マガシーク(フル)20111228 fukuda...

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ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行) 本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥 当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。 一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切 の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。 118 業種:小売業 アナリスト:松尾 十作 +81 (0)3-6858-3216 [email protected] 総合ファッションEコマース大手。積極的な事業展開で中期的な成長軌道に戻る。 ◆ ファッション雑誌連動型の E コマース事業を手がける。 ・ファッション雑誌と提携し掲載された人気商品を販売する会員向けインターネット通販 サイト「マガシーク」と、人気ブランドの過剰在庫商品を廉価で販売する通販サイト「アウ トレットピーク」を運営する。 ・有名ファッション雑誌の掲載商品情報を事前に入手し、一般消費者にタイムリーに商 品提供できることが当社の強み。 ・レディスとメンズサイトを統合し、総合ファッション E コマース・ナンバーワンを目指す。 中期的にも会員数の順調な増加が見込まれ、業績は底を打ち成長局面へ ・積極的な広告宣伝による認知度のアップ、品揃えの強化、サービスレベルの向上によ りサイトの会員数は、今後 3 年程度は順調な増加が見込める。「マガシーク」が当社の 成長ドライバーとなり、中期的な売上及び利益の伸長が期待できる。 ・合理化効果と増収効果で収益的には底を打ち、業績は V 字回復局面へ。中期的には、 フルフィルメント事業及び中国事業にも積極的に展開する意向であり、注目したい。 ・伊藤忠商事(東証1部・8001)の連結子会社で、信用力・潜在的な展開力が高い。同社 の繊維部門及び E コマース関連では唯一の上場企業。 ◆ 増収増益基調が鮮明になり、収益は V 字回復。 ・2010 年 3 月期は、販売単価の下落、不採算ブランドの増加、システム投資負担から上 場来初の大幅減益だったが、その後の合理化効果及び増収効果から 2011 年 3 月期 は前期より再度増益基調に転じる。 ・2011 年 10 月に会社は、震災に伴う自粛ムードにより販売増加ペースが鈍化したことで、 期初の通期見込みに対し売上を下方修正した。一方、コスト削減効果により利益の上 方修正を発表。顧客の平均購入単価が下げ止まり、不採算ブランドの整理も一巡。加 えてアクティブ会員数の増加トレンドが継続し、各種の合理化策も奏功。今期業績予 想修正後も増収増益見込みで、収益の V 字回復が鮮明になりつつある。 ◆ 中期的な利益成長を背景に、予想株価水準を現状よりも高く予想。 ・ファッション E コマース市場は、中期的に年率 20%程度の成長が見込まれポテンシャ ルは高い。当社はマガシーク事業を成長のドライバーと考え、認知度アップのための 広告宣伝活動、品揃え・サービスの強化によりアクティブ会員数を戦略的に増やす一 方、システム・物流などのインフラ投資も積極的に行うため、業界平均の伸びを上回る 成長が期待できよう。 ・配当性向 30%を公約しており、今後も安定配当を継続する見込み。 ・低成長の経済環境下、平均購入単価及びマージンの漸減が一般的には予想されるが、 当社は合理化策効果とマガシーク事業の増収効果で収益性改善が期待され、今後 3 年程度は年率 30%程度のEPS成長が見込まれる。今後展開すると思われる中国事業 及びフルフィルメント事業は計画段階であり、現状ではその収益貢献度は未知数であ るため、今回の業績予想には折り込んでいない。 ・中期的な成長力や同業他社のバリュエーションを考慮し、今後 2~3 年での妥当株価 は、予想PERで 8 倍から 10 倍のレンジ、160,000 円~200,000 円と考えられる。 マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日:2011/12/30 調査日:2011/10/5 調査方法:企業訪問等 要旨 投資判断 【主要指標】 株価(円) 106,500 発行済株式数 21,190 時価総額(百万円) 2,256 上場日 2006/11/28 上場来パフォーマンス -29.4% 前期 今期 PER(倍) 17.4 11.3 PBR(倍) 0.6 0.8 配当利回り 1.7% 2.5% σ β値 リスク指標 52.8% 0.95 【主要 KPI(業績指標)】 アクティブ会 員数(人) (前年比) 2008/3 期 158,939 35.0% 2009/3 期 197,060 24.0% 2010/3 期 208,571 5.8% 2011/3 期 299,334 43.5% 2011/9 期 312,843 9.1% 【株価パフォーマンス】 1 ヶ月 3 ヶ月 12 ヶ月 リターン(%) -5.4 3.7 76.0 対 TOPIX(%) -10.1 -1.8 60.6 *用語の説明は最終頁をご覧ください

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  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    業種:小売業

    アナリスト:松尾 十作

    +81 (0)3-6858-3216

    [email protected]

    総合ファッションEコマース大手。積極的な事業展開で中期的な成長軌道に戻る。

    ◆ ファッション雑誌連動型の E コマース事業を手がける。

    ・ファッション雑誌と提携し掲載された人気商品を販売する会員向けインターネット通販

    サイト「マガシーク」と、人気ブランドの過剰在庫商品を廉価で販売する通販サイト「アウ

    トレットピーク」を運営する。

    ・有名ファッション雑誌の掲載商品情報を事前に入手し、一般消費者にタイムリーに商

    品提供できることが当社の強み。

    ・レディスとメンズサイトを統合し、総合ファッション E コマース・ナンバーワンを目指す。

    ◆ 中期的にも会員数の順調な増加が見込まれ、業績は底を打ち成長局面へ

    ・積極的な広告宣伝による認知度のアップ、品揃えの強化、サービスレベルの向上によ

    りサイトの会員数は、今後 3 年程度は順調な増加が見込める。「マガシーク」が当社の

    成長ドライバーとなり、中期的な売上及び利益の伸長が期待できる。

    ・合理化効果と増収効果で収益的には底を打ち、業績はV字回復局面へ。中期的には、

    フルフィルメント事業及び中国事業にも積極的に展開する意向であり、注目したい。

    ・伊藤忠商事(東証1部・8001)の連結子会社で、信用力・潜在的な展開力が高い。同社

    の繊維部門及び E コマース関連では唯一の上場企業。

    ◆ 増収増益基調が鮮明になり、収益は V 字回復。

    ・2010 年 3 月期は、販売単価の下落、不採算ブランドの増加、システム投資負担から上

    場来初の大幅減益だったが、その後の合理化効果及び増収効果から 2011 年 3 月期

    は前期より再度増益基調に転じる。

    ・2011 年 10 月に会社は、震災に伴う自粛ムードにより販売増加ペースが鈍化したことで、

    期初の通期見込みに対し売上を下方修正した。一方、コスト削減効果により利益の上

    方修正を発表。顧客の平均購入単価が下げ止まり、不採算ブランドの整理も一巡。加

    えてアクティブ会員数の増加トレンドが継続し、各種の合理化策も奏功。今期業績予

    想修正後も増収増益見込みで、収益の V 字回復が鮮明になりつつある。

    ◆ 中期的な利益成長を背景に、予想株価水準を現状よりも高く予想。

    ・ファッション E コマース市場は、中期的に年率 20%程度の成長が見込まれポテンシャ

    ルは高い。当社はマガシーク事業を成長のドライバーと考え、認知度アップのための

    広告宣伝活動、品揃え・サービスの強化によりアクティブ会員数を戦略的に増やす一

    方、システム・物流などのインフラ投資も積極的に行うため、業界平均の伸びを上回る

    成長が期待できよう。

    ・配当性向 30%を公約しており、今後も安定配当を継続する見込み。

    ・低成長の経済環境下、平均購入単価及びマージンの漸減が一般的には予想されるが、

    当社は合理化策効果とマガシーク事業の増収効果で収益性改善が期待され、今後 3

    年程度は年率30%程度のEPS成長が見込まれる。今後展開すると思われる中国事業

    及びフルフィルメント事業は計画段階であり、現状ではその収益貢献度は未知数であ

    るため、今回の業績予想には折り込んでいない。

    ・中期的な成長力や同業他社のバリュエーションを考慮し、今後 2~3 年での妥当株価

    は、予想PERで 8 倍から 10 倍のレンジ、160,000 円~200,000 円と考えられる。

    マガシーク (3060 東証マザーズ)発行日:2011/12/30

    調査日:2011/10/5

    調査方法:企業訪問等

    > 要旨

    > 投資判断

    【主要指標】

    株価(円) 106,500

    発行済株式数 21,190

    時価総額(百万円) 2,256

    上場日 2006/11/28

    上場来パフォーマンス -29.4%

    前期 今期

    PER(倍) 17.4 11.3

    PBR(倍) 0.6 0.8

    配当利回り 1.7% 2.5%

    σ β値

    リスク指標 52.8% 0.95

    【主要 KPI(業績指標)】

    アクティブ会

    員数(人)(前年比)

    2008/3 期 158,939 35.0%

    2009/3 期 197,060 24.0%

    2010/3 期 208,571 5.8%

    2011/3 期 299,334 43.5%

    2011/9 期 312,843 9.1%

    【株価パフォーマンス】

    1 ヶ月 3 ヶ月 12 ヶ月

    リターン(%) -5.4 3.7 76.0

    対 TOPIX(%) -10.1 -1.8 60.6

    *用語の説明は最終頁をご覧ください

    Administratorテキストボックス証券リサーチセンター審査委員会審査済20111227

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    本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    (単位:百万円) 2010/3 期

    実績

    2011/3 期

    実績

    2012/3 期

    会社予想

    2012/3 期

    予想

    2013/3 期

    予想

    2014/3 期

    予想

    2015/3 期

    予想

    売上高 8,142 8,889 10,500 10,000 12,500 15,100 18,600

    前年比 -4.3% 9.2% 18.1% 12.5% 25.0% 20.8% 23.2%

    営業利益 15 180 343 320 500 640 750

    前年比 -96.7% 1100.0% 89.6% 77.8% 56.3% 28.0% 17.2%

    経常利益 9 175 345 320 500 640 750

    前年比 -97.8% NA 97.0% 82.9% 56.3% 28.0% 17.2%

    当期純利益 0.3 99 200 186 290 371 435

    前年比 NA NA 100.6% 87.9% 55.9% 28.0% 17.2%

    期末株主資本 2,745 2,814 2,945 3,148 3,409 3,713

    発行済株式数 21,190 21,190 21,190 21,190 21,190 21,190 21,190

    EPS 16.3 4,705 9,438 8,778 13,686 17,518 20,529

    配当 1,416 1,416 2,832 2,633 4,106 5,525 6,159

    BPS 129,554 132,844 138,990 148,570 160,832 175,202

    ROE 0.01% 3.56% 6.30% 9.52% 11.32% 12.22%

    株価 92,000 82,000 104,300 104,300

    PER 5,644 17.4 11.3 11.3 8.7 5.7 4.2

    配当利回り 1.5% 1.7% 2.7% 2.5% 3.9% 4.9% 5.8%

    PBR 0.7 0.6 0.8 0.7 0.7 0.6

    マガシーク (3060 東証マザーズ)

    > 収益モデル

    (注)将来予想における PER、配当利回り、PBR は、レポート作成時の株価を用いて算出。

    > 株価パフォーマンス

    40,000

    60,000

    80,000

    100,000

    120,000

    140,000

    160,000

    180,000

    200,000

    09/12/28

    10/01/18

    10/02/08

    10/03/01

    10/03/22

    10/04/12

    10/05/03

    10/05/24

    10/06/14

    10/07/05

    10/07/26

    10/08/16

    10/09/06

    10/09/27

    10/10/18

    10/11/08

    10/11/29

    10/12/20

    11/01/10

    11/01/31

    11/02/21

    11/03/14

    11/04/04

    11/04/25

    11/05/16

    11/06/06

    11/06/27

    11/07/18

    11/08/08

    11/08/29

    11/09/19

    11/10/10

    11/10/31

    11/11/21

    11/12/12

    13週移動平均

    26週移動平均

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    よる直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    ◆ ファッション雑誌連動型のインターネット通販

    当社は、総合ファッションの Eコマース事業を手がけ、同セグメント

    でのナンバーワンを目指している。現状では、子会社及び関連会社は

    なく単独で事業を営んでいる。

    事業セグメントは、「マガシーク」、「アウトレットピーク」、「その他」

    の 3事業に分かれる。2011 年 3 月期の売上構成比は、マガシーク事業

    82.2%、アウトレットピーク事業 17.7%、その他事業 0.1%。

    「マガシーク」事業は、主に人気ファッション雑誌と提携し掲載され

    る商品情報を事前に入手できる強みを生かして、ファッション商品を

    当社サイトで販売する会員向けインターネット通販サイトである。携

    帯電話及びパソコンいずれからもアクセス可能。(株)サンエー・イ

    ンターナショナル、(株)ジュンなどといったアパレルメーカーから

    の仕入体制を持ち、雑誌掲載商品をはじめ、有名ブランドのアパレ

    ル・時計・アクセサリー・シューズ・雑貨等のファッション商品を取

    り扱う。2011 年 9 月現在、取り扱いブランド数は、アウトレットピー

    クサイトも含め約 780。

    会社の概要

    > 事業内容

    有名ファッションブランドのイ

    ンターネット通販事業者。総

    合ファッションのNo.1 Eコマ

    ースを目指す

    出版社

    商品仕入

    商品販売

    その他事業

    (広告事業等)

    システム業務委託

    保守・管理委託

    広告受託

    当社 マガシーク㈱

    伊藤忠

    エレクトロニクス㈱

    広告主

    ユーザー

    (一般消費者)

    雑誌コンテンツ

    入手

    雑誌掲載

    広告出稿

    アパレルメーカー

    雑誌購読

    広告出稿

    撮影用商品貸出(貸出し伝票)

    撮影用商品返却(貸出し伝票)

    貸出し伝票

    入手

    マガシーク事業

    アウトレットピーク事業

    <当社の事業モデル>

    (出所)決算短信より担当アナリスト作成

    <「マガシーク」サイト>

    出所)当社 HP より

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    本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    レディス向けは、小学館の「CanCam」、「Oggi」、講談社「with」、主婦

    の友社「Ray」等の 15 雑誌(2011 年 9 月末)と、男性向けはKKベス

    トセラーズ社「Men’s JOKER」1 雑誌と提携している。人気ファッシ

    ョン雑誌の掲載商品をタイムリーに提供し、消費者の購入機会及びメ

    ーカーの販売機会をマッチングするビジネスモデルである。

    当社は出版社・アパレルメーカー・消費者、各々との WIN-WIN モデル

    を確立している。出版社にとっては雑誌に手を加えることなくロイヤ

    リティを得ることができる。また、アパレルメーカーにとってはイン

    ターネットという販路が得られる。ブランド認知力や価値向上のメリ

    ットもある。一般消費者にとっては、時間的・物理的制約を受けるこ

    となく安心して「人気雑誌に載っていた」好きなブランド商品をタイ

    ムリーに購入できるメリットがある。このように各々のニーズを取り

    込み、利便性と付加価値を提供していることが同社事業の強い基盤と

    なっている。

    マガシーク事業の売上は、女性向けが約 95%を占める。特に 20 代から

    30 歳代前半の女性、いわゆるF1 層向けがその約 70%となっている。

    メンズ向けは、現状では同事業の約 3-5%と売上占率は小さいものの

    着実に増加しており注目される。

    <当社の事業コンセプト(会社公表資料より)>

    <マガシーク事業の強み(会社公表資料より)>

    0.1%

    3.4%

    17.7%

    78.8%

    マガシーク事業(女性)

    マガシーク事業(メンズ)

    アウトレットピーク事業その他

    <当社の売上構成の割合(2011 年 3 月期)>

    (出所)会社公表資料より作成

    人気ファッション雑誌と提携。

    レディスに加えメンズ向けに

    も急拡大中

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    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    また、2011 年 5 月にレディス・メンズサイトを統合し、品揃えの強化、

    サービスレベルの向上、F2 層(35 歳から 49 歳までの女性)やメンズ

    会員数の増加を図ってきている。

    「アウトレットピーク」事業は、人気ブランドの売れ残り商品をディ

    スカウントで販売するサイトである。近年、リアル店舗や他の販売チ

    ャネルでも恒常的に安売りが行われており、結果として単価が下落し、

    商材が大きく増えずアウトレットピーク事業は停滞気味となってい

    る。収益性はそれほど高くはない。

    「その他」事業は広告事業等であり、その売上占率は 1%以下と僅少

    である。収益性も低く、例年、数百万円程度の赤字となっている。ま

    た、フルフィルメント事業として、今後、アパレルメーカーなどの直

    営 EC サイトの物流管理受託業務等を加速化していく方針である。

    当社の取締役は社長の井上直也氏以下 4名(うち社外取締役 1 名)で

    構成され、監査役は常勤監査役 1 名と 2 名の社外監査役から成る。

    井上社長は早稲田大学法学部卒業後、新卒として伊藤忠商事に入社。

    同社繊維部門にて、本事業を社内ベンチャーとして立ち上げ、2003 年

    4 月に当社設立とともに代表取締役社長として出向。2006 年1月に当

    社に転籍。

    一方、取締役フルフィルメント本部長兼カスタマーサポート部長兼E

    Cソリューション部長の生方氏は、ヤナセや船井総合研究所などを経

    て 2004 年 2 月に入社。取締役営業戦略本部長の駒谷氏は伊藤忠商事

    より出向。取締役(非常勤)細見氏は、伊藤忠商事ブランドマーケテ

    ィング第三部長を兼務。常勤監査役は伊藤忠商事出身の中尾氏、また

    非常勤社外監査役として同社繊維事業統括部より井上健一氏、税理士

    の蔵本氏を迎えている。また、補欠監査役として吉田弁護士を選任し

    ている。

    > 経営陣

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    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    2011 年 3 月末株主数 935 名。上位株主 11 名で発行済株式数の 80.32%

    を占める。筆頭株主の伊藤忠商事㈱は 64.37%を保有する。会社設立

    当初は、同社が 100%出資していたものの、出版社が戦略的提携に際

    し、当社上場前に第三者割当増資に応じ出資。2 位株主は、㈱小学館

    が 7.48%、3 位は㈱集英社及び㈱講談社が各 1.89%など提携先の出版

    社。5位株主の八木通商㈱は、取引先ではあるが純投資で、1.42%を保

    有。代表取締役の井上社長だが、6 位株主で 0.68%を所有。また、同

    業者の㈱スタートトゥデイは、7 位株主で純投資として 0.64%を保有

    している。9位・10 位は、純投資目的の個人株主である。金融関係を

    除く法人や証券会社、金融機関等の持株比率はそれぞれ 78.66%、

    1.54%、0.39%で、外国法人等は 0.34%にとどまっている。

    伊藤忠商事 64.37%

    小学館 7.48%

    集英社 1.89%

    講談社 1.89%

    八木通商 1.42%

    金融機関 1.93%

    法人 78.66%

    外国人 0.34%

    個人その他 19.07%

    当社のビジネスモデルは、当時伊藤忠商事に勤務していた井上直也氏

    (現当社社長)が発案し、親会社である伊藤忠商事の繊維カンパニー

    部門の社内ベンチャーとして 2000 年 8 月に事業化したものである。

    レディス向けを中心とした事業が軌道に乗ったため、ビジネスの拡大

    を目的にスピンアウトし、伊藤忠商事の全額出資により 2003 年 4 月

    に設立され、翌 2004 年には、㈱集英社と提携し、「LEE」の別冊付録

    通販ブックに掲載してある商品の販売代行業務を開始。同年 11 月に

    日本オンラインショッピング大賞グランプリ受賞。2005 年に㈱主婦の

    友社と提携し、雑誌掲載コンテンツ使用を開始。2006 年 11 月に東京

    証券取引所マザーズ市場に上場。2007 年 9 月、メンズファッション

    EC サイト「mfm(マガシークフォーメン)」のサービスを開始。2009

    年 7 月、総会員数 100 万人突破。2010 年 2 月販売基幹システムを全面

    リニューアル。2011 年 5 月、「magaseek」「mfm」サイトを統合。2011

    年 9 月末現在、総会員数は、約 145 万人。

    当社は以下の経営理念を掲げている。

    当社は社員全員が創意工夫を行い、お客様に信頼と感動を与え続ける

    「マガシーク体験」を実現することにより、誇りの持てる事業を行う。

    具体的には、多数の人気ブランド商品を E コマースでタイムリーに購

    入できるプラットフォームを構築し商品を提供することで、総合ファ

    ッション Eコマースのリーディングカンパニーとしてナンバーワンを

    目指している。

    > 株主構成

    > 沿革・企業理念

    <大株主上位>

    2011 年 3 月末

    <所有別株式分布>

    2011 年 3 月末

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    ファッション E コマースの経営環境と競合状況を取り上げる。

    当社のファッション E コマース事業が属する B to C 市場は順調に拡

    大を続けている。経済産業省の「平成 22 年我が国情報経済社会にお

    ける基盤整備」によると、2010 年の国内Eコマース市場は、 B to B

    (狭義)が前年比 28.6%増の 168.5 兆円で、Eコマース化率 15.6%。

    これに対して B to C 市場は同 16.3%増の 7.8 兆円規模で、E コマー

    ス化率 2.4%となった。B to C は、 B to B に比べてまだ市場規模は

    小さく、また Eコマース化率の低さからみて今後の成長余地は大き

    いと考えられる。

    さらに、同資料によると、衣料・アクセサリー小売業の 2010 年のE

    C市場規模は、前年比 30.2%増の 1120 億円、Eコマース化率は 0.88%

    とさらに低く、相対的にも大きな成長余地があると考えられる。

    0

    2

    4

    6

    8

    08 09 10

    0

    1

    2

    3

    4

    EC市場規模(左目盛)

    EC化率(右目盛)億円

    > 業界環境・競合他社

    事業環境

    (出所)経済産業省 「平成 22 年我が国情報経済社会における基盤整備」より作成

    ファッションEコマース事業

    は、中期的に年率 20%の

    成長が見込める有望市場。

    当社は、市場拡大の恩恵を

    享受

    0

    300

    600

    900

    1,200

    08 09 10

    0

    0.25

    0.5

    0.75

    1

    衣料・アクセサリー小売業EC市場規模(左目盛)EC化率(右目盛)

    億円

    <B to C における EC 市場規模の推移>

    レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    よる直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    同資料のインターネットショッピングでの主要購入商品の推移を見

    ると、ほとんどの商品で購入率が伸びているが、特に衣料品・アクセ

    サリーの伸びが顕著で、潜在的な成長性の高さが伺える。

    当社が作成した中期経営計画では、マガシーク事業が属するファッシ

    ョン専業の Eコマースの市場規模は、2010 年の 990 億円から、5 年後

    の 2015 年には、2470 億円まで年率 20%で成長すると予想されている。

    <市場規模の見通し(当社中期経営計画より)>

    インターネットショッピングでの主要購入商品推移>

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    ファッション小売事業は市場参入が比較的容易であるため、競合他社

    の継続的な市場参入が予想される。E コマース事業者だけではなく、

    カタログ販売、TVを通じた通信販売、リアル店舗の多数の小売事業

    者との競合がある。当社の場合は、ファッション雑誌連動型事業のビ

    ジネスであり、その優位性において競合先が限定される。

    上場会社を含めた同種のファッションEコマース事業の大手競合先

    では、ZOZOTOWN を運営するスタートトゥデイ(東証マザーズ 3092)、

    スタイライフ(JQ3037、サマンサタバサが買収)、ファッションウオ

    ーカー(未上場、ワールドが買収)、丸井グループ(東証 8252)、等が

    あげられる。

    ファッション業界のサイクル・商慣行から、主力のマガシーク事業は、

    春夏物商品と秋冬物商品の年 2回、つまり半年サイクルのビジネスサ

    イクルとなっている。また、アウトレットピーク事業は、メーカーの

    過剰在庫の処分となっているため、商材の有無はメーカーの在庫水準

    と在庫処分により、ビジネスサイクルは不透明である。

    主力のマガシーク事業及びアウトレットピーク事業における当社の

    KPI は、①総会員数、②アクティブ会員比率(総会員のうち年1回以

    上買い物をする会員の占率)、③アクティブ会員の年間平均購入回数、

    ④同会員の一回あたり平均購入金額、の 4つのパラメーターに分解で

    きる。つまり、アクティブ会員数(=①×②)×1 人あたりの年間購

    入金額(=③×④)で、両事業の売上をほぼ説明できる。総会員数は

    順調に増加し、またアクティブ会員比率も 22%前後を維持している。

    この両指標の積であるアクティブ会員数が、今後の売上成長性の鍵と

    なる重要指標である。尚、アクティブ会員の年間平均購入回数は、約

    2.5 回/年で漸増傾向にあり、平均購入金額は、F2層への拡販・ブラ

    ンドの見直しにより下げ止まりつつある。今後の各指標の動向に注目

    したい。

    05,000

    10,00015,00020,000

    06.3末 07.3末 08.3末 09.3末 10.3末 11.3末 11.9末

    2.202.302.402.502.60

    平均購入単価(左目盛) 平均購入回数(右目盛)円/回 回/年

    (出所)当社公表資料より作成

    > ビジネスサイクル

    <アクティブ会員の平均購入単価及び平均購入回数の推移>

    > KPI(業績指標)

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    本レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    0

    1020

    3040

    50

    06.3末 07.3末 08.3末 09.3末 10.3末 11.3末 11.9末 12.3末

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    アクティブ会員数(左目盛)

    アクティブ会員一人当たり年間平均購入金額(右目盛)

    万人 円/年

    <アクティブ会員数と一人当たり年間平均購入金額の推移>

    (出所)当社公表資料より作成

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    よる直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    創業当時から 2~3 年間はファッションEコマースのビジネスモデル

    を確立すべく、雑誌連動型による集客を図ってきた。ただし、現状で

    は、人気のあるファッション雑誌とはほぼ提携済みであり、マガシー

    ク事業の雑誌連動の売上依存度は 30%程度と大きくはない。雑誌連動

    中心のビジネスモデルから、成長を加速化させるためにはアクティブ

    会員数の増加が不可欠であり、現在の最大の課題となっている。

    マガシーク事業は、「自分のためのセレクトショップ」と言う新コン

    セプトのもとにサイトをリニューアルし、今後、積極的な広告宣伝活

    動(特にTVコマーシャル)、イベント・各種のコラボレーション・

    CRM強化よりアクティブ会員数を大幅に増やす計画である。

    会社側は、中長期の課題として、①アクティブ会員の継続的な増加、

    ②システムと物流の進化、③商品戦略を挙げている。

    ①. 会社側は、マガシークの認知度の向上が、アクティブ会員数の中

    期的な増加につながり、業績飛躍の鍵であると考えている。当社

    の調査によれば、マガシークの認知度は現状 14%と低く(参考:

    ZOZO は 52%、ニッセンは 93%)、2015 年 3 月期までに 60%まで

    あげたい意向である。毎年の広告宣伝費を売上高の 5%まで支出

    しマガシークの認知度向上を図るとともに、品揃えの強化、顧客

    層の拡大、サービス及び顧客満足度を上げ業容の拡大を狙う。こ

    のような施策により、アクティブ会員数を 2011 年 9 月時点の 31

    万人から2015年3月期には100万人まで引き上げる計画である。

    ②. 総合ファッションEコマース No.1 になるために、システムと物

    流の進化・改善が不可欠と考え、2012 年 5 月に 3億円程度のシス

    テムの大規模なリニューアル投資を予定している。これにより、

    顧客に利便性が高い(顧客自身の好みに応じて画面がカスタマイ

    ズされる)システムを提供するとともに、主要メーカーとのデー

    タ連携(EDI)を推進し、物流業務の効率化と販売スピードアッ

    プに取り組む。

    ③. 商品戦略については、伸長率の高いメンズの拡充、F1 層(20 代

    から 30 代前半の女性層)に加え、F2層(30 代後半から 40 代の

    女性)のブランド強化(新カテゴリー「CLASS」を 9 月にオープ

    ン)により顧客の平均購入単価の引き上げを図る。加えてEDI

    により欠品の少ない販売体制を構築する。

    > 現状の課題と戦略

    経営戦略

    認知度を上げアクティブ会員

    数を増加させることが最大

    の課題

    > 中長期の課題と戦略

    アクティブ会員数の継続的な

    増加に加え、システム・物流

    の進化、商品の充実がキー

    <中長期の課題>

    出所)当社公表資料より

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    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    様々なファッションブランド商品を単に陳列表示するEコマースサ

    イトではなく、人気ファッション雑誌に「掲載されているブランド商

    品」を、手軽に安心して購入できる仕組みを構築したことが当社事業

    の要である。

    従来の F1層からメンズ、F2 層や 10 代への顧客対象を拡大する売上

    成長策と、ブランドの絞り込みや各種合理化を進める収益改善策を実

    施し成果が徐々に出始め、戦略の方向性は正しいと思われる。

    また、中長期的成長の観点から、単純なコスト削減による目先の利益

    よりも売上の拡大を最優先事項とし、積極的な広告宣伝活動による会

    員数の獲得、システムの刷新、商品戦略のための先行投資を継続して

    いる点は評価できる。

    長期的な課題としては、市場のポテンシャルが大きい中国をはじめと

    する海外へのファッションEコマース事業及び、当社のシステム・物

    流のノウハウを生かせるフルフィルメント事業をいかにリスクコン

    トロールしながら、収益に結びつけるかと言う点があげられる。

    具体的な事業計画の発表が待たれるが、いずれにしても先行投資負担

    が発生し、両事業とも収益化は当面先となる可能性が高いと思われる。

    > アナリストの戦略評価

    中期的な成長を意識したマ

    ガシーク事業の積極的な事

    業戦略は評価。新規事業の

    収益化は当面先

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

    性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    よる直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

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    ◆ SWOT 分析

    強み

    (Strength)

    ・有名雑誌に掲載される人気ブランド商品の情報を事前

    に入手可能な数少ない事業者であること。また、これ

    を生かし事前に仕入れタイムリーな販売体制が構築

    できること

    ・当事業の先行者であり、既に 145 万の会員数を持つこ

    ・仕入れ先は大手アパレルメーカー、また提携先は大手

    出版社と事業の継続性が高いこと

    ・商品買い取りを行っておらず、在庫負担がないこと

    ・システムを自社開発し、安価かつ機動的にバージョン

    アップできること

    ・親会社である伊藤忠商事の持つグループの信用力と展

    開力

    弱み

    (Weakness)

    ・マガシーク及びアウトレットピークの認知率・知名度

    が高くはないこと

    ・物流拠点である営業倉庫及びデータセンターが一ヶ所

    であること

    ビジネス機会

    (Opportunity)

    ・国内のファッション E コマース市場が成長期を迎える

    こと

    ・有力なブランドの誘致

    ・システム・物流ノウハウを生かしたフルフィルメント

    事業

    ・中国でのEコマース等海外進出

    脅威

    (Threat)

    ・世界的な景気低迷による消費不況の長期化

    ・雑誌販売前にファッション情報を出版社が他社に開放

    すること

    ・事業戦略・運営は社長の手腕に負うところが大きく、

    社長の存在が経営拡大の重要な要件であること

    ・地震等の天災によるシステムトラブル等

    ◆ 競合内競争

    ファッションEコマース全般において、ファッション衣料、雑貨等一

    般商品での競合は激しい。業界環境・競合他社で述べたように、上場

    会社を含めた同種のブランド・ファッションEコマース事業の大手競

    合先は限られる。当社は業界の先行者メリットに加え、出版社との提

    携があることで他社に先行して品揃えができ、市場参入障壁を高くし、

    差別化を図ろうとしている。ただし、取り扱うブランドの多くは、会

    社間で激しい販売競争が存在する。

    > 基礎的分析

    会社の分析・評価

    > Porter’s 5 forces

    有名雑誌との提携と親会社

    である伊藤忠商事のバック

    アップによる展開力が強み

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    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    ◆ 新規参入の脅威

    一般的なファッション関連の Eコマースや通販事業自体の参入障壁は

    低いが、人気ファッション誌と契約し、発売前にほぼ独占的に情報を

    入手できる独自のビジネスモデルを構築している。同一モデルでの新

    規参入は、メーカー、出版社との提携、システム等の面で、実質的に

    は容易ではないと考えられる。現実的には、楽天やアマゾン等インタ

    ーネットモール大手が、当社の同業他社に対する買収等を通じて本格

    参入してくれば、会員数、知名度、資金力の面から脅威となろう。

    ◆ 代替品・代替サービスの脅威

    TV 通販、カタログ通販、インターネット通販等既存の通販事業とは異

    なるメディアツールの開発(たとえばインターネット TV、タブレット

    端末の進化)等により、経由するハードは変化が予想されるが、人気

    ファッション雑誌との提携が継続する限り、当社にとっての代替手

    段・サービスは想定しづらい。

    ◆ 買い手の競争力

    マガシーク事業において、取扱商品は発売から一定期間は、リアル店

    舗、他のインターネットショップと同じ定価販売である上、当社の顧

    客は個人であることから、顧客からの直接的な値下げ圧力は少ない。

    ただし、景気低迷の長期化で顧客の低価格志向がさらに高まれば、市

    場に連動する形で実質的には値下げ圧力が発生する可能性はある。

    ◆ 供給者の支配力

    当社のマガシーク事業は、①取引が複数のアパレルメーカーと分散さ

    れている、②当社は、取引アパレルメーカーの物流システム等を受託

    開発・管理する分野にも進出し(フルフィルメント事業)、緊密化を

    図りつつある。上記 2つより、供給者の直接的な支配力を大きくは受

    けにくい。また、提携出版社が当社の競合他社へ同種の雑誌連動型の

    ファッション情報を開放する等のリスクは低いと思われる。

    ◆ 環境対応(Environment)

    当社は、特に環境方針を制定しはいないが、環境に配慮した簡易包装

    等を実施している。

    ◆ 社会的責任(Society)

    当社の公表資料から見る限り、CSR を意識した経営方針に関する明確

    な記述はないが、雑誌等と協同でチャリティ活動を積極的に行ってい

    る。例えば、東日本大震災の復興支援チャリティイベントのほか、売

    上の一部を「国境なき医師団」へ寄付する「LOVE フォト」への協賛を

    行っている。また、「Very」とのチャリティ通販コラボにより売上の

    10%を「ホワイトリボン運動」に寄付を行った。

    > ESG活動・分析

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

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    当性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    による直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

    の責任は閲覧した投資家にあります。また、本件に関する知的所有権は一般社団法人 証券リサーチセンターに帰属し、許可なく複製、転写、引用等を行うことを禁じます。

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    ◆ 企業統治(Governance)

    当社の筆頭株主は親会社である伊藤忠商事で、過半数の株式を保有し

    ている。加えて、当社の取締役として1名、従業員1名が同社から出

    向しており、また社外取締役として1名、社外監査役名として1名が

    親会社の従業員と兼務している。当ビジネスモデルの発案者で現社長

    の持分は、経営のトップながら 0.68%に過ぎない。複数の大株主が存

    在し、株主を意識した経営が求められていると考えられる。当社は、

    株主総会、取締役会・監査役会(毎月1回)を会社の機関として設置

    している。取締役会は取締役 4 名(うち社外取締役 1 名)、監査役会

    は監査役 3 名(うち社外監査役 3 名)で構成されている。

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

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    2010 年 3 月期は、単価の下落、不採算ブランドの増加、システム投資

    負担から上場来初の大幅減益となった。しかし、その後の合理化対策

    と増収により、2011 年 3 月期から再度増益基調に転じている。

    2011 年 10 月 25 日に会社は、中間決算の業績修正発表とともに、期初

    の通期見込みに対しても修正発表を行った。震災に伴う自粛ムードで

    上期に販売が想定ほど伸びず、売上を下方修正した。一方、システム・

    物流の内製化はじめコスト削減効果で収益率が改善し、利益の上方修

    正を発表した。顧客の平均購入単価が下げ止まり、採算ブランドをラ

    インナップしたこと、サービスレベルの向上策等でアクティブ会員数

    が増加し、業績修正後でも増収増益の見込みで収益の V 字回復が鮮明

    になりつつある。期初会社予想⇒修正会社予想、単位:百万円で、売

    上高 11,000⇒10,500(前期比 23.7%増⇒18.1%増)、営業利益 301⇒

    343(前期比 66.4%増⇒89.6%増)、経常利益 301⇒345(前期比 71.9%

    増⇒97.0%増)、純利益 175⇒200(前期比 75.5%増⇒100.6%増)。

    担当アナリストは、短期的には消費低迷の影響が残り、下期の会社前

    提(アクティブ会員数)が若干強気であることから修正された会社予

    想売上をわずかに減額する一方、第 2 四半期会計期間以降も利益率が

    改善傾向であることから、通期の会社利益計画に対しほぼ変わらない

    と予想した。

    当社は、2011 年 11 月 9 日に中間決算説明会を行うとともに、具体的

    な中期経営計画を公表した。従来は、中期的に売上 300 億円、経常利

    益率 10%を目指すとする数値目標を掲げていた。今回は 2015 年 3 月

    期に、総取扱高 500 億円(今期見込み売上の約 5 倍)の目標を設定し

    ている。セグメント別では、マガシーク事業売上 300 億円、同事業経

    常利益率 10%、フルフィルメント事業取扱高 100 億円、中国事業取扱

    高 100 億円(新規事業現)を目指している。

    特に、ドライバーとなるマガシーク事業に関しては、アクティブ会員

    100 万人(ちなみに今期末は 40 万人目標)*平均購入単価 12,500 円

    (現状並み)*年間購入回数 2.5 回(同)=売上約 300 億円を目標と

    している。現状の業況から判断すると、各事業ともかなりチャレンジ

    ングな目標数値であり、その実現性の評価には具体的な戦略と実績の

    開示が待たれる。

    業績動向と今後の見通し

    業績修正を発表。今期も増

    収増益基調。消費低迷で売

    上成長は鈍化するが、利益

    率は回復しつつあり上方修

    > 今期業績

    > 来期以降の業績

    積極的な広告宣伝活動でア

    クティブ会員を大幅に増や

    し、マガシーク事業を成長の

    ドライバーに。増益トレンド

    が鮮明に。多角化事業もそ

    の進展を注視

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    担当アナリストは、マガシーク事業は、2013 年 3 月期に 20%近い増収

    を予想、その後も、年率 20%程度の増収を想定。積極的な広告宣伝効

    果でアクティブ会員数が増加し、増収効果で同事業の利益は年率 30%

    前後で伸長しよう。ただし、会社が中期目標として掲げている同事業

    の売上高経常利益率を現状の約 2~3%程度から 10%まで向上させる計

    画は、現状では努力目標的な色彩が強いと思われる。本格的な収益率

    向上を見込むには、アクティブ会員数の大幅な増加を確認する必要が

    ある。

    また、現状では、メンズ及びF2 層向けの売上規模は小さいものの、

    今後の成長ドライバーとなると考えられる。今後、物流・支払手数料・

    一般経費のコストカットをするものの、認知度向上のための広告宣伝

    費やシステムコストの先行投資負担が発生することから、売上経常利

    益率の大幅改善は当面は見込めず、漸増程度と想定した。

    景気低迷による消費マインドの低下からアウトレットピーク事業が

    停滞しているものの、景気の回復サイクルとともに徐々に上向いて行

    くであろう。

    尚、フルフィルメント事業及び中国事業は、その詳細及びスキームが

    公表されておらず、現状では収益貢献度を予想することが難しい。今

    回はアナリストの業績には折り込んでいないが、今後、適宜状況をア

    ップデートし、見直して行く方針である。

    <経営目標数値(当社中期経営計画より)>

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    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

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    性・適合性について、いかなる表明・保証をするものではなく、一切の責任又は義務を負わないものとします。

    般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポートの配信に関して閲覧し投資家が本レポートを利用したこと又は本レポートに依拠したこと

    よる直接・間接の損失や逸失利益及び損害を含むいかなる結果についても責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切

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    2006 年 11 月 28 日、当社は公募価格 650,000 円に対して、公開翌日に

    最高値、876,000 円を付け、期待先行の上場となった。その後は大き

    く調整し、昨年 11 月に上場来安値 53,500 円をつけた。東日本大震災

    後、今年 6 月中旬に株価は急回復し 189,000 円まで戻るが。その後、

    欧州債務危機に端を発する世界的な株価の下落を受け、株価は

    100,000 円を挟んだ揉み合いとなっていた。2011 年 10 月 25 日に会社

    からの利益の増額修正を受け、120,000 円近辺まで上昇し、110,000

    円前後でもみあっている。上場来パフォーマンスは年率-29%となっ

    ている。

    上場以来、配当性向 30%の方針に基づき、毎年配当を継続している。

    2012 年 3 月期は当期利益の増額修正に伴い配当性向 30%を維持する

    ため、年間配当金額予想を期初予想の一株 2,478 円から 2,633 円とし

    た。予想配当利回りは 2.5%である。また、株主優待制度はなく、今

    後、個人投資家も含めた投資家層の拡大には、積極的な株主還元が必

    要となろう。自社株買い、株式分割、エクイティファイナンスは過去

    に実施されたことはない。

    今期の東証一部平均予想 PER が、約 15 倍、PBR(実績)0.9 倍であり、

    当社のバリュエーションは、予想 PER が 12.9 倍、PBR(実績)0.8 倍

    と株価に割安感がある。加えて、同業の上場会社であるスタートトゥ

    デイと比較すると PER では割安感がある。

    担当アナリストの2015 年3 月期業績予想によれば、EPS は20,529 円

    が見込まれており、現時点の株価で計算すると予想 PER は 5 倍強と

    なる。当面の年率 EPS 成長を 30%程度、妥当 PER を 8~10 倍と考え

    ると、今後 2~3 年での目標株価は、160,000 円~200,000 円と考え

    られる。

    会社側は、アグレッシブな中期的な成長戦略を公表しており、各事業

    の提携や実際の進展度合い、収益動向を確認しながら株価が折り込ん

    でいく展開を予想する。

    マガシーク スタイライフ スタートトゥデイ

    株価(円) 106,500 51,000 1,687

    PER(予想、倍) 12.9 NA 38.6

    PBR(実績、倍) 0.8 0.5 18.7

    配当利回り(予想、%) 2.3 NA 0.72

    時価総額(百万円) 2,274 1,071 185,339

    > 上場来パフォーマンス

    > 株主還元

    配当性向 30%を維持

    投資判断

    > 株価バリューエション比較

    (注)株価は、2011 年 12 月 22 日終値、但しスタイライフは 12 月 20 日予想 PER について、マガシークはアナリスト予想値、スタイライフ・スタートトゥデイは会社

    計画を基に算出

    <競合企業とのバリュエーション比較>

    > 今期の株価見通し

  • ホリスティック企業レポート(一般社団法人 証券リサーチセンター 発行)

    マガシーク (3060 東証マザーズ) 発行日 2011/12/30

    中立・公平な情報を発信

    本レポートは、一般社団法人 証券リサーチセンターに所属している中立的な立場にあるアナリスト経験

    者が企業調査及び株価評価を行い、その調査レポートを早稲田大学知的資本研究会が監修することで、

    国内資本市場の活性化に向けた質の高い客観的な投資情報を提供します。

    隠れた強みを持ちながらも、市場から着目されていない企業を選定しカバー

    新興市場を中心に、企業の知的資本(隠れた強み)を評価する手法などを活用することで、株価が適正

    に評価されていない上場企業を発掘し、アナリストレポートを作成・公表することで、企業評価の改善

    を目的としています。

    企業の KPI と知的資本(=隠れた強み)を読み手に伝える分析

    本レポートの企業の分析・評価にあたっては、SWOT 分析や M. Porter の競争優位性分析など伝統的な

    手法を用いて企業の特徴を明らかにし、さらに、今後の成長を測る上で重要な業績指標(KPI)を掲載

    することで、幅広い投資判断情報を提供いたします。また、株式会社 ICMG が企業の知的資本を伝える

    ために体系化したフォーマットを採用し、これに基づいて、企業の隠れた強みを探る視点からも評価を

    試みております。

    本レポートの特徴

    レポートに掲載された内容は作成日における情報に基づくものであり、予告なしに変更される場合があります。本レポートに掲載された情報の正確性・信頼性・完全性・妥

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    KPI(Key Performance Indicator)

    企業の戦略目標の達成度を計るための評

    価指標(ものさし)のことです

    知的資本

    顧客関係や業務の仕組みや人材力などの、

    財務諸表には表れないが、財務業績を生

    み出す源泉となる「隠れた経営資源」を

    指します。本レポートにおけるカバー対

    象企業の選定では、(株)ICMG の知的資

    本評価手法を活用しております。

    関係資本

    顧客や取引先との関係、ブランド力など

    外部との関係性を示します

    組織資本

    組織に内在する知財やノウハウ、業務プ

    ロセス、組織・風土などを示します

    人的資本

    経営陣と従業員の人材力を示します

    β(ベータ)値

    個別銘柄の株価変動の大きさが市場指数

    (例えばTOPIX)の価格変動に比べ大

    きいか小さいかを示す指標です。ベータ

    値(β値)が 1 であれば、市場指数と同

    じ動きをしたことを示し、1 より大きけ

    れば市場指数より値動きが大きく、1よ

    り小さければ市場指数より値動きが小さ

    かったことを示します

    SWOT 分析

    企業の強み(Strength)、弱み(Weakness)、

    機会(Opportunity)、脅威(Threat)の

    全体的な評価を SWOT 分析と言います

    ESG

    Environment:環境、Society:社会、

    Governance:企業統治、に関する情報を

    指します。近年、環境問題への関心や企

    業の社会的責任の重要性の高まりを受け

    て、海外の年金基金を中心に、企業への

    投資判断材料として使われています

    責事項

    本レポートは、一般社団法人 証券リサーチセンターに所属する証券アナリストが早稲田大学知的資本研究会の監修を受け、広く投資家に株式投資の参考情報として閲覧さ

    ることを目的として作成したものであり、特定の証券又は金融商品の売買の推奨、勧誘を目的としたものではありません。

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    式は、株価の変動や発行体の経営・財務状況の変化、金利・為替の変動等の要因により、投資元本を割り込むリスクがあります。過去のパフォーマンスは将来のパフォー

    ンスを示唆し、または保証するものではありません。特に記載のないかぎり、将来のパフォーマンスの予想はアナリストが適切と判断した材料に基づくアナリストの予想

    あり、実際のパフォーマンスとは異なることがあります。したがって、将来のパフォーマンスについては明示又は黙示を問わずこれを保証するものではありません。

    本レポート内で示す見解は予告なしに変更されることがあり、一般社団法人 証券リサーチセンター及び早稲田大学知的資本研究会は、本レポート内に含まれる情報及び見

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    益及び損害を含むいかなる結果についても一切責任を負いません。最終投資判断は投資家個人においてなされなければならず、投資に対する一切の責任は閲覧した投資家

    あります。

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    上場来パフォーマンス

    新規上場時の公募価格をベースに算出し

    た投資パフォーマンス(年率複利換算)

    を示すものです

    PER(Price Earnings Ratio)

    株価を 1 株当たり当期純利益で除したも

    ので、株価が 1 株当たり当期純利益の何

    倍まで買われているのかを示すものです

    PBR(Price Book Value)

    株価を 1 株当たり純資産で除したもので、

    株価が 1 株当たり純資産の何倍まで買わ

    れているのかを示すものです

    配当利回り

    1 株当たりの年間配当金を、株価で除し

    たもので、投資金額に対して、どれだけ

    配当を受け取ることができるかを示すも

    のです

    σ(標準偏差)

    リターンのばらつき度合いを示す統計値

    です。値が大きいほどバラツキが大きく

    なります

    指標・分析用語の説明