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2010 Copyright SPICA Solutions スピカ・ソリューションズ 代表 西 SPICA Solutions プロジェクトマネジャーの本質 2010年6月26日 SCMとIT経営・実践研究会 2010年6月度定例会 <パートⅠ>「PMの本質」とあるべき姿 <パートⅡ>「実戦PM道場」のご提案

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スピカ・ソリューションズ

代表 西 沢 和 民SPICASolutions

プロジェクトマネジャーの本質

2010年6月26日

SCMとIT経営・実践研究会2010年6月度定例会

<パートⅠ>「PMの本質」とあるべき姿<パートⅡ>「実戦PM道場」のご提案

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

1. 「PMの本質」を書いた背景

2. 「PMの本質」とは何か

3. プロジェクトの現場での「PMの本質」活用例

① メンバーの動機づけ

② 問題把握と問題意識

③ PMの悩み

「PMの責任だけが大きくて権限が無い」

<パートⅠ>「PMの本質」とあるべき姿

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

<登場人物>

・大手IT企業で20年間PM経験・定年後はITコンサルタントとして情報システム構築

プロジェクトを支援・PM人材育成研究会メンバー

・ IT企業入社5年生・プロジェクトの業務系開発リーダー担当・PMへのキャリアをめざしてPMP資格取得の勉

強中

・ 同じIT企業入社8年生・プロジェクトでのPMOを経験後、全社PMO組織

で品質管理やPM育成を担当・企業のIT経営にも関心があり、大学院で勉強中

<知子>

<正男>

<師匠>

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<SCM研究会資料 >

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<PM育成を担当している知子さんの悩み>

PM育成についての悩み

・PMに必要なスキルが多くて習得方法がわからない・スキルを現場でどう活用するかがわからない・苦労しているPMを見ると、自分がやれる自信がない

<PMをめざしている正男君の悩み>

・PMに必要なパーソナルスキルを身に付けさせる有効な手段がない

・PMP資格取得者が増えてもプロジェクトの成功率が期待するほど向上しない

・若手社員でPMをめざす人が減っている

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<SCM研究会資料 >

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PMに要求される資質(パーソナルスキル)

<出典:『プロジェクトマネジメントの理論と実践』布川 薫/神野 幸英日経ITプロフェッショナル 2003年11月号 >

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

プロジェクトの成功のためにPMがとるべき行動とスキルの関係がはっきりしていない

<何が問題か?>

・プロジェクトを成功させるために何が必要か?・そのためにPMはどのような行動をとるべきか?・その行動をとるために必要なスキルは何か?

<本質をとらえよう>

プロジェクトを成功させるためにPMが取るべき行動と、行動するために必要なスキル

スキルをもっとシンプルに考えられないか?

<PMの本質>

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<SCM研究会資料 >

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「PMの本質」を明らかにするステップ

<Step1> プロジェクトの成功要因を明らかにする

<Step2> 成功要因を実現するための課題を洗い出す

<Step3> 課題を達成するためにPMがとるべき行動を明らかにする

<Step4> とるべき行動を実行するために必要なスキルを定義する

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

人 原材料機械人 原材料機械

工場での「物作り」との比較

顧客ニーズ

<投入> <産出><加工>

新情報システム

顧客ニーズを満たす情報システムを構築

<QCDを管理>

顧客ニーズを満たす情報システムを構築

<QCDを管理>

<生産の3要素(3M)> <発注側プロジェクトの対象範囲>

<Step1>

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<SCM研究会資料 >

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「物作り」との共通点と相違点

< 「物作り」との共通点>

① 「もの作り」の基本は「顧客の真のニーズを具現化」すること

② 主要管理項目のQCD(品質、コスト、納期)を達成すること

< 「物作り」との相違点>

① 新システムは発注側プロジェクトの一部(道具)である(発注企業がそのことを認識しないケースが多い)

② 投入出来る資源は、顧客メンバーも含む「人」のみである

<Step1>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

プロジェクトの成功要因<結論>

① 発注企業が真の要求を明確に定義し、構築チームに正確に伝える

② 構築企業がプロジェクトの主要管理項目であるQCDを達成する

③ 新しいシステムを道具として発注企業が使いこなす

④ プロジェクトの目的を達成するために、プロジェクトに関わるすべての人がそれぞれの役割を果たす

<PMが目指すプロジェクトのあるべき姿>

<Step1>

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<SCM研究会資料 >

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プロジェクトの人のつながり-プロジェクトの森

戦略に沿った要求仕様提示

<構築企業><発注企業>

企業戦略

IT戦略

企画担当

プロジェクトメンバー

業務部門長

ユーザー

営業責任者 実施責任者

プロジェクト支援部門

RFP

提案書

売上目標 利益目標

ニーズの取込

構築メンバー

外注先外注先外注先

(パートナー)

営業戦略

協同作業

情報部門長

IT戦略

企業戦略

戦略の「見える化」

経営者経営者

構築方針

作業範囲と役割合意

提案合意

必要資源最適配置

協同作業

請負範囲定義&見積

品質レビューと有効な支援

PM

PM

取引先(顧客)

営業担当

<プロジェクトチーム>

外注先選定

作業範囲と役割合意

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<SCM研究会資料 >

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プロジェクトの森の環境破壊-複合汚染

取引先(顧客)

<構築企業><発注企業>

企業戦略不明

IT戦略無し

PM

プロジェクトメンバー

業務部門責任者

ユーザープロジェクト支援部門

<プロジェクトチーム崩壊>

不明確なRFP

非現実な提案

(コスト割れ)

重要度無視の要求仕様

丸投げ

売上至上 利益至上

顧客無視

外注先外注先外注先

(パートナー)

外注先外注先外注先

(パートナー)

売上至上主義戦略が見えない

構築方針不明確

コスト削減圧力

形式的合意

最小資源配置

丸投げの多重層化

やる気低下

提案不参加

形式的レビュー有効な支援無し

成果主義

戦略が見えず部分最適追求

構築メンバー

空洞化(要員とスキル不足)

コスト削減圧力企画担当

CIO

経営者

営業担当

営業責任者 実施責任者

経営者

PM

範囲不明確

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<SCM研究会資料 >

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プロジェクトチームの課題<Step2>

プロジェクトの主要管理項目であるQCDを達成する

プロジェクトの目的を達成するために、プロジェクトに関わるすべての人がそれぞれの役割を果たす

<Step1の結論より>

①システムを構築する力

②プロジェクトを管理する力

「独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施される有期的な業務」(一時的な組織)

<プロジェクトの定義(PMBOK)>

③プロジェクトを組織として運営する力

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<SCM研究会資料 >

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プロジェクトチームに必要な3つの力<結論>

①システム構築力

②プロジェクト管理力

③プロジェクトを組織として運営する力

(複数の人々が集まって、定められた期間内で目的を達成するために、効果的に協働作業をする力)

PMは組織を動かすマネジャーとしての力が必要

<Step2>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

PMのとるべき基本行動<結論>

<すぐれたマネジャーの基本行動>

① 人を選ぶ

② 要求を設定する

③ 動機付けする

④ 人を育てる

<PMのとるべき基本行動>

① プロジェクトでの役割に応じたメンバーを選ぶ

② メンバーに割り当てた仕事に対する要求を設定する

③ メンバーが仕事を前向きに取り組むために動機付けする

④ メンバーをプロジェクトの現場で育てる

<Step3>

(参考文献:マーカス・バッキンガム『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』)

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<息抜きコーナー>才能(強み)とは何か?

生産性の向上に役立つ考え方や行動の習慣的パターン

技能 = 仕事のハウツー(仕事をいかにこなすか)訓練により強化できる

知識 = ①「事実についての知識」(業務上の実用的知識)学習により習得

②「経験的知識」結果の「振り返り」(チームで意味づけ)をすることで身に付く

才能 = その人の思考、感情、行動の習慣的パターン(生まれてから形成された脳の中のシナプス回路)

人の役割と才能が一致 -> 優れたパフォーマンス

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

基本行動のために必要なスキル

<①「人を選ぶ」ために必要なスキル>

・役割に応じた才能(強み)を持ったメンバーを選ぶ・メンバー一人ひとりの才能を把握する

適切な質問をして傾聴するスキル

<②「要求を設定」するために必要なスキル>

・何時までにどのような成果物を出すかをはっきり定義・要求する仕事の全体での位置づけと関連性、重要性を明ら

かにする

メンバーとプロジェクトの目的とメンバーの役割を共有し共感するスキル

<Step4>

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<SCM研究会資料 >

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<息抜きコーナー>共有と共感の違い?

共有 = 同じビジョンや思いを共に持つこと

共感 = 心から信頼しそのまま受け入れること

目的の共有 =「なるほど、そういう理由でこの目的が設定さ

れたのか」と頭(理屈)で理解

目的を共感 =「この目的を達成しないと我社の将来はない。

是非とも力を合わせて達成しなければならない」と心か

ら受け入れること

共有(頭で納得する)AND 共感(心から受け入れる)

行動

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

相手を知りたいという強い思いを持つ

① 意見を押しつけない

② 傾聴して質問する

③ 共感できる場を設定する

関係性の改善(思いを共にできる)

質問されることで思考の枠組みが変化(気づき)

問題が共有できお互いの問題となる(共感する)

思いが共有できない

相手の話を聞かない

納得感得られず行動が起せない

<息抜きコーナー> どうすれば共感できるか?

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

<③「動機づける」ために必要なスキル>

・メンバーの才能(強み)を引き出す役割を与える・メンバーが認めて欲しい観客を知る・メンバーの成果や才能を、その観客と一緒に共有し共感で

きる場を設定する

質問し、傾聴するスキルと共感するスキル

<④「人を育てる」ために必要なスキル>

・メンバーの才能を生かして成長できる機会を与える・メンバーの経験をチームで共有し、経験から得られたこと

を共感できる場を設定する

質問し、傾聴するスキルと共感するスキル

基本行動のために必要なスキル<Step4>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

必要な基本スキル(結論)

本当にたった3つのスキルで良いのですか。PMにとって重要なリーダーシップやネゴシエーションスキルはどうなるのですか?

<3つの基本スキル>① 質問をするスキル

② 傾聴するスキル

③ 共感するスキル

PMに必要とされるすべてのパーソナルスキルは、基本スキルをうまく組み合わせて、基本行動を適切に行えば達成できる

<Step4>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

PMの本質(まとめ)

2)「PMの本質」とは、あるべき姿を達成するために、PMが取るべき基本行動と、必要な基本スキルである

1)PMが目指すべきあるべき姿:「プロジェクトに関わるすべての人が、プロジェクトの目的を達成するために、それぞれの役割を果たす 」

3)4つの基本行動:① 人を選ぶ -役割にふさわしい才能で人を選ぶ

② 要求を設定 -メンバーとプロジェクトの目的を共感する

③ 動機づける -メンバーの強みを引き出し、成果を認める

④ 人を育てる -成長の機会を与え経験を振り返る

4)3つの基本スキル:① 質問をするスキル② 傾聴するスキル メンバーの才能や隠された思いを引き出す

③ 共感するスキル -何事かをメンバーと共感できる場を作れる

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

プロジェクトの流れ(局面)

立ち上げ・計画

立ち上げ・計画

企画

実行・コントロール

実行・コントロール

終結終結

運用

<「プロジェクトマネジャー・リファレンスブック」の対象範囲(2章~4章)>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

① プロジェクトのパフォーマンスを向上する

② プロジェクトを監視しコントロールする

・メンバーの強みに応じた役割を与える

・メンバーを動機づける

・標準化する

・効率的に会議を行う

・管理できる計画(ベースライン)を作る

・ベースラインとの差異を把握する(問題を見つける)

・問題とリスクの発生に迅速に対応する

実行・コントロール局面でやるべきこと

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

動機づけの仕組み

やる気=物事をやりとげようとする積極的な気持ちモチベーション=①動機づけ、②物事を行うための、動機や

意欲となるもの動機づけ=生活体(人や動植物)を行動へ駆り立て、目標へ

向かわせるような内的過程。行動の原因となる生活体内部の動因と、その目標となる外部の誘因がもととなる(三省堂大辞林)

動因動因 モチベーション(やる気)

モチベーション(やる気) 行動行動

<人の内的過程>

目 標

誘因誘因

動因動因 モチベーション(やる気)

モチベーション(やる気) 行動行動

<人の内的過程>

目 標

誘因誘因

<活用例①>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

②プ ロジェクトの目的を明確化

②プロジェクト目的を共有共感する

③ 行動結果(成果)を認める

①才能を生かす役を与えて④育てる

プロジェクトメンバーの動機付け

②役割の重要性を理解させる

<活用例①>

<マズローの欲求5段階説>自己実現の欲求承認の欲求社会的欲求

<人の内部過程>

プロジェクトの目的

<動因><動因> 能力(才能・強み)

を発揮して成長したい 集団から価値ある存在

と認められたい 集団に属したい

誘因誘因

行動行動モチベーション(やる気)

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

目標と現状のギャップで

解決すべき事柄

あるべき姿(目標)

現状

ギャップ

① 明確で測定可能な目標(あるべき姿)の設定

② 現状を正確に把握する

③ メンバーが問題意識を持つ

<問題把握の前提>

問題を見つけるためには

<問題>

<活用例②>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

問題意識を持つためには

メンバー一人ひとりに目標達成の強い欲求を持たせる

・目標を明確に設定してメンバーと共有・共感する

・目標達成とメンバー一人ひとりの役割のつながりを

理解させる(要求の設定)

・目標達成へメンバーのやる気を高める(動機づけ)

<活用例②>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

PMの悩み

「PMの責任だけが大きくて権限がない」

・担当したプロジェクトのコストや要員はあらかじめ決められている

・必要なコストや要員を手当てする権限がない・プロジェクトが失敗したときにはPMの責任にされる

<構築企業の課題>・プロジェクトに共通するPMと実施責任者(プロジェ

クトスポンサー)の責任と権限を明確にしてルール化する

・失敗の責任をPMに押しつける企業風土を改める

<PMの愚痴>

<活用例③>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

悩めるPMへのアドバイス

PMは「権限が無いから何もできない」と愚痴を言う前に、権限のある人を動かすこと

・プロジェクトの実施責任者は社内のプロジェクトスポ

ンサーであることを認識する

・プロジェクトスポンサーが責任を取れる場を設定し、

定期的にプロジェクト状況を把握できるようにする

(共感のスキル)

・人のつながりを見て、必要な権限を持っている人を見

つける

・権限を持つ人を動かすために、PMの基本行動と基本

スキルを活用する

<活用例③>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

最後に

<PMの皆さんへ>・「PMの本質」には基本行動とスキルを

どのように活用するかは書かれていません

・プロジェクトの現場で、どのように基本行動と基本スキル

を活用するかを真剣に考えるのがPMです

・「PMの本質」を理解していれば、どんな問題に対しても

適切な行動が取れるはずです

・「PMの本質」はITプロジェクトだけではなく、全てのプ

ロジェクトに適用できます

・ プロジェクトの成功率を上げるために活用して頂ければ

幸いです

<プロジェクトに関わる全ての皆さんへ>

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2010/06/26

<パートⅡ>「実戦PM道場」のご提案

1.PMの実戦力に必要なスキルと知識

2.実戦力を身に付けるための3つのステップ

3.「PMの本質」

4.実戦PM道場の鍛錬法(3つのステップ)

5.実戦PM道場の提供方法

6.道場主の経歴

添付1.オープン研修タイプ 「研修企画書」 (省略)

添付2.大学講座タイプ 「授業計画書」(省略)

添付3.出稽古タイプ 「トレーニングプロセス」

添付4.職務経歴書 (省略)

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1.PMの実戦力に必要なスキルと知識

人間関係のスキル

リーダーシップ

コミュニケーション

ネゴシエーション

● ●●

適用分野の知識・規制

情報システム

開発標準 ● ● ●

PMBOK

<適用業務別プロジェクト管理

スキル>

(PMBOKガイドから作成)

<日経コンピュータ 2008/12/1号>

コミュニケーション研修

コミュニケーション研修

ネゴシエーション研修

ネゴシエーション研修

リーダーシップ研修

リーダーシップ研修 研修研修

● ●●

プロジェクト環境の理解

PMP:PMBOKに準拠した国際的なPMの認定資格

PMBOK:プロジェクトマネジメントの知識体系

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2.実戦力を身に付けるための3つのステップ

PMが実戦力を身に付ける

スキルを活用して、PMが適切に行動することでプロジェクトを成功に導くことができる

1. プロジェクトの成功、取るべき行動、必要なスキルを結びつける1. プロジェクトの成功、取るべき行動、必要なスキルを結びつける

<本質をとらえる3つの質問>

① プロジェクトを成功させるために何が必要か?② そのためにPMはどのような行動をとるべきか?③ その行動をとるために必要なスキルは何か?

プロジェクトを成功させるために、PMが取るべき基本行動と、行動に必要な基本スキル

<PMの本質>

3.現場で「PMの本質」を活用できる応用力を養う3.現場で「PMの本質」を活用できる応用力を養う

2. 基本スキルを身に付ける2. 基本スキルを身に付ける

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<SCM研究会資料 >

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3.「PMの本質」

「プロジェクトに関わるすべての人が、プロジェクトの目的を達成するために、

それぞれの役割を果たす」

① 人を選ぶ-役割にふさわしい才能で人を選ぶ

② 要求を設定する-メンバーの一人ひとりと、プロジェクト

の目的と メンバーの役割を共有し、共感する

③ 動機づける-メンバーの強みを引き出し、成果を認める

④ 人を育てる-成長の機会を与え経験を振り返る

① 人を選ぶ-役割にふさわしい才能で人を選ぶ

② 要求を設定する-メンバーの一人ひとりと、プロジェクト

の目的と メンバーの役割を共有し、共感する

③ 動機づける-メンバーの強みを引き出し、成果を認める

④ 人を育てる-成長の機会を与え経験を振り返る

① 傾聴するスキル、②質問するスキル、③共感するスキル① 傾聴するスキル、②質問するスキル、③共感するスキル

<PMの基本行動>

<PMの基本スキル>

<PMが目指すあるべき姿>

<参考図書:「プロジェクトマネジャー・リファレンスブック」>

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4.実戦PM道場の鍛錬法(3つのステップ)

② 基本スキルを身に付ける

① 「PMの本質」を理解する

職場やプロジェクトの現場で「PMの本質」を活用できる応用力を養う

③応用力を養う

プロジェクトの成功と、PMの取るべき行動、必要なスキルを結びつけて理解する

<3つの質問に答えながら理解>① プロジェクトを成功させるために何が必要か?② そのためにPMはどのような行動をとるべきか?③ その行動をとるために必要なスキルは何か?

アクションラーニング手法を活用し、質問力、傾聴力、共感力を身に付ける

・質問会議形式で、現実の問題をテーマに「問題解決セッション」を実施

職場やプロジェクトで「PMの本質」を活用(出稽古スタイル)

・様々な事例で、基本行動と基本スキルの活用法を考える

<参考図書:「質問会議」清宮 普美代(PHP研究所)>

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<添付3>出稽古タイプのトレーニング・プロセス

<事前準備>

① 提供先企業の役員あるいは事業部長に研修のスポンサーを依頼

② 研修の目的を理解してもらい、スポンサーの役割と実施方法を合意

③ 目的にふさわしい受講生をスポンサーに選定してもらう

<研修実施>

① 座学と問題解決セッションを組み合わせて1研修サイクルとする

② 1研修サイクルの時間、頻度、研修期間はスポンサーと調整

③ サイクルの間は、受講生は問題解決セッションで決められた行動計画を、

「PMの本質」を適用しながら実施する。結果を次回のセッションで報告する

④ 研修最後に、スポンサーとの会議を開き、研修結果の報告を行う

① 受講者は、それぞれの職場やプロジェクトの現場で、PMの本質を活用

② スポンサーが主催するフォローアップセッションを開催。受講生から活用状

況や課題を報告し、スポンサーの支援を得て、受講者同士の連携をはかる

<フォローアップ>

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<SCM研究会資料 >

2010/06/26

<添付3>出稽古タイプのトレーニング・フロー

スポンサーと研修内容合意しメンバー選定

準備

スポンサーと研修内容合意しメンバー選定

準備

実践PM道場の狙いと進め方

オリエンテーション

実践PM道場の狙いと進め方

オリエンテーション

PMの本質座学と討議

PMの本質座学と討議

問題解決セッション問題解決セッション

実行計画結果の報告実行計画結果の報告

問題解決セッション問題解決セッション

スポンサーに現場での活動状況を報告し、評価と支援のコミットメントを得る

フォローアップセッション

スポンサーに現場での活動状況を報告し、評価と支援のコミットメントを得る

フォローアップセッション

実行計画を実施(受講者の職場/プロジェクト)

実行計画を実施(受講者の職場/プロジェクト)

PMの基本行動と基本スキルの活用

座学と討議

PMの基本行動と基本スキルの活用

座学と討議

スポンサーに研修結果を報告し、評価と支援のコミットメントを得る

クローズセッション

スポンサーに研修結果を報告し、評価と支援のコミットメントを得る

クローズセッション

実行計画を実施(受講者の職場/プロジェクト)

実行計画を実施(受講者の職場/プロジェクト)

<繰り返し>

研修終了後受講者の職場やプロジェクトで「PMの本質」を活用

結果をフォローアップ鵜セッションで報告

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<SCM研究会資料 >

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5.実戦PM道場の提供方法

提供先提供形態

集合研修

個人 PM、PM候補・受講生を募集し集合研修・3日間のカリキュラムで実施

集合研修

IT企業 PM、PM候補集合研修

企業管理職、中堅リーダー、社内プロジェクトのPM

・座学と「問題解決セッション」で1サイクル(2時間程度/サイクル)

・スポンサーと計画合意し、支援を得る・現場で適用後、フォローアップ・セッションを実施して、実績評価

提供タイプ

オープン研修

出稽古(PM人材育成)

出稽古(組織力強化)

・中堅社員と若手管理職がプロジェクトマネジメント力を身に付ける研修

・実施方法は同上

大学講座 社会人大学院

講義若手ビジネスマンや起業家

書籍 出版 個人 PM育成に関心ある全ての人

・様々なプロジェクトを管理する力育成・受講生の発表とディスカッション重視

・「PMの本質」と活用事例・実戦PM道場の実施結果を反映して、

ブラッシュアップ

受講生 実施内容

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6.道場主の経歴

1969年 日本IBM(株)にSEとして入社

システム系管理者を経て、大型システムのPMを約20年経験

2005年 日本IBM(株)定年退職後「スピカ・ソリューションズ」創立

情報システム構築プロジェクトの立直しや、組織変革、人材育成をご支援

2007年 中小企業診断士登録

2008年 アクションラーニング(AL)コーチ認定

2009年 『プロジェクトマネジャー・リファレンスブック』出版

プロジェクトマネジメント学会のPM人材育成研究会メンバーによる共著

2010年 多摩大大学院客員教授 「ITプロジェクトマネジメント」担当

<主な担当プロジェクト>

鉛活字からから全紙面コンピューターによる新聞製作システム

ERPパッケージによるグループ会計と設備投資管理システム

編集者や記者が直接組版出来る次世代組版システム等