施 工 要 領 書フロアヒンジ ドアクローザ工業会 施 工 要 領 書 平成15年6月制定 (ひな形) - 目 次 - 1.本体の据付 埋め込み用空間
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スカッドロック工法施工要領書(案)
平成13年 10 月
スカッドロック工法施工研究会
目 次
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1.適用範囲------------------------------------------1
2.溶接管理技術者及び溶接作業者----------------------1
3.材料----------------------------------------------2
4.溶接装置------------------------------------------4
5.施工準備------------------------------------------5
6.溶接前作業----------------------------------------6
6.1 既設鉄筋の切断--------------------------------6
6.2 既設鉄筋のハツリ出し--------------------------6
6.3 母材(鉄筋)の加工----------------------------6
6.4 切断面の確認および補修------------------------7
6.5 既設鉄筋埋込み長さの調査----------------------8
7.溶接作業------------------------------------------9
7.1 溶接作業者------------------------------------9
7.2 溶接装置・器具類の整備------------------------9
7.3 作業条件--------------------------------------9
7.4 溶接作業--------------------------------------9
(1)予熱,乾燥 --------------------------------9
(2)クランプアースおよびフェルールの取付け----10
(3)溶接ガンの設置----------------------------10
(4)溶接条件----------------------------------11
(5)フェルール除去の時期----------------------11
(6)後熱--------------------------------------12
8.検査---------------------------------------------12
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1.適用範囲
本要領書は、スカッドロック工法施工研究会会員が行なう鉄筋コンクリート構
造物および鉄骨鉄筋コンクリ-ト構造物に用いる鉄筋のスカッドロック工法に
よる溶接継手の施工に適用する。
鉄筋のスカッドロック工法による溶接継手とはア-クスタッド溶接を応用し
た鉄筋間のア-ク溶接継手のことをいい、スタッドガンおよび特殊フェル-ルを
用いて溶接を行なう。溶接概要については 4.溶接装置の項で示す。
スカッドロック工法による溶接継手は、JISG3112SD345 に適合するスタッド材
KDS490Dを使用し、相手の母材鉄筋は SD345,SD295A,SR235 に適用する。
現時点で使用出来るスタッドおよび鉄筋径の範囲は D13,D16,D19,D22 で、継手
は原則的に同径とする。
2.溶接管理技術者及び溶接作業者
(1) スカッドロック工法による溶接施工を管理する技術者は、(社)日本溶接協
会 (ISO 14731/WES8103 溶接技術者適格性証明書)2級以上の資格を有する
もの、またはスカッドロック工法の施工管理経験を有するものでなければな
らない。
(2) スカッドロック工法による溶接作業者資格の要件は次のとおりとする。
スタッド協会の技術検定試験に合格し、B級のスタッド溶接技術証明書を有
する者で、かつ、本スカッドロック工法施工研究会の定める資格を有する者
でなければならない。
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3.材料
3.1 異形スタッド用鋼材
異形スタッドは JIS G 3112 SD345 に適合するスタッド材 KDS490D を使用する。
異形スタッドの径および長さは D13,D16,D19,D22 で、標準長さは 30D とする。
KDS490D 異形スタッド用鋼材の機械的性質(適合規格 JIS G 3112 SD345)
材質 降伏点 N/mm2 引張強さ N/mm2 伸び%
KDS490D 345~440 490 以上 20 以上
KDS490D 異形スタッド用鋼材の化学成分
鉄筋規格値 C%
×100
Si%
×100
Mn%
×100
P%
×1000
S%
×1000
C+
Mn/6
SD345 ≦27 ≦55 ≦160 ≦40 ≦40 ≦50
KDS490D ≦20 13~35 30~90 ≦40 ≦40 (≦35)
異形スタッドは、溶接性を考慮した鋼材を JIS G 3112 鉄筋コンクリート用異
形棒鋼としてふし及びリブを付したものである。軸径のバラツキや切断位置によ
る断面積の不等を防止し、更にスタッドとフェルールとのクリアランス確保のた
め軸部先端の加工をまた、軸部先端には溶剤処理を行っている。溶接後の仕上が
り長さが Lになるように溶け代 WA を含んだ長さとしている。
型式・寸法・許容差 (単位 mm)
型式 STR-1
サイズ
スタッドベース径d
許容差
スタッドベース長さS
許容差
溶接前長さ L’ 許容差
D13×390 12.9±0.2 23±1.0 394±0.5
D16×480 15.9±0.2 23±1.0 485±0.5
D19×570 18.9±0.3 25±1.0 575±0.5
D22×660 21.9±0.3 27±1.0 666±0.5
S
d
L
L’
WA
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3.2 フェルール
フェルールは無水珪酸(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)その他を混合・焼成
した耐熱性の磁器であり、鉄筋継手専用フェルールの形式及び適用は下記の通
りである。
形 式 名 適 用
BJV-13 呼び名 D13 鉄筋継手用
BJV-16 呼び名 D16 鉄筋継手用
BJV-19 呼び名 D19 鉄筋継手用
BJV-22 呼び名 D22 鉄筋継手用
割れ,欠損しているものは使用してはならない。
3.3 母材 (鉄筋)
スカッドロック工法を行うことのできる鉄筋の種類は、下記に示す鉄筋コン
クリート用棒鋼 JIS G 3112 異形棒鋼及びこれと同等品の丸鋼とする。
異形鉄筋の機械的性質
種別 降伏点
N/mm2
引張強さ
N/mm2
伸び
(%)
SD345 345~440 490 以上 18 以上
SD295A 295 以上 440~600 16 以上
SR235 235 以上 380~520 20 以上
伸び:2号試験片に準ずるもの
異形鉄筋の化学成分
鉄筋
規格値
C%
X100
Si%
X100
Mn%
X100
P%
X1000
S%
X1000
C+
Mn/6
SD345 ≦27 ≦55 ≦160 ≦40 ≦40 ≦50
SD295A - - - ≦50 ≦50 -
SR235 - - - ≦50 ≦50 -
既設コンクリート中の母材(鉄筋)材質の確認は、設計図書によるもの
とする。ただし、図面及び施工履歴が確認できない場合は、現地にて試験片を
採取し、引張試験などにより推定するものとする。
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4.溶接装置
スカッドロック溶接に使用する機器は、スタッド溶接用直流溶接電源・制御
装置(MRN-2000)、溶接ガン(GS-201)とする。
また、スカッドロック溶接では、母材鉄筋径に応じて専用クランプアース(CE
シリーズ)を用いなければならない。専用クランプアースとは、母材鉄筋の軸
に沿って固定し、専用フェルールを確実に装着するとともに、溶融金属をフェ
ルール裏面に飛散させない構造のクランプとアースを兼ねた治具である。
一次電源設備は現場では発電機を用いる場合が多い。また、鉄筋径に合った
ものを準備する。
溶接ガン
制御装置
溶接電源
異形スタッド材
溶接電源およびガンの概
機 器 MRN-2000
最大入力(KVA) 245
入力電圧(V) 200/220,3φ
電流範囲(A) 200~2500(定格 2
使用率(%)
適用スタッド範囲 φ4
寸 法(mm) 660X1000X1380(
質 量(Kg) 520
フェルール
アース+
電源-
略仕様
GS-201
-
-
000) 2500(最大)
15
~25mm
h) 190X430
2.6
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クランプアース
鉄筋径(mm) 適用クランプアース
D13 CE-13(片面 U 溝)
D16 CE-16(片面 U 溝)
D19 CE-19(両面 U 溝)
D22 CE-22(両面 U 溝)
溶接条件
鉄筋径
(mm)
溶接電流
(A)
電源変圧器の所要容量
(KVA)
D13 750~900 95
D16 1100~1300 120
D19 1300~1600 150
D22 1600~1900 200
5.施工準備
(1) 溶接管理技術者は、「スカッドロック工法施工要領書」に従い、施工の部位、
当日の作業内容、順序、人員、装置の配置、移動、移設などについて検討、
確認を行い、準備をととのえるものとする。
(2) 溶接装置、治具等について、施工に先立ち、整備状況の点検、確認を行う
とともに、溶接材料(異形スタッド,フェルール)の品質、所要量等につい
ても調査、確認をしておく。異形スタッド及びフェルールの納期は少なくと
も二週間必要であり、材料手配期間を考慮して計画するものとする。
(3) 既設鉄筋は、径及び間隔、かぶり厚さが設計図に一致するかどうか確認す
るとともに、コンクリートからの突出し長さ(30mm 以上)が確保されている
かどうか確認する。
(4) 溶接管理技術者は、事前に異形スタッド材料をミルシート等で炭素等量等
が規定の数値を満足しているかどうか確認するものとする。
(5) 鉄筋の端面やその周辺に付着した、錆、油類、セメントペースト等が溶接
に支障をきたすと考えられる場合は、これを布、溶剤、ワイヤブラシなどで
除去するものとする。
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6. 溶接前作業
溶接作業を行なう前段の既設鉄筋コンクリ-トに埋め込まれた鉄筋のハツ
リ出し、および鉄筋の溶接部の端面処理について規定する。
6.1 既設鉄筋の切断
既設鉄筋の切断はダイヤモンドカッターまたは硬砥石切断とする。
鉄筋 切断箇所
6.2 既設鉄筋のハツリ出し
既設鉄筋を下図に示すようにアースクランプが確実に取付けられるよ
うに切断面から約 30~50mm 露出するようにハツリ出す。
約 30~50mm
D13,D16;50mm
D19,D22;70mm
6.3 母材(鉄筋)の加工
(1) 切断・加工
鉄筋をハツリ出す。
クランプアース
母材(鉄筋)の切断はダイヤモンドカッターまたは硬砥石切断を標準と
する。
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(2) 研磨
下図に示すように鉄筋端面から 30mm の範囲はグラインダーまたはワイ
ヤーブラシ等で研磨する。
6.4 切断面の確認および補修
鉄筋の切断端面が断面変形していないかの確認を行う。もし、断面
変形している場合は再切断し、鉛直に補修する。
鉛直に再切断
斜めに切断されている場合
コンクリート
鉄筋
30mm
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6.5 既設鉄筋の埋込み長さの調査
下図に示すように鉄筋の重ね継手部で切断されていた場合は、定着長さを超
音波探傷検査により調査し、長い方に接合する。
短い方
長い方
超音波探傷検査は、下図に示すように垂直探触子を用いて切断面より探傷
する。
埋込み長さ
超音波検査
埋込み長さ
埋込み長さ長い方
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7.溶接作業
7.1 溶接作業者
作業者はスカッドロック工法施工研究会が認定した者でなければならない。
また、当研究会が発行した「スカッドロック工法技能資格証明証」を携行しな
ければならない。
7.2 溶接装置・器具類の整備
作業に使用する装置、機器類は常に正常に作動するように、アース,キャッ
プタイヤ等の点検チェックリストにもとづき点検整備を十分に行う。
7.3 作業条件(天気及び気温)
① 降雨又は降雨の恐れが有る場合は原則として作業を行わない。また、作
業中に降雨があった場合は、直ちに作業を中止し、雨水による溶接部の急
冷を避けるため、シート等で適切な処置を講ずる。
② 降雨後に作業を再開する場合は、完全に開先部の水分を取除き、適切な予
熱を行った後、溶接する。
③ 気温が5℃以下の場合は、原則として作業を中止する。ただし、予熱又は
適切な防護策を施す場合はこの限りでない。
7.4 溶接作業
溶接作業要領を以下に示す。
(1)予熱,乾燥
鉄筋の切断端面近傍の予熱は、気温が5℃以下の場合は、100℃,その
他の場合は 50℃以上とする。予熱方法は、ガスバーナー又は予熱装置に
より行う。
予熱温度管理箇所 15mm
母材鉄筋が著しく腐食している場合は、監理技術者と協議し、許可を得
て施工する。
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(2)クランプアースおよびフェルールの取付け
クランプアースは、母材鉄筋の端面から定められた位置(フェルールベ
ース分内側)に取付ける。フェルールは鉄筋径に合った適切な径のフェル
-ルを使用する。
フェルールの取付け
A
A 専用クランプアース
(3)溶接ガンの設置
突出し長さ等を調整した溶接ガンにスタッド鉄筋と専用フェルールを
装着し、目違い,曲がりが無いように設置し、溶接する。
アース +
鉄筋
フェルール
電
専用クランプアース
溶接ガン
源 -
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異形スタッド材の形状
突出し長さ 電源 -
溶接ガン 鉄筋
フェルール
(4)溶接条件
溶接条件は下表のとうりとする。
鉄筋径 溶接電流(A) 溶接時間(sec) 突出し長さ(mm)
D13 750~900 0.5~0.6 5.0~6.0
D16 1100~1300 0.6~0.7 6.0~7.0
D19 1300~1600 0.7~0.8 6.0~7.0
D22 1600~1900 0.9~1.1 6.0~7.0
(5)フェルール除去の時期
溶接部の自然冷却を待ち、フェルールを除去するものとする。
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(6)後熱
特に疲労を考慮する継手については後熱を実施する。
後熱装置
8.検査
8.1 外観検査
外観検査は、目視による全数検査とする。尚、基準値を超えるおそれの
あるものについてはゲージを用いて詳細検査を行う。
(1) 検査時期
溶接完了後速やかに行うものとする。
(2)外観検査基準
外観検査基準は下表の通りとする。
項目 測定方法 基準値
偏心 偏心ゲージ d≦D/10
角折れ 角折れ測定
ゲージ
h/L≦1/10
ビード形状 ビード
ゲージ
δ≦5mm
d
δ
L h
(3)不合格継手の処理
外観検査により不合格となった継手はグラインダ-を用いて切断し、
再溶接を行い、再検査を実施する。
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8.2 超音波探傷検査
(1) 検査時期
溶接完了後、自然冷却を待ち、フェルールを除去した後、速やかに行う
ものとする。
(2)検査担当者
JIS Z 3062-1988「鉄筋コンクリート用棒鋼ガス圧接部の超音波探傷試
験方法および判定基準」に準拠した有資格者が行う。
(3)継手の合否判定レベル
合否判定レベルは、基準レベルより24dB 感度を高めたレベルとする。
鉄筋リブ
鉄筋リブ
この透過パルスの高さを表示目盛りの 50%となるよう探傷器のゲイン
調整器を調整し、この調度を基準レベルとする。
(4)検査ロットの構成
1組の作業班ごとに継手数 100 箇所を1検査ロットとする。
(5)抜取数
1検査ロット当たり 30 箇所の抜取り検査とする。
尚、検査ロットの端数が 30 箇所以下の場合は全数検査とする。
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(6)ロットの合否判定
抜取検査した 30 箇所全てが合格の場合、当該ロットを合格とする。
不合格箇所数が1箇所でもあった場合、直ちに作業を中止し、欠陥の
発生原因を調査するとともに、そのロットの残り全数に対して超音波探
傷検査を行う。
8.3 不合格継手の処置
超音波探傷検査により不合格となった継手は、グラインダーを用いて切
断し、再溶接する。再溶接した箇所は外観検査および超音波探傷検査を行
う。再切断箇所は下図に示す箇所とする。
10mm 以上
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施主
施工者
(施工研究会会員会社)
スタッド材料手配 鉄筋工事会社
溶接前作業
:コンクリート切断,ハツリ
:既設鉄筋加工,研磨
溶接管理技術者
溶接作業者
:スタッド材
:既設鉄筋状態
:既設鉄筋断面状態
溶接作業者 溶接作業 再溶接手直し 再施工
溶接管理技術者
検査会社 超音波探傷検査技術者
検査記録
溶接管理技術者 施主報告・協議
完了
溶接前検査 No
溶接準備 確認
Ok
外観検査 No
超音波探傷 検査
判定 No
再加工,手直し
Ok
Ok
溶接作業と検査の標準フローチャート
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スカッドロック工法施工研究会
(事務局)
松尾エンジニヤリング株式会社
〒551-0023 大阪市大正区鶴町3丁目1番17号
TEL(06)6553-6550
FAX(06)6555-1539
(連絡先)
ダイヘンスタッド株式会社
〒532-0006 大阪市淀川区西三国4丁目3-31
TEL(06)6394-6180
FAX(06)6394-6210
松尾エンジニヤリング株式会社 東京支店
〒276-0047 千葉県八千代市吉橋1085番10号
TEL(047)459-1183
FAX(047)459-6036
2001.10.30 改定