ちゃんが - Shizuoka Prefecture子 ども 安全読本 ミオ ちゃんが 危 ない!あぶ...
Transcript of ちゃんが - Shizuoka Prefecture子 ども 安全読本 ミオ ちゃんが 危 ない!あぶ...
子ども安全読本
ミオちゃんが危ない!
あぶ
目
次
もく
じ
一
かえりの会
一ページ
かい
いち
二
かえり道
六ページ
みち
ろく
三
ミオちゃんが危ない!
十二
ページ
あぶ
じゅうに
四
正義のみかた!
せいぎ
「子ども110番のいえ」のおばさん
二十
ページ
こ
ひゃくとおばん
にじゅっ
五
おかあさん
二十五ページ
にじゅうご
- 1 -
一
かえりの会か
い
※
気づいたことをかい
ミオちゃんは、このまちの小学校にかよう一年生
てみましょう。
しょうがっこう
いちねんせい
です。きょうも元気に学校にきて、おべんきょうも
げんき
がっこう
うんどうも、いっしょうけんめいがんばりました。
おひるのきゅうしょくも、がんばってぜんぶたべま
した。
「キーン、コーン、カーン、コーン
。かえりの会
」
かい
。
、
のはじまりをしらせるチャイムがなりました
さあ
- 2 -
かえりの会のはじまりです。
かい
先生が、みんなにこんなおはなしをしました。
せんせい
「このごろ、学校のまわりで、しらないおじさんか
がっこう
ら声をかけられた子がいます。このおじさんはね、
こえ
こ
『あめ玉をあげるからついておいで』って声をかけ
だま
こえ
てくるんだって。
みんな、学校から
がっこう
かえるときに、
このおじさんから、
『
。
あめ玉をあげるよ
だま
ついておいで』
って声をかけられ
こえ
たらどうするか
な?」すると、
トモくんが「
いら
『
- 3 -
ない』っていうよ。ついていかないよ
」と、大き
。
おお
な声でこたえました
「そうだね、しらないおじさ
。
こえ
んだものね。ぜったいに、ついていっちゃあだめだ
よね
」と、先生がいいました。これを聞いていた
。
せんせい
き
サキちゃんが
「でも、そのおじさんが
『おいで、
、
、
おいで』って、うでをひっぱってくるかもしれない
よ
」としんぱいそうにいいました。するとタツヤ
。
、「『
』
くんが
いやだー!
とか『キャーッ!』っ
てさけべばいいじゃ
ん
」とこたえました。
。「そうだね。だまって
いたら、つれていかれ
ちゃうものね
大きな声
。おお
こえ
で、さけぶんだよ。そ
- 4 -
れからね
『キャーッ!』ってさけぶと、遊んでふ
、
あそ
ざけているように聞こえるかもしれないから
『ウ
、
き
ォーッ!』ってさけぼうね。そうだ、みんなでそろ
。
『
』
ってさけんでみようよ
先生が
いち・にの・さん
せんせい
、
、
『
』
っていうから
そのあとに
みんなで
ウォーッ!
ってさけんでみ
て
」と先生がい
。いました。先生が
せんせい
「いち・にの・さ
ーん」といいまし
た。すると、みん
なが大きな声で
おお
こえ
『ウォーッ!』と
さけびました。ミ
オちゃんも、みん
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なに負けないくらい大きな声で『ウォーッ!』とさ
ま
おお
こえ
けびました。
かえりの会がおわりました。サキちゃんとタツヤ
かい
くんがミオちゃんのそばに来て
「いっしょにかえ
、
き
ろう
」といいました。サキちゃんとタツヤくんの
。
おうちは、ミオちゃんのおうちのすぐちかくにあり
ます。だから三人
さんにん
は、学校に来ると
がっこう
く
きも、学校からお
がっこう
うちにかえるとき
も、いつもいっし
ょです
「うん、い
。
っしょにかえろ
う
」とミオちゃん
。がいいました。
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二
かえり道み
ち
ミオちゃんは、タツヤくんとサキちゃんといっし
ょに学校の門を出ると、い
がっこう
もん
で
つもかよう道を歩いておう
みち
ある
ちにむかいました。ミオち
ゃんのおうちの少してまえ
すこ
、
。
に
小さな公園があります
ちい
こうえん
この公園には、ブランコや
こうえん
すべり台、ジャングルジム
だい
や、おすな場があるので、
ミオちゃんは、いつもこの
公園で、おともだちと遊ん
こうえん
あそ
でいました。
- 7 -
三人が公園のまえまで来ると
すべり台のよこに小
、
さんにん
こうえん
く
だい
ちい
。
、
さな箱がおいてあるのが見えました
タツヤくんが
はこ
み
「なんだろう。見てみよう
」といいながら、箱が
。
はこ
おかれているところにむかって歩き出しました。ミ
ある
だ
オちゃんとサキちゃんも、タツヤくんのあとをつい
ていきました。三人は、箱にちかづいて、そっと中
さんにん
はこ
なか
。
をのぞいてみました
すると
箱の中には小
、はこ
なか
ちい、
さな子ねこが二ひき
こ
に
「みゃー、みゃー」
と小さな声でないて
ちい
こえ。
、
いました
一ぴきは
いっ
ちゃ色の子ねこで、
いろ
こ
もう一ぴきは
まっ白
、
いっ
しろ
な子ねこです。ミオ
こ
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ちゃんは、ねこが大好きです。ミオちゃんのおうち
だいす
にもテンちゃんという名前のまっ白な子ねこがいま
なまえ
しろ
こ
す。サキちゃんが
「わー、かわいいね
」といいな
、
。
。
「
、
がらニコニコとわらいました
タツヤくんが
うん
ほんとうにかわいいね。でも、なんでこんなところ
にいるのかなあ。
すてられちゃった
のかなあ
」と、
。
しんぱいそうにい
。
、
いました
すると
サキちゃんが
だ、「
いじょうぶだよ。
こんなにかわいい
んだもん。きっと
だれかが、もらっ
- 9 -
てくれるよ
」といいました
「そうだね、だいじょ
。
。
うぶだよね
と
タツヤくんがいいました
より道
。」
、
。「
みち
をしていると、おかあさんにしかられちゃうから、
早くかえろうよ。ここに子ねこがいることは、おう
はやく
ちにかえってから、おかあさんにはなしてみるよ。
なんとかしてくれるかもしれないから……
」と、
。
サキちゃんがいいま
。
、
した
タツヤくんが
あんしんしたように
「うん
」とうなず
。
きました。でも、ミ
オちゃんは子ねこた
こ
ちのことが、かわい
そうでたまりませ
ん。もう少しだけ、
すこ
- 10 -
そばにいてあげたいとおもいました
「わたし、も
。
うちょっとここにいるから、タツヤくんとサキちゃ
んは先にかえって
」と、ミオちゃんがいいました。
。
さき
「でも、おかあさんが『ひとりでかえってきちゃだ
め』っていってたよ。ひとりでかえると、わるい人ひ
と
につれていかれちゃうって。それに
『あめ玉をあ
、
だま
げる』って声をかけ
こえ
てくるおじさんが来き
たらどうするの?」
と、サキちゃんがし
んぱいそうにいいま
した
「だいじょう
。
ぶ。わたしのおうち
は、すぐそこだし。
それに、もしそのお
- 11 -
じさんにつれていかれそうになったら
『ウォー
、
ッ!』ってさけべばいいんでしょ?」とミオちゃん
がいいました。タツヤくんもサキちゃんも、ミオち
ゃんひとりを公園にのこしてかえるのが、とてもし
こうえん
んぱいでした。だから
「ねえ、いっしょにかえろ
、
うよ
」と、なんどもなんどもミオちゃんにいいま
。
した。でも、ミオちゃんは
「だいじょうぶ
」とい
、
。
って、子ねこたちのそば
こ
。
をはなれようとしません
タツヤくんとサキちゃん
は、しかたなく、ミオち
ゃんと公園でわかれて、
こうえん
ふたりだけでおうちにか
えりました。
- 12 -
三
ミオちゃんが危ない!
あぶ
ミオちゃんは、箱のそばにすわると
「君たちは、
、
はこ
きみ
どこから来たの?」と、子ねこたちのあたまをやさ
き
こ
しくなでながら聞きました。子ねこたちは、あいか
き
こ
わらず「みゃー、みゃー」と小さな声でないていま
ちい
こえ
。
、
す
ふと気がつくと
き
箱のよこに、おとな
はこの
人の大きな足が見
ひと
おお
あし
み
えました。ミオちゃ
んが顔を上げると、
かお
あ
そこには、しらない
おじさんが立ってい
た
。
、
ました
おじさんは
ニコニコわらいなが
- 13 -
ら
「おじょうちゃん、なにしているの?」とミオ
、ちゃんに聞きました。ミオちゃんは
「学校からの
、
き
がっこう
かえり道に、この箱を見つけたの。そしたらね、中
みち
はこ
み
なか
にね、子ねこが二ひきいたの。ないていたからかわ
こ
に
いそうになって、それでね……
」といいながら、子
。
こ
ねこたちの顔を
かお
見ました。ミオ
みちゃんは、なん
だかとても悲し
かな
くなってきまし
た。お
じさんは、
とてもやさしそ
うな顔をしてい
かお
ます。ミオちゃ
- 14 -
んは、このおじさんなら子ねこたちを助けてくれる
こ
たす
かもしれないとおもいました
「ねえ、おじさん。子
。
こ
ねこたちを助けてください
」と、ミオちゃんは、
。
たす
おじさんにおねがいしました。おじさんは
「おじ
、
ょうちゃんはやさしい子だね。ごほうびに、あめ玉
こ
だま
をあげよう
」といいながら、ズボンのポケットか
。
らあめ玉をとり出
だま
だ
してミオちゃんに
くれました。そし
て
「このままじゃ
、あ、子ねこたちは
こ
死んじゃうかもし
れないよ。そうだ、
子ねこたちを、も
こっとあんぜんなと
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ころにつれていってあげようよ。おじさんも、いっ
しょに行ってあげるよ。おじさん車がそこにあるか
い
くるま
ら、いっしょに乗っていこう
」といいました
「で
。
。
の
も……
」ミオちゃんは、先生から
「あめ玉をあげ
。
、
せんせい
だま
るからついておいで」と、子どもに声をかけるおじ
こ
こえ
さんのことや、
しらない人には
ひと
ぜったいについ
ていってはいけ
ないといわれて
いたことをおも。
い出したのです
だ
、
ミオちゃんは
どうしたらいい
かこまって、子こ
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ねこたちの顔を
かお
見ていました。
みすると、おじさ
んが子ねこたち
こ
の入った箱を
はい
はこ
片方のうでにか
かたほう
かえました。そ
して
「このまま
、
だと、子ねこた
こ
ちが死んじゃう
し
。
、
よ
それでもいいの?おじさんといっしょにくれば
子ねこたちを助けることができるんだよ。さあ、お
こ
たす
じさんといっしょに行こう
」といいながら、ミオ
。
い
ちゃんのうでを強い力でひっぱってきました。この
つよ
ちから
とき、はじめてミオちゃんは、このおじさんが先生
せんせい
- 17 -
の話していた、あめ玉をあげるといって子どもをさ
はな
だま
こ
そうわるいおじさんなのだということに気がつきま
き
した。ミオちゃんは、おじさんのことが急にこわく
きゅう
なりました。いっしょうけんめいに、おじさんの手て
をふりほどこう
としましたが、
おじさんの
力ちから
が強くて、どう
つよ
にもなりませ
。
、
ん
おじさんは
こわい顔で「お
かお
じょうちゃん、
おとなしくつい
てこないとだめ
だよ
」とミオ
。
- 18 -
ちゃんをにらみつけました。おじさんが、子ねこた
こ
ちの入った箱をミオちゃんの足もとに放りなげたの
はい
あし
ほう
で、子ねこたちは、地面に放り出されてしまいまし
こ
じめん
ほう
だ
た。子ねこたちは、ミオちゃんの顔を見て、しんぱ
こ
かお
み
いそうに「みゃー、みゃー」となき続けています。
つづ
ミオちゃんは、子ねこたちが「みゃー、みゃー」と
こ
なく姿を見て
先生
、
すがた
み
せんせい
からいわれたことを
思い出しました
そ。「
おも
だ、『
』
うだ
ウォーッ!
って大声でさけばな
おおごえ
きゃ……」でも、こ
わさでがドキドキし
て、なかなかおもう
ように声が出せませ
こえ
だ
- 19 -
ん。子ねこたちは
「ミオ
、
こ
ちゃん、がんばって!」
と励ますように、ますま
はげ
す大きな声で「みゃー、
おお
こえ
みゃー」となき続けてい
つづ
ます。ミオちゃんは、か
えりの会でれんしゅうし
かい
たように声を出してみよ
こえ
だ
うとおもいました。そして、先生の「いち・にの・
せんせい
さん」のあいずで声を出したようにやってみようと
こえ
だ
おもいました。ミオちゃんは
「いち・にの・さん」
、
と心の中でかぞえてから
おもいきり大きな声で
ウ
、
「
こころ
なか
おお
こえ
ォーッ!」とさけびました。すると、おじさんはビ
ックリして、それまでつかんでいたミオちゃんのう
でをはなしました。
- 20 -
四
正義のみかた!
せいぎ「
こども110番のいえ」のおばさん
ひゃくとおばん
公園のむかいに、おかし屋さんがあります。この
こうえん
や
おかし屋さんは、子どもがこまったり、こわい目に
や
こ
め
あったときにかけこむと、助けてくれる「子ども
たす
こ
110番のいえ」で
ひゃくとおばん
す。お店の中では、
みせ
なか
おばさんが、いつも。
お店番をしています
みせばん
ミオちゃんの「ウォ
ーッ!」というさけ
び声が
おばさんの耳
、
ごえ
みみ
にとどきました。お
ばさんが、しんぱい
- 21 -
そうな顔で、お店の中からとび出してきました。ミ
かお
みせ
なか
だ
オちゃんは、勇気を出して、おばさんのところにむ
ゆうき
だ
かって走り出しました。おじさんが、ミオちゃんの
はし
だ
。
、「
、
あとを追いかけてきます
おばさんは
女の子が
お
おんな
こ
わるい人につれていかれちゃう」とおもい、ミオち
ゃんを助けよう
たす
と、あわてて走り
はし
出しました。おじ
ださんがミオちゃん
に追いつくより、
お
ほんの少し早く、
すこ
はや
おばさんがミオち
ゃんを抱きとめま
だ
。
、
した
おばさんは
自分の
体のうし
じぶん
からだ
- 22 -
ろにミオちゃんのすがたをかくしました。そして、
両手を広げてミオちゃんをかばうようにしました。
りょうて
ひろ
おばさんが、おじさんにむかって
「この子になん
、
こ
の用ですか!
と
しかりつけるように大きな声で聞
」
、
よう
おお
こえ
き
きました。ミオちゃんは、おばさんのことを正義の
せいぎ
、
。
みかただ!とおもい
とてもたのもしく感じました
かん
おじさんは
「道がわからないので、この子に聞い
、みち
こ
き
ていたんですよ
」とい
。
。
、
いました
おばさんは
うしろをふり返ると、
かえ
こわくてふるえている、
ミオちゃんにむかって
「そうなの?このおじ
さんは
あなたに道を聞
、
みち
き
いていたの?」と聞き
き
- 23 -
ました。ミオちゃんは
「ちがうもん!」といいた
、
かったのですが、こわくて声が出せません。ミオち
こえ
だ
ゃんは、声を出すかわりに、首を大きく横にふりま
こえ
だ
くび
おお
よこ
した。おばさんがおじさんにむかって
「けいさつ
、
を呼びますよ!」と、どなりつけるように大きな声
よ
おお
こえ
でいいました。する
と
おじさんは
急
、
、きゅう
にこまったような顔か
お
になり、あわててに
げ出しました。おば
だ
さんは、ミオちゃん
の肩をやさしく抱い
かた
だ
て、お店の中にミオ
みせ
なか
ちゃんをつれていく
と、すぐにけいさつ
- 24 -
に110番つうほうしてくれました。そして、おま
ひゃくとおばん
わりさんが来るまでのあいだ、お店の中でミオちゃ
く
みせ
なか
んを守ってくれました。まもなくして、おまわりさ
まも
んが、お店にやってきました。ミオちゃんは、おば
みせ
さんにむかって「ありとうございました
」とお礼
。
れい
をいいながら、あ。
たまを下げました
さ
おばさんが
「この
、
お店はね
『子ども
、
みせ
こ
110番のいえ』
ひゃくとおばん
なのよ。だから、
ミオちゃんがこま
ったり、こわい目め
、
にあったときには
すぐにとびこんで
- 25 -
おいで。おばさんが、
ぜったいにミオちゃん
を守ってあげる!」と
まも
いって、ニッコリわら
いました。ミオちゃん
もニッコリわらって
「ハイ!」と元気にこ
げんき
。
、
たえました
このあと
おまわりさんがミオち
ゃんをパトカーにのせて、おうちまで送ってくれま
おく
した。
五
おかあさん
ミオちゃんは、おうちにつくとすぐ、公園でこわ
こうえん
- 26 -
いおじさんに声をかけられたことや、大きな声を出
こえ
おお
こえ
だ
して助けをもとめたこと、子ども110番のいえの
たす
こ
ひゃくとおばん
おばさんに助けてもらったことなどを、おかあさん
たす
に話しました。おかあさんは
「ほんとうに、ぶじ
、
はな
。
、
、
でよかったね
でも
学校からかえってくるときは
がっこう
ぜったいにひとり
でかえってこない
でね。タツヤくん
やサキちゃんとい
っしょにかえって
くるのよ
」とい
。
って、ミオちゃ
んをやさしく抱き
だ
しめました。そし
、「
、
て
ミオちゃん
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いまからおかあさんといっしょに、子ねこたちをむ
こ
かえにいこうね
」といいました。ミオちゃんのよ
。
こで、テンちゃんが「にゃーん」と、うれしそうに
なきました。
お
わ
り
作成
平成十七年十二月
画課
静岡県警察本部生活安全企
(注)この子ども安全読本は、県警ホームページの「子ども安全情報」のコーナーから
出力することができます。