プログラム・抄録集 - miyazaki-u.ac.jp...学会参加の皆様へ 1.参加受付 ・ 12...

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第40回 九州IVR研究会 プログラム・抄録集 会期 平成 29 12 16 日(土) 会場 アクロス福岡 会長 平井 俊範 事務局:宮崎大学医学部 病態解析医学講座 放射線医学分野 889-1692 宮崎県宮崎市清武町木原 5200 TEL 0985-85-2807 FAX 0985-85-7172

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第40回 九州IVR研究会

プログラム・抄録集

会期 : 平成 29 年 12 月 16 日(土)

会場 : アクロス福岡

会長 : 平井 俊範

事務局:宮崎大学医学部 病態解析医学講座 放射線医学分野

〒889-1692 宮崎県宮崎市清武町木原 5200

TEL 0985-85-2807 FAX 0985-85-7172

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学会参加の皆様へ

1. 参加受付

・12月 16日(土)10時 30分より4階総合受付にて受付を開始致します。

・参加費と年会費の合計 2,000円をお支払いください。引き換えに名札兼領収書をお渡し

致しますので、所属・氏名をご記入の上、学会会場では常に名札を装着してください。

・受付時に出席証明書をお渡し致します。各人、記名をお願いします。

2.世話人会

12月 16 日(土)11時 30分より6階会議室 608号室にて開催します。世話人の先生方は

ご出席ください。

3.優秀発表表彰

・優秀発表(口演・ポスターを問わず)を世話人の先生方に選んで頂き、18時 00分より国

際会議場にて優秀発表の表彰式を行います。

・世話人会出席の先生方は、世話人会受付時に優秀発表投票用紙をお受け取り頂き、優秀発

表をご記入の上、17時までに総合受付にご提出を願います。

4.機器展示

4階ロビーにて展示いたしますのでご覧ください。

5.クローク

12月 16 日(土)9時 30分より 19時まで4階総合受付横に開設致します。

座長の先生方へ

1. 口演会場では担当セッション 10分前までに「次座長席」にご着席くださいますように、お願

い致します。

2.ポスター発表・討論では、開始 10分前までに会場にお越し頂きますようにお願い致します。

ご 案 内

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演者の皆様へ

1. 口演部門

1) 医師部門、コ・メディカル部門は 12月 16日(土)4階の国際会議場にて口演発表

を行います。医師部門は 12時 30分、コ・メディカル部門は 15時 30分より行います。

2) 発表形式は PCプレゼンテーションのみです。スクリーンおよびプロジェクターは1

台です。枚数制限はありませんが、時間内に発表が終了するようにご留意ください。

○ ビデオ(VHS ほか)・光学スライド・OHP はご利用頂けません。

○ ビデオクリップに関しては、Quick Timeまたは Media Player形式にて作成くだ

さい。

○ PCによる発表は、ご持参頂いたノートブック型パソコンを自ら操作して行って頂

きます。PCの信号出力が Dsub-15 ピン使用でない場合には、変換アダプターをご

準備ください。なお、発表時は AC電源アダプターをご使用ください。

○ 発表当日 11時より4階 PC受付にて動作確認の後、ご自身で会場内 PC預かり所に

お持ちください。PCをご返却するまで、預かり証を大切に保管ください。なお、

発表の 30分前までには受付をお済ませください。

○ 発表時のトラブルに備え、バックアップデータを CD-R もしくはフラッシュメモリ

ーに記録して、ご持参ください。

3) 発表割り当て時間は 7分(発表 5分、討論 2分)です。プログラムに演題ごとの割り

当て時間が記されていますのでご確認ください。

2.ポスター展示発表

1) 12 月 16日(土)12時より 18時 30分まで6階 606号室と 607 号室にて展示発表を行い

ます。発表・討論は 15時 30分より行います。

2) 発表当日 10時 30分より展示会場入口にてポスター展示受付を開始します。演題番号を

ご確認の上、12時までに所定の位置に展示してください。

3) ポスター展示用ボードの大きさは縦 210cm×横 90cmです。ポスター内に「タイトル」

「演者名」を含めてください。また、閲覧しやすいように、可能な限り高さ 150cm程度

で作成・展示してください。

4) ポスターの貼り付けには専用テープをご用意いたしますので、展示受付にて受け取りご

使用ください。

5) 発表割り当て時間は、7分(発表 5分、討論 2分)です。

6) ポスターの撤去は、18時 30分から 19時の間にお願いします。撤去時間を過ぎても撤去

されていないものは、事務局にて処分いたします。

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アクロス福岡

福岡市中央区天神1丁目1番1号 

TEL 092-725-9113

●福岡空港から天神まで地下鉄空港線で11分。

●JR博多駅から天神まで地下鉄空港線で5分。

●西鉄福岡天神駅から徒歩10分。

●地下鉄空港線天神駅から徒歩5分(16番出口)。

アクロス福岡ホームページより

会場周辺案内図

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総合受付クローク

国際会議場(口演)

PC受付

エスカレーター

EV

ドリンク

サービス

大会本部

606

ポスター会場 1

607

ポスター会場 2

エスカレーター

WC

608

世話人会会場

会場案内図

EV

4F 一般口演、特別講演、機器展示

6F ポスター展示、世話人会

預かり所

PC

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12:25~12:27開会式

19:00

10:30

18:30

15:00

15:30

16:00

16:30

18:00

13:00

17:00

13:10

13:30

14:00

14:30

14:40

ポスター展示

P1~P11

ポスター展示

P12~P21

11:00

11:30

12:00

12:30

17:00~18:00

特別講演

18:00~18:20優秀発表表彰・閉会式

17:30

18:30~19:00ポスター撤去

12:30~15:08

口演発表-医師部門-

セッション1~5

15:30~16:12

口演発表-コ・メディカル部門-

10:30~12:00

ポスター掲示

P12~P21

12:00~15:30

ポスター展示

P1~P11

12:00~15:30

ポスター展示

P12~P21

15:30~16:47

ポスター発表

P1~P11

15:30~16:40

ポスター発表

P12~P21

15:10~15:20総会

11:00~11:30世話人会受付

メイン会場4階 国際会議場

ポスター発表16階 606号室

ポスター発表26階 607号室

世話人会6階 608号室

10:30~12:00

ポスター掲示

P1~P11

11:30~12:15世話人会

       受付

   1.参加受付      10時30分から    2.PC受付      11時から

日 程 表

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17:00~18:00

4階 国際会議場

座長:宮崎大学医学部病態解析医学講座放射線医学分野

教授 平井 俊範

演題:「大腸癌転移に対する IVR」

兵庫医科大学 放射線医学教室

主任教授 山門 享一郎 先生

特 別 講 演

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2-5 VIABAHN stent graftを用いて総肝動脈血流の温存ができた,術後膵液瘻からの総肝動脈

仮性動脈瘤の1例 大分県立病院 放射線科 柏木 淳之

佐賀県医療センター好生館 放射線科 岸川  浩尚

種々の出血性イベントをIVRで乗り切った1症例

公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会附属病院 循環器内科 蘆田 欣也

子宮筋腫に対するembosphereを用いたUAEの検討

久留米大学医学部 放射線科 小金丸雅道

12:53 ~ 13:28

【セッション2】 座長 : 林 完勇 (鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 放射線診断治療学分野)

膵頭十二指腸切除術後出血に対するTAEの臨床評価についての検討

久留米大学医学部 放射線医学講座 久木山智子

出血性胃潰瘍に対し緊急塞栓術を施行した多発血管閉塞を伴う血管ベーチェット病の一例

産業医科大学病院 放射線科・放射線治療科 濱村 俊彦

門脈・下大静脈内腫瘍塞栓を伴う肝細胞癌に対するTACE/TAI/Bland-TAE combined withradiotherapy:当院における経験 産業医科大学病院 放射線科・放射線治療科 穴井 健太

肝細胞癌に対するミリプラチン使用バルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療法(B-TACE)治療成績

および予後予測因子に関する検討 九州大学病院別府病院 放射線科 平川 雅和

12:30 ~ 12:51

【セッション1】 座長 : 野尻 淳一 (佐賀大学医学部 放射線科)

大型肝細胞癌におけるBland TAEの治療成績:C-TACEとの比較

口演発表 - 医師部門 -4階 国際会議場 12:30 ~ 12:51 発表5分、討論2分

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VAIVT後3か月以内に再度PTAを行った症例の検討

青仁会池田病院 放射線科 宮川 勝也

総腸骨動脈慢性完全閉塞病変に対する経皮的血管形成術における心腔内超音波併用の有用

性の検討 大分大学医学部附属病院 放射線医学講座 大地 克樹

肺動脈と奇静脈に短絡を形成した肺分画症の一例

久留米大学医学部 放射線医学講座 久木山智子

肺動静脈瘻のvenous sac embolizationにおけるPenumbra Coilの有用性

長崎大学医学部 放射線科 大塚 哲洋

腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後Type2エンドリークに対する経動脈的塞栓術の中期成績

熊本大学 画像診断治療科 田村 吉高

14:10 ~ 14:38

【セッション4】 座長 : 我那覇文清 (沖縄県立南部医療センター 放射線科)

Type Ⅰa エンドリークに対し、perigraft approachによる塞栓と追加cuffにより治療した1例

長崎大学病院 放射線科 峯  聡美

EVAR後typeⅡenodoleakに対し経皮経腹的直接穿刺による塞栓術を施行した1例

九州大学大学院医学研究院 臨床放射線分野 高尾誠一朗

瘤遠位部に逆行性還流を伴う血栓閉塞性孤立性内腸骨動脈瘤に対して,ステントグラフト

内挿術後、順行性アプローチによる内腸骨動脈分枝塞栓および瘤内塞栓を施行した一例

大分大学医学部 放射線医学講座 亀井 律孝

BRTOで治療した骨盤内typeⅡAVMの1例

佐世保市総合医療センター 放射線科 赤司 沙織

13:30 ~ 14:05

【セッション3】 座長 : 牛島 泰宏 (九州大学 臨床放射線科)

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C-5

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九州大学病院 医療技術部 放射線部門 木下 絵美

頭頸部血管造影におけるIVR従事者の放射線防護の検討

産業医科大学病院 放射線部 藤本 啓司

逐次近似応用再構成がCT During Hepatic Arteriographyの血管描出能に及ぼす影響

九州大学病院 医療技術部 放射線部門 浜崎 洋志

患者入射皮膚線量表示システムと装置面積線量計の表示値比較

熊本大学医学部附属病院 医療技術部 診療放射線部門 桑原  聡

320列CTのHalf scanを用いたCT透視における術者被ばく低減のための基礎的検討

EVAR Guidanceの血管自動抽出機能精度と算出される腎動脈分離Working Angleの検討

鹿児島大学病院 臨床技術部 若松 重良

シャントVAIVTに対するグリッドレスの有用性

宗像水光会総合病院 放射線室 奥之薗祐一

大分大学医学部付属病院 放射線科 井手 里美

15:30 ~ 16:12

座長 : 平原 由美 (宮崎大学附属病院 放射線部)

進行・再発口腔癌に対する動注化学放射線療法の初期治療経験

琉球大学大学院医学研究科 放射線診断治療学講座 牧野  航

カテーテルアシストテクニックを用いて治療を行った前交通動脈破裂動脈瘤の1例

永冨脳神経外科病院 放射線科 徳山  耕平

解離性椎骨動脈瘤に対するLVISステント併用コイル塞栓術の初期経験

14:40 ~ 15:08

【セッション5】 座長 : 田上 秀一 (久留米大学 放射線科)

難治性肩関節痛に対する経動脈的塞栓術

久留米大学医学部 放射線医学講座 久原 麻子

口演発表 - コ ・ メディカル部門 -4階 国際会議場 15:30 ~ 16:12 発表5分、討論2分

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熊本赤十字病院 放射線科 猪山 裕治

Double catheter techniqueが有用であった総肝動脈偽性瘤の1例

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 放射線診断治療学分野 瀬之口輝寿

多発性嚢胞腎に対し血管内治療を行った1例

長崎大学病院 放射線科 鬼塚 浩徳

胆管金属ステント挿入に伴う右肝動脈損傷により胆道出血を来した1例

九州がんセンター 画像診断科 平木  嘉樹

脾動脈への穿通を伴った胃潰瘍に対する塞栓術の1例

国立病院機構長崎医療センター 放射線科 中武 美香

Ⅰb型脾損傷に遅発性脾動静脈瘻、脾静脈瘤を合併し、コイル塞栓術で治療した一例

エリスロポエチン(EPO)産生による赤血球増多症を合併した多発性嚢胞腎に対してTAEが奏功

した1例 福岡大学 放射線医学教室 納 彰伸

16:12 ~ 16:47

座長 : 石丸 英樹 (長崎大学病院 放射線科)

社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院 放射線科 堀上 謙作

吐血をきっかけに発見された腹腔動脈-脾動脈解離に対して塞栓術を施行した1例

福岡市民病院 放射線科 吉田 喜策

経動脈的塞栓術を施行した気管支蔓状血管腫の5例

熊本大学 画像診断治療科 宮脇 真理

福岡市民病院 放射線科 清澤恵理子

心房細動に対するカテーテルアブレーションに伴う穿刺部出血に対してコイル塞栓術を施行

した3例 佐賀県医療センター好生館 放射線科 菊池 嘉朋

偶然発見された左肺底動脈大動脈起始症に対し塞栓術を施行した一例

ポスター会場1 (6階 606号室)

15:30 ~ 16:12

座長 : 納 彰伸 (福岡大学 放射線医学教室)

右下横隔動脈造影で肺静脈が描出された1例

ポスター発表15:30 ~ 16:47 発表5分、討論2分

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Bland-TAE後にガス産生性肝膿瘍を合併した1例

佐賀大学 放射線科 武下  剛

術前舌癌患者の放射線治療と動注化学放射線治療の比較検討

都城医療センター 放射線科 新村 耕平

胃癌術後の難治性乳糜腹水に対してCTガイド下で左鼠径リンパ節を穿刺し,リンパ管造影を

施行した1例 宮崎県立宮崎病院 放射線科 福里 幸子

高度石灰化閉塞性動脈硬化症PTA時のガイディングシース抜去困難に対してバルーンカテー

テルが奏功した一例 沖縄県立中部病院 放射線科 東浦  渉

16:05 ~ 16:40

座長 : 中曽根 豊(熊本総合病院 放射線科)

弛緩出血に対するUAE後に広範な子宮虚血を来した1例

福岡大学医学部 放射線医学教室 光藤 利通

下腸間膜動脈が出血の責任血管であった産道裂傷の2例

沖縄県立中部病院 放射線科 北村 遼一

TACE後胆汁漏/胆道出血(下血)に対しCT drainage/塞栓術が奏功した肝細胞癌の1例

日本赤十字社長崎原爆病院 放射線科 松山 直弘

Ehlers - Danlos 症候群にて上腸間膜動脈解離を来たしIVRにて治療を行った1例

佐賀大学 放射線科 野尻 淳一

上腸間膜動脈塞栓症に対して緊急血栓溶解術を行った一例

琉球大学医学部附属病院 放射線科 渡口 真史

ポスター会場2 (6階 607号室)

15:30 ~ 16:05

座長 : 井手 里美 (大分大学医学部 放射線医学講座)

TAE後に再出血を来したSegmental Arteral Mediolysisの一例

南風病院 放射線科 藤崎 陽介

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第 40回九州 IVR研究会

抄 録

口 演

医師部門

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○濱村 俊彦1)(はまむらとしひこ)、村上 優1)、穴井 健太1)、竹下 洋平1)、

真崎 弘美1)、山口 晋平1)、二ツ矢浩一郎1)、掛田 伸吾1)、大成 宣弘1)、

原田 大2) 、興梠 征典1)

【目的】大型肝細胞癌におけるエンボスフィアを用いたBland TAEの治療効果を

検討した。【対象と方法】初発の大型肝細胞癌(>5cm)の初回治療にBland TAEを選択した11症例18手技とC-TACE12症例14手技の治療効果、肝予備能、合併症

を後方視的に比較検討した。【結果】平均腫瘍サイズはBland TAE群12.5cm、C-TACE群8.5cmであった。奏効率は両群間で有意差を認めなかった[Bland TAE群(91%:10/11) vs C-TACE群(66%:8/12)]。TAE症候群はBland TAE群で有意に少

なかった(61%:11/18 vs 93%:13/14, P=0.04)。肝予備能低下などその他の有害

事象は両群間で差はなかった。

【結論】大型肝細胞癌におけるBland TAEの治療効果はC-TACEと同等であり、

TAE症候群の発生頻度は少なかった。

1 - 1

1)産業医科大学病院 放射線科・放射線治療科

2)産業医科大学病院 第3内科

大型肝細胞癌におけるBland TAEの治療成績: C-TACEとの比較

○穴井 健太1) (あないけんた)、真崎 弘美1)、山口 晋平1)、二ツ矢浩一郎1)、

村上 優1)、掛田 伸吾1)、大成 宣弘1)、矢原 勝哉1)、大栗 隆行1)、

原田 大2)、興梠 征典1)

【目的】門脈または下大静脈内腫瘍塞栓を伴うHCCに対するTACE/TAI/B-TAEcombined with radiotherapyの治療成績を検討した。

【対象と方法】HCC with TT 17例 (PVTT12例、IVCTT3例、PVTT+IVCTT3例)

の治療成績、合併症を後方視的に検討した。

【結果】TACE/TAI/TAEの内訳はLip-TACE4例、Deb-TACE1例、TAI11例、B-TAE1例。平均線量は45.9Gy(30.6~60Gy)で、奏効率は10/17例(58.8%)であっ

た。Grade3(CTCAE ver.4.0)の有害事象を10/17例(58.8%)に認めた。

【結論】HCC with PVTT and/or IVCTTに対するTACE/TAI/B-TAE combined withradiotherapyは有効かつ有害事象も許容範囲と思われた。

1 - 2

1)産業医科大学病院 放射線科・放射線治療科

2)産業医科大学病院 第3内科

門脈・下大静脈内腫瘍塞栓を伴う肝細胞癌に対するTACE/TAI/Bland-TAE combined with radiotherapy:当院における経験

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○平川 雅和1)(ひらかわまさかず)、山之内寅彦2)、井上 昭宏2)、

鶴田 悟3)、酒井 浩徳3)、三森 功士4)

肝細胞癌に対するミリプラチン使用バルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療法(B-TACE)の治療成績と予後予測因子を報告する。対象はミリプラチン使用B-TACE施行した肝細胞癌症例42例。Overall survival (OS) およびProgression-free survival(PFS) および各予後予測因子を解析した。OS(中央値)は3.5年、PFS(中央値)は

8ヶ月であった。OSに関与する予後予測因子は、ECOG performance status 0の

みであった。PFSに関しては、単変量解析では、バルーン閉塞により腫瘍濃染増

強, PVTTなし、 4 tumors of 7cm criterion1以内、初回 TACEが関与していた

が、多変量解析では、有意な因子は確認できなかった。

結論:ミリプラチン使用B-TACEは、局所制御能は従来報告されているc-TACEと同等ではあるが、OSは、良好な可能性がある。

1 - 3

1)九州大学病院別府病院 放射線科 2)別府医療センター 放射線科

3)別府医療センター 消化器内科 4)九州大学病院別府病院 外科

肝細胞癌に対するミリプラチン使用バルーン閉塞下肝動脈化学塞栓療

法(B-TACE)治療成績および予後予測因子に関する検討

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○久木山智子 (くぎやまともこ)、小金丸雅道、久原 麻子、田上 秀一、

田中 法瑞、藤本 公則、安陪 等思

【目的】膵頭十二指腸切除術(PD)後出血のTAEの臨床因子と合併症についての後方視的検討。

【対象と方法】PD後出血に対しTAE 施行の22例が対象。TAE後死亡率と合併症について、因子

は年齢、性別、基礎疾患、責任血管、出血性ショックの有無、術前からTAE前までのHb値を検討

した。

【結果】Technical successは96%(21/22)、Clinical successは73%(16/22)。21患者は止血可能、うち

3人は再出血を認めた。死亡率は14%(3/22)。重篤な合併症は4人(肝不全(n=1)、肝膿瘍(n=3))。合併症例は胆管癌群(56%,5/9)が他疾患群(8%,1/13)と比べ有意に高く(p=0.023)、胆管

癌群では肝膿瘍(n=3)、肝不全(n=1)を多く認めた(p=0.029)。Hb減少値の死亡例(平均値

8.3mg/dL)は生存例(平均値 3.5mg/dL)に比べ優位に高い(P<0.01)。責任血管がGDA stump群

(1/7)は、他血管群(8/15)と比べ出血性ショック例が少なかった。GDA stumpが責任血管の症例は

全て救命できた。

【結論】PD後出血患者の予後や合併症は様々な因子に関連する。胆管癌、Hb低値、GDA stumpは予後に関与する因子であることが分かった。

2 - 1

久留米大学医学部 放射線医学講座

膵頭十二指腸切除術後出血に対するTAEの臨床評価についての検討

○岸川 浩尚1)(きしかわひろたか)、西原雄之介1)、安座間真也1)、

岡本 大佑1)、 三田村知佳1)、菊池 嘉朋1)、宮本 晃多1)、緒方 伸一2)、

岡  憲洋2)、相部 仁1)

症例は53歳男性、20年程前に他院で血管ベーチェット病と診断されていた。

突然の新鮮血吐血があり救急搬送された。CT検査で胃角部小彎側に陥凹性病変

を認め、右胃動脈が同部で不整に狭窄していた。また総肝動脈、上腸間膜動脈、

下腸間膜動脈は起始部で閉塞していた。上部消化管内視鏡検査でも胃角部小彎側

に露出血管を伴う潰瘍を認めた。バイタルは保たれており、血行動態の把握と可

能であれば責任血管を塞栓するために血管造影検査を行った。腹腔動脈造影で

は、脾動脈から膵周囲の血管が腹部臓器を栄養する経路として発達していた。左

胃動脈も拡張し右胃動脈を介し左肝動脈を栄養していたものの血流は遅滞してい

た。左胃動脈バルーン閉塞下造影も施行。脾動脈からの経路が腹部臓器の主な栄

養血流となっていると判断し、右胃動脈狭窄部の塞栓術を施行した。多発動脈閉

塞を伴い動脈塞栓の適応を熟慮した症例を経験したため若干の文献的考察を加え

て報告する。

2 - 2

1)佐賀県医療センター好生館 放射線科

2)佐賀県医療センター好生館 消化器内科

出血性胃潰瘍に対し緊急塞栓術を施行した多発血管閉塞を伴う血管

ベーチェット病の一例

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○蘆田 欣也1)(あしだきんや)、鯨岡 健1)、照屋 淳2)

症例は56歳の女性。膵嚢胞性腫瘍精査のため施行された超音波内視鏡検査中に十

二指腸憩室穿孔を併発し、緊急開腹手術を施行。しかし術後第4病日に突然の腹

痛とともにショック状態となり、高度の腹部膨満を伴っていたため血管造影を行

なったところ固有肝動脈瘤の破裂が確認された。GRAFTMASTER® 3本を留置し

て止血し得たが、第27病日に小腸出血によると思われる下血が見られた。その際

の血管造影では出血点を確認できなかったが、第35病日に再び下血し、造影CTで小腸出血が疑われた。血管造影で空結腸動脈からの出血を確認して止血術を施

行したが、敗血症状態が続く第45病日にも再度下血が見られた。その際は右結腸

動脈からの出血であったため同様に止血術を施行したが、その後も数回の下血発

作を繰り返した(いずれも自然止血)。これらの経緯から何らかの結合組織異常

症が疑われたが、遺伝子検査では有意な所見を得ることができなかった。現在は

全身状態も概ね回復し、社会復帰されている。

2 - 3

1)公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会附属病院 循環器内科

2)公益社団法人 北部地区医師会 北部地区医師会病院 外科

種々の出血性イベントをIVRで乗り切った1症例

○小金丸雅道1)(こがねまるまさみち)、津田 尚武2)、田上 秀一1)、

久原 麻子1)、久木山智子1)、田中 法瑞1)、牛嶋 公生2)、安陪 等思1)

【目的】子宮筋腫に対するembosphereを用いたUAEの検討【対象と方法】2016年11月か

ら7ヶ月間、MRIにて悪性所見のない有症候性子宮筋腫にUAEを施行した連続患者計12

例(34-53歳)を対象とした。全例子宮頸部と内膜細胞診にて悪性所見を認めず、感染所

見や挙児希望もなかった。塞栓の基本はhigh-flow microcatheterを子宮動脈上行枝に選択的

に挿入しembosphere (500-700μm/700-900μm)を用いて上行枝のflowが消失するまで塞栓

した。鎮痛剤はNSAIDsとモルヒネを使用した。【結果】塞栓術は全例で可能であった。

経過観察MRIは、塞栓後1, 3, 6, 12ヶ月後で予定した。12例中10例は症状改善を認

め、MRIにて筋腫内造影効果の消失と縮小を認めた。2例は月経痛、月経過多が継続。

この2例はITP合併例と巨大筋腫例であり、後者はUAE時造影剤使用過多のための不完

全塞栓例であった。手技による合併症は認めなかった。【結論】embosphereを用いた

UAEは有用な治療法であるが、合併する基礎疾患や、造影剤使用量を留意する必要があ

る。

2 - 4

1)久留米大学医学部 放射線科

2)久留米大学医学部 同婦人科

子宮筋腫に対するembosphereを用いたUAEの検討

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○柏木 淳之1)(かしわぎじゅんじ)、本郷 哲央2)、佐藤 晴佳1)、

小松 栄二1)、前田 徹1)、矢田 一宏3)、清末 一路2)、森 宣2)

はじめに:膵尾部切除後膵液瘻からの総肝動脈仮性動脈瘤に対し,stent graftを用いて肝

血流を温存できた症例を経験したので報告する.症例:74歳女性,子宮体癌術後,定期

followのCTにて膵体部癌が疑われ,2017年4月尾側膵切除,脾摘術を行われた.合併症

なく退院したが,6月のCTにて膵液瘻,総肝動脈仮性動脈瘤,門脈狭窄を認めた.肝血

流の温存が必要と思われ,stent graft留置術を企図した.術前から抗血小板剤2剤を投与

し,抗血小板作用を確認した.血管内治療:腹腔動脈造影にて総肝動脈仮性動脈瘤を確

認した.support wireを右肝動脈まで挿入し,balloon catheterにて総肝動脈を拡張しつつ,

6Fr. guiding sheathを固有肝動脈まで進め(balloon anchoring technique),総肝動脈に

VIABAHN 6mm×2.5cm stentを2本留置,後拡張を行い仮性瘤の消失を確認しました.

1ヶ月後のCTにてgraftの開存,膵液瘻の消失を確認した.まとめ:VIABAHN stent graftを用いて,総肝動脈の血流を温存しつつ仮性動脈瘤の治療ができた.外傷あるいは医原性

の血管損傷に対しての保険適応があり,今後の使用の拡大が見込まれる.

2 - 5

1)大分県立病院 放射線科

2)大分大学医学部 放射線医学講座

3)大分県立病院 外科

VIABAHN stent graftを用いて総肝動脈血流の温存ができた,術後膵

液瘻からの総肝動脈仮性動脈瘤の1例

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○亀井 律孝1)(かめいのりたか)、本郷 哲央1)、大地 克樹1)、

松本 俊郎1)、森 宣1)、川野まどか2)、和田 朋之2)、宮本 伸二2)

84歳男性.右総腸骨動脈から内腸骨動脈にかけて最大短経52mmの動脈瘤を認め

た.内腸骨動脈瘤内は大部分が血栓化していたが,瘤内遠位部から上殿動脈を主

とした末梢分枝は描出され,これらからの逆行性還流を受けており,根治的治療

の為には逆行性還流のコントロールが必要と考えた.側副路を経由した上殿動脈

への逆行性アプローチは困難が予想され,内腸骨動脈起始部から瘤内の血栓化領

域を順行性に通過して末梢分枝へアプローチする方法を選択した.しかし再開通

により順行性の血圧がかかり,破裂する危険性を考慮し,左側から4F カテーテ

ルをcross overで右内腸骨動脈起始部に留置した状態でステントグラフトを留置.

その後,留置カテーテルを用いて瘤内血栓部を3D overlay guideにて通過させ,

右内腸骨動脈分枝を選択し,コイルとNBCAで塞栓.瘤内もNBCAで塞栓を行っ

た.経過観察で瘤の増大を認めていない.

3 - 1

1)大分大学医学部 放射線医学講座

2)大分大学医学部 心臓血管外科学講座

瘤遠位部に逆行性還流を伴う血栓閉塞性孤立性内腸骨動脈瘤に対して,ステント

グラフト内挿術後、順行性アプローチによる内腸骨動脈分枝塞栓および瘤内塞栓

を施行した一例

〇赤司 沙織1)(あかしさおり)、石丸 英樹2)、川久保茉莉1)、城戸 康夫1)、

 犬塚 理子1)

症例は5年前に骨盤内動静脈奇形を偶然指摘されていた60代男性。無症候である

ことから経過観察となっていたが、5年後のCTで流出静脈瘤の増大を認めたた

め塞栓術を計画した。4DCTAでは右内腸骨動脈から複数のfeederが小さなvenoussacに集簇し、これが前述の拡大傾向の静脈瘤から右内腸骨静脈に流出しており

typeⅡAVMと判明した。まずは静脈瘤を経由してvenous sacのコイル塞栓を試みた

が、カテーテルをvenous sacに十分誘導できず断念し、BRTOへと方針を切り替え

た。流出静脈の蛇行くびれの部分でバルーン閉塞しBRTVを行うと静脈瘤や

venous sacに造影剤が良好に停滞した。5%EOI 15mlでBRTOを行い30分停滞させ

た後shuntが消失した。骨盤内typeⅡAVMに対してBRTOで効果的な塞栓を施行で

きたため、若干の文献的考察を加えて報告する。

3 - 2

1) 佐世保市総合医療センター 放射線科

2) 長崎大学病院 放射線科

BRTOで治療した骨盤内typeⅡAVMの1例

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○峯 聡美(みねさとみ)、鬼塚 浩徳、末吉 英純、坂本 一郎、上谷 雅孝

症例は80代男性。

約3年前、腹部大動脈瘤に対し、ステントグラフト(EndurantII)が留置されてい

た。経過観察のCTにて瘤拡大が見られ、Type Iaエンドリークが疑われた。

同エンドリーク修復のため、cuffの追加留置が計画された。血管造影ではTypeIaエンドリークは認めるものの血流はそれ程豊富ではなく、またステントグラフ

トのproximal neckのattachment siteよりType Iaエンドリーク部に4Fカテーテルお

よびマイクロカテーテルが挿入可能だったため、まずType Iaエンドリーク部流入

路をNBCA-Lpで塞栓した。その時点でエンドリークは消失したがさらにcuffの追

加留置を行った。その後の経過観察でType Iaエンドリークは消失している。

最近、perigraft approachによるステントグラフト留置後のエンドリーク修復の

報告が散見される。若干の文献的考察を含め報告する。

3 - 3

長崎大学病院 放射線科

Type Ⅰa エンドリークに対し、perigraft approachによる塞栓と追加

cuffにより治療した1例

○高尾誠一朗(たかおせいいちろう)、浅山 良樹、西江 昭弘、石神 康生、

牛島 泰宏、柿原 大輔、藤田 展宏、森田孝一郎、石松 慶祐、本田 浩

症例は80歳台男性,腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を施行され

た。術後2年の間に瘤の増大を認め、精査加療目的に入院となった。造影CTと造影エコーを用いた精査の結果、下腸間膜動脈と腰動脈が原因のtypeⅡendoleakと診

断された。下腸間膜動脈からの流入路は経動脈的にNBCA- Lipiodol(1:3)を用い

て塞栓した。しかし、腰動脈は内腸骨動脈からの細かな吻合枝を介して描出さ

れ、経動脈的塞栓は困難であり、経皮的直接穿刺にて治療する方針とした。

PTCD針を用いてCTガイド下に左腹部から経皮経腹的に直接瘤を穿刺しNBCA-Lipiodol(1:3)にて塞栓を施行した。手技時間は62分で手技に伴う合併症は認めな

かった。typeⅡendoleakの治療では一般的に経動脈的塞栓術が施行されることが多

いが、側副血行路の複雑さから高度な技術を要する事が多く、治療は容易でない

ことが多い。CTガイド下での直接穿刺による塞栓術は、消化管や主要血管を避

け安全かつ短時間にendoleakを塞栓することが可能と思われた。

3 - 4

九州大学大学院医学研究院 臨床放射線分野

EVAR後typeⅡenodoleakに対し経皮経腹的直接穿刺による塞栓術を

施行した1例

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○田村 吉高(たむら よしたか)、池田 理、江口 真裕、河中 功一、

山下 康行

目的:腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(EVAR)後のType2エン

ドリーク(EL)に対する経動脈的塞栓術(TAE)の中期治療成績について後方視

的に検討を行った。対象と方法:2010年4月より2017年6月の間、60例に対して

EVAR後Type2ELに対するTAEを行った。TAEの有用性と安全性を調査した。

結果:全例TAEは手技的成功が得られ、Type2EL残存による大動脈瘤破裂は認め

ていない(TAE後の平均観察期間は33.1ヶ月)。9例(15%)において、Type2EL再発に対して再TAEを行った。再TAE後の虚血と思われる下肢不全麻痺を呈した

1例において、開腹下直接穿刺による塞栓を要した。その他、Grade3以上の合

併症は認めなかった。結語:EVAR後のType2ELに対するTAEは、生命予後向上

につながる有用な治療と考えられる。

3 - 5

熊本大学 画像診断治療科

腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術後Type2エンドリークに対する

経動脈的塞栓術の中期成績

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○久木山智子 (くぎやまともこ)、小金丸雅道、田上 秀一、久原 麻子、

田中 法瑞、安陪 等思

症例は40歳代男性。腰痛の精査CTで偶発的に左肺に肺分画症を指摘された。CTで胸部下行大動脈から分画肺へ分岐する異常動脈を認め、同動脈の還流静脈は拡

張した奇静脈が疑われた。同所見から左-右短絡による右心負荷、肺高血圧症、

出血などのリスクが考えられたため塞栓術を行う方針とし、血管造影を行った。

異常動脈造影では異常動脈と奇静脈に短絡所見は認められなかった。このため肺

動脈造影を施行、左肺動脈と奇静脈に多数の短絡が確認された。血行動態は左肺

動脈と奇静脈の右-右短絡であった。本症例は比較的若年であり、短絡残存によ

る肺機能不良化を含めた今後の合併症を考慮し、塞栓術を施行した。肺分画症で

同症例の如く短絡を形成する例はまれであり、文献的考察を交えて報告する。

4 - 1

久留米大学医学部 放射線医学講座

肺動脈と奇静脈に短絡を形成した肺分画症の一例

◯大塚 哲洋(おおつかてつひろ)、石丸 英樹、末吉 英純、坂本 一郎、

上谷 雅孝

肺動静脈瘻(PAVF)に対する塞栓術において近年venous sac embolization(VSE)で再開

通率が低いとの報告がある。VSEを行うためには高い塞栓率(Volume EmbolizationRate:VER)が望ましいと思われるが、拡張したsacの塞栓には大量のコイルを要する。

Penumbra Coilは1次コイル径が0.020inchと太い割に柔軟で畳み込みやすく、コイル長が

長いこともあり高いVERを稼ぎやすいと考えられる。2011年~2017年までにVSEを施行

したPAVF13例17病変を対象とし、Penumbra Coilによる治療群(P群)8病変と他coilによる治療群(O群)9病変でVER(総コイル体積/PAVF体積と定義)、使用したコイル

の費用、手技時間を比較検討した。VERはP群38.0%でO群の19.0%よりも有意に高く、コ

イルの費用では両者に有意差はなく、手技時間はP群で有意に長かった。Penumbraコイ

ルを用いたVSEは高いVERを得やすく、PAVFの治療成績に良好な結果をもたらす可能性

がある。

4 - 2

長崎大学医学部 放射線科

肺動静脈瘻のvenous sac embolizationにおけるPenumbra Coilの有用

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◯宮川 勝也(みやがわかつや)

【はじめに】VAIVTは2012年度の診療報酬改定により経皮的シャント拡張術・血

栓除去術が新設され、点数も他の血管内治療に近い点数で算定されるようになっ

た。ただし3か月に1回に限り算定できるとなっている。しかし3か月以内でも

再度PTAを行い、その後問題ない症例も経験する。

【目的】当院にて3か月以内に施行したVAIVT症例について後ろ向きに調査し、

傾向と今後の対策について検討する。【対象と方法】対象は2012年4月から2016

年12月まで当院で行なったVAIVT718例中、3か月以内に再度PTAを施行した38

例。再度のPTAまでの日数、病態、治療と予後について検討した。

【結果】3か月以内に施行したVAIVT症例の頻度は7.2%(52/718)、その後問題

なく3ヶ月以上透析ができた症例は26例(68.4%)であった。CBPTAを行った場

合予後のよい症例が多かった。病態で予後の差はみられなかった。

【結語】十分な拡張を得ることが長期開存につながる。

4 - 3

青仁会池田病院 放射線科

VAIVT後3か月以内に再度PTAを行った症例の検討

○大地 克樹(おおぢかつき)、本郷 哲央、亀井 律孝、清末 一路、

松本 俊郎、森 宣

総腸骨動脈の慢性完全閉塞病変 (CTO)に対する経皮的血管形成術(PTA)で

は,ガイドワイヤーが腸骨動脈や大動脈血管外を走行し,腸骨動脈破裂や大動脈

解離など重篤な病態につながる危険性がある.治療中に血管内超音波でガイドワ

イヤーの走行部位を確認する必要があるが,一度ガイドワイヤーと超音波プロー

ブを通過させる必要があった.我々は安全性を向上させるため,大腿静脈から挿

入した心腔用超音波にて病変部の観察を行いながら施行しており,今回その成績

を報告する.総腸骨動脈CTO病変に対し心腔用超音波を併用しPTAを施行した6

例を対象とした.大腿静脈から挿入した心腔用超音波で病変部の観察を行いなが

ら病変へアプローチした.5例で病変の通過に成功しPTAが可能であった.全例

において術中解離など血管損傷や後腹膜への出血の合併は認めなかった.

総腸骨動脈CTO病変に対するPTAにおいて,心腔用超音波の併用は安全性を向

上させる有効な手段であると思われた.

4 - 4

大分大学医学部附属病院 放射線医学講座

総腸骨動脈慢性完全閉塞病変に対する経皮的血管形成術における心腔

内超音波併用の有用性の検討

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〇久原 麻子1)(くはらあさこ)、小金丸雅道1)、久木山智子1)、田上 秀一1)、

 田中 法瑞1)、奥野 祐次2)3)、安陪 等思1)

【目的】難治性肩関節痛に対するIPM/CSを用いた経動脈的塞栓術 (TAME) の有

効性評価。【対象と方法】TAMEを施行し6ヶ月間経過観察可能であった13例を

前向きに検討した。適応は保存的治療抵抗性かつ三ヶ月以上継続する中等度〜重

度の肩関節痛、MRIで肩関節周囲炎または手術適応のない有痛性腱板断裂がある

患者。外科的治療適応例や肩関節術後例は除外した。TAME術前及び術後1,3,

6ヵ月における疼痛NRSスコア、関節可動域、機能スコアを評価した。明らかな

疼痛の改善はNRSで50%以下ないしNRSの2以上の低下と定義した。【結果】明

らかな夜間疼痛の改善は、術後1,3,6ヵ月で83%、83%、92%であった。術前

に7.5であった平均夜間痛NRSは術後1,3,6ヵ月で3.5、2.8、1.8、術前時平均

86.3度であった前方挙上域は131.4度、1451.3度、156.7度と改善した。手技によ

る合併症は認めなかった。【結論】TAMEにより一定の割合で除痛効果が確認さ

れた。今後症例を蓄積し、長期経過観察の必要性がある。

5 - 1

1) 久留米大学医学部 放射線医学講座

2) オクノクリニック

3) 江戸川病院 運動器カテーテルセンター

難治性肩関節痛に対する経動脈的塞栓術

〇牧野 航(まきのわたる)、平安名常一、渡口 真史、有賀 拓郎、

 椎名 秀樹、草田 武朗、安座間喜明、伊良波裕子、村山 貞之

[目的] 進行・再発口腔癌に対し動注化学放射線療法を2013年より導入し、その

治療成績を検討したので報告する。[対象と方法] 2013年9月~2017年8月まで

に本治療を行った7例を対象とした。男性3例、女性4例。年齢は39歳~89歳

(平均74.3歳)。病期はⅣA:5例、再発:2例であった。動注療法は放射線治

療(36-70㏉)と同時に開始し、抗癌剤はCDGP+DTX、低腎機能症例はCBDCAを

用いた。[結果]動注化学放射線療法は全例で完遂した。観察期間は5か月~47か

月(中央値:6.8か月)で治療効果はCR:6例、PR:1例であった。有害事象と

して白血球減少症(G4が1例、G3が1例)、血小板減少症(G4が1例、G3が

1例)、皮膚炎(G3が1例)、口内炎(G3が2例)が見られた。ほか開口障害が

1例で見られた。手技的合併症は見られなかった。

[結論] 本治療は安全に施行することが可能で、良好な局所制御およびQOLの維

持が得られるものと思われた。

5 - 2

琉球大学大学院医学研究科 放射線診断治療学講座

進行・再発口腔癌に対する動注化学放射線療法の初期治療経験

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○徳山 耕平1)(とくやまこうへい)、堀 雄三1)、清末 一路2)、森 宣2)

症例は58歳、女性。突然の頭痛・嘔吐を主訴に当院へ救急搬送された。前交通動

脈瘤の破裂によるクモ膜下出血を認めたため、血管内治療を行った。瘤のサイズ

は2.8×1.7×3mm、neckは1.1mmでnarrow neckであった。右内頚動脈からアプ

ローチしてダブルカテーテルテクニックで治療を開始した。1本のマイクロカ

テーテルを瘤のneckに留置し、もう1本のマイクロカテーテルは待機させてコイ

ル塞栓を行ったが、マイクロカテーテルがキックバックするため塞栓は困難で

あった。そこで、待機させておいたマイクロカテーテルを右A1から左A2へ誘

導したところ、右A1の分岐が緩やかになり、さらにマイクロカテーテルのキッ

クバックも押さえらることができ、瘤内塞栓を完遂できた。手技関連の合併症は

認めず、1ヶ月後の血管造影では瘤の消失を認めた。マイクロカテーテルアシス

トテクニックは治療に有用であった。

5 - 3

1) 永冨脳神経外科病院 放射線科

2) 大分大学臨床医学系 放射線医学講座

カテーテルアシストテクニックを用いて治療を行った前交通動脈破裂

動脈瘤の1例

〇井手 里美1)(いでさとみ)、清末 一路1)、島田 隆一1)、久保 毅2)、

久光 慶紀2)、田上 秀一3)、堀 雄三4)、徳山 耕平4)、森 宣1)

【背景】LVISステント(LVIS)はメッシュ構造による整流効果が期待されるが解離性椎骨

動脈瘤(VADA)に対する安全性・有効性は確立されていない.VADAに対するLVIS併用コイル塞栓術の初期成績について検討を行う.【方法】対象は2016年12月以降にLVIS

を用いて治療を行ったVADA5例(全例男性,平均48.2歳)で,症状はSAH4例,頭痛1例

であった.病変の局在はPICA分岐の近位 2例,遠位 2例,AICA-PICA typeが1例で,4

例で対側VAが低形成であった.全例で手技前から抗血小板剤を投与した.【結果】使用

ステントはLVIS Blue1例,LVIS Jr4例で,全例で目的部位に留置でき,母血管,前脊

髄動脈は温存され,周術期合併症は認めなかった.FollowのMRAで解離腔増大を2例に

認め,追加治療を要した.術後mRS0-1 4例,mRS2 1例と転機は良好で,観察中に

LVISの閉塞,再破裂は認めなかった.【結語】VADAにおいて,LVIS併用コイル塞栓術

は安全かつ有効な治療法と考えられる.再発や再出血のリスクを考慮し,厳重なfollow upが必要である.

5 - 4

1) 大分大学医学部付属病院 放射線科 2) 大分大学医学部附属病院 脳神経外科

3) 久留米大学医学部付属病院 放射線科 4) 永富脳神経外科病院 放射線科

解離性椎骨動脈瘤に対するLVISステント併用コイル塞栓術の初期経

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第 40回九州 IVR研究会

抄 録

口 演

コ・メディカル部門

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○若松 重良(わかまつしげよし)、末永 浩一、川原 浩、坂下周一郎、

山下 貴大、西郷 康正

【目的】当院では2017年4月よりHybrid OR環境下で腹部大動脈ステント留置術が開始された。同

時に新しい術中支援アプリケーションsyngo EVAR Guidanceが搭載され1クリックで主要血管(大

動脈、左右腎動脈、左右総腸骨動脈)の抽出、腎動脈分離角度の算出が可能となった。しかし症例

に依存し自動抽出が最適化されない事もあり、各症例での血管抽出率と算出された角度の傾向の

把握を目的とした。【方法】当院で術前CTを撮影し、腹部大動脈ステント留置術を実施した患者

のCTデータを用いて血管抽出をスコアリングした。主要血管5本の抽出ができていれば5点と

し、抽出できない血管があった際は減点方式を採用した。腎動脈のWorking Angleについては後向

きに検討を行い術前の設定角度との比較を行った。【結果】大動脈瘤症例については平均3.5点、

大動脈解離症例については平均2点であった。腎動脈分離角度については平均で+10度の差異が

ある結果となった。【結論】EVAR Guidance使用時は必要に応じて血管の追加機能を使用する必

要がある。腎動脈分離角度は大きくでる傾向にあり、移動式C-armより可動範が広くなった事が

要因と考える。

C - 1

鹿児島大学病院 臨床技術部

EVAR Guidanceの血管自動抽出機能精度と算出される腎動脈分離

Working Angleの検討

〇奥之薗祐一(おくのぞのゆういち)、長谷 幸宜、寺園 将、前田 康太、

小方 優典

(背景・目的)シャントVAIVTにおいて、手技上FPDを近づけることができない

こともあるため、被ばく線量が増加傾向であった。そこでFPDを離した状態での

被ばく線量の低減を図るため、グリッドレス下における画質と線量の評価を行っ

たので報告する。

(方法)1. 自作疑似血管を作成し、グリッドの有無とSIDを変化させた状態で

の透視と撮影を行う。2.1の結果を用いて物理評価、視覚的評価を行う。

(結果)SIDを近づけたグリッド(+)よりもSIDを離したグリッド(-)の方が線量は

低い結果となり、画質の低下も臨床上問題ないことが分かった。

(考察)シャントVAIVTにおいて、被ばく線量低減の観点からグリッドレスが有

用であると言える。

C - 2

宗像水光会総合病院 放射線室

シャントVAIVTに対するグリッドレスの有用性

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◯浜崎 洋志(はまさきひろし)、白坂 崇、小島 宰、赤嶺 寛地、

小川 和久、梅津 芳幸

肝動脈化学塞栓療法などのIVRでは,CTHAを用いることで血管の識別が容易と

なる.そこで今回はHybrid IRによる高コントラスト分解能の向上を目的とした.

楕円形のアダプタを装着したCatphan CTP600を320列MDCTにて撮影し,診療放

射線技師5名で視覚評価を行った.画像再構成はFBPとHybrid IRの2種類とし

た.高コントラスト分解能は5段階評価で行った.低コントラスト検出能は2通

りの管電流で撮影し,コントラスト1.0%モジュールの検出限界径を評価した.

高コントラスト分解能はHybrid IRで高かった(Hybrid IR: 4.0 vs FBP: 3.1).低

コントラスト検出能はHybrid IRの2通りの管電流でΦ5 mmのモジュールを検出で

きた.

以上より,Hybrid IRを用いるとFBPと比べ高コントラスト分解能が向上し,さら

に線量低減も可能である.

C - 3

九州大学病院 医療技術部 放射線部門

逐次近似応用再構成がCT During Hepatic Arteriographyの血管描出能

に及ぼす影響

○桑原 聡(くわはらさとし)1)、尾野 倫章1)、福田 正悟1)、

栃原 秀一1)、羽手村昌宏1) 、池田 理2)、山下 康行2)

背景:当院の血管撮影装置には、患者入射皮膚線量表示システム:Dose Tracking System(DTS)が附帯されている。目的:DTSの基礎的検討を行う

方法:(1)水等価ファントムと電離箱線量計を用いて、管電圧、ビームフィルター、イン

チサイズ、テーブル高、焦点-FPD間距離(SID)を変化させDTSとの線量率比較を行った。

(2)ガラス線量計を人体ファントムの皮膚表面に配置し投影角度を変化させ線量測定を行

い、装置面積線量計、DTSとの比較を行った。

結果:(1)管電圧やビームフィルター、インチサイズ、テーブル高、SIDにおけるDTSと電離箱線量計の線量率の差は10%以内であった。(2)ガラス線量計の測定値とDTSの表示

値に有意な差は認められなかった。また、測定値とDTSの表示値において面積線量計の

表示値と差異を認めた。

結語:DTSの表示値は実測値と同等の値を示したが、面積線量計値とは差異が見られ

た。装置面積線量計の表示値を用いた放射線皮膚障害のリスク把握は、投影角度等の条

件に注意して行うことが必要である。

C - 4

1)熊本大学医学部附属病院 医療技術部 診療放射線部門

2)熊本大学大学院生命科学研究部 放射線診断学分野

患者入射皮膚線量表示システムと装置面積線量計の表示値比較

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◯木下 絵美(きのしたえみ)、宮崎 仁志、小川 和久、小宮 勲、

梅津 芳幸

【背景】近年,CT透視ガイド下における検査・治療が増加傾向にあり,術者の

被ばくが問題である.

【目的】IVR-CTに搭載されたHalf scanを用いて,CT透視下における術者位置で

の散乱線量低減効果を評価した.

【方法】術者の立ち位置にて,電離箱式サーベイメータを用いて高さ100,130,160cmの3点の散乱線量を測定した.また,スキャン中心から15cm尾側方向に簡易プ

ロテクタを設置し,プロテクタによる散乱線量の低減率を求めた.スキャン中心

から尾側方向15cmを術者の鉗子保持位置とし,蛍光ガラス線量計を用いて散乱線

量を測定した.

【結果】術者立ち位置(患者右側)では,スキャン位置135°(4時半方向),

90°(3時方向),術者の鉗子保持位置では,スキャン位置135°(4時半方向)

で,線量が少ない傾向であった.簡易プロテクタを使用すると,散乱線量の低減

率は,18%~86%であった.

C - 5

九州大学病院 医療技術部 放射線部門

320列CTのHalf scanを用いたCT透視における術者被ばく低減のため

の基礎的検討

◯藤本 啓司1)(ふじもとけいじ) 、二神恵津朗1)、中上 晃一1)、

二ツ矢浩一郎2)、村上 優2)、山口 晋平2)、真崎 弘美2)、掛田 伸吾2)、

大成 宣弘2)、興梠 征典2)

【目的】IVR従事者の被ばくの主な原因は, 被検者と可動絞り器から発生する散

乱線である. 我々は第37回九州IVR研究会において, 可動絞り器から発生する散

乱線の低減が可能な鉛マスクの報告をした. 今回, 頭頸部血管造影時に被検者か

ら発生する散乱線を低減する防護具を考案したので報告する. 【方法】被検者の

前面および側面を放射線遮蔽用含鉛ゴムシートで覆うようにし, 被検者から発生

する散乱線を低減する防護具を作成した. 電離箱サーベイメータを用い, 脳血管

撮影時に放射線防護具有無の条件下で散乱線を測定し, 散乱線低減率を求めた.

放射線防護具と防護衝立併用時の散乱線低減率を求めた.【結果】散乱線は放射線

防護具を使用した場合, 未使用時と比較し約35%~60%に低減された. また, 防護

具と防護衝立を併用することで散乱線は60%~80%に低減された.【結語】今回, 考案した放射線防護具を使用することでIVR従事者の被ばくを低

減することが可能である.

C - 6

1)産業医科大学病院 放射線部

2)産業医科大学 放射線科

頭頸部血管造影におけるIVR従事者の放射線防護の検討

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第 40回九州 IVR研究会

抄 録

ポスター

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〇清澤恵理子1)(きよさわえりこ)、吉田 喜策1)、前村 大将1) 、

 眞鍋 裕介1)、上田 哲弘2)、小柳 年正2)

症例は80代男性。5年前よりHCCにてTACEを繰り返している。今回、右下横隔

動脈造影にて右肺静脈の分枝が描出された。右下横隔動脈は複数回のTACEによ

り肝動脈が狭小化してくると造影する必要性が高くなる肝外血管である。しかし

胸膜癒着がある場合には肺動脈や肺静脈が描出される場合もあり注意が必要で、

下横隔動脈塞栓によって横隔膜麻痺、肺塞栓、脳梗塞などを起こす合併症が報告

されている。肺動脈描出には時々遭遇するが肺静脈の描出は稀と思われ、文献的

考察を加えて報告する。

P - 1

1)福岡市民病院 放射線科

2)福岡市民病院 肝臓内科

右下横隔動脈造影で肺静脈が描出された1例

〇菊池 嘉朋1)(きくちよしとも)、西原雄之介1)、安座間真也1)、岡本 大佑1)、

三田村知佳1)、宮本 晃多1)、岸川 浩尚1)、相部 仁1)、山口 尊則2) 、

 江島 健一2)

当院では心房細動に対するカテーテルアブレーションの際には右大腿静脈の鼠径

溝に11.5Fr、さらに1cm下方に10Fr、左大腿静脈に10Frのシースセットを挿入

し、ヘパリン投与によりACT350前後を維持しながら治療を施行している。今

回、アブレーション治療後に発生した仮性動脈瘤3例(外陰部動脈2例、内側大

腿回旋動脈1例)を経験した。術後2-7日後にCTで右鼠径部の血腫と仮性動脈

瘤を認めたため、コイル塞栓術を施行した。外陰部動脈は一般的に浅腹壁動脈と

浅腸骨回旋動脈の末梢側で大腿動脈より分岐し、大腿静脈の腹側または背側を内

側へ走行し外陰部に至る。さらに末梢側の深大腿動脈から内側大腿回旋動脈は分

岐する。大腿静脈穿刺に伴う外陰部動脈、内側大腿回旋動脈損傷の合併は稀であ

り、若干の文献的考察を加えて報告する。

P - 2

1)佐賀県医療センター好生館 放射線科

2)佐賀県医療センター好生館 循環器内科

心房細動に対するカテーテルアブレーションに伴う穿刺部出血に対し

てコイル塞栓術を施行した3例

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〇堀上 謙作1)(ほりかみけんさく)、末吉 真1)、平尾 幸一1)、中路 俊2)、

村上 健2)、谷口真一郎2)、坂本 一郎3)

症例は50代女性。交通外傷で入院した際のCTで左肺底動脈大動脈起始症を診

断された。後日精査目的で当院に紹介され経過観察となった。その後、喀血が数

回あり加療する方針となった。

 左気管支動脈造影で左肺下葉の肺動脈描出を確認後に左肺低区域動脈に対して

コイル塞栓を行った。塞栓後の左気管支動脈造影で左下葉肺動脈から肺静脈への

還流を認めている。

 術後経過は良好で、その後1年以上喀血も認めていない。

 左肺底動脈大動脈起始症は稀な疾患であり、貴重な加療の経験を得たので若干

の文献を加え報告する。

P - 3

1)社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院 放射線科

2)社会医療法人財団白十字会 佐世保中央病院 消化器内視鏡科

3)長崎大学病院 放射線科

偶然発見された左肺底動脈大動脈起始症に対し塞栓術を施行した一例

○吉田 喜策1)(よしだきさく)、清澤恵理子1)、眞鍋 裕介1)、前村 大将1)、

家守 章子2)、但馬 祐季2)、野田英一郎2)

症例は40歳台男性,突然の500mlの吐血にて当院救急外来に搬送された。単純CTで胃内に血液と、その後方に拡張した血管が見られた。造影CTでは拡張した血

管は腹腔動脈から脾動脈の解離で、真腔は同定できず、偽腔は著明に拡張してい

た。脾動脈解離の胃への穿孔と考え,緊急塞栓術を施行した。塞栓にはコイルと

NBCAを使用した。偽腔の血流は消失し,脾梗塞は小範囲にとどまった。その後

のfollowでは,偽腔の再開通はなく,また胸腹部の他の血管に明らかな動脈瘤や

解離はなかった。

P - 4

1) 福岡市民病院 放射線科

2) 福岡市民病院 救急科

吐血をきっかけに発見された腹腔動脈-脾動脈解離に対して塞栓術を

施行した1例

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○宮脇 真理(みやわきまり)、田村 吉高、池田 理、江口 真裕、

河中 功一、山下 康行

目的:気管支蔓状血管腫に対して経動脈的塞栓術を施行した5例について、若干

の文献的考察を加えて報告する。対象と方法: 2017年6月までに経験した6例

の基礎肺疾患のない気管支蔓状血管腫のうち、有症状(血痰/喀血)、もしくは

嚢状瘤を伴う5例に対して経動脈的塞栓術(TAE)を行った。男性2例女性3

例、平均年齢は62.6歳であった。手技の有用性と安全性について、後方視的に検

討を行った。結果:嚢状瘤を伴うものが4例、肺動脈との交通を伴うものが3例

であった。全例コイルを用いた塞栓術を行い、手技的成功が得られた。2例で

NBCAを併用した。4例では再発が見られていないが、1例において再発に対し

て計5回の塞栓術を行った(最終TAE)後の平均経過観察期間は35.6ヶ月)。手

技に伴う合併症は認めていない。結語:症候性気管支蔓状血管腫に対する経動脈

的塞栓術は有効な治療法と考えられる。

P - 5

熊本大学 画像診断治療科

経動脈的塞栓術を施行した気管支蔓状血管腫の5例

○納 彰伸(おさめあきのぶ)、髙良 真一、光藤 利通、吉満 研吾

腫瘍随伴症候群としての多血症は,EPO異所性産生が関与しており、EPO産生腫

瘍は肝細胞癌や腎細胞癌,血管芽腫,褐色細胞腫,子宮筋腫などが知られている

が,多発性嚢胞腎での報告は極めて稀である。今回我々はEPO産生による赤血球

増多症を合併した多発性嚢胞腎に対して施行した腎動脈塞栓術が奏功した1例を

経験したので報告する。

P - 6

福岡大学 放射線医学教室

エリスロポエチン(EPO)産生による赤血球増多症を合併した多発性

嚢胞腎に対してTAEが奏功した1例

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○平木 嘉樹1)(ひらきよしき)、 久保雄一郎1)、 菊池由生子1)、

染原有希子1)、 甲斐 聖広1)、 陣内三佳子1)、 澤本 博史1)、

永塩 美邦2)、 篠﨑 賢治1)

症例は60代男性。膵頭部癌多発肝転移・リンパ節転移に対し化学療法中、病変の

進行による胆管狭窄を来し、胆管金属ステント留置を施行された。その1ヶ月半

後吐血を来し、上部消化管内視鏡検査施行するも出血源の同定に至らなかった。

翌日再び大量吐血を来しショックとなった。緊急造影CT検査を施行し、十二指

腸下行脚への造影剤漏出像を認め、動脈性出血の所見であった。緊急血管造影検

査を施行。腹腔動脈造影で右肝動脈の胆管ステント上端に重なる部位から胆管金

属ステント内への造影剤外漏出像を認め、胆管金属ステントの物理的刺激に伴う

右肝動脈損傷を原因とした胆道出血が疑われた。右肝動脈塞栓術施行し、以後出

血や貧血の進行なく経過した。胆管金属ステントは悪性胆道閉塞に対し頻繁に用

いられ、様々な有害事象が知られているが、比較的稀である肝動脈損傷による胆

道出血の一例を経験したので、若干の文献的考察を加えて発表する。

P - 7

1) 九州がんセンター 画像診断科

2) 九州がんセンター 消化器・肝胆膵内科

胆管金属ステント挿入に伴う右肝動脈損傷により胆道出血を来した1

○中武 美香1)(なかたけみか)、牧野 謙二1)、長山 拓希1)、

溝脇 貴志1)、宮崎 敦史1)、藤本 俊史1)、御手洗和範2)、峯 聡美3)

【現病歴】症例は80歳代男性。受診1ヶ月前から腰痛のため非ステロイド抗炎症

薬を処方されていた。吐血があり当院に救急搬送された。上部消化管内視鏡検査

で胃角~胃体部後壁より動脈性出血を認め内視鏡で止血困難であった。内視鏡中

にCPAとなり、蘇生後当科にTAEが依頼された。

【治療・経過】腹腔動脈造影で脾動脈から胃内への造影剤血管外漏出を認めた。

脾動脈の破綻部から近位部にかけてNBCAで塞栓した。同日深夜に再度CPAと

なった。再出血を疑い再度血管造影を行うと、脾動脈は開存しており胃内への出

血を認めたため、脾動脈の破綻部をコイル塞栓した。その後の内視鏡で胃の病変

は良性の消化性潰瘍と診断され、胃内から塞栓に使用された金属コイルが観察さ

れた。

【結語】穿通性胃潰瘍により脾動脈から出血をきたすことはまれであるが、大量

の出血をきたし致死的となり得る。NBCAによる塞栓後に再開通が見られ、注意

深い経過観察が必要と考えられた。

P - 8

1)国立病院機構長崎医療センター 放射線科

2)長崎みなとメディカルセンター 放射線科

3)長崎大学病院 放射線科

脾動脈への穿通を伴った胃潰瘍に対する塞栓術の1例

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〇猪山 裕治1)(いやま ゆうじ)、中島 康也2)、菊池 拓紀1)、

 山村 定弘1)、林田 英里1)、横山 公一1)、菅原 丈志1)、山下 康行3)

症例は11歳女児。自転車走行中の転倒にて受傷し、同日救急搬送された。造影

CTを撮影し、脾損傷と思われる増強不良域を認めた。被膜の連続性は保たれて

おり(脾損傷Ⅰb型)、血管外漏出像や血性腹水はなく、経過観察となった。第10

病日の超音波検査で脾損傷部近傍に血流信号を伴う9mm大の低エコー結節が出現

し、遅発性仮性動脈瘤が疑われた。厳重に経過観察するも縮小せず、破裂の可能

性を考慮して第26病日に血管造影、塞栓術の方針とした。血管造影で脾動静脈瘻

を認め、脾損傷部近傍の仮性動脈瘤が疑われた濃染像は脾静脈瘤と判明した。マ

イクロカテーテルを脾動脈分枝からfistulaを通過して静脈瘤内に誘導し、静脈瘤

内から中枢側にかけて離脱式コイルによる塞栓術を施行した。塞栓後の造影で脾

動静脈瘻、脾静脈瘤の描出は認めず、治療終了とした。脾損傷に遅発性脾動静脈

瘻、脾静脈瘤を合併した報告は少なく、文献的考察を加えて報告する。

P - 9

1)熊本赤十字病院 放射線科

2)熊本再春荘病院 放射線科

3)熊本大学医学部附属病院 画像診断治療科

Ⅰb型脾損傷に遅発性脾動静脈瘻、脾静脈瘤を合併し、コイル塞栓術

で治療した一例

○瀬之口輝寿(せのくちてるとし)、林 完勇、中野 翼、吉浦 敬

症例は60歳台の男性。膵癌に対して化学療法中であった。造影CTを施行された

際に、総肝動脈から腫瘍内にかけて約3cm大の偽性動脈瘤の形成を指摘された。

上腸間膜動脈から胃十二指腸動脈を介した求肝性の側副路の発達を認め腫瘍は門

脈本幹や右下横隔動脈にも浸潤しており、胃十二指腸動脈の温存を図る方針とし

た。腹腔動脈側と上腸間膜動脈側とよりカテーテルを挿入し、総肝動脈に

detachable coilを絡めながら同時に留置することで、総肝動脈のみを塞栓すること

が可能であった。確認造影において、偽性瘤の描出は消失し、胃十二指腸動脈を

介した側副血行路は温存することができた。

今回我々は総肝動脈の偽性瘤に対して、double catheter techniqueを用いて塞栓を

行った1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。

P - 10

鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 放射線診断治療学分野

Double catheter techniqueが有用であった総肝動脈偽性瘤の1例

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○鬼塚 浩徳(おにづかひろのり)、末吉 英純、長山 拓希、

坂本 一郎、上谷 雅孝

症例は、60歳代、女性。ADPKDによる慢性腎不全で人工透析導入。2年前よ

り腹部膨満感が出現・増強し、衣服の着脱などに支障がでるようになった。ま

た、最近では尿量が減少傾向となり、下腿の浮腫が出現。血液検査では血中アル

ブミンが軽度低下していた。肝嚢胞も左葉で増大傾向、子宮筋腫の存在もあり、

腎動脈塞栓術目的に当院入院となった。

マイクロカテーテルを両側腎動脈まで進め、NBCA:LIP=1:6の混合液を用

いて本管から末梢を塞栓した。塞栓後の造影で、十分な塞栓が得られていること

を確認した。経過観察のCTでは多発性嚢胞腎は著明に縮小し、左葉の嚢胞も縮

小した。

今回、多発性嚢胞腎に対し、NBCA glue による塞栓術が奏功した1例を経験し

たので、若干の文献的考察を加え報告する。

P - 11

長崎大学病院 放射線科

多発性嚢胞腎に対し血管内治療を行った1例

○藤崎 陽介1)(ふじさきようすけ)、瀬之口輝寿2)、林 完勇2)、

中山 博史3)、南立 亮1)、加治屋より子1)、吉浦 敬2)

症例は50歳代の男性。他院で脳動脈瘤と僧帽弁閉鎖不全症のフォロー中だった。

突然の下血を主訴に当院を受診し、造影CTで小腸に血管外漏出像を認めたた

め、緊急血管塞栓術が行われた。回腸動脈の分枝からの出血に対してコイル塞栓

されたが、異なる血管から出血を認めたため、コイル塞栓を追加された。術後経

過は良好であり2週後に退院した。塞栓後4週頃から下血、貧血が再度出現し、

カプセル内視鏡で回腸に動脈瘤を認めた。手術の方針となり、切除範囲を決定す

るための血管造影検査でコイル塞栓部遠位に仮性動脈瘤を認めた。コイル塞栓部

位を含むように回腸部分切除術が施行され、病理学的にSegmental ArteralMediolysis(SAM)の診断となった。初回の血管造影所見でSAM)を疑えず、再出

血を来した症例を経験した。若干の文献的考察を加えて報告する。

P - 12

1) 南風病院 放射線科

2) 鹿児島大学病院 放射線科

3) 鹿児島市立病院 放射線科

TAE後に再出血を来したSegmental Arteral Mediolysisの一例

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○野尻 淳一(のじりじゅんいち)、江頭 秀哲、武下  剛、入江 裕之

10歳台女子。既往にEhlers - Danlos 症候群あり。2016年1月急性腹痛にて前医に

救急搬送。貧血と腹痛の増悪を認め、造影CTにて上腸間膜動脈の解離性動脈瘤

破裂と診断され、加療目的にて当院紹介受診。外科的治療介入が難しいと判断さ

れ、まず降圧安静にて経過がみられたが、その後も症状持続等みられた為、IVRにて治療を行うこととした。治療は右大腿動脈アプローチにてbare stentを留置し

真腔の拡大を得た後、後日左総頸動脈アプローチ(外科的に血管露出し直接穿

刺)にて胆道用covered stentを留置しエントリーを閉鎖し得た。文献的考察を加

え報告する。

P - 13

佐賀大学 放射線科

Ehlers - Danlos 症候群にて上腸間膜動脈解離を来たしIVRにて治療を

行った1例

○渡口 真史(とぐちまさふみ)、平安名常一、山形 航、伊藤 純二、

牧野 航、安座間喜明、伊良波裕子、村山 貞之

症例は69歳男性。心房細動の既往がある2型糖尿病、慢性腎不全患者。血液透析

中に冷汗を伴う突然発症の強い腹痛を自覚し、当院に救急搬送となった。来院時

の血圧は197/118mmHg、脈拍は79回/分であった。身体所見は圧痛や筋性防御は無

かったが、腸蠕動音は減弱していた。血液検査ではLDH 237U/L、Amy 79U/Lであった。造影CTでは、上腸間膜動脈の右結腸動脈分岐部より末梢側の回結腸動

脈が閉塞していた。腸管壁の血流は右結腸動脈の辺縁動脈を介した血流により維

持されていた。以上より上腸間膜動脈塞栓症の診断で、発症から約7時間後に緊

急血栓溶解術を施行した。PITカテーテルを血栓内まで誘導し、ウロキナーゼ計

100万単位を動注した。動注後の血管造影では閉塞血管の再開通が得られ、症状

は完全に消失した。術後経過は良好である。治療方針の決定や、血栓溶解の方法

に関して文献的考察を加えて報告する。

P - 14

琉球大学医学部附属病院 放射線科

上腸間膜動脈塞栓症に対して緊急血栓溶解術を行った一例

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〇北村 遼一1)(きたむらりょういち)、東浦 渉1)、高良 博明1)、安谷 正1)

 小松 泰生2)、間瀬 徳光2)、橋口 幹夫2)

【はじめに】産道裂傷による損傷血管は内腸骨動脈分枝であることが多い。今回

我々は産道裂傷の出血源に下腸間膜動脈分枝が関与した2例を経験したため報告

する。

【症例】年齢は20代,40代。妊娠40週,39週の初産婦。いずれの症例も経腟分娩後

の臀部痛で発症し、造影CTで評価を行った。膣左側に血腫を認め,尿生殖隔膜よ

り頭側にextravasationを認めた。血管造影検査を行い,内腸骨動脈分枝には

extravasationは認めず,下腸間膜動脈分枝にextravasationを認めた。直動脈分岐レベ

ルより末梢でゼラチンスポンジ細片を注入し,選択的に塞栓を行った。塞栓後の

血管造影でも内腸骨動脈からのextravasationは認めず,手技を終了。術後,再出血

や腸管虚血を認めず,分娩5日,6日後に退院となる。

【考察】産道裂傷に対する止血術の戦略として,内腸骨動脈造影で出血源を認め

なければ,下腸間膜動脈が責任血管となり得ることを考慮しなければいけない。

P - 15

1)沖縄県立中部病院 放射線科

2)沖縄県立中部病院 産婦人科

下腸間膜動脈が出血の責任血管であった産道裂傷の2例

〇松山 直弘1)(まつやま なおひろ)、森 雅一1)、石丸 豊1)、

 大坪まゆみ1)、竹下 茂之2)

症例は70代女性。肝細胞癌に対してLip-TACE2回施行後、胆汁漏生じたため、

CT drainage 施行。胆汁漏ほぼ改善後下血出現。CTにて胆道出血と判明。肝細胞

癌の制御良好で、胆嚢内血腫著明であったため、特発性胆嚢出血を疑い、保存的

に経過を観るも間欠的に出血持続。そのため胆摘施行されたがやはり間欠的下血

改善せず。造影CTにて肝門部に仮性動脈瘤を発見。緊急血管造影施行し、右肝

動脈分枝仮性動脈瘤をmicrocoilsで塞栓施行。その後胆道出血/下血は消失。胆汁

漏は肝細胞癌に対するTACE後の合併症の一つであり、保存的、あるいはdrainageで改善することが多いが、さらに胆道出血を引き起こし、塞栓術が奏功した症例

を経験したので考察を含め報告する。

P - 16

1)日本赤十字社長崎原爆病院 放射線科

2)日本赤十字社長崎原爆病院 消化器内科

TACE後胆汁漏/胆道出血(下血)に対しCT drainage/塞栓術が奏功し

た肝細胞癌の1例

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〇光藤 利通(みつふじとしみち)、髙良 真一、納 彰伸、吉満 研吾

症例は29歳、女性。自然経膣分娩し、産後2時間で約2,000mlの流出血を認め

た。BP77/33mmHg、HR116/分。Hb5.1g/dl、Ht16.3%、産科DI8点に対し

RBC、FFP開始。造影CT検査では子宮筋層や内腔に血管外漏出像を認め、子宮動

脈塞栓術となった。両子宮動脈の造影で仮性動脈瘤や多数の血管外漏出像を認

め、両子宮動脈上行枝にゼラチンスポンジ計5.5枚を使用し漸く止血し得た。そ

の後、炎症反応の遷延を認め、術後11日にCT施行し広範な子宮虚血が認められ

た。また子宮内腔細菌培養陽性となり子宮内感染も疑われ、抗生剤の点滴投与継

続し、術後21日には炎症改善し退院。術後96日のCTでも子宮粘膜下筋層に虚血

を認めるが、虚血の範囲は縮小傾向にあり、保存的に経過観察している。弛緩出

血に対するUAE後に広範な子宮虚血を来した1例を経験したので若干の文献的考

察を加えて報告する。

P - 17

福岡大学医学部 放射線医学教室

弛緩出血に対するUAE後に広範な子宮虚血を来した1例

○福里 幸子(ふくざとさちこ) 、村中 貴浩、川﨑 裕平、

山口健一郎、小玉 隆男

症例は60歳代の男性.胃癌(pStageⅠA)術後に乳糜腹水が出現.絶食・中心静脈栄

養管理下でオクトレオチド投与による保存療法が行われたが,腹水は減少しな

かった.術後23日にCTガイド下で左鼠径リンパ節を22G ノンコアリングウィング

ニードルで穿刺し,リンパ管造影を施行.リンパ漏出部位は同定できなかった

が,エチレフリン投与も加えた保存療法を継続し軽快,術後43日に退院となっ

た.以前,リンパ管造影は足背切開法による方法が用いられていたが,侵襲が大

きく,手技的難易度も高いため広く普及はしなかった.最近ではエコーガイド下

で鼠径リンパ節を穿刺してリンパ管造影を行い,有用であった症例が多数報告さ

れている.今回我々はCTガイド下リンパ節穿刺でリンパ管造影を行ったので報

告する.

P - 18

宮崎県立宮崎病院 放射線科

胃癌術後の難治性乳糜腹水に対してCTガイド下で左鼠径リンパ節を

穿刺し,リンパ管造影を施行した1例

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◯東浦 渉1)(ひがしうらわたる)、高良 博明1)、仲里 淳2) 、北村 遼一1)、

安谷 正1)、和氣 稔2)

60代、男性。維持透析患者で左側重症虚血肢治療目的に紹介受診となった。CTでは腹部大動脈・下肢動脈壁の石灰化が顕著であった。左総大腿動脈高度石灰化

病変の血栓内膜摘除を施行したがSPPは24mmHgと低く、下腿3分枝病変に血管

内治療を行う方針とした。右総大腿動脈から4.5Frガイディングシース(以下

GS)を用いてcross-over approachで動脈狭窄に対しPTAを施行。治療後、GSを抜

去しようとしたが腸骨動脈の屈曲と高度石灰化のためか、GSがトラップされGS自体が伸展するのみで抜去困難となった。ダイレーター挿入を試みたがGSが伸

展時にGS内腔が狭小化したためダイレーターは挿入できなかった。0.014 inchガイドワイヤーを挿入し径4mmのover the wireタイプのバルーンカテーテルをGSより末梢まで挿入し、バルーンを拡張させた状態でバルーンカテーテルを引く事で

GSのトラップを解除できた。バルーンを用いたシース抜去が有効であった1例

を報告する。

P - 19

1)沖縄県立中部病院 放射線科

2)沖縄県立中部病院 循環器内科

高度石灰化閉塞性動脈硬化症PTA時のガイディングシース抜去困難に

対してバルーンカテーテルが奏功した一例

○武下 剛(たけした ごう)、野尻 淳一、江頭 秀哲、入江 裕之

78歳男性。3ヶ月前にCTにて肝細胞癌T4N0M0 StageⅣaと診断され、その11日後

にCDDP-TAI(固有肝動脈)+TAE(右下横隔動脈)を施行した。1ヶ月後のフォ

ローのCTで縮小効果に乏しかったため、追加でTACEを行う方針としたが、まず

volume reduction目的にBland-TAEを施行した。施行2日後に39.5度の発熱・悪寒あ

り、CTにて腫瘤内に多量のガス像を認めた。穿刺にて膿瘍が吸引され、腫瘍内

部壊死およびガス産生性肝膿瘍の所見であった。文献的考察を加え報告する。

P - 20

佐賀大学 放射線科

Bland-TAE後にガス産生性肝膿瘍を合併した1例

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○新村 耕平1)(しんむらこうへい)、馬場 康貴2)、吉浦 敬3)

目的)当院で術前舌癌患者に放射線治療をおこなってきたが、同時動注化学療法

も併用することがあった。動注化学療法の有用性を検証した。

症例と方法)2014年7月~2017年3月、当院で術前舌癌患者10名中、放射線治療

患者4名と動注化学療法+放射線治療患者6名で比較検討した。動注療法はセル

ジンガー法で大腿動脈からapproachし、マイクロカテーテルを舌動脈に挿入し、

シスプラチン100mg/bodyを放射線治療期間に1回施行した。放射線治療は1回2

Gyx20回、合計40Gy/4週間で行った。画像的縮小率と組織的治療評価を行った。

結果)画像的治療評価で放射線治療群が縮小率29%、動注化学療法+放射線治療

群が65%で統計学的有意差を認めた。(P=0.0402)

結語)動注化学放射線治療による舌癌の縮小率は放射線治療単独よりも統計学的

有意差をもって優れていた。

P - 21

1)都城医療センター 放射線科

2)広島大学病院 放射線科

3)鹿児島大学病院 放射線科

術前舌癌患者の放射線治療と動注化学放射線治療の比較検討