栃木市水道ビジョン 概要版 - Tochigi, TochigiTochigi City Waterworks Vision...

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「栃木市水道ビジョン」の計画期間は、2019 年度から 2028 年度の 10 年間とします。 これは、長期的な視点から水道事業経営の見通しを立てた上で、今後 10 年間に取り組むべ き事業を整理したものです。今後は、社会情勢の変化や最新技術の動向等に留意しながら、5 年程度を目安として事業の進捗評価や内容の見直しを行い、常に改善を図っていきます。 おいしい水をいつまでも 暮らしを支える 栃木市の水道 将来にわたり安定した事業運営を継続し、 市民の皆様に良質な水道水を供給し続けるため 「 栃 木 市 水 道ビジョン 」を 策 定しました 。 経営戦略 (総務省) 公営企業の 経営健全化 水道事業の 将来50年間の見通し 安全 強靭 持続 10年以上の投資・財政計画 投資の試算 財源の試算 効率化・健全化のための取組方針 栃木市総合計画 <安全で良好な水資源の確保> 新水道ビジョン (厚生労働省) 地域とともに、 信頼を未来につなぐ 栃木市 水道ビジョン おいしい水をいつまでも 暮らしを支える 栃木市の水道 水安全計画 50年先を見据えた事業方針 将来10年間の財政計画 将来10年間の施設整備計画 栃木市水道ビジョン 「栃木市水道ビジョン」は、厚生労働省が示した「新水道ビジョン」及び総務省が策定 を求めている「経営戦略」の策定方針に基づき、本市水道事業の施設整備や事業運営 の目指すべき方向性を示したものです。 市の上位計画である「栃木市総合計画」で掲げる基本施策「安全で良好な水資源の 確保」の実現に向け、これまでの取り組みと将来の事業環境の変化を踏まえ、50 年、 100 年先も安定した事業を持続していくための本市水道事業のマスタープランとして位 置づけるものです。 栃木市水道事業経営戦略 栃木市 2019年(平成31年) 3月 概要版

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 「栃木市水道ビジョン」の計画期間は、2019年度から2028年度の10年間とします。 これは、長期的な視点から水道事業経営の見通しを立てた上で、今後10年間に取り組むべき事業を整理したものです。今後は、社会情勢の変化や最新技術の動向等に留意しながら、5年程度を目安として事業の進捗評価や内容の見直しを行い、常に改善を図っていきます。

おいしい水をいつまでも 暮らしを支える 栃木市の水道

将来にわたり安定した事業運営を継続し、市民の皆様に良質な水道水を供給し続けるため「栃木市水道ビジョン」を策定しました。

経営戦略(総務省)

公営企業の経営健全化

■ 水道事業の将来50年間の見通し

■ 安全■ 強靭

■ 持続

10年以上の投資・財政計画 ■

投資の試算 ■

財源の試算 ■

効率化・健全化のための取組方針 ■

栃木市総合計画<安全で良好な水資源の確保>

新水道ビジョン(厚生労働省)

地域とともに、信頼を未来につなぐ

栃木市水道ビジョン

おいしい水をいつまでも暮らしを支える栃木市の水道

水安全計画

50年先を見据えた事業方針

将来10年間の財政計画

将来10年間の施設整備計画

栃木市水道ビジョン

 「栃木市水道ビジョン」は、厚生労働省が示した「新水道ビジョン」及び総務省が策定を求めている「経営戦略」の策定方針に基づき、本市水道事業の施設整備や事業運営の目指すべき方向性を示したものです。 市の上位計画である「栃木市総合計画」で掲げる基本施策「安全で良好な水資源の確保」の実現に向け、これまでの取り組みと将来の事業環境の変化を踏まえ、50 年、100 年先も安定した事業を持続していくための本市水道事業のマスタープランとして位置づけるものです。

栃木市水道事業経営戦略

栃木市2019年(平成31年) 3月概要版

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 水道施設(施設、設備、管路)の更新需要 下図は、施設、設備、管路について、建設年度ごとの資産額(更新した場合の費用に換算)を示しています。2017年度までに取得し、現在も存在している資産の総額は約924億円と試算されます。このうち、管路が総資産額の 7 割以上を占めており、今後、法定耐用年数を超過する管路が急激に増加することから、更新に必要な資金(更新需要)は現在より大幅に増加することが見込まれます。 これらの資産の更新を法定耐用年数どおりに行うことは、事業経営上、現実的に難しいことから、実際に使用可能な年数(目標耐用年数)を設定して、経営への影響を最小限に抑えながら効率的な更新を進めていきます。

(参考)法定耐用年数 法定耐用年数とは、法令で定められた施設や設備の使用可能な見積期間であり、取得した施設や設備を経理上で処理(減価償却)するための年数です。 ただし、実際に使用可能な年数と必ずしも一致するものではなく、法定耐用年数を超過しても、適切なメンテナンス等を実施すれば健全に使用可能なケースもあります。

機械・電気土木・建築管路施設

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1967 1977 1987 1997 2007 2017

設置年度(H29)(H19)(H9)(S62) (S42) (S52)

現時点で40年

超過した資産

所有資産の現在の価格換算(百万円)

 水道事業の将来像 「安全」「強靭」「持続」の 3 つの目指すべき方向性のもと、水道事業の現状と課題や将来の事業環境を踏まえ、本市の取り組むべき施策を整理しました。

本市の主な課題 目指すべき方向性と基本施策

基本施策①

水質監視、点検方法の強化

基本施策②

浄水方法の改善強化

基本施策③

水道水の安定供給

▪水道水を安全に保つ水質管理▪事故を未然に防ぐ施設維持管理

で信頼される水道安全

基本施策④ 施設の耐震化

基本施策⑤ 管路の耐震化

基本施策⑥ 危機管理の強化

▪大規模地震に備えた施設整備▪災害時に迅速に対応できる組織体制

で災害に強い水道強靭

基本施策⑦ 経営基盤の強化

基本施策⑧

経年化設備の適切な更新

基本施策⑨

施設維持管理の効率化

▪施設長寿命化による投資の平準化▪安定した経営を可能とする財政計画

可能な水道事業の運営持続課題

課題

課題

▪浄水方法の強化▪施設監視方法の統一▪施設管理の効率化▪水源の水質管理強化▪浄水処理の改善▪漏水防止対策の強化

▪施設の耐震化▪管路の耐震化▪災害対策の強化

▪水道料金水準の適正化▪施設規模の適正化▪設備の適切な更新▪管路の適切な更新▪更新費用の平準化▪企業債借入れの抑制▪職員数の適正化▪技術力の向上

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 施設整備計画 2019 年度から 2028 年度までの事業スケジュールを示します。10 年間で 164 億円(平均16.4 億円 /年)の事業を実施します。

事業スケジュール(2019年度から2028年度)

T o c h i g i C i t y W a t e r w o r k s V i s i o n

整備内容 概算費用(10年間) 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028

水道統合事業

中央監視装置統合整備 7.1億円

紫外線照射装置設置 4.5億円

非常用発電気等設置 3.8億円

増圧ポンプ場築造 3.0億円

小計 18.4億円

水道施設更新事業

受電設備の更新 19.6億円

自家発電設備更新 8.3億円

機械設備更新 4.1億円

ろ過機改修 4.2億円

計装設備更新 5.3億円

小計 41.5億円

水道施設耐震化事業(管理棟・浄水施設の耐震化) 5.7億円

上水道整備事業(他事業関連の管路整備) 21.7億円

老朽管更新事業(石綿セメント管更新) 11.2億円

管路耐震化事業(塩化ビニル管更新) 62.1億円

その他の事業 3.4億円

(水道庁舎内)

(薗部浄水場・川原田浄水場)

(原宿浄水場・浄池庵配水場等)

(西山田増圧ポンプ場)

(薗部浄水場・蔵井浄水場・蛭沼浄水場等)

(薗部浄水場・真名子浄水場・岩舟第1浄水場等)

(増圧ポンプ場等)(岩舟第1浄水場) (藤岡浄水場等)

(藤岡浄水場、蛭沼浄水場、岩舟第1浄水場・岩舟第2浄水場)

(水位計、流量計、電動弁、計装盤、電源装置、その他修繕等)

(管理棟(主要施設)の優先的な耐震詳細診断・耐震補強の実施)

(下水道事業、道路事業、区画整理等に伴う管路新設・改良事業)

(石綿セメント管の解消事業)

(塩化ビニル管を中心とした管路更新による耐震化、漏水対策事業)

(管路拡張事業など)

計 164億円(10年間の総額)

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財政計画の基本方針 ・ 損益黒字を維持するため「適正な水道料金を設定」する ・ 内部留保資金を15億円以上に維持し、「運転資金と非常時資金を確保」する ・ 給水収益に対する企業債残高の割合を250%未満とし「企業債残高を適正化」する

コスト縮減対策・ アセットマネジメントの導入による施設更新費用、修繕費の低減 ・ 包括委託等の検討による人件費、委託費の最適化 ・ 企業債借入れの抑制による支払利息の抑制

 財政計画 施設整備計画を実行するための費用を確保しながら、本市水道事業が安定した経営を継続していくために必要な手段や方向性について検討しました。 右のグラフは、今後 10 年間(2019 年度~ 2028 年度)の財政シミュレーションの試算結果を示しています。これは、2023 年度に水道料金の値上げ(改定率 20%)を実施し、損益黒字と内部留保資金15 億円の維持、そして、給水収益に対する企業債残高の割合を250%未満とした場合のケースで試算したものです。 安定した経営を持続しながら、かつ、水道料金と企業債借入額のバランスがとれた財政計画となるよう、今後、より詳細な検討を慎重に進めていきます。

 フォローアップ 「栃木市水道ビジョン」は、PDCA サイクルを活用し、毎年度、事業効果の分析、評価、改善を繰り返しながら、5年を目安として環境の変化に応じた計画内容の見直し、軌道修正を行います。 また、ホームページ等における積極的な情報公開を通じて、市民の皆様より頂くご意見を適切に反映することで、より良い水道事業を構築していきます。

 財政計画の基本方針 財政シミュレーション結果を踏まえた、財政計画の基本方針とコスト縮減対策は以下のとおりです。

PDCAサイクル

財政シミュレーション試算結果(2023年度に水道料金値上げ(改定率20%)を実施したケース)

-6,000

-4,500

-3,000

-1,500

0

1,500

3,000

4,500

6,000

7,500

-600

-450

-300

-150

0

150

300

450

600

750

2015(H27)

2020 2025 2030

2015(H27)

2020 2025 2030 2035

内部留保資金残高(百万円)

損益(長期前受金戻入を除く)(百万円)

損益(長期前受金戻入を除く) 内部留保資金残高

050100150200250300350400450500

01,0002,0003,0004,0005,0006,0007,0008,0009,00010,000

給水収益に対する企業債残高の割合(%)

企業債残高(百万円)

企業債残高 給水収益に対する企業債残高の割合

2035

水道ビジョン計画期間

(2019~2028)

Plan計画・目標設定・計画策定・目標設定 Do

事業実施・管理・運営・施設整備Check

事業評価・目標達成状況の分析・事業内容の評価

Action改善

・対応の検討・改善策の設定

T o c h i g i C i t y W a t e r w o r k s V i s i o n

水道料金値上げ(改定率20%)

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