インクジェットプリンタ 再生インクカートリッジ印...

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© ALLION JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED. 8F, 1-24-2, HIGASHI-GOTANDA, SHINAGAWA-KU, TOKYO, JAPAN 141-0022 PHONE: +81-3-5488-7368 FAX: +81-3-5488-7369 インクジェットプリンタ 再生インクカートリッジ印刷耐久試験 SUMMARY REPORT Release Date: 2008/12/09 Visit our Web Site at: www.allion.co.jp

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インクジェットプリンタ 再生インクカートリッジ印刷耐久試験

SUMMARY REPORT

Release Date: 2008/12/09

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インクジェットプリンタ 再生インクカートリッジ印刷耐久試験 サマリーレポート

目次

1 はじめに ..............................................................................................................................................................2 2 結論 ....................................................................................................................................................................2 3 試験結果 .............................................................................................................................................................4

3.1 不具合 A: 色合いの変化 ..........................................................................................................................4 3.1.1 目視による色合いの変化の比較........................................................................................................4 3.1.2 測色による色合いの変化の比較........................................................................................................6 3.1.3 プリントヘッドの焦げ ..........................................................................................................................7 3.1.4 印刷物の色合いの変化とプリントヘッドヒーター部の焦げとの関係 .....................................................8

3.2 不具合 B: インクが吐出されない...............................................................................................................9 3.2.1 C 社の黒インクが吐出されない..........................................................................................................9

3.3 不具合 C: インクが霧状に噴出されたことによるプリンタ外部と内部の汚損..............................................11 3.1 使用機材 .................................................................................................................................................14 3.2 試験手順 .................................................................................................................................................15

4 参考資料 ...........................................................................................................................................................16 5 本レポートに関するご注意 .................................................................................................................................17

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1 はじめに

当社:アリオン株式会社では 2007 年6 月に実施したインクジェットプリンタ用の純正インクと詰め替えインクとの三種混合ガス試験に

よる耐ガス性比較試験を皮切りに、2007 年 10 月~2008 年 3 月にかけて以下の 5 つの試験を行った。

インクジェットプリンタ 摸倣インクカートリッジ評価

JEITA CP-3901 準拠 インクジェットプリンタ屋内耐光性試験

JEITA CP-3901 準拠 インクジェットプリンタ屋内耐オゾン性試験

インクジェットプリンタ 純正インクと再生インクとの三種混合ガス試験による耐ガス性比較試験

本レポートでは、インクジェットプリンタ用再生インクカートリッジの純正インクとサードパーティ製インクとの印刷耐久試験を行ったの

で報告する。

当社では、印刷物の保存性以外の観点として印刷耐久性に着目し、ユーザーが純正インクカートリッジまたは、再生インクカートリッ

ジを長期間使用し続けた場合を想定した 1000 枚までの印刷耐久試験を実施し、再生インクカートリッジは純正インクカートリッジと同等

の信頼性が確保されているかどうかの確認を行った。

尚、以下本文中、純正インクカートリッジのことを純正品または省略して純正とも表記し、再生インクカートリッジのことを、メーカー毎

に区別して A 社製インクカートリッジ、B 社製インクカートリッジ、C 社製インクカートリッジまたは省略して A 社、B 社、C 社とも表記す

る。

2 結論

純正インクカートリッジと再生インクカートリッジにて 1000 枚の印刷耐久試験を行った結果、再生インクカートリッジを使用して継続的

に印刷を行った場合、一般ユーザーにとって不利益となりうる、以下の重大な不具合が発生することが分かった。

A. 再生インクを継続的に使用することによって、純正インクと比較して印刷物の色合いが著しく変化してしまった場合、元の正

常な印刷品位に戻すにはヘッド交換が必要になる。

B. 再生インクを継続的に使用した場合、異物によりインクが吐出されなくなる可能性があり、一旦この問題が発生すると正常に

印刷するためにはヘッド交換が必要になる。

C. 再生インクを継続的に使用することによって、プリンタ内部からプリンタの台へインクが霧状に噴出し、テーブルや机などを激

しく汚損させる場合がある。

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この不具合をメーカーごとに比較すると、下表のとおりとなった。

不具合 純正インク A 社 B 社 C 社

不具合 A:

試験前後で色合いが

変化する ○ × × ×

不具合 B:

インクが吐出されない ○ ○ ○ ×

不具合 C:

プリンタ外部への

著しい汚損 ○ × × ○

※問題がなかった場合は○、問題が発生した場合は×として判定

各不具合の詳細は、次項にて詳しく説明する。

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3 試験結果

3.1 不具合 A: 色合いの変化

印刷耐久試験の結果、再生インクを使用した印刷物は、純正インクを使用した印刷物と比較して、1 枚目の印刷時と 1000 枚目の印

刷時で色合いに変化が生じてしまうことが確認できた。

3.1.1 目視による色合いの変化の比較

A 社、B 社、C 社製再生インクを使用した、1 枚目の印刷物と 1000 枚印刷後の印刷物を目視にて比較したところ、1000 枚印刷後の

印刷物に色合いの変化が発生していることが確認できた。

再生インク 3 社と同条件で純正インクを使用して印刷した場合、1000 枚印刷後も色合いの変化は見られなかった。

1 枚目印刷時 1000 枚目印刷時 色合

純正インク

ほとんど変化なし

A社

黄色と赤色が強調された色合い

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B社

赤色が強調された色合い

C社

黄色が強調され全体的に淡い色合い

1 枚目印刷時 1000 枚目印刷時 色合

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3.1.2 測色による色合いの変化の比較

印刷物の測色が可能なグレタグ・マクベス社製の分光光度計「スペクトロリノ」を使用して、1000 枚耐久印刷試験前の初期印刷物の

L*a*b*と 100 枚、500 枚および 1000 枚印刷後の印刷物の L*a*b*をそれぞれ測定し、変化色差ΔE を求めた。目視による色合いの変

化の判定は、ある 1 つの領域だけを見るのではなく、画像全体(複数箇所)を見て確認するのが通常であるため、測定箇所は下図の 2

箇所を選定することにした。

分光光度計による測定領域

目視による色合いの変化は、1 つの点ではなく面(ある大きさの領域)として認識されるため、各測定領域内の測定ポイントは 1 カ

所に絞らず、1 領域あたり偏りのない 5 ポイントで測定し、それぞれのΔE を求める。その後、各領域内の 5 ポイント、合計 10 ポイン

トのΔE の平均値を求めることとする。変化色差ΔE の判断基準として、「表面処理技術便覧」では、ΔE の値が 3.15~6.3 の範囲は、

「塗料では色違いといわれる領域。」と設定されている。また、米国標準局(NBS 単位)では、ΔE の値が 3.0~6.0 の範囲は、「感知

する程」と設定されている。

ここでは分かりやすくするために、ΔE の値が 3.0~6.0 の範囲で「感知する程」に設定されている米国標準局(NBS 単位)の基準

を用い、この値の範囲内にあるものを、「色合いの違いがある」と判断することにする(下表では、赤色の文字で表す)。

測色結果: 印刷枚数/ΔE平均値

印刷枚数/ΔE平均値

100 枚 500 枚 1000 枚

純正 1.5 1.9 2.0

A 社 2.9 2.5 6.8

B 社 2.3 7.8 5.7

C 社 1.5 4.2 6.8

いずれの結果でも純正では色合いの違いを感知できるほどの変化がなかったのに対し、B 社、C 社では 500 枚印刷後では大きく色

合いが変化していることが分かる。また A 社では 500 枚印刷後では大きな色合いの変化は見られなかったが、1000 枚印刷後では大き

く色合いが変わってしまう結果となった。

この結果を目視による印刷耐久試験後の各画像の色合いの違いの判定と比較すると、ほぼ一致する結果になり、A 社、B 社、C 社で

は試験前後で色合いの変化が大きいことが確認出来た。

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3.1.3 プリントヘッドの焦げ

印刷物の色合いの変化とインクが吐出されるプリントヘッドとの因果関係を確認するため、印刷耐久試験実施前後のシアン、マゼン

タ、イエローの各ノズルのヒーター部の状態をマイクロスコープにて観察した。ノズル口付近に色濃く見られる箇所がプリントヘッドヒータ

ー部の焦げである。この焦げ付きが原因となって正常なインクの吐出が出来ず、カラーバランスが崩れて色合いの変化が発生したと考

えられる。

プリントヘッドヒーター部の焦げ付き箇所

プリントヘッドのヒーター部の焦げ比較結果

試験実施前 純正 1000 枚印刷後

A 社 1000 枚印刷後

B 社 1000 枚印刷後

C 社 1000 枚印刷後

マ ゼ ン

焦げ付き状態

シアン: コゲ無し マゼンタ: コゲ無し イエロー: コゲ無し

シアン: ややコゲ有り マゼンタ: ややコゲ有り イエロー: コゲ無し

シアン: コゲ有り マゼンタ: ややコゲ有り イエロー: コゲ無し

シアン: コゲ有り マゼンタ: コゲ無し イエロー: コゲ有り

シアン: コゲ有り マゼンタ: コゲ有り イエロー: コゲ無し

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3.1.4 印刷物の色合いの変化とプリントヘッドヒーター部の焦げとの関係

純正インクでは、シアンとマゼンタのヒーター部に若干の焦げがあるが、目視による印刷耐久試験前後での色合いの違いは見られず、

この程度の焦げでは目視による色合いの違いの評価結果に影響しないものと思われる。

A 社では、印刷耐久性試験前後の印刷画像を目視比較すると、黄色と赤色が強調された色合いに変化している。試験終了後のプリ

ントヘッドのヒーター部を観察するとシアンのヒーター部に酷い焦げが見られることから、このヒーター部の焦げが原因となってシアンイ

ンクの吐出量が減少したために印刷画像のカラーバランスが崩れ、相対的に黄色と赤色が強調された色合いになったと考えられる。

B 社では、印刷耐久性試験前後の印刷画像を目視比較すると、赤色が強調された色合いに変化している。試験終了後のプリントヘッ

ドのヒーター部を観察するとシアンとイエローのヒーター部に焦げが見られることから、このヒーター部の焦げが原因となってシアンイン

ク、イエローインクの吐出量が減少したために印刷画像のカラーバランスが崩れ、相対的に赤色が強調された色合いになったと考えら

れる。

C 社では、印刷耐久性試験前後の印刷画像を目視比較すると、黄色が強調された色合いに変化している。試験終了後のプリントヘッ

ドのヒーター部を観察するとマゼンタのヒーター部に焦げが、またシアンのヒーター部に酷い焦げが見られることから、このヒーター部の

焦げが原因となってシアンとマゼンタインクの吐出量が減少したために印刷画像のカラーバランスが崩れ、相対的に黄色が強調された

色合いになったと考えられる。

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3.2 不具合 B: インクが吐出されない

3.2.1 C 社の黒インクが吐出されない

本試験開始 2 日目、C 社の再生インクカートリッジを使用したプリンタ 3 台中 2 台において、100 枚印刷後にノズルチェックパター

ンを印刷した時に、黒インクが出なくなる不具合が発生した(比較 1 参照)。

本現象発生後、プリンタの使用説明書の手順通りの対処(クリーニング / 強力クリーニング)や新品の再生インクカートリッジに交

換を行ったが回復しなかった。また C 社の再生インクカートリッジを使用して不吐出が発生すると、その後純正インクカートリッジへ交

換しても回復することはなかった(比較 2 参照)。

原因究明のためプリントヘッド内のノズルを電子顕微鏡にて観察したところ、ノズル内に透明な異物のようなものが確認された。こ

の異物により黒インクが吐出されないものと思われる(比較 3 参照)。

従って一度この現象が発生すると、正常に印刷を実行するためにはプリントヘッドの交換が必要になる。

比較 1: ノズルチェックパターン 純正インクのノズルチェックパターン C 社のノズルチェックパターン

正常な状態

黒インクが吐出されていない状態

比較 2: 文書印刷 純正インクでの文書印刷

正常な状態

<印刷条件>●使用プリンタ: 2008 年に販売された 4 色タイプのインクジェットプリンタ ●使用用紙: プリンタメーカーが販売する用紙

●使用データ: ISO/IEC 24712 データ ●印刷設定: プリンタメーカーが提供するプリンタドライバのデフォルト設定

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C 社での文書印刷 C 社から純正インクへ交換後の文書印刷

黒インクが吐出されない

問題発生後、純正インクへ交換しても

回復していないことがわかる。

比較 3: 純正インクと C 社のプリントヘッドノズル内画像の比較 純正インクのプリントヘッドノズル内画像 C 社のプリントヘッドノズル内画像

正常な状態

ノズル内に異物のようなものがある状態

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3.3 不具合 C: インクが霧状に噴出されたことによるプリンタ外部と内部の汚損

1000 枚印刷後にプリンタを持ち上げて移動させたところ、プリンタが置かれていたテーブル上にインクが霧状に噴出された激

しい汚損が確認された(汚損例 1 参照)。

この汚損は、純正インクとC社ではわずかにしか確認できなかったが、A社とB社製インクカートリッジを使用したプリンタでは、

一目ではっきりと確認できるほどの致命的な汚損があった(汚損例 2 参照)。

また C 社は純正インクと同様にプリンタ外部への汚損はわずかであったが、トップカバーの裏側全体に霧状インクによる激しい

汚損が確認された(汚損例 3、4 参照)。

通常、プリンタはテーブルや机などに直置きで使用することが多い。そのような条件の下で A 社や B 社製の再生インクカートリ

ッジを継続して使用し続けた場合、ユーザーが気付かぬうちに、テーブルや机などに著しい汚損が広がってしまう恐れがある。ま

たプリンタ内部の激しい汚れはインクカートリッジ交換などのメンテナンス時、手指や衣服などを必要以上に汚してしまう可能性が

ある。

汚損例 1: プリンタ外部へ漏れ出した霧状インクの汚れ プリンタ外部へ漏れ出した霧状インクの汚れ

プリンタ前面トレイの用紙ガイド隙間から噴出されたインク

プリンタ底面後部から噴出されたインク

汚損例 2: プリンタを置いたテーブル上の汚れの比較

純正インク A 社 B 社 C 社

わずかに汚れ

激しく汚損

激しく汚損

わずかに汚れ

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汚損例 3: プリンタ内部トップカバー裏側の汚れ プリンタ内部トップカバー裏側の汚れ

正常な状態 - 汚れなし

霧状になったインクにより汚れたトップカバー裏

汚損例 4: トップカバー裏側の汚れの比較

純正インク A 社

汚れなし

激しく汚損

B 社 C 社

激しく汚損

激しく汚損

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試験概要

本比較試験は以下の試験方法によって実施した。

今回、プリンタの個体差による試験結果のばらつきを考慮し、同一メーカーのインク 1 つに付き 3 台のプリンタを使用して試験を行っ

た。同一メーカーのプリンタを識別するための ID を下表のように割り当てた。

メーカー名 プリンタ ID 1 号機

2 号機

純正品

3 号機

4 号機

5 号機

A 社

6 号機

7 号機

8 号機

B 社

9 号機

10 号機

11 号機

C 社

12 号機

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3.1 使用機材

A. 使用インク

純正インク: プリンタメーカーが販売するカラーカートリッジ、プリンタメーカーが販売する黒カートリッジ

A 社: A 社製カラーカートリッジ、A 社製黒カートリッジ

B 社: B 社製シアンカートリッジ、B 社製マゼンタカートリッジ、B 社製イエローカートリッジ、B 社製黒カートリッジ

C 社: C 社製シアンカートリッジ、C 社製マゼンタカートリッジ、C 社製イエローカートリッジ、C 社製黒カートリッジ

B. 使用用紙

プリンタメーカーが販売する A4 サイズ写真用紙

C. 印刷条件

プリンタ本体

2008 年に販売された 4 色タイプのインクジェットプリンタ

プリントヘッド

プリンタメーカーが販売する専用プリントヘッド

ソフトウエアおよび設定条件

条件項目 基準値・詳細 OS の種類とバージョン Microsoft Windows XP Professional SP2, XP Home SP2(日本語版) アプリケーションの種類とバージョン Windows 画像と FAX ビューア(上記 Windows OS 付属) プリンタドライバのバージョン プリンタメーカーが提供するプリンタドライバ プリンタドライバとアプリケーションの

設定条件

用紙設定: 使用用紙に準じた用紙設定 印刷品質: 標準 色/濃度: 自動 用紙サイズ: A4 印刷アプリケーション: Windows 画像と FAX ビューア(Windows 付属) ページレイアウト: フルページ FAX プリント

試験用画像

SCID 画像 4 種類 ※

N1A.tif N4A.tif N1RGB.tif N2RGB.tif

※ 日本規格協会 高精細カラーデジタル標準画像(CMYK/SCID) JIS X 9201: 2001、(XYZ/SCID) JIS X 9204: 2004 より

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D. デジタルマイクロスコープ

コントローラ: KEYENCE 社製 VH-S30

レンズ: KEYENCE 社製 VH-Z100W

筐体: KEYENCE 社製 VH-5500

3.2 試験手順

SCID 画像 N1A.tif, N2A.tif, N1RGB.tif, N2RGB.tif の 4 種類の画像を1部ずつ、合計 100 枚を 1 サイクルとし、正常印刷でき

た枚数が 1000 枚に達するまで、繰り返しサイクル印刷を行った。ただし、色合いの変化、スジ、かすれなど何らかの不具合が発

生した後、プリンタの使用説明書に従い対処しても回復しない場合はそのまま試験続行とした。1 サイクル 100 枚のうち、 初の

4 枚は写真用紙を使用し、残りの 96 枚は普通紙を使用して印刷を行った。また、1000 枚耐久印刷後のヘッド内のノズルの状態

を試験前の状態と比較するため、マイクロスコープにて写真撮影を行う前段階として、プリントヘッド内の洗浄を行った。

各作業について、以下に詳細の手順を記載する。

A. 印刷前確認

① プリンタ本体の動作確認のためヘッドと純正インクカートリッジとをプリンタへ装着。

② ヘッド位置調整を実施。

③ 純正インクカートリッジにて試験用画像を各1枚ずつ 1 セットにして写真用紙にて印刷。

④ サードパーティ製再生インクカートリッジに交換してヘッドクリーニング 2 回、強力ヘッドクリーニング 1 回実施。

⑤ サードパーティ製再生インクカートリッジにて試験用画像を 3 セット(12 枚)印刷。

⑥ 後に印刷した試験用画像 1 セット(4 枚)をサードパーティ製再生インクカートリッジの初期画像とする。

B. サイクル印刷

① ノズルチェックを実施。

② N1A.tif、N4A.tif、N1RGB.tiff、N2RGB.tif を各1枚ずつ写真用紙にて合計 4 枚印刷しながら、印刷物のチェック。 ※

③ N1A.tif、N4A.tif、N1RGB.tiff、N2RGB.tif を繰り返し 96 枚分普通紙にて印刷しながら、印刷物のチェック。 ※1

④ ①~③を繰り返し、1000 枚(10 サイクル)に達するまで試験を行う。

※1 印刷物の色合いの変化、スジ、かすれなどをチェックし、何らかの問題があった場合には、以下の手順を実施する。

① インクカートリッジの外観をチェックし、インクカートリッジが原因と思われる場合は、新品のインクカートリッジに交換

し、試験続行。

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② プリンタの取扱説明の記載の「回復動作」(ヘッドクリーニング 2 回、強力クリーニング 1 回)および、ヘッド位置調整

を順番に実施し、不具合が回復した場合は、試験続行。

③ 上記「回復動作」にて不具合が回復しなかった場合は、マイクロスコープにてヘッドのヒーター部を観察し、

焦げが見られる場合は写真撮影し、試験続行。

④ 上記マイクロスコープでの観察にて、焦げが見られない場合は、インクカートリッジを新品に交換して試験続行。

4 参考資料

ΔE について

色の違いを数値的に捉え色差として表現するには、色そのものを数値化する必要があり、L*a*b*表色系等であらわす(JIS Z 8730)。

また本試験を行うにあたり、色差ΔE の値の評価基準として、下記における設定値を参考にした。以下に評価基準の設定値を

抜粋する。

表面処理技術便覧より抜粋

色差(ΔE) 呼び名 摘 要

0.2 ~0.4 限界色差 訓練を積んだ人が再現性をもって識別できる限界。

0.4 ~0.8 特級 (厳格色差)

十分に調整された光電色彩計の誤差範囲。一般の人が再現性をもって識別できる

限界。塗装の再現性、目視判定のバラツキなどからみてナンセンスさを失わない色

差規格を設定できる限界。

0.8 ~1.6 1 級 (許容色差) 並べて見れば、ほとんどの人に色差が感じられるレベル。十分に調整された光電色

彩計の、器差を含む誤差範囲。

1.6 ~3.15 2 級 (実用色差) 離して並べればほとんどきづかず、一般には同じ色だと思われるレベル。

3.15 ~6.3 3 級 塗料では色違いといわれる領域。

米国標準局(NBS 単位)より抜粋

色差(ΔE) 呼び名 色差の感覚的表現

0 ~ 0.5 微かに trace

0.5 ~ 1.5 僅かに slight

1.5 ~ 3.0 目立つ noticable

3.0 ~ 6.0 感知する程 appreciable

6.0 ~ 12.0 大いに much

12.0 以上 非常に very much

※ NBS 単位 : National Bureau of Standards,USA の略米国標準局にて定めたもの

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5 本レポートに関するご注意

本レポートは、IT 機器試験専門会社のアリオン株式会社(東京都品川区)が製品ベンチマーク試験のご紹介の為に実施したものです。

当社は、上記試験結果が事実である点に対して責任を負っております。

本レポートの著作権は、アリオン株式会社に所属します。引用、配布などについては、当社の許諾が必要です。

<免責事項>

レポートのサンプルは、市場から任意に購入した製品を使用して実施した結果であり、試験に使用した製品に対する、全ての結果保証や

品質保証を行なうものではありません。試験結果は、試験条件やサンプルによる差異があることをご理解下さい。

本試験の結果による判断はご覧になったお客様の責任であり、本レポートの利用により二次的な被害が発生した場合も、当社は責任を

負わない点をご理解下さい。

本レポートに関するお問い合わせ、ご意見、試験に対するお問い合わせは、下記へ御願い致します。試験のご依頼やお問い合わせの場

合は、その旨をお伝え下さい。 試験内容に関するご意見、ご質問も受け付けますが、回答にお時間がかかる場合がありますので、 ご了承

下さい。

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