液体クロマトグラフィー - Kanazawa...
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第2回 ゼミナール
液体クロマトグラフィー
2005/5/19
M1 佐光之法
液体クロマトグラフィーとは?
クロマトグラフィーとは、互いに混じり合わない二つの相(phase)、すなわち固定された相{固定相(stationary phase)}とそれと接しながら流動する相{移動相(mobile phase)}とで構成された系の中で、物質{溶質(solute)}を分離する方法である。 移動相に液体を用いた方法が液体クロマトグラフィー(liquid chromatography LC)である。
液体クロマトグラフィーの原理
分子間相互作用
強中弱
液体クロマトグラフィーの問題点• 移動相が重力により流されるので、カラム通過時間が非常に長い• カラム内で各成分が拡散してしまうので、分離効率が悪い• 成分の溶出と同時に検出することができない
• 分離効率をあげるためにカラム充填剤を用いて成分の拡散を抑制• 移動相を高速で流すために高圧ポンプを用いて、溶出する成分を検出器で同時に検出するシステムが開発
HPLCHigh Performance Liquid Chromatography
高速液体クロマトグラフィー
• 移動相が重力により流されるので、カラム通過時間が非常に長い• カラム内で各成分が拡散してしまうので、分離効率が悪い• 成分の溶出と同時に検出することができない
• 分離効率をあげるためにカラム充填剤を用いて成分の拡散を抑制• 移動相を高速で流すために高圧ポンプを用いて、溶出する成分を検出器で同時に検出するシステムが開発
HPLCHigh Performance Liquid Chromatography
高速液体クロマトグラフィー
HPLCの特徴<利点>• 移動相に溶ける試料であれば、低分子から生体高分子まで幅広い分離が短時間で可能
• ガスクロマトグラフィー(GC)では分離不可能な不揮発性物質(高分子化合物)の分離が可能
• 医薬品、生化学、化学工業、食品など広範囲にわたり分離、定性分析、定量分析の手段に応用
<欠点>• 溶媒を多量に使用する
• 一度に20μlまでしか分析できない
HPLCの基本構成
ポンプ
圧力計マニュアルインジェクタ UV検出器
クロマトグラフ
固定相
カラム槽溶媒フィルター
溶離液槽 廃液槽
移動相と固定相の選択
HPLCによる分離は固定相-試料成分の吸着だけでなく、固定相-移動相溶媒の吸着も競合する固定相-移動相溶媒の極性に大きな差が生じないと試料成分の分離が不完全になる
試料:極性物質固定相の極性>移動相の極性
試料:非極性物質固定相の極性<移動相の極性
順相
逆相
HPLCで使用される移動相、溶媒
選択基準
試料を溶解させ、反応性がない
粘度が低くカラムに負荷がかからない
極性、粘度が調整できるように他の溶媒との混和性がある
UV検出器での試料の検出波長において吸収が低い沸点が高く気泡が発生しにくい
引火性や爆発性、人体への有害性が低い
水系溶媒の粘度変化
1.8
HPLC有機溶媒の紫外吸収特性
UV測定範囲
溶媒のグレードについて(1)
メタノール アセトニトリル
溶媒のグレードについて(2)
酸化防止剤BHT
THF 100日後テトラヒドロフラン(THF)
HPLC用と試薬特級の比較
0.1以下5900 (3L)
0.05以下12400 (3L)
水分 (%) (as H2O)価格 (関東化学)
0.01以下0.001以下不揮発性成分 (%)
ー0.0005以下過酸化物 (%) (as H2O2)
0.01以下0.001以下酸 (%) (as CH3COOH)
99.0以上99.8以上含量(by GC) (%)
試薬特級HPLC用試薬グレード
アセトニトリル
水系混合溶媒の脱気水、メタノール混合溶液 発熱 溶存空気が気泡となって抜けやすい
水、アセトニトリル混合溶液 吸熱室温で暖められて気泡が発生
室温より10℃程高い温度に設定
HPLCで使用されるカラム材質ステンレス: 強酸不可PEEK: 耐酸性
充填剤
2~122~7pH
△◎耐圧
△◎分離能
ポリマー系シリカ系
低圧カラム充填方法
機械的に圧力をかけないオープンカラムを用いて、重力による自然落下で充填する方法
中圧カラム充填方法圧力を10~50 kg/cm2かけて充填する方法
中圧クロマトグラフィーシステム
高圧カラム充填方法圧力を40~50 kg/cm2かけて充填する方法市販のHPLC用カラムの90%以上を占める
ODSカラム
シリカゲル表面
シラノール基にODS化剤を結合する
Si
CH3
CH3
C18H37OCl
O-Si
O-SiCH3
CH3
CH3
CH3
極性が低く表面積が大きい
ODS充填剤表面で起きる相互作用
エンドキャッピング
二次シリル化
Si
CH3
CH3
CH3Cl