ヒューマンビッグデータ社内検証事例集 ·...

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© Hitachi Consulting Co., Ltd. 2015. All rights reserved. 株式会社 日立コンサルティング ヒューマンビッグデータ社内検証事例集

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株式会社 日立コンサルティング

ヒューマンビッグデータ社内検証事例集

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背景と目的

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日立コンサルティングでは、日立グループのソリューションを活用した「ワークスタイル改革コンサルティング」に取り組んでいる。

今回、ワークスタイル改革を推進するツールとして、日立ハイテクノロジーズ製「ヒューマンビッグデータ」の新たな活用シーンを検討し、社内検証を実施した。

ワーク スタイル

改革

オフィス業務

最適化

多様な働き方、 雇用創

IT ソリューショ

オフィス、住環境

統合文書 管理、

ペーパーレス

e文書法 対応

シェアード センタ

シェアード サテライト オフィス

ワークシェア リング

クラウド ソーシング

ユニバーサル コラボレーション

オンデマンド コミュニケーション

モバイル 最適化

ワークプレイス 構想策定

オフィスビル/ センター 設計

空間 デザイン

クライアント 環境

最適化

フレキシブル ワーク

情報管理 情報保全

ワークスタイル改革 コンサルティング

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検証事例1:社内オフィス在席予測(検証概要)

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<用途仮説> コンサルタントや営業などオフィスの出入りが多い職種において、活動量から下記のようなシーンでデータの活用が考えられる。 執務エリア(フリーアドレス、会議室)の適切なサイジング 業績の先行指標 <分析の考え方> 個人別オフィス利用実績を人工知能に学習させ、今後の利用時間帯や頻度を予測する <データ要件> 2015年6月8日~8月2日 対象人数:35名(ITコンサルティング本部、人事部)

センサーデータ 個人別

在席予測 オフィス 全体

在席予測

在席予測 人工知能(機械学習)

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検証事例1:社内オフィス在席予測(結果)

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在席時間予測と実績(分)

実績 予測

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月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日

在席人数予測と実績(人)

6月8日週 6月15日週 6月22日週 6月29日週 7月6日週 7月13日週 7月20日週 7月27日週 8月3日週 予測

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検証事例1:社内オフィス在席予測(活用と応用)

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<コンサル案件での活用イメージ> ・本社移転や拠点統廃合の計画策定フェーズでアセスメント手法として活用 ・定期的な会議室の数とサイズなど利用率向上の施策検討ツールとして活用 <応用> ・業績予測、社員食堂などの需要予測等

人工知能

センサーデータ 個人別

在席予測 オフィス全体 在席予測

在席予測

業績データ 部門業績

会社業績

業績予測

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検証事例2:コミュニケーションタイプ分類(検証概要)

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<用途仮説> 対面量と、対面時の対面人数から、コミュニケーション型を類型化したときにチーム特性やポジションとコミュニケーション類型に相関があるならば、 典型的なパターンを取っていない人を見つけることが出来る

(注目して観察することで、より効果的な働き方や要注意事象の発見につなげる) チームごとに適切なコミュニケーションツールを考えることが出来る <分析の考え方> 業務時間における対面時間の割合と、対面人数の平均値の2要素で、対象メンバーを 4象限に類型化 ポジションおよび所属チームとの相関を検証する <データ要件> 対象人数:29名(コンサルタント、人事部スタッフ)

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検証事例2:コミュニケーションタイプ分類(結果)

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コミュニケーション型と所属チーム、案件、およびポジションには有意な相関が見られた。 人財管理領域およびITコミュニケーションツール選定への応用が期待できると考えられる。

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縦:対面時間比率

横:対面時の対面人数

コンサルティングチームA

案件B 新人

特定職位 人事部スタッフ

【第3象限】 社外コミュニケーション中心

【第2象限】 コンビ作業で会議は少ない

【第1象限】 会議、カジュアル問わず

コミュニケーション中心

【第4象限】 基本作業、時々会議

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検証事例3:活性度への影響因子(検証概要)

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<用途仮説> 加速度リズムが人の労働生産性と正相関にあるならば、観測可能な外的要素から 人別の生産性の予測やコントロールに繋げることができる <分析の考え方> 加速度リズム200以上(2Hz以上)の状態を“活性状態” と見なし 人、時間帯、週日、対面人数など想定される影響因子から、 “活性状態”であるか否かを予測できるかどうか検証する <データ要件> 有効ID数:35 のべ有効データ点数:162,148点 予測モデル:2クラスニューラルネットワーク

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検証事例3:活性度への影響因子(結果)

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7割の精度で活性状態が予測可能。 傾向要素を掘り下げることで、活性度向上につながる職場環境設計や個人単位でのアドバイ

スに活かせる可能性がある。

非活性状態と予測し、 活性状態だった

3,725 活性状態と予測し、

活性状態だった

1,467

非活性状態と予測し、 非活性状態だった

9,633 活性状態と予測し、 非活性状態だった

650

予測点数15,475

結果:200以上

結果:200未満

予測

:200以

上 予

測:

200未

約16万点のデータを無作為に9:1 に分割し、9割のデータで機械学習 → 残りの1割のデータを予測評価 評価データ点数:15,475点 正答:11,100 (72%) 誤答:4,375(28%)

加速度リズム以外の 情報から活性状態を

予測可能

・先行/間接指標 ・要因を分析する

・意図的に活性化?

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検証事例4:遠隔会議の適合度アセスメント

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<用途仮説> 加速度リズムから見た活性度が会議の労働生産性と正相関にあるならば、遠隔会議時の加速度リズムの傾向変化を分析することで、有効性を担保できる遠隔会議のタイプを特定することが出来る <分析の考え方> 同一構成メンバー、同一目的の会議を集合形式(Face to Face)とインスタントメッセンジャーを用いたリモート形式でそれぞれ実施し、メンバーの印象(会議目的の達成度、やりやすさ)と加速度リズムから見た活性度(加速度リズムが200を超える度合い)との相関を確認する <データ要件> 有効ID数:3 のべ有効データ点数:540点

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検証事例4:遠隔会議の適合度アセスメント (パターン1: 資料レビュー)

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資料レビュー(コミュニケーションのポイントが事前に決まっている)では、集合形式と リモート形式の間に活性度データ上の違いは見られず、出席者の印象も、リモート形式で特に問題が無いという結果となった。

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2015/6/29 2015/7/7 2015/7/10 2015/7/14 2015/7/16

集合形式 リモート形式

出席者の 印象

タスクと成果物が事前に規程されているプロジェクト資料のレビューについては、 確認事項が明確である為、リモート形式で特に問題ないと感じた。

集合形式 集合形式 集合形式

加速

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200を

超え

てい

た割

合 集合形式と

同レベル

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検証事例4:遠隔会議の適合度アセスメント (パターン2: 情報共有)

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情報共有型会議(アドホックに情報を共有する要素がありコミュニケーションのポイントが事前に定まっていない)では、リモート形式の際に活性度指標の低下が見られ、出席者の印象としてもやりにくいという声が上がっている。

集合形式 集合形式 リモート形式

出席者の 印象

リモート形式においては、情報の発信者が他の参加者の理解度合いを掴めず、 One Wayになりがちで、集合形式よりも表面的な情報共有となってしまうという 印象が強かった。

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検証事例4:遠隔会議の適合度アセスメント (パターン3: 意思決定)

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意思決定会議(コミュニケーションのポイントは事前に明確だが検討材料が多岐に渡る)では、リモートでトライアルしたものの、検討がスムーズに行えなかったため部屋を移動し、集合形式に移行した。移動前後で加速度リズムに変化が見られる。

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部屋の移動 (リモート→集合)

加速

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移動

平均

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z)

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今後の適用範囲

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アセスメントや効果検証のフェーズでコンサルティングサービスと組み合わせることで業務品質の向上や生産性の向上、事業性予測など多岐にわたって価値を提供できると考える。

要望、課題 ヒアリング

現状 アセスメント/ ギャップ分析

施策立案 施策実行 効果の確認 成功/失敗 要因分析

# 業界 興味・関心 内容、状況 1 製造 ホワイトカラー

生産性向上(コスト削減) コミュニケーションツールの活用を検討しているが、ウェアラブルセンサ等による働き方アセスメントにもご興味あり。

2 保険 窓口業務の改善 (業務ミス削減)

人工知能サポートによる業務改善を検討。人的ミスの削減に効果が見込まれるようであれば、提案検討余地あり。

3 製造 新規事業のアセスメント 新規事業やベンチャーに対する投資・実行判断や活動改善に使えないかとの期待値。

想定適用領域 人工知能など

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オフィス以外での応用シナリオ

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応用シナリオ1:感染可能性者の特定

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新興感染症が日本国内に持ち込まれたときの感染症指定医療機関での初期対応 院内で医師、患者がセンサーを装着することで、保菌者と接触し、感染の可能性のある人の

特定に活用する

受付 (待合)

診察 検査 会計

ビーコンの位置情報から、同時刻に待合室にいた人

対面センサーから医師、検査技師などとの接触時間

感染症指定医療機関

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応用シナリオ2:養豚場

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限定された環境で集団と個体の両面から管理 集団としての傾向や特徴の把握と、傾向からの外れ値を持つ個体を検出

→オフィスや学校、刑務所など人間社会における限定環境への適用

限定された環境における 集団および個体の管理

場所

コミュニケーション

加速度

全体の傾向性

集団の特徴、趣向性

傾向性に反する異常値

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応用シナリオ2:養豚場(着眼点)

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位置情報 対面情報 加速度

上記3情報をすべて利用する 養豚場のエリアに注目

• エサ場とフリースペースの使用状況 • 及び各条件におけるブタ内コミュニティの活性度

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応用シナリオ2:養豚場(仮説)

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仮説 予測

新参ブタの活性度が低いと、集団全体の活性度が低くなるのでは?

• 養豚期間のギャップが大きい方が 集団全体の活性度につながる傾向にあるかもしれない

• 新参ブタは極度に緊張し、加速度が著しく低下するかもしれない

養豚場内でのある一定のエリアを利用する傾向にあり、同様の条件下にある環境を利用しない理由(暗黙の了解、ルールなど)があるかもしれない

データ分析により無意識下での趣向性を発見できるかもしれない • 自然と居心地のいいエリアを無意識に

選択しているのか • ある一定のエリアを好むことによって

活性度が上がるのか