指定されていますので、特別な理由がない場合には、画面上に表

示された既定値を利用しましょう。

・FileZilla を Windows 起動時のサービスとしてインストールする

Please choose how FileZilla Server should be started:

→ Install as service, started with Windows (default)

・ポートに 14174 を使用する

Please choose the port, the admin interface of FileZilla Server should listen on (1-65535):

→ 14174

・インストールが完了したら FileZilla サーバを起動する

Start Server after setup completes

→ ☑

画面上の内容を確認し［Next］ボタンをクリックしましょう。


下記のような画面が表示されたら、FileZilla サーバをどのように開始するかの続きを指定し

ます。

既定値では、下記のように指定されていますので、特別な理由がない場合には、画面上に表

示された既定値を利用しましょう。

・ユーザがログインした時、すべてのユーザに適用する

Please choose how the server interface should be started:

→ Start if user logs on, apply to all users (default)

・インストールが正常に終了したら管理画面を表示する

Start Interface after setup completes

→ ☑

画面上の内容を確認し［Install］ボタンをクリックしましょう。


FilleZilla サーバ用ソフトウェアのインストールが正常に終了すると、下記のような画面が表

示されます。

画面に表示されている内容を確認し［Close］ボタンをクリックしましょう。


FileZilla サーバをインストールした時の最後の画面で「インストールが正常に終了したら管

理画面を表示する」がチェック（☑）されていた場合には、下記のような「Connect to Server」

画面が表示されます。

「Connect to Server」画面の項目を下記のように設定し［OK］ボタンをクリックしましょう。

FilleZilla サーバ管理画面が表示されます。

項目値

Server Address

サーバアドレス

127.0.0.1（初期値）

Port

ポート

14147（初期値）

Administration password

管理者用パスワード

（指定なし）

Always connect to this server

接続先はいつもこのサーバですか？

☑


FilleZilla サーバの管理画面が表示されます。

本書では FileZilla に日本語修正プログラムをインストールして、メニュー項目の表示を日本

語化した後、構成情報の設定を実施しますので、下記のいずれかの方法で FileZilla サーバを

終了しましょう。

(1)FilleZilla サーバ画面を閉じます。

(2)FileZilla メニューから「File」→「Quit」を選択します。


2.1.2 FTP サーバの日本語化

FileZilla サーバの日本語化を実施する場合には、先にダウンロードしておいた日本語修正プ

ログラム「FileZilla_Server-0.9.34jp.lzh」を使用します。

この日本語修正プログラム「FileZilla_Server-0.9.34jp.lzh」は、圧縮形式のファイルとなって

いますので、ファイルの解凍処理を実施します。（本書ではファイルの圧縮解凍用ソフトウェ

アに 7-Zip を使用しています。）

ダウンロードした FileZilla サーバ用日本語修正プログラム（本書では、

FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh）を右クリックしてメニュー画面を表示し「7-Zip」→「解凍」を

選択（クリック）しましょう。（本書では Firefox でダウンロードする時の保存先に「C:¥fftemp」

を指定してありますので、エクスプローラで C:¥fftemp にある FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh を

右クリックしています。また、FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh を右クリックした時に表示される

メニュー画面は 7-Zip が表示する画面ですので、ご利用の圧縮解凍用ソフトウェアによって

表示内容は異なりますのでご了承下さい。）


7-Zip を使用してファイルの解凍をする場合には、下記のような「解凍(&E)」画面が表示さ

れます。

画面上の内容を確認し［OK］ボタンをクリックしましょう。

FileZilla_Server-0_9_34jp.lzh ファイルの解凍が終了すると、「FileZilla_Server-0.9.34jp」フォ

ルダが作成されます。この「FileZilla_Server-0.9.34jp」フォルダをダブルクリックしましょう。


「FileZilla_Server-0.9.34jp」フォルダにある「FileZilla_Server-0.9.34jp.exe」ファイルをコピー

して FilleZilla サーバ用ソフトウェアをインストールしたフォルダにコピーします。

FileZilla_Server-0.9.34jp.exe ファイルを右クリックして表示されるメニューから「コピー」

を選択（クリック）しましょう。

注意：

この時点（C:¥fftemp¥FileZilla_Server-0.9.34jp フォルダの中）で FileZilla_Server-0.9.34jp.exe

ファイルをダブルクリック（実行）すると、下記のような画面が表示されます。

この画面は FileZilla_Server-0.9.34jp.exe ファイルを実行する場所が正しくないことを示して

います。メッセージを表示しているだけですので、あわてずに［OK］ボタンをクリックして、

上記の手順に従って FileZilla_Server-0.9.34jp.exe ファイルのコピー処理を実施しましょう。


エクスプローラで FilleZilla サーバがインストールされているフォルダ（既定値でのインス

トールの場合）「C:¥Program Files¥FileZilla Server」を選択後、右側の画面上で右クリックして

メニューを表示し「貼り付け」を選択（クリック）しましょう。

貼り付けられた「FileZilla_Server-0.9.34jp.exe」をダブルクリックして実行しましょう。


FileZilla_Server-0.9.34jp.exe ファイルが正常に実行を開始すると、下記のような画面が表示

されます。

FileZilla_Server-0.9.34jp.exe ファイルの処理が正常に終了すると、下記のような画面が表示

されますので［OK］ボタンをクリックしましょう。

以上で FileZilla サーバ用ソフトウェアの日本語化が完了です。


2.1.3 FTP サーバの設定

FileZilla サーバのインストールと日本語化が完了したら、FileZilla サーバにアクセスできる

ユーザの設定、およびそのユーザが利用できるフォルダを設定します。

Windows 画面に表示されている「FileZilla Server Interface」アイコンをダブルクリックして

FileZilla サーバ管理画面を表示しましょう。

「FileZilla Server (127.0.0.1) 」画面が表示されたらメニューから「編集」→「ユーザ」をク

リックしましょう。


「ユーザ」画面が表示されたら、画面右側ユーザ欄にある［追加］ボタンをクリックしまし

ょう。

「ユーザアカウントを追加」画面が表示されたら、「ユーザアカウント」を入力して［OK］

ボタンをクリックしましょう。

本書では、ユーザアカウントを「testuser」としています。ユーザのグループは選択

していません。（<none>）


ユーザ（testuser）追加処理が正常に終了すると、「ユーザ」画面の右側部分に testuser が表

示され「アカウント設定」欄の「アカウントを有効にする」部に☑が表示されます。

追加したアカウント「testuser」にパスワードを設定する場合には、アカウント設定部の「パ

スワード」部をチェック（☑）しましょう。この「パスワード」項目をチェックすると、パ

スワード入力欄が入力可能になりますので、任意のパスワードを指定しましょう。例えば､

「QAZ」などです。


次に登録したユーザが利用できるフォルダを設定しましょう。

「ユーザ」画面左側に表示されている「ページ」部の「Shared folders」を選択（クリック）

しましょう。

「Shared folders」をクリックすると、画面中央に「共有フォルダ」部が表示されます。表示

された「共有フォルダ」部の［追加］ボタンをクリックしましょう。


「フォルダ参照」画面が表示されたら、ユーザ（testuser）が利用できるフォルダを選択し

ましょう。本書では、事前に作成しておいた「C:¥ftparea」を選択しています。

画面の内容を確認し［OK］ボタンをクリックしましょう。

「ユーザ」画面に戻ると、共有フォルダ部に「フォルダ参照」画面で選択した「C:¥ftparea」

が表示されます。ユーザ（testuser）がこの「C:¥ftparea」に対して実施できる処理を「ファイ

ル」「ディレクトリ」部で指定することができます。本書では「書込み」を有効（☑）にして

います。


「ユーザ」画面では、転送速度に関する設定（Speed Limits）、フィルター設定（IP Filter）

等に詳細な設定をすることができます。本書では詳細な設定は割愛していますのでご了承く

ださい。


2.1.4 サーバ IP アドレスの確認

上記で設定した FileZilla サーバが正しく動作しているかを確認するために、別のコンピュー

タ（クライアント）に FTP クライアントソフトウェアをインストールして接続テストを実施

します。

その時に、FTP サーバ（FileZilla サーバ）の IP アドレスを直接指定しますので、

WindowsServer2008 上で IP アドレスを確認しておきましょう。

WindowsServer2008 の［スタート］ボタンをクリックし、表示されたメニューから「コマン

ドプロンプト」を選択（クリック）しましょう。


「管理者：コマンドプロンプト」画面が表示されたら「ipconfig」と入力して Enter

キーを押下しましょう。

※「ipconfig コマンド」とは、

コマンドプロンプト上で TCP/IP に関する設定情報を表示するためのコマンドで、

Windows98/Me/2000 /XP 上で標準実装されています。ipconfig を実行してわかる情報は、

IP アドレス、サブネットマスク値、デフォルト・ゲートウェイ、MAC アドレス、DNS

サーバなど実に多くの情報を得ることができるようになっています。その他にも DHCP

クライアントとして設定されているコンピュータは、IP アドレスの解放や更新といった

作業も行えます。「ipconfig コマンド」の簡易表示を行う際は「ipconfig」、より詳細な情

報を得るには「ipconfig -all」コマンドを入力してください。コマンドを実行して表示さ

れた情報は各自のネットワーク設定に依るもので、設定は全て「ローカルエリア接続」

→ 「インターネットプロトコル（TCP/IP)」で編集することができます。

出典：http://win.kororo.jp/archi/tcp_ip/ipconfig.php

http://win.kororo.jp/archi/tcp_ip/ipconfig.php


「管理者：コマンドプロンプト」画面に Windows IP 構成情報が表示されます。

この中の「IPv4 アドレス…」に表示されている値が、そのコンピュータの IP アドレスです。

本書では「192.168.1.103」です。

FTP クライアントソフトウェアは、この IP アドレスを指定して FTP サーバ（FileZilla サー

バ）への接続処理を実施します。


2.2 FTP クライアント

FTP サーバ（FileZilla サーバ）に接続して処理するための FTP クライアントソフトウェア

（本書では FFFTP を使用します）をインストールしましょう。

FTP クライアントソフトウェアは、FTP サーバ（FileZilla サーバ）をインストールしたコン

ピュータとは別のコンピュータにインストールして動作確認を実施します。


2.2.1 FTP クライアントソフトウェアのインストール

FTP クライアントソフトウェア（FFFTP）は「1.2 FTP クライアント」でダウンロードした

ffftp-1.97a.exe を使用します。

FTP クライアントソフトウェアをインストールするコンピュータ上で ffftp-1.97a.exe をダブ

ルクリックしましょう。（本書では、C:¥fftemp¥ffftp-1.97a.exe です。）

「開いているファイル－セキュリティの警告」画面が表示されたら、画面上の内容を確認

し［実行］ボタンをクリックしましょう。


「FFFTP Ver.1.97a」画面が表示されたら［次へ］ボタンをクリックしましょう。

「マスターパスワードについて」等の画面が表示されたら、画面上の内容を確認し［次へ］

ボタンをクリックしましょう。


「ファイルのコピー先フォルダを指定して下さい」と記載された画面が表示されたら、「フ

ァイルのコピー先フォルダ(F)」の内容を確認し［次へ］ボタンをクリックしましょう。

「ファイルのコピー先フォルダ(F)」を変更する場合には、入力欄にフォルダ情報を直接入

力する方法と、［参照］ボタンをクリックして選択指定する方法があります。

「ファイルのコピー先フォルダ(F)」で指定したフォルダが存在しない場合には、下記のよ

うな確認画面が表示されます。画面上の内容を確認し［はい］ボタンをクリックしましょう。


「以下の指定でインストールを実行します」と記載された画面が表示されたら、表示されて

いる内容を確認し［次へ］ボタンをクリックしましょう。

FFFTP のインストールが完了すると「インストールが完了しました」と記載された画面が

表示されます。

画面上の内容を確認し［完了］ボタンをクリックしましょう。


2.2.2 FTP クライアントソフトウェアの設定

FFFTP が正常にインストールされると、Windows 画面上に「FFFTP」アイコンが表示されま

すので、このアイコンをダブルクリックして FFFTP を起動しましょう。

FFFTP が起動されると、FFFTP 画面の上に「ホスト一覧」画面が表示されますので、［新規

ホスト］ボタンをクリックしましょう。

補足：

「ホスト」とは、FFFTP（FTP クライアントソフトウェア）が接続する FTP サーバを

示します。本書では、FileZilla サーバ（IP アドレスは「192.168.1.103」）です。


「ホストの設定」画面が表示されたら下記の項目を設定して［OK］ボタンをクリックしましょう。

・「基本」タブ画面

項目値備考

ホストの設定名(T) test 任意の名称で結構です。

ホスト名（アドレス）(N) 192.168.1.103 2.1.4 サーバ IPアドレスの確認

で調査した値です。

ユーザ名(U) testuser FileZilla サーバで設定したユー

ザです。

パスワード／パスフレーズ(P) *** FileZilla サーバで設定したユー

ザのパスワードです。

ローカルの初期フォルダ(L) （指定なし） FFFTP の操作に慣れたら設定

して下さい。

ホストの初期フォルダ(R) （指定なし）同上

最後にアクセスしたフォルダを

次回の初期フォルダとする(F)

（□のままとします）同上

補足：

ホスト名には、例えば､ftp.mvb.jp のようなドメイン名を設定することができま

す。

ftp://ftp.mvb.jp/


・「拡張」タブ画面

項目値備考

FireWall を使う(F) （指定なし）

PASV モードを使う(V) ☑ ※忘れずに☑して下さい

フォルダ同時移動を使う(S) （指定なし）

ポート番号(X) 21 既定値です。特別な理由がない

場合には変更しないで下さい。

アカウント(C) （指定なし）

ホストのタイムゾーン(T) GMT+9:00（日本）既定値です。特別な理由がない


セキュリティ(Q) 自動認識既定値です。特別な理由がない


接続時にホストに送るコマンド(I) OPTS UTF8 OFF 日本語の文字化けを防止でき

ます。（必須ではありません。）


「ホスト一覧」画面が表示されたら、今回作成したホスト「test」を選択して［接続］ボタ

ンをクリックしましょう。

しばらくすると、FFFTP 画面の下部に「接続できません」と表示されます。

補足：

このメッセージは FFFTP のホスト接続情報に問題があるのではなく、FTP サーバ

（FileZilla サーバ）側のコンピュータにいくつかの設定をする必要があることを示して

います。

下記の「3.FTP サーバコンピュータの設定」を実施しましょう。


3. FTP サーバコンピュータの設定

FTP クライアントソフトウェア（FFFTP）からの接続を受け付けるためには、FTP サーバと

なっているコンピュータのファイアウォール設定を変更（追加）する必要があります。

特に、FTP クライアントソフトウェアから PASV モードでの接続要求がされる場合には、フ

ァイアウォールに PASV モード対応の設定が必須となります。

なお、FTP クライアントソフトウェアから FTP サーバ（FileZilla サーバ）に接続した時に、

正常に接続されたかを確認できるように、FTP サーバの Shared Folder（本書では、C:¥ftparea）

にサブフォルダ「test123」を作成しておきましょう。

※Shared Folder に何もないと FTP クライアントソフトウェアが正常に接続できるかど

うかの判別が難しくなる可能性があります。


3.1 ファイアウォールの設定

FTP サーバとなるコンピュータで以下のファイアウォール設定を実施しましょう。

Windows の［スタート］ボタンをクリックし、表示されるメニューから「コントロールパ

ネル」を選択（クリック）しましょう。


「コントロールパネル」画面が表示されたら「Windows ファイアウォール」を選択しダブ

ルクリックしましょう。


「Windows ファイアウォール」画面が表示されたら、画面左側に表示されている「Windows

ファイアウォールによるプログラムの許可」をクリックしましょう。


「Windows ファイアウォールの設定」画面が表示されたら「例外」タブを選択（クリック）

しましょう。

「例外」タブ画面が表示されたら［ポートの追加］ボタンをクリックしましょう。


「ポートの追加」画面が表示されたら、下記の項目を設定しましょう。

画面の内容を確認後［OK］ボタンをクリックしましょう。

項目値備考

名前(N) FTP 任意の名前で結構です。

ポート番号(P) 21 「21」を指定してください。

プロトコル TCP(T)を選択


ポートの追加が正しく処理されると、「Windows ファイアウォールの設定」画面の「例外」

タブにある「プログラムまたはポート」一覧表に「FTP」行が追加されます。

以上で FTP サーバが FTP プロトコルを受け付けることができるようになりました。

この状態で、FTP クライアントソフトウェアから FTP サーバ（FileZilla サーバ）に接続し

てみましょう。


下記の画面は FTP クライアントソフトウェアが動作するコンピュータの画面です。

※FTP サーバ（FileZilla サーバ）が動作するコンピュータの画面ではありませんので注

意して下さい。

FTP クライアントソフトウェア（FFFTP）がホスト「test」への接続を実施すると、画面下

部に「ダウンロードのためにホスト 192.168.1.103(49450)に接続しています」と表示されます。

しばらくすると、下記のようなエラーメッセージが表示されます。画面の内容を確認し［全

て中止］ボタンをクリックしましょう。

このようなエラーメッセージが表示される場合は、FTP ソフトウェア側で「PASV モード」

での接続を要求していますが、FTP サーバ側で PASV モードの受付を許可していないことが

原因となっています。

そこで、FTP サーバとなるコンピュータで以下の PASV モード対応の設定を実施しましょう。


3.2 PASV モード対応の設定

FTP サーバとなるコンピュータで以下の PASV モード設定を実施しましょう。

Windows の［スタート］ボタンをクリックし、表示されるメニューから「管理ツール」→

「セキュリティが強化された Windows ファイアウォール」を選択（クリック）しましょう。


「セキュリティが強化された Windows ファイアウォール」画面が表示されたら、画面左側

に表示されている「受信の規則」を選択（クリック）しましょう。

「受信の規則」を選択（クリック）すると、画面右側に「操作」部が表示されますので、そ

の中に表示されている「新規の規則」を選択（クリック）しましょう。


「新規の受信の規則ウィザード」画面が表示れます。

画面左側にある「ステップ：」部に表示されている「規則の種類」が選択された状態になり

ます。

画面右側に「どの種類の規則を作成しますか？」と表示されます。

「○プログラム(P)」を選択（クリック）し、［次へ］ボタンをクリックしましょう。


画面左側にある「ステップ：」部に表示されている「プログラム」が選択された状態になり

ます。

画面右側に「すべてのプログラムと特定のプログラムのどちらにこの規則を適用します

か？」と表示されます。

「○このプログラムのパス(T)」を選択（クリック）し、［参照］ボタンをクリックしましょ

う。

※このメッセージの下記にある入力欄にプログラムのパス（場所）を入力することも

可能です。


「開く」画面が表示されたら、FileZilla サーバがインストールされた場所を探して、FileZilla

サーバのプログラムを選択し、［開く］ボタンをクリックしましょう。

※FileZilla サーバは下記の場所にインストールされます。（既定値でのインストールの

場合）

C:¥Program Files¥FileZilla Server

また、FileZilla サーバのプログラム名称は、FileZilla server.exe です。

補足：

本書では FTP サーバに FileZilla サーバを使用していますが、他の FTP サーバソフトウ

ェアを使用する場合には、その FTP サーバソフトウェアがインストールされたフォルダ

と FTP サーバソフトウェアの名称を確認して選択しましょう。


「開く」画面で選択した FileZilla サーバソフトウェアの位置が「このプログラムのパス(T)」

欄に表示されます。

画面の内容を確認し［次へ］ボタンをクリックしましょう。


画面左側にある「ステップ：」部に表示されている「操作」が選択された状態になります。

画面右側に「接続が指定の条件に一致した場合に、どの操作を実行しますか？」と表示され

ます。

「○接続を許可する(A)」を選択（クリック）し、［次へ］ボタンをクリックしましょう。


画面左側にある「ステップ：」部に表示されている「プロファイル」が選択された状態にな

ります。

画面右側に「この規則はいつ適用しますか？」と表示されます。

下記のすべての項目を選択（☑）し、［次へ］ボタンをクリックしましょう。

・ドメイン(D)

・プライベート(P)

・パブリック(U)


画面左側にある「ステップ：」部に表示されている「名前」が選択された状態になります。

画面右側に「名前(N)」と表示されますので、適切な名称を入力して［完了］ボタンをクリ

ックしましょう。

本書では「FTP Server (PASV)」と入力しています。


ここまでの操作が正しく実施されると「セキュリティが強化された Windows ファイアウォ

ール」画面の中央に表示されている「受信の規則」欄に追加した「FTP Server (PASV）」が追

加されたことを確認することができます。

「FTP Server (PASV）」を確認できたら、「セキュリティが強化された Windows ファイアウ

ォール」画面を終了しましょう。


下記の画面は FTP クライアントソフトウェアが動作するコンピュータの画面です。

※FTP サーバ（FileZilla サーバ）が動作するコンピュータの画面ではありませんので注

意して下さい。

FTP クライアントソフトウェア（FFFTP）がホスト「test」への接続を実施すると、画面下

部に「ファイル一覧の取得は正常終了しました（…）」と表示されます。また、画面右側には、

Shared Folder に作成したサブフォルダ「test123」が確認できます。


FTP クライアントから FTP サーバ（FileZilla サーバ）にファイルを転送できるかを確認して

みましょう。

画面右側の「test123」をダブルクリックして、サブフォルダ「test123」が空であることを確

認しておきましょう。

次に、画面左側（この画面は FTP クライアント側コンピュータの内容を表示しています）

の「history.txt」をドラッグして、画面右側にマウスカーソルを移動させます。

※下記の画面はマウスカーソルを移動している途中です。


画面右側でドロップした時に、画面に「history.txt」が表示されればファイル転送は成功で

す。

以上で FTP サーバ（FileZilla サーバ）に関する設定は完了です。

お疲れさまでした。


参考：あんなとき、こんなとき

(1)FileZilla サーバ起動時に最小化したい時

本書で解説している手順が正しく実施された後、WindowsServer2008 を再起動すると

FileZilla サーバ管理画面が表示されます。

もし、この FileZilla サーバ管理画面を表示したくない（最小化して Windows タスクトレイ

に表示したい）場合には、下記の手順で FileZilla サーバの設定を実施しましょう。

表示されている「FileZilla Server (127.0.0.1)」画面のメニューにある「編集」→「設定」を選

択（クリック）しましょう。


「FileZilla Server オプション」画面の左側に表示されている「Miscellaneous」を選択します。

画面右側に「Miscellaneous」設定項目が表示されますので「スタート時に最小化する。(S)」

をチェック（☑）します。

画面の内容を確認し［OK］ボタンをクリックしましょう。


必要に応じて「FileZilla Server (127.0.0.1)」画面を最小化しましょう。

以上で FileZilla サーバ起動時に最小化する設定は完了です。


本書に関するお問い合わせ

本書に関するお問い合わせは、有限会社エムブィビィまでメールでお願い致します。

なお、お問い合わせ内容によっては調査のためのお時間がかかることが御座いますので、

ご了承願います。

問合せ先メールアドレス：[email protected]

弊社ホームページ：http://www.mvb.jp

改版履歴

初版 2008 年 4 月 28 日

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FTP サーバ(FileZilla) のセットアップについて1 / 72 Copyright © 2010 MVB All Rights...

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